(幹事社)
ありがとうございます。物価高対策について関連して質問のある社はお願いします。では、あの2点目の幹事社質問に移ります。リニア中央新幹線についてです。岸田首相は、4日の年頭記者会見で、全線開業に向け、大きな一歩を踏み出す年にしたいと発言されました。
未着工の静岡工区を取り上げて、地元との調整、有識者会議の議論を進め、東海道新幹線の停車頻度の増加について、夏をめどに取りまとめて、関係者に説明していく考えも示されました。静岡県はリニア建設促進期成同盟会に加盟し、2027年の品川・名古屋間の開業を目指す立場を共有していますが、早期の開業のために静岡県が取り組むべきことは何でしょうか。お聞かせください。
(知事)
はい、大事な質問ありがとうございました。これも資料を用意しております。この資料を御覧くださいませ。まずですね、岸田内閣に感謝申し上げたいと。と、申しますのもですね、昨年の6月7日に、このリニア中央新幹線につきまして、水資源・環境保全等の課題解決に向けた取り組みを進めるということが書き込まれました。閣議決定です。6月。それから、自由民主党の、いわゆる公約ですね。そこにもですね、品川・名古屋間の早期開業と、その建設に伴う水資源と自然環境への影響の回避・軽減と、書き込まれました。同じ6月、1番目でしたけれども、6月3日に、いわゆる、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会、これもですね、6つの決議をしてるんですけれども、そのトップに、静岡工区については、水資源・自然環境への影響の回避・軽減と、云々かんぬんと、こういうふうに。これはですね、静岡県がずっと言ってきたことです。そういう意味でですね、このことにまず、感謝申し上げたいというふうに思います。ですから、私どもとしましては、このリニアのためにですね、大井川の水資源及び南アルプスの自然環境の保全に向けて、JR東海さんと、真摯に対話を進めていかなければならないと。これはJR東海以外の、リニアに関係する関係者全てがですね、水資源と自然環境を大切にしなさいということを言ってるのでありますから、これともとることをしないように、JR東海さんは、しっかりと自分たちの立場を表明すべきであるというふうに思います。
それから、いわゆる需要動向調査でございますけれども、資料の2を御覧ください。これはですね、JR東海さんが出してるものです。なんて言ってるか。これはあの、これまでのようにですね、7時、8時、9時は10本以上ですね。あとは、大体9本と、あるいは10本ということでありますが、また、ラッシュアワーになりますと、10本以上ということになっております。6時台、5時台、6時台、7時台と。そして「ひかり」と「こだま」はですね、2本ずつなんですね。基本的に、これが、「のぞみ」主導の交通機関であることがよくおわかりかと思いますが。そして、JR東海さんのホームページに、リニア中央新幹線がよく御覧くださいませね、全線開業した後、「のぞみ」中心のダイヤから「ひかり」「こだま」中心のダイヤになるだろうと、これ言ってるわけです。全線開通と言っております。ですからですね、ここを踏まえますと、やはり、もし国の方で、東海道新幹線の需要動向調査を行うということであればですね。まずは、東京・名古屋間、2027年に一応開業を目指すとされてるわけですね。それから東京・大阪間は、それから10年後の2037年と言われているわけです。だから2027年から向こう10年間は、東京・名古屋間だけでですね、リニアを営業したいというのが、金子社長が一貫して、執拗に言い続けていらっしゃることであります。
したがって、この2037年までの、仮に2027年に開業したとしてですよ、その時にですね、どのぐらい、今の「のぞみ」から、リニアにですね、乗り換える人が増えるかと。これをですね、まずシミュレーションする必要があると。もう1つはですね、東京から名古屋を経て大阪まで、2037年に目指されている、その開業ですね。その時に、この「のぞみ」が、リニアにどれぐらい移るかと。この2つは別にしてですね、シミュレーションする必要があると。よく考えてみてください。皆さんがですね、東京から大阪を結ぶのがリニアですけれども、東京から大阪に行くのに、JR東海さんの計画では、まず、東京から名古屋までで営業して、体力をつけて、お金を貯めてですね、それを今度、大阪へ延伸していくんだというふうに言ってらっしゃるわけですよ。今の(リニアの)駅は品川駅にありますから。「のぞみ」ですと東京ないし品川で乗れますけれども、(リニアは)東京で乗れませんから、東京から品川までですね、山手線で移動しなくちゃいけません。そうすると、有楽町線、有楽町駅、新橋、浜松町、田町で、今度新しい駅ができましたね。高輪ですか。それから品川と。つまり6つ駅を移動しなきゃいけない。特に、ラッシュ時間はですね、立ったままでしょう、おそらく。それからですね、品川駅は御存知のように、あの山手線は一番内側にございます。新幹線は一番、言わば、一番海側にあるわけですね。階段登って、ずっと反対側に行って、そして地下に降りなくちゃいけない。地下はですね50 mです。そこまで降りて、それで乗るわけですが、そこは始発ですから、何分か前に行って、指定席に座ると。それから、このリニアに乗ってですね、1駅か2駅止まるか、あるいはノンストップで名古屋に行くと。名古屋で降りてですね、今度は、50 mの地下です。そっから上に上がっていくわけですよ。そしてですね、リニアに乗れるほどの人は、それなりにお金を持ってる人でしょうから、指定席にお座りになると。そうすると今度入ってくるであろう、この既存の新幹線の指定席が来るまでにですね、数分前には少なくともホームに立っていかなくちゃいけない。それに乗って大阪に行くというふうにするかどうかですね。記者さんどうですか。それとも「のぞみ」でいきなり行きますか。
(記者)
ちょっと具体的なシミュレーションを、まだ自分ができていない。
(知事)
これはですね、具体的にどういうふうに人が動くかということも、併せて考えないといけないと。しかもですね、運賃は少なくとも消費電力が3倍になるということですから、仮にですね、1万円、東京・名古屋としましょう。するとどのぐらいになりましょうかね。消費電力は3倍と言われてますから。だから安くなることはないでしょう。
だから仮に2倍と。2万円になったと。2万円払って、かつですね、そういう、歩かなくちゃいけないのを入れて、名古屋まで行って、そしてこのリニアに乗った後、既存の新幹線に乗り換えるという時の場合とですね、東京からいきなり大阪までできたと。そのときに、大阪、もちろん名古屋には停車しますから、その時にですね、現在の「のぞみ」機能がいかに何本、そのリニアに移るかというのは全く別の話だと。ですから、少なくともこの2つをですね、シミュレーションしなくてはいけないというふうに思います。それからですね、現在のJR東海さんの計画は、少なくとも、東京と名古屋間は、5.5兆円で作るって言ってたわけですが、数年前に1.5兆円の増資をされまして、7兆円です。これについて、なぜですね、国は、普通ならば、公共事業ならそこでですね、この1.5兆円の増資について、審査されるはずです。これ民間事業ですから、審査されないまま通ったと。
それからもう1つですね、あります。それは、長期債務残高が5兆円以下なら体力が持つと。しかし6兆円になったらもたないというふうに、国交省に正式な文書で言ってるわけです。現在6兆円です。かつ、今、エネルギー代がこうして上がってるとなったらですね、果たしてそれで済むのかという問題があります。ですからこれもですね、ぜひ、このシミュレーションとしてですね、成り立つかどうか、やっていただきたいと。名古屋までですね。さらに言えば、車両基地ができてませんから、それについてどうなってるんですかっていうか回答が、JR東海さんから皆無です。これについてもですね、きっちりと調査をするようにして、そして、シミュレーションを描いてほしいと思いますね。ですから、今後ですね、岸田総理に対しまして、こうした内容を質問するために、書簡をしたためます。そして、国が責任を持ってやっていただけるようにですね、要請をしたいというふうに思っております。以上です。
(幹事社)
ただいまの幹事社質問について、質問のある社はお願いします。
(記者)
はい、すいません、たびたび。幹事社の静岡朝日テレビです。お世話になります。
ちょっと1点、リニア関連で質問をしたいんですけれども。昨日、田辺市長が定例会見の中で、今、おっしゃっていただいた、幹事社質問にあった、総理に対する発言に関して、喫緊の課題で議論は出尽くした、というような発言、知事を牽制するような発言もされてるんですけれども、こうした田辺市長のリニアに関する、昨日の発言に対してはいかがでしょうか。
(知事)
特段コメントはありません。
(記者)
はい、ありがとうございます。
(幹事社)
すいません、読売新聞です。今の関連で、田辺市長は昨日の記者会見で、この調査自体について、歓迎したいという発言をされたんですけれども、知事はこの調査をすること自体については、今、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。
(知事)
岸田さんがですね、自ら、しかも伊勢神宮、神様を、いわば、あの前でですね、しっかりコミットしたいとおっしゃったわけですね。誠にありがたいことで、責任を持ってですね、少なくとも、今言ったシミュレーションですね、東京・名古屋間において、どれぐらい、「のぞみ」機能が「ひかり」機能に、あ、失礼、リニア機能に移っていくのか。それをシミュレーションする必要があります。
それとですね、元々、中央新幹線小委員会では、この2段階論は認めてないわけです。
この、リニア新幹線が本来の機能を発揮するには、東京・大阪間の全線が開通して、初めて機能を発揮すると言ってるわけですね。JR東海さんは民間企業だから、われわれは、まず実験線の延伸完成をまずやって、次いで東京・名古屋間をやって、そこで体力を、要するに儲けてですね、利益を得て、そして再投資をして、大阪まで延伸するんだと、こういうふうに言ってらっしゃるわけです。ですからですね、2つに分けて考える必要があると。東京・大阪までで出来た場合の、そのシミュレーションと、それから東京・名古屋を、今、まず第一段階としてやるというふうに一貫して言われてるわけですから、それがどれぐらいですね、例えば、静岡県のその「ひかり」、「こだま」を多くするのかと。本数をですね。
その場合に、具体的に、先ほど記者さんもすぐに答えられないぐらい、そんな難しい質問ではないと思いますけれども。私はですね、東京・名古屋間で大阪に行く人がですね、リニアに乗って、若干体を動かしてですね、運動のためならともかくも、時間の競争でやってる中でですね、もう初めから座っていくか、山手線で品川まで行って、地下に降りて、乗って、そしてまた地下から上がって、また指定席に乗り換えていくという。もうそれは普通考えればですね。しかも、値段は当然、リニアの方が数倍になると思いますよ。それから、本数がどれくらいになるかということも考えられますね。ですから、1時間に、今、既存の新幹線は10本前後運行してるわけです。では、リニアは何本ぐらい運転して、どのぐらいの乗車率になればですね、いわば、ペイするかということも考えなくちゃいけないと。当然、JR東海は、それやってると思いますけれども。ですから、東京から名古屋でどれぐらい体力をつけられるかということなんですが、借金が、今、6兆円ありますからね、長期債務残高が。そういう中で、どうやっていくのかと。それから、しかも資材の価格が高騰してますから。今の時点で、これからまだまだ、相当の工事をしなくちゃいけません。それを、今の7兆円でやっていけるのかどうかということもありますので、こうしたところはですね、私は、国交省の斉藤大臣も似たようなことを言われまして、斉藤大臣が言われた時には、総理の指示に従ってシミュレーションしたいとおっしゃってました。今度は、総理が自ら言われたわけですね。ですから私は、総理が、本当にこれはコミットされてるんだと思いますので、2027年でどれぐらいペイができるのかという、そのシミュレーションはですね、まずやるべきだと。それで、ペイしない場合はどうするかってことも考えるべきでしょう。だけど、基本的にはリニアってのは、東京と大阪を結びつけて初めて本来の機能を発揮するというふうに、国交大臣が諮問した、国交大臣、中央新幹線の小委員会はですね、国交省の。そう言ってるわけですから、そのシミュレーションは当然やらなくちゃいけない。それは、しかし、どんなに早くても2037年以降になります。そういう、2030年以降の、当然社会情勢も変わってきてるでしょう。それをどういう、いわば前提条件のもとでシミュレーションするかっていうのは、決して容易じゃないですよ。ですからですね、8月までってのは、いい宿題をですね、自らに課されたなと思っておりまして。私としましてもですね、彼が三重県の知事に会われたとか、奈良県の知事に会われたと。まだお目にかかってませんのでですね、ぜひ、具体的に御説明を申し上げるなり、これはあの、総理大臣閣下にですね、直にに持っていく形での書簡にしてもいいなと。これを、今週はちょっと無理かもしれませんので、来週あたりにはですね、まとめて、もしお目にかかれないなら、もう書簡としてお送り申し上げるというふうにしたいと思っております。今、うち今、全員でですね、この書簡の内容をまとめて、シミュレーションでこれだけのことをしなくちゃいけないと、責任をもってその名前においてですね、やってくださいと。しかし、実際にシミュレーションするのは鉄道局でしょう。鉄道局長は、申し訳ないけども、
鉄道の専門家ではありません。それから、今、審議官が戻ってまいりました。元鉄道局長です。この人がアドバイスをしてると思いますが、こんなことをさせる審議官というのは何という、なんといいますか、私から見るとですね、もしシミュレーションができたうえでそれをですね、言ってらっしゃるなら別ですけど、素人が考えても、私どもが考えてもですね、なかなかにこれ、予想が厳しいようなものを出すとおっしゃってるわけですから、審議官と鉄道局長は責任を持ってですね、斉藤国交大臣並びに岸田総理に恥をかかせぬようにですね、支えてくださいと。あえて強く申し上げておきたい。それができない場合にはそれなりの責任を取りなさいということもあわせて申し上げたいと思います。 |