令和3年度以前知事記者会見

2012年10月22日(月)


発表項目  1.浙江省への友好代表団の派遣について  2.第36回全国育樹祭について  3.津波対策を目的とした寄附の募集開始について
1.浜岡原発の再稼働にかかる住民投票条例案について  2.震災がれきについて
1.浜岡原発の再稼働にかかる住民投票条例案について(2)
1.県職員の不祥事について  2.浜岡原発の防災対策について 3.浜岡原発の再稼働にかかる住民投票条例案について(3)

発表項目  1.浙江省への友好代表団の派遣について  2.第36回全国育樹祭について  3.津波対策を目的とした寄附の募集開始について

<知事>

    秋晴れの良い季節になりました。さて発表項目は3つでございます。





    浙江省への友好代表団の派遣について

    まず第一に、浙江省への友好代表団の派遣についてですが、既にぶら下がりでも申し上げましたけれども、静岡県浙江省友好提携30周年記念事業に関わる浙江省での記念式典につきましては、浙江省人民政府のほうから、12月24日の月曜日から26日水曜日までの期間で開催したいという御提案がありました。この御提案をいただきまして、現在、両県省の関係機関等と調整を行っておりまして、静岡県友好代表団の派遣日程等を早急に決めていくという段取りでおります。









    第36回全国育樹祭について

    2つ目は、間もなく開催される第36回全国育樹祭についてでございますけれども、皇太子殿下の御臨席を仰ぐことが正式に決まりました。11月10日土曜日にはあまぎの森でお手入れの行事をしていただきまして、11月11日日曜日にはエコパアリーナで式典行事を開催するという運びになります。育樹祭を盛り上げるために、これまでに県におきましては、森づくり県民大作戦、こうしたものを始め、40件以上の記念行事を開催して参りました。これからも掛川市主催の「命を守る『希望の森づくり』国際シンポジウム」、あるいは静岡巽ライオンズクラブ主催の「巽の森に美しい花木を植樹しよう」といったことなど、10件余りの記念行事が予定されております。また、当日、エコパグラウンドで開催する記念行事「森林・林業・環境機械展示実演会」におきましては、式典会場と同一敷地内という立地条件のもとで、過去最大の65社が出展いたしまして、高性能の林業機械の展示・実演を行う予定です。また隣接する森林内で間伐のデモンストレーションを行います。このほか本県独自の取り組みを計画しております。現在、開催当日に向けまして、式典行事出演者や式典音楽隊による合同練習やリハーサル等を10回以上実施しております。併せて実施本部員の実地研修を行う等、大会の成功に向けて万全の準備を進めているところでございます。この育樹祭開催を通しまして、森林資源の活用とそのための担い手づくりの大切さや、目下目標にしております45万立法メートルの木材生産を目指す本県の取り組みを全国に向けて広く発信できるものと確信しております。
     




     




    津波対策を目的とした寄附の募集開始について

     3つ目の発表項目でございますが、それは津波対策を目的とした寄附の募集を開始したという発表でございます。静岡県津波対策施設等整備基金条例が成立いたしました。10月23日火曜日に公布・施行されます。このことに合わせまして、その日、すなわち10月23日火曜日から津波対策施設等整備寄附金の募集を開始いたします。これは今年の6月に複数の企業から、津波対策に多額の寄附の申し出をいただいたことを受けまして、「ふるさとを守るため自分たちも何か協力したい。」という皆さんの気持ちを幅広く受け入れたいと考えまして、開始するものであります。寄附金は静岡県が県下全域において行う防潮堤等の施設整備や改良に用います。個人の方におきましては、これまで同様、ふじのくに応援寄附金、通称ふるさと納税による寄附とさせていただきます。法人につきましては、専用の寄附申出書により、申し出をしていただくものという段取りになります。引き続き、災害に強い県づくりに取り組んでまいりますので、是非県の皆様方、特に企業の皆様方には御協力を賜りたいと伏してお願い申し上げます。用意しました発表項目は以上です。

    <幹事社>
     ありがとうございました。それでは今の発表項目につきまして、御質問ある方お願いします。

    <記者>
     今の津波対策の寄附金なのですが、寄附を募る目標額というのは設定しているのでしょうか。

    <知事>
     いいえ。設定しておりません。




1.浜岡原発の再稼働にかかる住民投票条例案について  2.震災がれきについて


浜岡原発の再稼働にかかる住民投票条例案について

<幹事社>
 他はよろしいでしょうか。それでは幹事社質問に移らせていただきます。2点ございます。
 1点目です。浜岡原発の再稼働にかかる住民投票条例関係です。9月議会で原案・修正案ともに条例施行段階における問題が指摘され否決されました。知事も入り口論で否決されたことは残念とコメントされました。これを受け、市民団体は12月議会で、知事発議で修正案の提出を要望しています。16万を超える民意は重いとして賛意を示された知事ですが、その民意に応えるために、12月議会もしくはそれ以降に条例案を提出することは考えられますでしょうか。ちなみに今日、市民団体が発表したのですが、先週から、昨日の日曜日までに行った2000人を対象にしたアンケートで、知事に再提出をして欲しいと答えた方が6割いらっしゃいました、ということです。

<知事>
 6割の母数は?

<幹事社>
 2000人です。2000人サンプルです。

<知事>
 ですから1200人。

<幹事社>
 はい。民間の企業にお願いをして頼んだものです。
 そして2つ目の質問です。震災がれきの受け入れ関係です。岩手県からの震災がれきの本格的な受け入れが今月18日から4市で始まりました。これについての所感をお聞かせいただきたいのですが、島田市が最終処分場を巡って地権者の一部の方から反対も出ていますけれども、それも含めて所感のほうをお聞かせください。

<知事>
 まず、住民投票にかかわる条例ですけれども、私は住民の直接請求に必要な、有権者数の50分の1というのを十分に上回る、そういう条件を満たした請求に関してはこれは重く受け止めるということでございまして、そうした条件を満たしたものに対した条例、これの制定に積極的です。これが私の基本的な姿勢です。今回も50分の1をゆうに3倍近く上回る署名が集まりました。しかし、どなたの賛成も得られずに全面的に否決されました。どうしてでしょうか。

<幹事社>
原案についての不備を指摘されたからですか。

<知事>
 そうなんです。不備があったからです。では、その不備のある原案を作成した人は誰でしょうか。

<幹事社>
 市民グループの代表の方ということになりますでしょうか。

<知事>
 どなたですか。

<幹事社>
 鈴木望さんとあとはどなたか数人関わっていらっしゃるのかもしれませんが。

<知事>
 その方の責任が取られていないのではないでしょうか。そう思います。










 【震災がれきについて】

 <知事>
     続きまして震災がれきですけれども、まず島田市から始まりまして裾野市、静岡市、浜松市、この4市が本格受け入れを始めていただきまして、本当にありがたく感謝しております。今、残念ながら島田市におきましては住民の一部の方から反対という動きが出ているのは承知しております。その理由を承っておりますと、もしそうしたがれきが来ることを通して風評の立つことがあるのではないか、という心配があると言われています。私どもは静岡県は風評で苦しめられました。ですから風評と戦いたいというふうに思っております。風評と戦う姿勢を持って欲しいと思っております。そのためには山田町・大槌町におきましてしっかり検査をし、そしてこちらに持って来てまた検査をし、そうして通常の大気中にございます放射性の濃度と変わらないという、そうしたことを誰にも分かる形で確認して焼却をしていますので、是非そういう風評というものに対して立ち向かう勇気を持っていただきたいというふうに切に願っております。そして県の実施いたしました6月のインターネットモニターアンケートでは、8割の方々から広域処理に賛成であるという御回答をいただいております。ですからほとんど全ての県民の方々が、困っている人たちのために助けようというお気持ちであると理解しております。私どもはこのような思いやりの気持ちを形にするべく35市町のうち条件の整っているそうした4市において今広域処理をしていただいているということに関しましては、格別に敬意と感謝の念を捧げたいというふうに存じます。私どもの目標は山田町・大槌町の可燃性の木片でございます。これは当初は7万7千トン、それが直近の数字では3分の1ほどになりました。おそらくこれはいろんな理由によると思いますけれども、風化もそのうちのひとつだと存じます。そうしたことから実際上は処理する量はこれをさらに下回るであろうと。この冬。さらに今の処理能力からいけば、1年以上かかりそうでございます。仮に2万3千トンというのが目標になるとすれば。しかしこの間に、冬、夏、等の厳しい気候条件のもとで雨風にさらされているわけですから、この木片が急速に風化して、土になっていくというふうに見込まれます。そうした中で実際上の処理をするべき目標値は現在出されております2万3千トンというものよりも遥かに下回るというふうに見ております。これを仕上げるというのが静岡県方式におけるがれき処理・広域処理の目的であり目標であり、そして環境大臣、当時の細野豪志大臣からこうしたことで本県は救援活動をするということで御了解をいただいてやっているのでございまして、なんとかこの可燃性木材がれきにつきましては、きっちりと最後まで仕上げたいというふうに思っておりまして、この4市の方々に対しましては、是非その目的を完遂していただきたいというふうにお願いするものでございます。
    以上です。



1.浜岡原発の再稼働にかかる住民投票条例案について(2)


浜岡原発の再稼働にかかる住民投票条例案について(2)

<幹事社>
 最初の質問について改めて伺いたいのですが、責任を取られていないのではないかとおっしゃいましたけれども、そうしますと責任を取ることがまず最初であって、先程御質問しました12月議会もしくはそれ以降に知事から再提出ということについてはどういうふうにお考えかということについて改めてお伺いしたいのですが。

<知事>
 12月議会に知事提案によって条例案を出して欲しいとおっしゃっている方が同じ方です。今名前を上げられた方が書かれています。この方の作った条例案がどなたの賛同も得られなかったということについて、やはりきちっと責任を明確にするべきであるというふうに思っています。

<幹事社>
 まずそれが先だと。

<知事>
 そのような方の要請というものについては、その方自身に疑義を持っておりますので、まず身を正していただきたいと思っています。

<幹事社>
 そうしますと、身を正した暁、そういうふうに知事が判断した暁には再提出することもお考えになるということですか。

<知事>
 さしあたって不備の多い条例案は全面的に否決されました。ですから、この市民団体の作成された条例案と県議の方々が汗を流しておつくりになった修正案というのは懸隔が大きい。あまりにも差が大きいということから16万数千人の方々の署名の対象になった条例案とは別個だということで、これは退けられたわけです。ですから今度もし条例案を議会で議論していただくとなれば、修正案ということになります。この修正案は今回の代表者にとっては、彼らの条例案とは別個のものだというふうに認識しています。

<幹事社>
 それでは各社質問あればよろしくお願いします。

<記者>
 いろいろおっしゃるのは分かるのですが、つまり、提案されるのか、されないのか、ということをお尋ねしたいのですが。

<知事>
 その要求は受け入れる筋のものではないと思っています。要求者の、署名に関わるこれまでの前歴、これは名古屋の市議会のリコールにも関わる、同じ人物が関わっていますので、こうしたところに見られる選挙活動用の署名というように誤られるか、そのようにみなされかねないようなことが過去に報じられておりまして、ですからそうした疑義を生じているような人物の要請は受けられません。そういうことです。

<記者>
先週の市民団体の会見によりますと、団体としては、鈴木望さんを共同代表とする団体としては今月末で解散されると。ただその後、この修正案でもいいので条例を再提出して欲しいと望む一般市民からの署名が原発県民投票静岡とは別の名前で届けられるのではないかと。実際にそういった署名活動が始まっているのですけれども、鈴木望さんから全く離れて、原発県民投票静岡とは全く別の形で、知事に再提出をお願いしたいという署名が続々と、規模は分かりませんけれども今後集まってきた場合、そういった声に対してはどのようにお考えになるかお聞かせください。

<知事>
 これは、直接請求というのは民主主義のルールです。ですからこれはそうしたルールに則って、そして実行可能な修正案というものがありますから、こうしたものをしっかりとお読みいただいて、そして県議の間で議論ができるように意思疎通も図られてなさるというのは健全な活動だというふうに存じます。
私は冒頭で申し上げましたように、この50分の1の直接請求による投票活動というのは今までまともに議論したことがないと思っておりまして、ですからこれを是非実現させたいと思っておりますが、これを本来の目的というものがしっかりと培われるべき方々によって担われなければならないというふうに思っております。ただ、今この件につきましては議会が上程することも可能ですし、もちろん私がすることも可能ですが、本来の趣旨というものがありますので、直接請求ということを通して住民投票というものを実施して欲しいということであれば、そういう条例案を活用する道は今開けているというふうに理解しているのです。

<記者>
 その点についてなのですけれども、自治行政課にも一応確認したのですけれども、住民投票というものについて、議会解散のリコール活動等はともかく、住民投票というものについて法的に直接請求が本筋であるというふうな趣旨を定めたような法令というものは存在しないということで、住民投票は直接請求でやるのが本筋だという根拠が、何か知事はあるとお考えなのでしょうか。

<知事>
 今回の署名活動というのは県民あるいは全国で関係者を中心になさったいろいろな形で国民の声を聞くという、そうした中で時を一にしているわけです。ですからそうした観点は失わない方がいい。
もうひとつですね、私のほうで汗をかくべきことがあります。それは、住民投票をする場合にその事務は市町にお願いをしなくてはいけないということです。そして市町が、その一部が拒否された場合に、県民全体の意思が表現できないことになりますので。ですからここのところはむしろ私と、県と国との関わりでやはりそれなりの要求があって住民投票をするということが決まったといった場合に、投票が出来やすいように制度的な保障というものを中央政府のほうで準備される必要があると思いまして、それは今回の私が気付いた一番大きな、実施上の壁です。この壁を何とか無くしたいというふうに思っておりまして、総務省が対象になると思いますけれども、住民投票ができやすい環境整備というものに私は汗をかきたいというふうに思っております。

<記者>
 いつぐらいに総務省にそういった要望をされるお考えでしょうか。

<知事>
 こういった形で申し上げることを通して、既にこの問題点につきましては総務省のほうも御存知だと認識しております。ですから全国のこうした住民投票に関わる問題というのはまだございましたので、そうした時に最後の支障になるのは、実施上の難点ということになります。ですから全国知事会でも有志を集めまして、どなたが代表になってもいいですけれども、こういう制度上の壁を無くしていくという努力を今実際しているわけです。

<記者>
 すみません。もうひとつ伺わせてください。いずれにしましても今回、自民党、自民改革会議の会派として国の原子力政策に住民投票はなじまない等というような反対意見で否決があったようなのですけれども、今日も午前中、ホテル中島屋であった環安協(県原子力発電所環境安全協議会)で、知事は御出席されておりませんでしたが、大石副議長が知事が急に賛成したのは科学的な検証をすると言っていたのに賛成に転じたのは、それこそ科学的な思考停止ではないかと、住民投票になじまないと知事自身が言っていたのではないかと、強く自民党の議員の先生方から知事の姿勢に対する反発が根強い状況が続いているのですが、今後、住民投票のあり方について、自民党の先生方に理解を求めるような、何か対話のお考えはございますでしょうか。

<知事>
 あります。今日、午前中にその会議に行けなかったのは秋季の戦没者、慰霊の式典がございまして、そちらに午前中出席していたのでそちらに出られなかったのですが。県議の先生も私も、あるいは市長先生も町長先生も、みな選挙によって選ばれているわけですから。ですから選挙民の意思というものを表現する、これは基本的に同じです。ですから直接請求もそのうちのひとつでございまして、今回、否決された理由はもちろん今御指摘のような、原子力政策は国が本来やるものでなじまないというのがありましたけれども、今回否決の最大の理由は、条例原案と修正案との懸隔があまりにも隔たっているということで、入り口論で否決されたということですね。しからば、もとに戻りまして、国の原子力政策というものについてですが、定まっているでしょうか。あるいは定められるような今見込みがあるかとなりますと、これは国論を二分するぐらいに定まっていないというふうに思います。一方で反原発あるいは脱原発、あるいは原発をゼロにするというものがあると思うと、もう一方で原発は不可欠だという議論もあります。そうした中で、方向性すら定められていないというのが現状ではないかと思います。そうした現実に照らした時に、本県が何をなすべきかということを考えるべきです。すなわち、原子力政策については中部電力と東電と関電と、それぞれ9つの原発を持っている電力会社でそれぞれ自主的にお決めになっておられる面がございます。そうした、民間企業の意思を無視して全部一律に原発施策をどうこうできると言える筋のものでもありますまい。国営の会社ではありませんから。ですから私は中部電力管内においては中電の原発を考えるということが筋だと思っています。それは誰が考えるかというならば、それは国民全体というふうにも言えるでしょう。国民全体の代表である政府であるというふうにも言えますけれども、九州の方や北海道の方が中部電力について考えるということにもまして、彼らはそれぞれ九州ならびに北海道のそれぞれの電力のエネルギー政策というものをお決めになる。これがエネルギーの地産地消の基本的考え方です。ですから私どもは中部電力管内におきまして、エネルギーの地産地消というものを進めていく。この場合に全体の電力供給量の2009年段階で1割強と。そして過去、昨年の5月以来、原発抜きで冬や夏を乗り切ってきたという中で、我々のエネルギー政策をどうするかということを中電と御一緒に考える、そういう政策を取っています。その中電と御一緒にということは、中電の例えば浜岡原子力発電所に数千人の方が、つまり県民が働いているわけです。その方たちの意見も一緒に入れる。言い換えると、県民の意見というものを抜きにして、我々は原発政策を考えることができない。だから同じ舟の中で、この舟を右に進めるか左に進めるか、あるいは出航地に戻るか。そうしたことを一緒に決めていこうということで、私の基本的姿勢はそれに尽きます。ですから今の浜岡原子力発電所の置かれている状況、これが今再稼働が可能にできるような客観的な条件というものが整っていません。いない理由につきましても、津波の問題、オフサイトセンターの問題、あるいは使用済み核燃料の問題等ございまして、こうした中で再稼働できないということを申し上げているわけです。
ですから再稼働か、あるいは原発廃止かといったような二者択一ということではなくて、この浜岡原子力発電所をどうするかということを一緒に考えていこうということのための原子力の委員会を、少なくとも3つあります。親委員会があります。静岡県防災・原子力学術会議。それから原子力分科会があります。津波対策分科会もそれですね。そして経済性等検証専門部会もそれです。そこに入られている先生方は、日本を代表するその方面の権威です。同時にまたそこには皆様がたも傍聴できる、さらにまた中部電力の方も発表したり、あるいは答弁に入られて完全に開かれた形でやっている。こうしたものをベースにして住民が自分の意見を表明するということがどうしていきなり国の決めることだから関係ないというふうな意見になるのかというふうに存じます。ですからこの観点は変わりません。にも関わらず370万の人たちが生活して、そのうち300万人近い人たちが有権者としていらっしゃる。そのうちの50分の1以上の方たちがこの件について法定の基準を満たして条例を制定するということの運動をされることに対して、それを入り口論で退けられるというふうなことはしないほうがいい。
ですから私はこれはもう党派を超える問題ですから。ですから自民党、民主党、公明党、みんなの党、その他富士の会も含めてですけれども、どなたとも胸襟を開いて話していこうというふうに思っております。どういうふうにしたらいいか。しかも今、自民党の話が出ましたけれども、これは議長声明でこの件についてはさらに検討していこうという、ほとんどもうその直前までいきました。さらに自民党改革会議の皆様方もこの件についてはこれから検討していくというふうに言われています。ですから終わったわけではないのですね。まさに原発はそこにある現実ですから。これをどうするかということは我々のまさに生活・産業に関わっています。そういう意味でこの件について何と言いますか、特段のレッテルを貼ってということは二の次三の次でございまして、いかにして全員納得のもとで我々のエネルギー政策というものをしっかりと定めてそれを実現していくというふうにしていきたいということです。その大きな方向性としてはいわゆる再生エネルギーというものを少なくとも10年後には2倍にしようということでしたが、太陽光などはもう8年前倒してできていますから。そうした動きを加速することを通して浜岡原子力発電所の安全性、そこに働いている人、また周りにいる人のためにやるというのが我々の義務です。そういう考えを持っています。



1.県職員の不祥事について  2.浜岡原発の防災対策について 3.浜岡原発の再稼働にかかる住民投票条例案について(3)


県職員の不祥事について


<記者>
 県の職員の逮捕の関係をお聞かせ願います。先週の金曜日に、富士宮市から派遣されている職員ですけれども県消防防災航空隊の隊員が恐喝未遂で逮捕されました。先週末には財務事務所の職員が痴漢で逮捕された。今月初めにも県民生活センターの職員が痴漢で逮捕されたということで、県の職員の不祥事、逮捕事案が相次いでおります。これについての御所感と、あとは教員の不祥事が相次いだ時に知事は構造的な問題だというふうな批判をされていましたけれども、知事部局の職員の逮捕についての原因そして再発防止、何かお考えのものがあるかお聞かせください。

<知事>
 この2、3年、知事部局、警察、教育、こうした公務員の不祥事が相次いでおりまして、その中で突出しておりますのが教員です。この2、3年で30件を上回っておりますから。そして警察も小さくない。同じぐらいのレベルで知事部局で起こっているということでして、まことに恥ずべきことだということで、富士山に向かって恥ずかしいようなことをしてはならない。まして沼津とか富士宮といったところは常に富士を仰げる場所ですから。神々しい富士に向って恥ずかしいと思わないかという、そうした本県独自の倫理規範を徹底して参りたいと思っております。この件についてはもう本当に無念という以外ないのですが、構造的問題というよりも社会全般の綱紀というか危機意識を含めた倫理規範が緩んでいるというふうに思っております。
そして例えば教員の場合には先生方が極めて忙しい、ストレスが溜まっているということも分かっています。35人学級をした結果、かえって先生方に余裕がなくなったということも聞いております。ですからこれは、そういうストレスが溜まりますとバランスを失いやすくなりますから、そうしたことを正すためには教育行政全体にメスを入れなくてはいけないということで、今教育行政の何と言いますかあり方検討会で検討して頂いているということなのですが。この間も、人事委員会のほうから、委員長先生の方から給与のことだけでなく、わざわざこの件について口頭で御注意がございました。ですからこれは、表を見せられて、教員、知事部局、警察、ここ2、3年でこういう状態、増えているということで、この件については早急に対策を講じないと、また同様の事件が起こりかねないということでございまして、私としましては経営管理部長を筆頭にいたしまして、綱紀粛正、綱紀をしっかりと遵守する。これを徹底するように、少し策を考えてみたいと思っています。

<記者>
 教員についてはそのストレスだとか多忙が原因だという話がありましたけれども、県職員について、規範意識が緩んでいるという話がありましたが、何か原因として考えられるものを知事として。

<知事>
 あれは沼津財務事務所ですね。この間行ったのではなかったのでしたっけ。沼津はしょっちゅう行っているのでひょっとすると会った青年かなと思ったり、若い青年もあちらこちらにいて、全員ではありませんけれども、1時間近く選ばれた若い青年たちと意見交換をするというのは、いわゆる移動知事室でもう4回ほどやりましたけれども、4回ともきっちりとそういう若手の職員さんと意見交換の場を持っているのですね。その限りにおいてはしっかりしているなという面もあるのですが、全体として御案内のように、我々は人員を削っています。ですから私自身もだいたいなるべく7時ごろには帰ろうとしているのですが、その理由のひとつは皆働いているから。知事部局の中でですね。私が帰らないとひょっとすると帰れないのではないか、あるいは私が帰った後でも例えば8時9時ぐらいに電話があります。どこにいるのですかと。まだ知事部局にいます。晩御飯はどうしたのですかと。そうした残業も身近で見てきていますので、そうしたことのしわ寄せが、もし若い人のところにいっているのであれば具合が悪いと思います。ですからもう一度、適材適所で、あるところは比較的暇で、あるところは極端に忙しいということは確実に組織ですからございまして、そうしたことを見直すということが必要だなと思っております。





【浜岡原発の防災対策について】

<記者>
 原子力防災についてひとつお尋ねします。同じ午前中の環安協(静岡県原子力発電初環境安全協議会)で、原子力規制庁、浜岡規制事務所の上原所長が講演されたのですけれども、その場で牧之原市長が今後防災計画を定めていくにあたって、原発の再稼働は前提としないで欲しい、あくまで今の停止している状態を条件として防災計画を考えて欲しいという要望をされたのですが、永久停止を求める立場から、そういった御事情もあるかと思いますが、一方で中部電力は再稼働を目指す立場から、運転中に事故が起きたことを想定して、どんな初動対応をしなくてはいけないかという訓練も行っているわけですけれども、県として今後、防災計画を考えていく上では、この牧之原市長の言うような停止を前提とした、あるいは中部電力がやっているような運転中を前提とした、どちらの立場に立って計画をしていくのが軸になるかお考えをお聞かせください。

<知事>
 そうですね、今現実を前提にしてやればいいと存じます。ですから今運転を再開できるような条件は整っていませんので、この条件のもとで訓練をするということが大事だと思います。そして仮に再稼働でもするというような動きが本格化すれば、なぜそれができるのかというようなことを点検することがまず前提になると存じます。ですから、再稼働を前提にした訓練というのはどういうことかよく分かりませんけれども、再稼働中の訓練とは今は再稼働できる条件はないので、この現実のもとで、例えば津波が19メートルで襲ってきた場合にどうするかといったようなことですね。それからオフサイトセンターがまだありませんので、まあありますけれど実質ないに等しい状況なのでどうするかといったようなことで、我々は現実を前提にして訓練をするという、そうした態度で一貫していきたいと思っております。

<記者>
 防災対策を練るために最悪最大の事故を想定して、運転中に大量の放射性物質が放出されたらというシナリオを今考える必要はないだろうというお立場でしょうか。

<知事>
 最悪、すなわち南海トラフのマグニチュード9クラスの地震が起こって、それに応じた津波が来る。これは今、各地域でどれくらいの津波に襲われるかということはこの2月に中間報告をもらって6月に最終報告をということで、これに応じた対策を当然取るということですね。

<記者>
 再稼働により危険性が高まった条件下での想定は今必要ないというお考えですか?

<知事>
 再稼働していませんからね。
 しかし想定は自由です。中部電力が再稼働をしていることを前提にして自ら そこで訓練をなさるということについて、それを妨げるものではございません。
 何か質問がいつも偏っているような。幹事社としては何か全員に当てるとか。あるいは座り方を変えるとか。
 ああ、記者さんどうぞ。










【浜岡原発の再稼働にかかる住民投票条例案について(3)】

<記者>
 少し話が戻ってしまうのですけれども、原発県民投票静岡の件で、知事は実施可能な修正案があるということで、そういう修正案がありながら代表の個人的な資質に関して疑義があるというようなことをおっしゃっていて、その住民投票を実現したい住民の方側からすれば、おそらく入り口論、まさに入り口論というか門前払いを受けているような印象があるのではないかなと、私は個人的には想像するのですけれども、まず1点目は責任の取り方というのは、代表の方の責任の取り方というのはどういうことを想定してお話しをされているのかというのが1点。知事に提案していただきたい、もしくは議会で議論していただきたいというのは、住民投票をやりたい側の方からすれば当然の希望かと思うのですけれども、具体的にどういうふうにすれば県議会でまた再び議論することができるのか。知事に何か御助言いただけることがあれば教えていただけるといいかなと思うのですが。

<知事>
 門前払いをしているつもりは私は全くありません。むしろ県議のほうで、29条しかありませんから、本則27条、付則2条でしたからこれをつぶさに検討されてそれで実行可能なものができているわけですね。ですからこれは良かったと思っています。そうしたものがありますので、どこがどう違っているのかをよく御覧になる必要があります。最初のほうの質問ですけれども、これは反省の弁がないというのがおかしいと思っています。それから今修正案というか本来の住民投票に関わる条例、これのモデルがございます。これをどう活かしていくかということについて考える時が来ているのではないかと思いますね。ですからこれをベースにした直接請求も可能ですし。議員の先生方がこれを練られたので、議員の先生方のほうで今勉強会をされているということですから、これを議員立法というのですか、議員提出の条例としてすることも可能であると。そしてもちろん私が提出するという方法も開かれている。この3つがあるのではないでしょうか。私のほうとしてはしかし、この実施にあたってはこれはこの条例にかかわらず、投票を条例に関してする場合、どうしても市町と協力がいる。この市町との協力についてはノーと言える権利が市町にはございますので、ですからここはやはり県全体の代表者がお決めになった条例なので、是非市町のほうでもこれを実施するという制度的な保障というものを作り上げる必要があるということで、私はこれに関わる総務省等と、同じ問題を抱えていらっしゃる首長さん等と協働して、直接請求に基づく住民投票というようなものが仮に今度あった場合に少なくともそうしたものが入り口ではなく実施に関わるという点においては制度的な壁はない、そういう関係づくりをして参りたいと思っています。
 繰り返しますけれども門前払いなどとはとんでもない話です。もともと直接請求が来た、これが実施可能かどうかということについて、実施可能にするにはどうしたらいいか。そのために情報をすべて差し上げるというふうにしました。結果的に相当大きな開きがある条例案になったので、これは16万以上の方たちが署名された、これは反原発の署名ではありませんから、条例案設置についての賛成署名ですから。その条例案が実施不可能だということが分かった以上、そして条例案を説明されていない、反原発の署名であるといったかのごとき誤解を与えかねない署名活動が展開されたということがこの間の議会で判明いたしました。したがってようやく初めて条例案を設置するについてはやはり県民もしっかり勉強をして、自分たちの権利を行使するためにはそれなりの権利と義務というものがあるということで、そういう責任を持った形での行動というものも今回自覚されたのではないかと思っています。私自身も国と、国の制度の問題もあるということが分かりまして、こうしたものを何とかクリアして、直接民主主義と間接民主主義、この両輪を機能できるようなそういう民主主義を育てていきたいと思っているわけです。つまり人任せにするということではない。例えばそんな完璧な条例を一般市民に期待するのは無理ではないかという意見の人がいましたね。それは一般市民に対する侮辱です。ですから一般市民といいましてもそこには専門の法律家もいるし、相談に乗ろうと思ったら県もいるし、県議の先生もいらっしゃるわけですから。ですから私は一般市民といいますか県民を信頼しております。ですからその方たちはその信頼に応じたそうした責任を含めた形での政治活動というものを期待したいし期待できるというふうに思っております。

<記者>
 新潟でも同じような活動をされていて、つい先日賛成された泉田知事も川勝知事と同じような判断をされるのではないかと思うのですが、国に働きかけていく必要がある制度面の問題というのが明らかになったことで、川勝知事のほうから例えば全国知事会などで、先程も少しお話がありましたけれども、問題提起をされるというような趣旨なのかなと理解しましたが。

<知事>
 そのように理解されていて結構です。ですから実際にそのように課題に直面している県知事の方とは話がしやすいですね。ですから泉田さん、今回無事当選、三選目ですか、なさいまして、これまでも防災に関わる委員会で彼が委員長で僕が副委員長だということで、いろいろな形で協力してきておりますので。この件で一番最初に話しやすいので、ひょっとすると泉田さんになるのではないかと思っております。

<記者>
 ありがとうございました。

<知事>
 私の方からひとつ。何か原発の再稼働あるいは反対に対して住民投票に丸投げしたという社説を書いたところがございましたが、こんな馬鹿な根拠のない断定はこちらの情報が論説委員のところにいっていないのではないかと心配しておりますが。Yのつく新聞です。丸投げなんて。原発の再稼働を住民投票に丸投げしたということは一度もありません。そんな誤解を生むような発言をしたことも一度もありません。今日は来ていらっしゃらないのかな。

<幹事社>
 よろしいでしょうか。それでは今日はありがとうございました。