(知事)
明けましておめでとうございます。新年のお花は、神を待つ“松”と。そういう意味があるそうですよ。見事な盆栽で。
今年は亥(いのしし)年ということで、猪突(ちょとつ)猛進をいたしたいと思っております。もっとも私は、ねずみ年だもんですから、きょろきょろしながら全方位、目の届かないところができる限りないように、チーム県庁といいますか、県庁を挙げて、目配りをしっかりしながら目標に向けて猪突(ちょとつ)まい進してまいりたいと思っている次第でございます。
今年は東京ガールズコレクションっていうのが1月中旬にございますので、いわゆるSDGsという、持続可能な発展の目標というのがございますが、目標を達成するために第17番目にはパートナーシップが大事でしょうということでございますので、全方位的なパートナーを常に求める形で、16の目標、大半は静岡がモデルのような形で全世界の人々から、かえってですね、ここに来れば、こういうふうにすれば、貧困とか飢餓とか、きれいな水であるとか、あるいは教育をしっかり受けられるとか、そうしたいろいろな切実な人類の、困ってる人たちの希望がございますけれども、そうしたものをほぼすべからく、目標にこれまで掲げてやってきてまいりまして、そのモデルになるということで、それをアピールする最初の機会が東京ガールズコレクションではないかというふうに思っております。
それから4月からは、いわゆるDC、ディスティネーションキャンペーン、JR6社の方々が3カ月間静岡を盛り上げてくださるということでございますので、官民一体になりまして、この観光協会とか、TSJ、ツーリズム・シズオカ・ジャパンなどを核にしながら、静岡県を、この場合は国内の方が中心になるかもしれませんけれども、盛り上げていきたいと。プレオリンピック・パラリンピックもございます。そしてワールドカップということでですね、ワールドカップ、これはおもてなしで機運を醸成しながら、静岡県下で行われる4試合、これを全て満員にしたいというふうに思っておりますけれども、このラグビーの精神を、国の、また県下の心にしたいと。それは“All for one, One for all”ということでございまして、一人がみんなのために、みんなが一人のために、ということで皆さま方も各新聞、一人一人の記者も、新聞社全体が応援すると。また、それぞれの記者の皆さま方も、テレビ局なり、新聞社のために、粉骨砕身されるということでですね、そういう全体にとって部分というのは、不可欠の部分であって、全体が大きくなると部分も活性化すると、こういうことでですね、そういう精神でもって、いろんな形で読み替えられます。一つの目標に向かって全員で協力して達成に向かおうではないかというふうにも読むことができますし、小さなグループの中でみんなが、特に遅れてるような仕事をする方のために手伝う、そしてその方もですね、みんなのためになるように精一杯努力すると、いろいろな形で使えますけれども、“One for all, All for one”というのを静岡の県民性の一つにもしたいと。これは目に見えないソフトパワーになるだろうというふうに思っております。静岡県一丸となって、さまざまな目標に対してですね、全身全霊で猪突(ちょとつ)猛進、“All for one, One for all”で取り組もうと、こういうわけでございます。
1月の3日に熊本で地震がございまして、幸い、大きなけがはなかったということで安堵(あんど)しておりますけれども、正月のおとそ気分、これで一気に吹き飛ぶというか、そうだ、われわれ静岡県は、いや日本列島全体が、常にこういう危機にさらされているということをあらためて、年の初めに悟った次第でございました。
今日午前中に、幹部職員の皆さま方に対しましても、この点申し上げまして、静岡県は危機管理を最優先にして、そして人々の生活の向上、そして平和づくりにいそしむということを申し上げた次第でございます。
それからもう一つ、今年は4千万近い人たちが日本を訪れられるであろうと。昨年は3千万を超えたということでございまして、毎年のように多くの外国人が来られます。そして2020年には6千万という目標も掲げられていると。そういう人たちは、ちょうど日本の中心であるこの東海道を行き来されると。しかもこちらで多くのイベントもございますので、たくさんの外国人の方がお越しになると思われるということでございまして、われわれは、今世界で、何とかファースト、アメリカファーストとかですね、自国中心主義というのがはびこっておりますけれども、少なくとも静岡県は日本の一翼を担う、日本、オールジャパンの中の一翼を担うですね、プリフェクチャーといたしまして、そういう自分中心主義、こうしたものに陥らないように、政策的にも、それから心の持ち方にしても、いわば富士山のようにですね、全てにとって、万人に対し開かれてるような、そういう地域社会をつくりたいということでございます。
同時に、特に子どもたちを中心にいたしまして、差別されかねないような立場に置かれている方たちがいます。障害があったり、あるいは外国籍であったりですね、日本語がままならないといったようなことで、いろいろな形のディスアドバンテージを持っている方たちなどもいらっしゃいます。子どもも、それからご老人もそうでございますけれども、そうした方々に対して、健常者も身障者も同じように、一住民、県民として自分が生まれてきたことをことほげるようにですね、しようというのを、これは意図的に外国人の方に対しても同じように、そういう気持ちで受け入れるというふうにしたいと思っております。
入管難民法も形になってまいりましたので、これから既に静岡県には9万人近い外国人の方が居住しておられます。そういう方たち、特に子どもたちがですね、夢を持って育つように、ドリームズカムトゥルーインジャパンの拠点ということでございますが、篠原君とも相談いたしましたけれども、やっぱりこれは堅いということもありまして、また別の方の知恵で、ふじのくにがドリカムランドということなんですかっていうことで、なるほど、そのとおりだっていうことで、ふじのくにドリカムランドとしてですね、多くの方々の人口に膾炙(かいしゃ)するようにしてまいりたいというふうにも思っているところであります。
これから、4月末に平成の時代が幕を閉じまして、新しい時代が、新しい元号の下で新天皇、成仁皇太子殿下の御即位のあと、新しい風が吹くということもございまして、そうしたことにも、われわれ、それを追い風としてですね、発展的に平成の世を新しい世につないでいきたいというふうに思っております。
初夢は、新元号が富士になった夢でございましたけれども、そうなるかどうかは分かりません。正夢になることを望んでおります。以上であります。 |