(記者)
それに関連してになるんですけれども、熱海の伊豆山の盛土に関して、対応に関してなんですけれども、以前、記者会見でもお聞きしてますけれども、砂防法が開発規制、開発行為を規制できないというような御見解も示されてたと思うんですけれども、実際に国交省にも確認しましたけれども、開発規制はできますということで、以前熱海市長とお会いになった時には、そういう理由で砂防指定地にはできないということをおっしゃってたと思うんですけれども、そこは改めて再検討されるお考えというのはあるんでしょうか。
(知事)
これはですね、違法業者が本来従うべき規制に従わなかったっていう、それが根幹にあると思いますが、砂防法を適用していれば防げたかどうかということも含めてですね、議論をすることはできるので、開発行為か、あるいは自然が作り出す砂防しなくちゃならない自然条件ですね、こうしたものに一応、私は、砂防法は、それを防ぐためのものだというふうに理解してますけども、つまり開発行為も含まれるという御見解があるとすればですね、これはあの、もう一度きっちりそういうふうに適用できるものなのかどうか、少し勉強しなくちゃならんと思います。
(記者)
それは勉強するというのは、どのように。
(知事)
うちの、いわゆる砂防担当の方にですね、そのことの説明を、顧問の弁護士からおそらくベースにして、私が彼らから勉強するということです。
(記者)
わかりました。ありがとうございます。
(記者)
中日新聞です。杉尾・日向の盛土のことに戻ってしまうんですが、日向の方は、平成17年に把握をされて、それからずっと指導止まりだったということがわかってると思うんですが、今、知事はその理由として、盛土の新しい条例がなくて厳しい対応ができなかったと、今、おっしゃったと思うんですが、この新しい条例がなくても、あそこは砂防指定地で砂防指定地管理条例っていうものが、違反というものが、明確にわかってる状況が続いていて、それに基づいて罰則が厳しくなくても、命令だとか代執行ができたと思うんですが、それはどうですか。
(知事)
いや、確かにそのとおりなんですが、ここは、盛土をした方の所有地なんですね。ですから、厳しい御対応を、その所有者らはなさって、自分の土地だから、何を文句言うかという、そういう態度だったというふうに私は報告を受けました。しかし、今度の杉尾の方はですね、人様の土地にかかって盛土してるわけです。したがって、これはちょっと言い訳ができないなと。しかも、そちらの方が危険だと。こちらの方は、しかし、平成31年に、その違法性がこちらの方に把握されたということなんでございますが、平成17年(正しくは、「平成31年」)に通報によって、違法な盛土がなされているという。その後はですね、うちの担当者が、その持ち主のところに行って、何度もかけあったということはわかっておりますが、ようやく、その、代替わりをして、わかっていただけるようになったというのが実情であります。
(記者)
その、今のお話って、持ち主の人がなんで自分の土地でやってることを、勝手にやらせて欲しいというその主張があったことは、自分も当事者の取材をして、把握はしているんですが、住民の方は、ずっと不安を抱かれていて、それで、業者の人が恫喝して職員がそれで対応を怠ったとなると、職員の対応に問題があったと思うんですが、そこは、ここまでの、これまでの対応としてどうですか。
(知事)
そうですね、この日向の場合は具体的に、この、沢筋から、何ていう川だったでしょうか、そこに合流して、そして、全体2km下流の方に住宅があるということなんですね。それで、その場で御説明を受けて、私は納得したんですけども、そこまでは流れないだろうというふうに、言ってました。ですから、距離があるということと、川筋の流れ方ですね、そうしたものがですね、直線距離で、杉尾の場合には、700m強のところに家があると。違うということでですね。また、どういうふうにすると、安全が保てるのかというのは、やはり、現場に即して考える以外にないと。ですから、違法性で、不安を持ってられたと。しかし、ようやく、それが解消できるめどが立って、これからは、もうこれ以上の盛土をなさらないということのようでございますから。そして、そこは、差し当たってはですね、危険でないとは言いませんけれども、杉尾以上には、杉尾よりは安全であると。これは相対的なもんですけど。そういう担当者の認識であり、私も現場に立って、そういうもんだなというふうに思った次第です。
(記者)
1つだけ。今後の対応として、報道で国内最大級みたいな報道もされてたりして、今のお話だと、日向の方は、危険度は相対的に高くないという話もありましたが、どういった、厳しい指導をという話もありましたが、どういった対応をされていくのか。
(知事)
御案内のようにこれを元に戻さなくちゃいけないんです。持ってきたところに戻さなくちゃいけないということで。そして、それをですね、今、事業者のほうに申し上げてるわけですね。できない場合どうするのかというのが次になります。ですから、ここのところはですね、まだ、どうするってことを決めてなくて、今、事業者の方達、方に、明確に、この条例に基づき、また、法令に基づいてやるべきことを、厳しく申し上げているという段階です。
(記者)
中日新聞です。
すいません。今のに絡んでなんですが、熱海の土石流のときは、5.5立米でしたかね。
(知事)
5万立米。
(記者)
5万立米ですね。2kmにわたって流れてはいるんですけど、今回、35万(立米)で2km下まで、なかなか、行かないだろうというのは、その地形とか、そういった理由からなんですか。
(知事)
熱海の方の傾斜のが急ですよね。しかしそれは、あの、問題じゃなくて、すぐ、もう、そのいわゆる源頭部からです。すぐ近くに住宅が密集してたわけですね。今回の場合はありません。それが2km先までないわけです。ですから、同列には論じられないという面がありますね。別に、それを、あの、日向はそれでいいってこと言ってるんじゃないですけど、同列には論じられないということです。
(記者)
先ほど、これまでの対応については、知事としては問題がなかったというふうにお考えでいらっしゃるってことでいいんですか。
(知事)
それぞれ、やるべきことやってるんですけども、やっぱり厳しい法令とか条例っていうちゃんと根拠がなければですね、強く出られませんわね。しかし、今回、犠牲になられた方のことを考えればですね、やっぱ厳しくしなくちゃいかんということで、それを厳しくできる、ちゃんと、盛土規制法が、規制条例をわれわれは持ってますのでね。それを、に、基づいて、しっかり事業者に対して、違反は違反として厳しく臨むということで、今、一致しています。
(記者)
熱海の検証、県の第三者委員会の検証の結果ですと、「初動全力」ということを反省として挙げられてたかと思うんですけど、この法令の罰則の強弱ではなく、できることを最初からやっていくべきだったということが反省点としてあったと思うんですけど、今回の場合もそれに当たるのかなあというふうに個人的に思うんですが、いかがでしょうか。
(知事)
なるほど。熱海の場合、今回はですね、昨日だけでも、副知事はじめ、10人以上来てるわけですね。現場、見てるわけです。複数の目で。で、その現場で議論してるわけです。ところが熱海土石流の場合はですね、平成10年ぐらい(正しくは、「平成22年」)から、ぐらいからですね、1人しか行ってないんですよ。県の職員で。その方は、要注意ということで報告をして、今度、その方が変わってからはですね、書類だけで申し送りで、現場を見ていないということがありました。ですから、現場によって、同じ2kmといっても人口が密集しているところの上に盛土とされてるのと、より傾斜のところで、膨大なですね、盛土がなされているといっても、同じには論じられないということで、やはり、自然が多様ですから、それに応じて対処しなくちゃいかんということだけははっきりしてますね。
だから、やっぱりなるべくですね、複数で行って、担当者が変わったからといって、それが次の人に引き継がれないということがあってはならないので、今回、盛り土110番も含めて、危ないところは、皆、複数で行ってみて、そして、そこでどういうふうにすると、今、いいのかと。複数あれば、優先順位ををつくらなくちゃなりませんよね。ですから、そういう現場に出るということはですね、いの一番じゃないかというのが反省点です。出なかったということが反省点ですね。
(記者)
出なかったというのが反省点というのはそれは熱海のことをおっしゃってるのか、今回の日向のことを言っていらっしゃるのか。
(知事)
あの、熱海のことを言ってます。あの現場に行く人が、実質、もう1人いたかな、2人ぐらいしかいないですね。実質1人だと私は思ってます。それは私のほうで調査を御指示申し上げて、固有名詞ではなくて、AさんBさんCさんでですね、それで、どの人が現場に行ったかということは、いわゆる検証委員会とは別に、私のほうの関心で調べた結果、これはしょうがなかったかなと。専門家を見れば、すぐ、わかるはずですよ、技官の人たちはですね。
(記者)
ということは、今回の杉尾・日向というのは、県の職員が関与して、これまでも来ているので、知事としては、これまでの対応については問題はなかったということでよろしいですか。
(知事)
うううむ。現場主義を徹底してなかったってことは大反省点じゃないでしょうか。これほど私が言ってもですね、私も全部を回るってことは、物理的に不可能ですよね。だから、分担して。特に担当者はですね、危ないところは回らないといかんと。特に市町からの、例え、市町の担当ででもですね、やっぱり現場を知ってなくちゃいかんと。県全体がわれわれの預かっているところでございますから。それは、もちろん初動というのはあります。まず行って、そして報告をして、そして報告を受けただけじゃなくて、危ないって言ったときには、もう見に行くということを当たり前にしなくちゃいかんと思ってます。今、そういうふうになりつつあるかなという、印象は持っておりますが。
(記者)
しつこくて申し訳ありません。ちょっとわかんなかったのは、その反省点というのは、今回のことをおっしゃってるんですか。
(知事)
熱海の反省点です。熱海の反省点は初動で、あの、問題があったかというふうに言われました、言われたにしてもですね、最大の反省点は、これだけ、たくさんの職員がいて、何代も何代も、担当の職員が変わったにもかかわらずですね、見ればわかるものを見なかったということが、1つ反省点としてあるかなというふうに思いますね。
(記者)
すいません、知事、私の質問は、
(知事)
はい。
(記者)
今回の杉尾・日向の対応をお伺いしておりまして、今回の杉尾・日向の場合は、職員が絶えず指導という形ですが、関わり続けていたという点から、今回の対応については、問題がないとおっしゃっているということでしょうか。
(知事)
難しいですね、指導をしているわけですね。だけど、聞いていただけなかったというのが現実のようです。しかし、同じ指導をしてですね、今度は聞いていただける人に替わったというのが、今の現実のようです。ですから、あの好転したというふうに思っております。
だから、指導しても聞いていただけない場合があったんだということですね。だから、こういう場合どうするかってことを、やっぱりですね、話せばわかる人が必ずいますので、どういうふうにするかということも併せて、説得力というのもですね、これからの担当者に求められる資質かなと思います。
(記者)
ありがとうございます。 |