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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2019年5月17日(金)

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知事記者会見

2019年5月17日(金)


知事発表:大井川利水関係協議会、「世界クラスの資源・人材群」が84件に!、平成30年度移住者数・移住相談件数、「森は海の恋人」研究委員会の設置
知事発表:ふじのくにCNF研究開発センターのオープン、三陸鉄道と天竜浜名湖鉄道の交流協定締結及び岩手県訪問
記者質問:平成30年度移住者数・移住相談件数、「森は海の恋人」研究委員会の設置
記者質問:「森は海の恋人」研究委員会の設置
幹事社質問(記者質問):早川上流部の山梨県との合同調査、ふるさと納税制度
幹事社質問(記者質問):ふるさと納税制度
幹事社質問(記者質問):ふるさと納税制度、大井川利水関係協議会
記者質問:富士山静岡空港開港10周年、任用職員制度、ふるさと納税制度、大井川利水関係協議会

知事発表:大井川利水関係協議会、「世界クラスの資源・人材群」が84件に!、平成30年度移住者数・移住相談件数、「森は海の恋人」研究委員会の設置

(知事)

 令和最初の記者会見になりまして、麗しく和やかな 本日の花は、あやめですね。胡蝶蘭、これは胡蝶蘭か、それからホタルブクロ、白いやつですね。それから枝はエゴノキであります。白い花、これは山吹ですね。それから小さな白い花をつけているのがコバノズイナ。六つの花でございました。

大井川利水関係協議会

 さて、発表項目は六つであります。最初におわびしなくてはならないことがありまして、大井川利水関係協議会というのが5月10日開かれました。そして、そこで樹木の伐採とか整地等の準備工事に関する本部長の説明があったわけですけれども、その説明について、16日まで、昨日までに意見書がある人は出してくださいということがありまして、その樹木伐採や整地等の準備工事に関するデータに基本的な誤りがあったということです。私が数日前に説明を受けたときには変更の土地の規模は二つの土地、一つは582平方メートル、もう1つは7721平方メートルということであったわけです。7721平方メートルというのは、1000平方メートルで300坪ですから、300坪に7倍かけると2100坪と、相当大きいので。これについては留保しないといけないですねと言っていたわけですけれど。実は今朝説明が突然入りまして、実際は42248平方メートル、4ヘクタールをはるかに上回るところの土地に関するデータをもって説明しなくてはならないということが分かったということの説明を受けました。

 これについては、意見書はすでにいくつか寄せられておりますけれども、例えば島田の染谷市長さんの方から、会議の中でこれ以降のJR東海からの準備工事の申し入れについては、基本的に受認する、受け入れるという口頭での説明があったが、明文化する必要があるのではないか、と。また工事がそのまま本体工事につながっているので、なし崩し的に行われるのではないかと。また、川根本町の鈴木町長の方からも、これについては、準備段階の工事を受認するとなると本体工事についても受認されていく誤解が生じると。それからまた、川根本町としては、静岡市長のJR東海との結んでらっしゃるトンネル工事合意協定の発言については、白紙撤回しない限りは静岡市との協議はできないと明言しております。それからまた藤枝市の方からは、なし崩し的に本体工事が着手される懸念があるという意見が寄せられまして、こうした意見を踏まえて、もう一度書類の精査してみると、何と本日付けで、4ヘクタール以上のいわば自然改変が行われているということについての説明でなければならなかったということでございまして、本部長としては近々もう一度、利水者の皆さまを集めて、この経緯について正確にご説明を申し上げて、かつ謝罪したいということでございました。

 ちなみにこれが5ヘクタール以上になりますと、自然環境保全協定の締結が必要です。静岡県自然環境保全条例第24条によりまして、大規模開発、すなわち5ヘクタール以上になります場合、これは準備工事による改変面積がこの5ヘクタール以上に該当する場合は、準備工事のみを対象とした自然環境保全協定を締結しなければなりません。現在工事箇所の改変面積として出されているのは西俣ヤード、千石ヤード、千石沢ヤード、椹島ヤード、合わせて6.65ヘクタールということになっております。現在工事されている箇所は4.9ヘクタールでございますが、今回の工事申請箇所を入れますと、はるかに5ヘクタールを上回るということになります。利水関係者の方々に誤解を与えることになりまして、ちょっと私、摩訶不思議なことで、今朝突然こういう数字が一桁も二桁も違うということで、しかも一つは非常口のところの断面をきっちりとそろえるためだという話だったんですよ。実は導水路の出口のところの工事も入っているということも今日判明いたしまして、仰天をした次第でございます。私自身も仰天いたしました。そうしたことでございますので、あらかじめ皆さま方におわび方々、これについて本部長の方からしかるべくご説明を、利水関係者の方々に対してご説明するというふうに言っておりますので、申し上げたく存じます。これが最初の報告事項であります。

「世界クラスの資源・人材群」が84件に!

 それから二つ目でありますけれども、「世界クラスの資源・人材群」が84件になりました。先月28日、ハンガリーのブタペストで行われた卓球の世界選手権女子ダブルスで、本県ゆかりの選手が一人、伊藤美誠選手でありますが、早田ひな選手とともにペアで銀メダルを獲得いたしました。決勝戦では中国ペアに惜しくも敗れましたが、日本人同士のペアとしては1971年大会の平野美恵子さん、静岡県ご出身ですけれども、阪本礼子さんと組まれたペアで銀メダルをとられた、それ以来の快挙ということでございます。

 本県の「世界クラスの資源・人材群」は、今回の活躍を加えまして、富士山の世界遺産登録から、すなわちちょうど丸6年前ですね、平成25年6月22日、今月で丸6年を経過することになるのですけれど、計84件と、72カ月で84件ということなりました。

平成30年度移住者数・移住相談件数

 次の発表項目は、なかなかいい話でございますけれども、平成30年度昨年度の移住者数・移住相談件数についてであります。私ども移住相談窓口等を通じて、平成30年度に本県へ移住した人数、これが前年度の1.2倍1291人となりました。1000人を優に超えました。それから、相談件数の方も前年度を1000件以上上回る9981件、ほとんど1万件にならんとする相談件数でありました。これは移住者数、移住相談件数ともに3年連続で増加をしているところであります。

 県では、平成27年度から、“ふじのくにに住みかえる”をキャッチフレーズに、市町、地域団体等と連携いたしまして、首都圏等在住者の本県への移住促進に取り組んでおります。東京有楽町“ふじのくにに住みかえる”静岡県移住相談センターにおきまして、きめ細かな相談対応、また「30歳になったら静岡県」、これをキャッチフレーズにさまざまな事業を展開しておりますけれども、若者のUIJターンの支援が形を整えてきたかなと思っているところでございます。また、各市町においても住宅取得や就業支援などの移住者に対する支援策が年々拡充されているところで、これも功を奏してきたと思います。昨年度、東京のNPO法人ふるさと回帰支援センターが実施した移住希望地ランキングで、本県は堂々全国2位に躍進いたしました。ホームページや移住相談会等で広く情報発信をしてきたことによりまして、多くの方に本県の魅力が認知されてきたと感じているところであります。

 本県の魅力が周知されてきたことや、移住者目線に立った各種の取り組みが、移住者の増加につながっているのではないかと考えております。

「森は海の恋人」研究委員会の設置

 四つ目の発表項目でありますが、「森は海の恋人」研究委員会の設置についてであります。森から海までの環境保全に資するため、南アルプスから駿河湾沿岸部までをケーススタディといたしまして、森と海を結ぶ水を介した生態系の循環構造について研究をいたします。南アルプス、大井川、富士川水系そして駿河湾と、こういう場所がケーススタディになります。ある人に言わせますと、「令和のニュープロジェクトin静岡」ですね、とご感想を頂いておりますけれども、先月、今上陛下が水運史から水の世界へという、素晴らしくまとめられました。これは水循環について語られているわけでございますけれども、これは静岡県版の令和のニュープロジェクトでございます。

 ご案内のように森と海のつながりは、多様な生態系の保全のために重要であります。そのことも経験的に知られているわけですけれども、本県でも県漁連が静岡市葵区で植林を行われております。森に降った雨には、森林由来の有機物等が含まれておりまして、これらが海に流れることで、海洋生物の恵みになり豊穣(ほうじょう)の海をつくっているわけであります。

 SDGsを進める上でも、多様な生態系の保全が一番重要だということでございますので、今回、定量的な生態系循環構造モデルの構築を行い、生物多様性の保全、持続可能な利用につなげようと存じます。

 南アルプスは、ユネスコのエコパークであります。駿河湾は、世界で最も美しい湾クラブに加盟しております。このような、世界クラスの資源をフィールドとして、研究を行うことができるのは、本県の強みであります。

 現在、顧問には山梨県の富士山世界遺産センターの館長をされておられます、人類生態学、特に海洋について専門家であります秋道智彌先生を顧問にお迎えしたいと思っております。また委員長には鈴木伸洋先生、東海大学海洋学部水産科の非常勤講師ですが、もと東海大学の先生でこの3月に退官されました。この方を委員長として考えておりまして、両氏ともご内諾を得ておりますけれども、両先生に相談をしながら委員の構成を整えまして、その節には皆さま方にご紹介を申し上げるところであります。




知事発表:ふじのくにCNF研究開発センターのオープン、三陸鉄道と天竜浜名湖鉄道の交流協定締結及び岩手県訪問

(知事)

ふじのくにCNF研究開発センターのオープン

 それから次の発表項目でありますけれども、ふじのくにCNF研究開発センターがオープンいたします。5月24日に、「ふじのくにCNF研究開発センター」を、CNF、セルロースナノファイバーの中核的支援機関である富士工業技術支援センター内にオープンいたします。

 県では、CNFを成長産業の一つに位置付けています。これまで、富士市内に大手製紙メーカーである日本製紙のCNF実証生産設備や、研究所を誘致いたしました。そのほか、静岡大学に寄付講座を設置いたしました。研究開発と専門人材の育成に努めているところであります。

 今回、企業の製品開発に対する支援体制を強化いたしまして、CNF関連産業の集積と育成を加速化させることを目的に、ふじのくにCNF研究開発センターを設置するものであります。

 ふじのくにCNF研究開発センターは、富士工業技術支援センターの既存の共同研究室4室を活用いたしまして、その1室には、静岡大学がCNFの樹脂との複合化に関する研究などを行う「静岡大学CNFサテライトオフィス」を設置なさいます。

 残りの3室は、地域企業が入居し富士工業技術支援センターと共同研究を行う、いわゆる「CNFラボ」といたします。CNFラボラトリー、CNFラボは公募による入居企業の選考を経まして、今年10月に開設の予定です。

 入居企業は、ラボを無料で365日、24時間使用可能となります。富士工業技術支援センターに設置されている分析・検査装置など、最新鋭の機器も無料で利用できます。また、オフィスを構える静岡大学の先生から、アドバイスなどを受けやすい環境の中で研究開発を進めることができます。

 5月24日には、キックオフセミナーを開催いたしまして、CNFラボの公募に関する説明や、静岡大学CNFサテライトオフィスの紹介などを行います。

三陸鉄道と天竜浜名湖鉄道の交流協定締結及び岩手県訪問

 最後の発表項目でありますが、天竜浜名湖鉄道と三陸リアス式鉄道との交流協定締結式出席並びに岩手県内の被災地訪問に関してであります。

 5月13日に岩手県宮古市におきまして、天竜浜名湖鉄道と三陸鉄道との交流協定の締結式がございまして、そこに出席いたしました。翌日14日は、釜石市、大槌町、山田町の被災地を訪問いたしまして、震災の復興状況を視察してまいりました。全国知事会から東日本大震災復興協力本部長を昨年6月から委嘱されておりますので、被災地を訪問しているわけでございますけれども、これで就任以降3回目ということでございます。

 交流協定締結式では、天浜線の長谷川社長さん、三陸鉄道の中村社長さんのほか、岩手県の千葉副知事と私とが立会人として出席いたしました。今回の協定を契機にいたしまして、二つの鉄道が協力して誘客に取り組むことで利用者拡大につながり、双方の沿線地域が活性化することを期待しております。また災害時には相互協力を行うことになっているところであります。

 協定締結式が行われました後、全線のうちこの3月23日に開通したのが宮古駅から釜石駅まで、旧山田線といわれている所ですけれども、これが久慈から宮古、宮古から釜石、釜石から大船渡の盛まで、全線163キロ一挙開通することになったわけでございますが、そのうち宮古駅から釜石駅までを実際に乗車いたしました。素晴らしい車両で、天浜線を知っているものですからちょっと気後れしたくらいです。あまりに素晴らしいもので「これ特別車両ですか」と聞いたら、これは普通だと、新品なんですよ。他にレトロ車両もありますよ、お座敷車両もありますよ、8両もありますよと、全部クウェートから頂いたんですって。クウェートですね、いい国ですね。それで全国で第三セクターが運営する鉄道としては一番長いですね。それで5月の岩手というのは新緑の輝く美しい頃で、桜はすっかり終わって、これからツツジ、藤が花を付けておりましたけれども本当に美しい所でございました。ぜひ皆さま方も行って、ご覧になったらいかがでしょうか。

 ちなみに鉄道の横に三陸沿岸道路というのがありまして、これもたぶん宮城あたりからずっと青森の方まで行けるんじゃないかなと思います。これもこの8年の間にできた、ほぼ完成したものでありまして、ここからの景色も最高です。ちなみに釜石に行くには花巻から高規格道路ができました。今まではアップダウンのすごい道路を経て、その昔8年前に3月26日にそこに入ったときには大変な思いをしましたけれども、今はすーっと行けるようになっておりまして、復興を感じた次第であります。

 被災地としましては翌日14日に大槌町に参りまして、平野町長さん、また山田町にも参りまして佐藤町長さんと面会いたしまして、復興に関するご意見を伺い、ご要望も伺って賜ったところであります。

 そしてまた、釜石はご案内のようにラグビーワールドカップの会場の一つになっております。そこも訪れたのでありますが、その会場は釜石の奇跡と呼ばれる、中学生が間一髪高台に逃げて助かった、その場所に造られたものですね。そして、中学校と小学校はそこから左前方に、きれいな丘の上に瀟洒(しょうしゃ)な建物としてできたということでございます。全体盛り土をいたしまして、かつ、10メートル以上の防潮壁をしっかり造られておりまして、かつグラウンドは最新式のグラウンドで、芝は傷まない工夫がなされているところでございまして、感動的な場所です。周りは本当にきれいですから、海、山、川そして豊かな自然、その中でできるということでございます。すぐ近くに「いのちをつなぐ未来館」というのがありまして、そのとき中学3年生で間一髪助かった、あのとき8年前ですから今は22,3歳ですかね、のどかさんとおっしゃったと思うのですけれども、素晴らしい愛情にあふれた犠牲者への痛みと、そのとき起こったことを客観的に説明されて、深く深く感動いたしました。

 そこは「いのちをつなぐ未来館」となっておりますが、防災センターだったそうです。防災センターは決して避難所ではないのですね。だけど津波が来るぞということで、そこにいた地域の人たちはそこに逃げ込んで、多くの犠牲者が出たんですね。そこに建てられている、高台にして盛り土して造られているんですけれども。そんな経験もいたしました。

 それから三陸鉄道の駅が、皆さん、ひょっこりひょうたん島ってご存じ。ひょっこりひょうたん島がどこにあるかご存知ですか。大槌町にあるんです。ひょうたんの形をしている島がありまして、駅がひょうたんの形をしているので「なんかしゃれてますね」って言ったら、あなた知らないの、これひょっこりひょうたん島の原作がここから生まれたと、井上ひさしさんのですね、そういう駅舎になっていたり、それから何と山田町はですね、1643年にオランダが東北の金を求めて、船をよこしたらしい、それが難破いたしまして、そういう交流があるので、駅が風車駅になっているのですよ。それから釜石のラグビー場のところで降りたらすぐのところなんですけれども、そこはラグビー用の駅になっているわけです。何か希望を持てるようなことを本当に感じましたね。大槌町と山田町はそれぞれ事情が違うので、復興の歩みは同じではありません。遅れているとか早く進んでいるとかそういう問題ではないですね。それぞれ応じた形での復興の歩みっていうのがあると実感した次第であります。

 全国知事会には、今回を含めて、今まで訪問いたしました被災地の復興状況を報告したところでございます。7月の全国知事会議では、「東日本大震災からの復興提言」を提出するなど、復興協力本部長としての職務を果たす所存であります。ちなみに前回は福島に行ったのですが、福島の双葉町、大熊町、双葉町は全町民出たんですね。町長さんは新しい新双葉町を埼玉県につくるとされて、そこに移住されたわけです。その後、やっぱり帰りたいと、だけど帰れないわけですね、帰還困難区域だから。結局町長選で敗れられて、その方にお目にかかったのですけれども、本当に行き場のない方々がいらっしゃると、福島については。岩手とは違う困難を抱えていると。私は本当に復興五輪にされるのであれば、この行き場のなくなった、家も土地も奪われた方々、どこに希望があるのでしょうか。公設の建物を造って入ってくださいと、これで仮設住宅からは自由になりましたね、と言われるようなものではないのではないかと、私は国が地方創生を言うなら、自ら地方に出たらどうかと、それは1990年の国会等移転審議会がつくられて、10年間の審議を経て那須野が原に移すとお決めになったのでしょ。なんでそれを実行されないのかなと。仮にそれを実行して、那須野が原、すなわち駅でいうと新白河の南の所ですね、那須塩原という駅のすぐ近くでありますけれども、その栃木県の福島の隣ですからね、そこに新しい国の顔を一緒につくっていくというふうなことだと、何か希望が得られるのではないかというふうに思ってますが、そういうふうな案はまだどこからも出てないので、私もそういう考えを持っていますので、被災されている方とお話しをしてご意見を承ったというようなことでございます。なかなかの大きな経験でございました。

 以上私からの発表項目であります。




記者質問:平成30年度移住者数・移住相談件数、「森は海の恋人」研究委員会の設置

(幹事社)

 ありがとうございました。発表項目の質問がある社はお願いします。

平成30年度移住者数・移住相談件数

(記者)

 移住者数について教えていただきたいのですけれども、この1291人という数字、県の人口全体とか人口減少対策ということでいえば焼け石に水ともいえる数字かと思うんです。この会見の直前に設定された庁内会議、移住対策の庁内会議も傍聴したのですけれども、各部局が非常に大きな努力をされています。費用対効果ということも含めて、この1291人という数字を知事はどのように評価されているのでしょうか。

(知事)

 高く評価しています。今おっしゃったように、いわば全力を挙げて静岡県の魅力を発信しているんですね。それは、お隣の山梨とか長野県と協力して一緒に選択する人は選択肢が増えればいいということで一緒にやってきました。30歳になったら静岡県、あるいは高校卒業生にパスポートをあげるとかですね、いろんな形をいたしまして、ここは東京と違って、失業しても食べるのに困らないところですよ、というようなことも含めて宣伝しているのですが、そういう意味で1000人を超えたのが大きいなと。それから相談件数も1万件近くありましたでしょ。ですから、移住を求める潜在的な人たちがいらっしゃることではないかというふうに思っております。相談される方は当然静岡についても、近隣の例えば山梨県とかあるいは千葉県とか、そういうところについても恐らく相談されているに違いなくて、その中で1000人を超える人が来たっていうのは大きいのではないのでしょうか。それから焼け石に水ということも、なかなかきつい表現ですけれども、外国人もいま9万人を超えたんじゃないかと思うんですけどね、だから365万かしら、うちの人口、そこに外国籍の方を入れると370万人を超えているんですね。私はこれから多文化共生で、この間のサニブラウンさんでないんですけれども、お母様はもともと日本人、お父上はガーナの方でしょ。9秒99でしたよね。そういうような人がいらっしゃいます。彼は日本国籍をとったわけですけれども、そうでない人もいらっしゃると。そういう人たちがここは住みよい働きよいということで、われわれの方もできる限りの便宜を図ってということで、今日発表したのは、やはり1000人を超えたのは大きいということでぜひご紹介を申し上げたいと思った次第です。

「森は海の恋人」研究委員会の設置

(記者)

 先ほど発表いただいた「森は海の恋人」、これは委員長が鈴木先生ということで、サクラエビと何か連動していきたいというようなこととかという、何か思いがあるのでしょうか。方向としては近いと思うんですが。

(知事)

 そうですね、サクラエビあるいはシラスその他さまざまな生物が駿河湾に生息しているわけですが、こうした実態を知ることが必要ですが、サクラエビが今不漁ですから、シラスもそうですね。こうしたものが念頭にはあります。それらが不漁になっている理由は、黒潮の影響なのか、気候変動なのか、あるいは濁りによるのか、さまざまな事情があると思いますけれども。川の河口の所にプランクトンがたくさん生まれますので、森と海とを結び付ける、それは川ですので、駿河湾という最も美しい湾、南アルプスというエコパーク、これに大井川とそれから富士川水系、この二つ合わせるということで。富士川河口でプランクトンは、幼いエビが大きくなっていくそういう場所だというふうに知られていますから、これは当然私どもにとっては、あるいは漁業者にとって中心的課題になるだろうと。

 それから、当初は南アルプス、大井川、富士川水系、駿河湾の水循環研究とかというふうにしようかと思っていたんですけれども、長すぎるということと、森は海の恋人という畠山重篤(はたけやましげあつ)さんのキャッチフレーズといいますか、本は日本中で知られているんじゃないかと、記者さんはどうでしょうか。文春文庫に入っております、これオギュスタン・ベルク先生がフランス語に訳されます。オギュスタン・ベルクというのは、この間の平成最後のコスモス国際賞に輝かれた、フランスの誇る大学者ですが、この人が今まで3冊翻訳しているんですね。今西錦司(いまにしきんじ)、和辻哲郎(わつじてつろう)、山内得立(やまうちとくりゅう)という、今西錦司は生物学者、主体性の進化論と改訳しました、和辻さんが風土、これを彼がフランス語に訳しました。それから山内得立、これはレンマとロゴスという、これは西田幾多郎(にしだきたろう)の直系の哲学者です。訳されて。畠山重篤の本は、どうしてもフランスの方々に知ってもらわなくてはいかんということで訳されたほどでございまして、この方は石巻のカキの養殖者で、それが不漁になったのでどうしてかということで大漁旗を持って、あそこ大川という川が流れ込んでいるんですけれども、その上流が傷んでいるからだと。そこで植林を始めたんですが、どういう植林をすればいいのかということなどで、なぜ植林をすればカキが戻ってくるのかということで、自分で北海道に行ったり、あちこち行っている先生方を訪ね歩いて、それを森は海の恋人という本にまとめられたんですよ。

 ですから、漁師の書いた本なので、いわゆる学者が書くようにがちがちじゃないんですね。すごく分かりやすい。そして、そこに全部和歌が入っているんですよ。彼のばかりではなくて、有名な歌人、そこの近くに住まれている女流歌人が、森は海に恋し、また海は森を恋して永久に愛の糸を紡ぎゆくというような、そういう意味の歌を歌われたんですね。それからタイトルが作られた本なんですよ。

 朝日新聞の一部の記者に知られていないのは誠に残念ではありますけれども、この森は海の恋人というキャッチフレーズないし本を読んだ人いますか。読むに値する本です。そこからとりましたので、私は中学生ぐらいから読めるかなと思っていますね。ただし、彼は京都大学の特任教授になりましたよ、この本で。




記者質問:「森は海の恋人」研究委員会の設置

(記者)

 そうしますと、生態系の循環構造について研究するというのは、つまり漁業資源の持続性について研究するということですか。具体的にこの循環性を研究するというのは、具体的に何を研究すると考えればいいでしょう。

(知事)

 南アルプスが荒れれば駿河湾は荒れると、南アルプスが豊かな森林であれば駿河湾は豊穣(ほうじょう)の海なると。結論はこれなんですよ。現状を分析していただいて、その関係が水循環の中でどういうふうにモデル化できるかということで、そういう学者がいらっしゃるんですよ。ですから、目下の関心はサクラエビですけれども、南アルプスと駿河湾との川でつながれた関係を、みんなが知ると。いわば地域学ですけれども、水循環ということでいえば、地球それ自体の大きな枠組みの中の一つの循環です。これを事例として、そこをとってやろうと。ちなみに、これも秋道先生にご相談に行ったら、彼は何と言ったかと、SDGsをバックグランドに、南アルプスから世界で最も美しい湾クラブに加盟している駿河湾までの生態系の循環構造を調査、研究することは大きなインパクトがある。森や河川は災害復旧ばかり着目されがちだが、豊かな海との関係性を研究する取り組みは非常に重要であり、令和のニュープロジェクトイン静岡と言うにふさわしい。以上のことから、大変よい取り組みであり、協力したいと。大局的な見地から助言したいと思うので、顧問ならば引き受けると。その他等とおっしゃいまして、2,3のモデルを検討してはどうかと、そしてまた1,2名前を挙げておられますので、この名前についてはご承認いただいて、それからご紹介したというふうに思っております。

(記者)

 そうしますと、この研究委員会は、おいおい今やってらっしゃいますサクラエビに関する情報連絡会とかと情報交換などをしながらやっていくような枠組みを考えてらっしゃいますか。

(知事)

 ええ、オープンにしたいと思っています。

(記者)

 研究成果を共有していく。

(知事)

 そうですね。分かりやすく先生方に説明していただけるようにしてもらうよう、要請しようと思っております。これは南アルプスについて、地質といいますか研究会と、それから生態系の研究会やっていますね。これはリニア関係でやっているわけですけれども。生態系の研究は、南アルプスの水系がどのように生態系と関わっているかということ、特に水系ですから、珍しい希少な魚も視野に入っているわけですけれども、基本的に内陸の研究会なんですよ。だけど水は川になって海に注ぐので、海の観点から生態系を研究するという、そういう観点ですね。ですから地質構造についての研究会、それから生態系の研究会がリニア関係の専門部会としてありますが、もう一つ、サクラエビの件につきましては、直接リニアとは関係ないにしても、水系としては関係しているということで、今度は海の側から考えようと。ちなみに秋道智彌先生は、何で彼は山梨に行ってらっしゃるのかと思うんですよ。あの人、基本的に海の研究家なんですよ。彼はめちゃくちゃ喜んでいますよ。これがいかに重要かは一番よく知っている方です。

 ですから、今度また委員会発足したら、先生方皆それぞれ一言ずつでも抱負を皆さんに分かるように言っていただいて、研究会の進め方などについてもそこでご相談していただいて、オブザーバーにも入っていただくなり、皆さま方もお聞きになればいいんじゃないかというふうに思っております。

(記者)

 すみません、今の発言で。今リニアの話出ましたけれど、そうするとこの研究委員会というのは、先ほど出たサクラエビやシラスのお話と、リニアの問題を橋渡しする役割を持つということですか。

(知事)

 そうなるかもしれませんね。リニアは水の水脈を変える、そういう工事ですからね。ですから、当然川の流れあるいは流量に影響するし、当然土砂が出るとそれが濁流にもなりかねないということですよね。そうしたことから、最も関係しています南アルプスそれ自体について、駿河湾との関係があるわけですが、南アルプスを、今どてっぱらにトンネルを掘ろうという動きをしているわけですから、これは当然それが視野に入っているということです。

(記者)

 そうすると、この研究会を立ち上げること自体が、例えば国であるとかJR東海に対する何らかの知事からのメッセージを持っていたりするんですか。

(知事)

 いや、これは差し当たって、先ほど冒頭で記者さんおっしゃったようにサクラエビ、シラスこの不漁がずっと続いていると。これは富士川水系、早川から来ていると。早川の上流は南アルプスですが、そういうことから皆調査に入って、今雨畑ダムで問題があるということまで分かっていますよね。そうしたことから、私もいっとう最初からこれは工事と関係しているというふうに思っておりました。ただし漁業者の立場です、今は基本的に。

(記者)

 今の質問の継続なんですけども、南アルプスと大井川水系というもの入ってくるというのと、リニアの有識者会議、あれは環境保全連絡会議ですかね。二つあって。組織の位置付けなんですけれども、環境保全連絡会議に新たにこれが立ち上がるという理解なのか、それともくらし・環境部に別物として立ち上がっていくのか、どういうふうな形をお考えなんでしょうか。

(知事)

 そうですね、あそこの専門部会の一つではないということです。もう少し大きな観点でやろうというふうに思っています。

(記者)

 テーマとして水循環だとか、海とか森とかを突き詰めていく関係で、リニアも関係してくるかもと、そういう理解でよろしいでしょうか。

(知事)

 そうですね。

(記者)

 では別枠として立ち上がると。分かりました。




幹事社質問(記者質問):早川上流部の山梨県との合同調査、ふるさと納税制度

(幹事社)

 他に質問のある社は。では、あらためまして幹事社質問に移りたいと思います。

 幹事社からは2点あります。今話が出ていますが、山梨県の早川上流部にて両県合同の濁りの調査が実施されましたが、現状分かる範囲で成果ですとか、今後の進め方などについて教えていただきたいと思います。2点目です、新たなふるさと納税制度で、過度な返礼品を送っていた小山町が対象から外されました。知事の受け止めを教えていただきたいです。以上2点、よろしくお願いします。

早川上流部の山梨県との合同調査

(知事)

 最初の早川上流部における静岡県と山梨県の合同調査ということですけれども、1回だけやったわけですね。これをあと数回やりたいという意向なので、それをしてから結果を発表するという段取りになっています。その調査は、いつやるかを言わないでくれと、やはりぱっとやらないといろんな邪魔が入ったり、紛争になったらいけませんので、そのように今日ここにいらしている中平君から言われております。ただ調査はやると、山梨県側もこれについてはご同意いただいているということであります。

(記者)

 日程などは言えないということだったんですが、今のところで分かった内容でも、なかなかまだ言える範囲はない。

(知事)

 そうですね、私も現場を知らないわけではありません。奈良田という一番奥まで行っておりますので、雨畑にも行っております。雨畑については、静岡新聞さんのサクラエビ何とか班というのが、動画が見られるようにQRコードであって、びっくりしましたね。だから長崎幸太郎山梨県知事さんが激怒されたのももっともだと思いました。私もけしからんことだと、もし仮にそれが不法投棄であれば、それ自体は3億円以下の罰金でしょう。重大な違法行為になりますからね、徹底的に調べていただきたいというふうに思っております。今度、また知事会で長崎知事さんとお目にかかりますので、この点は二人で共同歩調取りたいと思っております。

ふるさと納税制度

 もう一つ、ふるさと納税。ふるさとを思って寄付をするわけですから、本来は礼状だけでよろしいのではないでしょうか。返礼品競争というのが起こって、結果的に小山町大変税収を増やされて、しかしやりすぎだということで、総務省の怒りを買って。それがまた、この間の町長選の争点になって、現町長さんはこれを新しく出された総務省の基準に従ってやりますということで、おわび方々相談をして、これからは基準に従ってやるということでありますので、基準ができている以上、ルールに従ってやられるのがいいということになります。基本的な考え方は、私は寄付というのは見返りを求めてはならぬと思っております。今回、プレーヤーは小山町に関しては前町長さん、現町長さん、それから総務省ですね。総務省は反省の弁がないですね。後出しでルール決められたわけでしょう。だからああいう返礼品競争を起こさせるような制度設計だったわけですね。そこに対する反省の弁がないのはおかしいと、それから後出しで決めたルールで罰するというのは、これはちょっと筋が通りにくいんじゃないかと思います。

 しかし、今回ルールが定まった以上、それに従ってやるということで、ふるさとの土地の産物への励みにもなりますのでね、いいのではないかと。しかし、本来総務省というのは旧自治省でしょう。自治省というのは地方自治の自治ですよ。中央指導の自治なんてのはおかしいんじゃないですか。だから今回の、中央がいろいろとお決めになってそれに従えと、税収がこちらに入るのが別のところに行っちゃうわけですから、その取り合いみたいになっていて、それをもたらしたのは誰かというと、中央政府じゃありませんか。ですから、地方自治という根本的なものを実現するには、総務省のあり方も変えなくてはならないのではないかとすら思います。今回のかなり恣意的な地方に対する締め付けを見ておりますと、そんなことを感じました。

(幹事社)

 ありがとうございます。では、今の幹事社質問に関連した質問がある社はいらっしゃいますか。

(記者)

 今、返礼品競争に関して、もともとは返礼品を求めるものではないというお話をされて、前回の会見のときにも返礼品を期待するのは卑しいとまでおっしゃったのですけれども、静岡県もやってらっしゃるのは、これはどういう整合性で。

(知事)

 私は静岡県にご寄付を頂いているのに対して、礼状だけ出しておりますが。静岡県にそれなりのお金を、これに使ってくださいとか、教育とか富士山とか来るのですが、私それに対して一切返礼品は出していません。私が出しているはお礼状だけです。それ以外のこともやっているんですか。

(土村地域振興局長)

 県の返礼品につきましては、他の部局で所管しておるんですけれども、静岡県の返礼品につきましては、お礼の品を出しております。特産品であるメロンとか、そういったものを出しているというふうに私の知る範囲の中ではそういう理解をしております。

(知事)

 どうも失礼しました。ちょっと私、1回戻りまして具体的に事情を聞いてみます。

(記者)

 今の件伺いたいんですけれども、知事は返礼品は出してらっしゃらないという認識だったということですか。

(知事)

 そうですよ、あまりたくさんご寄付があるので、署名とちょっと一文添えるような形でしてたんですけれども、今多いので印刷になっているんですが、何十枚と署名しなくてはいけないのですよ。それは返礼品と一緒に贈っているとは思っていなかったですけれども。それ返礼品と一緒に贈っていたんですか。従って私は、それがメロンとかお茶とかだと思いますけれども、季節のものかもしれませんが、そうしたものとペアになっているとは知りませんでした。ペアになっているんですか。そうだったんですか、それは今初めて知りました。




幹事社質問(記者質問):ふるさと納税制度

(記者)

 前回の会見出てなかったもので、返礼品を求めるのは卑しいというお気持ちは変わらないですか。

(知事)

 変わりません。

(記者)

 それはなぜでしょうか。

(知事)

 寄付ですよ。本来そういうものじゃないですか。

(記者)

 じゃあ、返礼品を求めて静岡県に寄付をされた方は卑しい。

(知事)

 返礼品を出していいという制度設計だったわけですね。土地の産物でお礼をするということは、通常もらったものに対して3割返しとかあるじゃないですか。そういう常識の範囲で恐らく総務省も導入されたのではないかと思うんですが。それが返礼品をどんどんもらうために、返礼品が魅力的なためにということで、要するにお金をたくさん獲得するためにやっているというのは、地方自治と直接関係ないというふうに言われれば、関係ないんじゃないですか。

(市川財務局長)

 ふるさと納税に関しましては、知事のお礼状とともに地場産品を返礼で出しております。これにおきましては、総務省の基準どおり3割以下ということで実施をさせていただいております。

(知事)

 いつから。

(市川財務局長)

 当初からです。ふるさと納税が始まった当初から、こういった形で。

(杉澤税務課長)

 ふるさと納税が始まった時点では、知事の礼状のみというような形でありましたけれども、地場産品を追加させていただきまして、総務省の基準に従いまして静岡県のPRを兼ねてお渡しをしているというところでございます。

(知事)

 今分かっているのはそういったことで。

(記者)

 それを踏まえて、先ほどのコメントというか認識はお変わりありませんか。

(知事)

 そうですね、気持ちの上では分かりますよ。わざわざこんなものまで贈っていただいて恐縮するという気持ちはあるかと思いますけど、それを求めて納税し、一方で減税措置がとられるようにというふうな、そういう計算ずくのことは本来の寄付行為とはちょっと違うのではないかと思いますね。

(記者)

 重箱の隅を突くと思われるかもしれませんが、これ結構とても大事な問題で。知事お分かりになるかと思うんですけれども、県に対して、返礼品があるからという動機もあるとは思うんですが、寄付をされた方に対して、その地方自治体の長である方が、それをもって卑しいとおっしゃる、もしくはそう考えてらっしゃるという思いを吐露されるというのは、もし本当にそう思ってらっしゃらないのであれば訂正をされた方がいいかと思いますが。

(知事)

 しません。

(記者)

 しない。ではもう一度言ってください。

(知事)

 寄付というのは、ふるさとを愛する気持ちをお金で表すということで、たくさん頂いております。例えば富士山の保全活動であるとか、そうした方々に対しては私どもは何ができるかと、感謝状です。それは、100万も頂いたと、会社によっては1千万以上頂いていると、車も頂いていると。じゃあそれに応じてメロンを10個差し上げようかというようなことはしないと。私は一切しておりません。ですから、寄付していただいている方は、文字通りこれをそれぞれの特典目的、あるいは県にとって役に立つように教育なり、あるいは環境保全なりしてくださいという形で頂いているものです。それに対して私は、そういう高い志ですね、それに対して心から御礼を申し上げるという気持ちでありまして。だから、「何だ礼もくれないのか」というふうに思うのはちょっと恥ずかしいんじゃないですか。そういう気持ちでおります。

(記者)

 では、今後静岡県が、今出している返礼品を取り下げてもう出さないとか、そういうわけではない。

(知事)

 これは今、ルールが決められましたでしょう。ですからルールにのっとって、例えば小山町もされるようになると。焼津市もそれに従ってやるということで、やはり国のルールはルールとしてあるので、過当競争、返礼品競争というものを沈静化する上でこのルールの設定はよかったかと思いますが、本来寄付というのは見返りを求めるものではないのではないかという考えは変わりません。




幹事社質問(記者質問):ふるさと納税制度、大井川利水関係協議会

ふるさと納税制度

(記者)

 本来はそうだと思います、もちろん。それは非常によく分かる。知事、今日この会見の段階まで、多分県が返礼品出してらっしゃることを認識してらっしゃらなかったと思うんですけれども、そうしますと本来の制度の趣旨に照らした上で、知事のポリシーと反するのが現状ということのなるんじゃないかなと思うんですけれども、今後の返礼品の県のあり方について今どのようにお考えですか。

(知事)

 ルールに従うということです。

(記者)

 では、返礼品を出し続けることは変わらないということで。

(知事)

 残念ながらルールというのが設定されましたので、そのルールに従って行うと。

(記者)

 ご自身のポリシーに反するけれどもやり続けると。

(知事)

 ポリシーといいますか倫理観ですね。信条というか。

(記者)

 分かりました、ありがとうございます。

大井川利水関係協議会

(記者)

 一番冒頭でお話された7721平方メートルだとか5ヘクタール以上だということですけども、まず前提として、自然環境保全協定の締結が必要だというのは、これはどっちの条例に基づいて必要になってくるのかということと、説明してある数字がいくつで、それが実際いくつだったかというところをちょっと。そもそも、どういう条例に基づいて保全協定が必要だったにもかかわらずというところだと思いますけど、そこは何なんですか。

(知事)

 条例はですね、静岡県自然環境保全条例その第24条であります。これは大規模開発これを5ヘクタール以上と定めまして、これを行う場合には、知事は自然環境保全協定を締結することとなっております。今リニア絡みの工事による改変面積が5ヘクタール以上に該当しかねない状況になっていますね。従って、これは協定を締結するのが条例上定められているということです。

(記者)

 それ事業者と静岡県がということでしょうか、分かりました。細かいところは担当に聞きますので、すみませんありがとうございます。

(記者)

 「森は海の恋人」私も読んだんですけど、知事が解説を書かれているご本だということでよろしいんですか。濁りといますか、先日弊社で報道しました雨畑川の不法投棄とみられる事案と絡んでくるんですけども、利水企業で雨畑ダムを管理している企業、それから蒲原に工場があり工場放水路から濁りが出ている企業、まあ企業グループと言っていいと思うんですけども、この企業グループに関してもちろん経済活動は非常に重要だと思うんですけども、知事現状で率直なご所見などございましたら伺えればと。

(知事)

 濁りのないときにも使っておられたわけですよね、濁りがあっても使うという、そうした不可欠な水ですからね。それが実際上は、自分のところに入ってくる水が濁っていると、ご自身の責任ではありませんからね。だからそこで問題になっているのを大変憂慮されているのではないかと、企業の立場とするとね、そう思います。しかし、水の濁りは駿河湾に影響しているということがあります。それともう一つ、その原因が分かったら除去しなくてはいけないので、そういう除去のためにご理解をいただくということになるんではないかと思いますが。違法行為だとすればけしからんわけで、そのことによって、それ使っていらっしゃる、濁水を使ってらっしゃる企業を批判するとか非難するとか、これはもう筋違いな話だと思います。




記者質問:富士山静岡空港開港10周年、任用職員制度、ふるさと納税制度、大井川利水関係協議会

【富士山静岡空港開港10周年】

(記者)

 静岡空港が6月4日に開港から10年を迎えるわけですけども、この間搭乗率補償なんかいろいろ問題があったと思うんですけども、この10年間をどういうふうに振り返るかというのが1点と、あと、具体的に搭乗率補償の問題について今振り返るとどう感じているのかという率直な意見を教えていただきたいんですけども。

(知事)

 そうですね、前の知事さんが立ち木を伐採することと引き換えに腹を切られたわけですね。それがきっかけになって知事選になって、私の、学長として勤めていた大学がいわば選挙マシーンと化して、私はそれに抗議をして辞表を出したという、それが結果的に知事になったと。それがまた、知事になってすぐ8月11日、知事になったのは7月7日だったと思いますけども、8月11日に駿河湾で地震があったんですね。ちょうどお盆の直前ですから、伊豆半島への観光客がキャンセルをどんどんしていったんですよ。それを何とか止めなくてはいけないということで、伊豆半島の状況を地方整備局の足立さんだったと思いますけど、向こうに行って全部調査して、通れない道路は1カ所だけだったと、そこは生活道路じゃないから安全宣言出して良いと言われて。8月13日夕刻帰ってきたら、立ち木ではなくて竹が生えてるって言われたんですよ。そして、竹の高さは前の立ち木と変らないと、だから2500メートルの全滑走路使用は不可能だと、国交省もそれは理解しているというところから始まったんです。

 ですから、立ち木問題で前の知事さんが直面されたのと同じ問題に、私は8月13日に直面して、当時は私は愚かにも、のこぎりで私それ、竹を切りに行くって言ったんですよ。それはさすがにいかんということでね、じゃあ取りあえず交渉して欲しいと、13、14と15日と。私17日に大韓航空の社長さんとアシアナ航空の社長さんに2500メートル全線開通するので、ダイバートしなくても済むように、計器飛行ができますよということのために韓国に行く予定になっていたんですよ。そのときに、2000メートルで相変わらず使わなくてはなりませんというようなことは言いにいけないでしょ。そういうことから、本当に心配しました。それで8月16日、全然連絡がないから現場に行きまして、初めてお目にかかった大井さんという方に現場案内していただいて、それでうちの空港部が全く信頼をなくしているということを知りまして、たった一人信頼を持っている方がいたので、現場で仕事をしている人です、県庁の職員。その人にその場で連絡をして、君に全権を委任するから大井さんと交渉なぞってくれというふうに言った。そうしたら大井さん何て言ったと思います、その人意思決定持っていないと、副知事や部長だと。私また副知事や部長に電話して、黙って聞いてくれと、この2人、彼に全権委任すると。そして私は17日に発ったんですが、17日に交渉して、まとまって、切ってくれたんですよ。それで、そこから始まって、大井さんとの信頼関係、その他また誤伐採というのもあったんです。大井さんの方は内陸ですけど、海側に県の職員が誤伐採と称して人様の土地の樹木を伐採したと、管制塔から邪魔になるというんでどうもやったらしい、そのことも大井さんから教わって、その松本さんと仰ったんですけど会いに行きました。韓国から帰ってきてから、そしたら現場案内してくださって、むちゃくちゃ怒ってられましたよ。明らかに意図的な伐採であったわけです。それでも平謝りに謝りまして、そして向こうも誠意を認めていただきまして、それで今まで大井さんとも信頼関係で結ばれています。松本さんはその土地まで売ってくださいました、後に、そこから始まったんですね。

 さらに言えば石雲院に展望台があるでしょ、石雲院に突然行ったわけですよ、どやしつけられまして、造っているときはいろいろとちやほや言いながら、あとは展望台は別のところに造って、こいつらほったらかしでないかと、見に行ったら確かにそうなっていたわけです。住職にお目にかかったら帰れと言われて会わせてくれなくて、あらためて行きまして、私は台所に座らされまして、正座させられて、それであんたが知事さんかというところから始まって、それでなかなか良い人じゃのうということになって、次に行ったときには座敷に上げていただいて、そして展望台をちゃんとやりましょうということで、何度も何度もやりとりがあって、しかも自分で揮毫していただくまでになった石雲院展望台ができたんです。ですから空港部を潰しましたよ私は。9月に信頼を得てない組織はいらないということで、自民党の方たちは党議拘束で年度の途中に部を潰すというのは何事だというのでところが、もう必要ないということで結果的には認めていただくことになって、それから始まったんですね。今遂に10年たって、海外の乗降客数が地方空港でトップに8年連続なって、8年連続ですからね。そして民間会社が是非運営件がほしいということで今、西村社長の下で三菱地所と東急さんが運営してくださって、そして今いろいろと発展の動きがございます。

 そういう意味で感無量です。石川先生が任期途中でそのために腹を切るほど、静岡県にとっては本当に重要で、しかもすぐそこで焼身自殺する人もいたわけです、抗議のために。どうして分かったかというと、いつもお花が供えてあったからです。あれは、お花は何ですかと聞いて、お花がなくなったのは2年ぐらいしてからですかね、これで心がついえたなと思いましたけれども、ですからもう私も必死でしたけれども、空港の住民方たちとの理解を得つつ、あそこの地域の発展のために何ができるかとずっと考えてまいりまして、今はお金まで頂いて運営権をお譲りして、そしていろいろな申し出があるんですよ。こういう事あそこでやらしてくれと、さらにあそこは大規模な広域防災拠点になって首都圏空港の補完空港、さらに中部圏空港の中部国際空港の補完空港としても使いますし、仮に新駅ができればもう文字通り日本の顔になるし、スペイン国王、王妃両陛下があそこから故国に旅立たれると、それは美しい絶景に囲まれているからですね。富士山、南アルプス、茶畑、駿河湾、大井川それを背にして国に帰りたいと仰ったそうですがね。そういうことで、こういう感じではないですか、前の知事さんはあの生みの苦しみを歌にされていましたけども、その生みの苦しみを出して難産だったと、これが独り立ちをして皆にことほがれるように、また新しい街づくりもあそこでやろうということで空港ティーガーデンシティ、これを篠原君をキャップにして、今あそこで乱開発が起こらないように街の計画まで考えられるところまでなりました。10年たって。

(記者)

 搭乗率補償の問題については。

(知事)

 搭乗率補償の問題については、これはあのとき私はナショナルフラッグではないと、エゴイストフラッグだと本当にそうだったと思います。そしてそれは後に「沈まぬ太陽」というのを、たまたま年末に集中的に放送していたので、それ見たらこの国民航空はJALのことだというふうに思い至りまして、全く私が直面した人々の感覚と同じでしたね。それは稲盛さんが社長になられてうみを出されたではないですか、私はうみを出される前のJALと戦ったわけです。あれは搭乗率7割以上と7割達成しても返金もないと、もう全く能登空港などとやったのと全く違うことをされておられて公平性にも欠けると、そのとき全日空ANAさんは常に正論を吐いておられましたね。羽田枠や成田枠で、取り合いではなくてフェアにやらなくてはいけないと。これは旧運輸省、国交省に対して正論を吐かれてました。当時社長は伊藤さんておっしゃったけど、あの伊藤という人は立派だなとあのとき思いました。ですから私は、依頼JALに乗りません。知事になって一度もJALに乗ったことはありません。ただ共同運航している例えばFDAさんね、これはFDAさんは地域の空港だからそれは乗りますけども、どういうときにもANAしか使わない。本当に信頼をなくしたんです。JALさんに、それは私プラチナカードまで持っていたわけですから、ゴールドカードのさらに上の、それからJALをつまりナショナルフラッグと思っていたのが、こんな会社だったのかと思って、最終的には和解ということになったわけですが、いったん失った信頼は私はまた持てるとは思っていないです、回復したとは思っていません。

任用職員制度

(記者)

 任用職員制度についてお伺いしたいのですが、来年度から地方公務員法、地方自治法が改正、施行されて非常勤職員の方々が任用職員という身分に変ります。職員の待遇が上がるんですけど、自治体の負担は人件費が増えてしまうと。県内の自治体さんの中では、これを機に職員さんを委託するようなことを考えているところもあって、行政のスリム化とか経費削減という問題と職員の待遇改善というこの問題の間のジレンマについてどうお考えでしょうか。

(知事)

 そうですね、正規職員と非正規職員とこれは同じ仕事をしていきながら差があるのは良くないというのが基本的な考え方です。ですから、そういう形で非常勤の方が任用職員として堂々と働いてそれなりの報酬を頂けるというのは、それに従う以外ないと。そのあとは仕事の質の問題ですからね、われわれひとり1改革とか、これは毎年毎年やって良いところを褒めたりしてですね一所懸命やっているわけですけども、行政をスリム化しなくてはいけないけれど行政のサービスを落としてはいけないので、それは一番大事なのは職員のやる気ですね。士気を妨げるものではいけない、これはもう正規職員であれ非正規職員であれ一緒にやっているわけですから同じです。ですから、今回の新しい制度にのっとってやるということであります。それでどういうふうに変るかとについては、これから経営管理部などと、また戦略監、副知事さんなんかと相談しながら人事を考えていきたいと思っています。

ふるさと納税制度

(記者)

 すみません、追加で先ほどふるさと納税の分も追加でお伺いしたいんですけども、6月からの新制度に関して、県は既に4月に県はこれこれこういう仕組みでふるさと納税6月からやりますよというふうに申請されていると思うんですが、今まで知事がその返礼品を出されていたことを知らなかったということで、これを機に4月の申請を撤回したりとか、やっぱりうちは知事がポリシーですからということで返礼品出しませんよと、申請し直したりとかそういうことはお考えになるんでしょうか。

(知事)

 いいえ、チームでやっていますからね、それぞれ違う考えを持っていても全体でこういうふうに決めたということで、国のルールが決まったわけですから、それでも非常に厳しい事態に直面している小山町あるいは焼津市があります。そういうのもありますけど、皆一様に同じようにするということが大事なので、これは私は個人的には寄付というのは先ほど言ったとおり考えておりますけれども、ルールに従ってやればいいと、常識の範囲内でやればいいというふうに思いますね。

大井川利水関係協議会

(記者)

 冒頭の自然環境保全条例の話に戻るんですけどすみません。これ改変面積のデータに誤りがあったということですけれども、これなぜ誤りが出てきたのかというところの経緯といいますか、理由を教えてください。

(知事)

 恐らくこの理由については、次の利水者との協議会で本部長が正確に説明をするということのようです。今日私は今朝聞いたばかりですからね、仰天したわけです。

(記者)

 本部長というのは副知事、難波副知事が説明をされると。

(知事)

 そうです。副知事と鈴木くらし・環境部長が入って、その数字を大変申し訳なかったという謝罪と同時に、これは利水者の方たちにもきちっと説明しなくてはいけないので、そのような会議をもう一度設けますということだったわけです。それはそうしてくださいと。そのとき書類を整え、きっちりと皆さま方に分かりやすいようにご説明申し上げるということで、それを今申し上げました。

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