令和3年度以前知事記者会見

2018年3月28日(水)


知事発表:世界クラスの資源・人材群が72件に!
知事発表:静岡県の新ビジョン(総合計画)の策定・公表、消防防災ヘリコプターの愛称決定、「静岡デスティネーションキャンペーン」オープニング
知事発表:富士山静岡空港特定運営事業等優先交渉権者の選定、平成29年の工場立地動向調査の結果
幹事社質問(記者質問):伊東市メガソーラー、年度替わり、清水LNGについて
記者質問:財務省の決裁文書改ざん問題、名古屋市立中学校での文科省の問題
記者質問:職員の職場環境について
記者質問:職員の職場環境について
記者質問:県立大学の有期雇用職員について

知事発表:世界クラスの資源・人材群が72件に!

(知事)

 春が来ました。お堀端の桜も満開であります。さて、今日のこちらのお花は、濃いピンクが、これはもちろんガーベラですね。それからチューリップ、そして白色がレースフラワーということであります。

 今日は発表項目が六つばかりございます。

 まず、世界クラスの資源・人材群が72件になったということであります。ヤマハのお作りになっておられる多機能鍵盤楽器が、ドイツのデザイン賞「iFデザインアワード2018」で最高賞の「iFゴールドアワード」を受賞いたしました。今月、ヤマハの多機能鍵盤楽器、デジタルワークステーション「Genos(ジーノス)」が、ドイツのデザイン賞「iFデザインアワード2018」において、今申しましたごとく、最高賞の「iFゴールドアワード」を受賞しました。ヤマハ製品のこの賞の受賞は、昨年も受賞されてるんですね。エレクトリックバイオリンに続きまして、2年連続2度目となります。「iFデザインアワード」というのは、ドイツのハノーバーを拠点とする、デザイン振興のための国際的な組織が、1953年から主催する国際的に権威のあるデザイン賞でございまして、今回は54の国・地域から6400件を超える応募があったそうです。そのうち75件が最高賞の「iFゴールドアワード」に選出されたという朗報でございます。

 もう一つ、「パートナーシップによる源兵衛川の管理・再生システム(三島市)」が世界水遺産に登録されました。今月19日、ブラジルの首都ブラジリアで「世界水フォーラム」が開催され、三島市の中郷(なかざと)用水土地改良区及びNPO法人グラウンドワーク三島が申請なさいました「パートナーシップによる源兵衛川の管理・再生システム」が世界水遺産として正式に登録されました。世界水遺産は、NGO団体「世界水会議」が、人間社会と環境との共生に貢献する人々によって培われてきた歴史的な水管理システムなどを無形遺産に登録・表彰する制度であります。

 今回の登録は、「水の都・三島」の水と緑の環境資源を生かした、まちづくりの手法が国際的にも高く評価されたものであり、源兵衛川は、平成28年11月の「世界かんがい施設遺産」登録と併せまして、世界クラスの遺産としてのダブル登録が実現したということであります。

 私、これを見て気が付いたんですが、皇太子殿下が基調講演されてるんですね。「水と災害」ということで基調講演をされております。その「世界水フォーラム」における会場での表彰ということで、ちょっと情報ですけれども、この「世界水フォーラム」というのは、3年に1回開かれておりまして、日本では第3回の水フォーラムが京都で開かれました。そのときに皇太子殿下が基調講演をなさいまして、大変な好評がございまして、そしてその3年後、メキシコシティーでまた基調講演を頼まれられたんですね。さらに3年後、トルコのイスタンブールでさらに基調講演を殿下が頼まれまして。そして今回、第8回ということですから、今回また基調講演をなさったと。今回は「水と災害」ということで基調講演をなさったということなんですが。ともかく水の問題について、大変立派なお仕事をされているということを日本人としてうれしく誇りに思いますと同時に、そういう席で静岡県の源兵衛川が表彰せられたというのは、誠にうれしい。

 ちなみに、ここに小さな本があります。これは殿下が、メキシコシティーで第4回のときに「江戸と水運」ということで、英語で講演されたわけでありますが、それが本になっています。今回、このことをご発表する予定はなかったんですが、気が付きましたので申し上げるんですが、「テームズ・アズ・ハイウェイ」という本を1990年前後におまとめになられまして、それ以降ずっと研究をされてこられて、水に関する研究を続けているということを、この本で明かされてるんですね。これが、今年もこういう形で、ブラジルで基調講演として、世界の水関係者の中で学者としての皇太子殿下のお仕事が高く評価されているということは、大変うれしく思います。ぜひ皆さま方も認識を新たにしていただきたいと。ちなみに、なぜその本が出たかといいますと、殿下のオックスフォード時代の指導教授であったピーター・マサイアス先生が2年前に亡くなられまして、そのための追悼論文集が出たんですね。追悼論文集に、殿下は2本もの論文を寄稿されています。素晴らしいことです。

 あるとき、ピーター・マサイアス先生から、「日本の皇室はなぜ勉強されるんですか」と聞かれたことがあります。そういえば、チャールズ皇太子は学者ではありません。ウィリアム王子も学者じゃありません。日本の皇太子も秋篠宮様も、それから高円宮妃殿下も皆、博士号をお持ちですね。淋子女王殿下も博士号をお持ちです。私は、そういえば日本の皇室は学問をされるんだというふうに思いまして。しかし、明治天皇、あるいはその前の天皇はどうだったのかと思って、「いや、日本の天皇は学問というよりも歌を作られます」と言ったんですよ。「それが仕事です」と言った。そしたら、「日本の皇室は全部詩人か」とおっしゃったので、「そういえば、そうですね。31文字を作られますよ。」と言いました。そしたら、彼は感心されました。詩人というのは、イギリスの文化の中で最も高く評価されている、そういう文人なんですね。そういうことでございます。

 大変うれしいことでございました。




知事発表:静岡県の新ビジョン(総合計画)の策定・公表、消防防災ヘリコプターの愛称決定、「静岡デスティネーションキャンペーン」オープニング

(知事)

静岡県の新ビジョン(総合計画)の策定・公表

 次の発表項目ですけれども、静岡県の新ビジョン、総合計画の策定、公表に関してでございます。富国有徳の美しい“ふじのくに”の人づくり・富づくりの策定・公表に関することで、本年度、県議会、総合計画審議会、県民の皆さま各位から幅広いご意見をいただきまして、次期総合計画の策定を進めてまいりました。このたび、「静岡県の新ビジョン 富国有徳の美しい“ふじのくに”の人づくり・富づくり」としてとりまとめましたので、ご報告を申し上げます。

 新ビジョンは、おおむね10年間を展望し、県の目指す姿や取り組みの方向を明らかにする「基本構想」と、当初4年間に取り組む具体的な施策をまとめた「基本計画」で構成されております。基本構想では、今後の県づくりの基本方向となる新たな基本理念として、「富国有徳の『美しい“ふじのくに”』づくり〜静岡県をDreams come true in Japanの拠点に〜」を提示いたしました。これからの10年に向け、人口減少や高齢化などの課題をしっかりと踏まえた上で、「世界から見た静岡県」という視点に立ちまして、誰もが努力すれば人生の夢を実現し、幸せを実感できる地域づくりを進め、「県民幸福度の最大化」を目指します。基本理念の実現に向けた道筋を明確にするため、四つの具体化の方向の下、政策目的を重視し、部局横断的に取り組む八つの政策体系と、政策の実効性を高める行政経営を位置付けまして、客観的な進捗(しんちょく)管理や評価が可能となるよう、施策の効果を測る成果指標と主な取り組みの進捗(しんちょく)状況を確認する「活動指標」を設定しております。世界に誇れる特色ある地域づくりに向けて、伊豆半島、東部、中部、西部の四つの地域区分と、それぞれの目指す姿を明示いたしました。新年度から、この新ビジョンを全力で推進いたしまして、世界中から多くの方々が夢をかなえるために集まる、徳のある、豊かで、自立した地域、すなわち、“Dreams come true in Japan”の拠点を目指してまいります。

 先ほど、ちょっと言い落としたことがございました。それは、この二つの世界クラスの2件が入りまして、合計72件になったということです。今年になりまして3カ月で8件、平成29年度で24件、そうすると1カ月に2件、今年は1カ月に3本のペースに近くなってきたと。現在72件ですから、この6月で丸60カ月、迎えますけれども、1カ月に1件以上というハイペースで世界クラスが認定されてきてるということであります。

 それに入らないんですけれども、芳賀徹先生、有馬朗人先生のお二人が、それぞれ栄誉ある賞を受賞されましたので、併せてご紹介申し上げておきたいと存じます。

 現在、県立美術館名誉館長の芳賀徹先生が2017年度の恩賜賞・日本芸術院賞を受賞なさいました。日本芸術院賞というのは、日本芸術院が、卓越した芸術作品と認められるものを制作した方、芸術の進歩に貢献する顕著な業績があると認められる方に対しまして、毎年授与されるもので、恩賜賞は、日本芸術院賞を受賞した方の中から、特に業績が顕著な方に贈られる賞であります。

 芳賀先生の最後の美術館長としてのお仕事の一つが、「パクス・トクガワーナ」でしたが、これをベースにして「文明としての徳川日本」という本を、筑摩書房から出されました。これはかつて「文明としての徳川日本」という中央公論社から出した本がありますけれども、その巻頭論文をかなり敷衍(ふえん)された、立派なご本でありまして、すごいなあと思っていたのであります。特に、「パクス・トクガワーナ 徳川の平和」というのが、芳賀徹先生の命名であります。今では「パクス・ブリタニカ」とか「パクス・ロマーナ」、最近では「パクス・アメリカーナ」と軍事力をベースにした、そういう世界の平和維持に対しまして、いわば文化力でもって、文字通り「徳川の平和」を作ったということを実証せられたものでありまして、誠に私といたしましては、美術館の館長を務めていただくこととともに、お辞めになって名誉館長としてご指導頂きつつ、その中でこうした素晴らしい賞が先生に与えたれて、誠にうれしい限りであります。

 それから、現在、静岡文化芸術大学の理事長をお務めいただいております、有馬朗人先生に蛇笏(だこつ)賞が授与されました。授賞式は6月で。これは第52回蛇笏(だこつ)賞ということに相成ります。蛇笏(だこつ)賞は、ご案内のように、山梨県出身の飯田蛇笏(だこつ)先生にちなんでつくられた、俳句界で最も権威ある賞であります。

 有馬先生は、原子核物理学の世界的権威です。一方で、文武両道といいますか、文理融合ですね。俳人として文化系分野にも卓越したご見識をお持ちの方で、まさに文理融合を地で行かれる、卓越した方でございますが、もちろん文化勲章も受賞されておりますが、それは確か、原子核における研究だったと思いますけれども、こういうお二人が、県にゆかりの方が受賞せられたことも併せてご紹介申し上げておきたいと存じます。

消防防災ヘリコプターの愛称決定

 元に戻ります。次の発表項目でありますが、消防防災ヘリの愛称が決定いたしました。

 現行の消防防災ヘリは、山岳遭難、水難事故での人命救助および林野火災の消火活動などで活躍しております。この活動能力の向上を図るために、平成31年3月に機体を更新することとしております。新しい機体のデザインは、静岡文化芸術大学デザイン学部の学生さんのご協力を得て決定いたしまして、愛称につきましては全国に公募しましたところ、なんと782件の応募がございました。 愛称の選定に当たりましては、危機管理部内の検討委員会での検討を経て、応募総数が最も多く、また現行機の名称として長年親しまれてきた「オレンジアロー」という愛称を引き続き使用することに決定したので、ご報告申し上げる次第であります。

 今回の公募を通じまして、静岡県の消防防災ヘリの知名度がアップし、県民の皆さまに親しみを持ってもらうことができるのではないかと思います。「オレンジアロー」という愛称を引き継いだ県消防防災ヘリが、これまで以上に県民に頼りにされて、末永く愛されることを期待しております。今度のヘリは、富士山の八合目辺りまで救助活動が可能になる、大変、従来にはできなかった偵察と救助を同時に行う性能を持っているということで、一段と能力を上げた機体でございます。

「静岡デスティネーションキャンペーン」オープニング

 続きまして、「静岡デスティネーションキャンペーン」のオープニングについてご報告を申し上げます。

 本県で2019年の春、平成31年に展開される国内最大規模の観光企画「デスティネーションキャンペーン」、略称DCのプレキャンペーンが、この4月から開催されます。4月1日には、JR静岡駅と伊豆急下田駅におきまして、オープニングセレモニーを開催いたしまして、JR東海やJR東日本、観光関係者の皆さまと開幕を宣言いたします。当日は、静岡DC開幕を記念し、JR東海さんとJR東日本さんが観光列車を特別運行してくださいまして、到着駅におきまして、本県を訪れた方々をお出迎えいたします。私はJR静岡駅に行って、ご歓迎申し上げたいと思っております。

 ちなみに、5月には、全国から約800名の旅行業者が参加なさいます「全国宣伝販売促進会議」を静岡市内で開催いたします。観光商談会、レセプション、エクスカーションなど、本県の魅力を大々的にアピールいたしまして、DC本番年の本県への誘客につなげてまいりたいと考えております。静岡DCを通じまして、国内外から多くの方々に静岡県をご訪問していただきまして、キャンペーンのロゴマーク「アッパレ!しずおか元気旅」といったような、晴れやかな気分になっていただけるよう、全県を挙げまして、本県の魅力的な観光資源の掘り起こし、また磨き上げに取り組んでまいる所存であります。




知事発表:富士山静岡空港特定運営事業等優先交渉権者の選定、平成29年の工場立地動向調査の結果

(知事)

富士山静岡空港特定運営事業等優先交渉権者の選定

 次の発表項目は、「富士山静岡空港特定運営事業等優先交渉権者の選定」についてであります。

 富士山静岡空港における公共施設等運営権制度の導入に向けまして、昨年4月26日に実施方針を定め、5月19日に募集要項などを公表いたしまして、空港運営を中心になって行っていただける民間事業者の公募、選定手続きを進めてまいりました。本年1月に、二つのグループから第2次審査書類の提出がございまして、一橋大学大学院商学研究科の、この方面の権威であります、山内弘隆先生に委員長をお引き受けいただきました審査委員会において、審査を行っていただきました。

 このたび、審査委員会の審査結果を踏まえ、優先交渉権者に「三菱地所・東急電鉄グループ」を選定いたしましたので、ご報告申し上げる次第です。なお、次点交渉権者として「S&Jグループ」を選定いたしました。優先交渉権者に選定いたしました「三菱地所・東急電鉄グループ」は、代表企業が三菱地所株式会社、構成員が東京急行電鉄株式会社でございます。いずれの会社も、空港の運営について豊富な経験と実績を積み重ねておられて、本県でもさまざまな事業を展開してくださっている企業です。優先交渉権者には、民間の経営力や創意工夫を発揮し、路線の充実、利用者サービスの向上などによりまして、富士山静岡空港のさらなる活性化とともに、本県経済の発展につなげていただくことを期待しております。

 新体制は平成31年4月1日からスタートさせたいと思っております。それまでにやるべきことは、来月4月に優先交渉権者と基本協定を締結いたしまして、その後、運営権設定に係る議案を県議会にお諮りするといった手続きがございます。こうした手続きを滞りなくいたしますと、来年4月1日から新体制がスタートできると、こういうわけであります。

平成29年の工場立地動向調査の結果

 最後の報告でございますが、これはなかなかの朗報であります。平成29年の工場立地動向調査の結果についてであります。

 平成30年3月28日、本日、経産省が「平成29年工場立地動向調査結果」を発表いたしました。その発表によりますと、本県の製造業などの工場立地件数は95件、全国第1位、立地面積も94ヘクタール、全国第1位であります。立地件数は2年連続の第1位であります。立地面積が1位となったのは、9年ぶりということであります。全国の立地件数が前年比1.7パーセントと微増でございますが、本県は28.4パーセント増ということで、大幅な増加をみました。

 その要因は、大きく3点あると存じます。第一に、ずっと進めてまいりました「ふじのくにのフロンティアを拓く取り組み」、この効果が全面的に出てきたなということであります。推進区域内、いわゆる国がお決めいただきました総合特区に加えまして、県が独自で推進区域というのを選定しておりますけれども、この推進区域内への進出が、何と18件になったと。前の年は2件でしたから。9倍になったわけですね。それから、いうまでもなく、平成24年4月14日に新東名高速道路が開通して、その立地環境のよさが、企業の皆さま方に評価されてるということでしょう。それから、これからは中部横断自動車道も開通が予定されておりまして、さらに企業からの期待が高まるものと考えております。

 加えまして、ソフト面におきましては、実は「県産業成長戦略」におきまして、企業誘致・定着を積極的に進めてまいりました。具体的には、設備投資、土地取得に対する企業立地補助金制度を拡充いたしまして、企業活動の支援に努めてきた、その効果が現れたということだと思います。それから、一昨年から県東京事務所の誘致担当職員を拡充いたしまして、積極的な売り込みを進めてまいりました。この結果、県外に本社を置く企業の進出が、28年は7件でしたが、何と21件に、大幅に増加したということであります。

 引き続き、市町と連携いたしまして、富士山麓フロンティアパーク小山をはじめとした、ふじのくにフロンティア推進区域の工業用地への立地促進を図ってまいります。また、市町が行うフロンティア推進区域での工業用地の造成に対する支援を継続いたしまして、取り組みの早期実現を目指してまいります。企業の設備投資意欲は、引き続き旺盛であると見ております。首都圏、関西圏での誘致活動もこれから強化いたしまして、本県への投資意欲を喚起してまいろうと考えているところでございます。

 一つやっぱりうれしかったのは、湖西にプライムアースEVエナジー株式会社、これが立地を決めてくださったというのが大きかったですね。何しろ、トヨタの生みの親は豊田佐吉翁でありますが、1867年にこの世に生を受けられまして、湖西はまさにトヨタのふるさとです。その湖西において、こういうリチウム電池を中心にした、世界の最高のシェアを誇る会社がこれから仕事を始められるということで、これは湖西の人々にとりましても、私たちにとりましても、大変うれしいことでございます。発表項目は以上です。




幹事社質問(記者質問):伊東市メガソーラー、年度替わり、清水LNGについて

(幹事社)

 知事ありがとうございます。以上の発表項目について、質問のある社はお願いいたします。ないようなので、幹事質問に移りたいと思います。2点あります。

 まず1点目が、伊東市のメガソーラーの建設に関して、審議会が開かれ継続審査となりました。今回の、この前の継続審議についての所感と、4月5日に次の審議会が開かれることになりました。引き続き望むことは何でしょうか。

 2点目に、今回の知事会見が年度替りの最後となります。平成29年度の振り返りと、新年度への抱負をお願いいたします。

(知事)

伊東市メガソーラー

 ご質問ありがとうございました。まず、伊東市のメガソーラーの建設に関しての今回の審議会に関してですけれども、継続審議になったというのは、やはり慎重に審議をせられている結果だろうというふうに思っておりまして、形式的な審査ではなくて内容に立入った審査をされているということで、大変ありがたく思っております。伊東市におけるメガソーラーの設置については、地元の人々の大変なご懸念がございまして、それがいろいろな形で現れております。それに関わる資料などの提出も求められたようでですね、そうしたことに現れておりますように、公平公正な観点からの審議会、いい審議会をしていただいていることをうれしく思っております。

 これからも、同じように徹底的に審議といいますか、調査を踏まえた上で、現状をしっかり認識していただいた上でですね、審議をしていただきたいというふうに思っております。私はもちろん、審議会の決定を尊重するという立場で、そのために審議会が設置されておりますので、そのような立場、態度で見守ってまいりたいと思っております。

年度替わり

 平成29年度の振り返りと新年度に向けた抱負でありますが、もう心は新年度です。バトンタッチ、リオデジャネイロにおける、日本におけるお家芸と言われたのが、いわゆる陸上におけるバトンタッチだったんですけれども、これは同じようにBCP、ビジネス・コンティニュイティ・プランですか。今回、たくさんの部長さんが定年でご退職されるということでですね、惜しみて余りあるような人たちがいらっしゃってですね、しかし一方でチームでやっていることがはっきりしておりますので、継承関係がうまくいっているなと。

 今回、いよいよ新しい総合計画がこの4月1日から、この間の予算も通りましたのでスタートいたしますが、実際にはもう走り始めてますね。これからはですね、私どもできる限り「善は急げ」で、前倒しでやっていこうということでございますが、やはりお金を生きた形で使わんといかんということで、部長がなるべく現場に出ると。現場に出て、そしてそこで上がってくる課題などをベースにして仕事をしていただくというふうにしまして、予算も今までは経営管理部が言ってみれば上限を定めてですね、一律管理するということであったわけですけれども。言ってみれば部長責任というものをしっかり根付かせるようにいたしまして、椅子にふんぞり返ってですね、威張っているような部長さんはいらないと。現場に出かけていっていただいて、そしてやるべき仕事について、明確な現状認識と工程表、必要な経費などについて頭にたたき込んでですね、そして予算を計上していただくと。それの調整を、副知事や、キーになるのは篠原知事戦略監ですけれども、そこでやって決めていくというふうにしていこうと思っておりまして。部長の現場主義というのを今まで以上に徹底し、そして現場を知らない経営管理部の、お金だけ見ているという、そういうふうな体質が今までなきにしもあらずということがありましたので、こうしたものを払拭(ふっしょく)していこうというふうに動く県庁にしていきたいというふうに思っております。

(幹事社)

 ありがとうございます。今の、質問がある社はお願いします。ないようでしたら、発表項目その他含めて質問項目ある方、お願いいたします。

清水LNGについて

(記者)

 昨日ですね、清水のLNG火発の撤退というのが発表されて、知事からのコメントも頂いているんですけれども、それについての改めての受け止めとですね、ただ広大な一等地が空いてしまうということについて、あの場所をこれからどういうふうに活用していきたいか、いってほしいかというのを、お考えをお聞かせください。

(知事)

 JXTGというのは立派な会社だなと思いました。私、何度か社長さん以下、幹部の方が県庁に、県知事室にお越しになってお話をしておりましたけれども、そうした中でもそういう印象を持ったんですけれども、やはり地元に根付いた会社として地元の発展に役に立ちたいというお考えがあるわけですね。これまでJXTGが火発を造るということにつきましては、やはり東日本大震災を踏まえて、そしてまた周波数が違うところのすぐ近くに、変電機能があるのでですね、周波数を変える機能がある場所があるので、しかもその容量がこれから増えます。そうした中で、この地こそ日本全体の電力需要を見ながら、供給者としての使命を果たしていくという、そういうお考えだったんですね。

 一方で、時が移りますと、だんだんと節電の効果も現れ、いわゆる自然再生エネルギーも普及いたしまして、必ずしもエネルギー一本ではなくてということになってきた中でですね、環境であるとか景観であるとか、地元の方々の希望であるとかそうしたものが出てまいりました。こうしたものをちゃんと受け止めておられたのが、JXTGの皆さま方であったんではないかと思います。

 ですから、どういうふうにされるかなとは思っておりました。そうした中で、企業の統治というのは株主、あるいは利益中心というだけではなくて、地元の皆さま方、お客様方、つまり地域の方々あって初めての企業でありますから。こうしたステークホルダーの一つとしての地域住民の意向、それからあの場所が持っている、静岡県における位置ですね。最も美しい湾クラブになったのも、この2年ほどの間のことでした。それからジオパークも視野に入ってきております。そしてこの5年ほどの間に富士山も世界遺産になり、南アルプスもエコパークになったということでですね、ここは煙突が出たらどうするかという問題を、非常に真剣に考えておられましたね。だからその煙突が邪魔にならないようにどうしたらいいかということについてもですね、相当に工夫した考えをお持ちで、植栽なんかについてもなるべく地元の人たちに迷惑掛からないようにと考えておられたので、そうしたことからJXTGという会社は、例えばメガソーラーをやっている、ああいう利益一本の会社とはだいぶ違うなというふうに思っていましたね。そういう意味で、今回ここまで一気に決断されるとは思っていませんでしたけれども、心から敬意を表したいと思います。

 そしてあそこは一等地ですから、今、民間の方を入れて、学者も入れて、県も市も一緒になってあの地域を一緒にやっていこうという、そういう委員会が立ち上がっておりますのでね、ぜひそこに入ってきていただいてと思っております。もちろん最有力候補の一つは、地元の人の中にはですね、やはりサッカー場が欲しいというのがありますよね。私は、IAIスタジアムが今あの状況ですと非常に、基準に合わないということで課題が指摘されている中、あそこの土地を活用するというのは一つの候補になっているんじゃないかと。実際、民間の方の中にもそういう意向を新聞で宣伝されたりしている方もいらっしゃいますんでね。こうしたものも、あそこの地域のまちづくりの活性化に役立つんじゃないかと。

 従って、駅を降りればコンコースがありまして、右に行けばマリナート、真っすぐ行けば、道路を横断歩道のような形で渡るとですね、今反対側にできていますけれども、マリナート側にできていますけれども、ああいう形でできればそのまま球場に入れるということで、富士山を見ながらフットボールに興じ、また近くには素晴らしい飲食店や楽しめるところがありますのでね。それは一つの候補になるだろうと思うんですよ。今、清水は疲弊しつつあります。こうした中で、JXTGは素晴らしい春の贈り物をくださったというふうに思っております。




記者質問:財務省の決裁文書改ざん問題、名古屋市立中学校での文科省の問題

【財務省の決裁文書改ざん問題】

(記者)

 ありがとうございます。もう1点よければですね、昨日、国会で行われた佐川元国税庁長官の証人喚問を見られて、どのように公務員として感じられたのか。そのあたりお聞かせください。

(知事)

 昨日は富士山火山防災対策協議会と、それから富士山世界文化遺産協議会がそれぞれ河口湖町ならびに富士吉田市で行われて、その間私はその会議に忙殺されておりましたので、テレビ中継を観ることはできませんでした。しかし、新聞やテレビの報道を見まして、それでの感想でありますけれども、吏道というのがありますね、官吏の道というのが。それは間違ったことはしてはいけないということがあります。

 かつて吏道という言葉はありませんでしたけれども、士道というのがありました。武士道の士道であります。それは主君が間違ったとことをしているということが分かった場合には、臣下のものは諌言(かんげん)をすると、つまりいさめるということですね。場合によっては切腹を命ぜられることがあるかもしれません。しかし、命懸けで諌言(かんげん)をすると。もし、それでも聞かないということがありますと、主君押し込めの構造というのがありまして、座敷楼に入れてですね、「あなたはこの藩を担っていくだけの器量の持ち主でない」と言うことが実は士道だったんですね。それが廃れたのではないかと思いました。

 もちろん、上司に仕えるというのは官僚の義務です。しかし、今回、公務員としてするのは公務ですね。その公務の中でも、国民の税金を扱うそういう省庁です。その省庁において、文書の書き換え、改ざんをしたと。これは公務の一環としてなさっておられるので、これをですね、訴追を受ける可能性があるから言うのを差し控えるというのは、公務を怠っていることに他なりません。公務である以上、私事ではないので、これを隠し立てをするというのは基本的に公務員としての資格に欠けると思います。それをですね、何のために隠すのかと、自分たちが全部責任を負うと、上の方に責任が及ばないようにと、あるいは下の者に責任が及ばないように。じゃあ本当に責任を負うというのは誰かと、自分だということを言わない。無責任体制をですね、そこで吐露して誰に責任があったかということを、その責任を負うべき立場にあった方が言わないというところにですね、財務省もここまで落ちたかというふうに思います。

 これは、従来上の方が立派であればですよ、命懸けでも守ろうということで、さすがというところも、あっぱれということもあろうかと思いますけれど、これは潔くないということでですね、恥ずかしい所業であったというふうに思っております。訴追の可能性があるようなことをしたということであれば、公務員としてすぐ切腹ですよね、かつての士道であれば。それに値することを国民の前に、午前中も午後もさらしたということの恥を知りなさいと。恥を知らない人間は、もう人として、人間としてですね、公務員に就くべきでないというふうに思っております。廉恥心のない人を見たと、そう思っております。

 それを平気で見てですね、これで自分は身の安泰だと言っている人はもっと恥ずかしいというふうに思っております。

名古屋市立中学校での文科省の問題

(記者)

 先日、名古屋市立中学校で文科省の前事務次官の前川氏が講演したのをめぐって、文科省が講演の内容を問い合わせたりだとか、録音データの提供を求めていた問題が報道されましたけれども、これについて知事どう思われるか、ご所感を伺います。

(知事)

 はい、これも同じようなことが言われますね。前川さんもいわゆる官僚の天下りに手を貸した人です。しかし、今回のことは、明らかに文科省の皆さま方が政治家の圧力に屈して、中学校に圧力をかけたということですね。こういうところにもですね、政治家の堕落と吏道の衰退を感じますね。日本のこの、国交省も、それから財務省も、文科省、文科省は特にこの間、加計問題、森友の問題、それから天下りの問題ございまして、腐っているなと思っておりましたが、まあ相変わらずみたいなことしていると。それを上に立つといいますか、影響力を持つべき、国民の負託を受けている議員の先生方もですね、資質も問われているなと。今、日本の国を背負っている方たちが、子どもたちから見てですね、どのように見られているんだろうと思うとですね、慨嘆に堪えないということがありまして、恥ずかしいことをしているということが分からない人たちが本当に増えてきたというふうに思っております。ああいうことはすべきではないですよ。言うまでもありません。

(記者)

 重ねてですけれども、今回の国会議員が、文科省の役人に意見したものが質問内容に大きく反映されていたりだとかそういったこともありましたけれども。政治が教育に介入していくということについて、これは国でも地方自治体でも同じようなことがあるかとは思うんですけれども、ここについてはどのようなご意見をお持ちでしょうか。

(知事)

 安倍総理というのは、第1次安倍内閣のときに教育再生会議をつくられました。私もそのうちの座長の一人であったわけですね。その中の委員の中にはですね、教員を初めからばかにしているというか、駄目な教員が多いから再教育するとか、首にしろとかいろいろなことを言われた方がたくさんいらっしゃいました。

 それからまた、今総合教育会議というのがありまして、教育委員会に首長が入っていくということができるようになったわけですね。これは、一方で社会総がかりとか地域ぐるみとかという面がありまして、いい面もあるわけです。教育委員会、これも中立性とか、あるいは継続性とか安定性という隠れみのでですね、きちっとした主権者教育もできていないということがありまして、教育委員会も駄目、文科省も駄目、そして政治家も駄目という中で、なかんずく国の元締めである文科大臣を含め、今の大臣は別ですけれども、学力テストのときのわれわれとの軋轢(あつれき)もあったような大臣だとですね、文科大臣としては、私は資格に欠けていると。自らが何が間違っているか分からない、人から言われて初めて辞めたような人ですからね。そういう人たちが大臣である、またそういう人たちに近いような政治家がですね、教育に容喙(ようかい)しているということは間違っているということで、子どもたちを皆で育てなくちゃいけませんけれども、政治家が自分たちの価値観を教育の場に押し付けるということは、厳に慎まなければならない。

 ちなみに、私がなぜここにいるのかというのは、文化芸術大学でですね、あそこはいわゆる経営と人事は理事長さんが、学問と教育、研究は学長がやってくださっていた。県立大学ですから、事務サイドですね、そこがいわゆる選挙マシーンだったわけです。元トップの方が後援会の会長をなさってですね、部下に、実際の職員ですよ、そういう運動をですね、するような動きがあって。私はそれに反発をして、学の独立を危うくするものだということで辞表を提出し、そして糾弾したわけですね。糾弾したのは無礼だから、けんか両成敗で自らも罰するということで辞めたわけです。

 そして、私は知事になりまして、教育というものを立て直すために、大学の中に行政あるいは政治家の意図が入らないために、最高の学者を学長、理事長に据えると。今見てくださいませ、横山俊夫さん、元京大の副総長です。それから有馬先生、元東大の総長です。こちらは鬼頭先生、人口学の最高権威です。そして今度、尾池先生、京大の元学長です。そういう方になっていただいて、うちの副知事とかですね、教育長務めたからといって、そういうところの経営に携われるといったような天下りは厳に慎むようにやっているわけですが。

 そうした基本的な規範がないと、ひずみがあってですね、ある先生方の地元の地域における教育への干渉というのが起こりかねないと。地域でもそうです。国で起こっていることは、それと似たようなことではないでしょうか。特定のトップの方がですね、特定のイデオロギーをお持ちになってて、それにいわば乗っかる形で学校が造られたりして、そこに便宜が図られると。その便宜にですね、官僚が乗っかって、そして不正を働くと。働いていることが分かっていながら、それを明らかにしないというのが今の現状ではないかということで、明治150年で日本の中央官僚体制は堕落したというふうに見ております。そのうちの一端が文科省の今回の事件、事案であったのではないかと見ております。




記者質問:職員の職場環境について

(記者)

 前回も質問させていただいた件の続きというか、追加のご質問なんですけれども、県職員の方々の職場環境についてですね。つい最近もですね、極めて痛ましい形で命を落とされた方がいるという情報が、少なくとも僕のとこには耳に入っている状態なんです。詳しいことは、原因などは全くよく分からないという状況ではあるんですけれども、心あるいは心身を病む形で、あるいは最後命を落とされるような形になる方がもし出た場合について、前回知事はお答えいただいたのは、もしそういうことがあるならば弔問に行ったりですね、しかるべき対応を、そういうようなことが起きないような対策をとるというお言葉を頂いたんですけれども、現時点でそういった例えば弔問の必要がある、あるいはご遺族の方が面会を希望されるようなことがあるという場合には、どのようなご対応をとられるおつもりなのか。

 もう1点だけすみません。重ねてなんですけれども、あとはそういう対応のルールは何か基準などというものがあるのかどうかを伺いたいんですけれども。

(知事)

 今、その痛ましい事案があったというのが初めて聞きました。それは知りません。

 亡くなられた後に弔問に行くということにも増してですね、亡くなられるような状況に追い込まれている人がいるとすれば、それを未然に防がなくちゃいかんですよね。ですから、いかにそういう不幸な結果を招かないようにするかというための環境づくりをしていこうと、一貫してそう思ってきましたが、にも関わらず6千人もいらっしゃるのでですね、皆で何ていいますか、いじめであるとかいうようなことがないようにしなくちゃいけないと思います。それは、やはり見て見ぬふりをするというふうなことがあれば、起こりやすいんじゃないかと思うんですね。

 だいたい、一人で仕事をする人は県庁の中ではほとんどありませんし、今は部長室も含めてですね、全部開けっ広げになってるんじゃないでしょうか。これは小さなことですけれども、オープンにすると。人を迎えるためにお花を入れたり、こういうお花を出したり、写真を飾ったりね、サービス産業ですからね。ですから風通しがいいようにしていきながら、言ってみれば監視っていうとおかしいですけれども、皆が見ている中でやっていくと、陰湿ないじめなんかなかなかできにくいと思います。しかし、にも関わらずですね、上司が本来できないような仕事まで押し付けてくるとか、部下の能力よりも上司の方が劣っているような場合は、部下の人は非常にやりにくいと思いますよ。それは当然あり得ることです。

 こういうところ、年功序列が基本ですよね。こういう官公庁というのは。ですから、年齢の上の人は50代になると課長へなるとか、そういうふうなシステムじゃないですか。これを変えるのは大変です。言い換えると、30ぐらいでもむちゃくちゃ能力があると、50の方よりも能力があると、どうします。ひょっとすると押さえるかもしれないと。そうすると非常にこれはやりにくいんじゃないですか。皆さま方も経験しませんか。

 上司が出来が悪いと、これほど苦労することはないじゃないでしょうか。そういうことがですね、どこにでもあるので、それを分かった上で、県庁だけではないと思いますが、年が若くても立派な人がいると。年をいっているからといって立派とは限らないということでですね、それぞれの仕事の責任は違いますけれども、責任は皆、部下の責任は自分が負うというつもりでさえやっていればですね、失敗に対しても心配するなというふうに言えると思うんですね。

 ともあれ、ルールがあるかというと、私はルールを聞いたことはありませんので、人の気持ちじゃないでしょうかね。しかし、同僚が亡くなってですね、黙ってられる人はいないでしょう。ただ、家族が病気だとか、あるいは肉親が亡くなられただとかいったときには、少なくとも私はですね、それを最優先にしてくださいと。そのために働いているつもりで、必ず後、例えば課長がですね、お父様が今倒れられたと、「すぐ帰りたまえ」と、「後、ちゃんとこちらでやるから」と、大丈夫です。それはやってることですよ。「仕事の方が優先だ」と言ったことは一度もありません。

 よくですね、親の死に目にも会えなかったとか、そんなことしてはいけないと。倒れられたらすぐそこに行きなさい。これから3日間ぐらい家のことで何かしなくちゃいけないと、それ優先ですと、家族を優先にしないで仕事はないと。なぜかというとですね、家族との関係が不幸になると仕事がうまくいかないですよ。だから、家族は大切にしなくちゃいけない。むしろ、これは価値観の問題もあるかもしれませんけれども、子どもや老いた両親やですね、そのために一生懸命働いているというところがあるんじゃないかと思います。

 ですから、そういうところで何か慶事があったり、逆に悲しいことがあったときにはですね、それを優先にしてあげるというのが人情というものではないかと思いますし、どうしても代われない仕事というのが場合によってはあるかもしれませんが、基本的にそれは皆が代わることによってですね、その方が大きな負担を負うことがないようにするという姿勢でやっております。




記者質問:職員の職場環境について

(記者)

 ありがとうございます。この件については新聞記者もいろいろ身に返ってくるような話もあるような仕事柄ですし、報道倫理ということから言うとWHOの勧告ということがあって、みだりにこういったことについて、あおるような報道は慎むようにというような基準もあったりするようなので、特に一方的に問題視しているつもりはないんですけれども、一方で、その人権というか生命尊重というのは一人ひとりの命がまず一番大事な基本ですし、それはまあどのような仕事をしていても、なおさら行政は地域社会においては率先垂範するようなことをしなくてはいけないような組織でもあるかなと思います。今後新たに調査、究明なり、あるいはそれに基づく新たな対応、効果的な施策は何なのかということについて検討されるような現時点のお考えはありますでしょうか。

(知事)

 自殺の問題とか、あるいは長期休養ですか、これがそれなりの数、出ていますのでね。これを公共機関として一番少なくするという目標を立てて検討するようにしてみましょうかね。どうですか。

(記者)

 現時点で年間、長期療養が70人でしたか。労使間の基準のようなものが、ちらっと伺ったことがある。それを達成されたりされなかったりみたいなことがある。

(知事)

 民間と同じ基準でやってるわけじゃないからというようなことで、なかなか数字というのは怖いですよ。数字を使うことはとても大切ですけども、その数字の持っている全体の中での意味を見失うとですね、部分が全体であるかのごとくに誤って誤認するということもありますからね。数字は強いんですけれども、数字の持ってる力はあるんですけれども、部分を全体というふうに見誤らないようにしないといけないということも併せて言い返さないといけないと思っております。

(記者)

 継続して、ご対応されるという。

(知事)

 もちろんです。これはもうみんな健康で元気であるということが基本ですしね、元気の反対は何でしょう。病気です。だけど完全元気な人も完全病気な人もいないんじゃないですか。記者さんみたいに花粉症でも頑張ってやってくれる人がいる。ですから完全元気とは言えないです。だから元気と病気の中間ぐらいでしょ。なるべく元気の方に行くようにすることが、やはりみんなが一緒に仕事ができるようにですね、そうトップに立つ、例えばまあ、ここにいないから言いますけど、交通基盤部長はですね、もう完全に縁の下の力持ちになるようなつもりで皆励まして、やったからもう今回ひとり1改革運動、何しろ19984件ですよ。その中のトップ中のトップが交通基盤部です。それはもう若い青年達がわーっとやりました。あなた聞きました。通常の他の県では1千件ぐらいなんです、ひとり1改革。ここ3、4年は1万5千件超えてたんです。ところが今回、いつからやってるんでしたかね。もう20年くらいやってます。あるときに1万件を超えてですね、1改革運動が。今年は19984件です。もうあと十数件でですね、2万件になると。それはみんなでやる気出してやってるからなんですね。これは上の者だけがやれと言ったってできやせんですよ。班のレベルといいますか、要するに5、6人でやってるところがですね、皆あちこちで一緒になってやっていって、それを発表すると。そしてそれを競うというふうなことをしておりますんでね。そうした中で、かつては上が、何しろ出来が悪い国交省から来た人が指定席に座っていたことがあったわけです。それなくなりましたからね。いわば天井が晴れた形になって、それで明るくなって今回のような最高得点に結び付いた。最高得点というのは皆で一般の方も一緒に来て、どの取り組みが一番いいかというのを判定してね、やるのを毎年やってるんですけれども。そういうことも含めて、みんなが仕事のしがいがあるような環境づくりというのは、それなりに進んでると思いますけれどもね。まあついて来れない人も、いろんな事情がありますのでね。個人に即して型にはめないようにして皆元気でやれるように心掛けたいと思っております。

(記者)

 ありがとうございます。




記者質問:県立大学の有期雇用職員について

(記者)

 労働のことについて1点、すみません。

 県立大学の有期雇用職員のことについて取材をいたしました。先日伺ったときにですね、個別の問題は今、労働委員会の方にあっせんがかかっているので、個別の問題について是非を問うことはやめますが、その際に有期雇用職員について5年というのは任期だからとか、テンポラリーな仕事というのは常に存在するから必要なのだということを県立大学の方からは伺いました。しかしながら今回無期転換というルールにした方がよいのではという労働契約法の改正の趣旨に則るとですね、県職の有期雇用職員についてもテンポラリーな仕事ではない仕事も有期職員が担っているという現実があるのであれば、無期転換のルールというのをかなりきっちり作って、厳格に運用すべきではないかと私思うのですが、この点についていかがお考えでしょうか。

(知事)

 この県立私学の問題は個別の問題だと思いますけれども、報道されている形で見ればですね、理不尽でしたね。いわゆるしゃくし定規に当てはめて解雇するということは。それが一つあります。

 一方、もう一つ県立大学があります。文化芸術大学です。そこでですね、私も学長を務めてたときに、臨時職員と常勤の職員がいらっしゃると。そこで気が付いたわけです。選挙絡みの中で気が付いたんですけれども。労働組合みたいなものがなかったんですよ、文芸大にね。そうするとですね、上の県職員の出向されている方が勝手に差配できるわけですね。そういうのがあって、苦しまれている方がいることが分かったわけです。それをどうしたらいいんだと。私は初めてですね、弱い立場にいる人はですね、一人じゃ戦えないんですね。訴えることができないわけです。もちろん今、そういうことを訴えることができるような組織はあるんですけれども、学校の中じゃなかなかできないという、そこで私が知事になって最初にした仕事は文化芸術大学に労働組合をつくることでした。だからそれで臨職の方が泣き寝入りに近いような形にならないようにすると。規則についてはですね、柔軟に運用するというのが大切で。一方、コンプライアンスの問題がありますから、それなりに厳格な運用も重要です。そこらあたりをですね、今おっしゃったような新しい規則ができたんですか。労働契約法ができたということでね、それは労働される方の人権を重んずる形になってるんじゃないかと思います。そういう精神を生かしていかないと今回のようなことになるんじゃないかと思っております。

(記者)

 ルールと運用について明文化したものがあるといいなと思っております。

(知事)

 そうですね。ちょっとまた鬼頭学長や新しく理事長になられる尾池先生ともお話をして、大学というところで、こうした事案が出てくることが無いようにしていただこうと思っております。

(幹事社)

 はい、もう以上で、はい大丈夫です。ありがとうございました。