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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2017年12月18日(月)

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知事記者会見

2017年12月18日(月)


知事発表:ドバイ2017アジアユースパラ競技大会における本県関係選手の活躍、「静岡県・忠清南道 考古学学生会議」の開催、JR三島市南口のまちづくり
記者質問:JR三島市南口のまちづくり
幹事社質問:仏の川勝、職員の自殺
幹事社質問(記者質問):職員の自殺
記者質問:リニア中央新幹線について
記者質問:リニア中央新幹線について、浜松の球場について
記者質問:浜松の球場について、リニア中央新幹線について
記者質問:空港新駅について

知事発表:ドバイ2017アジアユースパラ競技大会における本県関係選手の活躍、「静岡県・忠清南道 考古学学生会議」の開催、JR三島市南口のまちづくり

(知事)

 12月、師走も半ば過ぎまして、今日のお花は、カーネーション、赤がケイトウですね、緑の葉はコキアという花だそうでございます。すこしクリスマス的という感じであります。

 さて、発表項目は2件でございます。

ドバイ2017アジアユースパラ競技大会における本県関係選手の活躍

 まず、ドバイ2017アジアユースパラ競技大会における本県関係選手の活躍についてであります。現地での12月10日から13日の期間、アジアユースパラ競技大会がアラブ首長国連邦のドバイで開催されました。本県からは、県の「2020東京パラリンピック「ふじのくに」スポーツ応援事業費」の指定強化選手となっている、ボッチャの渡邊選手や卓球の土井選手をはじめ、4名の選手が出場いたしました。

 卓球の土井選手は、何と金メダル1個、銀メダル1個を獲得されました。水泳の前田選手が金メダル1個、銅メダル2個を獲得されました。世界のひのき舞台で活躍をされているということでございます。このように、本県では、すでに陸上の佐藤友祈(ともき)選手、佐藤圭太(けいた)選手、山本篤(あつし)選手、ボッチャの杉村選手のようなトップアスリートに加え、若くて将来有望な障害者アスリートがどんどん出てきております。今回惜しくもメダルを逃されましたけれども、ボッチャの渡邊選手は、あの杉村選手に憧れて競技を始めたとお聞きしております。次世代のアスリートが着実に育ってきているのは、非常に喜ばしいことでございます。

 本県は、トップアスリートはもちろん、若い選手のご活躍により、障害者スポーツの競技人口を広げ、障害のある方も生き生きとスポーツを楽しめる環境づくりを進めているところではありますが、今後も、障害者スポーツを通じて、障害に対する誤解や偏見の払拭(ふっしょく)に取り組み、共生社会の実現を進めてまいります。

 今回はアジアユース大会なので、世界クラスのリストには残念ながら載りません。

「静岡県・忠清南道 考古学学生会議」の開催

 二つ目の発表項目でありますが、静岡県・忠清南道の考古学学生会議の開催についてであります。明日19日から25日月曜まで、本県が友好協定を締結する韓国・忠清南道にある韓国伝統文化大学校の学生さんが来静されまして、23日、静岡大学人文社会科学部で考古学を学ぶ学生と意見交換などを行う「静岡県・忠清南道考古学学生会議」が開催されることになりました。

 今回の事業は、平成28年3月、静岡県考古学会の皆さま方が、県の交流事業を活用して韓国を訪問されまして、その際、韓国伝統文化大学校の関係者の方から、韓国の教科書にも、あの登呂遺跡が掲載されていると、知名度の高い登呂遺跡として、この遺跡が静岡にあるということなので、交流を行いたいという要望があったというのがきっかけです。これを受けまして、本県と忠清南道の大学生同士による考古学の交流事業を企画し、関係機関で実行委員会を設立し、公益財団法人日韓文化交流基金のご支援を頂いて開催することと相成りました。

 「静岡県・忠清南道考古学学生会議」では、静岡大学と韓国伝統文化大学校の学生さんが二つのテーマについて意見交換をいたしまして、最後には共同宣言を発表されるとのことであります。この他、来静する学生は、静岡県立大学および日本大学国際関係学部でも学生交流を行うそうです。茶道体験、日韓平和外交の象徴である清見寺を視察するなど、本県文化を体感なされることができる内容となっております。平成30年度は本県と忠清南道が友好協定を締結して、もう5周年となります。このように県民の皆さんが主役となる交流の盛り上がりを生かし、両県道のさらなる友好関係を構築してまいりたいと思っております。

 二つのテーマというのは、「静岡県と忠清南道それぞれの農耕成立と地域性」というのと、「登呂遺跡と松菊里(しょうきくり)遺跡、それの保護と活用」についてということですね。大変興味深いものですね。私も聞きたいくらいです。

JR三島市南口のまちづくり

 そして、一応、発表項目、予定しましたのはその二つなんですが、先般、三島ご出身のお二人の県議の先生、宮沢議員と遠藤議員がお二人、それぞれ政党は違うんですけれども、お二人でお越しになられまして、三島駅の開発について心配している旨を表明されまして、その件につきまして私も実は心配しております。

 ご案内のように、JR三島駅の北側はJR東海さんの研究所ができまして、これ大変素晴らしい研究所で、環境に配慮したもので、県としても表彰したほどです。それに呼応する形で、今まで有刺鉄線張られて、必ずしも見栄えはいいとはとても言えなかった東レさんも、有刺鉄線を外されまして、白に壁を塗り替えられまして、しかもお化粧の線も作られ、北側は非常によく整備されつつあります。一方、南側でございますけれども、楽寿園側、西側街区につきましては、ホテルが今度来られると、オリンピック、2020年の開催を前にいたしまして、そのときまでに県産材をふんだんに活用した立派なホテルができるということで、楽しみにしているわけですが、問題はこの東街区なわけですが、この東街区につきまして、三島市や地権者などが平成21年に市街地再開発の準備組合を設立され、この11月1日から事業協力者を公募しておられるわけであります。

 聞くところによりますと、事業の概要は商業施設、住宅、駐車場を建設する計画で、特に住宅について、高さ100メートル以上の高層マンションが建設されると聞かされています。地下水への影響もございましょう。富士山の眺望が阻害されるなどの問題について、心配する向きがございます。そこでですね、一方、市の財政負担はどうか、地下水はどうか、景観への影響はどうかと懸念する声が上がっておりまして、地元の理解がまだ十分ではないのではないかと危惧しております。

 何といいましても、ここは静岡県の、言ってみれば新幹線ではもちろん熱海もございますけれども、伊豆への玄関口でもあると、富士山への玄関口でもあるということでございますので、ここについてはですね、拙速でない方がいいのではないかと思っております。

 県議もご心配されているということでございますし、また源兵衛川を回復されたグラウンドワーク三島というのがあります。ここは世界かんがい施設遺産にまで認定されるというようなこともあり、そのグラウンドワーク三島の方ではですね、東京理科大学の岩岡竜夫先生の提案も出ているそうで、それによれば、5階建てで、そこに芸術的な劇場と、それからそちらにいらっしゃる地権者の方たちが住めるマンションというようなものが配備されていて、屋上は、屋上庭園のようになっていて、景観を阻害しないような形になっているというような提案もあるわけですね。ですから、もう少しこの玄関口について、東街区については、いきなり工事に入るということよりも、むしろアイディアコンペのようなものをして、いろんな方のご意見を得られるというふうになさらないと、私のところに県議が来られたり、違う立場の人たちが説明に来られるというようなことを見ておりますと、危惧せざるを得ないということでございます。広く、伊豆半島への入口でもありますので、皆さん協力してですね、どういう案が最もふさわしいかといったようなことについて、反対者がカリカリならないようにしていただければというふうに感じておりますので一言申し上げました。私の方からは以上であります。




記者質問:JR三島市南口のまちづくり

(幹事社)

 ただ今の発表項目について質問ある社の方いらっしゃいますか。

(記者)

 今、最後にお話しいただいた三島駅南口の東側の件なんですけども、三島市としては健康医療の拠点だとか、そこに住居スペースをある程度の規模で保ちたいとおっしゃっています。今、知事のお話では、県の玄関口であるということもありましたけど、知事としては、県の玄関口である三島駅はどういう拠点だとか、どういった事業がふさわしいというふうに感じられてるんでしょうか。

(知事)

 マンションの100メートルの高層ビルというのは、玄関口にふさわしいとは思いません。ここは豊岡市長さんになられてから、ガーデンシティ構想を出されまして、そして三島大社もあり、楽寿園もございますから、目抜き通りのところは電柱を埋設して、お花をプランターに生けるなどして、大変素晴らしいまちづくりが行われているわけですね。そういう意味で、この人は素晴らしいと思ってます。ただ、この東街区については、私も知事になりましてすぐに、この点についてはコミットしたというか、大変関心を持ってまいりました。今、記者さんが言われた医療施設ですね、これも突然、降って湧いたような形で出てきたんです。本来そういうところには造らないとおっしゃっていた医療関係者が、ここに造りたいと、突然言われたりして、度肝を抜かれたこともあったわけですが。しかし、そういうところに仮に入院した場合、大病した人はご経験があると思いますけども、ちょっとした音ですね、電車の音だとかドアの開ける音とかでも、ものすごく苦痛になることもあるんですね。ですから、駅というのは大変便利なわけですけれども、いろいろなことを勘案すると、私などはそんなところに病院の一部を建てるというのはよくないということで、明確に関係者と議論したことすらありました。

 それから、また何といっても、地下に伏流水が流れておりますね。ですから、西街区のホテルを建てるときも、これについては従前の調査をなさって、いわゆる、杭を打ち込まないと、ベタ基礎にしてその上にホテルを建てるというふうなことで、大変気を遣ってらっしゃるわけであります。

 ですから、東街区についても南の方に大社もございますし、源兵衛川もございます。そうしたことで、やはりあまり高層なものを建てるべきではないと。しかも便利だからといって、マンションは造って、売って、そして業者は逃げていく、というと、ちょっと言い方が酷ですけれども、東京の億ションと比べて、本当にそこにふさわしいかどうかということもあるでしょう。ただ、地権者がいらっしゃるから、その方たちの住居を保障しなくちゃいけないと。それも、ある案によれば、5階くらいでも十分に収まると。三十数軒ですからね。全部入居されるかは別にしましても、全部収まると。屋上庭園にしても、それにしても新幹線の駅よりも高くならないということで、眺望も保証できると。何しろ、水と緑というのが大社さんとか楽寿園のイメージですから。水がきれいであるというのがイメージなので、せせらぎの公園を意識したような、そうした芸術、水、緑といったようなものが中心になるのがふさわしいと思います。ですから、経済性を重視するか、三島の玄関口として富士山を眺望できるような形にして、一種の芸術の都、食の都、水の都というイメージが湧くような形にしなくちゃいけないのではないかと思います。しかし、それは三島市民の意向でなくてはいけないと思いますのでね、そうしたものがアイデアで徹底的に戦わされているかというと、どうもそういうふうには見えないと。だからこそ、関係者が、しかも意思決定に関わるような有力者が心配して私のところに来られるということになっておりまして、ちょっとワンクッション、頭を冷やしておいた方がいいのではないかというのが、今の私の感想です。

(記者)

 今の質問と重なるんですけれども、そうしますと現段階では、住民の合意というのが得られていないので、三島市の計画というのには反対で、グラウンドワークさんの提案を支持するというふうに捉えてよろしいんでしょうか。

(知事)

 まぁともかく、急がなくていいんじゃないかということですね。どっちかに賛成する、反対する、というよりも、急いでいるふうに見えることに対して危惧をしてるということです。

(記者)

 はい。そうしますと、三島市さんの方が、公募を今、始めているということですが、これ一旦、ストップしたらというようなご意見でしょうか。

(知事)

 ストップというよりも、延期とかね、いろんな方法があるんじゃないですか。

(記者)

 わかりました。ありがとうございます。

(知事)

 似たような例で、梅田駅の淀川側、梅田駅北口、大阪駅のことですけど、あそこも水の都ということで、アイディアコンペしたんですね。僕はその審査員の一人だったんですけども、それはそれは素晴らしいアイディアが出てきて、そして最終的に今のようなものができてると。そこにも素晴らしい公園ができてるでしょ。ですから、やっぱりあれだけ大きなものって1回造ってしまうともう取り返しがつかないので。特にわれわれにとっては、浜松、静岡、三島というのは新幹線が止まるところでもあり、これから伊豆半島に公共交通機関でお越しになられる方は、三島駅で降りられて電車に乗り換えられるとかバスで行かれるとか、さまざまな意味で結節点になっておりますし、これまで市長さんが進めてこられたのは、私は大賛成で、いいまちづくりをされてると。静岡県下で最初にガーデンシティというコンセプトを最初に出されたのは、豊岡市長さんではないかと思います。もともと獣医さんでしょ。ですから、心優しい方なのでね。お花のまちにするといったようなことで、多くの外国人が来てられるので、それなりの理由があるのかもしれませんけれど。ぜひ県庁に有力議員二人が、しかも通常は対立する方が、ご一緒に来られて心配してる旨を伝えてこられるぐらいになってるということは、尋常ではないと思ってます。

(記者)

 今の三島駅南口の件ですけれども、それって市の事業で、市の土地だと思うんですけれども、塩漬けになってる。県として何かこうコミットする立場というか、権利的な拘束力とかってのはあるのかっていうのが一つと、もし、そうするのであれば、例えばそこに県のお金を補助するとか、何か県の施設を造るとか、そういうアイディアとかもあったりするのかお聞かせください。

(知事)

 これは両方関係してますけれども、組合の設立、事業計画・権利変換計画の、県は認可者なんですね。認可権者なんです。そういうかたちで関わりを持ってるということであります。

(記者)

 補助とかは。

(知事)

 今、そういうことは考えていません。取りあえずは、事業者に売って、それで計画を立てて、それでやってもらうという形でしょう。ですから、補助など今のところ全然お考えになってらっしゃらないですよね。補助ができるような状況でも、今ありません。ただ認可権者であるということは変わりありません。




幹事社質問:仏の川勝、職員の自殺

(幹事社)

 ありがとうございます。他にありますか。じゃあ次にいきます。

 幹事社質問に移らせていただきます。2点あります、一つ目が6月の知事選から半年がたちました。知事が3選果たした後、「これからは仏の川勝になるんだよ」なんて述べていたということで、仏としての言動、行動なさっているか自己評価をお聞かせください。これが1点目。

 2点目です。先頃の12月の定例会の一般質問で、ある県議から県職員の自殺数が多いと、対策などしているのかといった旨の指摘があったと思います。それについて、今日配られていますけれども、県の自殺数のデータ示してくださいということと、これに関して、県庁内の職員の心理的ストレスや自殺につながる要因は、この数年間あったのかなかったのか、県のトップとして振り返って自己評価と今後の対策をお聞かせください。以上2点です、お願いします。

仏の川勝

(知事)

 仏になるというのは仏教の目的だそうです。仏教が伝わったのは6世紀ですので、1500年ほどの歴史があるわけですね。ですから、これは日本人の文化の一つになっていると思いますけども、仏教の目的は何か。仏になることだそうです。じゃあどうしたら仏になれるでしょうか。皆死んだら仏になるそうですね。死ねば元も子もないかとも思いますが、さて、冗談はさておきまして、自分の評価ってのは、例えば記者さん、自分の目は自分で見えないでしょう。ですから、私が、自らが評価はできないと思っておりますので、それこそ記者さんに聞きたいですね、この6カ月どうだったでしょうか。

(幹事社)

 僕の立場で言うことではないと思いますけれど、自己評価をどう思っているかと、これどういう趣旨で言ったかといいますと、もう1回言いますけれども、恐らくですね、この間の知事選で、対抗馬の溝口さんが非常に争点化するように静岡市との関係を念頭に置いてよく言ってた質問だと思うんですよ。要するに田辺市長との確執がさんざん取り沙汰されて、それについて、実際選挙の得票でも静岡市はかなり減らして溝口さんに負けられたと。そういう点も踏まえて、当選後そういうことも念頭に、言い過ぎた面もあるからより寛容に、仏にしてっていう趣旨でおっしゃられたんだとわれわれは解釈しているんですけども、そんな念頭も含めて、言動とかどうだったのかという振り返りを、今年も暮れてきますし、この半年間振り返ってくださいという趣旨です。お願いします。

(知事)

 生き方の基本というのはですね、選挙や何かで変わるものではありませんで、私は常に宮沢賢治の「雨ニモマケズ/風ニモマケズ」というこの詩篇を常に暗唱しておりました。しかし、そこに「慾(よく)はなく」、それは分かっているんですね。「ヨクミキキシワカリ/ソシテワスレズ」、「イツモシヅカニワラッテヰル」と、「決シテ瞋(おこ)ラズ」というのがですね、読み落としていたということがありまして、「ああそうか、怒っていたか」と、これを見落としていたことに気付いたということが、極めて大きかったですね。

 しかし、神のwrath、怒りというものがあります。だから怒る存在でもあるんですね。閻魔(えんま)大王もそうでしょう。ただ、なぜ怒るかということもあるわけです。私は公益に資するために何ができるかという、それを常に念頭に置いていまして、しかしながらそれが個人攻撃になるとすると、公益にももとることにもなりますのでね、それは公益にもとらない限り言うべきことは言うと、その関係者に対して。そういう態度をとっております。

 仏はなかなか難しいと思いますが、改めて、一番ひどい人間の心の境涯というのは、地獄でしょ。地獄の上に餓鬼という境涯があるそうです。餓鬼の上に畜生、その上に修羅、そして人界、天界というのがありまして、声聞、縁覚、菩薩、それから仏界などということがあります。菩薩というのは、宮沢賢治さんの生き方などは、一種の菩薩行というか、菩薩道ではないかというふうに思っておりまして、菩薩というのは仏になる直前にいる境涯で、要するに世俗の中にですね、留まれる、そういう境涯だそうです。私もそういう、これまで60年以上生きてきて、菩薩道と自分では言っていたんですけれども、こうしたことについてもっと自覚しなくちゃいけないというのがございます。ですから、これは遇遇(ぐうぐう)こういう仕事をしているので、私利私欲のことはあってはならないし、ですから、そういう自分のためだとか、あるいは特定の利益集団のためにやっているということであればですね、こういう仕事はやるべきではないと僕は思っております。

 ですから評価は、記者さん他、皆さんがなされればいいというふうに思っております。私自身は、自分では仏になるのはなかなかに難しい、煩悩にもさいなまれることが、誰にもそうであるように私もありますから、しかし、菩薩道をあえて自分に言い聞かせるというのはこれまでやってきたことだし、そうしようという強い決意はあります。

(幹事社)

 これについて質問のある方いらっしゃいますか。では次の質問に対してお願いします。

職員の自殺

(知事)

 ある議員さんから、全国平均の2倍だと聞いて仰天しましたよ。それで、ともかく職員であれ、どなたであれですね、自殺というのは最も不幸なことで、残されたものの悲しみを思うとですね、いたたまれない気持ちになります。ましてや、一緒に仲間として仕事をしているそのうちの一人が、自らを死に追いやったというのはいたたまれないことでございまして。それで、全国平均の2倍というのはどういうことですかということでですね、今日は藤原君が来ていますけれども、人事のこの方面のトップの藤原さんに、全ての統計を全部出していただいて、皆さんにそれを配ってくださいと、どうなってるのかと、まず現状認識することが大切だということであります。

 それが皆さんお手元に配られているものですか。ちょっとそのことについて、藤原さんの方からご説明いただけますか。




幹事社質問(記者質問):職員の自殺

(藤原職員局長)

 職員局長の藤原と申します。人事の関係をやっております。お手元の資料なんですけれども、平成21年度から28年度、28年度はまだ都道府県指定都市との比較はできませんけれども、8年間の実数を提出しております。先ほど、2倍というお話がございました。それは27年度の欄をご覧ください。全国の都道府県指定都市の職員、これが職員1000人対比81人、そうしますと0.18パーミルという数字になります。これに対して、本県平成27年度、知事部局の職員数ですけれども、これに対しまして2人、パーミル、対比で申し上げますと0.34ということでほぼ2倍ということになってございます。

 人数的にはこうなんですけれども、もう少し話させていただきますと、毎年こういう方がいらっしゃる、1人、2人ということではなくて、毎年いらっしゃるということ自体が非常に問題だと思っております。自殺って、個人の健康、われわれもいろいろ分析をするんですが、個人の健康であるとか、やはり仕事ですとか、あるいは家庭ですとか要因はさまざま絡むんですけれども、苦しい彼の心の叫びを聞くことができなかったのかな、あるいは気付いてあげられなかったのかな、それが管理者としては責任でございますし、周りの職員もやっぱりそれに気付くべきだと思います。私ども人事課の職員は、必ず職員が死亡すると弔問に訪れます。特に自殺の例というのは、われわれも心締め付けられるものがございますし、1年後にご遺族の方から「この手紙を見てください」と、亡くなったご遺族の方が仏壇に提出した手紙ですと、そうしたものを受け取ることもございます。

 やはりそういうのを見ますと、何かしてあげることはできないのかなということで、これからもいろいろ、家族を巻き込んでいろんなことをやっていきたいと思います。ちょっと余計になりましたが、以上でございます。

(知事)

 2倍という数字は、2人だったということですね。全国平均だと1人だったということで、2人自殺をされたので、全国平均の2倍になったということのようですが、そういう数字は、何か数字なりの力を持ちますので、やはり1人でも亡くなったらいかんということで、家族が向こうにいらっしゃるのでですね、企業でもそうですけども、ちゃんと給金を払うと、それは家族を救うためでもありますので。ですから、家族を悲しませるようなことがあってはならないというのは、一番の基本ではないかと、そうした最も極端なものが自殺ですから、これを静岡県は言うまでもありませんけれども、自分たちの仲間の間から出さないようにすると。そのためにできる限りのことをしていこうということでございます。

(幹事社)

 何か具体的な策とかって、あれば教えてください。

(知事)

 さまざまな検査をしたり、あるいは相談に乗ったりということで、それがしやすい環境を今作っておりますので、心の病というか鬱積(うっせき)したものがあれば、それが言える環境を、職場の空気ですね、これを作っていきたいというふうに思っております。

(幹事社)

 この件についてご質問ある社はいらっしゃいませんか。

(記者)

 今の自殺についての関連質問なんですが、今ここに挙げていただいている数字は川勝知事ご就任前後からの数字かと思うんですけれども、それ以前との傾向、増えたのか減ったのかということがもし分かったりしたらうれしいなと思いまして、詳しい数字を頂くというよりは、どういう傾向なのかというのを一つ伺いたいです。

 その上で、知事ご就任以降の行政の運営、巨大な行政組織の運営方針が、職員に負担を与えているとか、あるいは逆に自殺が減ったとかですね、そういったところの現状認識について伺えればと思っております。

(知事)

 実は僕は今回、議会で指摘を受けて初めて知ったわけですね。今、この数字は全部出してくださいということで出していただいたので、その出した数字が私が知事になってからのことでございますので、それ以前について私は知りませんが、もし分かるなら。

(藤原職員局長)

 幹事社様の方からこういう質問があるということで、それ以前についても数字を当たってみました。こちらの把握している範囲の数字、カテゴリーが若干組織が変わっているものですから、ちょっとずれるんですけれども、平成13年から20年度まで、前の8年間ございますけれども、それについては全部で12人の方が自殺というカテゴリーの中で分類されております。要因について私どもの方も分析というか調べさせていただきました。

 その中では、やはり本人の健康状況、それと仕事と、それから家庭問題。やはりこの3点でそこの際立った傾向はございません。以上です。

(記者)

 ありがとうございます。

(記者)

 すみません、今のだと、12人という数字だと、率が分からないと増えたか減ったかというのがちょっと分かりづらいと思うのですが、そこはいかがでしょうか。

(藤原職員局長)

 先ほどの率の話につきまして、全国の比較ということで、実はそこの資料にも書いてありますところの財団法人さんが出している資料を基にでございます。私どもの方の数字につきましても、ちょっと数字の母数の方を当たらなければいけないものですから、そこは今手元にないので、追って数字の方は調べさせていただきたいと思います。以上です。

(知事)

 身の回りでですね、僕の身の回りの人で自殺した人が1人いました、学生のときですけれど。やっぱりショックですね。ですから、そういうことのないように本当にしなくてはいかんということで、ご本人の健康状態だとか、さまざまな問題があるかもしれませんけれども、ともかく与えられた生を生き抜くという勇気を持てるためにですね、周りの人たちが気が付くということが大事だというふうに思っています。




記者質問:リニア中央新幹線について

(幹事社)

 他ありませんでしょうか。その他、質問ある方、いらっしゃいますでしょうか。

(記者)

 今日ですね、リニア中央新幹線の工事をめぐって東京地検特捜部が独占禁止法違反の疑いでですね、建設会社大手の鹿島と清水建設を家宅捜索しました。午後にも大成建設、大林組の家宅捜索するとされています。リニア事業で静岡県内が関係する南アルプストンネルの静岡工区ですとか、導水路トンネルの工事は大成建設さんが受注されました。大きなリニア事業がですね、捜査対象になっている、また静岡県も少なからず関わっています。改めてリニア事業に関してですね、捜査対象になっていることを踏まえて、知事の見解があればお願いします。

(知事)

 リニア事業が捜査対象になったというニュースは驚きました。しかし、今年起こったさまざまな大企業の不祥事といいますか、品質の不正であるとか、自殺に追い込むような人事環境であるとか、そうしたものが日本を代表する企業で起こっておりますね。ですから、氷山の一角かなという感じもしております。

 電通、NHK、神戸製鋼、それから日産ですね。そして今回の、それから東レもそうですね。経済団体連合会の会長さんの会社でしょ。こういうことは、どこかに倫理規範の緩みみたいなものがあるんじゃないかというふうに思います。

 リニアに関しましては、今捜査中ですからこういうコメントは差し控えたいと思いますけれども、とにかくリニア工事は、もし断行されると、毎秒2トンの流量が失われる、そういう推定値が出ているわけですね。これは前提のままでやるということであればですね、水が失われるということですから、これは全量を戻すということで協定に入ってくださいということで、今年の3月に申し入れたわけですね。4月末日までということだったのが、今日に至るまでそんな約束もできないということで、今日に至っていると。そして、場合によってはこういう協定結ばなくても、工事はやる可能性があるっていうような、そういうニュアンスの発言も漏れ聞いているわけでありますけれども。これはモラルの問題というのが、今問われているんではないかというふうに思います。

(記者)

 知事が最後に触れたように、水の問題に今絡めておっしゃっています。その辺のモラルの問題と、ダイレクトにつながらないでしょうけども、いわゆるJR東海さんの姿勢を批判されたという意味合いですか。

(知事)

 そうですね。分からないと乱暴なことになりますね。例えばここに花がなければ、知らなければですね、ばーんと手を振ったら花瓶が壊れるじゃありませんか。分かればそういうことしないでしょ。ですから、認識不足だと、罪に、悪事に結びつくことだってあるわけです。ですから水の問題については、私自身もリニアには当初から大賛成で、長野県の代表ということも一時期ありましたから。リニアの持っているポテンシャルをですね、日本の技術のシンボルだとしてエッセーにも書くぐらい応援していたわけですね。そういう立場でリニアの問題に関心を持ったのが最初です。静岡県を通るというようなことは、これは青天のへきれきでした。もともとは通る県については、JR東海さんは極めて丁寧にご説明をされ、了解を得てルートを決められたんですね。ルートというのは、大きくエス字型に最初から描かれていたわけです。東京からぐーと、名古屋に入ってそこからエス字型で三重の方に下りて、そして大阪に出るという。じゃあ名古屋からですね、三重、奈良そして大阪に至るルートってのは、決まってるでしょうか。決まってません。

 そこを、例えば京都市長さん「俺のとこ通せ」なんておっしゃってるでしょ。ですから決まってないんですよ。同じように、ルートについては静岡を通るということは誰も想定してなかったですね。私も想定していませんでした。だから、長野のどこを通るかということについて、長野県の知事さんをはじめ、当時の、相当なご意見があったわけですが、それが南の静岡をかすめるなどということはですね、長野県とJR東海さんというのは徹底的な議論というか、反発も含めてですけれども、なさっておられました。静岡県は全くありません。ようやく水の問題ということについて、これがいかに重要な問題であるかと、大井川の水の問題は、文字通り100年を超す問題なんですね。農業用水であり、また命の水であり、つい最近完成した大井川用水農業水利事業、これはもうこの19年間だけでも、600億円以上使い、7450ヘクタールの地域をかんがいしたわけですね。この人たちにとっては、これでようやく先祖に申し訳が立つというぐらいの大きなものなんですよ。

 こうしたものについてですね、どれぐらい多くのJR関係者の方が認識をされているかというと、それは他の仕事もされているわけですから、お持ちになっていないと思いますね。しかし、ここは70万の人たちが生活し、それで生きているわけです。こうしたことについての認識をお持ちになると、おのずとそこから出てくる行動があるというふうに思ってます。ですから現状分析について、水の問題を核とした現状分析について、JR東海は十分な認識を持たないまま、今規定路線で進めようとしてされているというふうに思いますが、今回、入札問題で不正があったという疑いが出てきてですね、ちょうど反省するという機会を持たれたと思い、よかったとは思っていますね。

 強引に進めないということになるでしょ。それはよかったと思っています。

(幹事社)

 他ありませんでしょうか。




記者質問:リニア中央新幹線について、浜松の球場について

【リニア中央新幹線について】

(記者)

 2点伺わせてください。1点目が今のリニアに関してなんですけれども、JR東海さんの方としては協定を結びたい方向ではあるけれども、いつまでも先延ばしにするわけにはいかないということを、柘植社長がおっしゃいました。この協定に関して、なくてもとは具体的に言ってませんが、否定しなかったことについて、知事はどのようにお考えかということです。

 もう1点が別の話なんですが、浜松の球場に関してなんですが、市議会の方が、特別委員会の方が意見がまとまりました。県の方にも来てるかと思いますが、「可能だけれども適地ではない」というようなことをおっしゃっていた方もいます。こうした中で、県としては来年度に向けて、浜松球場、ボールを投げ返されて、こちらからまた投げるという意向があるのか、それともボールがちゃんと投げ返ってきてないというご認識なのか、この辺りを2点伺わせてください。

(知事)

 最初の質問ですけれども、JR東海っていうのは、言ってみれば公共性の非常に高い会社ですね。ですから、利益を上げなくちゃなりませんけども、この交通の幹線を担っている重要な会社として、地元の住民の方との関係を大事にされてきた会社なんですよ。パブリックリレーション、PRも大事にされてきて、私も地球学の世紀というところで20年以上、ウェッジの勉強会にいましたので、JR東海もよく知ってますよ。東日本の方ともお付き合いがありましたので、よく知ってます。

 ですから、高い使命感を持ってらっしゃるんですね。ですから、ともかく工事を遅らせないで、しかるべくきっちりとやりたいというトップとしての気持ちはよくわかります。そのことと、小さなことだっていうふうに思っても、ここはもう踏みつけてしまえっていうふうにはならないということですね。ですから、決して、わずか10キロかもしらんと、しかしこの10キロ、南アルプスの1000メートル以下のところを、1000メートルというのは上からですよ、土被りが1000メートル以上のところを掘るということが持つ悪影響、水に対する影響ですね、これがいかに深刻なものかということについては、慎重であっていただきたいというふうに思ってます。

 もちろん道路を建設するために、工事の車両が入らなくちゃいけないわけです。こうしたことについては、まず市とも協議しなくちゃいけないと思いますよ。まだまだ工事に入れる状況にはないというふうに思っております。取りあえず、やっぱり日本は水の国です。そして、平野が小さい。15パーセントくらいしかないという中で、そこに人々が住まい、かつ産業があり、そして農地があるわけですね。そうした山国として、山の持っている恵みと危険というものとずっと直面してきた国柄であると。なかんずく大井川というのは上流の方で、発電のために早川町にだいぶ多くの水が取られてるわけです。私は見に行きました。町長さんとも談判をしました。しかし、あの水は取り戻せるような状況ではありません。土管で、二俣のところでだいたい7割くらい取られてますね。そして古い発電所だから、もういらないんじゃないかと思って中身見せてもらったんですよ。そしたら、外は古いんですが、中は入れ替えたばかりで。ですから、これは返してくれとは言えるような筋のものではないということも分かりまして、早川町にとってもこれは死活問題ということでございます。そうした中で、今あるだけの水をどのように大事にするかということが利水者の、特に農業関係者の、われわれ、小水力発電もやっておりますから、農業用水を使って。極めて重要な問題なんです。これは農水省他、うちの土地改良区、さらにさまざまな利水者がいらっしゃいます。この方たちにとって、成り行きを本当に心配しながら見守ってらっしゃるので、こうした状況は恐らく初めから静岡をかすめるということであれば、相当丁寧な議論があったと思います。だいたいリニアがやったのも20世紀の末からですから、私は確か2000年くらい、小渕さんの時でしたから、1997、8年の頃ですよ。そのときにもう何十年もやってましたからね。ですから、そのときからどこを通るかということについて、地方自治体と丁寧に話されていたわけですよ。だけど、恐らく静岡県とは皆無だったんじゃないですか。そういう土地の事情っていうのがありますのでね。乱暴なことをなさるような会社じゃないというふうに信じております。

浜松の球場について

 それから、野球場の件ですけれども、これはともかく浜松の動きを温かく見守っていきたいというふうに思っております。差し当たってこちらは、浜松市の動きをあつれきがない形で収めていただくようにですね、してくださるのを見守るという態度であります。

(記者)

 ありがとうございます。

(記者)

 先ほどの浜松市の新球場の構想についてなんですけど、現時点で来年度の当初予算に向けて、県として何らかの予算計上の予定があるか教えてください。

(知事)

 2月から当初予算が始まりますけれども、多分、浜松の方はその後になるんじゃないんでしょうかね。ですから浜松の動きが分かるのが、その後じゃないかと思ってるのがわれわれの立場です。それを見守っていこうというわけです。ですから当初予算に今予算を組む計画はしておりませんね。

(篠原知事戦略監)

 していません。

(知事)

 しておりません。はい。

(篠原知事戦略監)

 今のところはですね。

(知事)

 はい。




記者質問:浜松の球場について、リニア中央新幹線について

浜松の球場について

(記者)

 すみません。現時点で浜松の議論というのは知事としては何らかのコンセンサスを、合意を得たものだと捉えているか、どう捉えているか、もう一度教えてもらってもいいでしょうか。

(知事)

 先ほどどなただったかな、記者さんがおっしゃったようなことでですね、「野球場は建てられる。だけどコンセンサスは得られてない」という様に言われているわけでしょ。ですから、どういうふうになさるんですかというのを見守る以外ないですね。これまでと同様です。その点は。

(記者)

 ありがとうございました。

リニア中央新幹線について

(記者)

 リニアの話に戻らさせていただいて、知事の一連のご発言は協定書案の協議が進んでいる過程で、ご発言があったと思うんですけれども、今後、知事のご発言の意図も含めてなんですが、今後JR東海さんとの協議、協定書になるかどうかも含めてなんですが、今後の協議のあり方について、知事のご希望、ご意向がもしあればお聞かせください。

(知事)

 そもそも、あそこで水の流量が減るので戻しますよと、必ず戻しますということをですね、頭を下げて、そして協定を結ばせてください、必ず約束を守りますというのが筋でしょ。その反対になってるんですね。しかも、こちらは少なくともトンネルを掘ることによって出てくる湧水、これは全量を戻していただかないと現在の流量を守ることができないと。ですから、それぐらいはお約束してくださいというふうに言って、一応何でもないことだと思われたので、4月末というふうに言われたのが、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月になってですね、そして全量なんて良く分からんとかいうような発言があったりして、一番基礎的な約束すら本当に守る気があるのかということをさすがに利水者の方は、疑ったわけですね。私はそういう声を実は代弁しているわけです。ですから協定がだんだん煮詰まったんじゃなくて、協定の内容は明快です。失われた流量はトンネルの掘削で失われる量全てを戻すと、当たり前のことです。それをしないと、あるいはそれについては、はんこを押せないとおっしゃる、それはおかしいと。それを延ばしてきたということがおかしいということで、決して何か協定について、どんどんどんどん細かな規定が入ってきてですね、というよりも協定は五つか六つぐらいの条項しかありません。一番大切なのは第1条だと思いますけれども、そこでトンネルの掘削によって失われる流量は全て全量戻すという約束ですね。それができないとおっしゃる。分からんとかおっしゃる。これはおかしい。

(記者)

 となりますと、あくまで協定書ベースでの文案に、今おっしゃったようなことが盛り込まれれば基本協定については、結ぶ可能性があると、余地があるという認識で良いでしょうか。

(知事)

 これは企業倫理に係るんじゃないでしょうか。そんなこと当たり前のことですよ。あんたのとこの土地を通ると、でここはちゃんと直しますよと。ちゃんと本当に元通りに直してくださいますね。まあ一応できる限りやるよというふうな感じですね。それは違うと思います。もう、申し訳ないけど通させてくれということじゃないでしょうか。ですからもうこの点はですね、先ほど申しました繰り返しになりますけど、静岡県との関係というのは、あの中央新幹線の小委員会でルートが、うちのルートが入るということが出て来たときから初めて始まったことで、実際は当事者である私自身もですね、長野県の当事者としてはいろいろと考えはあったですけれども、静岡県は通る、じゃあ何とかそれを早く協力してあげようということだったわけですけど、水の問題について僕の認識不足は今の不十分な認識不足に通感するところがあると、JR東海さんのですね。

(記者)

 ありがとうございます。




記者質問:空港新駅について

(記者)

 今のリニアの話にちょっと付随してですね、先般知事は県議会の発言の中では空港新駅のことは、これとは関係ないということではありますけれども、県議会でですね、平成23年の交通政策審議会の中で県内に新駅を設置するということがうたわれているというようなご発言がありました。委員の共通認識でもあるというようなご発言もあったかと思いますけれども、先週のJR東海側の記者会見では改めて、空港の新駅というのは有り得ないし、それは首尾一貫しているところだというお話もありました。これを受けましてですね、リニアの問題とは別かと思いますけれども全く違っている意見について、どのようにお考えになられているのか。そして、それだけ小委員会の中での話しで確実性があるというのであれば、もうちょっと具体的にその辺りを教えていただけるとありがたいです。

(知事)

 これは、平成23年の春の国交省の交通政策審議会中央新幹線小委員会、委員長は家田先生ですね。そこでまとめられたもので、この報告書の中に今度リニア新幹線ができた暁には、既存の新幹線の活用方法についても考えると、そういう脈絡の中で既存の新幹線においては新駅の可能性をうたっているという、その中身について、これはぜひ、ご自身で取材していただきたいと思いますけれども、空港新駅のことなわけです。静岡県の新駅のことなわけです。ですから、そうしたのが共通認識です。しかし、それだからといって、じゃあそこに新駅を造るかというと、これはリニア新幹線ができた暁にという、そういうことなんですね。だからリニア新幹線のサービスが開始されると、いわゆるスーパーメガリージョンと言われてますけれども、首都圏と中京圏を結ぶというそのサービスが開始されると、既存の新幹線はどうなりますか。そうすると今のぞみが圧倒的に使われてるわけですね。平均して1時間13本のうち9本はのぞみです。そののぞみ機能がリニアに行きます、時速が2倍になりますので。ですから、スーパーのぞみになるわけですね。従って、その現在、急行と鈍行であるひかりとこだまの世界になるということで、それが既存の新幹線の使い方になってくるわけです。仮に1時間13本だとすればですね、これが全部、ひかりとこだまになれば、13本は多いとしても、1時間10本でもですね、5、6分に1本、ひかりかこだまがここを通るということで、それは常識的な話なんです。今、じゃあ駅を造るかと、それはできません。今、既存の新幹線は一番早いのはN700で、これは、私はその実験線にも乗せていただいてるわけです。でこのN700というのは、ただ内装が違うだけではなくて、カーブでもスピードを緩めなくても済むんですよ。そういういろんな計器を中に入れて、実験線を走らせたわけです。そこにも乗せていただいて、これで名古屋と東京かな、5分ぐらい縮まるとかねという話をしていただいて、ですから目いっぱいサービスしてるわけです、今。このサービスを変えるようなことは今考えないというのは、私自身最もよく知ってます。そうした中でですね、その空港新駅についての話をお聞きいただきたいと思うんですが、2027年にリニア新幹線のサービスが開始されると、それが言われたのは平成23年の頃です。その後、東京オリンピック、パラリンピックが日本に来ることになった。そして、多くの観光客が来ることになった。そうすると、そのお客様を首都圏空港でまかなえるかという話になって、国交大臣がですね、例えば羽田に1本滑走路を造るというのは8000億円以上掛かってとても難しいと、従って富士山空港を首都圏空港の補完空港に位置付けるという発言をなさった。それからまた、御嶽山が噴火した、そのことによって思いもよらず、富士山もまた活火山として噴火の可能性があるということになりまして、そして静岡空港を大規模な広域防災拠点として、中央防災会議ならびに内閣がお認めになったわけです。それは中央新幹線のルートが決まった後の話なんですね。そうするとですね、もしそのオリンピックのときに、あるいは何かの大災害のときにですね、空港の使い方をどうするかといったときに、ここが大規模な広域防災拠点ですから、そこに自衛隊、警察、消防、場合によってはアメリカ軍、場合によってはですね、来るかもしれないということを想定してわれわれは毎年訓練をそこでやってるわけです。もし、そこに駅があれば使えるでしょ。もし、富士山の噴火があればですね、これは灰が、降灰が東側に行きます。つまり東京の方に行くわけですね。それからこちら側はですね、比較的にフリーなわけです、ですからこちらに利用できるということがあります。ですから、そういう緊急のときの国家的な観点から、どうせ造るなら前倒しで造ったらどうですかというのが私の意見です。ですから、造ってすぐそれを使えと言ってるんではなくて、交通政策審議会小委員会でルートを決め、そしてJR東海さんが自分たちで全てリニアを造るとおっしゃったその後に起こった事柄が大切で、それを踏まえまして空港の真下に新幹線が通っているのは唯一静岡だけですからね。あそこのところに造っておけば、使う使わないは別にして、いざというときに役に立つと、それが有事に対する備えだというのが考えなわけです。ですから、これとリニアとは直接関係してないです。そういうことであります。

(記者)

 はい、よく分かったんですけれども。そこでまた小委員会の委員の皆さんも共通認識があるというようなことだったんですが、JR側に取材しますと、そういった議事録、これ公開されてますんで、そういった文言もないですし、静岡県内に駅というお考えはそこではないというような、JR側は全くそういう認識はないという感じがするわけなんですが、そこは全く意思疎通というかJR側はあくまでも蚊帳の外でその小委員会とは別のところでそういう考えを持っているといふうに理解すればいいんでしょうか。ちょっと聞き方が無責任ですけど申し訳ありません。

(知事)

 やはりリニア新幹線のサービスが開始されれば、やはりJR東海さんとしても既存の新幹線をどう生かすかと。1時間に13本のうち9本全部、仮にリニアに持っていった場合に、1時間に4本だけひかりとこだまだけを走らせるのかというふうにはならないでしょ。ですからせっかく、静岡県下だけでも六つありますよね。これをより多くのお客様に活用していただけるように、どうするかということをお考えになると。ですからリニア新幹線ができてからはですね、お考えになってると思います。ですから、今言わないでくれということなんですよね。リニア新幹線ができる前に空港新駅を造れとかそれでサービスを、ダイヤを変えろとかいうふうなことは論外だと。それは私自身も知ってますから、それを踏まえた上でなおかつ国家的な見地からあった方がいいとあえて申し上げているわけですね。そのことはですね、JR東海の本当のトップはですね、言ってみれば国士ですから、国のことを憂えている方たちです。ですから、そのために何ができるかということを考えてる方たちですから、その関心が入ったら私はとりあえず造っておこうという形になると信じています。

(幹事社)

 そろそろ時間ということなので、大丈夫でしょうか?じゃあどうもありがとうございました。

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