(記者)
国交省に示した県の五つの条件に対して、もう一度、国交省から返ってきた有識者会議の具体的な進め方の提案に対して、それぞれ知事がどう思ってるか、もうちょっと説明いただけませんでしょうか。
(知事)
はい。5項目から成ってるわけですね。第1は透明性を確保し、公開性を前提とするということ、これは受け入れられました。ただし、公開は、私は国土審議会のこと、国交省がやってらっしゃることですから、あそこのメンバーでもございましたので、こういう方式ですねと。そうですと。つまり、誰もが入れるっていう形にすると、官庁の中ですからそれはできないということで、しかるべき人が入るということでございます。
二つの目の、47項目全部についてはオーケーということでした。ただし、流量と地下水というところからまず議論をしたいということでございましたが、これは私は他の意見を持っております。これもう全部並行的にやるべきだと。例えば土捨て場の場合、これ掘れば必ず流量も出てきますけれども、土捨て場の安全性といいますか、これどうするんですかと。つまり、これが崩壊しないとか、あるいはそこに重金属が入ってたときどうするかとか、全部関係してます。だから、この監視制度も関係してますから、どれ一つとして、何か優先順位みたいのはないんですけれども、差し当たって議論をしていく上で、流量と地下水ということでしたから、そうということであれば、水循環基本法にのっとった形での、そういう識見を持っている先生が座長に就くべきだと。これは分かりました、検討いたしますと、持ち帰りますと。自分自身もまだこの方面については明るくないというのが水嶋局長の答弁でありました。
三つ目の、国交省とJR東海が癒着してるのではないかというご懸念が、多くの人にございます。しかしながら、そうではないと明言されました。極めて厳しく、国交省としてJR東海の説明不足に対して指導していますということでございました。これは先般、JR東海さんと赤羽国交大臣との間で二つぐらい、インシデントがありましたね。一つは、水嶋局長が成田から学べということで、成田の問題についてのご経験をJR東海さんの幹部を呼んでなさった。これを、社長さんが、成田は迷惑施設だと。リニアは迷惑施設じゃないということで、赤羽さんが烈火のごとく怒られました。これが一つです。もう一つは、身障者と、それから健常者は一切差別しないというのが基本的な赤羽大臣のお考えで、そして車いすでJR東海の新幹線に乗るということについて、実際自らなさっておられて、これについてご指導されたところ、2日前にこの車両、このこだまなりひかりなりに乗るという、そうした連絡がない限り乗せないということを言われたので、赤羽さんが極めて厳しく叱られましたね。ですから、こういうところにも表われてますように、国交大臣とJR東海が一体でないということもありまして、水嶋局長も、われわれとして監督責任があるので、しっかりと厳しく指導しておりますということで、われわれの要求はそのとおりだということでした。
そして4番目の委員の選定ですけれども、これにつきましては、中立性、公正中立であるということが大前提であると。それはそのとおりだということで、私は差し当たって、いわゆる色が付いてる方、この人たちは、うちの専門部会が当事者だと言うぐらいの方なんですから、国交省が、よほどそういうことについては身体検査をしっかりしていただいて、そういう人しかやってもらったら困ると。
それから最後の第5番目の座長につきましては、この方は水循環基本法なり、これを今制定法にしなくてはならないと思っております。この水循環基本法というのは2014年、いわゆる水というのは公の水、公水と、地下水のように勝手に取っていいっていう私の水というものに対しまして、水は循環してるものであってコモンズであると。つまり共有水であるということをうたってるわけですね。こういう共有水という観点に立って、この水循環について専門的な知見を持ってる方でないと、この流量の問題、地下水の問題、なかんずく地下水の問題について、流量、上ですから分かりますけれども、分かりにくいので、そうした方面における最高権威の方が座長に就くのが望ましいと思うというふうに言いましたところ、これは持ち帰って、そういう人選をしてみますということが、この五つの要望に対する水嶋局長の答えでした。
(記者)
基本的には、知事の受け止めとしても、県が出した5条件は水嶋局長が全て受け入れたというふうには受け止めてますか。
(知事)
はい。また帰り際、こういう形で何度も直接会って話をしたいとも言って、お帰りになりました。だから私は別に拒むべき理由は全くありません。
(記者)
国交省の方が、その県の5条件をおおむね受け入れたことによって、正式に国交省の有識者会議が開かれるのも近いんでしょうか。
(知事)
まだ人選決まってませんからね。まずそこのところで、誰が見ても公正中立の学者だということが分からないと駄目です。学問ですから。これは政治的な取引ではありませんので、誰にも分かる形で、まさに科学的エビデンスに基づいて議論をする場でなくてはならないと。それに基づいて指導なり、あるいはご判断をされるということがこれからの問題になりますが、まだそこまでいってないということですね。
(記者)
その後、持ち帰ってまた人選、座長なり委員の人選が、県として受け入れられる人物であれば、そこで初めて開催ということになりますか。
(知事)
県というよりも、国民一般ってことじゃないでしょうか。誰が見ても、こういう方ならば安心して議論していただけるということじゃないかと思います。何しろ水がめに関わることなので、水に関わる専門家でないとならないと。トンネル掘れる技術は、こういうことでできますよという話ではありませんのでね。ですから、トンネル工学などの専門家っていうのは入ってもいいと思いますけれども、しかしながら、基本的には水循環の問題だということについては、表流水と地下水とこの二つについて優先的に議論をしたいということを言われた水嶋局長にのっとった形で、私は特に地下水の循環というものが実は問題だと。最大の問題だと。そこを踏まえてほしいということで、分かったということで持ち帰られたということであります。 |