(記者)
すいません。静岡新聞です。盛土問題の関係で基本認識をお聞きしたいんですけども、知事は浜松市長時代にも、あの天竜区の緑恵台の盛り土崩落に関して対応されてると思うんですけれども、先日、熱海の土石流の災害の関係で、県から新しい見解も発表されたと思うんですが、その盛土の崩落に関しては、今回の新見解では、自然災害ではないというふうなことを言われてると思うんですけれども、天竜区の緑恵台の問題も含めてですね、盛土の崩落自体、こういう災害自体が自然災害という認識があるのかないのか、そこのところを教えていただければ。
(知事)
自然災害かどうかって一概にですね、一言で言える問題ではございませんので、ケースバイケースで、しっかりそこは検証しながら判断することではないかというふうに思います。
(記者)
緑恵台の場合は、自然災害ではない、いや、自然災害という形で対応していたと思うんですけれども、熱海の土石流災害は、自然災害ではないという、そういう見解だということでしょうか。
(知事)
ちょっと、ちょっと担当の方から確認させていただきます。
(砂防課長)
砂防課長の杉山と申します。よろしくお願いいたします。
まず不適切な盛土に関する熱海の土石流災害ということでございます。盛土に関してですね、崩壊のメカニズムについては、県の検証委員会で検証いたしました。地下水が主たる原因であろうということでございます。
自然災害か否かということでございますけども、自然の斜面ですとか、自然の沢地形や谷地形を有する渓流からのですね、発生する土石流に関して、自然災害ということでございます。それを一応砂防指定地、砂防事業として、対象としておるということでございます。
人的にですね、盛土された今回の災害については、自然災害ではないというふうに認識しております。以上でございます。
(記者)
知事も同じ見解という、これは県、県の見解ということでよろしいでしょうか。
(知事)
はい、そうです。
(記者)
わかりました。
あと、ちょっと今の部分にも関連するんですけれども、分水嶺のですね開発の影響で、盛土に水が流れ込んだんじゃないかということがいろいろ指摘されていて、県からも新しい資料というのが出てきているんですけれども、先日の新見解では、表流水の影響は否定しないというふうに書かれてるんですが、この表現がちょっと曖昧だったので、そのあたり、県の見解確認させてもらえればと思うんですが。
(知事)
はい、すいませんお願いします。
(砂防課長)
砂防課長杉山でございます。今、ございました分水嶺を跨いだですね、開発に伴う表流水の可能性ということで、新聞記事等でも掲載されているところでございます。
まず発生原因のメカニズムを検証する委員会につきましては、土木学会や地盤工学会、砂防学会から推薦いただきました有識者の委員会でですね、意見や助言をいただきながら様々な検証を行って、崩壊の主たる原因は、地下水であるとの結論に至ったところでございます。検討の過程ではですね、シミュレーション、徳島大学の教授のシミュレーションについても議論をさせていただいておるところでございます。表流水を否定しているわけではございませんが、シミュレーション結果を見た中でのですね、大量、集中的な表流水につきましては、被災後の現場調査におきまして、草や木などが流水で倒れたような痕跡がですね、確認できなかったということでございます。
そういったことで、あの委員会の中ではですね、地下水が主原因だと、このように報告書として取りまとめさせていただいておるところでございます。
以上であります。
(記者)
表流水の影響については否定されないということだったんですが、そうしますと、やはり分水嶺の開発に関しては、やはり再発防止が大事になってくると、これは徳島大の先生もおっしゃってるんですけれども、そのあたりが県の検証ですと、再発防止に関して触れられていない部分があるんですが、知事としてそのあたり、分水嶺の開発について、再発防止策、何か検討する必要があるというお考えはありますでしょうか。
(知事)
触れられてないんですか。ちょっとすいません、回答をお願いします。
(経営管理部総務課長)
経営管理部総務課の課長の清水と申します。再検証の中で、そこの源頭部の周辺区域の、土地の改変行為について検証していく中で、何て言うんですかね、分水嶺が改変されていたかどうかというところは、確か確認をした資料の中からは、あの確認できるものがなかったもので、検証というのはしてはいないんですけれども、その分水嶺の改変についての、その再発防止策というところについてはちょっとうまく言えないんですけれども、その流域を開発するときに、その開発の行為についてのですね、許可申請なりなんなりというところが、事業者の方からですね、所管の行政庁の方に申請とかされたりとかすると思われるもんですから、その開発の許可申請がある中でですね、分水嶺の開発がされていない計画であるということを、きちんとですね、確認をしていくというのが基本的なところなのかなというふうに考えております。
(記者)
そこの部分は砂防法に関する再発防止策のところだと思うんですか。
そういう理解でよろしいでしょうか。
(砂防課長)
砂防課長杉山でございます。
今の分水嶺に関わる開発の関係のですね砂防法の関係でございますけども、先ほど申し上げました通り、砂防法はですね、自然災害、自然の斜面、自然の渓流から発生する土砂を対象としております。逆にですね、開発に伴う人工の土砂についてはですね、対象としないということでございます。治水上砂防の前提の中でですね、砂防指定に、6番目の項目として、開発の項目、ハンドブック等にも記載されておりますけども、開発をもってですね、砂防指定地に指定するということはございません。
こちらについては先週ですね、公表させていただきました、県の見解を国と相談しながらあらためて公表いたしましたので、こちらについても御参照いただければと存じております。以上です。
(記者)
最後にごめんなさい知事に1点だけ。
(記者)
知事に聞きたいんですけど、いいですか?
(記者)
じゃあ、最後に1点だけ質問させてもらってからでいいですか、すいません。知事7月3日に追悼式に出席されて、その後源頭部の方は現場見られたんですかね、そこ。
(知事)
はい。
(記者)
その源頭部見られて、その分水嶺開発も含めてですけども、ちょっと印象を伺いたいんですけども、やはり、分水嶺の開発をしてしまった場合に、やっぱり隣接領域から水が流れてしまうというような、そういう場所だなという、僕は何度か現場行って、そういう印象は受けてるんですけれども、知事が現場視察された印象というのを一言伺えますでしょうか。
(知事)
特にそこまで、詳しい感覚は受けておりません。大量の土砂がですね、急な斜面を流れ落ちたという現場について、確認をさせていただきましたけれども、細かな周辺をですね、分析したわけではございませんので、今の御質問にちょっとお答えしにくいところでございます。
(記者)
危険な場所だなという印象はあります。
(知事)
それはあります。
(記者)
ありますか、ありがとうございます。 |