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ホーム > 記者提供資料 > 令和2年度静岡県試験研究10大トピックスを公表

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記者提供資料
( 令和3年度 )


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( 資料提供 )

令和2年度静岡県試験研究10大トピックスを公表



1 要旨

     令和2年度県試験研究機関の研究のうち、特に顕著な成果のあったものを「静岡県試験研究10大トピックス」として選定し、ホームページなどにより、広く情報発信する。

2 令和2年度 静岡県試験研究機関10大トピックス
  
○国内初!土着天敵を利用したミカンサビダニの生物的防除 (農林技術研究所果樹研究センター)
区分
内容
         
  
   
 捕食する様子
  左:コウズケカブリダニ
  右:ミカンサビダニ
課題
・ミカンサビダニは、温州ミカン等のカンキツ果実の外観を損傷する 害虫である。
・防除のため、年2回程度、農薬を追加散布しているが、防除コスト や他の害虫の増加、薬剤抵抗性が高まることが懸念されている。
成果
・カンキツ園に生息する「コウズケカブリダニ」が、被害抑制に有効 な土着天敵であることを、国内で初めて明らかにした。
 ※土着天敵:元来、国内に生息している天敵
・コウズケカブリダニは、春から初夏にかけて増殖し、ミカンサビダ ニを捕食して、果実被害を抑制する。
・コウズケカブリダニへの影響が少ない農薬を使用することにより、 追加散布をすることなく、ミカンサビダニの防除が可能となった。
今後の予定
・JA等と連携し、県内への普及を図っていく。

○富士宮発、酒粕を給餌した地域ブランド牛肉を創出(畜産技術研究所)

区分
内容
  
  
   食味試験の結果
課題
・本県の酒蔵は、県が開発した「静岡酵母」と酒造好適米「誉富士」 を用いて高品質な日本酒を製造しているが、近年、副産物である酒 粕が余剰になっている。
成果
・酒粕を肉用牛の飼料として利用する技術を開発した。
・酒粕には、牧草の消化を助ける効果があり、肉牛に酒粕を与えた場 合、体重が増加し、枝肉重量が増す傾向が認められたほか、「柔ら かく」「味が濃い」と評価された。
今後の予定
・「富士山岡村牛」と「富士錦酒造」のマッチングによる地域ブラン ド牛肉「富士山岡村牛 富士錦ver.」を創出し、普及を促進する。

○AIによる牛の分娩検知システムを開発 (畜産技術研究所・富士工業技術支援センター)

区分
内容
 
  
 

  試作モデルの概要
課題
・酪農業では、母牛の分娩介助は重要な作業であるが、分娩は夜間に 多いため、分娩が近い母牛の観察は、酪農家の重い負担となってい る。
成果
・センシング技術を取り入れた分娩検知・報知システムを開発した。
・体圧を検知するシートの上で、分娩予定の母牛を飼育し、その体圧 変化から、AIが陣痛(いきみ=強い複式呼吸)を検知・報告するこ とにより、酪農家の負担を軽減する。
今後の予定
・酪農の現場で実証試験中であり、令和3年度の製品化を予定してい る。

○筋ジストロフィーモデルミニブタを開発 (畜産技術研究所中小家畜研究センター)

区分
内容
 
  

 健全な筋肉形成に必要な
 遺伝子の機能を欠損させた
 ミニブタ
課題
・筋ジストロフィーなど、ヒトの難治性疾患の治療法を開発するため には、病気を発症するモデル動物が必要となる。
・現在、筋ジストロフィーのモデル動物には、マウスやイヌが使われ ているが、ヒトに近い特徴を持つブタのモデル動物を作出すること が求められている。
成果
・九州大学大学院との共同研究により、体格が格段に小さい”マイク ロミニピッグ”を素材として、遺伝子編集技術を用いて、筋ジスト ロフィーを発症するモデル動物を開発した。
・本動物は、小型で取り扱い易く、ヒトの筋ジストロフィーの1つで ある「ディシェンヌ型」と同じ特徴を有している。
今後の予定
・学会等で成果を発表するとともに、医科系研究機関と共同で有用性 と実用性の評価を行う。

○乳牛ふんを燃料化する技術を開発 (畜産技術研究所)

区分
内容
 
  

  左:乾燥乳牛ふん
  右:ペレット成形した
    乾燥乳牛ふん
課題
・乳牛ふんは、水分が多いため、エネルギーとして利用可能な水分量 に乾燥するまでに、長い時間を要する。
・乾燥中に微生物による分解が進み、燃料として利用した際に、回収
 できる熱量が低下することが課題となっている。
成果
・固液分離、送風乾燥、温水パネルでの加熱・乾燥促進剤の添加によ り、水分85%以上の乳牛ふんを30%以下に乾燥する時間を、従来の 23日間から8日間以下に短縮した。
・これにより、熱量の損出が抑制され、現在燃料として利用されてい る木質ペレットと同等の16MJ/kgの熱量を確保することができた。
今後の予定
・試作した乾燥牛ふんを用いて、バイオマスボイラーで燃焼試験を行 うなど、エネルギー原料としての市場開拓に取り組む。

○新しい人工衛星情報が、浜名湖の養殖現場で活用可能に (水産・海洋技術研究所浜名湖分場)

区分
内容
  
  
 
  養殖業者に配信している
  「アオノリ養殖場情報」
課題
・海水温は、海面養殖業の重要な情報である。
・人工衛星のデータにより、広範囲の養殖海域の水温を画像で見るこ とはできるが、解像度が低く、浜名湖の詳細な水温分布情報を得る ことは不可能であった。
成果
・気候変動観測衛星「しきさい」の高解像度の水温データを活用し、 浜名湖内の水温分布図を作成した。
・浜名湖内のノリ養殖で問題となる黒潮からの暖水流入も判断可能に なった。
・作成した水温分布図は、湖内ノリ養殖業者に配信する「アオノリ養 殖場情報」に掲載し、好評を得ている。
今後の予定
・他の海域や魚種で、新たな人工衛星情報の活用を検討する。

○車載ヘッドアップディスプレイ用光学部品の形状及び光学評価技術を開発 (工業技術研究所)

区分
内容
 
    

  

 上:微細な凹凸による虹色の   光散乱(実際の写真)
 下:開発した技術による予測   結果(CG)
課題
・運転を支援するヘッドアップディスプレイの光学部品を作る金型  は、微細な加工が求められているが、これまでの金型加工のシミュ レーションでは、光学性能の低下を予測できないという課題があっ た。
成果
・金型表面の微細な凹凸を正確に測定する技術とその微細な凹凸に  よって光がどのように散乱するかを予測する技術を開発した。
・これにより、最小1回の加工で金型が製作可能となり、高品質な製 品を効率的に開発できるようになった。
今後の予定
・県内企業のヘッドアップディスプレイ用光学部品の開発を継続して 支援する。
・次世代自動車と人の共存に欠かせない次世代車載照明装置の開発を 援する技術を強化し、県内企業のDX推進と、県内の車載照明関連産 の持続的な発展を図る。

○独自のシミュレーション技術を活用し、難加工材の鍛造成形現象を予測 (工業技術研究所)

区分
内容
 
  
    
 開発した独自の設計支援技術
 (シミュレーション環境)
課題
・医療機器、医療器具を国産化するためには、製品開発・製造に係る コストを抑制する必要がある。
・加工が難しい整形外科用インプラントのコストを削減するためには 「型鍛造成形」による製造が適しているが、製品設計に係る時間と コストが課題となっている。
成果
・型鍛造成形のシミュレーション技術を活用した独自の設計支援技術 を開発し、開発期間を3年から1年に短縮するとともに、試作開発 費を70%以上削減することに成功した。
今後の予定
・県内インプラント製品開発企業を、開発した設計支援技術を活用し て支援していく。
・また、他の医療器具(手術器具等)型鍛造成形化にも取り組み、付 加価値の高い製品の開発を目指す。

○脱炭素社会の実現に向けた志太榛原地域における地下水熱交換システム導入適地マップを作成 (環境衛生科学研究所)

区分
内容
 
  
      地下水熱ポテンシャル
       (水井戸利用型)

        左:夏季冷房時
        右:冬季暖房時
    課題
    ・脱炭素化や省エネルギーを推進するため、本県の特徴である豊富な 地下水を活用した冷暖房システム(地下水熱交換システム)の普及 促進に取り組んでいるが、知名度の向上や導入適地がわからないこ となどが課題となっている。
    成果
    ・志太榛原地域の地下水の水質や温度特性、流動を考慮し、熱交換の ポテンシャルを示した「地下水熱交換システム導入適地マップ」を 作成した。
    ・その結果、大井川扇状地内の広い範囲で、高い熱交換効率が期待で きることを確認した。
    今後の予定
    ・地下水熱交換システム導入の普及ツールとして活用し、本地域への 地下水熱交換システムの普及を促進する。
    ・また、R3年度から、新たに天竜川地域のシステム導入適地評価を実 施する。

    ○《県民の効果を守る》新型コロナウイルス感染症の発生に伴うウイルス検査の対応 (環境衛生科学研究所)

    区分
    内容
     
       

      リアルタイムPCR装置
      新型コロナウイルス検査、
      変異株検査に使用
    課題
    ・新型コロナウイルス感染症が発生して、1年以上経過したが、感染 拡大が続き、変異株も出現するなど、今後の収束の見通しは不透明 である。
    成果
    ・各保健所からの疑い患者(濃厚接触者等)の検体について、PCR検 査や変異株PCR検査を実施した。
     (R2年度:PCR検査8,489検体、変異株PCR検査149検体)
    ・また、ウイルスの遺伝子変異等の情報を疫学解析に資するため、国 立遺伝学研究所へ遺伝子解析を依頼するなど、県民の健康を守るべ く対応している。
    今後の予定
    ・引き続き、関係機関と連携し、新型コロナウイルスや変異株の検出 状況、新たな変異株の発生動向を注視していく。

    提供日 2021年8月6日
    担 当 経済産業部 産業革新局産業イノベーション推進課
    連絡先 経済産業部産業革新局産業イノベーション推進課 研究調整班 TEL 054-221-3519

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