( 資料提供 )
令和元年度高齢者虐待防止法に基づく調査結果(本県版)
厚生労働省が、全国の市区町村を対象に行った令和元年度の高齢者虐待に関する調査のうち、県内市町の状況がまとまりましたので公表します。
1 虐待と判断された件数
相談・通報件数のうち、虐待と判断された件数は413件で、前年度に比べ42件(11.3%)増加した。
養介護施設従事者等による虐待件数は、前年度に比べて7件増加した。
また、養護者による虐待件数は、前年度に比べて35件増加した。 (単位:件)
年 度 | H27 | H28 | H29 | H30 | R元 | 増減 |
養介護施設従事者等による虐待件数 | 9
(408) | 9
(452) | 9
(510) | 7
(621) | 14
(644) | 7
(23) |
養護者による虐待件数 | 394
(15,976) | 379
(16,384) | 371
(17,078) | 364
(17,249) | 399
(16,928) | 35
(△321) |
合 計 | 403
(16,384) | 388
(16,836) | 380
(17,588) | 371
(17,870) | 413
(17,572) | 42
(△298) |
※下段( )は全国件数
「施設従事者等」… 介護老人福祉施設など養介護施設又は居宅サービス事業など養介護事業の業務に従事する者
「養 護 者」… 高齢者の世話をしている家族、親族、同居人等
2 養介護施設従事者等による虐待事例
前年度と比べ相談・通報件数は4件増加し、虐待判断件数は7件増加した。
R元:相談・通報44件、虐待判断14件 (H30:相談・通報40件、虐待判断7件)
区分 | 事例1 | 事例2 | 事例3 | 事例4 | 事例5 |
被虐待者の状況 | 男性 80歳代
女性 80歳代 | 男性
100歳以上 | 女性
90歳代 | 不特定
多数 | 女性
90歳代 |
虐待の種別 | 身体的虐待
心理的虐待 | 身体的虐待 | 身体的虐待
心理的虐待 | 介護放棄 | 身体的虐待 |
養介護施設等の種別 | 特別養護老人ホーム | 短期入所施設 | 短期入所施設 | 介護付有料老人ホーム | 住宅型有料老人ホーム |
虐待を行った
従事者等の職種 | 介護職員 | 介護職員 | 介護職員 | 介護職員 | 介護職員 |
区分 | 事例6 | 事例7 | 事例8 | 事例9 | 事例10 |
被虐待者の状況 | 女性
70歳代 | 不特定
多数 | 男性
90歳代 | 女性 70歳代
女性 80歳代
女性 70歳代 | 不特定
多数 |
虐待の種別 | 介護放棄 | 介護放棄 | 心理的虐待 | 身体的虐待
介護放棄 | 心理的虐待 |
養介護施設等の種別 | 居宅介護支援
訪問介護
通所介護 | 介護付有料
老人ホーム | 認知症対応型共同生活介護 | 特別養護
老人ホーム | 通所介護 |
虐待を行った
従事者等の職種 | 管理者
経営者 | 施設長 | 介護職員 | 介護職員 | 介護職員 |
区分 | 事例11 | 事例12 | 事例13 | 事例14 |
被虐待者の状況 | 男性
80歳代 | 男性
65歳未満 | 男性
90歳代 | 女性
70歳代 |
虐待の種別 | 身体的虐待
心理的虐待 | 身体的虐待 | 身体的虐待 | 身体的虐待 |
養介護施設等の種別 | 特別養護老人ホーム | 特別養護老人ホーム | 特別養護老人ホーム | 認知症対応型共同生活介護 |
虐待を行った
従事者等の職種 | 介護職員 | 介護職員 | 介護職員 | 介護職員 |
3 養護者による虐待事例
(1)虐待の種別
前年度に比べて介護・世話の放棄、放任が増加し、全体数は増加した。
種 別 | H30年度 | R元年度 | 増 減 |
身体的虐待 | 253人 | 279人 | 26人(10.3%) |
介護・世話の放棄、放任 | 65人 | 99人 | 34人(52.3%) |
心理的虐待 | 153人 | 137人 | △16人(10.5%) |
性的虐待 | 3人 | 1人 | △2人(△66.7%) |
経済的虐待 | 60人 | 65人 | 5人(8.3%) |
合 計 | 534人 | 581人 | 47人(8.8%) |
注1)カッコ内は、対前年度比(%)
注2)複数回答も含まれているため、合計の人数は虐待と判断された件数と一致しない。
(2)虐待者の続柄
「息子」からの虐待の件数が前年度同様最も多く、次いで「娘」「夫」の順であった。
続 柄 | H30年度 | R元年度 | 増 減 |
夫 | 79人 | 72人 | △7人(△8.9%) |
妻 | 17人 | 28人 | 11人(64.7%) |
息子 | 166人 | 192人 | 26人(15.7%) |
娘 | 71人 | 81人 | 10人(14.1%) |
息子の配偶者(嫁) | 14人 | 15人 | 1人(7.1%) |
孫 | 12人 | 13人 | 1人(8.3%) |
その他 | 33人 | 33人 | 0人(-%) |
合計 | 392人 | 434人 | 42人(10.7%) |
注1)カッコ内は、対前年度比(%)
注2)複数回答も含まれているため、合計の件数は虐待と判断された件数と一致しない。
(3)家族形態
区分 | 単身
世帯 | 夫婦
のみ
世帯 | 未婚
の子と同居 | 配偶者と離別・死別した子と同居 | 子夫婦
と同居 | その他 | 不明 | 合計 |
R元年度 | 18件
(4.4%) | 63件
(15.4%) | 149件
(36.5%) | 61件
(15.0%) | 75件
(18.4%) | 42件
(10.3%) | 0件
(0.0%) | 408件
(100%) |
H30年度 | 22件
(5.9%) | 64件
(17.2%) | 145件
(39.0%) | 45件
(12.1%) | 66件
(17.7%) | 30件
(8.1%) | 0件
(0.0%) | 372件
(100%) |
注1)カッコ内は、構成割合(%)
注2)「未婚の子」は配偶者がいたことのない子を指す。
注3)被虐待者ごとに分類しているため、合計の件数は虐待と判断された件数と一致しない。
4 虐待等による死亡事例 (単位:件)
年 度 | H27 | H28 | H29 | H30 | R元 |
虐待等による死亡事例件数 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 |
5 今後の対応
・高齢者虐待を早期発見し、早期対応できるよう、研修等を通じ、高齢者の総合相談窓口となる地域包括支援センター職員等の相談対応力の強化、向上を図る。
・施設従事者による虐待防止のため、「虐待防止」の徹底を重点事項とした介護事業所への実地指導の実施のほか、従事者向けには、認知症に関する知識や介護技術の向上に資する研修の実施など、よりよいケアの実現に向けた取組を促進する。
・高齢者虐待発生の背景にある介護疲れや家族介護に対するレスパイト機能(一時的にケアを代替する家族支援)の充実など、介護が必要になったときの適時適切なサービス提供や介護基盤の整備を図り、介護者の介護負担の軽減につなげる。
・被虐待者における認知症の人の割合が高いことから、認知症サポーターなど地域の人が見守りや声かけなどの活動を行う仕組みづくり(チームオレンジ)を促進する。
提供日 |
2020年12月22日 |
担 当 |
健康福祉部 健康局健康増進課 |
連絡先 |
地域支援班 TEL 054-221-2442
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