( 資料提供 )
障害児通所支援事業者からの処分取消請求訴訟に係る上告の棄却
県が障害児通所支援事業者に対して行った事業者指定の一部効力停止処分に対し、当該事業者から提起された当該処分の取消請求訴訟について、令和元年9月20日付けで上告が棄却され、県の勝訴が確定しました。
1 訴訟の概要
(1) 上告人(原告) NPO法人はっぴぃ(富士市神戸441−1) 理事長 長田文明(※住所を訂正しました。10月4日14時)
(2) 被上告人(被告) 県
(3) 上告の概要
県が行った(4)の処分に対し、控訴審(東京高裁)において控訴棄却の判決が言い渡されたため、上告人がこれを不服として上告した。
(4) 処分の対象事業所及び処分内容等
ア 事業所の名称及び所在地
放課後等デイサービス すまいる らいふ。(富士市神戸441−1)
イ 処分の内容
指定の一部の効力停止(平成29年5月から10月までの給付費5割カット)
ウ 処分の主な理由
・実際に雇用していない者を勤務表に位置付けるなどした、運営基準違反
・日曜、祝日で利用者にサービスを提供していない日に障害児通所給付費を不正に請求し受領した、不正請求
・監査における虚偽報告及び虚偽答弁
2 上告決定(棄却)の要旨(最高裁判所第二小法廷)
上告が許されるのは民事訴訟法第312条第1項(憲法の解釈の誤り)等に限られるところ、本件上告の理由は、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであり、明らかに上告事由に該当しない。
<参考>
・控訴審判決の要旨(平成31年3月27日東京高等裁判所)
控訴人の請求には理由がないため棄却する。その理由は、概ね第一審判決の理由のとおりである。
・第一審判決の要旨(平成30年11月8日静岡地方裁判所)
本件処分において県が認定した各処分事由はいずれも認められ、特に不正請求については、実際にサービス提供が行われていなかったにもかかわらず、これを行ったこととして障害児通所給付費を請求したもので、その行為態様は悪質で見過ごすことはできない。県が処分事由のうち特に不正請求を重視し、これに他の処分事由を勘案して本件処分を決定したこと、その内容が指定取消しではなく指定の一部効力停止にとどまっていることを考慮すれば、本件処分に裁量権の逸脱又は濫用があったとは認められない。
したがって、本件処分は適法であり、本請求には理由がないから棄却する。
3 今後の対応
本判決が確定したため、当該事業者が不正に受給した給付費(約243万円)及び加算金(約97万円)と併せて、本件処分による影響額(障害児通所給付費の5割カット6月間分)の返還請求をするよう富士市に要請します。
提供日 |
2019年10月3日 |
担 当 |
健康福祉部 福祉長寿局福祉指導課 |
連絡先 |
障害指導班 TEL 054-221-2960
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