令和8年度 記者提供資料


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( 資料提供 )

静岡県議会議員への報酬等の支出に関する住民監査請求の監査結果

(要旨)
  令和8年5月7日に受け付けた「静岡県議会議員への報酬等の支出」に関する住民監
 査請求について、監査を実施した結果、一部を却下、一部を棄却することを決定し、6
 月30日に請求人に通知した。

(概要)
1 件名
  静岡県議会議員への報酬等の支出に関する住民監査請求

2 請求人
  浜松市中央区雄踏町宇布見5211-1 星野 光央(ほしの みつお)

3 監査対象機関
  静岡県議会事務局総務課
  静岡県議会事務局議事課
  静岡県総務部人事課

4 請求の要旨
 だれが。(県の執行機関又は職員):県議会議員
  A(※) 1名 (議会事務局が支出行為を行った)

 いつ、どのような財務会計行為を行ったのか。:
  以下の額をAに支出した。
 ・報酬及び期末手当の支給
  令和6年6月〜令和7年3月 月額834,000円×10月=8,340,000円
  令和7年4月〜令和8年3月 月額865,000円×12月=10,380,000円
  令和6年6月期末手当 2,055,810円
  令和6年12月期末手当 2,116,275円
  令和7年6月期末手当 2,163,581円
  令和7年12月期末手当 2,163,581円
  合計 27,219,247円
 ・旅費の支払
  令和7年9月定例会 6,200円
  令和7年12月定例会 8,080円
  令和8年2月定例会 8,080円
  合計 22,360円

 その行為は、どのような理由で違法又は不当なのか。:
  議員に対する報酬の支出は、議員が適法に職務を遂行した場合にのみ適法であるが、
 Aは欠席ばかりである。欠席理由を証明する証拠の提出もない。治癒証明もない。虚偽
 を用いて欠席を繰り返し、報酬を得続ける仕組みを作り出した可能性がある。
  議員が虚偽を用いない保証はない。これは、地方自治法違反である。
  最小の経費で、最大の効果でなければならない。
  議員が欠席でもいいなら、最大の効果である。
  しかし、最小の経費ではない。欠席分は、返納させなければ、最小の経費は実現しな
 い。

 その行為により、どのような損害が県に生じているのか。:
  支出した報酬及び旅費等が全て損害。

 どのような措置を請求するのか。:静岡県は、
  (1) Aが欠席した日数に応じて、Aが受け取った報酬等を返還させよ。
  (2) 議員が欠席する際には、自ら文書を出させよ。議会事務局職員に作らせるな。
  (3) 病欠なら、診断書を必ず添付させよ。欠席議員が出せないなら、仮病だと確定さ
    せよ。議会は、そういう規則を直ちに制定せよ。
  (4) 治癒したら、治癒証明書も提出させよ。完治ではないなら、経過報告書でもい
    い。
  (5) 上記を守れない議員名と行動記録を公表しろ。

5 監査結果
  本件措置請求のうち令和7年5月6日までの報酬等の支出に関する請求については、
 請求期間の1年を経過しており、その後に請求できる「正当な理由」も認められないた
 め地方自治法第242条の所定の要件を欠いていることから却下する。
  令和7年5月7日以降の報酬等の支出に関する請求については、県には「違法又は不
 当な公金の支出」は存在しないため、請求人の主張に理由があると認めることはでき
 ず、本件措置請求は棄却する。

※ 個人情報等に係る原文の記載について、Aで置き換えてあります。


    監査結果のポイント

    1「請求人の主張に理由があると認めることはできない」とした主な判断根拠
     (1) 令和7年5月6日までの報酬等の支出に関する請求は所定の要件を欠いている。
       令和7年5月6日までの報酬等の支出については、支出日から本件措置請求を受け
      付けた令和8年5月7日までに1年を経過している。請求人に対して「正当な理由」
      があるかについて確認したところ、「正当な理由はない」との回答があった。
     (2) 本件議員報酬の支給について違法又は不当であるとする理由はない。
      ア 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「自治法」という。)第203条の2第2項
       において、議員以外の非常勤の特別職の職員に対する報酬は、その勤務日数に応じ
       て支給するものとされているが、同法第203条第1項においては、議員に対する報酬
       をその勤務日数に応じて支給するものとはされておらず、地方議会を欠席した場合
       に減額するものとはされていない。このことからすれば、議員報酬は、議員が地方
       議会に出席する等、議員としての具体的活動を行ったこと自体によって支給される
       のではなく、議員としての身分ないし地位を有すること自体によって支給されるも
       のと解されている。
        したがって、普通地方公共団体は、自治法第203条第1項に基づき、議員としての
       身分を有している者に対しては、その者が地方議会に出席する等の議員としての具
       体的活動を行ったか否かを問わず、議員としての地位にあること自体により、議員
       報酬を支給すべき義務を負うものと解されている。
        このように解すると、議会に出席できない状態にある議員にも議員報酬を支給す
       ることになるが、自治法第203条第4項において、議員報酬の額及び支給方法は条例
       で定めるものとされ、特に一定の場合に限定することなく、包括的に条例の定める
       ところによるとされているのであるから、議会に出席できない状態にある議員に対
       する議員報酬を減額する規定を設けることも、設けないことも、可能であるものと
       解されている。
        そして、議会に出席できない場合に議員報酬を減額することができるとの規定が
       条例にない普通地方公共団体においては、普通地方公共団体の長の裁量により自由
       に議員報酬を減額することはできないものと解されている。なぜなら、普通地方公
       共団体の長の裁量により自由に減額することができるとすれば、自治法第203条第4
       項が、報酬の額及び支給方法について条例で定めなければならないとした趣旨を没
       却することとなるからである(以上、横浜地裁平成13年8月29日判決参照)。
      イ 本県においては、議員報酬等の支給に関し、特別職の職員等の給与等に関する条
       例(昭和46年静岡県条例第25号。以下「特別職給与条例」という。)が制定されて
       いる。同条例においては、議員報酬の減額に関する規定はない。
        すなわち、同条例第4条第1項においては、月の途中で特別職の職員になった場
       合や、月の途中で特別職の職員を離職した場合における報酬の額は日割りによって
       計算するものとされているが、議会を欠席した場合において報酬の額を減額する旨
       の規定はない。
        また、同条例第4条第2項及び第3項においては、報酬が日額又は時間額で定め
       られている特別職の職員や、教育委員会の委員等の報酬は、勤務の実績により支給
       するものとされているが、議員報酬について定められた第1項は、そのような規定
       にはなっていない。
        したがって、本県においては、議員が議会に出席しない等、議員としての職責の
       一部を果たすことができない場合であったとしても、知事は、当該議員に対して、
       議員報酬を全額支払わなければならないこととなる。
        監査の結果、認定した事実関係によると、当該議員は、令和7年5月から令和8
       年3月までの間において静岡県議会議員の職にあったことから、知事は、当該議員
       に対して、特別職給与条例に定められた金額を議員報酬として支給する法的義務が
       あったのであり、本件議員報酬の支給について違法又は不当であるとする理由はな
       い。
        なお、特別職給与条例は一部改正され、令和8年4月1日以降は、1つの定例会
       の開会日から閉会日までの間に開かれる議会の会議及び委員会の全てを欠席した議
       員に対する議員報酬及び期末手当の支給を一定の場合に制限する規定が設けられて
       いる。
     (3) 本件期末手当の支給について違法又は不当であるとする理由はない。
      ア 普通地方公共団体は、条例に規定がある場合に、その議会の議員に対し、期末手
       当を支給することができるものとされており(自治法第203条第3項)、普通地方公
       共団体が条例で期末手当を支給することとした場合、支給する期末手当の額及び支
       給方法についても、条例で定めなければならない(同条第4項)。
        その場合に、議会に出席する等の議員としての具体的活動を行ことができない議
       員に対しても期末手当を支給することを条例で定めることができるか否かについて
       は、その内容をどのようにするかの点も条例に委ねるというのが法の規定の趣旨で
       あるため、議員の身分があれば期末手当を支給するという立場の条例を定めること
       も可能であるものと解されている。
        期末手当を支給する旨の条例を定めた普通地方公共団体においては、その長は、
       条例に本会議や委員会を欠席した場合に手当の支給額を減額する旨の規定がない場
       合は、条例の定めに従い計算される額の期末手当を支給しなければならず、その裁
       量により自由に期末手当を減額等することはできないものと解されている(以上、
       横浜地裁平成13年8月29日判決参照)。
      イ 本県においては、特別職給与条例第5条において、6月1日及び12月1日に在職
       する議員には所定の割合による期末手当を支給するものと定められており、期末手
       当の減額等に関する規定はない。
        したがって、本県においては、議員が議会に出席しない等、議員としての職責の
       一部を果たすことができない場合であったとしても、知事は、規定された一定の時
       期に議員として在職している者に対し、条例に定められた計算方法に従い算定され
       る額の期末手当を全額支払わなければならないこととなる。
        監査の結果、認定した事実関係によると、当該議員は、令和7年6月1日及び同
       年12月1日の両日、静岡県議会議員の職にあったことから、知事は、当該議員に対
       して、特別職給与条例に定められた金額を期末手当として支給する法的義務があっ
       たのであり、本件期末手当の支給について違法又は不当であるとする理由はない。
     (4) 本件旅費の支給について違法又は不当であるとする理由はない。
       特別職給与条例第6条第1項において、非常勤の特別職の職員が公務のため旅行し
      た場合には、その者に対し、当該旅行に要した費用を弁償することとされている。
       監査の結果、認定した事実関係によると、当該議員は、令和7年9月定例会、12月
      定例会及び令和8年2月定例会の本会議に出席していることから、知事は、当該議員
      に対して、特別職給与条例に定められた金額を旅費として支給する法的義務があった
      のであり、本件旅費の支給について違法又は不当であるとする理由はない。
     (5) 「違法又は不当な公金の支出」は存在しない。
       当該議員に対する議員報酬、期末手当及び旅費の支給については、いずれも違法又
      は不当ということはできない。
       したがって、「違法又は不当な公金の支出」は存在しない。

    2 結論
      以上のことから、請求人の主張に理由があると認めることはできない。

    ■ 添付資料

    静岡県議会議員への報酬等の支出に関する住民監査請求の監査結果:静岡県議会議員への報酬等の支出に関する住民監査請求の監査結果( 182KB )


    提供日:2026年7月1日
    担 当:監査委員事務局 監査課
    連絡先:監査班 TEL 054-221-2927

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