令和7年度 記者提供資料
( 部局長等記者発表 )
令和8年度当初予算編成要領
1 要旨
本日、財務部長から、各部局長、教育部長、警察本部長、企業局長、がんセンター局長に対して、令和8年度当初予算の編成要領を通知した。
2 本文
令和8年度当初予算編成要領(通知)
第1 基本方針
1 将来を見据えた健全な行財政運営を実現するため、聖域を設けることなく、徹底した歳出・歳入の見直し、行財政改革に取り組む
2 「幸福度日本一の静岡県」の実現に向けて、未来を創る力、豊かな暮らし、県民の安心に関する政策を推進する
第2 予算編成における取組
1 財源不足への対応
将来を見据えた健全な行財政運営と「幸福度日本一の静岡県」を実現するため、極めて危機的な財政状況を踏まえ、徹底した歳出のスリム化と歳入確保に取り組む。
(1)徹底した事業見直し
部局調整案の提出に先駆けて実施しているサマーレビューによる見直しに加え、各部局において更なる見直しを行う。
@歳出のスリム化
- ・近年の新規事業の総点検など、事業実績や客観的データ等による効果検証を踏まえた徹底した事業のスクラップ・アンド・ビルド(廃止・休止・縮小)
・イベント・大会等の廃止・休止
・計画事業の平準化や実施時期の見直し
・事務費や旅費の節約の徹底
・決算状況等を踏まえた計上額の適正化
- ・ネーミングライツの導入
・売却可能資産の検討
・国庫補助金、外部資金等の確保 ほか
全ての事業に対して聖域を設けることなく、予算編成過程の中で計上額を精査する。
(3)基金の活用
本年度の歳入確保、歳出の見直しにより捻出された財源を、令和7年度2月補正予算において財政調整用基金に積み増し、令和8年度の財源不足に活用する。
(4)資金手当債の活用
徹底した事業見直しや基金の活用等を行ってもなお、財源不足の解消には至らない厳しい財政状況となる見通しである。一方で、県民生活を度外視した急激な事業の見直しは、多大な影響が生じる可能性があることから、令和8年度当初予算編成にあたっては、必要最小限の資金手当債を活用する。
2 活用可能基金の確保
令和9年度以降の財政運営に備え、一定程度の基金残高を確保する。
・翌年度以降活用可能な基金残高 50億円程度
3 「幸福度日本一の静岡県」を実現する新たな施策の推進(財源の重点配分)
- 「幸福度日本一の静岡県」の実現に向けて、新たな施策を展開するため、新たに「新規政策推進枠」を設定し、予算を重点配分する。
| <幸福度日本一に向けた政策パッケージ> ・政策分野指定型(政策テーマにおける挑戦的な事業立案) ・ウェルビーイング指標分析型(幸福実感を高める事業立案) ・職員提案型(県政の課題解決につながる政策等の提案) ・企業提案型(県民の幸福実感を高める企業提案) |
4 留意点
- 今後の国の予算編成の動向、地方財政対策、経済・物価動向、本県の税収の状況等によっては、予算編成全体のフレームを見直す場合があるので、留意すること。
第3 部局調整案提出基準
部局調整案の提出基準は、以下のとおりとする。
所要額により提出する事業は、経費を十分に精査し、真に必要な額とすること。
区 分 | 提出基準 | |
新規政策 推進枠 | ・政策分野指定型 ・ウェルビーイング指標分析型 ・職員提案型 ・企業提案型 | 事前の知事協議を踏まえた所要額 |
| ・義務的経費 ・義務的経費に準ずる経費 ・税収関連法定経費 ・年次計画経費(債務負担) | 所要額 | |
| ・政策的経費 ・年次計画経費(債務負担以外) | 5.5%削減の範囲内 (一般財源ベースで、収支試算の額を基準) | |
| ・一般公共・直轄 | 令和7年度当初予算額と同額 | |
第4 歳入
歳入については、厳しい財源環境を勘案の上、より一層の増収努力を行うとともに、新規の財源確保についても積極的に検討すること。
特に、まず、国庫支出金等の財源活用を検討することを、改めて、徹底すること。その上で、こうした財源が活用できない場合において、はじめて、県の一般財源を使うこととすること。
1 県税
県による徴収強化や市町と連携した個人住民税の税収確保対策に取り組み、県税収入率の向上と収入未済額の縮減を図ること。
また、経済状況や企業動向等を適切に反映し、国が公表する経済の見通しや地方財政計画と整合を図るなど、税収算定の精度を向上すること。
2 国庫支出金
(1)概算要求の内容や国庫補助金等の制度改正を確認し、活用可能な制度を洗い出した上で、その後の予算編成の動向を注視し、積極的に活用すること。ただし、活用に当たっては、国の予算額や過去の内示状況等について十分に情報を収集し、過大な計上とならないよう的確な見積りに努めること。
(2)脱炭素やデジタル化関連など、複数の省庁に同種の制度が設けられている場合もあることから、幅広に情報を収集し、活用を図ること。
(3)新しい地方経済・生活環境創生交付金を積極的に活用すること。
なお、同交付金の活用に当たっては、各タイプの取りまとめ課(企画課又はデジタル戦略課)と調整した上で、新規申請事業・継続申請事業のいずれも同交付金を財源に充当して部局調整案を提出すること。
3 使用料及び手数料
(1)使用料及び手数料については、受益者負担の原則に立って常に見直しを行い、その適正化を図ること。対象となる事務については、所要経費の縮減を図ることにより、行革努力の県民への還元に努めること。
(2)現在、使用料及び手数料を徴していない行政サービス(セミナー参加費、イベント出展料等)についても適正な負担を求めること。
(3)地方公共団体の手数料の標準に関する政令等により標準額等が示されている手数料のうち、標準額と異なるものについては、適正化を図ること。また、その他の使用料及び手数料についても、対象、範囲、減免規定の見直しを行い、適正化を図ること。
4 財産収入
(1)土地、建物等の財産については、財産評価額の適正化を図り、維持管理費等を勘案した貸付料を徴収すること。
(2)土地、建物等の財産で、遊休化し、利用見込みのないものについては処分計画を策定し、進捗管理を徹底するなど、行政経営課とも連携して積極的に処理を進めること。
(3)処分の検討に当たっては、売り払いを原則とするが、民間等への貸付を含め、早期処分に向けて幅広く検討すること。
(4)各部局所管の出先庁舎等については、余裕床を活用した貸付を検討するなど、ファシリティマネジメントの考え方の下、未利用財産の利活用を進めること。
5 分担金及び負担金
- 分担金及び負担金については、受益と負担の適正化の見地から改善に努めること。
特に、国所管公益法人等の団体への負担金のうち、法令義務のない負担金について、目的や費用対効果を検証し、廃止や減額等の見直しを行うこと。
6 寄附金
(1)地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)については、企画課と調整し、積極的に活用すること。
(2)先進事例を参考に、クラウドファンディングを活用し、事業の趣旨に賛同する県民からの寄附を募るなど、これまで以上に積極的な寄附金の確保に努めること。
7 県債
- 県債については、事業の適債性を検討するとともに、対象、充当率等は、当面、令和7年度の同意等基準などにより的確に見積もること。なお、令和8年度の県債の活用については、地方財政対策の状況等を十分見極めながら検討するものとする。
8 その他
(1)貸付金、家賃収入等の税外未収債権について、目標額を設定し徴収強化を図ること。
(2)「県有施設の稼ぐ施設への転換」を図り、県有施設等へのネーミングライツの導入、県有施設の民間への一時貸付け、自動販売機の設置者の公募、庁舎内への民間広告の掲出など、歳入確保に積極的に取り組むこと。
第5 歳出
歳出については、政策評価や決算状況等を踏まえ、既存事業を積極的に見直すこと。
1 人件費
(1)人件費の積算は、令和7年10月1日現員による現行制度に基づく年間所要額とする。
(注)積算の細部については、別途指示する。
(2)退職手当の積算にあたっては、定年の段階的引き上げに伴い、1年おきに定年退職者が発生する点に十分留意すること(令和8年度末は、令和7年度末と異なり定年退職者が生じる)。また、早期退職者の把握に努め、適切に積算すること。
(3)業務の特性から、民間部門の技術や創意工夫など、その活力に委ねることが適切なものについては、アウトソーシングを積極的に推進すること。
2 国庫関連経費
(1)国庫補助事業についても県の負担を伴うことを考慮の上、効率的な事業の選択に努めるとともに、制度改正等の概算要求内容を熟知し、その後の動向を的確に把握して、適切な見積りを行うこと。また、国の予算縮減率を上回って調整する場合もあるので、国への要望に当たっては、このことを踏まえた適切な対応を図ること。
- なお、一般財源化されるものを除き、国が縮減、廃止した事業を県費で補完し、または、県単独で代替することは原則行わないものとする。
(3)全額国庫支出金の事業についても、事業ごとに人件費を含めた収支バランスを検討すること。
(4)超過負担を伴う事業については、国に対し、その解消を強く要請するとともに、事業の実施方法について創意工夫すること。
(5)国が補助単価の引下げ、補助対象の限定、縮小、上限の設定、廃止、補助総額の縮小などの概算要求をしたものについては、概算要求に基づく制度で積算したものとすること。
(6)令和7年度で終了する国基金事業については、原則として、国基金活用前の一般財源を基準に事業を再構築すること。又は基金に代わる国庫財源等の確保に努めること。
3 行政費
(1)行政費については、ひとり1改革の実践や行政のデジタル化による事務処理システムの改革、オンライン化による非対面での働き方の普及等を踏まえ、ペーパーレス化の更なる推進や、管理経費、旅費等の徹底した見直しを行い、経費の節減を図ること。
(2)委託事業については、委託内容も含め、費用対効果の検証を徹底するとともに、競争性、透明性、公平性の確保の視点による的確な見積りを徹底すること。
(3)イベント・大会等については、原則として廃止・休止すること。他団体との共催等により、既に実施を決定している場合など、やむを得ず実施する場合は、オンライン化などへの実施方法の転換や、開催規模の縮小、配布物の見直し、参加者負担の導入など、開催実績・費用対効果等を踏まえた上で、徹底して実施方法を見直すこと。また、その必要性を十分に整理し、想定される効果を明確に示すこと。
(4)広報・啓発については、費用対効果を改めて検証し、啓発手法の見直しや閲覧回数が低いWebサイトの廃止等を進め、積極的な民間活用など効果的な手法への転換を進めること。実施したいと考えるテレビ・新聞の広告などの比較的高額な広報については、その必要性を十分に整理し、想定される効果を明確に示すこと。
4 補助金等の見直し
(1)目的・目標に対する貢献度が不十分な補助金の廃止、重複・類似している補助金の整理統合、市町向け付増補助金の見直し、事務負担に対する効果が小さい少額補助金の廃止・見直しなど、補助金のサンセット方式の徹底、見直しを図ること。
(2)特に県単独補助金については、事業の成果、地方分権や社会情勢の変化による国、県、市町、民間等の役割分担の観点から、適切な補助率や補助額を設定するとともに、補助対象者が補助金により収益を得た場合、県に対して収益の一部を納付する制度の導入の検討又は運用の徹底を図ること。
5 外郭団体への財政的関与の見直し
- 外郭団体への財政的関与は、静岡県行政経営革新プログラム2025に基づき、外部の視点による不断の検証を行い、見直しを進めること。
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(平成19年法律第94号)に基づき、公営企業や第3セクター等も含めた健全化指標である将来負担比率を公表しており、引き続き、外郭団体の点検評価等を踏まえて、外郭団体の運営の健全性を確保するとともに、県からの補助金や委託料の見直しを図ること。
また、「第三セクター等の経営健全化方針の策定について」(平成30年2月20日付け総財公第26号通知)で定める、経営健全化方針の策定の対象となった団体については、その健全性の確保に向けた見直しを進めること。
6 公共工事の生産性向上及び適切な積算
(1)公共工事における生産性向上に向け、引き続き、品質とコストの最適化を図ること。
(2)民間のコスト水準や契約実績、労務単価、資材単価の上昇等を踏まえた適正な単価の設定、仕様の見直しを図ること。
(3)民間部門の創意工夫等により維持管理経費を含めた総経費の軽減が図られるものについては、PFIによる整備を検討すること。
7 新たな市町負担を伴う事業等
- 法令の規定に基づく経費の負担区分が定められていない事業で、新たに市町の負担を伴う事業や負担が増加する事業については、部局内の立案段階及び予算編成作業の進捗に合わせ、市町行財政課及び各地域局等と十分な連携を図ること。
また、法令等の規定の有無にかかわらず、政令指定都市を含む市町に対して事前に十分な説明を行い、理解を得た上で提出すること。
8 基金を財源とする事業
(1)基金充当事業の対象範囲の拡大や果実運用型基金の直接事業充当など、基金の有効活用について積極的に検討すること。
(2)長期間活用されていない基金については、設置の必要性を含めて検討すること。
(3)国基金事業については、その趣旨に鑑み、積極的な活用を図ること。
9 部局間における調整等
(1)次に該当する事業については、全庁的な施策の整合性、総合性を必要とするので、とりまとめ担当課等と十分調整を行った上で、部局調整案の提出を行うこと。
項目 | 担当課 | 項目 | 担当課 |
| 新しい地方経済・生活環境創生交付金関連事業(地方創生拠点整備タイプ、地方創生推進タイプ) | 企画課 | 新しい地方経済・生活環境創生交付金関連事業(デジタル実装タイプ) | デジタル戦略課 |
| 地方創生応援税制関連事業(企業版ふるさと納税) | 企画課 | デジタル化関連事業 | デジタル戦略課 |
| 情報システム関連事業 | 電子県庁課 | 地域外交関連事業 | 地域外交課 |
| 多文化共生関連事業 | 多文化共生課 | 県有施設維持補修関連事業 (中期維持保全計画関連事業) | 行政経営課 |
| 地震・津波対策アクションプログラム2023関連事業 | 危機政策課 | 脱炭素関連事業 | 環境政策課 |
(2)各地域局からの提案を踏まえて、地域課題への的確な対応を図ること。
10 債務負担行為及び継続費
- 債務負担行為及び継続費は、将来、義務的な経費として歳出予算を拘束することになるので、その必要性と後年度の財政支出を慎重に検討の上、部局調整案を提出すること。
なお、成果の発現に複数年度を要する実質的な債務負担についても同様とする。
11 その他
(1)AI、RPA等の新たな技術の活用によって、経費の削減・業務の軽減等が見込めるものについては、積極的に活用すること。
(2)定期監査において3E(経済性、効率性、有効性)の視点から意見のあった項目等について、改善に向けた検討を行い、監査結果を予算編成に適切に反映させること。
第6 特別会計及び企業会計
1 特別会計、企業会計についても、一般会計に準ずるものとする。
2 繰出基準については、従来の考え方にとらわれることなく、会計ごとの守備範囲や受益者負担について適切な見直しを行うこと。
3 「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく健全化判断比率の公表が義務付けられ、全会計ベースでの中長期的な財政運営の健全性の確保が重要であることから、5年間の中長期収支計画表を作成し、収支の改善に努めること。
第7 提出期限等
1 予算調書の提出期限
令和7年11月6日(木)
2 様式等
別紙様式のとおり
なお、記載要領に留意し、記載誤りのないよう注意すること。
3 予算編成日程(予定)
知事記者発表 令和8年2月10日(火)
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■ 添付資料
発表日:2025年10月22日
担 当:財務部 財政課
連絡先:計画班 TEL 054-221-2385
このページに関するお問い合わせ
静岡県知事戦略局広聴広報課
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