令和7年度 記者提供資料


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( 資料提供 )

マダニに咬まれないように注意しましょう!(「日本紅斑熱」の患者が確認されました)

−危機管理情報−
マダニに咬まれないように注意しましょう!
〜県内で「日本紅斑熱」の患者が4人確認されました(過去最多のペース)〜

1 要旨
 県内で6月下旬に日本紅斑熱患者(今年9〜12人目)が確認されました。過去最多の年間14人が報告された昨年は、6月までに4人でしたので、昨年の3倍のペースで患者が確認されています。より一層、野外でのマダニ対策を十分に行うようお願いします。
 また屋外活動後は、マダニに咬まれていないか全身をよく確認し、咬まれた場合は、数日間、体調の変化に注意しましょう。また、発熱・発疹・だるさ・ふらつき等の症状が見られたら早めに医療機関を受診し、マダニに咬まれた可能性があることを医師に伝えてください。なお、日本紅斑熱には有効な抗生物質があり、早期受診がとても大切です。
    2 患者概要(患者さんが公表を認めた内容を記載しています)

    (1)熱海保健所管内在住の70歳代男性
     <経緯>
     6月10日  発熱
     6月15日  発熱が続くため、医療機関を受診し、入院
       
     症状等からマダニが媒介する感染症の疑い→県環境衛生科学研究所で検査を実施
     (マダニに咬まれた自覚なし、左膝の裏に刺し口あり)
     6月18日 日本紅斑熱の病原体遺伝子を血液、刺し口のかさぶたから検出
     
     発症前の期間に、農作業をしていたことから、日本紅斑熱の病原体を保有するマダニに咬まれたことにより感染したと推定されます。患者はすでに退院し、快方に向かっています。

    (2)東部保健所管内在住の50歳代女性
     <経緯>
     6月16日  発熱し、発疹が出現
     6月18日  医療機関を受診し、6月20日に医療機関に入院
       
     症状等からマダニが媒介する感染症の疑い→県環境衛生科学研究所で検査を実施
     (マダニに咬まれた自覚なし、刺し口なし)
     6月20日 日本紅斑熱の病原体遺伝子を血液から検出
     
     発症前の期間に、草刈りをしていたことから、日本紅斑熱の病原体を保有するマダニに咬まれたことにより感染したと推定されます。患者は現在も入院中ですが、快方に向かっています。

    (3)中部保健所管内在住の20歳代男性
     <経緯>
     6月20日  発熱し、発疹が出現
     6月23日  市販薬を内服するも改善が見られず、医療機関の救急外来を受診
             受診時、発熱と発疹は持続しており、血液検査で肝機能異常を認めた
        
     症状等からマダニが媒介する感染症の疑い→県環境衛生科学研究所で検査を実施
     (マダニに咬まれた自覚なし、刺し口なし)
     6月25日 日本紅斑熱の病原体遺伝子を血液から検出
     
     発症前の期間に、野外で活動をしていたことから、日本紅斑熱の病原体を保有するマダニに咬まれたことにより感染したと推定されます。患者は現在も通院治療中ですが、快方に向かっています。

    (4)熱海保健所管内在住の70歳代女性
     <経緯>
     5月下旬頃 発熱し、倦怠感、食欲不振、発疹が出現
     6月19日  発熱等の症状が改善しないため、医療機関を受診し、入院
       
     症状等からマダニが媒介する感染症の疑い→県環境衛生科学研究所で検査を実施
     (マダニに咬まれた自覚なし、腹部に刺し口と思われる紫斑あり)
     6月27日 日本紅斑熱の病原体遺伝子を血液、紫斑部分、皮膚から検出
     
     発症前の期間に、草刈りをしていたことから、日本紅斑熱の病原体を保有するマダニに咬まれたことにより感染したと推定されます。患者はすでに退院し、快方に向かっています。

    3 マダニが媒介する主な感染症
    (1) 日本紅斑熱
    • 日本紅斑熱リケッチアという病原体を保有するマダニに咬まれることで感染し、人から人へ感染して広がるものではありません。
    • マダニに咬まれてから、2日から8日の潜伏期間の後、高熱、発疹が現れ、重症化した場合には、死に至ることもあります。
    • 県内では、令和2年以降、年間5〜14人、合計54人(本年は今回の報告を含めて12人)の感染が確認されており、54人のうち届出日時点での死亡者が3人報告されています。
    <日本紅斑熱の最近の患者数(人)>  令和7年は現時点の暫定値 ()死亡事例再掲
    令和2年
    令和3年
    令和4年
    令和5年
    令和6年
    令和7年
    全国
    421
    487
    460
    501
    523
    209
    静岡県
    8
    8(1)
    5
    7(1)
    14
    12(1)
    (2) 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
    • 感染経路は、SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることが中心ですが、血液等の患者体液との接触や、マダニに咬まれSFTSウイルスに感染している犬や猫の体液から感染することも報告されています。
    • マダニに咬まれてから、6日から14日の潜伏期間の後、発熱、消化器症状などが現れ、重症化した場合には死に至ることもあります。
    • 県内では令和3年に初めて確認されて以降、年間4〜6人、合計21人(本年3人)の感染が確認されており、21人のうち、届出日時点での死亡者が1人報告されています。

    <SFTSの最近の患者数(人)>   令和7年は現時点の暫定値 ()死亡事例再掲
    令和2年
    令和3年
    令和4年
    令和5年
    令和6年
    令和7年
    全国
    78
    110
    118
    134
    122
    83
    静岡県
    0
    4
    6
    3
    5
    3(1)



    4 県民の皆様へ
    (1)マダニに咬まれないようにしましょう!
    • 特にマダニの活動が盛んな、春から秋にかけて注意が必要です。
    • 野山や草むら、畑などに入る場合は、耳を覆う帽子、首に巻くタオル、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくしてください。ズボンの裾や、シャツの裾・袖口等から服の中に侵入することもあります。
    • マダニ用に市販されている忌避剤はありますが、マダニの付着を完全に防ぐことはできませんので、他の防護手段と組み合わせて対策を取りましょう。

    (2)屋外活動後は、マダニに咬まれていないか確認しましょう!
    • マダニに咬まれた場合は、数日間、体調の変化に注意しましょう。
    • 入浴時等、全身にマダニの付着がないか確認しましょう。付着していた場合は、無理に取らずに、医療機関を受診しましょう。
    • 発熱・発疹の症状が見られたら、早めに医療機関を受診し、マダニに咬まれた可能性があることを医師に伝えましょう。

    (3)ペットに付着して、マダニが家の中に入ってくることもあります!
    • 飼育している犬や猫にもダニ駆除剤を使用しましょう。
    • 飼育している動物の健康状態の変化に注意し、動物が体調不良の際には、咬まれたりなめられたりしないようにして、動物病院を受診して下さい。
    (4)動物との接触にも注意しましょう!
    • 外で生活している動物にマダニが付着していることもあります。
    • 外で生活している動物はどのような病原体を保有しているか分かりません。体液等を介して、SFTS等の感染症に感染する可能性がありますので、接触は避けてください。また、動物の死体等に接触することも控えましょう。
    • 動物に触ったら必ず手を洗いましょう。
    5 県内の日本紅斑熱の患者数(令和7年は現時点の暫定値)
    (表中の※は亡くなった方)

    ■ 添付資料

    マダニに咬まれないように注意しましょう!(「日本紅斑熱」の患者が確認されました):マダニに咬まれないように注意しましょう!(「日本紅斑熱」の患者が確認されました)( 369KB )


    提供日:2025年7月2日
    担 当:健康福祉部 医療局感染症対策課
    連絡先:静岡県感染症管理センター TEL 055-928-7220

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