令和7年度 記者提供資料
( 資料提供 )
令和6年度高齢者虐待防止法に基づく調査結果(本県版)
令和6年度高齢者虐待防止法に基づく調査結果(本県版)を公表します。
厚生労働省が、全国の市区町村を対象に行った令和6年度の高齢者虐待に関する
調査のうち、県内市町の状況がまとまりましたので公表します。
1 概 要
・相談・通報件数のうち、虐待と判断された件数は449件で、前年度に比べ52件
(13.1%)増加した。
・養介護施設従事者等による虐待件数は20件で、前年度に比べ2件増加した。
・養護者による虐待件数は429件で、前年度に比べ50件増加した。
2 養介護施設従事者等による虐待事例
(1)相談・通報者内訳
前年度同様「当該施設職員」の人数が最も多く、構成比では「家族・
親族」「当該施設元職員」「介護支援専門員」が増加している。
(2)虐待の種別
前年度同様「身体的虐待」の人数が最も多く、「介護・世話の放棄、放任」
が増加したものの「身体的虐待」及び「心理的虐待」が前年度に比べて減少
し、全体数は減少している。
種 別 | R5年度 | R6年度 | 増 減 |
| 身体的虐待 | 22人 | 15人 | △7人(△31.8%) |
| 介護・世話の放棄、放任 | 2人 | 10人 | +8人(+400.0%) |
| 心理的虐待 | 9人 | 4人 | △5人(△55.6%) |
| 性的虐待 | 0人 | 1人 | +1人(皆 増) |
| 経済的虐待 | 0人 | 1人 | +1人(皆 増) |
合 計 | 33人 | 31人 | △2人(△ 6.1%) |
注2)複数回答も含まれているため、合計の人数は被虐待者の総数と一致しない。
(3)虐待者の職種
前年度同様「介護職員」の人数が最も多く、「看護職」「経営者・開設者」
が前年度に比べて増加したが、全体数は減少している。
続 柄 | R5年度 | R6年度 | 増 減 |
| 介護職員 | 28人 | 20人 | △8人(△28.6%) |
| 看護職 | 0人 | 2人 | +2人(皆 増) |
| 管理職 | 0人 | 0人 | −(−%) |
| 施設長 | 0人 | 0人 | −(−%) |
| 経営者・開設者 | 0人 | 1人 | +1人(皆 増) |
| その他 | 0人 | 1人 | +1人(皆 増) |
| 不明 | 7人 | 0人 | △7人(皆 減) |
合 計 | 35人 | 24人 | △11人(△31.4%) |
3 養護者による虐待事例
(1)相談・通報者内訳
前年度同様、「介護支援専門員」の人数が最も多く、構成比では「近隣住
民・知人」「被虐待高齢者本人」等が増加し、全体数も増加している。
注1)カッコ内は、構成割合(%)
注2)1件の事例に対し複数の者から相談・通報があった場合、それぞれの該当項目に重複して計上されるた
め、合計人数は相談・通報件数と一致しない。
(2)虐待の種別
前年度同様「身体的虐待」の人数が最も多く、該当のなかった「性的虐待」
を含め、いずれの種別も増加している。
種 別 | R5年度 | R6年度 | 増 減 |
| 身体的虐待 | 252人 | 286人 | +34人(+13.5%) |
| 介護・世話の放棄、放任 | 94人 | 96人 | +2人(+ 2.1%) |
| 心理的虐待 | 116人 | 161人 | +45人(+38.8%) |
| 性的虐待 | 0人 | 5人 | +5人(皆 増) |
| 経済的虐待 | 54人 | 58人 | +4人(+ 7.4%) |
合 計 | 516人 | 606人 | +90人(+17.4%) |
注2)複数回答も含まれているため、合計の人数は被虐待者の総数と一致しない。
(3)虐待者の続柄
前年度同様「息子」からの虐待が最も多いが、増加率では「夫」「孫」の
項目が大きく、「妻」「娘」等は減少したが、全体数は増加している。
続 柄 | R5年度 | R6年度 | 増 減 |
| 夫 | 77人 | 109人 | 32人(+ 41.6%) |
| 妻 | 31人 | 24人 | △7人(△22.6%) |
| 息子 | 182人 | 213人 | 31人(+ 17.0%) |
| 娘 | 77人 | 69人 | △8人(△10.4%) |
| 息子・娘の配偶者 | 19人 | 16人 | △3人(△15.8%) |
| 孫 | 9人 | 21人 | 12人(+133.3%) |
| その他 | 19人 | 18人 | △1人(△5.3%) |
合 計 | 414人 | 470人 | 56人(△13.5%) |
注2)複数回答も含まれているため、合計の件数は虐待と判断された件数と一致しない。
(4)家族形態
前年度同様「未婚の子と同居」の件数が最も多く、構成比では「夫婦のみ世
帯」「未婚の子と同居」「単身世帯」等が増加する一方、「配偶者と離別・
死別した子と同居」や「子夫婦と同居」は減少している。
区分 | 単身 世帯 | 夫婦のみ 世帯 | 未婚の子 と同居 | 配偶者と離別・死別した子と同居 | 子夫婦 と同居 | その他 | 不明 | 合計 |
| R6年度 | 33件 (7.5%) | 92件 (21.0%) | 137件 (31.3%) | 62件 (14.2%) | 47件 (10.7%) | 67件 (15.3%) | 0件 (-) | 438件 (100%) |
| R5年度 | 27件 (7.1%) | 69件 (18.1%) | 115件 (30.2%) | 63件 (16.5%) | 62件 (16.3%) | 45件 (11.8%) | 0件 (-) | 381件 (100%) |
注2)被虐待者ごとに分類しているため、合計の件数は虐待と判断された件数と一致しない。
(5)虐待等による死亡事例
年 度 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 |
| 虐待等による死亡事例件数 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 |
4 今後の対応
(1)養介護施設従事者等による虐待
・県が行う、介護サービス事業者への運営指導において、「虐待防止」を徹底する
ため、虐待防止対策を検討する委員会の開催、指針の整備及び研修の実施が基準
に従って行われているかを継続して指導していく。
・不適切な身体拘束は虐待に該当することから、高齢者権利擁護等推進事業におけ
る「身体拘束ゼロ宣言」の施設への呼び掛け、研修やフォーラム(令和8年1月
26日実施、記者提供予定)の実施等、身体拘束廃止を実現するための取組を継続
して実施していく。
・介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有していない者に対し、
e-ラーニングを活用した認知症介護基礎研修を実施するなど、介護施設職員全体
のスキルアップを図っていく。
(2)養護者による虐待
・高齢者虐待発生の背景にある、介護家族の孤立化や介護疲れに加え、被虐待者の
大半が認知症であることを踏まえ、現在、高齢者の総合相談窓口である地域包括
支援センターや介護家族の会、認知症コールセンター等の相談窓口を県・市町の
広報誌等で周知している。今後とも、介護者への介護に関する相談の窓口周知・
啓発を行っていくことで、虐待の未然防止に努めていく。
・高齢者虐待を早期発見し、早期対応できるよう、現在行っている研修等を通じ、
市町や地域包括支援センター職員等の相談対応力の強化、向上を図っている。最
新の知見や市町の取組状況を踏まえて研修内容を調整し、引き続き市町の体制整
備の支援を行っていく。また、弁護士や社会福祉士等の専門職による市町職員向
けの相談窓口を引き続き設置し、市町の取組を支援していく。
・地域の認知症の人や家族の見守り機能の強化及び孤立化防止を図るため、現在認
知症サポーターがチームとなり地域の認知症の人や家族を支援する取組(チーム
オレンジ)のメンバー養成など、市町への伴走支援事業を行っている。今後も、
認知症の人が暮らしやすい社会を目指し、継続的に伴走支援を行っていく。
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■ 添付資料
令和6年度高齢者虐待防止法に基づく調査結果(本県版):
( 295KB )
提供日:2025年12月25日
担 当:健康福祉部 福祉長寿局福祉長寿政策課
連絡先:福祉長寿政策班 TEL 054-221-2442
このページに関するお問い合わせ
静岡県知事戦略局広聴広報課
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