令和7年度 記者提供資料


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( 資料提供 )

マダニに咬まれないように注意しましょう!(「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」及び「日本紅斑熱」の患者が確認されました)

−危機管理情報−
マダニに咬まれないように注意しましょう!
〜県内で「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」及び「日本紅斑熱」の患者が
確認されました(いずれも過去最多の発生数です)〜



1 要旨
 県内で「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」(今年10人目)及び「日本紅斑熱」(今年24人目、25人目)が確認されました。いずれも、これまでの年間発生数の最大値をすでに超えています。より一層、野外でのマダニ対策を十分に行うようお願いします。
 また、屋外活動後は、マダニに咬まれていないか全身をよく確認し、咬まれた場合は、数日間、体調の変化に注意しましょう。発熱・発疹・食欲不振・だるさ・ふらつき等の症状が見られたら早めに医療機関を受診し、マダニに咬まれた可能性があることを医師に伝えてください。なお、日本紅斑熱には有効な抗生物質があり、早期受診がとても大切です。
 医療機関におかれては、農作業や山歩きをされる方が、重症感のある発熱、消化器症状、全身倦怠感等で受診された場合は、SFTSも念頭において診療をお願いします。確定診断のための血液・尿・咽頭ぬぐい液・皮膚等からの遺伝子検査は、保健所に御依頼ください。

    2 患者概要(患者さんまたは御家族が公表を認めた内容を記載しています)


    <重症熱性血小板減少症候群(SFTS)>
    山梨県内の80歳代女性
    <経緯>
    10月11日 ふらつきとふるえ、食欲低下あり
    10月13日 転倒あり、山梨県内の医療機関を受診
    10月14日 倦怠感、38℃台の発熱あり、以後持続
    10月16日 症状が悪化し、静岡県内の病院に救急搬送され入院
         農作業歴、症状及び血液検査所見からマダニが媒介する感染症の疑い
         (マダニに咬まれた自覚なし、刺し口なし)
    10月17日 県環境衛生科学研究所で検査を実施し、血液と咽頭ぬぐい液から病原体遺伝子
         を検出し、SFTSの診断

    患者さんは発症前の期間に農作業をしており、その野菜畑に鹿の被害があったということです。
    また、外にも出る猫を飼っていますが、猫の体調不良はありません。
    以上から、SFTSの病原体を保有するマダニに咬まれたことにより感染したと推定されます。

    なお、患者さんは10月17日に山梨県内の医療機関に転院しました。

    <日本紅斑熱>
    (1)熱海保健所管内の80歳代男性
    <経緯>
    10月11日 発熱、全身倦怠感あり
    10月14日 発疹、下痢症状があり、熱海保健所管内の医療機関を受診、入院
    10月15日 農作業歴、症状及び血液検査所見からマダニが媒介する感染症の疑い
         (マダニに咬まれた自覚なし、刺し口なし)
    10月17日 県環境衛生科学研究所で検査を実施し、血液と皮膚から病原体遺伝子
         を検出し、日本紅斑熱の診断

    患者さんは発症前の期間に草取りを行っており、吸血後と思われる親指大に膨らんだマダニを自宅で発見したそうです。
    以上から、日本紅斑熱の病原体を保有するマダニに咬まれたことにより感染したと推定されます。

    なお、患者さんはすでに退院しています。

    (2)東部保健所管内の50歳代男性
    <経緯>
    10月14日 発熱し、発疹が出現、東部保健所管内の医療機関を受診
    10月15日 東部保健所管内の別の医療機関を受診、入院
         症状等からマダニが媒介する感染症の疑い
         (マダニに咬まれた自覚なし、左足のくるぶし、右足首に刺し口あり)
    10月20日 県環境衛生科学研究所で検査を実施し、血液と痂皮から病原体遺伝子
         を検出し、日本紅斑熱の診断

    患者さんは発症前の期間に草むらに入る機会があり、日本紅斑熱の病原体を保有するマダニに咬まれたことにより感染したと推定されます。

    なお、患者さんは現在も入院中ですが、快方に向かっています。

    3 マダニが媒介する主な感染症
    (1) 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
    • 感染経路は、SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることが中心ですが、血液等の患者体液との接触や、マダニに咬まれSFTSウイルスに感染している犬や猫の体液から感染することも報告されています。
    • マダニに咬まれてから、6日から14日の潜伏期間の後、発熱、消化器症状などが現れ、重症化した場合には死に至ることもあります。
    • 県内では令和3年に初めて確認されて以降、年間3〜10人、合計28人(本年は今回の報告を含めて10人)の感染が確認されており、28人のうち、届出日時点での死亡者が3人報告されています。
    <SFTSの最近の患者数(人)>   令和7年は現時点の暫定値 ()死亡事例再掲
    令和2年
    令和3年
    令和4年
    令和5年
    令和6年
    令和7年
    全国
    78
    110
    118
    134
    122
    174
    静岡県
    0
    4
    6
    3
    5
    10(3)



    (2) 日本紅斑熱
    • 日本紅斑熱リケッチアという病原体を保有するマダニに咬まれることで感染し、人から人へ感染して広がるものではありません。
    • マダニに咬まれてから、2日から8日の潜伏期間の後、高熱、発疹が現れ、重症化した場合には、死に至ることもあります。
    • 県内では、令和2年以降、年間5〜25人、合計67人(本年は今回の報告を含めて25人)の感染が確認されており、67人のうち届出日時点での死亡者が3人報告されています。
    <日本紅斑熱の最近の患者数(人)>  令和7年は現時点の暫定値 ()死亡事例再掲
    令和2年
    令和3年
    令和4年
    令和5年
    令和6年
    令和7年
    全国
    421
    487
    460
    501
    523
    560
    静岡県
    8
    8(1)
    5
    7(1)
    14
    25(1)


    4 県民の皆様へ
    (1)マダニに咬まれないようにしましょう!
    • 特にマダニの活動が盛んな、春から秋にかけて注意が必要です。
    • 野山や草むら、畑などに入る場合は、耳を覆う帽子、首に巻くタオル、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくしてください。ズボンの裾や、シャツの裾・袖口等から服の中に侵入することもあります。
    • マダニ用に市販されている忌避剤はありますが、マダニの付着を完全に防ぐことはできませんので、他の防護手段と組み合わせて対策を取りましょう。

    (2)屋外活動後は、マダニに咬まれていないか確認しましょう!
    • マダニに咬まれた場合は、数日間、体調の変化に注意しましょう。
    • 入浴時等、全身にマダニの付着がないか確認しましょう。付着していた場合は、無理に取らずに、医療機関を受診しましょう。
    • 発熱・発疹の症状が見られたら、早めに医療機関を受診し、マダニに咬まれた可能性があることを医師に伝えましょう。

    (3)ペットに付着して、マダニが家の中に入ってくることもあります!
    • 飼育している犬や猫にもダニ駆除剤を使用しましょう。
    • 飼育している動物の健康状態の変化に注意し、動物が体調不良の際には、咬まれたりなめられたりしないようにして、動物病院を受診して下さい。
    (4)動物との接触にも注意しましょう!
    • 外で生活している動物にマダニが付着していることもあります。
    • 外で生活している動物はどのような病原体を保有しているか分かりません。体液等を介して、SFTS等の感染症に感染する可能性がありますので、接触は避けてください。また、動物の死体等に接触することも控えましょう。
    • 動物に触ったら必ず手を洗いましょう。

    5 県内の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者数(令和7年は暫定値)
    (表中の※は届出日時点で亡くなっていた方)
    年次
    全国
    静岡県()内は死亡患者数再掲
    患者
    性別・年代・住所地・発生月
    令和3年
    (2021年)
    110
      男・60歳代・中部地域・3月
      男・高齢・浜松市・5月
      女・60歳代・静岡市駿河区・6月
      男・高齢・西部地域・10月
    令和4年
    (2022年)
    118
    女・高齢・県内・3月
    男・80歳代・焼津市・4月
    男・高齢・浜松市北区・6月
    女・高齢・周智郡森町・6月
    男・高齢・西部保健所管内・7月
    女・高齢・東部保健所管内・8月
    令和5年
    (2023年)
    134
    男・高齢・浜松市天竜区・4月
    女・80歳代・浜松市天竜区・6月
    男・80歳代・熱海保健所管内・7月
    令和6年
    (2024年)
    122
    女・70歳代・浜松市浜名区・5月
    男・70歳代・東部保健所管内・5月
    女・80歳代・中部保健所管内・7月
    女・80歳代・賀茂保健所管内・10月
    女・30歳代・賀茂保健所管内・11月
    令和7年
    (2025年)
    174
    10(3)
    女・60歳代・静岡市駿河区・6月※
    男・60歳代・浜松市天竜区・6月
    女・80歳代・静岡市葵区・6月
    男・80歳代・賀茂保健所管内・7月※
    男・80歳代・東部保健所管内・7月
    非公表・県内・7月
    男・90歳代・賀茂保健所管内・9月※
    女・80歳代・賀茂保健所管内・9月
    女・90歳代・東部保健所管内・10月
    女・80歳代・山梨県内・10月


    6 県内の日本紅斑熱の患者数(令和7年は暫定値)
    (表中の※は届出日時点で亡くなっていた方)

    年次
    全国
    静岡県
    ()内は死亡患者数再掲
    患者
    発生月・性別・年代・住所地
    平成12年(2000年)
    38
    1
    9月…男・60歳代・沼津市
    平成25年(2013年)
    175
    1
    7月…女・60歳代・伊豆の国市
    平成27年(2015年)
    215
    2(1)
    6月…女・70歳代・伊豆の国市※
    8月…男・60歳代・沼津市
    平成28年(2016年)
    277
    2(1)
    5月…女・70歳代・沼津市※
    11月…男・70歳代・伊東市
    平成29年(2017年)
    337
    6(2)
    6月…女・80歳代・熱海市
    9月…男・50歳代・伊豆の国市、女・70歳代・沼津市※
    男・70歳代・沼津市、女・80歳代・沼津市※
    10月…女・70歳代・沼津市
    平成30年(2018年)
    305
    3
    3月…男・50歳代・三島市
    8月…男・70歳代・伊東市
    10月…女・70歳代・伊東市
    令和元年(2019年)
    318
    10(1)
    5月…男・70歳代・神奈川県湯河原町、女・70歳代・熱海市
    6月…女・50歳代・県西部地区
    7月…女・70歳代・伊豆の国市※、女・70歳代・熱海市
    9月…女・40歳代・掛川市
    10月…男・60歳代・熱海市、女・70歳代・駿東郡清水町
    男・20歳代・伊東市
    11月…女・70歳代・浜松市
    令和2年(2020年)
    421
    8
    5月…女・70歳代・熱海市、男・50歳代・熱海市
    7月…女・90歳代・熱海市、女・90歳代・南伊豆町
    8月…男・70歳代・県外
    9月…男・70歳代・熱海市
    10月…女・70歳代・湖西市、女・80歳代・熱海市
    令和3年(2021年)
    487
    8(1)
    5月…女・70歳代・県外
    6月…男・10歳代・沼津市
    7月…女・80歳代・伊東市※
    8月…女・30歳代・県外、男・70歳代・県外
    9月…男・60歳代・牧之原市
    10月…男・40歳代・県外、男・70歳代・伊東市
    令和4年(2022年)
    460
    5
    6月…男・20歳代・賀茂保健所管内、女・70歳代・熱海保健所管内
    8月…男・80歳代・熱海保健所管内、女・70歳代・熱海保健所管内
    9月…女・70歳代・熱海市
    令和5年(2023年)
    501
    7(1)
    6月…女・70歳代・静岡市、女・70歳代・静岡市
    7月…男・60歳代・熱海保健所管内、男・30歳代・中部保健所管内
    男・50歳代・西部保健所管内
    10月…女・70歳代・西部保健所管内、女・70歳代・熱海保健所管内※
    令和6年(2024年)
    523
    14
    4月…女・60歳代・中部保健所管内、女・50歳代・中部保健所管内
    5月…非公表・80歳代・熱海保健所管内、男・70歳代・熱海保健所管内
    7月…非公表・県外、女・60歳代・熱海保健所管内
    9月…男・40歳代・県外、男・70歳代・東部保健所管内
    男・60歳代・熱海保健所管内、男・70歳代・熱海保健所管内
    10月…男・80歳代・賀茂保健所管内、非公表・高齢でない成人・浜松市
    女・80歳代・熱海保健所管内、男・80歳代・賀茂保健所管内
    令和7年(2025年)
    560
    25(1)
    4月…女・80歳代・熱海保健所管内、女・50歳代・熱海保健所管内
    女・80歳代・熱海保健所管内
    5月…女・80歳代・中部保健所管内、男・80歳代・中部保健所管内
    女・80歳代・中部保健所管内※
    6月…女・60歳代・熱海保健所管内、男・60歳代・東部保健所管内
    男・70歳代・熱海保健所管内、女・50歳代・東部保健所管内
    男・20歳代・中部保健所管内、女・70歳代・熱海保健所管内
    女・70歳代・熱海保健所管内
    7月…女・70歳代・浜松市、女・70歳代・東部保健所管内
    女・70歳代・神奈川県内、男・80歳代・東部保健所管内
    8月…女・非公表
    9月…女・50歳代・静岡市、女・80歳代・神奈川県内
    女・70歳代・熱海保健所管内
    10月…非公表、男・80歳代・中部保健所管内
         男・80歳代・熱海保健所管内、男・50歳代・東部保健所管内
     
     
     
     
    参考:全国では1999年4月〜2019年12月に報告された3,108人中44人(1.4%)が届出時点で亡くなっているという報告があります。

    ■ 添付資料

    マダニに咬まれないように注意しましょう!(「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」及び「日本紅斑熱」の患者が確認されました):マダニに咬まれないように注意しましょう!(「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」及び「日本紅斑熱」の患者が確認されました)( 303KB )


    提供日:2025年10月24日
    担 当:健康福祉部 医療局感染症対策課
    連絡先:静岡県感染症管理センター TEL 055-928-7220

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