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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

野田 治久 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/22/2023

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 当初予算編成を踏まえた財政健全化への取組について
2 伊豆地域の道路について
3 世界農業遺産静岡水わさびの伝統栽培の維持継承について
4 伊豆地域における林業振興について
5 カワウの被害対策について


○議長(藪田宏行君) 次に、十八番 野田治久君。
       (十八番 野田治久君登壇 拍手)
○十八番(野田治久君) 私は、自民改革会議所属議員として通告に従い県政の諸課題について知事、副知事及び関係部局長に一括質問方式にて伺います。
 初めに、当初予算編成を踏まえた財政健全化への取組について伺います。
 私は、議会の都度、編成された補正予算の審査や決算審査などを通じ本県の財政にこの一年間総務委員長として携わってまいりました。このことを踏まえて財政の課題について質問いたします。
 今二月定例会に令和五年度当初予算の議案が提出され審議のさなかであります。我が会派では県内各地の政調会や各団体等から聞き取り調査を行い、県民の求める重点事項について施策体系ごとに予算要望を取りまとめ知事に提案しています。
 一方、県では新ビジョン後期アクションプランを着実に推進するとともに、収支均衡に向け財源不足の圧縮に取り組み将来にわたって安心な財政運営の堅持を目指しています。十二月の要求状況の時点で財源不足額は新型コロナや物価高騰対策を除いて五百四十億円と大変大きな額であり、石川政策推進担当部長をはじめ財政当局、また各部局の職員各位も予算編成に御苦労されたことと推察しています。
 今月十日に発表された当初予算の基金残高は百八十九億円となっています。これはかつてのリーマンショックや最近では新型コロナウイルス感染症の影響によって税収が落ち込み基金残高が百億円を割り込んだ平成二十一年度や令和三年度ほどではありませんが、それに次ぐ低い水準であります。財政の赤信号とまでは言いませんが、黄色信号と言えるほどの財政状況ではないかと推察します。
 確かに、令和二年以降新型コロナウイルスの感染拡大に伴って景気は減速し県民や中小企業をはじめとした事業者の皆様は大変な苦労をしてこられました。近年になりやっと感染対策としての行動制限がなくなり社会経済活動の正常化が進むことで観光等のサービス業など本県経済は光も見え始め、コロナ前に戻るまでにあと一歩、二歩まで回復傾向にあると思われましたがロシアのウクライナ侵攻の長期化やエネルギーや食料価格の高騰、加えてコロナ関連融資の支援を受けた事業者への返還開始時期が迫る中、コロナ禍からの回復の道筋はなお不透明な状況にあり、県は県民や事業者の皆様の要望にしっかり応える必要があります。また激甚化する自然災害への対策をはじめ物価高騰対策や少子化対策、子供の安全の確保、脱炭素化やDXの推進といった国の政策に呼応した取組など政策の喫緊の課題に対してはしっかり予算を投入しなければなりません。
 しかしその一方で、決して次の世代に大きな負担を背負わせてはなりません。コロナ禍で大幅に膨らんだ歳出については、社会情勢の変化を踏まえて県の仕事をしっかり点検しやった方がよい仕事からやるべき仕事に重点化するなど行政の無駄を省き優先順位をつけためり張りの利いた予算にしていくことが重要です。家計や企業も同じことですが、無理をした経営を続ければいつかは破綻をしてしまいます。財政の信号が黄色信号が赤信号に変わってしまう前に、私は財政健全化へ本格的に取り組むべきと考えます。
 そこで、二点質問します。
 まず、今回の当初予算編成作業において特に困難だった点や新たに工夫したことについて伺います。また今回の当初予算編成を踏まえ安定した財政運営を実現するため来年度以降財政健全化にどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、伊豆地域の道路について伺います。
 十二月定例会における我が会派の一般質問、伊豆北部地域の道路渋滞についてに対し県当局から、伊豆中央道、修善寺道路を無料化した場合交通量が大幅に増加し渋滞や混雑の悪化が想定されることから高速性や定時性といった基幹道路としての機能を最大限に発揮させるため両道路の料金徴収期間の延長も含め渋滞の軽減に向けた総合的な検討を行うとの答弁がありました。観光が基幹産業である伊豆地域において、伊豆中央道、修善寺道路の料金徴収期限の延長は地域住民だけでなく伊豆を訪れる観光客や旅館やホテルを営む観光関係者にとっても大きな関心事であります。特に修善寺道路の熊坂インターチェンジから修善寺インターチェンジ間は、無料化されれば国道百三十六号から修善寺道路に交通が転換し横瀬交差点や修善寺駅周辺の渋滞緩和に寄与するものではないかという地域の声も多く聞こえてきます。
 一方、国土交通省は一月二十三日に召集された通常国会へ高速道路の料金徴収期限を二〇六五年から五十年間も延長する道路整備特別措置法の改正案を提出しています。私は国が高速道路の建設や維持管理の費用を利用者負担にするようにかじを切ったのではないかと受け止めており、静岡県道路公社が管理する伊豆中央道、修善寺道路の料金徴収期限の延長がどうなるのか大変気になるところであります。
 そこで、まず両道路の料金徴収期限の延長について、その後の検討状況を伺います。
 また、仮に料金徴収期限を延長するのであれば私は次の三つの課題について対応をしていただきたいと考えています。
 まず、伊豆中央道、修善寺道路の料金徴収はETC多目的利用サービスETCXが導入されているものの、ETCと混同して料金所に誤って進入する利用者が依然として多く渋滞の一因となっていることから、私はETCXに代わるETCの導入とETC専用レーン化が必要であると考えます。
 次に、修善寺道路の料金所を避けて市街地に流入する車両が修善寺駅周辺の渋滞を助長していることから、駅周辺の抜本的な渋滞対策を行う必要があると考えます。さらに地元には伊豆中央道及び修善寺道路の料金徴収期限の延長に関する情報がほとんど伝わっていないことから、地域の理解を得るためには課題や対策などの説明をしっかりと行わなければなりません。
 そこで、今後の料金徴収方法、修善寺駅周辺の渋滞対策、地域への説明にどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、世界農業遺産静岡水わさびの伝統栽培の維持継承について伺います。
 伊豆市を含む伊豆半島などで行われている畳石式の水ワサビ栽培は、その伝統的な栽培方法が評価され二〇一八年に世界農業遺産静岡水わさびの伝統栽培として認定されました。ワサビは本県を代表する地場産品であり市場でも高く評価されています。
 さて、昨年九月の台風十五号により清水区河内地区をはじめ静岡市では二十三か所のワサビ田が土砂に流されるなど生産基盤であるワサビ田に約四億四千万円もの甚大な被害が発生しました。被害を受けた生産者のうち七名が国・県の災害復旧事業、六名が独自復旧、一名が移設希望となっています。独自復旧を目指した方の中にはクラウドファンディングを立ち上げる生産者もいると聞いています。被災された方々にはこの場をお借りして心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りしています。
 一般的に、ワサビ田は急傾斜の山間地に多く存在していることから石積みが崩れワサビ田が崩壊してしまうことがあります。台風など自然災害が原因の場合は国の災害復旧事業を活用しますが、それ以外の場合は生産者が自らワサビ田の復旧を行ってきました。畳石式ワサビ田の復旧には独自の築田技術が必要ですが、生産者の高齢化やワサビ田の管理技術の向上により畳替えの機会が減りその技術継承が困難となっています。そのため崩落をきっかけに経営の縮小や廃業へとつながるおそれもあります。ワサビ栽培を将来にわたって継続させていくためには畳石式ワサビ田の構造を理解し築田技術を継承していくことが重要と考えます。
 加えて、ワサビ生産を継続していく上で課題となるのが優良な品種の確保であります。苗の均一性に優れている「伊づま」や栽培条件の悪いワサビ田でも旺盛に生育する「ふじみどり」は苗を大量に増殖でき現場で課題となっている苗の安定供給が期待されています。このような新たに育成された品種は本県ワサビ産地の振興にとって貴重な遺伝資源であり、品種登録により保護されるべきであります。特に海外需要が見込まれる地域への輸出に当たっては輸出先に勝手に増殖、生産されないための手だてを講ずる必要があります。
 そこで、世界農業遺産となった本県の水ワサビ栽培を後世に伝えていくためにワサビ田の築田技術の継承と育成された品種の保護について、県の所見を伺います。
 次に、伊豆地域における林業振興について伺います。
 森林には水源の涵養、洪水や渇水の緩和、山崩れ・土砂災害の防止など様々な働きがあり、この機能を持続的に発揮するためには間伐など森林の整備が必要です。
 このため、まずは森林から木材を利用することで地域経済を活性化しながら森林整備を進めます。植林と伐採を繰り返すことで森林が循環し再生して山を豊かにする。山が豊かになれば川が豊かになり、海が豊かになり、そこに住む人々も豊かになる。そしてそこには人が集まり観光も豊かになるという大きなサイクルが生まれるのであります。
 加えて、道から離れ林業の経営が成り立たない森林は森の力再生事業により人の手を入れることで荒廃森林が健全な姿を取り戻し、こうして整備された森林には下草や広葉樹が発生しさらに美しい森林へと再生していきます。
 伊豆地域の林業を見ると木材生産量はこれまで増加傾向で推移してきましたが、当地域には原木市場や製材工場が少なく域内での木材需要は多くないため、各現場で伐採され生産された丸太は県森林組合連合会の木材市場や富士市の合板工場へ販売しているものの、売り先までの輸送距離が長くトラックの往復回数に限界があることからトラックの確保に手間取り、また運搬コストがかかることが課題となってきました。さらにトラックの手配ができないと生産された丸太を随時運び出すことができず丸太が林道沿いにたまってしまうため伐採を控えざるを得なくなるなど、丸太生産工程にも支障が生じることもあったと聞いています。
 こうした中、一月十七日に県、国、市及び伊豆地域の森林組合など多くの関係者が列席の下、伊豆市大平に整備された丸太在庫調整機能を有する集積場である県森林組合連合会の中間土場の竣工式が行われました。木材生産現場と製材工場等の供給先の間に設けられたこの中間土場は伊豆地域の複数の木材生産現場から搬出された丸太を随時受け入れることができ、また大きさや長さなどの規格で仕分けてストックしておくことでニーズに応じて大型トレーラーで効率的に運搬することが可能になります。
 竣工式に出席した私には、近い将来その広大な敷地に伊豆の木材が山のように積まれている光景が目に浮かびました。念願の中間土場が整備されたことで伊豆地域の林業の新しい展開の足がかりができたことを確信したことは言うまでもありません。
 ウッドショック以降、住宅産業では外国産材の供給リスクを軽減する動きが顕在化し国産材回帰の大きな流れが起きています。伊豆地域の木材生産をさらに増大し、中間土場を核とした流通ルートを活用して伊豆産材の利用を拡大していく絶好の機会と考えます。
 こうした状況の中、伊豆地域における林業の振興に向けて県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、カワウの被害対策について伺います。
 カワウは、鮎などの魚を大量に捕食することや近年個体数が増加していることから河川の水産資源の状況を悪化させる大きな原因となっています。昨年十月に伊東市で開催された第六十三回全国内水面漁業振興大会でも提出された八つの議題のうち二つがカワウに関するものであり、全国的にもカワウ被害が深刻化していることがうかがえます。
 本県は、温暖な気候に恵まれた土地柄であるため時期によっては一万羽を超える個体が中部、近畿地方の各地から飛来するなどカワウの一大生息地となっています。かつては天竜川周辺の県西部地域が主な生息地となっていましたが、近年は東部の河川でも個体数が増加しています。
 私の地元の狩野川漁協は、釣り人の入漁料を主な収入源としているためカワウの食害によりアユが釣れなくなると収入の減少に直結し漁協経営に大きな影響が出ています。カワウの駆除に当たっては銃器捕獲により確実に個体数を減らすことが有効な手段ですが、狩野川流域では大部分の区域で銃器の使用が制限されており対策の実施が困難な状況にあります。漁業者もこれまでに様々な対策を行ってきましたが銃器捕獲以外にはいまだ有効な手だてがありません。やむを得ず飛来するカワウを追い払い続けていますが、生息地が広範囲に分布していることもあり人海戦術による対策では効果が限られています。
 こうした中、最近の研究によりドローン等を活用した新たなカワウ対策手法が開発され、高いところや河川の中洲など人の近づきにくいところや住宅地に近く銃器の使用ができない場所に生息するカワウ対策に大いに役に立っていると伺っています。
 昨年六月の定例会での質問に対し本県でもドローンを活用したカワウ対策について周知、促進していく旨の答弁がありましたが、現在の状況に新たな進展はあるのでしょうか。また今後県としてどのように対策に取り組んでいくのか、所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 野田議員にお答えいたします。
 世界農業遺産静岡水わさびの伝統栽培の維持継承についてであります。
 静岡水わさびの伝統栽培は今から四百年以上前に静岡市の有東木地区で始まり、畳石式に代表される独特な栽培方法によって長年優れた品質のワサビ生産に大きく貢献してまいりました。豊富な降雨と森林からの湧水を活用した独自の栽培技術やワサビ田が育む生物多様性、森林と調和した優れた景観、江戸時代以降の和食文化への貢献など世界からも高く評価され、今日世界農業遺産として認定を受けているところであります。
 一方、議員御指摘のとおり伝統栽培を将来にわたって引き継ぎ産業の振興を図っていくためには築田技術の継承や優良な育成品種の保護が不可欠であると考えております。
 このため、県では新たな伝承者を育てるためこれまでも築田技術の習得を目的として畳石式の構造や施工方法について学ぶ研修会を伊豆地域で開催してまいりました。これは熟練した技術を持つ農業経営士等による指導の下、若手生産者が荒廃したワサビ田の再生に取り組み土砂の撤去から石の積上げまで自らの手で行うことにより一連の技術を学ぶものであります。
 今後は、開催地域を全県に拡大するとともに研修会の内容を動画にしまして生産者に配付するなど、築田技術をいつでも学べる環境を整え技術継承を支援してまいります。
 また、県では成育が旺盛で形質のそろった新品種「伊づま」を貴重な遺伝資源として保護されるよう国内で品種登録をいたしまして栽培を県内に限定するとともに、輸出先である韓国やEUなど海外での品種登録も進めているところであります。さらなる品種の保護として、水量が少なく温度が高い環境下でも旺盛に生育する「ふじみどり」につきましては、現在国内の品種登録の手続を進めている段階であります。
 県といたしましては、市町やJA、生産者団体などとの連携を強化しながら築田技術の伝承や優良品種の保護に取り組みまして世界農業遺産静岡水わさびの伝統栽培を将来にわたって維持継承してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(藪田宏行君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 伊豆地域における林業振興についてお答えいたします。
 海外情勢の不安定化に伴う外国産材の供給不安により住宅分野を中心に国産材回帰への動きが高まっております。こうした状況を踏まえ伊豆地域の木材を使い製材、合板から近年需要が高まっている木質バイオマス用のチップに至るまで各用途の需要に応じた利用拡大を図るためには丸太の生産拠点づくりと木材の安定的な供給体制の構築が重要であります。
 丸太の生産拠点づくりに向けては、三次元点群データを活用した森林クラウド情報により生産性の高い木材生産団地をつくるためのエリアを選定するとともに、大型トラックで丸太を効率的に運搬するための路網や架線施設等の整備を重点的に進めております。またFAOIプロジェクトの先端技術コーディネーターによる林業経営体と技術企業とのマッチングの成果として苗木や獣害防護柵のドローンを活用した運搬など、今後も新たな技術の現場実装による主伐後の再造林の省力化に注力してまいります。
 木材の安定供給体制の構築に向けましては、県東部及び伊豆地域においてデジタル林業の戦略拠点を形成すべく伊豆市大平に整備された中間土場を核とした流通の再構築を目的として今月七日、林業経営体や木材加工業者、IT企業、研究機関等で構成するコンソーシアムを設立し三月下旬の国のデジタル林業戦略拠点構築推進事業の採択に向けて準備しております。
 今後は、林業経営体から提供される画像データ等により丸太の生産状況をリアルタイムで把握し伊豆地域等の木材需給を一元管理する効率的な仕組みの導入を進めるなど、デジタル技術を活用して需要変動に即時対応できる新たなサプライチェーンを構築してまいります。
 県全体の木材生産量五十万立方メートルの目標達成と定着に向け、生産性を高める基盤整備やデジタル化により木材の生産と利用を拡大することで伊豆地域の林業の振興を図ってまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 石川政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(石川英寛君) 当初予算編成を踏まえた財政健全化への取組についてお答えいたします。
 まず、当初予算編成作業において特に困難であった点でありますが、年々増加する社会保障経費をはじめ構造的に歳出が増加する中、感染症や自然災害などの喫緊の課題、将来の成長につながる投資など様々な行政需要に対しいかに優先順位をつけ限られた財源を効果的に配分するかという点に注力いたしました。また今回は国の臨時交付金がなくなるなどの大きな事情変化にも対応が必要でございました。
 工夫した点につきましては、本格的なウイズコロナへ転換するためコロナに対応した時限的対策や財政出動の正常化に向けソフトランディングする予算を編成いたしました。令和五年度を移行期と位置づけ、観光需要などが本格的に回復するために、国の需要喚起策の縮小も踏まえ本県に必要となる支援策を盛り込んだところであります。さらに物価高騰対策についても、国の対策を前提として新事業展開や脱炭素化の加速など中長期的な視点で必要となる予算を計上いたしました。
 次に、来年度以降の財政健全化への取組についてでありますが、議員と同様に強い危機感を抱いております。目下の最大の課題は財源不足額がリーマンショック直後の平成二十一年度以来となる五百億円を上回ったことであります。目標とする収支均衡を達成するためにはこの財源不足額を圧縮することが極めて重要であります。
 このため、歳出・歳入について聖域なく点検し見直します。
 歳出では、費用対効果の再確認に加え市町や民間との役割分担、類似団体との比較など多角的に検証を進めてまいります。また歳入では県有財産の売却やネーミングライツなどの新たな財源の確保、受益と負担の適正化などあらゆる手法を検討してまいります。一方で喫緊の課題への対応や本県の発展に資する将来性のある取組に対しましてはしっかりと財源を確保し集中的に資源の投入を図ってまいります。
 財政健全化に近道はなく、歳出の見直しと歳入の確保に一つ一つ丁寧に取り組むことが不可欠であります。将来世代に大きな負担を残さないよう、また本県がさらに発展できるよう持続可能な財政運営の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 伊豆地域の道路についてお答えいたします。
 伊豆地域の背骨となる伊豆縦貫自動車道につきましては、来月河津下田道路の一部区間が開通するなど着実に整備が進められておりますが、全線の開通までには長期間を要するため伊豆中央道、修善寺道路が引き続き伊豆地域の基幹的な道路としての役割を担うことになります。また平成二十七年の圏央道の開通による広域道路ネットワークの充実や韮山反射炉の世界遺産認定などにより両道路の交通量が大幅に増加し、現在休日を中心に渋滞が発生しております。
 両道路を無料化した場合、交通量を予測した結果約二倍になることが確認されさらなる渋滞の悪化が予想されることから、引き続き高速性や定時性といった基幹道路としての機能を最大限発揮できるよう静岡県道路公社とも調整を行い両道路の料金徴収期限を延長する方針といたしました。加えて両道路の通行車両を分散させるため国道四百十四号静浦バイパスの残る区間の整備に有料道路事業を導入し一日も早い全線開通を目指してまいります。
 料金徴収方法につきましては、令和三年に導入したETCXは料金所での一時停止が必要なことなどから改善を求める声を頂いております。このため料金所の処理能力向上に資するETCの導入と専用レーン化を目指すこととし、システムを管理する高速道路会社と実現に向けた協議を開始してまいります。
 修善寺駅周辺の渋滞対策につきましては、伊豆市や警察と連携し国道百三十六号横瀬交差点の信号時間の調整や県道伊東修善寺線の交差点改良に取り組んでまいりましたが渋滞解消には至っていないため、抜本的な対策となる修善寺橋の改良の検討に着手してまいります。
 料金徴収期限の延長に当たっては伊豆地域の道路の現状と課題、伊豆中央道、修善寺道路の利便性向上策、生活道路への流入対策などの総合的な対策について地域の皆様へ丁寧に説明することが重要であると考えております。このため両道路のある伊豆市や伊豆の国市において年度内に説明会を開催してまいります。
 県といたしましては、地元の皆様や伊豆地域を訪れる全ての方々に安全で快適に利用していただける道路ネットワークの実現に向け引き続き取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) カワウの被害対策についてお答えいたします。
 鮎などの川魚に深刻な被害をもたらすカワウ対策として県では漁業協同組合が行う銃器等による防除を支援してまいりましたが、近年では生息範囲が広域的に分散し巣の発見が困難になっている場所や銃器の使用が制限される区域での対策が課題となっております。
 このため、県では専門家のアドバイスを受けながら天竜川流域でドローンを活用したカワウの生息状況の把握や下流への追い払いなどの実証実験を実施いたしました。今後はその成果を踏まえ狩野川流域など他地域への拡大を進めてまいります。
 また、ドローンの導入に当たりましては高額な導入費用や高度な操縦技術が必要となることから、新たに機器購入への助成を行うほか国の過疎地域等政策支援員制度を活用して専門人材を派遣するなどドローンを活用した対策を積極的に推進してまいります。
 県といたしましては、市町や漁業協同組合等と連携しながら先端技術を活用し効果的な食害対策を行うことで鮎をはじめとする水産資源の維持、回復に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 野田治久君。
       (十八番 野田治久君登壇)
○十八番(野田治久君) それぞれ答弁を頂きましてありがとうございました。
 意見を二つ言わせていただきまして、要望を一点させていただきます。
 まず、伊豆の林業でございますが、デジタル林業戦略拠点の構築であったりとか一元的に管理するコンソーシアムのようなもの、この辺がまだ私にはどのようなものか見えてまいりませんが、実は一月十七日に竣工いたしました中間土場、先日見てまいりました。山のようにもう木材が積まれておりまして早くもいろんな動きが始まったんだなというように感じました。中間土場というものはですね、足がかりとなってどんなにその林業の振興につながるかよく理解ができたところでございます。ここは本当に期待をして見守りたいなと思っておりますし、木材のその生産、循環、山の循環というものが非常にその地域にとって大きなサイクルになって、それがSDGsとか脱炭素につながっていく動きになるんだなということも感じましたので意見とさせていただきまして大いに期待をしております。
 それから財政の健全化でありますが、事業の見直し、歳入アップ、歳出カット、当たり前のことでありますがこんな難しいことはなかなかないと思っています。ビルドアンドスクラップであるとかめり張りの利いた事業というふうに口で言うのは簡単ですが、その裏で実際にそういう作業をされている方が大変な苦労をされているということを私たちもよく理解をしなければいけないな、特に将来の静岡に向けて投資をしなければならない、そういう事業がプラスであればあるほどカットをしていかなければならない事業もあるわけで、終了を余儀なくしたり大幅に予算をカットしなければならない、そういう事業があるということを私たちも議員としてですね、謙虚な気持ちを忘れないで使命感を持って議案審議にこれからも取り組んでまいらなければならないなとそのように思っております。
 最後に要望を一点、道路でありますが、十月の無料化は延長されて有料のままでいくということだと思います。私がちょっと質問の中でお願いした点、これ三つ主に伊豆市の立場で質問を考えました。この中で太田部長から修善寺橋の改良という言葉が明言されたというのは非常に我々にとったら大きな成果でございまして、本当に交通の起点となるところで大変に難しいところでございますので非常にありがたい話だと思って伺っていました。
 ただ、そういうことが中央道、修善寺道路の間に伊豆市以外の市町さんもあるわけでして、それぞれの地域でそれぞれの思いや要望はあると思いますのでそういったこともよく理解をした上で丁寧な説明会というものに臨んでいただきたいなと思います。
 それから、質問の中に私入れておいたんですが、修善寺道路のうち修善寺インターから熊坂インター間、ここは今までETCもETCXもなくて係のおじさんが一人いて通行量も非常に少ないところです。具体的な数字は分かりません。ただここが無料化になると車の通り方が大幅に変わる可能性があります。百三十六号線の横瀬交差点を通らないで天城のほうから来た車、修善寺の温泉場から来た車がその区間だけ通って降りる車が増える可能性がある。ですから一度決めたことでもですね、そういった車の流れが転換をして効率性とか採算性とか今後のことも考えた場合、条件が満たせば改善ができる、そういった柔軟性もぜひ残しておいていただきたいなと思っています。要望といたしまして質問を終わります。(拍手)
○議長(藪田宏行君) これで野田治久君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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