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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 節子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/29/2020

会派名:

日本共産党静岡県議会議員団


質疑・質問事項:

1 新型コロナウイルス感染症の克服を展望した県政の諸課題
 について
(1) コロナ危機を乗り越える県の独自施策の展開
(2) 医療体制の構築
  ア 保健所体制の機能強化
  イ 感染症病床の増床
  ウ 地域医療構想の進め方
(3) 国民健康保険
(4) 児童生徒への支援と教育体制
  ア 児童相談所の体制強化
  イ 学校現場の創意工夫と自主性の保障
  ウ 教員増員による教育条件の抜本的整備


○副議長(良知淳行君) ただいまから会議を再開いたします。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、一番 鈴木節子君。
       (一番 鈴木節子君登壇 拍手)
○一番(鈴木節子君) 日本共産党の鈴木節子です。
 通告に従い知事、副知事及び関係部局長並びに教育長、教育部長に当面する県政の諸課題について一括質問方式で伺います。
 全世界が人類の歴史上これまで経験のしたことのない新型コロナウイルス感染症を経験し、これまでの政治と社会の在り方が根本から問われています。県政ではポストコロナを展望し感染症拡大抑止、命と健康、暮らしを守り格差と貧困を増大させない取組をどう進めるかが問われています。私は新型コロナウイルス感染症の克服を展望した県政の諸課題について中長期的な施策展開策について質問をいたします。
 まず、一項目目、コロナ危機を乗り越える県の独自施策の展開について伺います。
 国の第二次補正で地方創生臨時交付金の二兆円増額が決定し県には四百五十億円が追加交付され独自施策に充てることのできる財源は確保されたところです。しかし交付金の活用には事業者への損失補償には充当しないことなどの留意点があり使途は限定されています。また中小業者の減収を補填し地域経済に活気を取り戻す問題や病院の減収補填で深刻な経営破綻を食い止め命のとりでである医療機関を守る問題など解決できない課題が残されています。ウイルスは地球上に存在し続け、ワクチンが開発できるまでは感染症の新たな流行は自治体ごと時期も状況も異なることが予想されます。また本県は圏域が広く感染症の実態と要望も地域により様々です。国待ちではなく地域の実情に応じてきめ細かく応対するためには県だからこそ市町との連携と協力で施策展開が可能という側面もあります。
 ついては、二月議会以降の補正予算で国の施策を補う県独自の施策はどのようなものがあるのか伺います。また次の感染症流行に備え市町の状況に即し県の独自施策をどのように展開するのか方針を伺います。
 第二項目目、医療体制の構築について伺います。
 新型コロナウイルス感染症を経験し政府の医療構造改革の掛け声により医療費削減、社会保障費抑制で我が国の保健、公衆衛生の体制が大きく弱体化していることを問い直す時に来ています。急性期ベッドを減らしていく、公立・公的病院の統廃合を進める、保健所を減らしていく、こういうことが日常的に医療の迫状況を作り出してしまった、命を脅かす危機に対応できない脆弱な状況を作り出してしまったことに反省の上で的確な対策が必要です。
 では三つの項目で問題提起をさせていただきます。
 最初に、保健所体制の機能強化について伺います。
 第二波の兆候を的確につかみ感染症拡大を封じ込めるためには保健所の役割は重要です。しかし保健所は一九九四年の地域保健法制定により保健所が全国一九九二年度八百五十三か所から二〇二〇年度には四百六十九か所にまで削減され予算や人員も削減されてきました。職員総数は約三万四千人から二万八千人に減らされ、公衆衛生の向上や増進を図るべき中心機関が少ない人員で広い地域を担当し住民密着型の業務が困難になっていました。ここに新型コロナウイルス感染症が直撃し一般の保健所業務に加え相談窓口やPCR検査実務、検体輸送、濃厚接触者からの聞き取りなどマンパワー不足の中、業務過多、手探りでの業務が続きました。職員は不眠不休で奮闘いただきましたが抜本的な体制強化の必要性が痛いほど実感されたのではないでしょうか。保健所は平素から地域社会の疾病予防や住民の健康増進をはじめ難病、精神疾患などの業務を実施しており、感染症対策をこれらの業務と並行しながら実施するにはマンパワー不足を解消し拡充させることが不可欠です。県内に医科大学、看護師養成学校などの医療専門機関があり専門的知識集団との連携強化で知識の共有や施策への反映も重要と考えます。
 ついては、今回のコロナ危機を契機に保健所のチーム体制づくりと機能強化で感染症対応の最前線での体制強化が求められますが、どのように取り組んでいくのか伺います。
 二点目に、感染症病床の増床について伺います。
 全国の感染症病床は、一九九五年の九千九百七十四床から二〇一八年には千八百八十二床にまで削減されました。一般病床や精神病床に比べ感染症病床はかなり少なく一般病床が全体の五七・六%、精神病床が二一・三%に対し感染症病床は〇・一%です。本県もちょうど〇・一%です。日本国内の累計感染者数約一万八千三百九十人、死亡者九百七十一人に対して感染症指定医療機関は千九百床弱、本県は感染者数累計八十人に対し十病院四十六床です。
 そもそも、感染症用病床が少な過ぎる背景には医療費の抑制を優先し赤字とされる病院や診療科の統廃合を求め続けてきたツケが回っているのではないでしょうか。陽性患者を受け入れた一般病院の医療従事者からは未知の対応で不安と心配が常にあった、うつされる不安、うつしてしまう不安、院内感染の不安が交錯した、また患者の心のケアをするのに大変苦労した、知識スキルは医師を含め勉強会をやり、ようやく補えたが次の流行時は難しいと語っています。また感染症病床が足りず不測の事態に対応できない、今はぎりぎりの状態、感染症は突然発生する、ふだんは稼働率が低くてもいざというときに使えるようにしておくことが重要、医療費抑制や効率ばかり追求していたら立ち行かなくなるとの指摘もあります。
 質問です。新型コロナウイルス感染者を受け入れる第二種感染症指定医療機関の病床は四十六床ですが、一般病床も含め二百床確保しホテルにも軽症患者を受入れとし百五十五室借上げ全県三百室を準備しています。ピーク時の病床必要想定数四百床というのはどういう根拠で算定し確保できる見通しはあるのか伺います。
 また、新型コロナウイルスは地球上に存在し続け新たな流行は数倍とも言われどのような規模になるかは不透明です。ここ三十年間で少なくともエボラ出血熱、SARS、MERSなど毎年のように新興感染症など三十の感染症が新たに発見されており、今後未知のウイルス感染症の出現も否定できません。それに備えて万全の感染症用病床確保と体制を整備する必要がありますが病床のやりくりや一般病棟の切替えではまた感染を恐れ受診抑制、病院経営や医療崩壊の危機を繰り返すことにつながります。中長期的な視野での感染症病床確保の展望と対応策はどういうものか伺います。
 三点目に、地域医療構想の進め方について伺います。
 厚労省は、地域医療構想の九月までの結論取りまとめの先送りを決定しました。地域医療構想は高齢化社会対応という名目で病床数を三十三万床削減する構想です。本県も三万一千四百床から二万六千五百床まで約四千八百床削減をする計画です。将来の人口減少や高齢化に備えた構想と説明しますが厚労省作業部会でも感染症対策のためには平常時に医療体制を強化しておく必要があるとの指摘もあります。構造改革の名の下、医療費抑制策で病床稼働率を高め患者の入院日数を短期化し効率優先の病床管理など推進してきたことを改める必要があります。
 一般病院で陽性患者を受け入れた病床は、再編統合で減らそうとしている急性期病床に当たります。公立・公的病院に新型コロナウイルス感染患者が多く入っており次の流行時は病院機能も麻痺しかねません。緊急時対応のため即対応できる体制が必要です。多くの首長、病院長からは公立・公的病院の役割がいかに重要であるか再認識した、病床削減や再編はするべきではない、また住民からは頼りにしている病院がここにあるから住み続けられる、もっと充実すべきだとの意見が多数上がっています。
 ついては、地域医療構想の議論に当たりこのような意見を尊重し病院再編統合は行わないと断言するのか、構想はどう進める方針なのか伺います。
 また、地域医療構想は病院病床の再編統合ではなく地域の病院を守り感染症病床である急性期病床確保策を重要視すべきですが、方針はどうか伺います。
 次に三項目目、国民健康保険について伺います。
 国保の都道府県単位化から三年目となり、今年度から一般会計から繰入れを行う自治体に対し交付金を削減するマイナス査定が実施をされます。これにより繰入れを行う自治体は激減し国保料引上げが毎年繰り返される負のスパイラルが危惧されます。コロナ危機により住民の暮らしが迫しているとき国保料値上げによる負担増を回避する手だてがより必要となりました。国は加入者の減収に対し国保料を減免する自治体へ財源を措置しますが減免の対象となる世帯はごく限定されています。
 質問です。国の制度では減免されない世帯を対象に県も独自の国保料減免措置で暮らしを守る必要がありますが、どのように対応するのか見解を伺います。
 保険料の水準について今年度まで統一の目標時期等を協議するというふうになっていますが収納率や賦課方式の統一化、標準保険料率の一本化、赤字繰入れの解消を進めれば保険料は値上げされ収入減で困窮している加入世帯の暮らしを一層脅かすことになります。一旦、統一化の流れを中断すべきですが協議はどのように行うのか、認識はどうか伺います。
 また、国保運営協議会委員の任期が今年度で終了することに伴い委員の公募で広範な県民の意見を反映し活発な議論を行うことは国保事業の運営上受け入れない理由はありません。委員公募をすべきですがその方針を伺います。
 次に第四項目目、児童生徒への支援と教育体制について伺います。
 緊急事態宣言が解除され県立高校は五月二十五日から小中学校は五月中旬以降、地域の実情に応じて順次授業を再開しました。約三か月もの長期の休みにより子供たちの不安とストレス、学習の遅れと学力格差の拡大、生活リズムの乱れが顕著であり対応策を質問をいたします。
 まず初めに、児童相談所の体制強化についてです。
 昨年度の県内の児童虐待相談件数は、前年度より五百五十件増加し統計開始以来最多の三千四百六十一件です。そのうち警察経由が約四割を占め種類別では心理的虐待が過去最高の二千一件、全体の六割を占めています。今年度に入り感染症拡大による家庭内のストレスが児童虐待のリスクを高める要因にもなっていますが、外出自粛や休校により学校が虐待を発見する機会が減ることによる児童虐待の潜在化が懸念されます。
 質問です。昨年度と今年度五月までの児童相談所に寄せられた虐待相談対応件数と傾向はどのような状況かを伺います。
 また、児童虐待が増加傾向にありますが複雑で困難なケースに対応する職員には豊富な経験と子供の権利を軸にした揺るぎない信念が求められます。ついては児童相談所の体制は子供目線での対応を基本とする専門職を増員し経験の蓄積と継承、質の向上を図るため今後どのように体制強化をしていく方針か伺います。
 二点目に、学校現場の創意工夫と自主性の保障についてです。
 学期末と新学期を挟んで約三か月もの長い休校から学校再開に当たり子供の心身のストレス、精神面でのケアをすることが学びを進める前提となります。子どものからだと心・連絡会議が実施した静岡県を含む学校の親子を対象にした調査によりますと、休校中に困っていることとして上げた項目は、思うように外に出られない、友達に会えない、運動不足になる、感染症が不安、勉強を教えてもらえないと訴えています。また休校中出された課題が難しく学校に電話しても先生につながらず分からないまま授業が再開してしまった。しかし授業は進み方が早く一気に進んでしまい、ますます分からないことが取り残されて不安だという声もあります。さらに心の状態を聞く項目では集中できない、やる気が出ない、怒りっぽい、いらいらする、頑張るのが難しいなどSOSを発していることが分かります。休校で遅れた授業を取り戻すことは必要ですが、不安や悩みを抱えた子供たちの心を丸ごと受け止め学校が安心して過ごせる場所にすることが最優先の課題です。
 学校再開に当たり、文科省からの通知で児童生徒の過度な負担とならないよう配慮する、学習内容の重点化など学習指導要領の弾力化の内容がある一方で七時間授業、土曜授業、行事の削減、夏休み短縮では詰め込み教育となり新たなストレスをもたらしかねません。
 質問です。基礎学力の保障、学習の遅れの取戻し、学力格差是正という観点と子供のストレスを解消するという両面からの視点が求められます。教科書の記載事項に拘束されるのではなく教職員の集団的議論に基づく柔軟な教育課程づくりを進めることが今求められています。学習内容の精選で核となる学習事項を見定めて深く教えそれ以外は教科横断で学ぶなど学校現場の創意工夫と自主性を保障すべきですが、どう対応するのか伺います。
 三点目に、教員増員による教育条件の抜本的整備について伺います。
 学校再開に当たり、文科省は三密を避け身体的距離を確保することを掲げています。教室での新しい生活様式は基本となり今後感染レベルが上がった場合、面積上さらに無理が生じます。日本教育学会も提案しているように、小中高校それぞれに教職員を増員し当面は加配や空き教室を活用しつつ本県も将来的には静岡式三十五人学級をさらに前進、拡充させる方向に踏み切るべきです。教師は休校中も児童生徒の家庭での状況把握、家庭学習の課題づくり、再開後の健康管理、教室の消毒作業などさらに業務過多になっています。
 このようなコロナ危機の下、教師の増員で子供一人一人に寄り添った教育は不可欠であり教育条件の抜本的整備のために教員増は必要ではないか、将来展望を含め方針はどうかを伺います。
 また、学校は感染防止の観点から不安を訴える子供に保健室で休ませることはしません。下校をさせてしまい心のケアもできてはいません。児童生徒、保護者、教師も精神的にストレスや不安を抱えています。スクールカウンセラーさんの役割は今、大変多種多様で重要です。果たすべき役割や位置づけは何かを伺います。
 また、スクールカウンセラーさんは中学校区一人ですけれども、全小中学校配置に増員をしスクールソーシャルワーカーも増員して、きめ細かく子供の心に寄り添うべきです。国の第二次補正には、追加的に状況に応じて必要な措置を対応するとあります。このスクールカウンセラーさんの増員、配置についての方針を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 鈴木節子議員にお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の克服を展望した県政の諸課題についてのうち、コロナ危機を乗り越える県の独自施策の展開についてであります。
 新型コロナウイルス感染症対策は、県民の命、健康、暮らしや本県の経済、社会を守るため現在取り組むべき最重要課題の一つと認識しております。このため必要な施策につきましては国の制度や予算措置を待たずに四回の補正予算や予備費の活用などにより、また県議会の御支援御協力を賜りまして機動的に対応してまいりました。三月末には、まだ緊急事態宣言は発動されておりませんでした。しかし新型コロナウイルスによる影響は、リーマンショックや東日本大震災を上回るものになる可能性が大きいという危機感を持ちました。
 そこで、中小企業の資金繰りの迫を想定し国に先んじて直ちに保証料を全額免除する県単独の融資制度を緊急に創設いたしました。この際、貸付利率の低減には市町の御協力を頂きました。このほか病床確保支援と妊産婦のウイルス検査費用における国の基準額を上回る助成、工賃が減少した障害のある方への支援、業態転換や新サービス展開に挑戦する中小企業への助成、国のゴー・トゥー・キャンペーンに先行する観光キャンペーンなど数多くの本県独自の施策を実施しております。
 また、休業要請も首都圏や中京圏に隣接する本県の地域特性がございますので、それを踏まえた本県独自のものといたしました。地域の実情に応じまして市町が独自に行う休業要請がございます。それに対しまして交付金で支援をしたということです。県と市町の二段構えにより地域の実情に応じたより実効性の高いものになりました。本県の感染拡大防止に大きな効果があったと考えております。
 また、県内外の感染状況の監視、分析を行い警戒レベルと行動制限を毎週金曜日に分かりやすく示す本県独自のシステム、ふじのくにシステムを用いまして市町と情報を共有し県民の皆様に感染予防のための最新情報を提供しております。さらに全国的には県境をまたいだ移動の自粛が推奨されている中、山梨県との間の移動制限を緩め協力して経済を回すフジノミクスも実行に移しました。ウイズコロナ時代、アフターコロナ時代の総合的経済対策これがフジノミクスであります。
 新型コロナウイルス感染症対策は、ワクチンや治療薬が実用化されるまでは感染拡大防止と経済再生の両面を図らねばなりません。言わばヘルスとウエルスの両面の対策が必要であります。
 県といたしましては、今後とも市町の状況や要望等現場の声をしっかりと受け止めまして、追加の施策が必要となればこれまでと同様国を待たずに地域の実情を踏まえた県独自の対策を市町との連携の下で機動的に実施してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(良知淳行君) 出野副知事。
       (副知事 出野 勉君登壇)
○副知事(出野 勉君) 新型コロナウイルス感染症の克服を展望した県政の諸課題についてのうち、医療体制の構築についてお答えいたします。
 保健所体制の機能強化についてでありますが、保健所は食中毒などの食品衛生や廃棄物処理などの環境衛生、医事・薬事等に係る監視・検査、精神保健福祉や難病患者の支援等、幅広い分野で地域保健における広域的、専門的、技術的拠点としての役割を担っております。
 今回の新型コロナウイルス感染症への対応に当たりましては保健所業務のうち県民の生命、健康に直接に関わる業務等、縮小や延期ができない業務を優先して実施したほか職種や所属を超えた全庁的な応援体制を確保することにより感染拡大防止対策と保健所の他の業務との両立を図ってきたところであります。
 具体的には、積極的疫学調査等の医療的な知識や経験を要する業務につきまして保健師に加え薬剤師等によるチーム体制を構築したほか、相談業務等では本庁や地域局の保健師、県立看護専門学校の教員や元県保健師の応援を得るなど保健所の職員体制を緊急に強化いたしました。
 今後は、感染症対策に係る保健所業務を検証し非常時における職員の機動的な配置を可能とする体制の整備や感染症対策に係る研修の実施により平時から対応力の向上に努め、感染症発生等の緊急時には全庁的に職員が迅速かつ的確に対応できる体制を整えることにより最前線で県民の生命、健康を守る役割を果たしてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 藤原健康福祉部長。
       (健康福祉部長 藤原 学君登壇)
○健康福祉部長(藤原 学君) 新型コロナウイルス感染症の克服を展望した県政の諸課題についてのうち、医療体制の構築についてお答えいたします。
 感染症病床の増床についてでありますが、県内における患者数のピークは四十人でありました。本県よりも人口規模の大きな近隣の県における患者数のピークは約二百五十人から四百五十人でありました。今後本県におきまして近隣県を上回る流行や大規模なクラスターが発生したといたしましても、人口規模まで踏まえますと入院患者の受入れには四百床の病床により対応が可能と考えております。
 また、病床の確保につきましては空床補償の拡充や設備整備の支援を行うことにより流行の段階に応じた確保ができるものと考えております。中長期的な感染症病床の確保の在り方につきましては、このたびの新型コロナウイルス感染症における対応や課題等を踏まえ再び感染が拡大する局面も見据えて国が示す統一的な制度設計の下で検討すべきと考えており、今後国の動きを注視し対応を進めてまいります。
 次に、地域医療構想の進め方についてであります。
 公立・公的医療機関をはじめとする県内の医療機関の皆様には、感染患者の受入れや帰国者・接触者外来の開設など今回の新型コロナウイルス感染症への対応とともに通常の医療の維持にも大変な御尽力を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。
 これからの地域医療構想の議論におきましては、医療機関に担っていただく役割の一つとして感染症が発生した場合の対応をこれまで以上に考慮していかなければならないと考えております。
 一方で、高齢化や人口減少を背景に長期的な視点に立った医療需要に対応する必要な病床につきましては、各構想区域にふさわしいバランスの取れた体制の構築が不可欠であると考えております。
 今後は、感染症に対応する病床の確保と将来の医療需要への対応の両立を目指して八つの構想区域ごとに設置した地域医療構想調整会議におきまして市町、病院、医師会等の御意見を丁寧に伺い地域の合意形成を図り県民の皆様が住み慣れた地域で安心して暮らしていただける地域医療の実現に努めてまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症の克服を展望した県政の諸課題についてのうち、国民健康保険についてであります。
 新型コロナウイルス感染症拡大による加入者の減収に対しましては、国の減免支援策を有効に活用して減免措置を行うよう市町に働きかけを行っております。なお保険料収納不足となった市町から県の国民健康保険財政安定化基金の貸付けの要請がありました場合には速やかに対応してまいります。
 保険料水準の統一につきましては、一人当たりの医療費や収納率など市町間に差がありますことから静岡県国民健康保険運営方針に基づき医療費適正化の取組などを進め市町と十分な協議を行ってまいります。
 県国民健康保険運営協議会の現在の委員選考につきましては、地域の実情に明るく国民健康保険制度について見識を備えた方を市町から推薦していただいており加入者の意見が反映される委員構成であると認識しております。
 県といたしましては、市町と共に県民の皆様が安心して医療を受けられる持続可能な国民健康保険制度となるよう取り組んでまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症の克服を展望した県政の諸課題についてのうち、児童生徒への支援と教育体制についてであります。
 児童相談所の体制強化についてでありますが、本県の児童虐待相談対応件数は全国と同様に増加傾向にあり令和元年度は三千四百六十一件、平成三十年度の二千九百十一件から一九%増加いたしました。この傾向は令和二年度になっても続いており、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が本県にも適用された四月及び五月につきましても昨年同時期の四百七十一件から一四%増の五百三十七件となっております。
 この間の相談内容を見ますと、休業になった夫が子供の前で妻に暴力を振るい面前DVの通告があった事例や臨時休校でゲームばかりしている子供を親がたたいてしまった事例などがあり一部には新型コロナウイルスによる影響が出ているものと考えられます。
 県では、増加が続く児童虐待に対応するため平成二十九年度から令和二年度の四年間で児童相談所の児童福祉司を二十三名、児童心理司を四名、一時保護所職員を二名増員しており今後も計画的に必要な人員の確保を進めてまいります。
 また、児童相談所の職員は専門性の高い知識と技術が求められますことから、外部講師から法的知識や面接技法などを学ぶ研修や実例を活用したケーススタディーなどを継続して行うほか、医療関係者との合同研修や家庭への立入調査を想定した警察との実践的な訓練にも一層力を注ぎ職員の資質向上を図ってまいります。
 県といたしましては、今後とも児童虐待の防止に全力で取り組み全ての子供が大切にされる社会の実現に努めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 新型コロナウイルス感染症の克服を展望した県政の諸課題についてのうち、児童生徒への支援と教育体制についてお答えいたします。
 学校現場の創意工夫と自主性の保障についてでありますが、六月に入り県内全ての学校が再開されたところであり、感染症予防対策を最優先にしながら児童生徒及び教職員の負担に配慮して子供たちが健やかに学べる保障をしていくことが重要であります。文部科学省通知におきましても学校、家庭、地域が連携しあらゆる手段で子供たちを誰一人取り残すことなく最大限に学びを保障するという観点に立って対応していくこととされており、設置者や学校が地域や児童生徒の実情に応じて教育課程の編成を工夫するよう求めております。このため学習の状況に応じて柔軟に授業が実施できるよう授業内容の入替え等により共通する指導事項をまとめて教えるなど、限られた授業時数の中で効果的な指導を行う工夫をまとめた資料を作成し市町教育委員会に提供したところであります。
 県教育委員会といたしましては、今後とも市町教育委員会と連携しながら学校が主体となりそれぞれの状況に応じて創意工夫した柔軟な取組によって子供たちに寄り添った教育が行われるよう支援してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 長澤教育部長。
       (教育部長 長澤由哉君登壇)
○教育部長(長澤由哉君) 新型コロナウイルス感染症の克服を展望した県政の諸課題についてのうち、児童生徒への支援と教育体制についてお答えいたします。
 教員増員による教育条件の抜本的整備についてでありますが、現在県内の各学校におきましては密閉、密集、密接の三つの密を回避し手洗い、せきエチケット、消毒の徹底等の感染予防対策を講じ児童生徒の安全の確保を第一に教育活動を行っております。既に全ての小中学校におきまして一学級三十五人以下の編成により教室内での身体的距離が確保されております。さらに学校再開に当たりましては、学習に遅れが生じないよう児童生徒の学習を授業においてサポートする学習支援員や増加した事務的業務を教員に代わって行うスクール・サポート・スタッフを増員し、児童生徒に対してきめ細かな教育を行ってまいります。なおさらなる児童生徒への学習指導の充実や教員の負担軽減を図るため教員の増員につきまして引き続き国に要望してまいります。
 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーにつきましては、日頃から小中学校間で情報を共有しながら児童生徒からの相談に丁寧に対応しております。学校再開後におきましては、より児童生徒の心に寄り添った手厚い心身のケアが必要でありますことから学校の状況に応じて派遣回数を増やすなど柔軟に対応してまいります。
 県教育委員会といたしましては、今後も学校内の安全が確保できるよう十分な感染予防対策を講じながら児童生徒の学校生活や教職員の教育活動が円滑に進められるように支援してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 一番 鈴木節子君。
       (一番 鈴木節子君登壇)
○一番(鈴木節子君) 今、それぞれ答弁を頂きましてありがとうございました。
 それでは、再質問で要望二点と再質問を三点させていただきます。
 まず最初に知事が答弁いただきましてありがとうございました。県独自で国を待たずにこれから市町と協力し連携しやれることはやると大変力強い御答弁をいただきました。ただ多岐に分野にわたって医療体制それから自営業者の経営を、また元気を取り戻す問題多岐にわたっていろんな問題がありますけれども病院の医療機関の外来減による減収という問題が大変深刻です。このままだと医療崩壊の危機に直面せざるを得ないところまで来ております。その対策としては患者さん受入れのためにベッドを空けておくところの補償はありますけれども、そこにぜひまた工夫をしていただきたいというふうに要望いたします。
 もう一点は、国民健康保険の運営協議会の公募の関係です。お答えでは、この運営協議会の委員には求められる能力として地域の実情に詳しく見識ある方だと、それも市町からの推薦であるということでしたけれども、県内でも運営協議会の公募をしている静岡市がありますけれどもそこはきちっと公募をして面接をし、しっかりその方の意思もやる気も見識も確認をした上で運営協議会に参加をしていただいて十分に議論はできております。ですのでそうしたことを踏まえれば、公募をすればしっかりとそれに応えられる方は公募をしてきますので、今の国民健康保険運営協議会の皆さんも見識はありますけれども公募をするという方向にぜひ切り替えていただきたいと思います。
 それでは、再質問をいたします。保健所の問題です。
 大変職員の皆さんが苦労されて、本当に本庁からも応援を頂いたというのがよく分かります。ふだんの公衆衛生と加えて感染症対応という意味では大変な御苦労があったと思います。その実情は痛感されているというふうには思いますけれども、今後どうして保健所の機能強化をしていくかという質問に対しては今後検証して職員の機動的整備を行う、全庁的で迅速に対応するということでしたけれども、今ある職員ではもうこれでは手いっぱいだという悲鳴が本当は職員が自ら声を上げたいのではないかと思います。ですので今の職員体制では不十分だという認識に立つべきだと思いますがその辺の認識を再度伺いたいと思います。
 それと質問の二点目は地域医療構想についてです。
 なかなかこれは公立・公的病院の役割は重要だといういろんな首長それから病院長の声がありますけれども、それに対して高齢化にふさわしくバランスを取っていくんだというようなお答えでした。今回この感染症によって公立・公的病院の多くが感染症の患者さんを受け入れていただけました。その下で病院長、首長が一斉に訴えておられるのは地域の公的・公立病院はやはり必要だと、再編・統合はやはり安易にすべきではないということを異口同音に訴えていらっしゃると思います。
 この地域医療構想の進め方については、基本が首長や病院長の意見を尊重するというのが前提になっています。ですのでこのような首長や病院長の皆さんの声を踏まえれば、やはりどういうふうに対応すべきだというふうな、どういう問題意識を持っておられるのかを質問させていただきます。
 最後に再質問、教員の増員の関係です。
 確かに、コロナの感染症でスクール・サポート・スタッフさんだとか学習支援員さん、一週間に二十五時間という大変手厚い対応もしていただいておりますけれども、そして静岡式三十五人学級と全国に先駆けた教育の充実はしておりますけれども、授業に追いつけないだとか学校の授業が分からないままどんどん早く進んでしまうとか、新学期に入っても友達がつくれないという不安をいっぱい子供さんたちは抱いています。
 そうした子供さんたち一人一人、個に寄り添った教育が必要だとそういう意味での問題意識やはり教員を増やすというその認識に立つ必要があるという意味での質問をさせていただきましたので、教員を増員するというその必要についてどうお考えなのかを再質問させていただいて質問を終わります。ありがとうございます。
○副議長(良知淳行君) 藤原健康福祉部長。
○健康福祉部長(藤原 学君) 保健所につきまして、現在の職員体制についての質問にお答えいたします。
 現在、保健所の業務を検証しているところでございます。一方で保健所からコロナ感染初期におきましては電話の相談が非常に多うございました。それについて他県の事例も参考にしているんですけれども、コールセンターを開設したところ一気に業務の量が減りました。こういったいろんなことを提供できる資源というものは民間にいろいろございます。そうしたものを他県がどう活用しているのかというのをちゃんと精査した上で足りなければそれはやらなきゃならないと。一方で機動力を上げることによってそれが対応なのかそういったことも考えて今後検討してまいりたいと思っております。
 もう一点、地域医療構想の関係でございます。
 地域医療構想につきましては、検討する検討会のほうでは各郡市医師会の会長様が会長となりまして議論を進めております。この中には各病院が参画しておりまして院長先生などが参加しております。
 今回のコロナウイルスの感染症、これについては今まで大きなテーマとなってございません。今般はまさにこれについても議論の俎上には上がるべきだと思っております。その上で長期的に見てどういうような役割分担をするのか、あるいは全体の病床数がどうなのか将来的な病院の経営も交えてそれについてはしっかり丁寧に検討していただいていけるものだと考えております。以上です。
○副議長(良知淳行君) 長澤教育部長。
○教育部長(長澤由哉君) 教員の増員についての再質問でございます。
 先ほど御答弁申し上げましたように学校再開後につきましては、児童生徒の負担の軽減それから教員についても負担が軽減される中で正しい学習を保障していくというところがまずは目的でございますので、先ほど答弁申し上げましたように学習支援それからスクール・サポート・スタッフ、それからスクールソーシャルワーカーこういったいろいろな方たちのですね、力を使ってまずは通常の学習を早く取り戻せるようにしていきたいというふうに考えております。
 御質問ございました教員の増員につきましては、従来から問題意識は持っておりますので引き続き国のほうに要望していきたいというふうに考えております。以上でございます。
○副議長(良知淳行君) これで鈴木節子君の質問は終わりました。

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