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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

野崎 正蔵 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/10/2020

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の数々の不適切な発言について
2 総合教育会議と教育委員会の在り方について
3 停電防止のための予防伐採の推進について
4 乳幼児期からの難聴児支援の充実について
5 人・農地プランによる農地バンク事業の推進について
6 新磐田スマートインターチェンジを活かす道路整備について


○副議長 (良知淳行君)  次に、 四十五番 野崎正蔵君。
        (四十五番 野崎正蔵君登壇 拍手)
○四十五番 (野崎正蔵君)  私は、 自民改革会議所属議員として通告に従い一括質問方式で知事、 副知事、 関係部局長、 教育長に伺います。
 初めに、 知事の数々の不適切な発言について伺います。
 今議会では、 他の議員からも同様の指摘が出ていますが議長の許可も得ておりますので改めて伺いたいと思います。
 今年二月の代表質問で私の、 やくざ、 ごろつき、 反対する人は県議会議員の資格はないといった発言についてこれまでの自らの言動をどのように総括し今後どのような身の処し方を考えているのかとの問いに知事は、 不適切な発言のあったことを認め全て撤回する、 議員をはじめ不信を抱かれた方々にまた御心配をかけた方々におわびをする、 ごめんなさい、 今回のような不適切な言葉を使うことは今後二度としないと心に誓っていると答弁をされました。 二度としないと心に誓った知事に対し二度目の同様の質問をするのは心苦しいのですが、 あれから九か月余り知事はどのようなことを考えてこられたのでしょうか。
 山本周五郎さんの小説 「さぶ」 にこんなシーンがあります。 表具職人の栄二は仕事の腕もよければ男前で頭も切れる。 そんな栄二に年配者の与平がこんなことを語りかけます。
 どんなに賢くったって人間自分の背中を見ることはできないんだからね。 世の中には賢い人間と賢くない人間がいる。 けれども賢い人間ばかりでも世の中はうまくいかないらしい。 世の中には生まれつき一流になるような能を備えた者  これは能力の能ですけども  たくさんいるよ。 けれどもね、 そういう生まれつきの能を持っている人間でも自分一人じゃなんにもできやしない。 能ある一人の人間がその能を生かすには能のない幾十人という人間が目には見えない力を貸しているんだよ。 ここをよく考えておくれ、 栄さん。
 こんな与平の言葉に知事はどんな感想を持たれるのでしょうか。
 他人からはよく見えるけれども自分では直接見ることができないのが自分の背中です。 教養とは学問、 知識をしっかり身につけることによって養われる心の豊かさだと思います。 世のキーパーソンたる人間は異彩を放つ人間でなくてもいい。 ただひたすらに世に尽くす熱意と誠意があればいい。 これは天賦の才能はなくても心を傾け身を努める姿勢と実践により誰でも達することができる領域だともいいます。
 そして、 大小様々な組織の要となり世の礎となり得る必要条件は人の心が分かることです。 人が社会を構成し生活をし始めてから数千年の歴史をひもといてみればそれは確かなことだと思います。 人生いろいろとはよく言ったセリフでいろいろとは様々とも表現されます。 様々な生き方を否定するつもりはありませんが、 中には何様という生き方もあるようで時折眉をひそめたくなる人に出会うこともあります。
 知事は、 職員への訓示でですます調で話すことを訴え、 上にはへつらわない下には威張らない、 節義を重んじ礼節を失わないというのが公務員八箇条の中に入っている、 そうしたものは言葉遣いから始まる、 こうしたことを徹底すればぞんざいな言葉で気がつかないで相手の心を傷つけることは軽減されると述べています。
 しかし、 今年八月五日の記者会見では、 静岡市長、 市議会は天下に恥をさらした、 市長は市議会を市議会は市長を隠れみのにしている、 静岡市議会の一部有力議員は昔から金権体質あるいは利権体質と黒いうわさが絶えない、 市長も悪く言えばかいらいみたいだと報じられることもある、 徳川家康公に恥ずかしいというふうに思っていると人を罵り、 七月二十一日のリニア工事の視察では、 作業ができない、 これは一体誰のせいなのか、 静岡県が遅らせていると言っているのは誰か、 水嶋ですか江口ですか藤田ですか、 それともJR東海の社長、 副社長ですかと激怒し事務次官らを呼び捨てにしました。
 さらに、 十月七日の会見では、 菅義偉という人物の教養のレベルが図らずも露見した、 菅義偉さんは秋田に生まれて小学校、 中学校、 高校を出られて東京に行って働いたけれど勉強せんといかんと夜学に通い学位を取られた、 言い換えると学問をされた人じゃない、 単位を取るために大学は出られた、 ところで彼の教養はどこでつくられたんでしょうかと述べています。
 これを受け十月十六日に我が会派では、 これは個人への侮辱、 誹謗中傷及び学歴への差別とも取れる発言であり看過できず強く撤回を求める抗議文を提出しました。 その後のぶら下がり会見で知事は、 事実認識が間違っていた、 一つは学歴について夜学と申し上げたことが事実ではなかった、 事実誤認の発言は誤りなので撤回しますと述べていますが、 これは発言に誤認があったので撤回しているのみで夜学へ通われたことや単位を取るために大学を出た、 彼の教養はどこでつくられたのかなど自らが発した個人への侮辱、 誹謗中傷には言及しておりません。 知事の発言に対して県民からは、 首相の出自や学歴を出して教養がないというのは差別である、 夜学に通っている人をばかにしているのかなど十月七日から二十五日までに千五百四十三件の意見が寄せられました。
 また、 会見では、 強い権限、 権力、 年齢と関わりないがそういう方で間違ったと思っていることは自分の言わば全身をかけて人格をかけて批判するというスタンスには変わりはありませんと述べていますが、 この言葉はそっくりそのまま知事にお返ししたいと思っている方も多いことと思います。
 るる知事の不適切な発言について述べてきましたが、 こういう発言を首長として言っていいか悪いかは三秒考えれば分かることだと思います。 今年一月六日の定例記者会見での、 感情が動きます、 しかしそれは怒りになる、 自分自身もそうした自分の性癖を自覚しているとの言葉のとおり知事から発せられる不適切な発言はとどまるところを知りません。 こうしたことに対し意見する人もないようで静岡県外の教養人からは静岡県はおかしいとの声も聞かれ、 世間の静岡県に対する目は既に後戻り困難なほど厳しくなっているようです。 これだけでも大きな損害ですがこのまま不適切な発言を続ければ静岡県全体の心証を一層悪くするだけだと思います。
 そこで伺います。 知事御自身に対してこういう言葉を使われたとき不快に思われるのか思われないのか伺いたい。
 県職員が記者会見等で他者に対してこうした発言をした場合は、 注意をされるのかされないのか伺いたい。
 代表質問以降のこれらの知事の発言は適切だと思うのか。 思うのだったらその理由も伺いたい。
 夜学に通われている方など傷ついた県民に対して謝罪する気持ちはないのか。 ないとしたらその理由も伺いたい。
 不適切な言葉を使うことは今後二度としないと心に誓いながら、 不適切な発言を繰り返す知事の真意は何なのか伺いたい。
 自分自身もそうした自分の性癖を自覚していると述べている自らの性格をどのように評価しているのか伺いたい。 以上、 知事の所見を求めます。
 次に、 総合教育会議と教育委員会の在り方について伺います。
 平成二十七年四月の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、 知事は静岡県総合教育会議を設置し社会総がかりの教育を目指した教育行政をスタートさせました。
 この静岡県総合教育会議では、 重点的に講ずべき協議事項としてこれまで教職員及び高校生の国際化など二十五の事柄がテーマとして協議されてきました。 教育行政の制度改正に当たっては政治的中立性、 継続性、 安定性を確保すべき首長からは独立した執行機関である教育委員会と、 教育に関する予算の編成等の重要な権限を有する首長との十分な意思疎通を図ることとしたことは当然のことです。
 しかし、 教育行政の推進に当たってはこの総合教育会議のほかに知事の諮問機関である地域自立のための 「人づくり・学校づくり」 実践委員会も設置され、 この委員会は総合教育会議に先立ち知事がその意見を聞くことになっています。
 ここで問題になってくることは、 知事の教育についての考え方と教育委員会の方針とのそごであります。 静岡県における教育委員会と知事部局の関係について静岡大学大学院教授武井敦史氏の論文を参考に考察すれば、 公教育に関係する二つの行政主体がそれぞれの行政意思を行使しようとする際に生じるベクトルの不一致はその後の処理のプロセスを複雑化させているようにも見えます。
 教育委員会制度の運用において教育行政のステークホルダーとしての首長と教育委員会の意思が予定調和的に解決されない場合、 組織の意思決定や施策の執行に関しても問題が生じると考えます。
 既に教育行政は教育委員会のほか首長、 議会、 県民といった多様なステークホルダーによって事実上構成されており、 教育委員会はこれら全体を組織化するオーガナイザーとしてではなく一プレーヤーとして自らの役割を自己規定せざるを得ない位置に置かれているようにも見えます。
 教育行政における教育委員会制度の在り方については、 制度の整合性やその役割について制度上の権限関係とは別に実質的には首長部局と教育委員会、 さらには教育委員会事務局との間に働く政治的力学が働いているようにも見えます。
 そこで、 今後とも教育行政の独立性が維持されなければならないと考える場合首長をはじめもろもろのステークホルダーの影響力がいかなる内容において、 またどの程度働くことが許容されると考えるのか。 またそごが露呈した具体的な事例はあるのか。 そして今後の教育行政はどのように進められるべきか、 教育長の所見を求めます。
 次に、 停電防止のための予防伐採の推進について伺います。
 おととしの台風二十四号では、 磐田市や浜松市など静岡県西部を中心に最大七十二万件の停電が発生し山間部では一週間近く電気のない生活が続いた地域があり、 その停電の発生の原因の六割が倒木によるものでした。 そして昨年の台風十五号と十九号では県東部でそれぞれ約四万五千件の停電被害が発生し、 そのうち約八割は倒木による電線の断線が原因だったといいます。 こうした倒木などを原因とする大規模かつ長期間の停電は県民生活や経済活動に多大な影響を及ぼします。
 今年二月議会において、 我が会派の宮沢県議の質問に対し県からは地域局ごとに推進連絡会を開催するとともに地震・津波対策等減災交付金にメニューを新設し市町を支援するほか、 県管理道路ののり面対策や森林の面的整備を活用して予防伐採を進めるとの答弁があり、 現在磐田市などで県や市町と電力会社が協力して停電防止のための予防伐採が進められています。
 しかし、 今回伐採できたのは県全体からすれば一部にすぎず長期的な取組が必要であり、 また市町が単独で取り組むには費用的な限界があります。 また電柱や電線などの配電設備がある場所は国や県、 市町の官公有地よりも民有地の方がはるかに多く民間の理解や協力も欠かせません。
 本年度は幸いにもこうした被害はありませんでしたが、 新型コロナウイルスの影響等もあったことから予防伐採は予定どおり進しているのか、 現状の課題と今後の取組について伺います。
 次に、 乳幼児期からの難聴児支援の充実について伺います。
 新生児の千人に一人程度の割合で先天性の難聴児がいると言われています。 しかし近年では医療の発展により、 人工内耳を早期に装用し適切な療育や支援を開始することにより難聴児であっても就学時には健聴者同様の音声言語を獲得できるようになりつつあります。 県では平成二十二年度に県立総合病院内に静岡県乳幼児聴覚支援センターが設置され高木明先生を中心に難聴児の早期発見と早期介入の体制整備に取り組んできた結果、 新生児聴覚スクリーニング検査から確定診断まで医療と行政が一体となった難聴の早期発見体制が構築されています。
 こうした取組が先進的優良事例として昨年度厚生労働省による健康寿命をのばそうアワード母子保健分野において優秀賞を受賞しました。 今年度我が会派では難聴対策議連を立ち上げ乳幼児聴覚支援センターの視察や勉強会を開催し難聴対策に関する認識を深めているところです。 そこで高木先生は、 人工内耳を装用したとしてもすぐに健聴者のように聞こえるわけではなく音声言語習得のための根気強いリハビリテーションが必要であり、 これまでの早期発見体制に加え今後は療育体制の充実が重要であると強調されました。 こうした課題解決を図るには中部地域に設置されている静岡県乳幼児聴覚支援センターの機能を県下全域に提供していくことが大切です。
 また、 国が昨年度発表した難聴児の早期支援に向けた保健・医療・福祉・教育の連携プロジェクト報告では、 三歳未満の難聴児の支援について特別支援学校において乳幼児教育相談で対応していますが十分な体制ではないとの指摘がされています。 同報告書では就学前の療育について保健、 医療、 福祉、 教育の各関係機関の連携を強化し難聴児が個々の状況に応じて柔軟に療育を受けられるよう取り組む必要があるとされており、 本県においても同様の取組が求められています。
 難聴の早期発見、 早期の適切な療育が子供たちの発達に大きな影響を及ぼすことを踏まえ特にゼロ歳から三歳児までの療育体制のさらなる充実や難聴児に対する切れ目のない支援を図るため、 県は今後どのように取り組むのか伺います。
 次に、 人・農地プランによる農地バンク事業の推進について伺います。
 国では、 平成二十五年に閣議決定された日本再興戦略の中で令和五年度までに全農地の八割を目標に担い手への農地集積を進めるとしており、 県では経済産業ビジョン農業・農村編の中で農地中間管理機構を活用した農地集積面積の目標を年間千二百ヘクタールとして農地集積を進めるとしています。 高齢化や農産物の価格低迷により小規模農家の離農が進む地域においては、 複数の地権者の農地を地域内の中心経営体となる担い手に集める農地利用の方針を人・農地プランの話合いにより定めることが農地バンク事業による集積を進める上で有効な対策であると考えます。
 しかし、 農地バンク事業は農地バンクが農地を借り入れまとめて担い手に貸し出す仕組みであることや、 賃料支払事務においても農地バンクが行うため従来の農業経営基盤強化促進法による利用権設定と比較して契約に係る工程が多く事務手続の増大が課題となっています。
 具体的に言えば、 磐田市においては水稲の担い手一人が農地の貸付者百四十七人、 土地の筆数では三百五十三の契約を行う事例もあり、 今後集積・集約化の機運が高まるとともに満期契約に伴う再契約が増大する時期とも重なり円滑な推進に支障が出ることが懸念されます。
 我が会派では、 そうした懸念を払拭するため今議会において農地バンク事業の満期更新時の手続簡素化を求める意見書を提出しているところであります。
 そこで、 農地集積の設計図である人・農地プラン作成後の農地バンク事業の課題と今後の県の取組について伺います。
 次に、 新磐田スマートインターチェンジを生かす道路整備について伺います。
 現在、 磐田市においては新東名高速道路新磐田スマートインターチェンジの整備が令和三年初夏の開通を目指して進められています。 本スマートインターチェンジの開通は企業進出による雇用の創出、 大規模災害時の避難や受援の円滑化、 緊急搬送時間の短縮など磐田市北部地域の活性化や安全・安心の向上に寄与するものですが、 その効果を市内に広く波及させるためには南北軸となる道路の整備が必要不可欠と考えます。
 新磐田スマートインターチェンジから開発の可能性を秘めた磐田原台地や磐田市の中心部を経由して防災港湾である福田港に至る南北軸は新東名高速道路、 東名高速道路、 国道一号線バイパスなど幹線道路を接続する非常に重要なルートでありますが、 この一部を構成する県道横川磐田線の磐田、 袋井市境付近では幅員が狭く線形も悪い未整備区間が残っており円滑な交通の妨げとなっています。
 この未整備区間による交通支障が解消されれば磐田市のみならず森町、 袋井市を結ぶ幹線ルートが確保され、 県が進めるふじのくにのフロンティアを拓く取組につながることは間違いありません。
 そこで、 新磐田スマートインターチェンジの開通効果を広く地域に波及させるため、 磐田、 袋井市境付近における県道横川磐田線の整備に向けた今後の取組を伺います。 以上、 答弁を求めます。
○副議長 (良知淳行君)  川勝知事。
○知事 (川勝平太君)  野崎議員にお答えいたします。
 私の数々の不適切な発言についてであります。
 議員御指摘のとおり今年二月以降におきましても私の発言には不適切なものがあり県民の皆様には大変御心配をおかけいたしました。 私の発言により傷ついた皆様には率直におわびを申し上げます。
 私の性格についてでありますけれども、 議員御指摘のとおり自分の背中は自分では見えません。 自分の目は自分で見ることができません。 ですから私自身による自己の性格分析は当てにならないと思いますが身近なものの評価は当たっているところがあるのではないかと思います。 弱い者はいじめない、 権限や権力を持つ人に対しても間違っていると思ったことははっきり申し上げる性格であるようであります。
 思い起こすことがございまして小学校一年生、 二年生のときにマツザカミチ先生という先生に教わりました。 私は京都の小学校を出たんですけれども、 やがて五十を過ぎまして京都の研究所に勤めました。 ある折にそのマツザカミチ先生が京都の社会教育のトップにいらっしゃいまして、 あのマツザカミチ先生だと思い御挨拶に参りました。 そしたら四十年以上たっていたんですけれども先生は覚えてらして、 そしてクラスの仲間といたずらをするとそのときも率先して謝っていたと、 そして嫌なことも嫌な顔をせずに進んでやっていた等々おっしゃって、 そして子供の平太君を私は尊敬していたのよと言われまして面食らうといいますか先生の愛情の深い人格に深く感じたことがございました。 またベートーベンの精神とか宮沢賢治の精神とかに深く共感するところがありますが、 そうしたところも自分の性格と関係してるのかもしれません。
 時に義憤に駆られまして発言内容が物議を醸すことがございます。 私自身同様な発言を向けられれば恐らく間違いなく傷つくと存じますけれども、 もしそれが当たっていれば改めるように努めると思います。 十分自戒に努めまして不適切な発言をしないように自らに言い聞かせています。
 職員に対してはということでございますが、 公務員八箇条あるいは公人三則というのは私が自ら書き記したものであります。 公務員、 ここにいらっしゃる皆さんでありますけれども、 身に私を構えないと、 うそ偽りは言わないと、 上にへつらわず下に威張らないと、 礼節はわきまえると、 人の艱難は見捨てないと、 恥ずかしいことはしないと、 信念を曲げずに情理を尽くして説得に当たると、 ものの哀れを知り人に情けをかけるということでございますが、 これは自らに言い聞かせまた折に触れて職員の皆様方にも申し上げていることでございます。
 今後とも、 こうした公務員八箇条あるいは来る者を拒まず努力を惜しまず見返りを求めずという自らに課している公人三則ということに一層心がけてまいりますので、 県議会の皆様の御理解御協力も賜りますようにお願い申し上げるものであります。
 その他の御質問につきましては、 副知事、 関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長 (良知淳行君)  出野副知事。
○副知事 (出野 勉君)  乳幼児からの難聴児支援の充実についてお答えいたします。
 本県では、 県立総合病院に設置した乳幼児聴覚支援センターを中核に県内全ての分娩取扱機関や市町と連携した全国に誇れる新生児聴覚スクリーニング検査体制を整備いたしました。
 一方、 人工内耳を装用した難聴児が効果的に音声言語を獲得するためにはできるだけ早い時期から人工内耳に対応した適切な療育を受けることが重要と考えております。
 このため、 乳幼児聴覚支援センターにおきまして聞こえを育む親子教室を開催し人工内耳を装用した乳幼児に対して音声言語の発達に向けた訓練を行いながら保護者に対する訓練方法の指導や相談支援を行っております。 今年度はセンターの言語聴覚士が東部地域や西部地域に出向いて教室を開催しており、 身近な地域で療育支援を受けられる環境の整備にも取り組んでおります。
 また、 保健、 医療、 福祉、 教育の関係者で構成する聴覚障害児支援対策委員会を新たに立ち上げ関係機関の知見に基づきより効果的な訓練方法の検討を行っているほか、 聴覚特別支援学校が行う乳幼児への教育相談の充実に向け言語聴覚士を派遣し人工内耳を装用した乳幼児ごとに言語能力を評価分析してよりよい指導方法について教員に助言等を行っていることとしております。
 県といたしましては、 今後とも難聴児支援の先進県として関係機関が連携した切れ目のない支援体制を充実し、 全ての子供が希望を持って暮らせるふじのくにづくりを進めてまいります。 以上であります。
○副議長 (良知淳行君)  木苗教育長。
○教育長 (木苗直秀君)  総合教育会議と教育委員会の在り方についてお答えいたします。
 総合教育会議は、 平成二十七年度に予算編成権を持つ知事と教育行政を担う教育委員会が公開の場におきまして教育の条件整備など重点的に講ずるべき施策について協議調整する場として設置されました。
 総合教育会議での協議では、 両者が教育施策の方向性を共有し調整がついた事項につきましてはその結果を尊重して一致した考えの下それぞれの権限に基づいて執行しております。 また毎年度末の総合教育会議では翌年度の施策への反映状況を両者で確認するとともに、 教育現場が直面する課題等について協議し翌年度の議題を決定しております。
 これまで総合教育会議におきまして知事と私と教育委員の方々が膝を突き合わせ協議調整したことにより、 例えばふじのくにグローバル人材育成基金の創設や静岡式三十五人学級編制の下限撤廃、 しずおか寺子屋による学習支援など静岡ならではの魅力ある教育施策が速やかに実現されたところであります。
 県教育委員会といたしましては、 引き続き総合教育会議の中で知事と綿密な連携を図りながら県民の皆様の御意見や学校、 地域の実情を適切に施策に反映させ教育委員会が責任を持って教育行政を進めてまいります。 以上であります。
○副議長 (良知淳行君)  金嶋危機管理監。
○危機管理監 (金嶋千明君)  停電防止のための予防伐採の推進についてお答えいたします。
 近年、 本県におきましても倒木等を原因とする大規模な停電が発生したことから関係機関と連携した予防伐採の推進に取り組んでおります。 本年度は地域局ごとに県、 市町、 電力事業者等で構成する推進連絡会を設置し、 関係機関からの要望を踏まえ優先的に予防伐採を行う箇所の選定や実施に当たっての役割分担等の調整を進め調整が整った磐田市をはじめ四市におきまして予防伐採を実施しております。
 県では、 予防伐採を推進するため地震・津波対策等減災交付金のほか県管理道路ののり面対策や森林の面的整備を行う森の力再生事業などを積極的に活用することとしております。 予防伐採を実施した地域の方からは台風による大規模停電の不安が解消されたなどの評価を頂いておりますが、 一方市町からは森林所有者等関係者との調整に時間を要することや市町の財政負担が課題との御意見も頂いております。
 県といたしましては、 これらの御意見も踏まえ課題解決に向けた検討を進め予防伐採の計画的な推進に取り組むことにより近年多発する災害時の大規模停電への備えを強化して県民の皆様が安全・安心に暮らしていただける災害に強い県土づくりに努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (良知淳行君)  志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長 (志村信明君)  人・農地プランによる農地バンク事業の推進についてお答えいたします。
 人・農地プランは、 地域の農地を将来的に誰が担うかを地域の話合いの下に見える化するものであり現在二百十三地区でプランの作成が行われております。 プランに基づき農地バンク事業を進めてまいりますが、 地域内に担い手がいない、 いわゆる担い手不在地区への対応や生産性の低い農地の改善などが農地の集積・集約上の課題であります。
 このため、 担い手不在地区への対応につきましては今年度から市町を越えて農地と担い手のマッチングを専門的に行う人・農地調整員を農地バンクに配置いたしました。 これまでに百三十か所の担い手不在農地の現地調査と地域を越えて規模拡大意向のある二十三の経営体へのヒアリングを終えマッチングに着手したところであります。
 生産性の低い農地の改善につきましては、 人・農地プランを作成した例えば掛川市東大坂地区や川根本町下泉原地区で農地集積を条件に地元負担金を軽減できる基盤整備事業を活用して区画整理や暗渠排水整備により耕作条件を改善した上で担い手に集積するよう進めてまいります。
 また、 農地バンク事業は議員御指摘のとおり事務手続の工程が多いことが課題であります。 このため県は農地バンクに対し国庫補助事業を活用して農林事務所に駐在する職員九名の人件費や事務手続を補完していただくJAへの委託料を補助いたしまして事務処理の円滑化を図っております。 あわせて事務量のさらなる増加に備えて満期を迎えた再契約の事務を簡素化するなどの制度改正につきましては国に要請してまいりたいと考えております。
 県といたしましては、 これらの取組により人・農地プランを活用した農地バンク事業による農地の集積・集約を確実に進め地域農業の発展を図ってまいります。 以上であります。
○副議長 (良知淳行君)  長繩交通基盤部長。
○交通基盤部長 (長繩知行君)  新磐田スマートインターチェンジを生かす道路整備についてお答えいたします。
 磐田市が整備を進める新磐田スマートインターチェンジは、 市の都市計画マスタープランにおきましてその周辺が産業拠点に位置づけられるとともに、 東名磐田インターチェンジ周辺の産業拠点との間を既存の整備済み道路による産業軸で結ぶ計画とされました。
 この産業軸を構成する県道横川磐田線は、 磐田市中心部から北部地域への南北軸を構成する重要な路線であり県はこれまでも交通量や効果等を考慮し整備をしてまいりました。 しかしながら磐田市と袋井市の市境周辺には議員御指摘のとおり未改良区間があり、 平成三十年度に磐田商工会議所から県に対してスマートインターチェンジへのアクセスを強化するための早期整備が要望されました。
 このため、 昨年度県が磐田市と袋井市とで構成する勉強会を立ち上げ、 今年度は未改良区間の拡幅案とバイパス案につきまして費用対効果や実現性の観点から比較検討を進めているところであります。 来年度は地元調整を開始するとともに、 測量設計を実施するなど事業化に向けて準備を進めます。
 県といたしましては、 引き続き両市と連携して当路線の整備に向けた取組を進め新磐田スマートインターチェンジの開設による効果を高める道路ネットワークの構築に努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (良知淳行君)  四十五番 野崎正蔵君。
        (四十五番 野崎正蔵君登壇)
○四十五番 (野崎正蔵君)  それぞれ答弁を頂きまして、 ありがとうございます。
 前向きなお話も聞けるわけで大変うれしく思っております。
 若干答弁に関しまして意見を述べさせていただきたいと思いますが、 知事も小学校時代のお話をされたので、 私何でこの質問をしたかというと実は私生まれたときは家がなくて生コンの飯場に住んでたんですね。 おやじは八百屋をやって、 そんなおやじも中三のときに死んだんですね。 中三の二月。 その後商業高校へ行きましたけれど、 家計も苦しいし家庭環境も複雑だったんで中退しました。 私、 中卒なんですね。 その中卒のどこの馬の骨か分からない人間がなぜここにいるかというのは、 どこの馬の骨か分かるようにみんなに助けてもらってきたんですね。 そういった人間がいるということを忘れずにいていただきたい。 本当に傷つく人間がいるということ、 そんなふうに生きたくなくてもそういうふうに生きざるを得ない人もたくさんいるんですね。 そこを本当に分かっていただきたいと思います。
 一つ問題があるのは、 今知事からおわびをするという答弁がございました。 不適切な発言だということも認めるという答弁もございました。 しかしこれすごく大きな問題なんですね。 この不適切な発言というのは一回だけじゃないんですね。 何回か繰り返されている。 この二度としないというのは、 この議場でこの議会に、 我々議会に対しても県民に対しても約束したことなんですね。 その約束したことを発言後にああ言ってしまったって反省しなかったんですね。 何回も繰り返してるじゃないですか。 ということはこの議場で答弁したことがうそでもいいということになってしまうんですね。 それは本当に大問題であると思います。 我々も真剣にここに来て質問をつくったりします。 そして県民のためになるようにあらゆる調査もしながらやってきてるんです。 その人間に対してうそをつくというのはどうかなと思います。
 そして、 不適切な発言というのはこうした人を何とかいう話だけではなくて、 記者会見でリニアの件で財政投融資について記者から聞かれたときありましたね。 そのときに知事は、 財政投融資は三兆円で残念ながらもう使われてると、 国民の税金ですからねと言ってるんですね。 でもこの財政投融資というのは税負担に頼ることなく独立した手続でありまして、 財投債、 国債を発行してプロジェクトに活用されるものでありまして年平均〇・八%の利息も払ってですね。 そうした発言を、 記者会見などで間違ったメッセージを出さないでいただきたいと思います。
 以上、 これから知事の発言にも我々も注目しながら議会活動を進めてまいりたいと思いますので、 ぜひその辺を心に置いていただいて知事の役職に務めていただきたいと思います。 以上、 質問を終わります。 (拍手)
○副議長 (良知淳行君)  これで野崎正蔵君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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