• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

蓮池 章平 議員

質問分類

代表質問

質問日:

02/29/2016

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
   文化によるふじのくにづくり
2 平成二十八年度当初予算編成と財政状況の認識について
3 県政運営について
(1) 組織改編
(2) 健康経営
4 地域外交について
5 大規模災害への対応について
(1) 地域防災力の強化
(2) 災害廃棄物の処理
6 教育行政について
(1) 総合教育会議
(2) 本県教育の方向性
7 子供の貧困対策について
8 子育て支援の拡充について
(1) こども医療費助成
(2) 放課後児童クラブ
9 障がいのある人への支援について
(1) 障害者差別解消法への対応
(2) 発達障がい者支援
(3) 特別支援教育の環境改善
10 ドクターヘリの運航支援について
11 若者の就労支援について
12 産業振興について
(1) 中小企業の経営支援
(2) ファルマバレープロジェクトにおける地域産業の振興
13 沼津駅周辺総合整備事業について
14 特殊詐欺対策について


○議長(吉川雄二君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第八十九号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、七十番 蓮池章平君。
       (七十番 蓮池章平君登壇 拍手)
○七十番(蓮池章平君) 私は公明党県議団を代表して県政の諸課題について知事並びに関係部局長、教育長、警察本部長に一括質問方式で伺います。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、文化によるふじのくにづくりについて伺います。
 二〇一五年国勢調査が公表されました。結果は本県にとって厳しいもので三百七十万人台は維持したものの五年前と比較すると六万三千人以上減少しており、県政の最大課題である人口減少に歯どめがかかっておりません。人口減少の歯どめと交流人口の拡大に向け、より一層の努力を期待するものであります。
 昨年日本を訪れた外国人の観光客数は一千九百七十三万人余りとなりました。中国人の爆買いが注目されておりますが、自然や日本の持つ魅力に感動しリピーターの増加も報告されております。今後も我が国の持つ豊かな魅力を発信し多くの観光客に来日してもらう努力が必要であります。
 世界最大の観光大国フランスには、文化の力に吸い寄せられるように年間八千三百万人の外国人観光客が訪れています。そのきっかけをつくったのは第二次世界大戦後のド・ゴール大統領政権下、強力に文化政策を進めた文化省の初代大臣アンドレ・マルローでした。その後も一九八〇年代のミッテラン政権下では文化予算を二倍にし、二〇一四年の国家予算に占める文化予算の割合は一・〇六%に及んでおります。ちなみに日本の文化関連予算は〇・一%にとどまっております。フランスの文化政策は近代・現代美術を大切にしたこと。国家を挙げ国民みんなで芸術家を支え文化立国をなし遂げました。文化は創造するもので、芸術文化を大切にすることで世界の中における地位を確立したフランスに見習うところは多いのではないかと考えます。
 文化庁長官の青柳正規氏は、その著書「文化立国論」の中で文化立国を目指す理由の一つに大都市と地方との格差拡大を是正する上で文化が重要な役割を果たすと主張されております。また「資源の乏しい日本が、明治以降、工業偏重であったことは否めず、国の豊かさの指標として工業生産を伸ばすことに重点が置かれてきた。文化は国を豊かにし、人を育てる。日本は、経済偏重による豊かさの偏りで、世界に誇るべき文化があるにもかかわらず目を向けてこなかった」と述べております。
 国内には文化による地域おこしの成功例も多く、人口五千四百名ほどの過疎集落である徳島県神山町にIT企業のサテライトオフィスの進出が相次いだきっかけは、地元の有志がアーティストを町に招聘しアトリエなどを無償で提供する「神山アーティスト・イン・レジデンス」を始めたことが契機であります。工芸職人、起業家、デザイナー、IT技術者などのクリエーター全般を対象とした移住プログラムへと発展させていきました。そのほか豪雪地帯で知られる新潟県の十日町市と津南町を舞台にした「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」、群馬県中之条町の「中之条ビエンナーレ」などは日本の古きよき山里の景観と現代アートの融合により地域の活性化に成功しています。
 人口減少問題に関する有識者会議からも、静岡県の持つ魅力を磨き上げ、その魅力の最大化を図ることが重要と提言をされています。文化を大切にすれば魅力が増し、魅力がある地域には人が集まります。
 最重要課題の鍵として本県の魅力を最大化し、郷土に築かれた文化を大切に文化芸術を担う人材を守り子孫に伝え文化力を高めていくことをふじのくにづくりの柱にしてはと考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、平成二十八年度当初予算編成と財政状況の認識について伺います。
 昨年十月の編成要領では、後期アクションプランの目標達成に向け県民幸福度を最大化するための積極的な事業展開とあわせて県債残高の抑制や基金の確保など財政の健全性の枠組みを堅持することを基本として予算編成がスタートいたしました。
 収支試算で見込まれる三百八十五億円の財源不足については、基金の活用で二百五十五億円、部局による事業見直しで六十五億円、予算編成における歳入歳出の調整で六十五億円を確保するといたしました。
 予算編成に当たり、公明党県議団として歳入の確保と無駄を徹底的に排除した歳出のスリム化、重点化を行い美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生長期人口ビジョンと総合戦略に示された政策の確実な実施、県民の安心・安全に加え夢の持てる調和のとれた活気ある社会の実現のため、六つのテーマのもと九十二項目の重点要望、百九十七項目にわたる人が生きる地方創生を知事に要望したところであります。
 知事は、我が会派の要望を来年度の予算にどのように反映したのか伺います。また二十八年度当初予算編成を終えて県の財政状況についてどのような認識をお持ちなのか、あわせて知事の所見を伺います。
 次に、県政運営についてのうち、組織改編について伺います。
 時代の変化のスピードは年を追うごとに速くなっており、日本の景気、経済は世界の経済状況から直接的な影響を受けております。チャイナとオイルの造語であるチャイルショックと言われるように中国経済の減速の不安や原油を初めとする資源価格の下落が資源国に打撃を与え、世界経済の先行きに不透明さを示しております。日本全体が少子高齢化を背景とした本格的な人口減少時代に突入し、東京への人口一極集中が進む中で本県においても社会的な人口流出に歯どめがかかっていない状況にあります。さらに先般のTPP交渉の大筋合意を受けて本県農林水産業については国際競争力を強化するための取り組みが急務となっております。
 こうした急速な時代の変化の中で、ますます複雑化、高度化している行政課題に対しては県は考え得るあらゆる手段を講じ従来の組織形態にとらわれずに総力を挙げて対応していくことが求められています。
 来年度の組織改編は、そのような認識のもとに実施されるものと理解をしておりますが、来年度の組織改編の目的と期待する効果について、知事の認識を伺いたいと思います。
 次に、健康経営について伺います。
 県政運営の最大の資本は人であります。県政の仕事の質の向上は人を大切にすることであります。
 十五歳から六十四歳までの男性一日当たりの平均労働時間は、OECD加盟国の中で日本は最も長時間労働であるとの調査があり、毎年の自殺者の数も依然二万五千人前後で推移をしており予断を許さない状況であります。民間では長時間労働を強いる健康ブラック企業がある中、社員の健康が企業の資本と捉え従業員の健康増進をコストではなく投資、競争力の向上と考え、さまざまな取り組みを行い増収増益につなげている企業もあらわれてまいりました。少子高齢化が進み労働力不足に直面する日本において長時間労働に依存する働き方の弊害が鮮明となり、国としても日本再興戦略に健康経営を位置づけ健康寿命の延伸、データヘルス計画やストレスチェック制度の導入などを企業や働き手に求めています。さらに投資家の間でも健康経営に積極的に取り組む企業を持続可能な企業として評価する動きも広がっております。医療費全体の伸びを抑え保険財政の健全化の視点からも避けて通れない課題となっております。
 健康長寿日本一を標榜する本県が健康経営のモデル事業所になれば、優秀な人材の確保も可能となります。健康経営の視点を取り入れた県政運営についての所見を伺います。
 次に、地域外交について伺います。
 平和は、人と人のきずなを強くすることで築かれていきます。本県の進めている地域外交もまた平和への大きな歩みであり、目的の一つであると考えます。また地域外交を進めるに当たっては長期的な視点に立った基本的な考えが重要であると思います。
 県は昨年四月、一つ、友好的互恵・互助に基づく善隣外交、二つ、異文化との心の交流と相互の富の増進、三つ、対内政策と対外政策の一体的経営を基本理念とした地域外交の基本方針の見直しを行いました。この方針に沿って地域外交の実効性を高めていくには県民総ぐるみの取り組みが必要であります。
 県内の市町においても、二十市四町が十二カ国・地域と姉妹都市提携を結んでおりますが、新しい分野への取り組みを進める際に市町の知名度の低さや限られた人脈など限界があり思うように展望が開かれないとの声も聞こえてまいります。県の重点とする六カ国・地域だけでなく市町が提携する交流先についても防災や環境面における相互協力の協定締結や人的交流、教育交流、文化交流、産業交流など多面的な取り組みを進めることで幅広い地域外交の成果につながると考えます。
 県と市町が一体となり地域外交を進める体制の整備について、県の所見を伺います。
 次に、大規模災害への対応についてのうち、地域防災力の強化について伺います。
 ことしの三月で東日本大震災から五年が経過をいたします。昨年末岩手県の復興状況を視察させていただきました。被災直後全国から届いた支援の熱は下火になっているとのお話を伺い、改めて風化していく記憶と闘い続けていくことが課せられた使命であると実感して帰ってまいりました。
 東日本大震災では、被災地全体の死者数のうち六十五歳以上の高齢者が約六割であり、障害者の死亡率は被災地全体の死亡率の約二倍となるなど自力では避難が困難な要支援者が犠牲となりました。この教訓から市町において高齢者や障害者などの避難支援対策をまとめた計画や要支援者の名簿を作成することとしておりますが、残念ながら本県の市町の現状を見ますと計画については十六の市町が、名簿については三市町が未作成であるとのことでした。
 県として、市町の体制整備が進むよう支援を期待するところでありますが、計画の実効性が担保されることが重要であります。要支援者の避難支援には自主防災組織などの共助が大切でありますが、自主防災組織については高齢化などにより活動できる人材が減少するなどの課題が顕在しています。
 このため、昼間でも地域にいる中高校生を積極的に自主防災組織で活用するなど災害時における要支援者の避難支援について自主防災組織が受け皿となるよう地域防災力を強化する必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、災害廃棄物の処理についてであります。
 昨年発生した豪雨による鬼怒川の堤防決壊で市街地が広範囲に浸水した茨城県の常総市では、膨大な量のごみや瓦れきが発生し、その対応に県、市ともに多大な労力を費やしました。東日本大震災でも膨大な災害廃棄物が発生し、その処理のおくれが復旧・復興の大きな妨げとなったことは記憶に新しいところであります。災害廃棄物はさまざまなごみが混ざり合っており処理が難しく、国は各自治体に対して大規模な災害に備え事前に仮置き場や処理の方法を定めた災害廃棄物処理計画の策定を求めております。茨城県の豪雨災害の際には残念ながら茨城県も常総市も計画が未策定でありました。
 県は、想定される南海トラフの大地震や大規模な豪雨災害に備え昨年の三月十一日に全国に先駆けて計画を策定いたしました。県内の市町の状況を見てみると策定済みは一市、本年策定予定も一市一町にとどまっております。ほかの市町については来年度策定予定ですが計画づくりのノウハウや人材が不足している状況であります。昨年九月国において官民一体で災害廃棄物の処理を支援する災害廃棄物処理支援ネットワークが発足をいたしました。災害時の廃棄物処理の技術的な支援や平時における処理計画策定の支援が期待をされております。
 県内市町の処理計画策定の支援や大規模災害時における県内の広域的な処理の計画、実行に当たりどのようにかかわっていくのか、県の所見を伺います。
 次に、教育行政についてのうち、総合教育会議について伺います。
 昨年四月、教育委員長と教育長が一本化された新教育長の設置、二点目は教育長へのチェック機能の強化と教育委員会会議の透明化、三点目に全ての地方公共団体に総合教育会議を設置、四点目は教育に関する大綱の策定などを柱とする地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正をされました。今回の法改正は地方教育行政の大きな転換点であり、教育の政治的な中立性は担保されつつ諸課題に対する迅速な対応、調整を図ることが可能となったわけであります。特に新たに設置された静岡県総合教育会議は、他県に例のない地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会からの意見に基づいて県の教育の方向性を示すために議論を続けてきたと聞いております。
 各分野の有識者に実践委員会に参加していただき幅広く意見が出されたものと考えますが、教育大綱の策定に向け総合教育会議ではどのような議論が交わされてきたのでしょうか。また今回の教育大綱には静岡県教育の目標や施策の根本的な方針が明記されるものと理解をしておりますが、知事は本県教育における課題認識についてどのように考えられているのか伺うとともに、県民に向けて静岡県の教育の方向性についてどのようなメッセージを発信されようとしているのか伺います。
 新教育長には、これまでの教育委員長と教育長が一本化され責任の明確化と課題への迅速な対応が期待されることとなりました。総合教育会議においては知事と教育委員会が協議調整することにより教育政策の方向性を共有し、一致して執行に当たることになります。そのためには大綱を策定する段階で教育現場の意見を盛り込むことが重要と考えます。
 今回の新制度における、教育行政における責任体制の明確化や教育委員会の審議の活性化、迅速な危機管理体制の構築などはもとより、市町の教育委員会との連携や教育現場の課題を的確に掌握することで教育の充実につなげていくことが重要と考えます。
 今年度開催された総合教育会議で協議された静岡県教育の方向性について、その協議の結果や教育現場の意見などを踏まえ、教育長は今後の本県教育行政をどのように考え取り組んでいかれるのか伺います。
 次に、子供の貧困対策について伺います。
 日本の相対的貧困率は、OECD加盟国の先進国の中で高いことが問題となっております。特に子供の貧困問題とは所得の低い家庭の子供が将来不安定な就業状況に陥ることで次の世代まで貧困の連鎖が続いていくことであり、厚生労働省の平成二十五年国民生活基礎調査によれば我が国では子供の六人に一人が貧困状態にあり、ふえ続けているとのことであります。
 貧困の子供がふえ続けていけば、将来働いて納税する人の数が減少し税金で支えていく人が増加する可能性が広がっていきます。子供の貧困の放置は子供たちの将来が閉ざされてしまうだけではなく社会全体の損失につながるという考えのもと、福祉事業にとどまらず未来への投資と位置づけていくことが重要であります。国も子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることがないよう貧困の世代間連鎖の解消と積極的な人材育成を目指し、子どもの貧困対策の推進に関する法律を施行いたしました。あわせて全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現のため教育の支援、生活の支援、保護者に対する支援、経済的支援、調査研究などを重点施策とした子どもの貧困対策に関する大綱についても閣議決定がなされました。
 都道府県には、子供の貧困対策計画を定める努力義務が課せられておりますが、県としてどのような点に重点を置き、市町と連携して実効ある対策を推進していくのか伺います。
 次に、子育て支援の拡充について伺います。
 先般、本県独自の試みとして少子化の要因を分析して課題をまとめた羅針盤は今後の少子化対策を進めていく上で非常に重要な取り組みであり、今後具体的な対策へとつなげていただくことを望みます。
 まず、こども医療費助成についてであります。
 県においては、こども医療費の助成について平成二十二年十月から中学三年までの入院費用に対して、平成二十四年十月からは中学三年生までの通院費を助成対象に拡充してまいりました。子供の医療費助成制度の拡充は子供を産み育てやすい環境を整備していく上で大変に重要な視点でありますが、県内市町の助成の実施状況を見てみると自己負担のあり方や食事助成などに違いがあります。県内どこに住んでいても同様の助成が受けられるような体制の整備が求められます。市町に対する県の助成実績を見てみると各市町の十五歳以下人口の子供一人当たりの助成額には開きが見られます。例えば市では下田市の一人当たり平均五千二百四十七円が一番低く伊豆市の七千三百二十七円と約二千円の開きが見られます。町では松崎町の五千百九十八円に対して森町は七千四百八十二円と二千二百円強の開きがあります。この状況は自己負担額との関連性が見られないことから県は要因の分析を行い県内市町の取り組みの実態を公表し、よい取り組みとなることがあれば展開していく努力が必要であります。
 限られた予算を有効的に使い、少子化の流れをとめていくことが求められます。こども医療費に対するさらなる拡充策と効果的な支援について伺います。
 次に、放課後児童クラブについてであります。
 先日、小学校三年生の児童の保護者から相談をいただきました。来年四年生になると放課後児童クラブの利用希望者がふえて利用できなくなり仕事をやめざるを得ないとのことでありました。早速調査をしたところ児童が通う小学校の放課後児童クラブの希望者数が児童クラブの定数を超えており全ての希望者を受け入れられない状況でありました。
 子ども・子育て支援新制度施行に伴う児童福祉法改正により、放課後児童クラブの対象は小学校に就学するおおむね十歳未満の児童から小学校六年生までに拡充されました。しかし希望する児童全てを受け入れられる施設の整備が追いついていないのが現状であります。就学前なら子供を保育所に預けていた時間帯に小学校入学後に子供の居場所がなくなり保護者も仕事をやめざるを得ない小一の壁が問題として指摘をされております。
 昨年二月に策定したふじさんっこ応援プランには、本年度の過不足数五千六百七十九名を平成三十一年度に解消できるよう市町の整備に対して支援するとしておりますが、さらに質の高い質の確保も重要であり、国は施設規模をおおむね四十名以下としておりますが利用児童数の増加に施設の整備が追いついていない状況では放課後児童支援員の目が行き届かないなどの影響が心配されております。
 放課後児童クラブのさらなる整備拡充に向け、どのように取り組んでいかれるのか伺います。
 また、放課後児童支援員の安定確保と資質の向上については新制度において都道府県知事が行う放課後児童支援員認定研修の制度が創設され、職員のうち少なくとも一人は研修の修了者または平成三十二年三月までに修了予定者の者が要件となります。一方で多くの支援員は不安定な雇用状況となっており非正規雇用で平均年収も百五十万円以下の方も多く、安心して働き続けられる雇用条件が整備されているとは言えません。またクラブによっては専任配置ではなくローテーションの勤務のところもあり利用児童との人間関係を築きにくい一面もあります。支援員の安定的な人材確保と資質の向上にどのように取り組むのか伺います。
 次に、障害のある人への支援についてのうち、障害者差別解消法への対応について伺います。
 障害者権利条約を批准するため、平成二十五年国会で成立した障害者差別解消法が本年四月一日から施行され国の行政機関や地方公共団体及び民間事業者による障害を理由とする差別が禁止されることとなります。法律には国及び地方公共団体のみならず商業その他の事業を行うものとして民間の事業者も含まれ、障害者への合理的配慮に関して努力義務を負うことから相談体制の充実強化が求められます。法律施行まで二カ月を切りましたが先日の報道によると法律に対する認知度は低いままという状況であります。他県の状況を見てみますと千葉県では条例を制定し、ほかに多くの自治体でも条例制定に向けて準備を進めております。
 今後、県下市町と連携して対応準備に当たるとともに、法律の精神が社会全体に行き渡り障害があっても困らない社会を構築するためにどのように対応するのか、県の所見を伺います。
 次に、発達障害者支援についてであります。
 県東部の市長・町長会から要望されている発達障害者支援センターの体制整備についても、大きな進展が見られておりません。また発達障害のある子供の保護者からは障害の診断並びに医療的なケアを求めても何カ月も待たなければならないという声が多く聞かれます。安心して地域で暮らせる地域医療の充実は待ったなしであると考えます。
 さらに、療育手帳を持たない発達障害児も対象となる放課後等デイサービスについては県内でここ数年サービスを提供する事業所が数多く開設されました。提供されるサービスの内容について大きな開きがあることが指摘をされております。放課後等デイサービスの質の向上を図る観点から運営に係るガイドラインを策定するなど国もようやく動き出しました。一部の自治体で地域生活支援事業を段階的に法定サービスである放課後等デイサービスに移行させている事例があり、その多くは単なる見守りであるサービスになっているとの声もあります。家庭・学校・地域が連携して療育を行う観点からは非常に課題が多いと思われます。障害者支援を所管する県の姿勢が問われていると言っても過言ではありません。
 発達障害者支援のあり方について再考する必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、特別支援教育の環境改善について伺います。
 少子化の流れが続く中、特別な支援を必要とする児童生徒の数は本県においてもふえており今後も増加することが予測されます。教育委員会においてはこれまで特別支援学校の整備とあわせて高等学校に特別支援学校の高等部分校十校を設置することにより、比較的障害程度の軽い生徒を中心に職業教育や高校生との交流など社会性向上の取り組みにより一般就労のための道を広げてこられたことに対しては評価をしております。
 一方で、地域によっては分校に入学を希望しても定数の関係で入学がかなわないとの声も多く聞かれます。障害があっても社会の一員として就労し、みずからの生きがいを見出し将来に希望を持って暮らしていける道を幅広く開いていく必要があると考えます。
 特別支援教育における分校進学希望者に十分対応できる体制の整備が必要と考えますが、教育長の所見を伺います。
 次に、ドクターヘリの運航支援について伺います。
 本県には、平成十三年十月に聖隷三方原病院に、平成十六年三月に順天堂大学医学部附属静岡病院にドクターヘリが配備されこれまで多くの命を救うために運航されてまいりました。公明党としても国と連携をしながら運航に係る支援を継続して行ってまいりました。知事が就任以来掲げてこられたドクターヘリの夜間運航についてはパイロットの確保、離発着場の整備、騒音問題など多くの課題がありますが、その実現に向けて引き続き努力をお願いする次第であります。
 さて、現状の二機のドクターヘリの出動回数は聖隷三方原病院が全国十一位、順天堂大学医学部附属静岡病院が同三位と非常に多い出動状況であります。国に対して出動状況に応じた加算制度導入などを求めていただきたいと思いますが、順天堂大学医学部附属静岡病院のドクターヘリについてはヘリを格納、整備する場所が近くにないため特に台風など天候が荒れるときには名古屋に一時避難をさせる措置をとっており二日から三日間運航できない状況があります。名古屋にヘリを移動する時間は要請があっても出動できず、救える命が救えない状況が発生しており看過することができません。これまでも格納庫の整備について病院から要望が出されているところでありますが、来年度予算では地元の伊豆の国市が土地を提供した上で県が整備に協力する旨を伺っておりますが、一日も早く格納庫を整備する必要があると考えます。
 県民の命を守る観点から、安定的なドクターヘリの運航を支援していく必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、若者の就労支援について伺います。
 公明党県議団は、未来の社会を担う若者を応援したいとの思いでヤングジョブステーションの開設や若者自立塾など若者就労支援に関してさまざまな観点から提案をしてまいりました。現在三カ所のジョブステーションでは若者の就労支援のみならず女性や高齢者を含めた幅広い就労の支援を行い、数多くの方に就労への道を開いております。
 しかしながら、平成二十四年の就業構造基本調査では県内に一万六千人を超えるニート等の若年無業者がおり、就労を希望してジョブステーションを訪れる全ての若者が就労に結びつくところまでには至っておりません。カウンセリングを受けても面接会場に入れない、面接官の目の前では固まってしまい自分のよさを一言も話せずに帰ってきてしまうなど就労に結びつかない若者が数多くいることも事実であります。
 先日、そのような若者の支援を行うNPO法人青少年就労支援ネットワーク静岡が主催する活動報告会に参加し、その活動状況を聞かせていただきました。静岡方式と言われる伴走型の就労支援は全国に広がりを見せており、北海道から福岡まで十道府県で動き出しております。私はこのような静岡発の先進的な取り組みを県は評価をしていくべきと考えます。
 ニート等の若年無業者に対して、就労相談、支援、定着まで総合的な支援が必要と考えますが、県の今後の取り組みについて伺います。
 次に、産業振興についてのうち、中小企業の経営支援について伺います。
 地域で雇用の大半を占める中小企業は、地域経済の重要な担い手であります。中小企業が元気にならずして真の地方創生の実現は望めません。頑張ろうとしている中小企業、小規模事業者の新製品開発、売り上げ向上、販路拡大などさまざまな悩みに対して専門機関などと連携して支援する静岡県よろず支援拠点を平成二十六年度からスタートさせ五千件を超える相談に対応していると聞いております。静岡市の本所と袋井市のサテライトオフィスを拠点として浜松、沼津で出張相談会を行っておりますが、県下各地の身近なところで恒常的に支援できる体制の充実が必要であると考えます。
 また、売り上げの減少に悩むものづくり企業等の新製品開発を支援するに当たり、開発された新製品の販路拡大はもとより大企業の活用されていない休眠特許の活用支援ができれば製品の技術開発の手間が省け、大企業側も使用料を得られるというメリットがあります。本県においては静岡県産業振興財団に事業委託を行い幾つかのマッチングが実現していると聞いております。
 本県の中小企業が元気になり、本県経済が本格的に回復するためにはこのような中小企業の支援ニーズに応えられるよう、よろず支援拠点との連携を含め中小企業の経営力を高めることが必要と考えますが、県の所見を伺います。
 次に、ファルマバレープロジェクトにおける地域産業の振興についてであります。
 昨年二月議会でも取り上げさせていただきました新産業集積クラスターを地方創生の中心的な柱として成長させ続け、地域経済を牽引する産業基盤へと育てていくことが期待されます。ファルマバレープロジェクトの成果をより大きくしていくためには、医療現場の声を形にした製品が今後世界へと広がる可能性のある医療市場で高い評価を受け販路の拡大へとつながっていくことが重要であります。県内で開発した製品を県内医療機関で使用する地産地消がそのきっかけになっていくと提案をさせていただき、売れる製品を開発するための新たな支援体制の構築についても県の取り組みを求めたところであります。
 そこで、県内医療機関への販路開拓など医療分野における地産地消に関して県の取り組みを伺います。また地域産業の振興に寄与するプロジェクトへと発展させるため今後重点的に取り組んでいく施策についてもあわせて伺います。
 次に、沼津駅周辺総合整備事業について伺います。
 沼津駅周辺総合整備事業は、静岡県東部地域の拠点としてふさわしいまちづくりを進めるとともに、沼津駅周辺で抱えているさまざまな課題を抜本的に解消していくため非常に重要な事業であります。本事業については県民の皆様との対話を通してニーズを把握し改めて事業の方向づけを行うため、平成二十三年十一月から約二年間かけて沼津駅高架PIプロジェクトが行われました。この中で地域や個人、公共にとっても相互に価値のある解決策を模索するとともに、互恵的解決を目指し賛成、反対の立場の違う市民が参加のもと進められました。結果として事業の方向性が四つの案にまとめられ、最終的に提案された四つの案から川勝知事が鉄道を高架化して原地区に貨物駅を移転する案に決定をいたしました。これだけの時間を費やし丁寧に結論を見出したにもかかわらず、いまだに反対のための反対があり沼津の未来のためにまちを変えていく方向へ向かっていない人がいることは残念としか言いようがありません。
 本事業を推進する上で鍵を握る新貨物ターミナルの整備については、昨年一月まちづくりに関する説明会以降県と市が連携して積極的に用地交渉に取り組んでいると聞いており、必要な用地の取得が徐々に進んでいると認識をしております。しかしながら鉄道高架本体工事に着手するためには昨年の九月定例会において多家県議からも指摘があったように今後さらに用地取得を加速させていく必要があると考えます。
 このような中、本年一月には沼津市から平成二十九年度末までの三年間で用地取得を終えるとの目標が発表され広く報道されております。この報道の見出しは用地買収依然難航となっておりましたが、この一年間は交渉に当たる職員の増員や五年ぶりの現地事務所を設置するなど残る二年で必要な用地を取得するという市の強い意志を感じることができます。地権者の中には用地を売りたい気持ちはあるものの地域のつながりを考え土地の売却をためらっている方も多くいると伺っております。
 地権者の皆様の心を動かし用地買収が進むことを期待するものですが、事業推進に向けた市の決意を受け県としてもどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、特殊詐欺対策について伺います。
 近年の特殊詐欺は、善良な高齢者が標的となり、被害に遭った高齢者の皆さんの心を痛めた姿を見るにつけ絶対に許すことのできない犯罪であります。
 本県警察の取り組みは、預金小切手を活用した通称預手プランを初め郵便局と連携した防犯シールの活用等、多くの特殊詐欺防止対策を展開をしております。本県からスタートした預手プランは沖縄県を除く四十六の都道府県警察が導入し全国における平成二十七年度中の被害額の減少に大きく寄与いたしました。
 また、昨年四月に設置した特殊詐欺現場設定班は事件検挙に大きな成果を上げております。しかしながら県内においては本年に入り息子をかたるオレオレ詐欺などの振り込め詐欺被害が急増し、一月末現在その被害額は前年同期の約四・二倍に達しています。残念ながら二月に入ってもその勢いはとまらず、多くの高齢者が詐欺の被害者となるなど大変に厳しい状況に突入しております。
 振り込め詐欺の被害を水際で食いとめようと金融機関の職員が高齢者等に積極的に声かけをしていることもあり、犯人側は警戒力が高まっている金融機関を避け比較的第三者の目が届きにくいスーパーやコンビニに設置されたATMを振り込み口として指定する傾向にあると報道されております。依然として高齢者が標的となる振り込め詐欺被害は後を絶たない状況であり、県警察には引き続き全国の特殊詐欺防止対策をリードし高齢者が安心して暮らせる地域社会の実現に努めていただきたいと強く願うものであります。
 そこで、こうした振り込め詐欺被害の現状を踏まえ今後いかに取り組みを進めていくのか警察本部長に伺います。以上について答弁を求めます。(拍手)
○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 蓮池議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢、特に文化によるふじのくにづくりについてであります。
 国づくりにつきましては、一般に三つの体系を整えなければならないと言われます。一つは力の体系、二つ目は利益の体系、三つ目が価値の体系でございます。これは高坂正堯という亡くなられた政治学者、長らく国の首相の御意見番もお務められ、また中西輝政、中西寛、五百籏頭真などのお弟子さんをお育てになり、さらに静岡文化芸術大学の初代幻の総長として目されていた方でございます。しかしそのどこに力点を置くかというのは国際情勢によるということで、日本は戦前期には予算の大半を軍事力に、戦後は敗戦の痛みがありまして戦争をしないということを誓って経済力を高めてきました。これはもちろんそれぞれの国際情勢が反映していたわけでありますが、戦前期はいわゆる帝国主義の時代ということで日本も五大列強の一つ、最終的には三大列強の一つとまで目されることになったのですが、結果的には国民が多大の犠牲を払い、さらに海外の人々を苦しめるということになりまして、軍事力は必要であると。しかしながらこれ自体は目的にならないというそういう認識を持つに至ったと思います。
 そして、戦後はジャパン・アズ・ナンバーワンというところまで参りましたけれども一方でエコノミックアニマルであるというようなやゆまでされるようになりまして経済力をつけることそれ自体も目的にはならないと。しかし両方とも必要であると。今は軍事力に対して阪神・淡路大震災であるとかさらに東日本大震災を踏まえますと、この力の体系には防災力というものも入れなくちゃならないかと存じます。そうした歴史をけみいたしましてこれからの時代は文化の時代になるということで文化力をつけるべき、そういう施策が必要であるというところから文化芸術大学というものも創設されたわけであります。
 私は、この静岡県におきまして文化力を高める十分な理由があるというふうに思っているわけでございます。その要素といたしましては三つございます。人です。自然です。そして人と自然との間にあるさまざまなものや制度や仕組みでありますが、何といっても一番大事なのは人です。
 私は学長を務めましたけれども、その後もしこのまま行っておりますと静岡文化芸術大学の学長さんは木村尚三郎先生――突然亡くなられたわけですが――その方の腰巾着だった人が学長になっていた可能性が高いです。さらに理事長は教育長を経験した方が順次務めていくという形になっていた可能性がございました。一方県立大学のほうも学長先生は学者でありましたけれども理事長は副知事さんがなさっていたわけです。やはりこれが本当の最高の人と言えるかというと問題です。ですから私どもはまず人をしっかり備えるということから始めるべきだということで、今、文芸大におきましてもあるいは県立大学におきましてもいわば日本のどこの誰に対しても恥ずかしくないような人材を集めているわけでございます。人材というものが一番大事で、その人たちにいわば教えを請うために多くの方たちが集まってくるということです。
 もう一つは自然です。その自然の中に我々は富士山や南アルプスを擁しておりますがこれが一種の文化性というものを持ちまして、富士山の場合には特に文化資産というように国際的な共通認識ができ上がりました。南アルプスもそうであります。さらにこれから伊豆半島そしてまた駿河湾も世界クラスのものとして魅力あるものになっていきましょう。これも文化力でございます。
 一方、人と自然との間にはいろいろなものがございます。これもまた私は一種の文化性を持っていると。物も、お金のことに非常に敏感な、例えば鈴木修スズキ自動車のトップは軽薄短小というふうに軽く、短く、少なく、小さくと。それがコスト削減する方法だと。しかし彼の「中小企業のおやじ」という本を読まれますと軽薄短小美となっているんですね。最後は商品が人を引きつけなければお客様は買ってくれないというところでございます。
 同じように、農作物につきましても工作物につきましても最後は人が引きつけられてそれを買うかどうかということがございまして、農作物についても農芸品としてございます。
 また、そのほかにもお茶畑が農業遺産になる、あるいはかんがい施設が世界かんがい遺産になる、あるいはバラ園が世界のバラづくりのトップに認定されたり、あるいは牧之原の場合のように花のまちづくりが国際的にトップクラスに認定される。こうしたことがございまして静岡県がいわば力を持てば恐れられます。経済力にしてもあるいは軍事力にしても人に恐れを与えるということがございますが、文化力というのは人に憧れを呼ぶということで、引きつけられるようなそういう地域をつくっていこうというそういう試みをふじのくにづくりの柱に据えているということです。
 また、歴史的には東洋の文明は大体江戸時代までに取り込み終えておりますし、西洋の文明は明治、大正、昭和の時点でほぼ取り込みを終わりまして、平成の時代になりましてからはむしろ日本が欧米諸国からも憧れられると言われるようになってきているという認識を持っております。そうした中で東の文明、西の文明というものが日本の国内各地に息づいておりますのでそうしたものを最も生かせる、いわば地政学的場の力を持っているのが静岡県であると。なぜかというとその中間に、あるいは中央に位置しているからだということでございます。それを我々は富士山を擁しているということで地域に立脚したふじのくにづくりというふうに命名いたしまして、富士山に恥ずかしくないような人づくり、地域づくりをしていこうと。こういう大きな枠組みの中で施策を講じているということでございます。
 日本がモデルとなり海外の人々を引きつける時代が到来しておりまして、西洋文明をモデルとした東京をもはやまねるのではなく、各地域の持つ魅力を生かした地域づくりが進められねばならない時が来ていると存じます。静岡県においても同じであります。
 議員から、日本の豪雪地帯や過疎地域における取り組みを御紹介いただきました。このように地域の特性を生かすための基盤となるものが地域のいわば文化力というように言えるものでございます。その担い手は人です。人材でございますから県の第三期文化振興計画におきましては文化力の地域づくりへの活用を新たな重点施策として掲げたところでございます。ここでは食の都、茶の都、花の都といったように食文化や茶文化など静岡県の特徴的な生活文化による産業振興、地域づくりを幅広い分野において進めまして、文化芸術との協働に向けた取り組みを推進することとしております。
 喫緊の方策としましては、国に先駆けて静岡県が取り組んでおります東京オリンピック・パラリンピック文化プログラムの県内各地域での展開などを通しまして文化の持つ多面的な価値を社会の幅広い分野で生かしていく地域の取り組みを支援いたします。文化力とこれを担う人材を重要な柱としたふじのくにづくりを進めてポスト東京時代の日本の理想郷の実現を目指すという、そういう旗は決しておろしません。
 次に、平成二十八年度当初予算編成と財政状況の認識についてであります。
 公明党県議団の皆様方から頂戴いたしました六つのテーマ、百九十七項目に及ぶ御要望を受けとめまして富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの総仕上げに向け、世界に羽ばたく三つの戦略と後期アクションプランを推進するための八つの取り組みによりまして平成二十八年度当初予算を編成いたしました。
 御要望テーマの一つ目、安全・安心社会に向けてでありますが、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三を確実に推進するため市町への地震・津波対策交付金を今後三年間継続することといたしました。木造住宅の耐震補強につきましては新たに高齢者世帯に専門家を派遣するなどきめ細かな対応をしてまいります。また伊豆半島地域の消費生活相談体制を確立するために市町と共同で消費生活センターを設置いたします。
 二つ目の御要望テーマ、夢あふれる社会に向けてにつきましては放課後児童クラブの整備を進めるほか、妊娠から出産、子育て期にわたる切れ目のない相談体制を担う妊娠・出産包括支援員を育成しまして安心して子供を産み育てられる環境を整備いたします。また重度障害のある方も地域において安心して医療を受けられるように在宅医療環境の充実を図ります。
 三つ目の要望テーマ、健康長寿社会に向けてにつきましては住みなれた地域で介護サービスが受けられるよう施設整備を進めるとともに、介護の仕事の魅力発信や介護施設などでの実務研修の充実などをいたしまして福祉・介護人材の確保を図ります。また医療救護活動が迅速に行えるように東部地域のドクターヘリの格納庫の整備につきましても支援をいたします。
 四つ目の御要望テーマ、活気あふれる社会へにつきましては東京オリンピックに向けた木材需要の増大を見据えまして、県産材の世界水準の森林認証取得を一層促進し国内外への販路拡大を図ります。これにつきましては公明党県議団の前林先生にも御尽力を賜っておりますことを申し添えます。また中小企業を対象とした制度融資に新たに円滑な事業承継を支援するための資金を加えるなど地域の企業支援も充実させてまいります。
 五つ目の御要望テーマ、調和のとれた社会へにつきましては地域経済の活性化に向けエネルギー分野の産業成長戦略を策定いたします。それとともに次世代エネルギーの事業化を促進するため民間事業者が行う水素ステーションの整備を支援いたします。
 六つ目の御要望項目、行財政改革への取り組みについてであります。健全財政を堅持するための取り組みとして選択と集中による優先化や事業の重点化はもとより廃止も含めた既存事業の徹底した見直しに取り組み、百五十六億円の財源を捻出いたしました。
 加えて、臨時財政対策債を含めた県債残高全体を対前年で縮減するとともに、翌年度以降活用可能な基金につきまして前年度を上回る三百六十億円を確保いたしました。厳しい財政環境にはありましたけれども県財政の健全性を維持できたものと認識しております。
 今後も、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりを支える安定した財政基盤の確保に向け行財政改革に力を注いでまいります。
 次に、県政運営についてのうち、組織改編についてであります。
 富国有徳の理想郷ふじのくにをつくり上げるために、またそれを前倒しで早期実現するためには変動する時代のニーズを的確に捉え一層効果的な施策展開が可能となる体制が必要です。このためこれまでの組織形態にとらわれずに将来を見据えた戦略的な組織改編を行うこととした次第であります。
 具体的には、知事公室と地域外交局を知事の直轄組織といたします。県が直面する喫緊かつ部局横断的な課題に対しまして迅速に施策の方向性を決定するとともに、直轄組織を中心とした関連部局の有機的な連携のもとで柔軟で機動的な対応を可能とする体制を確立いたします。
 次に、地域振興と市町に関する業務は政策企画部に集約いたしまして県と市町、地域が垣根を越えて強力に連携し多様な個性を発揮した地域づくりをオール静岡で推進していく体制を整備いたします。
 また、文化・観光部にスポーツ局を設置いたします。その上で教育委員会からスポーツ振興業務を移管しましてスポーツを通じた交流の拡大とスポーツ王国しずおかの復活に全力で取り組んでまいります。
 さらに、第一次産業部門を振興させるということの目的で経済産業部に第一次産業部門の統括者として農林水産戦略監を配置いたします。加えて農林業局を再編いたしまして農業局と森林・林業局を設置し、国際競争力を高め、攻めの農林水産業を推進する体制を整えます。
 今後とも、社会経済状況の変化を踏まえ行政現場の声や関係団体の皆様から御意見を十分に伺い、時代の変化に即応する柔軟で機動的な組織づくりに取り組み、世界に羽ばたくふじのくにを目指して邁進してまいります。
 次に、地域外交についてでございます。
 静岡県では、地域外交基本方針におきまして六つの重点国・地域を定めて積極的に地域外交を展開しておりますが、さらなる交流・友好関係の深化には県のみならず多くの市町が海外との交流の裾野を広げていくことが重要です。外務大臣だけではなくて国民全体が海外の方々と交流を結ぶという時代が到来しております。もう既に市町村レベルでは静岡県下ほぼ全ての市町がどこかの市町と友好関係を結んでいるというのはこれは新しい国際的な趨勢でございます。この趨勢を先取りするのが地域外交局でありますので、基礎自治体の市町がそのような動きを横に倣えというのではなくて積極的にされていくことが大切でございます。
 このため、県と市町による地域外交推進連絡会議を初め海外駐在員による報告会や個別相談会などを通じて市町からの海外交流に関する要望や相談に対しましては積極的に支援してまいります。
 最近の事例として、具体的には昨年の夏のモンゴルの訪問におきまして東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿誘致を目指しておられる焼津市さん、また伊豆の国市さんを支援いたしました。そのほか中国浙江省での友好交流卓球大会では省内の都市と友好提携を結ぶ島田市あるいは富士市が参加されて市町レベルでの交流を深めることもできました。常にこうしたものに対しましては積極的に御支援を申し上げるということです。
 また、ほかの事例としまして掛川市では韓国の、日本語読みをしますれば江原道横城郡、ハングル読みではカンウォンドフェンソングンと姉妹都市提携を結ばれています。来年から掛川市では新しい取り組みとして職員の相互交流を進め、市からの要請に基づいて交流職員を一定期間県の韓国事務所で受け入れまして現地における観光誘客や通商促進などの業務を経験することで今後の交流活動に生かしていくことになりました。
 このほか、ことしリオデジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開催されますが、県内関係首長の皆様とともに現地に出向きまして事前キャンプ候補地としての本県の魅力を発信するなど市町と連携した誘致活動を積極的に進めます。
 来年度からは、地域外交に関する施策を県の組織を挙げて推進していくため全庁的に総合調整をする地域外交監を設置いたします。また地域外交局を知事の直轄組織とし迅速な意思決定と柔軟かつ機動的な対応を行う体制とすることから、市町との連携を一層強化いたしまして姉妹都市交流の実を上げる。これは議員御指摘のとおり平和をつくるための一番重要な人と人とのつながりを密にしていくと。友達がいる外国とけんかはしないと。向こうもそのように考えていただきまして平和の礎をつくっていくという、そうした意味におきまして友好的互恵・互助というものを柱にしているわけでありますが、県全体としてより幅の広い地域外交が展開できるように取り組んでまいります。
 次に、教育行政についてのうち、総合教育会議についてでございます。
 この総合教育会議というのは、平成二十七年四月一日から施行される法律に基づいて設置されるもので、目的は地方公共団体の長である知事と教育行政を担う教育委員会が十分な意思疎通を図り、地域の教育の課題やあるべき姿を共有してより一層民意を反映した教育行政の推進を図るということのためであります。すなわちより一層民意を反映させるというにはどうしたらいいかいうことでございます。
 すなわち、自治体の長が教育委員会と一緒に総合教育会議をするときに自治体の長の恣意が入ってはなりません。意見を持つのは自由でありますが、その恣意によって教育の中立性、安定性、継続性というものが侵されてはならないというのが基本です。そのためにこうした社会総がかり、地域ぐるみとも言われる教育を推進していくための総合教育会議でございますので、その流れを見据えまして私どもは地域とともにある学校づくり検討委員会というのを二年前に立ち上げまして、そしてこの総合教育会議が発足すると同時に、それを地域づくりのための学校、何といいましたかね。正確に申し上げますと地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会というのを立ち上げました。
 この検討委員会や実践委員会におきまして、私は冒頭の挨拶と御礼の挨拶をいたしますけれども基本的に座長さんから求められない限り一切発言をいたしません。座長、委員長先生は民間の中で最も多くの組織でございます企業の中で立派な業績を上げられた方に務めていただいておりまして、スポーツ、芸術、あるいは藪田先生の御令息は水産関係をされておられるんですが、たまたまです。決して藪田議員の御令息だからというわけじゃないんですがそうした方々。それから農業経営士。本当にありとあらゆる方がお入りになられてまことにかんかんがくがくというか歯にきぬ着せぬというか自由な議論をなさっておられまして、そこで検討された結果を私が総合教育会議に持っていってそこでお話をさせていただくということで民意全体が反映されるようにしているわけです。まだ十分に日本の自治体の中でこの総合教育会議が社会総がかり、地域ぐるみで子供たちを育てていくというその意味がわからずに、ただただ教育委員会にみずからが出席するだけでよろしいというふうに思われている節も見られます。しかし私どもはそうではないのだということでやっていると。
 また一方で、教育委員会だけではなくて静岡県もかつては草柳大蔵先生のもとで人づくり百年委員会というのが設けられまして、そこで意味のある人をつくっていこうという提言がなされ、それを具体化する試みも今現状動いております。
 さらに新しく、先生が亡くなられた後は元文科大臣であられた遠山敦子先生を座長として、有徳の人づくりというのがこれからは大事だということですね。何か不祥事がありますと不徳のいたすところというふうに、先生方も特に選挙で負けられたら何も人を責めないで不徳のいたすところというふうに言われますね。何か全てが徳というところにあるわけです。人を集められなかった、人を引きつけられなかった。徳は孤ならずというふうに言われますが、すなわち徳のあるところには人が集まってくるということでございまして、そういう徳のある人をつくっていこうというのが有徳の人づくりでございます。
 人は体も持ち、心も持っております。そうした中で心と体、心身のバランスのとれた発育を助けていく必要があります。心は知性、感性そして根性から成ると。知・情・意から成るというふうに思いますけれども、知性を高めるのが学問です。感性を高めるのが芸術です。そして私は根性をつくるのは大きくはスポーツだというふうに思っておりますけれども、このように文武芸三道を鼎立させていくということを目標にしてこの有徳の人づくりについての具体化を図っているということで、こうした県全体の動きと教育委員会とが合致してこれから総合教育会議を運営していこうということでございます。
 総合教育会議におきまして、静岡県として何をするべきかということで御提言をいただいておりますが、そうした中で教職員及び高校生の国際化、人材バンクの構築、新しい実学の奨励、大学と大学院の充実などを一昨年の検討委員会で提言をいただき、それをこのたび実践委員会で具体的にしていただいてそれを総合教育会議で議論していただいてまいりました。
 実践委員会からいただきました高校生の海外修学旅行のさらなる充実――これは木苗教育長からまたお話があると存じますが――あるいは地域スポーツクラブの設立など具体的な御提言がございまして、できるところから実践していくということで総合教育会議で合意されております。
 また、総合教育会議での協議を踏まえましてこのたび静岡県教育の基本目標や施策の基本方針を示すふじのくに「有徳の人」づくり大綱を策定いたしました。
 この大綱では、本県教育の基本目標を有徳の人づくりと定め、そのために文武芸三道の鼎立、生涯にわたる多彩な学びの場の実現、社会総がかりの教育の実現の三点に取り組むことを県民の皆様に向けてわかりやすく宣言という形でお示しをしたところでございます。富士山を擁するこの豊かな大地によき人材が集い、この大地からすぐれた人材が輩出するふじのくにの実現に県民とともに取り組むことをうたったものでございます。
 今後、本大綱を広く学校や県民の皆様に周知していくとともに、引き続き実践委員会からも御意見を賜り、教育長、教育委員の皆様とさらなる意思の疎通を図り、静岡県の未来を担う有徳の人づくりに社会総がかり、地域総ぐるみで取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(吉川雄二君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) 県政運営についてのうち、健康経営についてお答えいたします。
 職員が健康ではつらつと勤務し、その能力を十分に発揮することは県民サービスや行政の生産性の向上につながるものであり、職員の健康に配慮した経営に努めることは大変重要なことと認識しております。
 県では、これまで定期健康診断や保健指導の実施、メンタルヘルス研修会、ストレスカウンセリング等の相談窓口の充実、職場復帰支援、長時間労働者への医師による面接指導等を通じて職員の心身の健康増進に努めてまいりました。
 また、高度化、複雑化する行政課題に対応するため、職員一人当たりの時間外勤務が増加傾向にありますことから管理職員のマネジメント能力の向上や業務自体を見直す「やめる・へらす・かえる」運動の実施等、時間外勤務の縮減にも積極的に取り組んでおります。
 これらの取り組みに加え、本年度からは健康経営の視点に基づきレセプトや健康診断のデータ分析により本県職員の健康課題を的確に捉え、それに応じた効果的、効率的な対策を講じるデータヘルス計画を策定し生活習慣病予防の保健指導等を行っております。
 さらに、来年度から実施するストレスチェック事業では産業医や外部の精神科医等を積極的に活用し相談機会をふやすなど、ストレス状態にある職員に早期に対応できる体制を構築することとしております。
 県といたしましては、今後も健康経営の視点を取り入れながら他の事業者の模範となる効果的な取り組みを行っていくことで、職員が心身ともに健康で意欲を持って働ける県庁を目指してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 外岡危機管理監。
       (危機管理監 外岡達朗君登壇)
○危機管理監(外岡達朗君) 大規模災害への対応についてのうち、地域防災力の強化についてお答えいたします。
 大規模地震などの自然災害発生時に自力での避難が困難な方の円滑かつ迅速な避難を確保するため、市町では国が示した指針に基づき避難行動要支援者の避難計画や名簿の作成などに取り組んでおり、県といたしましても市町との意見交換会や個別の相談等を通じ計画等の作成を支援しているところであります。
 しかしながら、避難支援の主な担い手となる自主防災組織では高齢化などにより人材の確保が課題となっており、一部地域では地域防災訓練において中高生が大人とともに安否確認や担架搬送を行うなど若い力を地域防災の担い手として生かす取り組みが進んでおります。
 県といたしましては、教育委員会と連携し引き続きふじのくにジュニア防災士の育成や中高生の防災訓練への参加を促進するとともに、自主防災新聞で先進事例を紹介する等、中高生の活躍の場をさらに広げることで自主防災組織の総合的な体制強化を図るなど地域防災力の一層の強化に努めてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 池谷くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 池谷 廣君登壇)
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 大規模災害への対応についてのうち、災害廃棄物の処理についてお答えいたします。
 県では、地震・津波アクションプログラム二〇一三において平成二十八年度末までに全市町で災害廃棄物処理計画を策定することとし、計画策定を支援するため指針となるマニュアル等の整備や東日本大震災で災害廃棄物処理の実務に携わった岩手県釜石市の職員を講師とした実践的なセミナーの開催などを行ってまいりました。
 ことし二月の調査では、今年度末までに三市町が策定を終えるほか二十二市町が策定作業に着手しておりますが、引き続き国の災害廃棄物処理支援ネットワークなどを活用の上、計画づくりのノウハウの習得や人材育成を目的とした研修会の開催など来年度末までに全ての市町において計画が策定されるよう取り組んでまいります。
 また、大規模災害時には多くの市町が同時に被災することが予想されるため広域的な協力体制の構築が重要であります。このため今年度から広域的な諸課題に向けて市町との協議を進めており、来年度早々には県内を四つの地域に分け県及び全ての市町等で構成する検討会で広域処理に必要な事項を整理し、市町間で相互に援助するためのルールづくりに着手するなど災害発生後、迅速かつ適正に災害廃棄物の処理が行われるよう取り組みを進めてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 教育行政についてのうち、本県教育の方向性についてお答えいたします。
 私は、昨年の五月の教育長就任からこれまでさまざまな機会を通じて学校現場や市町教育委員会等を訪問し児童生徒、保護者、地域の方々、教職員からの生の声をお聞きするとともに、総合教育会議の場において川勝知事と率直な議論を行ってまいりました。とりわけ教育現場との意見交換を通じ、本県が目指す有徳の人づくりを一層推進するためには学校、家庭、地域、社会がそれぞれの役割を担い連携をさらに強化することが必要不可欠であると改めて認識いたしました。
 このため、教育の原点は家庭にあることからまず家庭の教育力の向上に努めるとともに、地域の人々に支えられ地域とともにある学校づくりを進めるためコミュニティスクールや学校支援地域本部の導入促進に積極的に取り組んでまいります。
 さらに、総合教育会議での議論を踏まえ国際感覚が豊かな人材やものづくり県しずおかを担う人材を社会総がかりで育成するために、ふじのくにグローバル人材育成基金の創設を今議会にお諮りしております。この基金を活用し家庭の経済状況にかかわらず、また公立、私立を問わず意欲のある高校生を幅広く支援してまいります。
 地方創生が叫ばれる中、ふじのくに「有徳の人」づくり大綱が策定されたことにより教育の目標や施策の基本方針がより明確に示されました。本県の教育行政におきましては小学校、中学校、高校、特別支援学校の児童生徒の学校生活の一層の充実を図るとともに、誰もが自分らしく夢と希望を持てる社会の構築に参画できるようそれぞれのライフステージで静岡ならではの学びの場を提供し、国内外の各分野で活躍できる多様な人材の育成を推進してまいります。
 次に、障害がある人への支援についてのうち、特別支援教育の環境改善についてであります。
 県内に十校あります高等部分校には、現在五百三十人ほどの生徒が在籍し共生・共育の考えのもと、就労を含む社会参加を目指した授業とあわせ行事や日常的な触れ合いなどを通した交流にも力を入れております。分校生徒とともに学校生活を送った高等学校の生徒からは進路先として福祉関係や特別支援学校の教員を目指しますといった声も聞かれ、分校設置が共生社会の形成に効果的な側面もあると考えています。
 議員御指摘のとおり、特別支援学校高等部分校を希望する生徒が多い地区につきましては定員の関係から入学できない事例が出ていることは承知しておりますが、そうした生徒には本校を再度受験できる仕組みとなっております。当面の対応としては地区によっては入学者数の状況が年度ごとに異なることから学区の柔軟な取り扱いについて検討を進めるなど、できるだけ希望に沿った教育が受けられるよう努めてまいります。
 さらに、新たな分校や本校の設置につきましては現在見直しを進めている整備計画の中で将来的な生徒数の推移をもとに高校の余裕教室の活用や学校跡地、県有地の利用などを初め多様な整備の手法を検討してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 子供の貧困対策についてお答えいたします。
 貧困の連鎖を断ち切り子供たちの将来をより希望のあるものとするため、現在策定中の静岡県子どもの貧困対策計画では教育の支援、生活の支援、保護者の就労支援、経済的支援のこの四つの支援を重点項目として掲げ総合的に推進していくこととしております。
 具体的な施策といたしましては、教育の支援としてスクールソーシャルワーカーを増員して児童と生徒が抱える生活困窮などの問題を早期に発見し福祉機関等との連携により解決し安定して教育が受けられるよう支援してまいります。また学習のおくれや生活習慣の乱れが見られる生活困窮世帯の子供たちを対象に宿泊型の学習支援事業を実施し、規則正しい生活体験などを通じて自立生活や具体的な進学目標への意識づけを行い学力や生活習慣の改善につなげてまいります。
 生活の支援といたしましては、児童養護施設を退所後に離職してしまった行き場のない子供たちに対しまして生活の場を提供し再自立に向けて必要なサポートを行うための支援制度を創設するなど地域社会からの孤立を防止してまいります。
 保護者の就労支援といたしましては、とりわけ相対的貧困率が高いひとり親家庭の親が看護師などの専門性の高い資格の取得に要する費用を貸し付ける制度を新たに設けるなど各種の就労支援策に取り組み、生活基盤の安定化を図ることとしております。また経済的支援といたしましては児童扶養手当の第二子以降の支給額を増額するなど世帯の生活を経済面から支え子供の養育環境の改善に努めることとしております。
 県といたしましては、市町や関係機関と密接に連携を図りながらこの計画に基づき子供の貧困対策を全庁一丸となって着実に実行し、子供たちが抱える理不尽を取り除き全ての子供たちが夢や希望を持って成長していける社会の実現を目指してまいります。
 次に、子育て支援の拡充についてのうち、こども医療費助成についてであります。
 こども医療費助成は、子育て家庭の経済的負担の軽減を図り安心して子供を産み育てられる環境を整備するための重要な施策であります。県では平成二十四年度に助成対象を拡大いたしまして県内全市町で入院や通院がともに中学校三年生まで助成が受けられるようにするなど、全国的に見てもトップレベルの医療費助成の制度としたところでございます。
 市町間の子供一人当たりの助成額の開きにつきましては、医療機関への受診件数や一件当たりの金額が影響しておりますが、その要因といたしましては児童の年齢構成や入院や通院の状況、またインフルエンザ等感染症の流行の有無や市町独自の疾病予防対策による成果の違いなどから生じているものと分析されます。
 県といたしましては、今後国の子どもの医療制度の在り方等に関する検討会での意見やふじのくに少子化突破戦略の羅針盤で示した各市町の乳幼児サポート力などの課題を参考にしながら子供の医療費に影響を及ぼす要因について調査を行い、こども医療費助成の制度拡充も含めより効果的な支援策についての検討を行い子供を産み育てやすい環境の整備に努めてまいります。
 次に、放課後児童クラブについてであります。
 核家族化の進行や就労形態の多様化などに伴い、保護者が児童にとって必要なときに不在となる家庭がふえております。保護者が不在の間も児童が安心して安全に過ごせることができるようにするため放課後児童クラブを整備することは非常に重要なことであります。
 そのため、県ではふじさんっこ応援プランに基づきまして市町が実施する放課後児童クラブの施設整備に対し積極的に財政的支援をしているところでございます。本年度は三十カ所、一千人を超える施設整備を行っております。また来年度は五十三カ所、約千六百人の受け入れ枠の増加を図り、放課後児童支援員の見守りが十分に行き届く適切な規模で児童が安心して安全に過ごせる場を確保することとしております。
 安定的な人材確保と資質の向上につきましては、国に対しまして職員の処遇改善についての政策提言をしてきたところ、本年度から賃金改善の補助要件の緩和や常勤職員配置への補助が追加されました。今後も国に対しましてさらなる処遇改善を提言してまいります。また放課後児童支援員認定資格研修や発達障害児の専門家を派遣する実地研修を開催いたしまして子供の発達段階に応じた支援や配慮を必要とする子供への対応など技術の習得を行い、支援員の資質やモチベーションを高めるなど魅力ある職場環境づくりにも努めているところでございます。
 県といたしましては、今後も放課後児童クラブの待機児童の解消と安全・安心の居場所の確保に市町とともに全力で取り組み、「生んでよし 育ててよし」のふじのくにづくりを目指してまいります。
 次に、障害のある人への支援についてのうち、障害者差別解消法への対応についてであります。
 障害者差別解消法では、差別的扱いの禁止と障害のある人への合理的配慮の提供が求められており、中でも障害のある人と障害のない人がお互いに理解を深めることが重要であるとしております。そのため県では差別解消を考えるシンポジウムや福祉関係者を対象とした研修会等の開催を通じまして法律の趣旨や目的等についての理解促進を図ってまいりました。障害のある人に接する機会が多く特に配慮が必要と考えられます運輸や交通業や接客業を営む民間の方々に対しましては、合理的配慮の具体的な取り組み事例などを紹介したポスターやパンフレットを作成配布するなど一層の啓発に努めております。
 四月一日からの法律の施行に向けまして、県と全市町の担当部署にさまざまな相談の一次的な受け皿となる相談窓口を設置し民間事業者や差別的な対応を受けた方からの相談等にも的確に対応するようにしております。また関係機関などを構成員といたしました障害者差別解消支援地域協議会を設けまして具体的な相談事例の検討を行うなど障害を理由とする差別に関する相談について万全な体制で臨むこととしております。
 今後も、市町や国の関係機関等と連携して障害のある人や民間の関係団体の皆様と積極的に意見交換を行い法律の精神が速やかに社会全体に行き渡るように努め、障害を理由とする差別がなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指してまいります。
 次に、発達障害者支援についてであります。
 県では、発達障害者の支援のあり方について本年度専門の医療関係者の方々から発達障害者支援センターによる地域支援の強化や身近な医療提供体制の整備などについて意見を伺い、これらについてしっかり対応していくこととしております。発達障害者支援センターによる地域支援につきましては今後センターで育成したコーディネーターが児童発達支援センターや就労移行支援事業所等に出向き困難な個別事案の対応方法を提案し、施設職員と一緒に解決に導く体制を構築するなどセンターが持つ専門性を生かした地域支援の強化に努めてまいります。身近な医療提供体制の整備につきましては地域の小児科や精神科におきまして発達障害者に対する診療が可能となるよう医師の対応力の向上を図る研修の充実や、浜松医科大学の寄附講座により児童精神に係る医師を養成するなど地域で診療を行う医師の確保に努めることとしております。
 また、放課後等デイサービス事業につきましては放課後等デイサービスガイドラインを周知していただくための研修会を開催いたしまして、適正な運営と十分なサービスが提供されるようにしております。来年度からは東部地域におきまして子育ての悩みの解消など保護者を支援する方法を学ぶ研修を実施いたしまして放課後等デイサービス事業所の職員の専門性を一層高め、家庭と学校と地域とが連携してサービスが提供できるように取り組んでまいります。
 県では、福祉と医療を初め教育や労働などの関係機関から成る発達障害者支援体制整備検討委員会を設置いたしまして発達障害のある方の成長段階に応じたさまざまな課題に対応する施策につきまして意見を伺い検討しており、今後はその結果を踏まえ東部地域への課題の対応を含めまして当事者の視点に立った支援の実施を図ることとしております。
 次に、ドクターヘリの運航支援についてであります。
 本県では、全国に先駆け平成十六年十月にドクターヘリ二機体制を構築いたしまして、県全域を出動範囲とすることにより重篤な患者の命を救ってまいりました。ドクターヘリの運航支援につきましては安定的な運航が継続できるよう国に対しまして必要な財源を確実に確保するよう提言しております。特に本県では全国トップクラスの出動回数を誇っておりますが、ドクターヘリ基地病院等の負担が増大していることから出動回数に応じた加算制度の創設について強く働きかけているところでございます。
 また、東部ドクターヘリにつきましては伊豆の国市を初めとする関係二十一市町からの協力も得まして来年度格納庫等の整備を実施することといたしました。格納庫等の整備により日常の点検整備が一層安全かつ確実に実施できるようになり、台風などの悪天候時にも天候が回復次第速やかに運航再開ができるようになるなど今まで以上にドクターヘリの安全かつ安定的な運航に寄与することができるようになります。
 県といたしましては、今後もドクターヘリの運航を支援することにより命を守るための救急医療体制の確保を図り、県民の皆様が住みなれた地域で安心して生活できるふじのくにづくりを目指してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 篠原経済産業部長。
       (経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) 若者の就労支援についてお答えいたします。
 県は、しずおかジョブステーションにおいて人とのかかわりが苦手であるなど問題を抱える方に対して臨床心理士によるカウンセリングを今年度は一月末までに延べ四百八人に対して実施したほか、コミュニケーション能力を高めるセミナーも行っております。また県内四カ所に置かれている地域若者サポートステーションでは早期の就労や職場への定着を支援しており、平成二十六年度には五百二十九人が就労しております。
 議員御紹介の静岡方式も、多くのボランティアが継続的に支援を行うすばらしい取り組みの一つであると認識しております。さらに県内にはほかにも多くのNPO法人等がおのおの工夫を凝らし若者を就労につなげております。
 支援におきましては、対象者ごとに多様な対応が必要なことからしずおかジョブステーションでは県教育委員会が作成した若者支援に取り組む六十五の民間団体と公的機関を紹介するふじのくにアイマップを活用し個々の若者それぞれに適した支援機関を案内するとともに、関係機関と密接な連携をとってニート等が早期に就労できるよう支援してまいります。
 次に、産業振興についてのうち、中小企業の経営支援についてであります。
 県はこれまで中小企業に身近な商工会、商工会議所を通して経営革新計画の作成や販路開拓、資金調達など幅広い分野で支援するとともに、今年度からは国が静岡商工会議所内に設置したよろず支援拠点とも定期的に具体的な支援策に関する情報交換を行っております。
 また、県内中小企業から事業承継の相談も多くなっていることから、今年度金融機関と連携して専門家を派遣する制度を創設いたしました。さらに商工会議所などにものづくり専門支援員を新たに配置して新商品開発に意欲的な企業の経営革新を促進してまいります。来年度、県中小企業団体中央会にもものづくり専門支援員を配置するための予算を今議会にお諮りしているところであります。
 議員御指摘の知的財産の活用につきましては、昨年度から大手企業知的財産マッチング事業を静岡県産業振興財団に委託しておりこれまで五件のマッチング成果を上げ、そのうち二件は近日中に実用化、製品化の見込みであります。
 県といたしましては、今後とも中小企業の経営力向上のための支援を充実させるとともに、産業支援機関相互の協力体制を強化して中小企業の経営支援に努めてまいります。
 次に、ファルマバレープロジェクトにおける地域産業の振興についてであります。
 地域企業が販路を開拓する上で、医療機関への納入実績が重視されております。このため県立静岡がんセンターは点滴患者用の防水カバーや病臭防止デオドラントシートなどプロジェクト参画企業が開発した製品を購入しています。またファルマバレーセンターは県内病院への製品展示会を開催しており、今後静岡県立総合病院でも説明会を開催するなど県内病院での利用促進を積極的に推進してまいります。
 あす一部開所する静岡県医療健康産業研究開発センターでは、指定管理者であるファルマバレーセンターが中心となり入居する薬事コンサルタントなどと連携してワンストップで企業を支援していくとともに、ラボマネジャーの配置により地域企業、入居企業、医療者などの交流連携を積極的に進めてまいります。施設の使用を開始するテルモ株式会社や東海部品工業株式会社を初め入居企業同士の共同研究、開発を一つでも多く取りまとめ、海外展開できるすぐれた製品が創出されるよう取り組んでまいります。
 医療健康産業研究開発センターは、ファルマバレープロジェクトのさらなる成長の推進エンジンとなります。この施設を十二分に活用して医療健康産業の集積を進めてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 沼津駅周辺総合整備事業についてお答えいたします。
 事業推進の鍵となる新貨物ターミナルの用地買収につきましては、用地交渉再開後一年が経過したところであり、これまでに八件の権利者と契約を結び用地取得率は面積ベースで約七六%となっております。
 沼津市では、さらに円滑に用地買収を進めるため来月から新貨物ターミナル予定地付近に用地交渉の拠点となる現地事務所を開設するほか、周辺道路等の関連事業も含めて総合的に推進するため新年度から沼津駅周辺整備事務局を部に格上げし強力に事業展開を図ることとしております。
 県といたしましては、引き続き市が行う用地交渉を支援するとともに、用地買収完了後速やかに工事に着手できるようJR東海及びJR貨物との協議を鋭意進め、先月新車両基地に関する調査設計業務について委託契約したところであります。さらに今年度中には新貨物ターミナル、来年度早々には鉄道の高架区間について調査設計業務を委託契約する予定であります。
 沼津駅周辺総合整備事業は、交通の円滑化や駅南北の市街地の一体化を図るとともに、まちづくりに活用できる新たな土地を創出するなど県東部地域の拠点としてふさわしいまちづくりに必要不可欠な事業でありますことから、今後もスピード感を持って全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 西川警察本部長。
       (警察本部長 西川直哉君登壇)
○警察本部長(西川直哉君) 特殊詐欺対策についてお答え申し上げます。
 昨年の県内における特殊詐欺の被害は三百十五件、被害額約七億円でございます。前年と比べまして被害額は約三億五千万円減少いたしましたが認知件数のほうは百件増加いたしました。また被害者の約八割が六十五歳以上の高齢者でございます。さらにことしに入りまして認知件数が倍増しておりまして特にオレオレ詐欺、還付金詐欺が増加傾向にありますので引き続き検挙と抑止対策を強力に推進しているところでございます。
 まず、検挙対策についてであります。昨年、県警察は現場検挙を強化するため現場設定専門班、通称スピーディーを設置いたしました。一昨年の二倍以上に当たります二十二人を現場で検挙するとともに、都内の犯行拠点を摘発いたしまして暴力団組員、組長ら三十三人を検挙いたしました。本年の対策といたしましては現場設定専門班を中心に体制と整備資機材の整備を図りだまされたふり作戦を強力に推進するとともに、検挙被疑者や暴力団関係者等からの情報の一元化によるかけ子アジトの発見、首都圏専従班による内偵捜査及び県内外との合同捜査による犯行拠点の摘発に努めてまいります。なお本年はだまされたふり作戦などにより本日までに既に十人を現場で検挙しているところであります。
 次に、抑止対策についてであります。県警察が全国に先駆けて運用を開始いたしました預手プランによりまして、昨年中は一昨年を上回る約四億五千万円の被害を水際で防いでおりまして大きな効果を発揮しているところであります。本年は新たな対策といたしまして預手プラン研修用及び広報啓発DVDを県内の全金融機関に配布したほか、病院等高齢者が多く訪れる場所などにおいて放映し県民に対する注意喚起を強化するとともに、約二万人の会員を擁しておられます静岡県シルバー人材センター連合会と協力関係を構築し、また県内に本部を置くスーパー等に対するATM周辺における警戒や高齢者に対する声かけ等の強化に関する協力依頼を行うなど諸対策を推進しているところであります。
 今後も、引き続き関係機関との連携強化に努め特殊詐欺を抑止するための対策をより一層推進してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 蓮池章平君。
       (七十番 蓮池章平君登壇)
○七十番(蓮池章平君) それでは、三点質問させていただきたいと思いますが、まず沼津駅の周辺総合整備事業でございます。
 この中核をなす鉄道高架の事業は一日も早く完成させたいということで、昨年党派を超えて県議、沼津選出の多家県議、それから杉山県議、曳田県議、私とそして沼津市の市議会もですね、二十八名議員がいらっしゃいますがそのうちの二十二名の議員と県会、市会で沼津まちづくり推進議員の会を立ち上げました。十月には知事にも直接伺って御要望させていただきまして、とにかくやれることは何でもしようということで今動いております。市会議員の皆さんは全市手分けをしてチラシの全戸配布をしていると。私もまた地権者の方に直接お会いして事業推進に御協力をいただくようにお願いをしておりますけれども、やはり最後にはトップリーダーの力というか役割というか非常に重要だというふうに考えておりまして、沼津の市長にも直接地権者のところに伺っていただくように今お願いをしております。そういう意味では最後はトップリーダーが出て行動そして決断していただく。これが物事を動かしていく鍵になるだろうというふうに考えております。
 そこで、改めて知事にこの事業推進についての御決意をお話をいただければというふうに思います。
 二点目は、発達障害者の支援についてでありますが先ほど検討委員会をつくってここでさまざまな必要になるサービスの内容検討をしていくということでございました。障害者を取り巻くこの制度も平成十五年の支援費制度から自立支援を、そして総合支援をと変化をしておりましてサービスを提供する側もされる側も若干混乱が起きている部分もあると思うんですね。既に支援費制度からするともう十数年たっているわけでございますので、検討委員会の中で実際にどういうサービスが効果があったのかということをやはり県は検証する時期に来ているのではないかというふうに私は考えております。
 そういう意味では、ぜひこの検討委員会の中で効果検証をぜひ入れていただきたいというふうに思っておりますがその点について伺いたいと思います。
 最後は、ドクターヘリの運航でありますが整備の方向性は理解をいたしましてまた来年度しっかりと行っていただきたいと思いますが、整備の時期についてどのぐらいの目標で整備をされていくのか伺いたいと思います。以上、答弁を求めたいと思います。
○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 沼津駅周辺整備事業についての再質問にお答えをいたします。
 六年前に現地に入りましたときには、大変とげとげしい雰囲気でございまして前に進めるような状況ではございませんでした。そこで反対者と賛成者の方々、初めて膝を突き合わせてそれぞれの意見を開陳するということでお互いの理解が進んだという前提の上で、私は反対者の方々と直接膝を突き合わせてお話をいたしましてそして反対の理由、また求めていらっしゃること、全てよく御理解申し上げそれを約束を果たしたと思っております。一つは原町の周辺に健康と文化にかかわる地域社会をつくりたいということです。もう一つは待避線ならば受け入れるということでございました。
 これにつきましては、前者は長谷川逸子先生と地域の方々が御一緒になりまして原町にいわば桃源郷といいますか、グリーンビレッジをつくるということを今進めているところでございます。それからまた待避線につきましてはJR貨物の会長、社長と一対一でお話をいたしましてそして公式に待避線ということで御了解を賜ったわけであります。したがってもはや反対する理由はないのであります。したがって反対のための反対は許されません。
 私は、そのような観点でいつでも現地に入る用意がございます。差し当たってこの一年間で八人の方々が御同意いただいたということで弾みがついているかと存じますけれども、いつでもお目にかかる用意があるということには変わりありませんで、ただいわゆるパブリックインボルブメントにかかわって県の四人の職員のうち一人が今沼津市の中枢部におります。そして我々のほうも当初の四人のうち三人がこちらにおりましてやっておりまして、彼らもチームを組んでやっているということで必要とあればいつでも私自身が出向いて御説明を申し上げ、反対する理由はないと。粛々とこの事業を進めるということです。
 さらに言えば、周辺事業、ただただ高架だけのためではありませんで先ほど野知部長のほうからも御説明申し上げましたとおり沼津のまちの活性化という点がございます。したがって貨物の現在の跡地をどうするかということについても既に市長さん初め関係者と話をしておりまして、そうした方向についても最近は検討をされているということで、もうこの話は前に向いていると。今は粛々とこれを進めると。こういうのが私の基本的な姿勢でございまして、これを現実化するためにいつでも動く用意があるということでございます。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) まず、発達障害者検討委員会での検討内容についてですが、これは議員御指摘のとおり今まで県としてもいろんなことをやってきました。それにつきましては十分検証した上で、そこで新たな施策に生かすようなそういう形の検討委員会にいたします。
 次に、ドクターヘリの関係でございますがドクターヘリの格納庫だけでなくドクターヘリのヘリポートの関係の整備もございますので、一応、年度内を目標として整備の予定を立てておりますがこちらのほうはできる限り前倒しできる分につきましては積極的に前倒ししていきたいと思っております。計画では年度内ということになっております。以上です。
○議長(吉川雄二君) これで蓮池章平君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp