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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

蓮池 章平 議員

質問分類

代表質問

質問日:

12/07/2022

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
 o 組織文化に対する認識と変革
2 教育立県静岡の構築について
(1)静岡式35人学級編制の評価と今後の方針
(2)医療的ケア児への就学支援
(3)医療的ケア児の通学に係る支援
3 発達障がいのある方の支援について
4 糖尿病重症化予防対策について
5 物価高騰に対する支援について
(1)社会福祉施設に対する支援
(2)中小企業に対する支援
6 公会計改革から見た県財政の認識と今後の施設整備の考え方について
7 南海トラフ地震臨時情報の理解推進について
8 災害からの復旧と今後の対応について
(1)黄瀬川大橋の復旧と黄瀬川護岸の整備
(2)沼津市西部地域の浸水対策
9 サイバー攻撃から県民の命を守る対策の強化について
10 女性が活躍する社会の構築について
11 県営住宅における連帯保証人について
12 ファルマバレープロジェクトにおける販路開拓の支援について
13 東アジア文化都市を契機とした重要文化財等を活用した取組について
14 富士山静岡空港の運営権譲渡に対する評価について
15 警察車両のEV化について


○議長(藪田宏行君) 開議に先立ち、御報告いたします。
 知事から本日付で、櫻井農林水産担当部長が本日の本会議を欠席する旨の届出がありましたので、御承知おき願います。

○議長(藪田宏行君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により知事提出議案第百三十五号から第百七十六号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、七十番 蓮池章平君。
       (七十番 蓮池章平君登壇 拍手)
○七十番(蓮池章平君) 私は、公明党静岡県議団を代表して県政の諸課題について知事、副知事、関係部局長、教育長、教育部長、警察本部長に一括質問方式で質問をいたします。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、組織文化に対する認識と変革について伺います。
 昨年七月の長雨で発生した熱海市伊豆山地区の土石流災害では、二十七名の方がお亡くなりになりいまだ一名の方の消息が不明で数多くの方の家や財産、大切な思い出が土石流とともに流されました。改めて亡くなられた方の御冥福と被災された方にお見舞い申し上げます。復興までは長い時間がかかると思いますが、被災された地域の皆様のことを忘れず支援を続けていくことを誓います。
 この災害は不法な盛土が大雨により流れ出たもので違法に盛土した業者にその責任があると考えています。一方でこの不法な盛土を許してしまった熱海市と静岡県にも行政上の不備があるとして被災者から訴訟を起こされています。
 県が設置した外部有識者による行政対応の検証委員会は熱海市並びに静岡県の対応を検証し、行政対応は失敗であったと結論づけました。また一般的に個々の行政対応にはその根底にある組織文化が影響すると指摘されたところです。
 県は検証委員会の最終報告に対する見解の冒頭で、多くの方々の生命財産を守ることができなかった、行政対応の不十分さにつきましては深く反省しお亡くなりになられた方々及び被害を受けた皆様に対しおわび申し上げますと謝罪、行政対応の失敗であったとする検証委員会の報告を真摯に受け止めるとしているものの、それぞれの法律や条例の手続に関しては、瑕疵はなかった、合理性があるとして法律上の瑕疵はないと結論づけています。県行政の組織文化についても、今回の行政対応でかいま見えた組織文化の問題について改善を図っていくことが必要であるとしています。
 知事は、九月十三日定例幹部職員会議で、迅速な情報伝達、現場主義の徹底、他部局・市町等との緊密な連携、リーダーシップの発揮の四点を幹部職員に対してお願いとして訓示をされました。
 そこで改めて、知事は本県行政の組織文化にどのような課題があると考えているのか、その認識を伺うとともに、どのようにすれば組織文化を変えることができるのか、知事の考えを伺います。
 次に、教育立県静岡の構築についてのうち、静岡式三十五人学級編制の評価と今後の方針について伺います。
 少人数学級いわゆる静岡式三十五人学級編制は、知事が一期目のマニフェストにおいて、静岡式三十五人学級編制を継承発展させ少人数学級を進めますと掲げ当選後段階的に対象学年を拡大、また学級の下限も令和元年に小学校三年から中学三年まで撤廃され中学三年生以下全ての学年において事実上の三十五人以下学級編制が実現をされています。国も小学校の低学年から三十五人学級にしていることから、今後さらに少人数学級への流れが加速することが見込まれます。
 一方で、義務教育におけるいじめや不登校生徒数の数は過去最高を記録する現実を見ると、少人数学級の推進だけでは児童生徒が伸び伸びと学力を伸ばしていける教育環境の整備には結びついていないのではとの指摘もあります。学校現場からも、教員の多忙化は全く解消されておらず一部の学校では授業中に職員室には誰もいなくなることがあるとの声が聞こえてきます。
 発達障害のある児童生徒や日本語指導の必要な児童生徒など丁寧な指導の必要な児童の増加により一人一人にかける時間が多くなる一方で、人員配置はそのままのため多忙化の解消に結びついていません。
 コロナに限らず病気や家庭の都合で担任が二人から三人休むと教頭などが総出で対応しても回らない状況になっています。子供にとって最大の教育環境は教師であり、教師に余裕がなくなれば様々なところにひずみが生まれ子供たちに影響を及ぼすことになりかねません。義務教育における学校現場の状況を冷静に分析した上で立ち止まって考え直す時期にきていると思います。
 そこで、まず静岡式三十五人学級編制についてこれまでの取組をどのように評価し、本来の目的である子供たちの未来を広げる教育の充実を実現するために少人数学級への流れをさらに加速させるのか、それとも教員の数を増やし教材研究の時間を確保したりチームで対応する体制の強化を図るのか、その他の方法も含めて何が今必要と考えているのか伺います。
 次に、医療的ケア児への就学支援について伺います。
 医療的ケア児支援については、本年度から特別支援学校人工呼吸器装用児受入体制整備モデル事業を実施して、中央特別支援学校において人工呼吸器を装用する医療的ケア児のため専任の看護師を配置をいたしました。また医療的ケア児が在籍する特別支援学校においても医療的ケアの必要な児童生徒のために看護師を配置して必要なケアを行っていますが、配置されている看護師は会計年度任用職員であるため勤務時間の制限や学校が休みとなる夏休みなど長期休暇のときには仕事がなくなるほか、看護師の方が何らかの理由で休む際には対応できないなどの課題があります。
 このような状況を打開するため、以前にも提案をいたしましたが病院等に所属する看護師を派遣していただき医療的ケア児に対応する体制ができないかと考えています。委託契約等を締結し授業がある際には医療的ケア児の支援を行い、それ以外は病院で勤務するようなスキームを構築できれば、勤務時間の制約が緩和され保護者の負担がより軽減され医療的ケア児支援の枠組みを全県に拡大することができるのではないかと考えます。もちろん多様な働き方を確保する上で子育て世代の看護師が希望する現在の会計年度任用職員との併用も必要と考えます。
 病院との連携による医療的ケア児の支援策を含め、ケアを行う看護師確保のためどのような取組を行っていくのか伺います。
 次に、医療的ケア児の通学に係る支援についてであります。
 本年二月我が会派の盛月議員の医療的ケア児の通学支援に対する再質問への答弁で、できる限り医療的ケア児の通学時の保護者の付添い負担について軽減する形で教育委員会が責任を持って制度として確立していくことの検討を進めたいとの答弁がありました。昨年九月に施行された医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律に、学校設置者は医療的ケア児が他の児童生徒と共に教育を受けられるよう適切な支援を行うことが明記されました。このことを踏まえればこれまで活用してきた難病患者介護家族リフレッシュ事業の就学支援ではなく、学校設置者である県教育委員会が速やかに制度設計を行い医療的ケア児の通学支援を実施すべきであると考えます。
 そこで、難病患者介護家族リフレッシュ事業に代わる事業の検討状況と今後の方向性について伺います。
 次に、発達障害のある方の支援について伺います。
 発達障害のある方の支援については、一昨年四月に県東部の沼津市と中東遠の島田市にそれぞれ支援センターを設置し民間の事業所に委託して運営がスタートいたしました。支援センターでは相談支援の直接支援と研修、人材育成、普及啓発・連携体制構築の間接支援を主な役割としてこれまで二年九か月にわたり行っていると承知をしています。一方で県内の一部の市町において、障害福祉サービスの利用のために必要な計画策定を相談支援事業所で受けられず保護者が計画を策定するセルフプランとなるケースが見られることや高校卒業後に向けた支援体制や情報提供の不足なども課題として見えてきています。また発達障害の診療を行う医療機関も徐々に増えてはきていますが地域による偏在はいまだ解消されておりません。
 私は、支援センターの設置により県の発達障害のある方への関わりが見えにくくなっているのではないかと感じております。市町の取組姿勢や教育委員会との連携など、より広域的な視点で積極的に関わりがあってもよいのではないでしょうか。また社会全体に発達障害に対する理解を深めていくことも大きな県の使命であると考えています。
 そこで、県として発達障害者支援センター設置後の成果と課題をどのように捉え、今後県として発達障害のある方への支援をさらに充実させていくための方策について伺います。
 次に、糖尿病重症化予防対策について伺います。
 厚生労働省の令和元年国民健康栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる者の割合は男性で一九・七%、女性一〇・八%、そのうち治療中は男性七八・五%、女性七四・八%となっています。糖尿病は初期段階では自覚症状が少ないため治療が遅れやすく重症化すると網膜症、腎臓病、神経障害や認知症などの合併症を引き起こし、特に糖尿病性腎症が重症化すると最終的に人工透析となり患者の苦痛が増大、QOLが大きく低下をいたします。
 こうした状況を受け厚生労働省では糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定し、国と地方が一体となり糖尿病の重症化予防に努めています。静岡県でも生活習慣病の重症化予防の体制を整備するため医師会や市町、関係団体との連絡調整会議の開催や、糖尿病性腎症重症化予防プログラムの策定を通じて市町等保険者の取組を支援していると承知をしております。
 しかしながら、県全体では糖尿病患者数は増加傾向にあり先進的な取組を県下各地で展開していくことが求められています。広島県では呉市が早くからレセプトデータを統計的に分析し、糖尿病患者のうち人工透析導入段階にある患者に対し個別保健指導を行い重症化予防に努め医療費削減につなげた呉モデルで、埼玉県では埼玉県方式を用いて、また神奈川県では県のホームページで分かりやすく紹介するなど県が主導して重症化予防対策を推進しています。
 糖尿病を原因とした人工透析が減少するようこれまで以上に重症化予防対策を県の主導の下、積極的かつ広域的に推進すべきと考えますが、県の今後の取組を伺います。
 次に、物価高騰に対する支援についてのうち、社会福祉施設に対する支援について伺います。
 ロシアによるウクライナ侵略の長期化、急激な円安、原油高、物価高騰、電気料金の値上げ等いまだコロナ禍を抜け出せない中、県内の各事業者も大きな影響を受けており中でも高齢者や障害者の社会福祉施設への影響が深刻となっています。
 先日、静岡市の高齢者福祉施設で施設長と事務長からお話を伺いました。一番顕著なのが電気代で、昨年と今年の四月から九月の同月で比較すると使用量は八%上昇したのに対し金額は一・六倍、一六〇%の上昇となっています。金額で比較すると昨年が六か月で八百九十万円だったのが今年は、一千四百三十万円と電気料金値上げにより五百四十万円も負担増となっており、このままだと年間で昨年より一千五百万円の負担増になる見込みであります。
 九月補正予算の介護サービス事業所等物価高騰対策支援事業費により入所定員一人当たり八千円の補助が決まりましたが上限額八十万円のため、ないよりはましだがとても足りないと嘆かれていました。また電気代以外にも食事代、物品や薬代も既に上がっているものもあります。コロナ対策のため定期的な換気も必要で、換気している間は節電として冷暖房を止めることは高齢者の方にとっては命に関わることでできません。言わば電気、ガスは高齢者施設にとって生命線とも言えます。運営を維持していくためにはサービスの質を落とすか、人件費を削減するか、利用者負担を増やすか、しかしどの選択肢を取っても今後の施設運営にマイナスとなるのは明らかです。
 現在、国も総合経済対策を策定中でエネルギー、物価高騰対策を盛り込んでいるのは承知をしておりますが、今後県として社会福祉施設への継続的な運営の確保について、いかに支援していくのか伺います。
 次に、中小企業に対する支援についてであります。
 十一月二十八日から申請が始まった中小企業等の事業継続を支援するための補助金については、情報漏れというシステムの不具合が申請を行った事業者からの指摘により発覚し大混乱を招くという県の大失態であります。また申請した事業者から、何度も申請ボタンを押して十回以上チャレンジしてようやく完了した、申請途中でシステムダウンして受付が受理されたのかどうかも分からないという声も聞かれます。県としてシステムの運用開始に際して精査、チェックしたのでしょうか。申請を再開する際には万全の体制で運用することを改めて求めておきたいと思います。
 昨日の自民党の代表質問の答弁で、十分な予算の確保に努めるとのことですが、仄聞するところによると九月の補正分については申請受付再開後受け付けた分と二十八日に受け付けた分から抽選により交付対象者を決定するとのことですが、そのような方法を取れば混乱を増幅することになります。もちろん予算上の問題もあり一度に補助金を交付することは難しいことは承知をしておりますが、申請した事業者の皆さんにとっては補助金が交付されるか心配が続くことになります。
 十二月補正予算に対する要望の際また先日の知事要望の際にも申し上げましたが、申請される方に安心してもらうためにも受付だけは順次受け付けるとともに、交付は遅れるけれども全ての申請者の方に必ず補助金を交付していくとの明確なメッセージを速やかに打ち出し事業者の皆様に安心を届けるべきと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、公会計改革から見た県財政の認識と今後の施設整備の考え方について伺います。
 公会計で示される財務諸表は、本県の財政状況や今後の様々な計画の基盤ともなる判断基準となり得るもので行財政改革を進めていく上で大きな武器にもなると考えています。公会計改革の取組については、平成二十八年度から統一基準による財務諸表の作成がスタートし今年で六年目を迎えます。財務諸表を通して他の都道府県との財政状況の比較や経年変化で改善の道を進んでいるのかを見極めていく必要があります。
 三年前の十二月の議会でも指摘したように、県が保有する資産に対する過去・現在世代の負担割合を示す純資産比率は人口や財政規模が同程度の県と比較しても極めて低く、資産形成の多くを将来世代の負担に頼っています。加えて施設の老朽化の目安となる有形固定資産減価償却比率は七〇・九%と年々悪化しており、全国順位でも令和二年度の時点で四十七都道府県のうち四十位と低迷、今後庁舎の改築や大規模な改修の費用負担が大きくのしかかってくることが想定をされます。
 このような中、野球場の新規建設、県立中央図書館の建設など施設整備に多額の予算計上が検討されておりますが、本県の財政の状況から見れば施設整備に過度な設備やコストをかけられる状況にはないと考えています。
 そこで、公会計から見た本県財政状況の課題認識と今後の施設整備についての考えを伺います。
 次に、南海トラフ地震臨時情報の理解推進について伺います。
 南海トラフ地震の発生を正確に予知することは現段階では難しくその発生メカニズムも多くの想定がされ、プレート境界全体が一気に割れるマグニチュード九クラスの巨大地震となることや過去において東海、東南海、南海地震が時間差をおいて連動して発生したように南海トラフ震源域内で後発地震が発生することも想定されています。
 こうした南海トラフ地震の多様な発生形態を踏まえ国は、この地震の想定震源域内において突発地震の発生や異常な地殻変動を観測し、その後に大規模地震の発生の可能性が高まった場合に南海トラフ地震臨時情報を発表することとしています。この臨時情報のうち最も警戒すべき巨大地震警戒が発表されたとき、次の地震が発生してからでは避難が間に合わない地域では一週間の事前避難を行うことになっており全国で五十七万人、本県でも三万人を超える方がその対象となっています。
 しかし、国の新たな制度として令和元年から運用が始まったこの南海トラフ地震臨時情報は発表される条件や内容が大変に分かりにくく、昨年度の県民意識調査の結果ではその内容をおおむね理解していると回答した方は約二六%と三割にも満たない状況にあり、十分に周知が進んでいないことに危機感を感じます。例えば事前避難と聞くと予知ができるようになったとうのみにしてしまい、巨大地震の発生前に一週間避難をすると思い込んでいる人も多いのではないでしょうか。南海トラフ地震による犠牲者を一人でも減らしていくためには、この後発地震への対策として臨時情報発表時に取るべき行動をあらかじめ県民の皆様に正しく理解していただくべきであると考えます。
 そこで、県として臨時情報の内容や発表された場合に県民が取るべき行動を事前避難対象地域以外の県民も含め全県民に対してどのように周知していくのか伺います。
 次に、災害からの復旧と今後の対応について伺います。
 昨年七月の長雨により静岡県東部は各所で大きな被害となりました。冒頭に触れた熱海市伊豆山地区の土石流災害、私の住む沼津市でも沼津市西部地域の原、浮島、西添といった地域では床上床下浸水の家屋が二百戸を超え、黄瀬川大橋の橋脚が沈下し橋の一部が崩落、通行ができない状況となりました。
 そこでまず、黄瀬川大橋の復旧と黄瀬川護岸の整備について伺います。
 県道富士清水線の黄瀬川大橋については、現在応急組立て橋が設置され大型車や二輪車を除く車両と歩行者の通行が可能となっています。応急組立て橋が設置された当初は二十四時間体制で交通誘導の人員を配置しておりましたが、現在は通行に慣れてきたこともあり交通誘導の人員の配置はされておりません。一方で県外からの来訪者など初めて通行するオートバイ、二輪車など通行禁止を十分に認知せずに通行する車両も見受けられるようになっています。またこの道路を自転車通学で利用していた高校生は大きく迂回して通学しなくてはならず、一日も早く通行できるようにしてほしいとの声が数多く寄せられています。
 黄瀬川大橋の架け替えをするため大型車や二輪車も通行できる仮設橋の本格工事がスタートしたとの報道がありました。具体的な仮設橋の完成の時期について伺うとともに、架け替えする黄瀬川大橋はもともと道路に比べ橋の幅員が狭く通行する車両、歩行者などの安全面に課題がありました。
 そこで、架け替えする黄瀬川大橋の構造並びに着手時期について伺います。また橋を架け替えるためには国土交通省が進めている黄瀬川の上流から下流に至る全体の改修計画との調整も必要となり、現在まで国との調整状況など地域住民の安心につながる進状況について伺います。
 次に、沼津市西部地域の浸水対策について伺います。
 現在沼川新放水路の建設が進んでおり令和十年度に沼川本川から海までが完成、令和十四年度には高橋川から新放水路につながる計画であると承知をしています。沼川新放水路は十年に一度の大雨に対応する規模の降水量を想定していることから昨年七月の長雨や本年九月に県内を襲った台風十五号のような大規模な豪雨に対して、低平地を流れる沼川流域の地形的な特徴を踏まえると建設中の放水路に加えて流域全体で被害軽減の対策も必要ではないかと考えます。
 そこで、現在までの沼津市との連携による浸水対策の進状況と昨年の長雨で越水により被害が発生した高橋川における河川整備の取組状況について伺います。
 次に、サイバー攻撃から県民の命を守る対策の強化について伺います。
 大阪急性期・総合医療センターにおいて十月三十一日に発生したシステム障害がランサムウエアと呼ばれる身の代金要求型のウイルスによるサイバー攻撃に起因するもので、電子カルテを閲覧できないなどのトラブルが発生し、数日間にわたり通常の外来診療や緊急以外の手術が停止したほか救急患者の受入れも停止するなど住民の命を危険にさらす事態となり衝撃が広がりました。本県の東部の医療機関でも十月二十七日にランサムウエアと見られるサイバー攻撃によって電子カルテシステムに障害が発生し、県民の命を危険にさらす事態が身近に迫ってきています。
 医療機関に対するサイバー攻撃は県民の命を危険にさらす行為であり決して許すことはできません。しかしサイバー攻撃は日々巧妙化し専門のスキルを持った人材がいなければ対応できない状況となっております。本県においても地域の救急医療を担う県立総合病院がありサイバー攻撃に対する防御策は喫緊の課題であります。
 そこで、サイバー攻撃から県民の命を守るための対策の強化についてどのように備えているのか伺います。
 次に、女性が活躍する社会の構築について伺います。
 社会進出における男女平等の度合いを示す指標ジェンダーギャップ指数二〇二二で日本は世界の百四十六か国中百十六位、主要七か国G7では最下位と大きく出遅れています。男性中心の社会の行き詰まりから脱却するためには全ての女性が活躍する社会へと大きく変わる必要が指摘をされています。
 政府も女性版骨太の方針二〇二二で女性の経済的自立、女性が尊厳と誇りを持って生きられる社会の実現、男性の家庭・地域社会における活躍、女性の登用目標の達成の四点を掲げ女性活躍、男女共同参画の取組を加速させようとしています。大手企業においては男性中心の職場環境を女性が働きやすい環境へと変えて多くの優秀な女性人材の確保に取り組んでいますが、中小零細企業では求人をかけても女性からの応募がない、女性が働きやすい職場をアピールして優秀な女性人材を確保したい、女性社員を増やしたいが女性専用設備がないなどの悩みを抱えている事業所が数多く存在をいたします。
 東京都では、東京しごと財団との協働で女性が働きやすい環境づくりに女性専用設備の新規設置に最大五百万円を助成する制度を設け後押しをしています。本県における最大の課題である人口の流出、特に若い女性の流出に歯止めがかかっていないことや民間調査機関が女性社員が働きやすい都道府県ランキングの東海地区では愛知県が一位、岐阜県が六位、三重県が二十五位、本県は三十位となっており、より一層の努力が求められています。
 そこで、県として女性が活躍する社会の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、女性の働く環境整備を応援する制度の導入と併せて伺います。
 次に、県営住宅における連帯保証人について伺います。
 県営住宅に求められる役割は、母子世帯や障害のある方、高齢者、低所得で生活に困窮している方など住宅確保に配慮が必要な方が安心して入居、住み続けられることであります。
 国立社会保障・人口問題研究所によると高齢者人口のピークは二〇四〇年頃とされ、今後も高齢化が進行し独居世帯の増加等により住宅に困窮する人はますます増えていくと予想されています。総務省中部管区行政評価局の調査で、保証人を確保できないことが理由で入居を辞退または拒まれたケースが東海四県内で二十三の自治体で発生し、特に身寄りや知人がいない高齢者で数多く見られました。
 以前に、御主人が亡くなられた後の契約で保証人が確保できず退去しなければならないという涙ながらの御相談をきっかけに公明党静岡県議団の代表質問で取り上げ、これまでも連帯保証人を不要にすることを求めてまいりました。県ではその後入居中の家賃債務等を保証し連帯保証人の役割を担う家賃債務保証業者制度を運用開始していますが基本的には連帯保証人を確保するという課題が残っており、身寄りのない独居高齢者等にとってどれほど困難なことかと考えるとやはり改善が必要と考えます。
 国土交通省から二〇一八年以降二度にわたり保証人規定を入居の要件にしないように全国の自治体に通知をしており、既に福島、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、岡山、福岡等の十八の都道府県で保証人を求めないこととしています。公営住宅法の趣旨に照らしても高齢化のピークに向かう時代に本県も連帯保証人の不要の判断をするべきと考えます。入居者の安否確認や緊急時の連絡等、地域等でその役割を代替することができるのではないかと考えます。さらに県が連帯保証人を不要とすれば県下の各市町へも広がり、特に住宅確保要配慮者にとって大きな安心につながります。
 そこで、県営住宅の連帯保証人を不要とすることについて所見を伺います。
 次に、ファルマバレープロジェクトにおける販路開拓の支援について伺います。
 ファルマバレープロジェクトがスタートしてから本年で二十年の節目を迎えます。県東部の産業集積の取組として全国からも注目されるプロジェクトとなっています。これまで新たに医療分野に参入した企業は約五十社、プロジェクトから生まれた製品は百六十個になりファルマバレーセンターの職員や関係する皆様の努力により一定の成果が生まれています。
 一方で、クリアをしなければならない課題も数多くあり、例えばプロジェクトから生まれた製品を販売する体制や県東部の課題である産官学の連携協働で試験や研究を担う大学などの試験研究機関の不足などが挙げられます。先日訪問した企業では、ファルマバレープロジェクトの支援を受けこれまでにない特徴を持ち医療現場での課題を解決できる製品を開発したものの、確固たる販売ルートを持っていないため販路開拓が弱点となり販売目標の達成に至っていないとのことでありました。プロジェクトの支援を受け製品開発をしても製品が売れず利益につながらなければ撤退の道しかなく、せっかく高いハードルを越え参入した努力が無駄になってしまいます。
 そこで、ファルマバレープロジェクトにおける販路開拓の支援について伺います。
 次に、東アジア文化都市を契機とした重要文化財等を活用した取組について伺います。
 十一月三日文化の日に沼津市戸田の重要文化財松城家住宅が平成二十八年度からの保存修理を終えて一般公開されました。松城家住宅は熟練した伝統的建築技術に基づいて一階が和風、二階が洋風の建築年代の明確な明治時代初期の擬洋風建築として希少価値の高い建築物であり、芸術作品としても優秀な入江長八のしっくいこて絵など当時の高度な左官技術を示す遺構としても大変重要であります。
 このような国宝や重要文化財に指定された建築物は、県内では国宝の久能山東照宮をはじめ伊豆の国市の江川家住宅、葵区の神部神社浅間神社、掛川市の掛川城御殿、菊川市の黒田家住宅、牧之原市の大鐘家住宅、浜松市の方広寺七尊菩薩堂など三十六に上ります。本県は東アジア文化都市の二〇二三年開催都市に指定され中国、韓国との文化交流事業が計画されることになります。県下各地に存在するこのような歴史的な建造物や史跡をはじめとする文化財に光を当て、県内外のみならず世界中の皆様に御覧頂けるような取組が地域活性化や地域振興の視点からも重要であると思います。
 松城家住宅も説明なしに見学しただけでは希少性や重要性は分かりません。成り立ちや由緒などストーリーの説明を聞いて初めてその価値を理解できることとなります。その意味でもパンフレットや説明するガイド、ガイダンスも日本語のみならず多言語での対応が必要であります。来年の東アジア文化都市の指定は文化に光を当て地域の振興に結びつける絶好のチャンスと捉えることができます。
 そこで、東アジア文化都市を契機とした重要文化財等を活用した取組について、県の所見を伺います。
 次に、富士山静岡空港の運営権譲渡に対する評価について伺います。
 先日委員会の県外視察で何年ぶりかで富士山静岡空港を利用いたしました。そこでまず驚いたのは駐車場の一部が有料となっていたことであります。駐車場が無料であることを売りの一つとしていたので飛行機の利用客は依然として無料ではないかと思い込んでおりました。ターミナルビルの中も売店や飲食店が充実し「ふじのくに空のしおり三七七六」と名づけられた静岡県と山梨県の名酒や名産が置かれたスペースも整備され大きく様変わりしておりました。
 平成三十一年四月に運営権者に運営権を譲渡した後にコロナが蔓延し民間経営としては厳しい経営が続いていることは推測をできます。利用する皆様の利便性を向上させるための施設整備の財源の一つとして来年一月から成田、羽田、関西などの空港では既に導入をされている旅客取扱施設利用料を徴収するとの報道もあり、コロナ禍により悪化した経営を安定させるためとはいえ利用者負担が増加する結果となっている状況を見ると県が運営していたらどのようになったかと考えざるを得ない状況であります。コロナ禍により国際線が全便運休となるなど運営権者にとっては想定し得ない状況がこの数年続いており厳しい経営状況であることは理解できますが、利用者の負担だけが目につき利便性の向上やにぎわいの創出など県民にとってよりよい空港に向けた取組がかすみがちになっていることは残念な思いがいたします。
 運営権の譲渡から三年が経過した今、空港の設置者である県として運営権の空港運営をどのように評価しているのか、また今後よりよい空港とするためにどのように取り組むのか伺います。
 最後に、警察車両のEV化について伺います。
 令和二年十月に政府は、二〇五〇年までに温室効果ガス実質ゼロを目指すと宣言し取組の一つとして本年度以降の公用車の新規導入、更新については代替可能な電動車がない場合を除いて全て電動車とし令和十二年度までに全ての公用車を電動車とするといたしました。県も政府と同様に公用車の更新については電動車とし令和十二年度までに代替可能な電動車がない場合を除いて電動車とすることを目指すとしています。
 一方、県警察の車両についてはEV化に対する方針はまだ明らかとなっていません。県警察保有車両は四輪、二輪を合わせると二千台以上となっていますが、そのうちEV化されているのは数パーセントにとどまっています。警察にとっての車両は単なる移動手段ではなくパトカーをはじめ警察活動に欠かせないものであり、機動力を確保するための性能等は十分に確保される必要があります。
 しかしながら、この分野の技術は年々進んでいる上、電動車にはいわゆる電気自動車のほか燃料電池自動車、ハイブリッド車等様々なものがあり使用目的に応じて選定すれば導入は可能ではないかと考えます。加えて導入にかかるコストもイニシャルコストは高いもののランニングコストは燃費性能の向上などからトータルコストを比較すれば電動車のほうが安くなることが想定され早い段階で方針を打ち出す必要があると考えます。
 そこで、県警察における公用車のEV化について、その方針を伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 蓮池議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてであります。
 組織文化に対する認識と変革についてでありますが、熱海市伊豆山地区の土石流災害に係る行政対応におきましては逢初川源頭部における盛土につきまして県が所管する法令の規則が及ぶ範囲外の行為であり基本的に熱海市が所管する法令に基づき対処すべき問題であるといたしました。そのために県は問題解決に積極的に関与していこうとする姿勢が不十分になったというふうに認識しております。
 こうした対応に至った背景には、自らが所管する法令や事務の範囲内で責任を全うするという思考を根底とする組織文化があったと考えています。これは自らの所管に責任を持つという点におきましては意義があるものであります。一方今回の災害において浮き彫りになったのでございますが、この所管を範囲を厳格に捉えてしまいますと範囲外としたものにつきましては関係部局や市町等との連携をはじめ組織としての柔軟な対応を阻害する要因になることが課題であると考えます。
 県の組織文化の改善に向けましては業務等の推進に当たっての方向性等を示す上司の意識改革と行動変容を促しております。そのことによって全ての職員が今回の熱海の土石流災害から得た教訓を常に念頭に置いて日々の業務を積み重ねていくことが重要であります。
 私から直接幹部職員に対しまして関係部局や市町等との緊密な連携を特に意識して業務に当たってくださるように指示いたしました。それとともに人事評価制度における管理職員の行動評価にこの視点を新たに盛り込むことで、さらなる意識づけを図っているところです。
 また、各部局におきましては行政対応検証委員会報告書についての県の見解、対応を踏まえた事務の総点検を行ったところであります。この点検結果に基づきましてマニュアル等の見直しなど事務の適正な執行を確保するための対策や市町等との連携を図る場の設置など必要な対策を講じております。これらの対策を全庁で情報共有することで日々の業務における取組の深化を図っているところであります。
 長い時間をかけて形成された組織文化というものを改善していくには地道な取組を繰り返し繰り返し積み重ねていくことが必要です。今後も県民の皆様の生命や財産等に影響を及ぼすおそれのある事案に対し関係部局や市町等との連携の下で適時適切に対応することができるように県の組織文化の改善に向けて不断の努力を続けてまいります。
 次に、発達障害のある方の支援についてであります。
 県では、これまで発達障害のある方やその御家族、発達障害の支援を考える議員連盟など関係の皆様からの御要望を踏まえ、発達障害のある方が乳幼児期から高齢期までライフステージを通じて身近な地域で支援を受けられる体制の充実に向けて取り組んでまいりました。
 令和二年四月には発達障害者支援センターの運営を民間法人へ委託し東部と中西部の二か所体制としたところであります。法人が有する専門的な知識経験を活用いたしまして、発達障害のある方及びその御家族に対する相談のほか相談を行う機関への支援また研修の実施など県が担うべき専門性の高い支援について拡充強化が図られたものと認識しております。
 発達障害のある方への支援は成長に応じて適時適切な支援が受けられることが重要です。県として市町をはじめ様々な機関へ積極的に関わり計画策定を含む支援体制を強化する必要があると考えます。
 このため、県では当事者団体や市町をはじめとして医療・福祉、教育、労働などの関係機関から成る発達障害者支援地域協議会を定期的に開催いたしまして、広域的な視点で支援に係る検討を行っております。課題といたしましては幼児期、学齢期の児童に適切な支援を行うことができる人材の育成、そして高校卒業後の進路相談や支援、企業等における発達障害の理解促進等が挙げられます。こうした課題につきましては教育委員会とも連携が必要で、より現場に近い関係者の御意見も伺いながら継続的に協議会の場で検討を行いその解決に向けて取り組んでいるところであります。
 県といたしましては、今後発達障害者支援センター、市町、庁内関係各課、身近な地域で支援を行っている医療・福祉、教育、労働等の関係者等と連携いたしまして発達障害のある方への支援をさらに充実させて切れ目のない支援が行えるように取り組んでまいります。
 次に、富士山静岡空港の運営権譲渡に対する評価についてであります。
 富士山静岡空港は、平成三十一年四月運営権者が空港の管理運営業務を一元的に行う公共施設等運営権制度を導入いたしました。導入に当たり運営権者は空港利用者の利便性向上や安全・安心な空港運営などを柱とする全体計画を作成し様々な取組を進めておられます。将来の就航路線の増加を見据え雨天時や車椅子を利用する場合でも安全に搭乗できる新しい搭乗橋の整備や駐車場予約システムの導入、新たなアクセスバスの運行など利便性向上策とともに、通常入れない滑走路を歩くランウエーウオークの開催、ディズニーのショールームやピアノの設置など民間ならではのノウハウを生かしにぎわい創出を図る取組も積極的に行っております。駐車場の一部有料化や旅客取扱施設利用料の導入も計画の一環として実施されたものであります。
 一方、導入初年度の空港利用者数は過去最高約七十四万人でございました。ところが続く令和二年度、三年度はコロナ禍の影響によりまして利用者が十万人台に激減いたしまして、収入の基盤である国際線が全便欠航となるなど大変厳しい経営環境の中、運営権者は自らの責任において富士山静岡空港の適切な運営に努めております。
 県では、本年九月空港の運営状況を評価する富士山静岡空港特定運営事業等評価委員会を開催いたしました。委員からは富士山を遊覧するチャーターなど利用者拡大のための独自の取組が評価されました。県といたしましても運営権制度導入時に設定した要求水準を充足していることを確認いたしました。このことから厳しい状況下にあって運営権者は事業を適切に行っていると評価しているところであります。
 運営権者は、二十年間の事業期間で利用者を百三十五万人に倍増させるという高い目標を掲げております。まずは県と運営権者が一丸となり国際線の早期復便に向けて航空会社への働きかけや需要の喚起に取り組んでまいります。あわせまして周辺市町や民間団体等と連携したイベントの開催などによってにぎわいの創出に努めてまいります。
 今後も運営権制度が本来の効果を発揮し富士山静岡空港が多くの方に愛され、利用され、活気あふれる空港として県内経済の発展に寄与し、県民の利便性や利用者の満足度の向上につながるように運営権者と連携して取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(藪田宏行君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 東アジア文化都市を契機とした重要文化財等を活用した取組についてお答えいたします。
 県内には特色ある文化財が数多く残され現在まで大切に守り伝えられております。特に議員から御紹介のありました松城家住宅をはじめとした文化財建造物は当時の地域の人々の信仰や生活を伝える貴重なものであり、地域の宝として将来に確実に継承していく必要があります。
 文化財を守っていくためには多くの方々に文化財の価値を理解していただき観光にも積極的に活用していくことが重要であります。来年の東アジア文化都市開催は本県の文化財の魅力を国内外に発信する絶好の機会となることから、今後文化財の理解促進や情報発信に向けた取組を加速させていきます。
 文化財の理解にはその成り立ちや由来など史実に基づいた適切な説明が不可欠です。県では県内の文化財に関するデータベース文化財ナビを構築しておりますが、今年度は新たに文化財の魅力を分かりやすく効果的に発信するため地域に点在する複数の文化財を相互の関係や歴史の流れによってつなぎストーリーとして認定するしずおか遺産制度を創設いたしました。認定したストーリーは紹介動画を作成し県ホームページ等で発信しております。
 また、国内だけではなく来日する外国人旅行者に文化財の理解を促すために説明資料の多言語化が欠かせません。所有者や市町等が設置する文化財の解説看板への外国語表記や外国語解説のQRコードの掲示を促すとともに、県ホームページの多言語化に取り組んでおります。
 さらに、「鎌倉殿の十三人」に引き続き「どうする家康」と本県ゆかりの大河ドラマが連続して放送され歴史に関する関心が高まっております。文化財をテーマとするツアーは外国人旅行者にも人気が高いことから、本県のインバウンド施策の中核をなす圏域DMOであります静岡ツーリズムビューローと連携し本県の文化財を取り入れた旅行商品の開発を進めインバウンドの誘客を図ってまいります。
 県といたしましては、東アジア文化都市を契機に本県の貴重な文化財の価値に対する理解を促進し文化財が観光振興の核として活用され地域活性化に資することができるよう各市町、関係団体等と連携して積極的な情報発信に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 教育立県静岡の構築についてのうち、静岡式三十五人学級編制の評価と今後の方針についてお答えいたします。
 静岡式三十五人学級編制は、三十五人以下の学級規模を実現するため平成二十一年度に開始し令和元年度に小中学校の全ての学年で完成しました。本県の取組が国による小学校の三十五人学級編制への移行の大きな原動力になったと認識しております。
 その上で成果といたしまして、学習面では基礎学力の定着や学習意欲の向上、生活面ではクラスへの帰属意識や自己有用感の向上などが挙げられます。また学校からは、一人一台端末を活用した授業や情報リテラシーの指導などにおいても少人数学級の有効性が報告されています。
 一方、議員御指摘のとおり課題として、学級数の増加に伴い、学校全体の授業時数が増加したため教員一人当たりの担当時数が増えたことによる多忙化や学級担任が出張等の場合に代わりに授業を行える教員の不足なども生じております。
 こうした三十五人以下の学級を編制する効果を高めつつ課題の解消を図るため、現在教員一人当たりの業務負担が大きい小規模校への非常勤講師の配置やスクール・サポート・スタッフの全校配置を行うとともに、教員の業務の一部を事務職員に移管する学校事務再編の研究を進めております。
 さらに、少人数学級編制の検証と充実を目的に有識者や学校関係者等による学級規模検討委員会を立ち上げました。まずは現在の三十五人以下の学級編制についてより詳細に評価し、多忙化の改善等に向けて学級担任を補佐する人的な措置や担任業務の分担の見直しなどについて幅広く研究してまいります。さらなる少人数学級編制を進めるか否かにつきましては、その成果を踏まえた上で考えていきたいと思っております。
 県教育委員会といたしましては、少人数学級の先進県として国に対しエビデンスを示しながら教員の配置拡充等を要望していくとともに、自らも働き方改革を進め安定的な少人数学級編制の下で子供たちの豊かな学びの実現に努めてまいります。
 次に、医療的ケア児への就学支援についてであります。
 医療的ケア児が増加しそのケアも多様化する中で看護師配置による校内支援体制を整え医療的ケア児の安全で安心な学びを保証することは県教育委員会の重要な役割であります。
 令和四年度は県立特別支援学校において二十二校、百九十七人の医療的ケア児に対し六十八人の看護師及び四人の看護師免許を持った常勤の自立活動教諭を配置しておりますが、学校に限らず看護師の需要は様々な分野で高く看護師の安定した確保は課題であります。
 議員御提案の病院の看護師を学校に派遣する体制は有効な対応策の一つであると考えております。一方病院関係者と意見を交わす中では医師不在下での医療的ケアへの不安、小児対応看護師の確保や病院との勤務形態の違いなど解決しなければならない課題も考えられることから、まずは看護師研修等を通しての相互の理解と連携の強化、関係部局や病院関係者等との課題解決に向けた意見交換を進めてまいります。
 また、現在訪問看護ステーション協議会主催の研修会での特別支援学校における医療的ケアに関する講義や看護協会等と連携しリーフレットを配布するなど幅広く周知することで看護師の確保につなげております。さらに今後は養成段階からの働きかけを強化し、看護系の学校からの特別支援学校での実習受入れの拡大や福祉系の学科で学ぶ高校生への理解啓発などに取り組んでまいります。
 県教育委員会といたしましては、関係部局や医療・福祉機関等との連携を一層強化させ医療的ケア児が安心して学べる学校体制を整えられるよう学校看護師の安定的な確保に努めてまいります。
 次に、医療的ケア児の通学に係る支援についてであります。
 本県では平成二十七年から難病患者介護家族リフレッシュ事業に就学支援事業を加え医療的ケア児保護者の付添い負担の軽減に努めてまいりましたが、就学支援という観点からは対象が小中学生に限られることや保護者に一部経済的な負担が生じることが課題とされております。このため県教育委員会では、令和三年九月の医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の施行を踏まえ、学校設置者の責務として県立学校に通う全ての幼児、児童生徒を対象とし利用料など保護者の負担を伴わない本県独自の就学支援制度を令和五年度より実施すべく検討しております。
 新たな制度は通学時だけでなく在校時も含めた支援とし、通学時についてはまずは保護者が付き添うことが困難な児童生徒に対して、在校時については学校の看護師では対応が困難な人工呼吸器管理等の医療的ケアのある児童生徒に対して、保護者に代わり県が委託契約した訪問看護師が必要な医療的ケアを行うことを想定しています。
 県教育委員会といたしましては、医療的ケア児とその家族が個々の状況に応じた適切な支援を受けられるようにすることにより医療的ケアのある子供の安心した学びの機会を保障するとともに、保護者の負担を軽減し誰一人取り残さない共生社会を実現してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 八木健康福祉部長。
○健康福祉部長(八木敏裕君) 糖尿病重症化予防対策についてお答えいたします。
 県民の健康寿命の延伸と生活の質の向上を達成するためには県民一人一人が生活習慣病の発症予防と重症化予防を意識した健康づくりに取り組むことが重要であり、特に患者数が増加している糖尿病の重症化予防対策は急務であります。このため県では平成二十九年度に策定いたしました静岡県糖尿病性腎症重症化予防プログラムに基づき県医師会や専門医等と連携し、健診において血糖値などの数値が高いにもかかわらず医療機関へ未受診の方や治療が中断されている方いわゆるハイリスク者に対する受診勧奨や保健指導を行うなど、糖尿病を早期発見する取組を推進しております。
 今後の取組といたしましては、地域において医療機関への受診が必要な方々を適切かつ確実に医療に結びつけることが重要であることから、現在二十五市町で策定している市町版の重症化予防プログラムを全ての市町においても策定し、かかりつけ医や専門医と協力して重症化予防対策に取り組めるよう市町や郡市医師会などの関係者へ積極的に働きかけてまいります。また広域的に取り組むことも重要でありますことから、かかりつけ医から専門医に紹介する検査数値の目安を明示したシートを活用して多くの方々を適切な医療につなげている静岡市のほか、患者への保健指導の徹底や地域の公民館等における積極的な啓発活動により医療費の抑制を図っている袋井市などの優良事例を研修会等を通じて広く他の市町に紹介し横展開を図ってまいります。
 県といたしましては、県医師会をはじめ市町、保険者、医療関係者等と連携して糖尿病重症化予防対策をより一層推進し県民の皆様が心身ともに健康に暮らしていただくことができるよう全力で取り組んでまいります。
 次に、物価高騰に対する支援についてのうち、社会福祉施設に対する支援についてであります。
 福祉サービスを提供する社会福祉施設は、高齢者や障害のある方等が必要なときにいつでも利用できるよう安定した運営が欠かせないものと考えております。県では福祉サービス提供の基盤確保のため、施設を設置する際の建設費や備品購入のための助成をはじめ新型コロナウイルス感染防止のための陰圧装置や換気設備の導入等への支援、さらには感染対策に取り組む職員への慰労金の支給や令和四年二月以降介護職員の賃金を月額九千円程度増額するための助成など施設の運営や職員の確保、定着への支援に取り組んでおります。
 物価高騰に対する今後の支援につきましては、まず九月補正予算で事業化いたしました物価高騰の影響を軽減するための支援金について、現在申請を受け付けているところでありますので迅速に手続を進め対象となる事業者の皆様に速やかに支給することといたします。
 本来、物価高騰に伴う社会福祉施設の負担の増加については介護報酬など国が定める報酬額の見直しにより対応すべきであることから、国に対して増額改定を強く要望してまいります。また今後の国の経済対策を注視するとともに、社会福祉施設の継続的な運営につながる支援につきましては関係団体の御意見を伺いながらソフト・ハードの両面から必要な対応を検討してまいります。
 県といたしましては、福祉サービスを必要とする方がいつでも安心して利用できるよう社会福祉施設への運営を支援し安定した福祉サービス提供の確保に全力で取り組んでまいります。
 次に、サイバー攻撃から県民の命を守る対策の強化についてであります。
 県では、本年三月に策定したふじのくにDX計画におきまして情報セキュリティーの強化を掲げ、県や市町における情報セキュリティー対策や民間事業者等におけるサイバーセキュリティー対策の促進に取り組んでいるところであります。
 医療分野におきましては、これまで国から発出された医療情報システムの安全管理に関するガイドラインやチェックリストの活用に係る通知を医療機関等に周知するとともに、令和四年度から新たに医療法に基づく立入検査においてサイバーセキュリティー対策に関する県独自の検査項目を加え対策の強化に取り組んでまいりました。今回県内で発生した事例を受け、県では速やかにサイバーセキュリティーに関する基本的な対策を医療機関等に通知し注意喚起するとともに、サイバー攻撃を受けた際の迅速な対応を図るため医療機関と国、県との連絡体制を改めて明確化いたしました。また病院協会や県医師会と協力しながら、医療機関を対象にサイバーセキュリティーに関する研修を行い現場での対応力の向上も図ることとしております。
 県といたしましては、今後とも県内医療機関や関係団体と連携して適切な対策を取ることによりサイバー攻撃から県民の命を守るよう努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 増田経済産業部長。
○経済産業部長(増田始己君) 物価高騰に対する支援についてのうち、中小企業に対する支援についてお答えいたします。
 中小企業者等物価高騰緊急対策事業費補助金につきましては、情報漏えいというシステムの不具合により受付を一時停止し中小企業の皆様に大変な御迷惑と御心配をおかけしていることを重ねておわび申し上げます。
 現在、事業者の皆様の御要望にお応えできるよう十分な予算の確保に努めるとともに、早期の受付再開を目指して受託事業者とシステム改修等について調整を進めております。県として二度とこのような事態が発生しないよう受付体制の強化を含め万全の準備を進めてまいります。
 また、議員御指摘の十一月二十八日に受け付けた申請と受付再開後の申請につきましては、公平性を確保できるようその取扱いについては慎重に検討を行っております。具体的な申請再開時期や受付の方法などについては方針が決まり次第速やかにかつ分かりやすくホームページやコールセンターなどを通じて丁寧に情報提供を行い、事業者の皆様に安心していただけるよう努めてまいります。
 次に、女性が活躍する社会の構築についてであります。
 人口減少と少子高齢化が進む中、活力ある地域社会を維持していくためには多様な人材が生き生きと活躍できる環境づくりが重要であり、中でも議員御指摘のとおり諸外国と比べ遅れている女性活躍に向けた環境づくりは喫緊の課題であると認識しております。
 このため県では、女性のキャリアアップの意欲を高め活躍できるイメージが持てるよう様々な分野で活躍する女性の交流やネットワーク化を進めるとともに、女性が活躍している業種・職種、魅力ある仕事、多様な働き方やライフスタイルの情報発信などに取り組んでおります。またアドバイザーの派遣により女性活躍に向けた行動計画の策定などに取り組む県内企業を支援するとともに、女性役職者育成セミナーを開催し人材育成と管理職への積極的な登用を促進しております。さらに産業人材確保・育成対策県民会議や先進的な取組を行っている県内企業への個別訪問の場で御意見を伺い現場の声を施策に反映できるよう努めているところであります。
 県といたしましては、こうした現場の皆様の御意見を踏まえながらさらなる支援制度の導入等について部局横断的に研究を進め、働く意欲のある女性が自身の持つ個性と能力を発揮し生き生きと活躍することのできる社会の実現に向け引き続き取り組んでまいります。
 次に、ファルマバレープロジェクトにおける販路開拓の支援についてであります。
 県では、これまでふじのくに医療・介護福祉機器展をはじめとした国内外の展示会への出展支援や県内病院での製品展示会の開催などを通じて地域企業が開発した製品の販路拡大に努めてまいりました。また販路拡大に当たっては、その前提として利用者ニーズに合致した製品開発が重要であることからコーディネーターによる医療・介護現場のニーズと企業の技術シーズのマッチングや、試作品や製品開発に対する支援などを行ってきました。
 こうした取組により東部地域の企業が、新型コロナをはじめとした感染症用の検査キットを製品化し前期比で二倍以上の売上げを達成いたしました。また西部地域の企業が高齢者を対象に製品化した補聴器代わりの安価な集音器が銀行、病院などで広く導入されるなど超高齢社会のニーズに対応した事例も出てきております。
 今後は、これまでの取組に加え県外への販路拡大を見据えて医療健康産業政策で連携する山梨県との取組を強化してまいります。現在両県の地域企業が開発した製品をリスト化し相互の医療機関へ情報提供することで購入促進を図っておりますが、新たにメーカーや代理店を対象とした相談会を開催し市場ニーズの収集や地域企業とのマッチングに取り組んでまいります。
 県といたしましては、現場ニーズを熟知しているファルマバレーセンターが中心となって山梨県とも連携して地域企業が開発した製品の販路開拓を全力で支援してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 石川政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(石川英寛君) 公会計改革から見た県財政の認識と今後の施設整備の考え方についてお答えいたします。
 まず、公会計から見た県財政の課題認識につきましては議員御指摘のとおり資産の老朽化率を示す有形固定資産減価償却率が年々上昇しております。道路、港湾、漁港などのインフラ資産や県有施設について整備による便益と維持管理コストのバランスを取りながら計画的に改修、改築を行う必要があります。また資産全体のうち負債分を除いた正味の資産の割合を示す純資産比率が低下しており、将来世代の負担となる県債残高の抑制を図ることが重要であると認識しております。
 次に、今後の施設整備の考え方についてでありますが将来世代の負担を抑制するためには施設総量の適正化が不可欠であります。このため既存の施設につきましては、公共施設等総合管理計画に基づき施設の集約化やダウンサイジングを図りながら建て替えや長寿命化改修を実施しているところであります。また新規の施設整備に当たりましては、人口減少下における施設の需要や役割、整備効果などを十分に検証し優先順位づけをした上で国の予算の最大限の活用や民間資金を呼び込むための取組を積極的に進め必要な財源を確保してまいります。
 県といたしましては、今後も財務諸表を通じて財政状況を客観的に把握した上で必要な施設整備に集中することで健全財政を堅持してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 石野危機管理部長。
○危機管理部長(石野好彦君) 南海トラフ地震臨時情報の理解促進についてお答えいたします。
 臨時情報が発表された際、県民の皆様には通常の社会活動をできる限り維持しつつ家具の固定や家族の安否確認の方法など地震に対する日頃からの備えを再確認していただく必要があります。加えて津波浸水区域にお住まいの方のうち後発地震の津波から避難が間に合わない方は後発地震に備えた最大一週間の事前避難が必要となります。この事前避難対象地域の設定につきましては、令和元年度にワークショップによる住民、関係者からの意見等を踏まえた県版ガイドラインを策定し柔軟な事前避難の対象の設定や要配慮者の避難先に関する考え方を示すことで対象市町の円滑な計画策定を支援してまいりました。
 県民の皆様への周知につきましては、地震発生の科学的事象と巨大地震注意、巨大地震警戒などの情報の意味を御理解頂けますよう県民だよりに漫画を用いた親しみのある広報を掲載するとともに、現在取り組んでいるわたしの避難計画の作成、普及の中でも様々な自然災害の事象の一つとして意識啓発に努めているところです。
 コロナ禍等の影響により必ずしも周知が十分ではない面もありますが県としましては、引き続き市町と連携した広報等により周知を図るとともに、自主防災活動における研修会等の機会を活用して普及を進めるなど南海トラフ地震臨時情報の理解の促進に粘り強く取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 災害からの復旧と今後の対応についてのうち、黄瀬川大橋の復旧と黄瀬川護岸の整備についてお答えいたします。
 黄瀬川大橋につきましては、現在の橋の下流側に迂回道路を設置することとしており、大型車や二輪車も通行できる仮設橋を令和五年七月末までに完成させ大規模な物件移転が必要な取り合い道路部を含め同年十月末までの供用を目指しております。
 新たな橋梁につきましては、河川内の橋脚を四基から二基減らし河川への影響を少なくするとともに、歩行者等の安全性を向上させるため両側に二・五メートルの歩道を備えて十八メートルの幅員とする計画であり、迂回道路の供用後、直ちに架け替えに着手していく予定であります。
 橋梁の架け替えは、国と県が互いに費用を負担して河川改修計画に合わせて実施していくことで調整しており、現在橋台や橋脚の位置、施工計画などの協議を進めております。護岸の整備につきましては、国が設計を進めている橋梁上下流の約四百メートル区間を国が県の橋梁整備に合わせて実施してまいります。
 県といたしましては、国と連携して黄瀬川大橋の復旧と護岸の整備を進め一日も早く地域の方々が被災前の日常を取り戻し安全・安心な生活が送れるよう努めてまいります。
 次に、沼津市西部地域の浸水対策についてであります。
 沼津市西部地域を流れる沼川や高橋川周辺は河川堤防からの越水や内水氾濫が度々発生しており、昨年七月の豪雨でも青野地区や西添地区では多くの家屋が浸水被害に見舞われました。沼川流域では、これまでも沼津市と連携し河川改修をはじめ地区内水路や雨水を貯留する施設の整備などを取りまとめた豪雨災害対策アクションプランにより流域治水に取り組む先進的な地域の一つとして治水安全度の向上に努めてまいりました。今後激甚化する水災害に対しては、なお一層流域治水を推進していく必要があります。
 このため、沼川流域では国や県、市などの流域の関係者から成る流域治水協議会において昨年策定した流域治水プロジェクトに基づき取組を進めているところであります。現在沼津市が新たな雨水貯留施設の整備に着手したほか、住民の自助、共助につながる水害リスク情報を活用した講習会の実施につきまして沼津市と調整を進めております。
 また、高橋川での対策につきましては昨年度高橋橋下流約一・五キロメートル区間の堆積土砂の撤去と被災した二か所の護岸復旧工事を行いました。現在残る護岸復旧一か所の工事と高橋橋下流約四百メートル区間の堤防補強工事を進めており、引き続き河川の健全度を確保してまいります。
 県といたしましては、浸水被害の軽減に向け今後も沼津市と連携して流域一体となった防災・減災対策を進めることにより水災害に強い地域づくりに努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 高畑くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(高畑英治君) 県営住宅における連帯保証人についてお答えいたします。
 県営住宅における保証人制度は、家賃滞納の抑制や孤独死の防止にもつながる緊急連絡手段の確保など重要な役割を果たしています。こうしたことから本県では原則として連帯保証人を求めておりますが、保証人を確保できずに県営住宅に入居できないといったことのないようDV被害に遭われている方など事情に応じて保証人を免除する柔軟な対応をしております。
 また、昨年四月には家賃債務保証会社による保証制度を導入しました。保証会社の保証を受けるには入居者が一定額を負担する必要がありますが、本年十月末までに百五十世帯、新規入居者の約一七%の方に選択頂いております。
 しかしながら、身寄りのない単身高齢者など保証人の確保が困難な方がさらに増加していくことが懸念されます。県営住宅につきましては入居資格や入居者の見守り体制など今後の在り方を検討する必要があると考えており、その中で財政負担や家賃徴収の効率性を踏まえつつ保証人制度の廃止も選択肢とし検討してまいります。
 県といたしましては、住宅確保に配慮が必要な方の不安を解消し県営住宅が住宅セーフティーネットの中核としての役割を果たせるよう努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 大原警察本部長。
○警察本部長(大原光博君) 警察車両のEV化についてお答えいたします。
 国及び県が掲げる脱炭素社会の実現に向けての取組に合わせ、県警察におきましても代替可能な電動車がない場合等を除き新規導入、更新については、令和五年度以降全て電動車とし使用する公用車全体でも令和十二年度までに全て電動車とするという方針で整備を進めております。
 警察車両として運用するに当たり、電気自動車については充電設備のインフラ整備が十分でないことや充電時間が長いことなど機動性や即応性が求められる警察車両として活用するためには課題があることから、ハイブリッド車への切替えを推進しており既に八十台を導入し稼動しているところであります。また導入にかかるトータルコストについてもイニシャルコストの増加を燃費向上によるランニングコストの減少で補えることができると考えております。
 県警察といたしましては、ハイブリッド車の導入を進めるとともに、国レベルの動向も踏まえながら電気自動車などほかの電動車の導入に関しても検討を進めてまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 蓮池章平君。
       (七十番 蓮池章平君登壇)
○七十番(蓮池章平君) 数点、再質問させていただきます。
 まず、熱海のこの災害ですけれども私は県がこれを防ぐことができたのではないかというふうに考えています。そういう意味ではですね、県職員全ての仕事が直接県民の命とか生命財産につながっている、このことはぜひ自覚をしていただきたいと思いますし、県民の命を守れなかった、命を救う命綱を仮に握ったとしてもそれを放してしまったのではないかと、その原因がもし組織文化にあるとするならばこれはもう根本的に変えなければいけないというふうに思います。
 九月十三日知事は訓示をされました。これ以降組織文化が変わっていると感じられていますか。何か先ほどの答弁でも幹部職員に指示をされたということですけれども、何かこう他人事のように聞こえてしまう。やはり知事をトップとして全ての職員がこの災害を自分事として捉えていかなければいけないのではないかというふうに思っておりますし、そうしなければ組織文化は変わらないと。そういう意味ではですね、改めて組織文化を変えるために知事は具体的に何をされようとしているのか、知事自身は何をされようとしているのか、その点について伺いたいと思います。
 それから、県財政の認識と今後の施設整備について先ほど部長からも答弁頂きました。これは知事も同じ厳しい財政状況であるという認識と、今後そんなにやはり県としてはお金をかけられるだけの財政力はないんだという認識は同じでよろしいでしょうか。その点について知事の認識を伺いたいと思います。
 それから、中小企業の支援について再開の時期ということは明確に答弁されませんでしたがおおむねどのくらいで再開をする予定にしているのか、その点についてはいかがでしょうか。伺いたいと思います。
 それから、南海トラフの地震臨時情報ですが、これの周知それから市町と連携してというお話なんですけれども、なかなかこれは県民に周知されることというのは難しい部分もあるかと思いますので、例えばこの今ある防災アプリの「静岡県防災」、この学習コンテンツから情報をいつでも見られるようにしたらいかがでしょうか。この点についての考え方を伺いたいと思います。
 それから最後に、黄瀬川大橋の着手時期については令和五年の十月仮設橋を供用してから解体ということになるんですが、この完成ですね、本橋の完成はおおむねどのぐらいを目標とされているのか、その点について伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 土村経営管理部長。
○経営管理部長(土村暁文君) 蓮池議員の再質問についてお答えいたします。
 組織文化が変わったという実感が……
       (発言する者あり)
○議長(藪田宏行君) 知事、どうでしょうかね。
 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 組織文化についての再質問に御答弁を差し上げます。
 人間の意識改革はなかなかに難しいと思いますが、しかし熱海土石流あるいは今回の台風十五号等県民の命と財産を預かっている県職員全てにそれを人ごとではなく自分事として考えるという、そういうこの意識が広がっているという実感を持っておりまして、私自身は常に今回の熱海土石流の場合に関して言えば一番大切なことは現場に通暁しているということだと、つまり現場を知っているかどうかということであると思います。
 それはいわゆる縦割りの行政の中で、これはノット マイ ビジネスと言ってしまえばそれで終わりですから、いかにすればこの問題を解決できるかというように常に分野を超えて考える、そういうですね、姿勢を持つようにということは従来から言っておりましたけれども、これからより一層問題は現場にあるから、今回も現場に行った人がほとんどいなかったと、県職員の中でですね、それが大きな原因であるというふうに認識しておりまして現場主義の徹底を特に強く皆さんに勧めていると、また自らもそれを実践しているところでございます。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 石川政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(石川英寛君) 公会計から見た県財政の認識と今後の施設整備の考え方について、知事の認識についてお答えいたします。
 私の立場として県補正予算を組むたびごとにあるいは県の財政状況を公表するに当たりまして、各機会を捉えまして知事にその状況をお伝えし、その上で県財政、県補正予算の編成等をしているところでございます。そういう形でしっかり知事に県財政の状況を認識していただいた上で物事を進めておると、そう認識しております。以上です。
○議長(藪田宏行君) 知事、部長の答弁と同じですかという質問ですからお願いします。
 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 同じでございます。情報はですね、常に一体的に共有して決めているということでございますから石川部長の言ったとおりでございます。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 増田経済産業部長。
○経済産業部長(増田始己君) 物価高騰に対する支援についてのうち、中小企業に対する支援についての再質問についてお答えいたします。
 おおむねの再開時期という御質問でしたが、現在調整している中でおおむね今月の中下旬には再開できると考えております。具体的な申請再開時期につきましては、繰り返しになりますが方針が決まり次第速やかに分かりやすく情報提供を行ってまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 石野危機管理部長。
○危機管理部長(石野好彦君) 南海トラフ地震臨時情報の理解促進についての再質問についてお答えいたします。
 制度について防災アプリの学習コンテンツの中に登載したらどうだというような御助言を頂きました。来年度以降わたしの避難計画を内陸部で進めていく中でこちらの臨時情報についても丁寧に説明していきたいと考えておりますが、あらゆる機会を通じてということもありますのでアプリのほうの登載というのも検討していきたいと考えております。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 黄瀬川大橋の本橋の完成予定でございますが、令和五年十月末に今の仮設道路が供用して交通を切り回した後に着手することになり、それから三年程度の期間は要すると思います。それに加えて直轄の国土交通省の護岸整備が実施されますので、それについてはスケジュールについて国のほうと調整してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(藪田宏行君) 蓮池章平君。
       (七十番 蓮池章平君登壇)
○七十番(蓮池章平君) この熱海の災害は、今県議会でも特別委員会を設置をして行政対応について本当に県が何かできなかったのか、また県にその行政対応の不備はなかったのか、これは今検証中でございますけれども、私はゼロではない、県の責任はですね。誰かが気づいて、誰かが、恐らく気づいている人もいたと思います、私は。職員のヒアリングの中を見てもですね、本当に危機感を持っていた職員がいたんですよ。それを県として吸い上げられなかった対応できなかった。このことは本当に大きな問題として捉えなければいけないというふうに思っています。
 せめて、このことを常に忘れない、考え続ける、どうしたらこの組織文化が変わるのか問い続ける、そういう静岡県の組織文化をつくっていただくことが亡くなった皆様に対するせめてもの償いではないかというふうに考えています。ぜひそのことを強く申し上げ私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(藪田宏行君) これで蓮池章平君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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