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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中田 次城 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/12/2023

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
(1)知事発言の重みについての認識
(2)10月10日に知事が会見で述べたリニア問題の解決策の具体的内容
(3)特別職の退職金受け取りについての知事の考え
2 盛土規制法の運用開始を見据えた県盛土条例の今後の運用改善について
3 伊豆高原メガソーラー変更計画における林地開発許可の判断について
4 伊東港ウオーターフロント再整備構想における県の役割について


○副議長(鈴木澄美君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百三十四号から第百七十五号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、三十七番 中田次城君。
       (三十七番 中田次城君登壇 拍手)
○三十七番(中田次城君) おはようございます。
 私は、自民改革会議の所属議員としまして当面する県政の諸課題につきまして知事、副知事、関係部局長に一括質問方式にてお伺いいたします。
 まず初めに、知事の政治姿勢について三点お伺いします。
 一点目は、知事発言の重みについての認識について伺います。
 三百六十万静岡県民を代表している知事の発言は非常に重たいものであります。しかしながら川勝県政も四期目の折り返し地点を過ぎ、長期政権のひずみやおごりが露見しています。特に知事御自身の不用意な発言によって生ずる県政への悪影響すなわち県議会の混乱と県政そのものの停滞、そして国とのあつれきや県民からの不信感の増大などが顕著になっていると感じております。
 令和三年十二月県議会におきまして、いわゆる御殿場コシヒカリ発言によって県政史上戦後初となる辞職勧告決議案が可決され、その僅か一年半後の令和五年六月議会ではコシヒカリ発言による給与返上の約束を果たしていなかったことが発覚して、県政史上約五十年ぶりとなる不信任決議案が提出される事態を招いております。
 また、九月議会での東アジア文化都市のレガシー拠点の発言に伴い、さきの十二月六日の本会議におきまして知事に対して六十七人の全議員が連名で発言訂正を求める決議案を提出し全会一致で可決をしています。知事が四期目の長期政権に入ってからのこの二年半という短い期間の中で二度も辞職を求められており、多くの静岡県民に不信感を与え、我が県は大丈夫なのかという静岡の現状と将来に対して不安を抱かせております。
 このような状況は、知事の発言が余りにも不用意で軽すぎるために生じているものと考えております。私がいまさら言うまでもないことですが県知事をはじめとする県行政や県議会の役割は、長らく物価高騰に苦しむ県民や県内中小事業者の皆様に対してそれぞれの生活を下支えできるように切れ目なく政策展開をしていくことだと考えます。知事の不用意で責任感に欠ける言動によって生じる混乱と停滞は断じて許されるべきものではありません。
 そこで伺います。長期政権のゆがみとして知事御自身の発言から生じた一連の混乱や県政全体への不利益について、知事は一体どのように認識されているのか改めてお伺いをしたいと思います。
 次に、十月十日に知事が会見で述べられたリニア問題の解決策の具体的内容についてお伺いをいたします。
 私は、先日会派の同僚議員と共にリニア中央新幹線南アルプストンネルの建設予定地を視察をいたしました。現地まで片道約五時間半の行程でありましたが、地権者である十山株式会社の前代表の御案内によりツバクロ発生土置き場や藤島発生土置き場予定地なども視察させていただき、大井川上流の水流の現状やトンネル掘削現場周辺の自然環境の雰囲気をこの自分の肌で感じることができた大変有意義なものでありました。
 知事は、これまでに自分はリニア推進論者であると明言し、昨年七月にリニア中央新幹線建設促進期成同盟会に加入する際にも現行ルートを前提にスピード感を持って課題解決に取り組む意向を示したと承知しております。一方、大井川の水資源問題をはじめ南アルプスの自然環境の保全、リニア開業による本県へのメリットの試算、県の専門部会や国の環境保全有識者会議からの提言など、私がこの場で申し上げるまでもなく、県、JR、さらには国をも巻き込み様々な課題が論ぜられてきました。
 しかしながら、残念ながら私は今日まで知事がそれらの課題解決に向けてスピード感を持って取り組んできたとは思っておりません。推進論者であるならば推進論者としての責任ある対応が求められます。
 そこで伺います。本年十月十日に行われました知事定例記者会見において、知事は、もし私がJR東海の意思決定権者であれば、この川勝と膝を突き合わせて話せばその場で解決策を出せると話されていますが、その解決策とは一体何なのかお伺いしたいと思います。
 次に、特別職の退職金受け取りについての知事の考えについて伺います。
 この問題につきましては、これまでにも様々な議論がされてきていることを承知しております。川勝知事が就任されて以降退職手当を辞退した副知事はこれまで三名おり、一人目は大須賀副知事で平成二十八年四月に退任されております。大須賀副知事の退任前に特別職報酬等審議会から、知事同様に副知事についても退職手当を受け取ることとした上で与えられた職務を十分に果たし県民の期待する成果を出していくことが望ましいと、受け取ることが妥当との答申が出ておりましたが、大須賀副知事は受け取りを辞退されました。それから一年半後の平成二十九年七月には知事は二期目の退職金をお受け取りになり、令和三年七月にも三期目の退職金を受け取っておられます。
 しかし、令和元年七月に退任された土屋元副知事や令和二年四月に退任された吉林副知事は大須賀副知事と同様に退職金受け取りを辞退しております。結果としては知事は四期目も含めますと通算で一億二千万円を超える退職手当を受け取ることになりますが、この三名の副知事には退職金は一円も支払われておりません。
 知事はこれまで、副知事が退職金の受け取りを辞退するのは副知事の意思による判断である、また、生え抜きの職員として極めて公共的な役割があるので頂かないという筋を通されるものなどと発言されております。しかし私は率直に言って、このような現状は大変不自然かつアンバランスであると考えます。
 そこで伺います。知事は、知事自身は受け取っているが、三人の副知事が受け取りを辞退している現状について不自然かつアンバランスであると思っているのか、いないのかお伺いしたいと思います。
 次に、盛土規制法の運用開始を見据えた県盛土条例の今後の運用改善について伺います。
 令和三年七月三日に発生した熱海伊豆山逢初川土石流災害は、二十八名もの貴い人命を一瞬のうちに奪い甚大な被害をもたらしました。この災害をきっかけとして盛土規制の強化を求める声が多く上がり、これ以上不適切な盛土による災害の発生や生活環境が脅かされることのないよう、令和四年七月静岡県盛土等の規制に関する条例が制定をされました。条例の施行から一年余りが経過し条例制定の一定の成果が見られる反面、課題も浮き彫りになっております。それはこの条例の目的の一つである生活環境の保全のための規制が善良な個人や事業者にも例外なく規制がかかってしまうことであります。
 我が会派にも県民の皆様や様々な団体から条例の運用について大変多くの御意見、御要望が寄せられましたので、昨年七月に盛土対策プロジェクトチームを設立し約二十団体からのヒアリングをし、それらを受けて今日まで二十数回を超える勉強会を経て県当局に対し条例の運用の見直しの提言を行ってまいりました。その結果土壌分析調査の簡略化や出先機関への申請窓口の設置、土地改良事業を適用除外とする見直しなど運用面での改善が図られましたが、新たに配置された窓口の職員の経験不足のため申請への対応に時間がかかっているなど現時点においても課題が解消されたとは言えません。
 一方で、本年五月二十六日には国が新たに盛土規制法を施行しています。これは熱海の土石流災害を受けて全国一律に厳格な規制を課すものであり、県民の安全・安心を守ることにつながりますので国の法制化については評価をするものであります。しかし盛土規制法の施行により県民や事業者にとりまして県盛土条例とのいわゆる二重規制となります。
 そこで伺います。盛土規制法の運用開始を見据え、県盛土条例の今後の運用について申請手続の簡略化や土壌分析調査の大幅な簡略化などさらなる改善が求められると考えますが、県の所見をお伺いいたします。
 次に、伊豆高原メガソーラー変更計画における林地開発許可の判断についてお伺いします。
 伊東市八幡野における平成二十九年三月に申請されたメガソーラー事業計画について、県は延べ四回にわたり森林審議会に諮るなど慎重に審査を行った後、平成三十年七月二日に林地開発許可をしています。しかしながらメガソーラーの設置に当たっては、広大な森林の開発を伴うため計画当初より周辺住民、市議会、市が土砂流出などの災害の発生や景観の悪化を懸念し反対している状況にあります。市は伊東市美しい景観等と太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例に基づき本事業に同意しないとしており、事業者はこの条例に違反している状態となっております。
 また、市が河川占用許可申請を不許可としたことから事業者は市を相手取り河川占用不許可処分取消や損害賠償を求める訴訟を提起し、現在は係争中となっております。河川占用許可申請の内容は、市が管理する八幡野川への工事用道路の仮設橋及び仮設排水管の設置の二つの内容であります。
 また、県は平成三十年に林地開発許可をした際に、防災施設を先行して設置することとの条件を付したことから、現状において河川占用許可が取得できていないため現地では工事が進んでおりません。
 このような中、令和四年八月に事業者から県に林地開発変更許可申請が提出され、現在県は審査を行っていると伺っております。県が林地開発許可を行う上で定めている審査基準では、事業地からの排水処理について放流先は下水道、排水路その他の排水施設または河川その他の公共の水域もしくは海域に接続していなければならないとされています。そこで私は伊東市に対して、仮に林地開発変更許可申請の内容に基づき引き続き河川占用許可申請が提出された場合の対応について尋ねたところ、変更後も不許可処分にするつもりとのことでありました。
 私は、このような状況下では防災施設の設置ができないことや排水処理ができないことなど森林法の林地開発許可の四要件が満たされないと考えます。このことの確認について十月六日に林野庁と意見交換したところ、林野庁担当職員からは、河川管理者である伊東市から河川占用の許可が確実に得られる見込みがないことを踏まえ災害や水害を発生させるおそれがあると県が判断するのであれば林地開発許可申請が不許可となることはあり得る、そこは県が判断することである、との見解でありました。
 そこで伺います。伊東市の河川占用不許可処分に係る裁判で市の主張が認められている現状において、県は変更計画について林地開発許可の四要件を満たしていると考えているのでしょうか。
 繰り返しとなりますが、伊東市は河川管理者として河川占用を不許可処分にしており、それが司法判断で市の主張が認められ実質的に河川の占用ができない状態にあります。以上の観点から、私は現状において本林地開発許可は下ろすべきではないと考えますが、県の判断を伺います。
 最後に、伊東港ウオーターフロント再整備構想における県の役割についてお伺いをいたします。
 私の地元である伊東市は、海、山をはじめとする美しい自然や豊かな温泉に恵まれ、首都圏からのアクセスもよい国内有数の観光都市であります。国からは国際観光温泉文化都市の指定を受け、花と海といで湯の街伊東として国際的な観光や温泉等の文化及び親善を促進しております。
 こうした中、現在伊東市では伊東港の白石地区から新井地区までのウオーターフロント一帯の約二キロメートルを、市民や観光客が気軽に海辺にアクセスでき魅力あふれた海辺の景観や多様な環境と触れ合える機会や空間を創出すべきエリアであるとし、このエリア一帯の再整備に向けたウオーターフロント構想の検討を進めていると聞いています。
 この検討を進めているエリア北側の白石地区では、伊東市が海岸を埋め立てて造成した白石マリンタウン第一期計画地に道の駅伊東マリンタウンや伊東サンライズマリーナなどが既に整備され、エリア中央の湯川・松原地区には伊東八景の一つである伊東オレンジビーチがあり、夏の海水浴シーズンを中心に年間を通して多くの来遊客が訪れています。さらにこのエリア南側の新井地区には魚市場があり、伊東市の観光の目玉の一つである食の素材となる豊かな水産物が水揚げされています。
 このように、再整備に向けた検討が行われているウオーターフロント一帯は海の見える温泉、豊かな水産物、海水浴場、自然豊かな景観など伊東市観光の中核となる資源が集中するエリアであり、コロナ禍を経た今後の伊東市の発展を考えるとき、このウオーターフロントの一体的再整備が極めて重要であると考えております。私はこの再整備の実現には伊東市だけではなく、県や地域が一体となって観光や防災、費用対効果などあらゆる側面から検討を行い、地域総がかりで取り組む必要があると考えます。
 そこで、この再整備の実現に向けて、県は伊東港の港湾管理者として積極的な役割を果たし、これまで以上に伊東市との連携を密に早期に伊東港ウオーターフロント再整備計画を作成することこそが県の役割であると考えますが、県の所見をお伺いいたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(鈴木澄美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 中田議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、知事発言の重みについての認識についてであります。
 私は、令和三年十一月臨時会で辞職勧告決議案が可決されましたこと、さらに本年六月議会で知事不信任決議案に多くの県議会議員の方々が賛成されましたことを極めて重く真摯に受け止めております。また今般の県議会において、私の発言に関する決議を頂く状況になったことについては、申し訳なく思っておりまして心よりおわびをいたします。
 知事としての言動の重みを十分に自覚し、常時公人すなわちいついかなるときも公人であるということを改めて強く自覚した上で、不適切な発言がないように引き続き自らを強く戒めてまいります。
 知事就任以来県政運営の基本としてまいりました現場主義を通じまして県民の皆様の御意見等になお一層耳を傾けるとともに、私の思いや考えを誠実に県民の皆様にお伝えをしてまいりたいと考えております。
 本県の諸課題は山積しております。この課題解決のために県議会議員の皆様からアイデアや御知見も頂きながら政策論を交わしてまいりたいと考えております。引き続き御支援、御協力を賜りますればとお願い申し上げる次第であります。
 次に、十月十日に私が会見で述べたリニア問題の解決策の具体的内容についてであります。
 私はこれまで一貫してリニア中央新幹線の整備と大井川の水資源及び南アルプスの自然環境の保全の両立を図るという基本姿勢でおりまして、この基本姿勢の下でリニア問題と向き合ってまいりました。
 御質問の定例記者会見における私の発言は、JR東海との対話を速やかに進めるために意思決定者である丹羽社長には強いリーダーシップを持って取り組んでいただきたいとの思いを述べたものであります。意思決定者として地域の意向を十分に理解、考慮し、スピード感を持って対話を進め課題を着実に解決していくことが事業推進と環境保全の両立につながるものと考えております。
 丹羽社長とは本年四月に就任の御挨拶に来られた際に初めてお目にかかり、本県と御縁のあることや科学的・工学的議論が大切との認識をお持ちであることを、これを確認いたしまして大変心強く思っております。事業者であるJR東海さんには、地域の理解が得られ納得できる環境保全策を示すことが求められています。
 県といたしましても、JR東海との対話を建設的に進め、県民の皆様の不安や懸念が払拭されるとともに広く御理解を頂けるように努めてまいります。
 次に、特別職の退職金受け取りについての私の考えについてであります。
 二期目及び三期目の退職手当につきましては静岡県特別職報酬等審議会において、退職手当を受け取ることとした上で与えられた職務を十分に果たし県民の期待する成果を出していくことが望ましいとの御意見を頂いたことを踏まえ、退職手当を拝受することといたしました。各界の見識のある委員の皆様に御議論頂いた結論を尊重するという考えは今も変わっておりません。
 一方で、県の一般職から選任された三名の副知事さんは、審議会の意見を踏まえつつも本県の再就職の取扱い、すなわち本県を退職した職員が県が出資する団体に再就職した場合には退職金を支給しないように要請しているということに鑑みて自らの意思で退職手当の受領を辞退されており、その判断は尊重したいと考えております。
 なお、私が退職手当を受け取り副知事が受け取っていないという事実につきましては、アンバランスであると認識しておりますが副知事は私との比較ではなく自らの意思で退職手当を辞退されているものであり、不自然とは考えておりません。
 私と副知事は条例上はいずれも退職手当が支給できることとされておりますことから、退職手当を受け取るか受け取らないかの判断はそれぞれの意思に委ねられるべきものであると考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○副議長(鈴木澄美君) 高畑くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(高畑英治君) 盛土規制法の運用開始を見据えた県盛土条例の今後の運用改善についてお答えいたします。
 盛土条例は災害の防止と生活環境の保全という二つの目的があり、盛土に対する規制をしております。盛土規制法が災害防止のため必要な規制を行うものであることから、条例を見直し災害防止の規制は盛土規制法により行う方向で検討してまいります。
 現在、不適切盛土の是正に取り組む中で一部の盛土からは環境基準を超える物質が確認される実態があります。生活環境の保全を図るための規制が汚染土砂が持ち込まれることを防ぐことになります。
 一方で、盛土規制法の施行に合わせ建設発生土の不適正処理の防止対策が強化されており、関係団体の皆様から環境上の規制に関する御意見も頂いております。環境上の規制についてはこうした状況などを踏まえ規制の合理化をしてまいります。
 また、許可申請の受付、審査に関わる職員の研修を充実し、手続が円滑に行われるよう留意してまいります。県民や事業者の皆様の利便性を踏まえ体制を整えてまいります。
 県といたしましては、盛土規制法の運用開始を見据え盛土条例の必要な見直しを進め、不適正な盛土を規制することによる県民の皆様の安全と安心の確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 伊豆高原メガソーラー変更計画における林地開発許可の判断についてお答えいたします。
 森林法では林地開発許可を行う場合、森林が現に有している災害の防止、水害の防止、水の確保、環境の保全の四要件について各機能に支障を及ぼすおそれがないことを満たす必要があります。
 伊豆高原メガソーラーの変更計画につきましては、現在県において法令等にのっとり厳正に審査を行っておりますが、事業地内の雨水を安全に放流するために必要な防災施設の設置に関して事業者と河川管理者との間で河川占用許可などの調整が整っていない状況にあります。このため県では、安全性を確保する防災施設の設置について、河川占用許可等の調整が整っていない現状では林地開発許可要件である災害の防止を満たしていないものと考えており、現時点において変更許可は認められないと判断しております。
 県といたしましては、引き続き関係法令や審査基準にのっとり厳正かつ適正に対応してまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 勝又交通基盤部長。
○交通基盤部長(勝又泰宏君) 伊東港ウオーターフロント再整備構想における県の役割についてお答えいたします。
 伊東港の白石地区から新井地区までの約二キロメートルの区間には観光桟橋や伊東オレンジビーチのほか道の駅伊東マリンタウンなどがあり、市民や観光客が気軽に海辺にアクセスできるウオーターフロントとして観光拠点が集中するにぎわいエリアとなっております。このエリアは、国道百三十五号に隣接し、伊東駅にも近く首都圏からの良好なアクセスにより多くの観光客が訪れる一方、駐車場や憩いの場の不足、中心市街地との回遊性の確保が課題となっています。
 こうした課題に対応しこのエリアのさらなる魅力の創出を図るには、行政と地域の関係者が連携し広域的かつ長期的な視点で検討を行っていくことが重要であります。市では、ウオーターフロント再整備構想に向けて今年度は勉強会を開催し来年度から本格的に検討を開始すると聞いており、県ではこれに参画し再整備について検討してまいります。
 県といたしましては、人々が何度も訪れ滞在したくなる場となるよう、このエリアが目指すべき新しい将来像とその実現に向けた取組について行政と地域が一体となった計画作成に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 中田次城君。
       (三十七番 中田次城君登壇)
○三十七番(中田次城君) それでは、四点再質問をさせていただきたいと思いますが、まず知事の政治姿勢。私はですね、知事の発言が非常に軽いと。これはやっぱり長期政権からくるゆがみであったりおごりであったり、そういったものが如実に現れたこの二年半だと私は思っています。
 今回、私はリニアの問題で質問をしました。十月十日知事の定例記者会見を私は見てました。あれを見たら誰もが、おそらく多くの皆さんがですね、そういった解決策があるならそれを知事が示すべきだと。知事が言った言葉はね、私も壇上で言いましたが、私がJRの意思決定権者であればこの川勝平太と膝を突き合わせて話せばその場で解決策を出せる、その場で出せる、その自信がある、こういう発言をされた。ということは、知事がこうすればJRがこういうふうに、県はこういうふうに考えているからそこをはっきりさせればこの問題は進むんだと、その答えを私は持ってるんだと、私は分かってるんだということを発言されたんじゃないですか。ですから私はそれを単刀直入に質問したつもりですよ。
 しかしながら、今の御答弁を聞いていても何かこうJRの丹羽社長が非常にいい人だから、丹羽社長のリーダーシップに期待してそれをそういう思いで言ったんだと。私は全然違うと思う。あのとき知事は何らかの自分が具体的な、こうあれば解決できるんだということを自分の頭の中によぎって言わなければあんな発言はできないはずですよ。私はその点については今の答弁では全く納得ができないので、きちんと答弁を頂きたい。
 それと同時に、その会見のときに最後に記者の方から知事の言っているその具体策というのはルート変更ですか、そういう話がありました。知事はそれに対してルート変更ですとは答えてはいない。
 しかし、葛西さんが亡くなり安倍さんが亡くなりJRの社長もどんどん変わって新しい丹羽さんになって、丹羽さんが、今までこうだからと言ってそれに縛られることなく思い切ったことを決断してくれればそれが一番望ましいんだと。本当にその話を、やり取りを聞いていると、知事が言っていること、解決策というのはルート変更ということを今さら持ち出して言おうとしているのかと私は思いましたよ。多くの人がそう思った。
 しかし、知事は昨年期成同盟会に入るとき、これは静岡が入るときに確認をされてます。期成同盟会のほうから、静岡が入るんであれば今の現行ルートでこの開業年度もこのスケジュールでいくことを守れますかという確認を取られてますよね。で、知事は入ってるわけですよ。今さらルート変更なんて言えるわけがないし、工事だってどんどん進んでるんですよ。にもかかわらずルート変更と思われるような、私はあのやり取りをやっぱりどうしても気になる。
 そこでお伺いします。知事は自分が言った、解決策だと言ったのは、ルート変更ということを意識して言ったのか言ってないのか。それともまた先ほど丹羽さんのことを言ってましたけども、私はあの答弁では納得してませんので、何かほかに具体的な妙案があって言ったのか、それについてはもう一回明確に御答弁頂きたいと思います。
 続きまして退職金の問題です。
 私は退職金については、例えば川勝知事と今までの三人の副知事がですね、同じようにずっと辞退をされて今日に至ってるとか、同じように受け取っている状態が続いてるんであれば私はあえてこの問題を取り上げるつもりはなかったですよ。しかしながら川勝知事は一期目は取らなかったけど二期目からは取ってるんですね。受け取ってる。しかし新しい歴代の三人の副知事、特に大須賀さんは知事がまだ退職金を受け取ってないときの副知事ですから、自分もチーム川勝の一員として辞退をするという、いろんな空気の中でそういう判断をされたのは百歩譲ってあり得る話だと思います。行財政改革という意味でね。
 しかしながら、次の土屋さんと吉林さんに関してはもうその時点で知事は退職金もらってるわけです。であるならば、それを土屋さんや吉林さんがですね、大須賀さんに倣って自ら辞退する必要がどこにあるんだろうと私は思うわけです。
 退職金というのは私が今さら言うまでもなく給与の一部ですよ。そして退職金が発生するというのは退職した時点で初めてその権利が生まれて、退職したその瞬間から自分が請求して取れるわけですね。にもかかわらず退職を前にして、まだ吉林さんなんていうのはなる前、もしくは土屋さんもなってまだ半年ぐらいのときに、知事が平成二十八年の議会の答弁で、吉林さんや土屋さんや大須賀さんは退職金を取らないと承知している、そしてまた吉林さんも議決が認められれば取らないというふうに聞いているというような、こういうやり取りをしてるんですよ。議場でそういう答弁をしてるわけですね。
 私はですね、九月の総務委員会の議事録も読みました。しかし事務方の人事課長は、事務方はその三人の副知事の退職金の受け取りの辞退の判断について一切退職するまでは自分たちは関わっていない、承知していないというふうに言っているわけです。ということは知事が自ら吉林さんや土屋さんと話をして、就任前なのかどうなのかいつのタイミングかで話をして、いろんな話の中からそういう本人たちの意向を確認してるんじゃないですか。それについてどういう確認をされてきたのか。どういうやり取りがあったのか。そこに要は知事に対する忖度や知事から見えない圧力を感じてしまって、自分たちは本来もらいたいけれども受け取れない何かを自分たちが感じたって、私はそういうふうに考えられると思います。これについてもう一回御答弁を頂きたいと思います。
 それとですね、盛土。盛土については、これは二重規制になるということを我々PTも一番心配しているわけです。二重規制。国の法律が一律でできたということは、それができる前の県の条例だけのときは県の条例をやればいいんですが、国の法律ができた段階では国の法律に準じて県の条例は極力簡素化して国に一本化するのが私たちは筋だと思っている。今いろんな形でこれ規制緩和というか基準の緩和に向けていろいろ努力していくというのは分かりますが、今後の検討の中ではですね、幅広いやっぱり見地から、私はできるだけ事業者や個人の皆さんに負担がかからないように、なおかつ今ある条例の趣旨が守られるように合理的な整理をしていくべきだと思いますが、これについて改めて御答弁を頂きます。
 そしてメガソーラーですが、先ほどの答弁では明快な御答弁を頂いたと思っています。要は河川占用の不許可処分が生きている。司法の判断をしている段階では、これはもう今県としては林地開発許可を認められないと、こういう答弁だったと思いますが、改めてそのことについて御答弁を頂きたいと思います。
○副議長(鈴木澄美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 再質問、三つございました。そのうちの最初のリニア問題に関わる解決策はルート変更ではないのかとおっしゃったわけですが、ありません。現在のルートを前提にして促進期成同盟会に入っておりまして現在のルートを前提にして専門部会で議論していただいているわけでございますので、ルート変更は念頭にありません。
 それから、解決策というのが具体的にということでございますが、金子社長の時代にまずは二〇一〇年の交通政策審議会小委員会におきまして述べられていることを実行するのがいいと。それはいわゆる実験線の延伸完成、これが第一段階。それをした上で東京 名古屋間を二〇二七年までに、そしてまた体力をつけて二〇二七年から二〇四五年までに大阪まで結ぶとこう言われているわけですから、一番最初の実験線これの延伸完成というのは実験線が実験線でなくなること、言い換えると二つの駅が結ばれるということです。現在甲府駅と橋本駅、これは七十二キロありますが四十三キロの実験線ができておりますので、残り甲府駅まで山梨県側六キロ、残りの二十数キロを神奈川県まで運びますと、まずこれで実験線が実用線になると、これはどうですかと。
 それから、静岡県で工事をする場合、工事ヤードは御案内のとおり千五百四十メートルのところにあります。それゆえ半年間は仕事ができません。二軒小屋も十一月から連休までは閉じております。行かれましたように非常に遠いところです。そこで静岡県の作業員も仕事をする可能性があります。そしてそのために、そこにアクセスしやすいように金子社長は前の静岡市長さんと二〇一八年に三ツ峰落合線、全体三十数キロありますが、その五キロをトンネルで結ぶとおっしゃいましたがまだトンネルは進捗しておりませんので、もともとの計画である市道閑蔵線をこれを掘れば二・五キロですから井川の町なかに出られるので、したがって安心して仕事ができると。これはどうしてもともとそのお考えだったのに、それをなさらないんですかというような話をいたしました。
 これらは私の考えている具体策の一部ですが、現在は御案内のとおりコロナ、エネルギー資材の高騰、一・五兆円の工事費の増、財投、これら二〇一一年に国交省がJR東海に認可をしたときの事情とは大きく異なっているものであります。したがって、一旦とどまって改めて考え直す必要があるというようなことは、ぜひ新しい丹羽社長とも膝を交えて話すことができればと念願している次第でございます。
 三つ目の退職金につきましては、これまで私が知事になってからの副知事さんが辞退されたのは副知事さんの御意思であると思っております。それからこれからどうなさるかは、これは副知事の御判断を尊重したいと考えております。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 高畑くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(高畑英治君) 県盛土条例の今後の運用改善についての再質問についてお答えいたします。
 盛土条例の見直しに当たりましては、盛土規制法の施行に伴う関係法令等による取組強化の状況、盛土条例施行後の不適切な盛土の状況、近隣県の対応の状況、事業者、県民の皆様からの御意見などを踏まえまして検討を行ってまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(鈴木澄美君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 伊豆高原メガソーラー関係の再質問にお答えいたします。
 河川占用許可の司法判断も含めて市との河川協議が整っていないという現状におきましては、県として変更許可ができないと判断しているものでございます。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 中田次城君。
       (三十七番 中田次城君登壇)
○三十七番(中田次城君) 知事のですね、リニアの問題についてまた質問させていただきたいと思いますが、私はですね、知事が会見でその場で私と話せばその場で解決策ができると、それは何なのかということを第一質問でも第二質問でも聞いてるんですが、私の聞いてることの答えとは違うと思いますね。要は、知事はあの会見で言ったことのその場で解決ができるという具体的なものはないということですよ。そういうことですよね。ないということだと思います。だとすれば、あの会見での知事の発言を私は撤回するべきだと思いますよ。それが筋なんですよ。
 要は、私は知事の発言の重みということをずっと言ってるけれども、あまりにも知事がその重みというものを考えずに軽々しくいろんなものを期待させるようなことを言うから、聞いてる県民やマスコミもそうだ、我々もそうだ、国もそうだ、JR関係者もみんなそうだ、あの会見を見てる人はみんなそう思うんだ。じゃあその解決策というのは何なんだ。でもそれを聞けば答えられないじゃないですか。ないじゃないですか。あの場で知事が本来言うべきような内容のことが、今議場で返ってきてると思いますか、知事は。十分な答えをしてると思いますか。
 私はね、長期政権のひずみやおごりやそういったものは言ってますけどね、どんな人間だって川勝平太さんじゃなくたって、権力の座に長くいるとどうしても権力は腐敗するんですよ。おごりが出るんですよ。そしてこの議場で言えばですよ、議会の議員が質問したことについて、対してですよ、真正面から答えてこない。答えられない。逃げるんですよ。昨日の伊藤さんの質問だってそうだったと思いますよ。真剣にやっぱりこっちも三百六十万人の県民しょってみんな質問してるんですよ。その質問についてですね、いい悪いはともかく逃げずにですね、やっぱりしっかりとぶつかってこなきゃしょうがないじゃないですか。答えなきゃしょうがないじゃないですか。私は知事の今の対応っていうのは逃げてると思いますよ。私の質問から逃げてると思いますよ。そう思いませんか、知事。
 それともう一点、退職金のことについては、これはあえてまた、あえて私の思いを言いますがね。私、総務委員会の議事録ずっと読みましたよ。いろんな役人がいろんな答弁をしてるけども、ころころころころ変わってる。退職届が実際出されたのはいつなのか、どういう意思確認をしたのか。これはもう三人のですね該当者の副知事さんたちを呼んでですよ、総務委員会でも何でも開いてもらって、そういうふうにやるのが私はいいと思う。はっきりさせるには。それについて知事の考えはどうなのかをお聞かせ願いたいと思います。
○副議長(鈴木澄美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) リニアに関わる私の記者会見での発言についてでございますけれども、金子前社長とは膝詰めで話し合いましたけれども全部はねつけられました。まだ丹羽社長とはお話ができておりません。意思決定者は私ではありません。したがって私がそれを言うのは失礼であるというか資格がないと思っております。ですから、私一人で決められるものではないというのが結論でございます。
 それから退職金につきましては、これは先ほど申しましたとおりそれぞれの副知事さんが自分の御意思で判断されたものと、これからもそうなさるものというふうに考えております。それにつきましてこれまでどういうやり取りがあったのか総務委員会等で、私は存じ上げておりません。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 知事、確認をします。
 質問最初のリニアの関係はですね、解決策が分かりにくいということなのでもう少し具体的に答弁をお願いしたいと思っています。
 それから退職金につきましては、証人を呼ぶか否かというふうな質問がありました。これについても答弁が入っていないので御回答頂きたいと思います。
 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 解決策を持っております。
 これは私が申し上げたところで意思決定する人間は私ではありませんので、それではしたがって解決になりません。ただ勝手なことを言ってるだけになりますから、話さないと解決策にならないと思っております。
 二つ目につきましては、それは議会がお決めになって招集されるならば、これまでもそうであったようにそうなさったらいいというふうに存じます。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) これで、中田次城君の質問は終わりました。(拍手)

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