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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成23年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

堀江 龍一 議員

質問分類

代表質問

質問日:

02/18/2011

会派名:

志士の会


質疑・質問事項:

1 平成二十三年度当初予算編成について               
2 道路事業における木材の利用推進について             
3 山村部の地籍調査について                    
4 有度山山ろく地域の活用について                 
 (1) (仮称)ふじのくに・日本平サミットの誘致           
 (2) 県舞台芸術公園の活用                     
 (3) 里山体験学習施設の利活用の促進                
5 草薙総合運動場の再整備について                 
6 第三次静岡県環境基本計画について                
7 電気自動車等の普及促進について                 
8 ふじのくに食育フェア二〇一一について              
9 農山漁村地域のブランド化の推進について             
10 しずおか防災コンソーシアムと連携した取り組みについて      
11 教育行政について                        
 (1) 教職員の資質向上                       
 (2) 武道とダンス必修化への対応                  
 (3) Q―Uアンケート                       
12 警察行政について                        
 (1) 自転車の安全走行対策                     
 (2) 似顔絵捜査官制度                       
 (3) 交番・駐在所の活動   



    ○議長(天野進吾君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、三十二番 堀江龍一君。
           (三十二番 堀江龍一君登壇 拍手)
    ○三十二番(堀江龍一君) 志士の会を代表して当面する県政の諸課題について、知事並びに関係部局長、教育長、警察本部長に質問をいたします。
     初めに、平成二十三年度当初予算編成についてであります。
     我が国は、長引く円高や景気の低迷により、有効求人倍率や過去最低水準にある新卒者の就職内定率に見られる厳しい雇用環境が続いており、近い将来の産業の空洞化も懸念されるなど経済情勢は混沌としております。また一昨年の政権交代以降尖閣諸島問題や北方領土問題などの不安な外交政策、唐突とも思えるTPPへの対応、幕引きができない政治と金の問題などにより、国政は混迷の度合いを深めています。
     地方においては、平成十六年度に行われた三位一体の改革以降地方自治体の一般財源の総額がほぼ同額に抑制されており、この間に社会保障関係費等の義務的経費は着実に増加していることから、地方の政策的な経費は漸減し財政の硬直化が進んでいます。国、地方を合わせた巨額の財政赤字と債務残高を見れば、国による法令改正を含む抜本的な対策が急がれるわけでありますが、地方みずからも限られた財源を有効に活用し地域の活性化に資する努力が求められています。
     我が会派は、昨年十二月の知事への予算要望に際して、現在の日本に漂う閉塞感を打破し知事が提唱する富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりを実現するためには、これまでのライフスタイルや産業構造、行財政運営における考え方の転換を進めるとともに、豊かな県民生活を実現するために、選択と集中による予算編成が必要である旨を申し入れました。
     そこで、知事は我が会派の理念、要望をどのように受けとめ、当初予算に反映したのかを伺います。
     また、地域主権改革は根本的な議論は一向に進んでおりませんが、国の補助金改革の一環として来年度から一括交付金制度が始まります。そこでこの一括交付金制度について、県としてどのように評価し、またどのような課題があると認識しているのかをあわせてお伺いいたします。
     次に、道路事業における木材の利用推進についてであります。
     平成十四年に本県は、二十二世紀に引き継ぐ森林の将来像を描いた静岡県森林・林業基本方針を策定し、その実現を目指し静岡県森づくり百年の計委員会から持続可能な森林整備システムの提言を受け、平成十七年に静岡県森林と県民の共生に関する条例を制定しました。その後この条例に基づく森林共生基本計画を定め、すべての県民が森林と共生するための施策を進めているところです。
     昨年の静岡県森林共生白書「森林資源を積極的に活かした森林づくりへ」によれば、百年の計委員会の提言に基づく制度や仕組みはおおむね実現できたものの、森林資源の循環活用については十分ではないとしています。その中で需要の創造について、地産地消の強化による大工・工務店などや新製品開発による住宅産業などを対象に、品質性能が確かなしずおか優良木材や県産材の合板などを普及させるとし、しずおか優良木材の家支援制度などを中心とした木使いの推進や、木材による路肩構造物を使った林道づくりなどの具体的な施策が展開されています。
     ところで、国土交通省は道路事業における木材の利用推進について、木の香る道づくり事業により木材を活用した道路構造物の整備等を積極的に推進していると聞いています。例えばガードレールについて言いますと、長野県で開発された木製ガードレールは製造から設置までのすべての工程を地域の企業が担当し、鋼鉄製ガードレールに比べると単位長さ当たり五倍の地域の雇用を創出しているとされており、森林資源の循環活用と合わせて大きな効果をもたらしているものと考えます。
     そこで、本県の道路事業における木材の利用推進について県の所見を伺います。
     次に、山村部の地籍調査についてであります。
     地籍調査は、土地の所有者や地番、面積などを調査して、境界の位置と面積を確定する土地の戸籍と言うことができます。地籍調査が実施されていないところでは、相隣関係や土地取引に際しての弊害、公共用地の適正管理、課税の公平性などの課題に加えて、何よりも東海地震発生を控える本県にとって、被災後の復旧に大きなおくれを生ずるおそれが指摘されています。
     国土交通省は、昨年の十二月十五日全国の市町村ごとの地籍調査の実施状況や進捗率をウエブサイト上に公開しました。それによると全国の地籍調査進捗率の四九%に比べて、本県の進捗率は二二%と大きくおくれをとっており、特に山間部においてそれが顕著であることがわかりました。
     地籍調査が進まない裏には、境界の確認など利害が錯綜してそもそも実施が難しい調査であること、地籍調査に対する住民の理解が少ないことなどがありますが、特に山村部においては土地取引や土地利用が少ない上に一定の費用と手間がかかること、急傾斜などの危険箇所や山奥では容易にたどり着けない箇所などがあること、土地所有者の高齢化や不在地主化の進行などが要因となっています。また何より地籍調査は本来市町の仕事でありますが、近年の財政状況の悪化や行政ニーズの多様化などにより、地籍調査を実施するための予算確保や職員の確保が困難になっていることが大きな要因ではないかと思います。
     そこで、本県における調査休止中の市町、未実施の市町などの現況について伺うとともに、今後の県の市町への対応についてどのように考えているのかを伺います。
     次に、有度山山ろく地域の活用についてのうち、仮称ふじのくに・日本平サミットの誘致についてであります。
     二〇〇八年の北海道洞爺湖サミット開催からはや二年半が過ぎ、次期二〇一六年の日本での開催都市をめぐり既に動きも出てきているやに聞いております。サミットでは、関係各国の代表団や世界じゅうから集まる報道関係者により、視察や取材を通じて地域の魅力が国内外へ情報発信されること、開催地の名前がサミットの名称に冠されることなどから、世界的に知名度が上昇し観光客の増加に大きく寄与することが過去の例でわかっています。また洞爺湖サミットにおける北海道経済連合会の計算によれば経済波及効果は約三百五十億円とされており、サミットの誘致、開催による地域経済への恩恵は非常に大きいと言えます。
     富士山と駿河湾を望む日本平は全国一の景勝地で、県内唯一の国宝建造物である久能山東照宮や県立美術館など文化施設もあり、洞爺湖と同じように要人警護のしやすさ、交通の利便性も高く、ホテルの改築計画とも相まってサミット開催の県内最適地であると私は思っております。サミットの開催は、地域経済の活性化ばかりでなく富士山静岡空港の利活用や富士山世界文化遺産のPRにも大いに役立つと思われます。
     県は早期の調査研究に着手しサミット誘致の声を上げるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
     次に、県舞台芸術公園の活用についてであります。
     県舞台芸術公園では、平成九年三月の竣工以来シアターオリンピックスや春の芸術祭、秋公演なとが開催され、国内外の一流の舞台芸術作品の公演が行われてまいりました。また日本平北ろくの緑豊かな自然に囲まれており、野鳥のさえずりが聞こえ美しい富士山の姿を望める景観ポイントもあるなど、舞台芸術と本県のすばらしい自然環境をあわせて体験できるすぐれた施設であると思っています。しかしながらこの施設を県民が利用するという観点から見ますと、SPACが主催する公演等の観客としての利用であり、公演等が行われていないときは閑散としているということから、私は四年前にもこの点に関して質問したところであります。
     有度山やその周辺にあるたくさんの魅力的な観光資源には多くの県民が訪れており、さらに舞台芸術公園を利用する人々がふえれば、有度山山ろく地域の一層の活性化につながるものであります。こうした点からも県舞台芸術公園は、舞台芸術について理解を深めてもらうだけの施設ではなく、より多くの県民が訪れ利用してもらうことが必要であると考えますが、その後どのように取り組んできたのか、また今後どのようにしていくのか、県の所見を伺います。
     次に、里山体験学習施設の利活用の促進についてであります。
     静岡市中心部からも近い有度山丘陵地の中日本平地区に平成十八年四月、県は森林環境教育の実践の場として里山体験学習施設遊木の森を開園しました。この遊木の森は、子供たちが豊かな自然環境の中で身近な動物や植物など自然とのかかわりを肌で感じ体験することを目的として整備されました。
     私は、次代を担う子供たちが、自然の中で動物や植物などがどのようにかかわりながら生きているのか、またその環境を森林がどのようにはぐくんでいるのかということを学ぶことは、子供たちの人間形成に大きくかかわるものであるとともに、本県が進めている森林と県民の共生への理解を図るための役割としても大きいものがあると考えています。そこで自然の中で遊ぶことの楽しさや自然の大切さを子供たちに伝え、その気持ちを次の世代に引き継いでいくためにも、遊木の森の一層の有効利用を図っていく必要があると考えます。
     そこで伺いますが、私は三年前にも子供たちを取り巻く多くの問題を考えるとき豊かな自然環境の中での実体験が大切であるとの指摘をしましたが、その後県ではどのように取り組んできたのか、またこの施設のさらなる有効活用を図るために、今後どのように取り組んでいくのかを伺います。
     次に、草薙総合運動場の再整備についてであります。
     草薙総合運動場は、現在硬式野球場の内野スタンドの改修工事が行われています。工事は今年の三月に完成することとなっていますが、また来年度には外野スタンドの改修及びグラウンドの拡張が実施される予定と聞いております。
     しかしながら、現状の硬式野球場の改修計画では、前知事が非常に前向きでありましたドーム化計画については残念ながら全く考慮されておりません。伝説の名投手沢村栄治が大リーグの名選手たちをきりきり舞いさせた思い出の舞台である草薙球場は、プロ野球球団誘致の話題が幾度となく出ては消えています。また甲子園における本県出場校の戦績等を見ますと、現状の改修計画では本県の野球の競技力向上やプロスポーツ振興を図る上で決定打に欠けると感じております。硬式野球場のドーム化が実現すれば、アマチュア野球の競技者にとってあこがれの舞台になるとともに、プロ野球公式戦の開催のみならずプロ野球球団そのものの誘致も夢ではないと思います。
     また、防災対策上も県民の避難地を確保できるとともに屋内型のイベントも実施できるなど、現在進めている新体育館との相乗的な効果も期待され、地域振興の面でもはかり知れない効果を持つものと考えます。
     新体育館につきましては、現在の静岡学園用地を利用して新設される方向で進んでいるとのことでありますが、地元住民の理解をきちんと得ることができるのか懸念しております。また道路によって分断されているような状況では、他の施設との相乗効果も薄れ利用や安全面でも危険や不便さを生ずるのではないかと心配されます。我が県では大規模震災被害が想定されており、草薙総合運動場は、県都としての防災拠点や避難地としての機能も備えたものにすべきだと思うことからも、総合的な機能に配慮した公園全体の計画が必要であると考えます。
     そこで、草薙総合運動場の整備方針について知事の所見を伺います。
     次に、第三次静岡県環境基本計画についてであります。
     昨年、これからの地球の行方を左右する環境関係の大きな国際会議がありました。国連気候変動枠組み条約締約国会議であり生物多様性条約締約国会議で、それぞれ新たな国際的枠組みの構築に取り組んでいく旨の合意がなされ、恵み豊かな地球環境を将来世代に引き継いでいくための第一歩を踏み出したところであります。
     地球温暖化や生物多様性の確保などの環境問題は、富士山を初め南アルプスや駿河湾など変化に富んだ地形と豊かな自然環境に恵まれた本県においても大きな問題であります。このため県では、環境基本計画に基づき環境の保全と創造のための施策を積極的に進めてまいりましたが、一方では厳しい雇用経済情勢の中で、経済発展の制約要因と考えられがちな環境保全への取り組みのおくれが危惧されます。今はまさに恵み豊かな自然環境を将来の世代に引き継いでいけるか否かの分岐点にいると考えられます。そのためには行政だけでなく県民や事業者など、あらゆる主体による環境保全への迅速かつ積極的な取り組みが必要であります。
     そのような状況の中、県では二〇二〇年に向けた環境施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、第三次静岡県環境基本計画の策定を進めていると聞いております。環境を取り巻く今日の状況を踏まえ、新たな観点で環境施策を推進していくべきであると考えますが、現在策定を進めている環境基本計画においてどのような考えで施策を推進していくのかを伺います。
     次に、電気自動車等の普及促進についてであります。
     環境・エネルギー問題解決の切り札の一つとして注目を集めている電気自動車いわゆるEV、プラグインハイブリッド車いわゆるPHVは、昨年から電気自動車の一般販売に続き多くの自動車メーカーが電気自動車等の発売計画を発表いたしました。また中小のものづくり企業による小型電気自動車や改造電気自動車の開発が進むなど、本格的な普及時代をもうすぐ迎えるのではと思われる状況にあります。
     そのような中、昨年十二月には国のモデル事業であるEV・PHVタウンに、本県提案のふじのくにEV・PHVタウン構想が選定されました。電気自動車等の普及は環境面でのメリットだけでなく産業や観光振興面でのメリットも大きく、この選定により他の地域に先駆け電気自動車等が本格的に普及することになり、そのことが本県の地域活性化につながることを大いに期待しております。
     このふじのくにEV・PHVタウン構想では、二〇一三年度までに電動二輪を含む車両を三千七百七十六台、一般開放する充電器を三百基という普及目標が掲げられています。二〇一三年はそう先の話ではありませんので、この普及目標を達成するためには官民が一体となって積極的に取り組みを進めていく必要があるのではないでしょうか。
     先月には、県を初め市町や企業、関係する団体等から構成され、全県的な普及を進めていくための組織ふじのくにEV・PHV普及協議会を設置したとお聞きしました。このような推進体制のもと、本県が掲げた普及目標に向け具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、ふじのくに食育フェア二〇一一についてであります。
     本県では、平成十九年に食育基本法に基づき食育推進計画を策定して以来、食育を総合的、計画的に推進してきたところです。本県の食育の目指すところは食を通して人をはぐくむことにあり、「ゼロ歳から始まるしずおかの食育」をスローガンに乳幼児期からの食育を重視した取り組みは、他県からも評価されていると聞いております。そうした取り組みの一層の推進と全国に向けた情報発信の場となるふじのくに食育フェア二〇一一が、本年の六月十八、十九日の二日間にわたり三島市で開催されることになっております。
     食育への取り組みは、栄養に関する知識や調理する能力を身につけることにとどまらず、飽食の時代にあっても食べ物やそれを与えてくれる自然に感謝する気持ち、自分が生まれ育った土地に伝わる食文化を大事にすることなど、人間として基本的に備えておくべき素養をきちんと教えていくことが重要であると考えます。またこの大会を契機として、県民に対して食育の関心、食育への取り組み、食育意識の盛り上げなどを積極的に推進していく必要があると思います。
     このフェアを一過性のものとしないで開催後も引き続き県民運動を継続させるために、今回のふじのくに食育フェア二〇一一においては、どのような開催方針のもとどのような工夫をして進めていくのか、県の所見を伺います。
     次に、農山漁村地域のブランド化の推進についてであります。
     本県の農山漁村地域は多くが中山間地域に位置し、温暖な気候風土のもと茶園やミカン園、ワサビ田など、本県ならではの土地の利活用により農芸品と呼ばれるまでの良質な農産物を産出してきました。
     こうした地域の多くは、傾斜や起伏の激しい狭小な農地など生産条件が悪く他の就業機会にも恵まれないことから過疎化の進行がとまらず、これまで保全管理されてきた地域資源の管理が危ぶまれており、次世代への継承が深刻な課題となってきています。さらに昨年十月、松崎町石部の棚田を中心に全国から千三百名余の参加を得て開催された全国棚田サミットは、富士山と駿河湾を望む棚田景観のすばらしさとあわせて、非常に高い評価を受けたと聞きます。
     こうした地域の付加価値を高めブランド化していくことが、新総合計画に掲げる「住んでよし 訪れてよし」の農の理想郷づくりにとって重要であると考えますが、今後県は農山漁村地域のブランド化の推進についてどのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、しずおか防災コンソーシアムと連携した取り組みについて伺います。
     昭和五十一年に東海地震説が提唱されてから三十五年余りが経過し、この間本県では東海地震対策が県政の重要課題の一つとして位置づけられ、想定される東海地震の被害軽減に向けた取り組みがなされてきました。県は、東海地震の全容を県民に周知するとともに地震対策の目標設定の基礎資料とするため、東海地震の被害想定を昭和五十三年、平成五年、平成十三年と、三度にわたり策定し、その結果に基づいて避難地・避難路の整備、学校や病院などの耐震化、津波対策施設の整備などのハード整備を行ってきました。また県民一人一人が行政機関に頼ることなく、みずからの命はみずから守る、みずからの地域は皆で守ることができるよう、各家庭の地震対策や自主的防災組織の充実強化への支援策なども講じてきました。
     このような中、平成二十一年に県内の大学及び報道機関等で構成するしずおか防災コンソーシアムを設立し、公開講座の開催や地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開、各構成員が連携した共同研究などを実施しております。これらの先進的かつ学術的な取り組みにより、防災にかかわる研究者や専門家の多面的な交流と防災情報の発信が行われていると聞いております。
     本県がこれまでの蓄積してきた経験や実績は、日本国内のみならず国外からも防災先進県としての高い評価を受けています。特に昨年は静岡県・浙江省防災会議の開催や中国東方航空との救援物資輸送協定の締結に至ったほか、中国から多くの修学旅行生などが本県の防災を学びに来ており、知事もふじのくに三七七六友好訪中の際に本県の地震防災のノウハウは国内外に発信できる財産であるという趣旨の発言をされております。
     そこで、三十年来防災に関する知識と経験を培ってきた防災先進県である本県において、しずおか防災コンソーシアムと連携し、防災に関するさまざまな分野の研究者が集い交流する機会を設け、国内外にその研究成果等を発信してはどうでしょうか。またこういった機会を活用して県民の防災行動を促進することが効果的だと思いますが、県はどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
     次に、教育行政のうち、教職員の資質向上についてであります。
     先日パブリックコメントが行われた教育振興基本計画案では、教職員の資質向上について、「教育を取り巻く環境の変化や、それに伴う教職員に対するニーズの変化に対応した研修の企画や運営、校内研修の支援とともに、新たに策定した『静岡県教職員研修指針』を積極的に活用することが必要」であると示されております。
     さまざまな教育を取り巻く現状と課題としては、改訂された学習指導要領が小学校は平成二十三年度、中学校は二十四年度から全面実施となり、高等学校は二十五年度から年次進行での実施となります。新たな学習指導要領では、学習内容の増加により授業時数が小学校低学年で週当たり二時間の増加、小学校の中学年から中学校の各学年で週当たり一時間の増加となります。さらに外国語活動が小学校五、六年生で導入されます。
     こうした教育内容の質と量の変化に対応するためには、教職員の資質向上のための取り組みが必要です。また国の中央教育審議会では今後十年間に教員全体の三分の一が退職し経験の浅い教員が多量に誕生することが予想されるとの指摘があり、本静岡県においてもどのように対応するのか懸念されます。
     教育長は九月議会において、教職員の資質向上に関して、これらの課題への対応や国際性を涵養するなどの視点から、教職員がそれぞれの経験段階における課題に主体的に対応できるよう、今年度末を目途に新しい静岡県教職員研修指針を策定すると答弁されています。
     そこで、改めて教育長に、新たな静岡県教職員研修指針において、教職員に求められる資質、能力及び今後の研修体系の方向性について、どのように示されるのか伺います。
     次に、武道とダンスの必修化への対応についてであります。
     先ほどの質問に関連して、最近目にしたある県教育委員会のアンケート結果によれば、中学校で平成二十四年から必修となる武道とダンスについて、「教える自信がない」と回答した教師が約七〇%もいたことから、教師全体を対象とした講習や指導法の研究に取りかかったということであります。
     武道は武技、武術などから発生した我が国固有の文化であり、基本動作や基本となるわざを身につけるとともに、武道の伝統的な考え方を理解し相手を尊重して練習や試合ができるようにすることを重視することが改訂のねらいです。一方ダンスは、創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンスで構成され、イメージをとらえた表現や踊りを通して仲間とのコミュニケーションを豊かにすることをねらいとしています。来年四月から必修化ということになると、この四月から十分な準備を進めていく必要があるかと思います。
     武道とダンスについては、生徒の安全確保を第一に礼儀作法や基本動作などの指導の方法やマニュアルづくりをどのように進めていくのか伺います。
     次に、Q―Uアンケートについてであります。
     欠席が三十日以上に及ぶ不登校の児童生徒数の平成二十年度の都道府県別の調査結果を見ますと、本県は、国公立学校と私立学校を合わせて四千十九人、千人当たりの児童生徒数は十二・七人で、全国順位は十三番目に多い数となっています。全国における不登校の児童生徒数は約十二万九千人余りで、このうち十万人が中学生であります。
     全国的にも、また本県においても、各学校にスクールカウンセラーなどを配置して不登校対策をとってきました。三年連続で少しずつ総人数では減少傾向にありますが、出現率はほとんど変わっていないということから、不登校児童生徒数は横ばいに推移していると考えられています。事後対策の充実は大切ですが、不登校の予兆を見逃さないように抜本的な未然防止策の必要性が叫ばれていることを受けて、Q―Uアンケートの開発が進められてきました。
     このアンケートは、学級満足度尺度と学校生活意欲尺度の二つの心理検査から構成されていて、アンケートの時間は十五分程度と短時間で教師の負担も少なく、児童生徒の自尊心やプライドを傷つけない質問内容となっていることから、全国の都道府県の半数以上の県や市の教育委員会で実施され研修も行われていると聞きます。このアンケートの結果は、心理的な専門知識も不要で図表化されることから、不登校の予防、いじめの早期発見、学級崩壊の予防に加えて、教育実践の効果測定などに有効に機能すると評価されているようであります。
     本県において、Q―Uアンケートをどのように理解しどのような対応を考えているのか伺います。
     次に、警察行政についてのうち、自転車の安全走行対策についてであります。
     自転車は主として遠距離通学する高校生や中学生の乗り物として利用されていますが、近年の節約志向の高まりやエコブームや健康ブームに乗って自転車を日常的に使用する人がふえていることに伴って、自転車同士、あるいは自転車と歩行者の接触事故も増加する傾向にあると思われます。
     警察庁の統計によれば、一九九八年年間約六百六十件だった自転車同士の事故は、二〇〇九年には約三千九百件と六倍、同年における自転車と歩行者の事故は約二千九百件とふえ続けています。
     昨年度、本県において自転車が当事者となった人身交通事故は、件数が五千七百九十一件で昨年比プラス百九十二件、負傷者数は昨年比プラス二百二十七人の五千七百三十六人でした。死者数は同じくマイナス四人で十五人となっていますが、その内訳は十四人が六十五歳以上となっていて高齢者が自転車乗車中に交通事故の犠牲となっていることがわかります。一方で事故件数の中で六十五歳以上の千五十九件よりも多いのが高校生の事故で、千三百二十七件となっています。自転車による接触事故では、場合によっては警察に届けないケースもあることから、実際の事故件数はもっと多いと考えることができます。
     近年、自転車事故に高額な賠償金が課せられるケースも目立ってきており、自転車の安全走行は生命と財産を守ることにつながります。道路交通法上の軽車両である自転車について、平成二十年六月から通行ルールが改正されていますが、自転車には免許が必要でないためこうしたルールが徹底されていないように思われます。高校生、高齢者を含めて自転車走行の安全対策を徹底すべきであると考えますが、その方策について警察本部としてどのような取り組みをされているのか伺います。
     次に、似顔絵捜査官制度についてであります。
     情報通信技術が急速に発展し続けている今日の社会においても、犯罪捜査において容疑者手配における昔ながらの似顔絵が事件の解決に大きく役立っており、再犯率が比較的に高い強制わいせつや詐欺などの事件で威力を発揮しているといいます。
     写真は、実物を写してはいるものの、撮影したときの精神状態や表情などで異なって見えたり変装されたりすることがあります。また顔の部分的な写真を組み合わせて作成するモンタージュ写真は、顔写真と同様に少しでも違うところがあると全く別人に見えてしまうと言われています。それに比べると似顔絵は、対象者の特徴が印象的に表現でき特徴に幅がある、そのあいまいさが利点とされているようです。
     しかし、事件の重要な手がかりとなる犯人の似顔絵を作成する似顔絵捜査官は、独立した専従の捜査官でもなく、国における資格基準もないことから、各警察本部の独自の取り組みにゆだねられていると聞いています。全国で最初に似顔絵捜査官制度を取り入れたのは石川県警であり、本年一月には福島県警もこの制度を取り入れました。また警視庁においても、現在似顔絵を活用したデータベースの構築を進めるかたわら、似顔絵捜査員の養成に取り組んでいるということであります。
     本県警察本部において、似顔絵捜査官制度についてどのような認識を持ち、どのような対応をしているのかを伺います。
     最後に、交番・駐在所の活動についてであります。
     交番・駐在所は、言うまでもなく地域の安全・安心の拠点であり住民に最も身近で親しみがある警察施設であります。我が国の治安のよさは、地域と密着した活動を行っている交番・駐在所の存在が大きく貢献していることは論をまちません。これまで警察本部では交番・駐在所の管轄を見直す統廃合を行ってきました。この措置は空き交番の解消のための対策でありその必要性は理解するところでありますが、この代償として一部の地域では交番・駐在所がなくなり、地域住民にとっては今なおさみしさと心細さが募っていると伺っています。
     このように地域における交番・駐在所の存在は極めて大きなものがありますので、統廃合により新しく受け持ちとなった交番等が、もともと交番・駐在所があった地域を含め住民とのつながりや交流をどのように図っていくかが課題ではないかと考えます。
     また私は、交番・駐在所の活動で一番重要なのは地域の情報や実態を把握することだと思っています。統廃合された交番は受け持ち管内が広くなったと思いますが、これによって勤務員一人当たりの負担が増加し、地域の情勢や実態の把握に影響があっては困るので、これまで以上に地域の実態や住民の要望などの把握に力を注いでもらいたいと思うわけであります。
     そこで、住民の安全・安心感を醸成するため、交番・駐在所は、今後地域との連携強化をどのように図っていくのか、また地域の実態把握をどのような形で行っていくのかについて警察本部長に伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
    ○議長(天野進吾君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 堀江議員にお答えいたします。
     初めに、志士の会派の理念と要望を、平成二十三年度当初予算編成にどのように生かしたかという点についてであります。
     まず、志士の会派の理念、言いかえますと現在の経済構造、政治構造、あるいはライフスタイル、こうしたものに閉塞感が漂っているのでこれを発想を転換する、考え方を改めるという、そういう姿勢でございますけれども、これには私は深く共感をしております。そして御要望も志士の会に引っかけまして四四、十六の御要望をいただきました。その大きな柱立ての四分野につきまして、事業の選択と集中を徹底してその四項目を踏まえまして予算を計上したところでございます。
     御提案の一点目のふじのくに行財政改革につきましては、県から市町への権限移譲を一層進めるために年度内を目途に新たな権限移譲推進計画を策定いたします。新しい公共の担い手となるNPO活動を促進するための基金を新たに創設いたします。またその活動を支援するために地域が自立できるよう行政体制を整備してまいります。
     御提案の二点目のふじのくにの産業革命につきましては、医療・福祉、環境、ロボット、航空宇宙等、これらを新成長分野と見込みまして、それへの地域企業の参入を支援するための助成ほかさまざまな支援を行います。また県の試験研究機関におきまして成長産業分野に重点化した研究に取り組みまして、将来の産業化につなげてまいりたいと考えております。
     御提案三点目のふじのくにの安全・安心につきましては、ふじのくに地域医療支援センターを拠点に医師確保を進めます。国の基金も活用いたしまして、小規模多機能型の高齢者施設等の整備を前倒しをして進めてまいります。
     四点目のふじのくにの教育・文化・交流につきましては、三十五人学級編制の小学校五年生への拡充や特別支援学校の整備を促進いたしまして、教育環境の充実に努めますとともに、富士山静岡空港の旅客搭乗橋――ボーデンブリッジ、石雲院展望デッキの整備など、空港の機能拡充とにぎわいの創出を図ってまいります。
     続きまして、一括交付金につきましては、ひもつき補助金を廃止し地方の自由度を拡大するという観点から方向性としては望ましいと考えております。
     ただ、小泉内閣の三位一体の改革は失敗したというふうに認識しております。それは結果的に地方の裁量の拡大にはつながりませんでした。また不十分な交付金枠によって地方の財源だけが削減される結果になりまして、必要な事業が実施できないという状況から地方の政府から大きな不満が出ております。現時点では一括交付金の詳細な制度設計は明らかになっておりません。御案内のように、民主党の党首代表選におきまして、補助金の一括交付金化を政策として出した小沢さんとそれを明確にしていない菅さんとの間で争われたわけですが、菅さんが代表になられたということもこうした制度設計が明確でない理由ではないかと存じます。
     またさらに、補助金の一括交付金化による受け皿の問題があると存じます。その補助金を一括交付金化してそれを地方に出すといった場合に、それは権限と財源が地方にゆだねられるということになりますけれども、それの受け皿とそれと今までそれを出していた行政側の組織をどうするかということをあわせて考えねばならないと思います。これにつきましては、国の出先機関を廃止するという意見が地方の側から出ておりますけれども、しかしながら私は権限、財源と人材の三位一体の地方への移管ということをしない限り、この点はうまくいかないと考えております。したがいまして国の出先機関への中央政府における補助金行政にかかわるすべての省庁の一括移譲ということが重要ではないかと思います。
     したがいまして、全国知事会が言っている国の出先機関の原則廃止ということは、現実的ではないというふうに思っております。ただお金と権限だけが行って人が余るという、中央政府に余るという形になるからです。
     一方、国の出先機関として、静岡県もそうでございますけれども、府県制度というものは国の下請機関として創設されたものでございます。なぜひもつき補助金というのがあるかというと、ほぼすべてひもつきといいますか、中央政府からの下請をするというものとして創設されたという、出生の秘密といいますか基本的な制度設計にございます。したがってそれを絶つということでございますと、国の出先機関の最たるものは都道府県でございますので、それの原則廃止を言わねばならないということだと存じます。現在それを明確に言っている知事は余りいないようです。
     したがって、国の出先機関の最たるものである都道府県制度の廃止を進めていくのにどうしたらいいか、こうしたことについて国、中央政府としかるべく地域自立のための、おのれの地域の自立だけではなくて地方が真に力を持って日本全体の力が発揮されるようにするために考えるような、そういう戦略会議というものを立ち上げないと、この国は中央もだらしなく溶解してまた地方もそれぞれおのれの地位を保存したまま広域連合などというふうに形でやりましても、仮に関西で橋下知事や山田知事とか井戸知事、選挙でかわりましたらば、しからばそれを支える府の職員とか県の職員が育っていくかというと育っていないと思いますね。ですからいわば知事のパフォーマンスで終わる可能性も非常に高うございまして、あるいはそういう危険を十分にはらんだ広域連合の今動きでございますので、余り長続きはしないだろうと。
     むしろ、中央政府がリーダーシップをとってみずからが自己解体をさせる、みずからがリーダーシップをとって中央政府の補助金行政にかかわる、さらに言えば内政にかかわる省庁を地方の出先機関にしっかりおろしていくというふうなことを通して、そこに県の代表も加わって広域の行政をしていくというふうな制度設計を、これからしていかねばならないのではないかというふうに思っている次第でございます。
     次に、草薙総合運動場の再整備についてであります。
     草薙総合運動場は、近年施設が老朽化しております。また利便性の低下も目立ってまいりました。硬式野球場と体育館を中心に、公園全体の魅力向上を図るための再整備を行っているところでございます。
     硬式野球場につきましては、内野スタンドの耐震補強とダッグアウト、ロッカールームなどのリニューアル工事をことし三月に完了いたします。そうしたこともあってことし五月と七月には四年ぶりにプロ野球の公式戦開催が決まりました。グラウンドの拡張や外野スタンドの改修工事につきましては、平成二十五年中の完成を目標にことし秋以降に着手することとしております。
     議員御指摘のドーム化につきましては、大変魅力的な御提案であり、今後の野球場はドームというものを備えることが不可欠になってくるのではないかというふうに私も考えております。しかし現在のところ法律上の制約や事業費などの課題が多いというふうに承知しておりまして、目下のところは、今後の利用状況などを踏まえつつ長期的に検討してまいるというお答えしかできないのでございます。
     ただ、プロ野球の公式戦が時々行われるということでなくて、特定のプロ野球の球団のホームグラウンドになるということは決して可能性がないわけではありません。したがいましてその場合に、通常の公式戦、二万数千人入れればよろしいわけですけれども、仮にいわゆる日本シリーズということになりますと三万人の収容ができなければなりません。そうしたことを勘案しながらこの改修をしてまいりたいというように、今指導といいますか構想しているところでございます。
     また、現体育館につきましては、安全な利用を図るため四月から応急工事に着手するとともに、新体育館につきましては、先般設計候補者が決定いたしました。その設計候補者と契約締結後、直ちに設計に着手いたします。そして地域の方や利用団体などとの十分な意見交換をすることをお約束します。既に昨年八月と十月の二回地元説明会を実施いたしました。これらの場では静岡学園敷地に建てかえるという整備方針への反対はありませんでした。一方体育館整備にあわせて交通渋滞の緩和、排水対策をしてほしい、また騒音対策も講じてほしいなど、周辺環境を改善してほしいとの意見はちょうだいしております。
     引き続き十分な意見交換をいたしまして、この草薙総合運動場全体が広域避難地に指定されていますし、陸上競技場が広域物資拠点にもなり球技場が防災拠点ヘリポートにも指定されております。新体育館は避難施設にもなりますので、公園全体が防災拠点としての機能を高めるように公園全体の再整備を行ってまいります。
     次に、ふじのくに食育フェア二〇一一についてであります。
     昨年十二月、食育フェアの意思決定機関として関係団体、県内各市町等で構成する連携・協働会議を立ち上げました。大会テーマは「食のもてなし、知る・つくる・楽しむ〜ふじのくに食の都へようこそ〜」というものでございます。東海地区での初開催でございますので、その初開催がしっかりとスタートをこの会議において立ち上げたところでございます。
     この食育フェアでは、本県が食材の王国であるその場の力を余すことなく活用するようにしたいと考えております。地域でとれたものを地域でおいしく、楽しく、美しくいただくということです。新しい日本的食生活を提言いたしたく存じます。五感を使った体験型イベントの展開も考えております。こういうことを通しまして、ふじのくにの食育と食文化を県内外に力強く発信してまいるつもりでございます。
     特に、ゼロ歳から始まる食育を広めるために、若者や子育て家庭を中心にいたしまして、県内全域の食に関する文化や食育への取り組みを数多く紹介いたします。さらに食と良質な温泉を組み合わせた健康づくりも提案いたします。お茶を初めとしたさまざまな食の体験などを実施したいと考えております。
     食に関するさまざまな関係者の連携を強化いたしまして、県民が一体となって食生活を見直すきっかけとするとともに、本県の農業芸術品――農芸品とふじのくに食の仕事人による地域の食材を生かした郷土料理などの紹介を通じて、食の都づくりを進めることで大会の成果を継承してまいりたいと考えております。
     さらに、閉会式におきまして、県民一人一人が食への感謝の気持ちや食を通じた健康づくりなどを宣言するふじのくに食育宣言を行う予定でございます。食育フェア終了後も継続的に家庭や学校などで食育を進めるとともに、県民各自の実践を促すことで赤ちゃんからお年寄りまで食文化のきずなで結ばれた豊かなくにづくりを進めてまいるつもりでございます。
     次に、農山漁村地域のブランド化の推進についてであります。
     全国で農山漁村地域の活性化に向けたさまざまな取り組みが展開されております。地域間競争に勝ち残るためには、独自のイメージを印象づけまして他地域との差別化を図るブランド化が重要であります。こうした取り組みの一つとして、既に欧米諸国や我が国でも、農山漁村が誇りを持って自立して将来にわたって美しい地域であり続けるために、景観や環境、文化を守りながら観光的な付加価値を高める美しい村連合を組織することを通しまして、ブランド化を図っております。
     本県におきましては、富士山等の日本を代表する景観や二百十九品目の多彩な食材を誇っております上に、開通間近の新東名高速道路等の高速ネットワークにも恵まれておりますので、これらのインフラを活用した独自のブランドを確立することが、地域の発展に大きく寄与するものと考えております。
     新東名が開通いたしますとサービスエリアとかパーキングエリアができますので、そうしたところでそれぞれのSA、PAに近い地域の方々がそこで食材なりあるいはレストランなりを出していただいて、新東名を食の芸術街道として、単に通過するだけでなくて通過すること自体が単に目的地に行くのではなくて、そこを楽しむような道にしたいと、それを食を通してやりたいというふうに考えております。
     さて、昨年の全国棚田サミットが松崎町で開催されたというのは御案内のとおりでございます。農水副大臣も御出席くださいまして、しっかりとその成果を長い時間かけて聞いていただきました。それは大変松崎町にとって大きな励みになり、今松崎町を初め本県の十七の市町がふじのくに美しい邑連合の設立に向けた活動を始めました。県といたしましてはこの運動を強力に支援するものでございます。ふじのくにの美しく品格のある邑――「邑」は「ゆう」という字で、「ロ」を書きまして下に「巴」と書きます邑でございますが――この邑の認定制度を創設してブランド化を進めてまいります。
     「住んでよし 訪れてよし」、これが必ずしも都会だけではなくて、いやむしろこれからのハイカラな生活はそういう自然の豊かなところにあるという、そういう運動を進めてまいりたいと思っておりますが、これを特に棚田サミットが開かれたということもありますし、また山村の地籍調査につきましても松崎町が率先してやるということを言っておりますので、西伊豆の松崎町からこの邑づくりと美しい邑づくり、ふじのくにの最も美しい邑づくりというものを広めてまいりたいと考えております。
     次に、しずおか防災コンソーシアムと連携した取り組みについてであります。
     しずおか防災コンソーシアムは、県民の防災に携わる研究者や専門家などの多面的な交流や情報発信を図ることを目的としております。平成二十一年度に設立いたしました。土曜防災セミナーを初め、防災に関する幅広い研究や交流、県民への情報発信などを行っています。
     議員御指摘のように、昨年中国で開催いたしました防災会議は大成功でございました。静岡県が三十年にわたり推し進めてきた防災対策が高く評価されたのは、まことに喜ばしく誇り高いことでございました。本県は内外に誇る防災先進県であるということを、そういうアイデンティティーを県民全体で確認いたしたいと存じます。
     本県の対策は、国内外で高い評価を受けておりますので、今後はこうした取り組みを国籍を問わず、あるいは地域を問わず、文化の違いを越えて学んでいただくように体系的な地域学の一つとしてまいりたいと思います。
     この体系化に当たりましては、さまざまな分野にまたがる学問の研究者と実務家が協働し、東海地震対策を初めとする本県がこれまでに培ってきた防災に関するさまざまな対策を場の力として活用し、調査研究を進めていくことが肝要です。具体的にはしずおか防災コンソーシアムを中心として、国内外の研究者や実務家が集い交流できる拠点を設けまして、ふじのくにを基盤とした地域学としての防災学を創出いたしたいと思っております。
     研究者や実務家が集うというふうに言いましたけれども既に集っております。有馬先生、松井先生、新燃岳でしょっちゅうテレビに出ておられる藤井先生、皆うちのメンバーです。こういう方たちを通してふじのくにには富士山があり地震の可能性がありかつ原発があると、こうしたある意味で防災の百貨店とも言えるこの地域の防災学が体系化できますと、私は地球全体の防災学に役立つと思います。それはかつて国富論というのがイギリスの発展のために、さらに言えばイングランドの発展のために書かれたものであったわけですけれども、それが結果的に世界の経済学の教科書というふうになりましたように、本県から地球社会全体に役に立つ地球環境の保全、あるいは防災に対する対策ということに役に立つ実践的な、そういう学問の発信をしてまいりたいと。その人材はそろっているというふうに思っております。
     なお、その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁申し上げます。
    ○議長(天野進吾君) 森山交通基盤部長。
           (交通基盤部長 森山誠二君登壇)
    ○交通基盤部長(森山誠二君) 道路事業における木材の利用推進についてお答えいたします。
     本県の道路事業における木材の利用につきましては、現在平成十八年度に作成しましたしずおか木使い推進プランに基づきまして、安全性や耐久性を考慮しながら道路工事においては仮設の防護さくなどへの活用を進めているところであります。また河川の護岸や転落防止さく、海岸における砂どめさく、公園の遊歩道など、木材の利用が可能な施設などにおきましても積極的に県産材を活用しております。
     議員御指摘の木製ガードレールにつきましては、これまで強度や耐久性、周辺景観との調和など課題も指摘されておりますが、近年各地で製品開発が進められる中、本県におきましても平成二十一年度に富士山周辺の県道に試験的に設置し、耐久性等の経過観測を実施しているところであります。
     県といたしましては、国の木材利用推進策と連携しつつ、本年三月に策定予定のふじのくに公共建築物等木使い推進プランに道路事業における県産材の活用を盛り込むとともに、安全性や耐久性の向上、コストの低減、景観への配慮などの観点から、技術の改善状況にも注視しながら、木材の積極的な利用に努めてまいります。
     次に、山村部の地籍調査についてであります。
     平成二十二年度における県内の実施状況は圃場整備等の基盤整備と一体的に進めた四市町が完了し、実施中が二十市町、休止中が六市町、中山間地域が多く占める賀茂地域の五市町は未着手となっております。
     県では、地籍調査の進捗を図る上で調査を実施していない市町を解消することが重要と考え、昨年六月にこれらの市町に対し調査を実施しない理由等についてアンケート調査を行ったところ、「財政負担が大きい」、「専門職員が配置できない」、「住民の理解が得られない」などの結果を得ました。このことは行政や住民が調査の実情を十分に理解していないことを示すことから、県といたしましては、先ほど知事答弁にもございましたように、平成二十三年度より松崎町におきまして、モデル的にまず調査の目的や手順、効果などを関係者に周知し、早期着手を促すことを目的としまして、地籍調査着手推進事業に取り組むこととしております。
     また、とりわけ調査の困難な山村部につきましては、市町の負担軽減と調査の効率化を図るため、静岡県森林組合連合会等を事業主体とした調査の普及や調査精度の緩和などの国への提案を行うとともに、境界情報の収集や測量基準点の設置を行う国直轄の山村境界基本調査を積極的に活用し、山村部の地籍調査の促進に努めてまいります。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 出野文化・観光部長。
           (文化・観光部長 出野 勉君登壇)
    ○文化・観光部長(出野 勉君) 有度山山ろく地域の活用についてのうち、初めに仮称ふじのくに・日本平サミットの誘致についてお答えいたします。
     国際会議の開催は交流人口の拡大や地域への経済効果が高いことから、県では関係の市町やコンベンションビューロー等の関係機関とともに静岡県コンベンション誘致推進協議会を設置し、国際会議の誘致を促進しているところであります。
     サミットは、その規模や世界からの注目度を考えればまさに世界最高峰の会議であり、誘致に成功すれば、富士山を初めとする自然や温泉、国宝久能山東照宮に代表される歴史・文化、多彩な農林水産物など、本県の魅力を全世界に発信し認知度を上げるとともに、県民にとっても世界を身近に感じることのできる絶好の機会となります。
     しかし、サミットの開催の実現に向けましては、宿舎、会議場、プレスセンター等には一定規模以上の施設が求められるほか、警備、交通アクセス、通信インフラなどの解決すべき課題も多くあります。また洞爺湖サミットでは、各国トップが参加する首脳会合のほか外務大臣や財務大臣などの閣僚会合と関連会合が全国各地で開催されておりまして、それぞれの地域の魅力を情報発信したと伺っております。
     こうしたことから、今後誘致の対象を首脳会合に加えまして閣僚会議等にも広げるとともに、開催地につきましても、日本平はもちろんのこと幅広く県内への誘致の可能性を探るため、課題の検討も含め調査研究を行ってまいりたいと考えております。
     次に、県舞台芸術公園の活用についてであります。
     県舞台芸術公園は、SPACが世界に通用する舞台芸術の創造、発表、人材育成などの活動を一貫して行うとともに、国内外のすぐれた作品の鑑賞などを通じ県民が舞台芸術に親しんでいただく施設であります。
     SPACでは、県民月間における地域芸術団体の発表の場として公園を提供するとともに、県民劇団や高校演劇のけいこ、発表の場としても活用するなど県民が公園を利用する事業の拡充に努めております。またSPACがマスコミ等を通じ公園の自然環境を広く紹介したことにより、幼稚園や小中学校の遠足コースとして利用されておりますほか、JR草薙駅から県立美術館を経て舞台芸術公園に至る道をJR東海がさわやかウオーキングコースに設定したことなどによりまして、公園の利用者は平成十七年度の約一万三千人から平成二十一年度には約二万三千人と、一万人の増加を見たところでございます。
     県といたしましては、豊かな自然とすばらしい眺望を楽しめる公園内を、県民の皆様が自由に散策できることを一層周知することに加えまして、今年度からは県立美術館や県立大学、県立中央図書館等と相互協力いたしまして、文化や芸術、教育について学ぶ場を県民に提供するムセイオン静岡、これの活動の場としても活用していますことから、SPACとも連携して県の関係機関はもとより民間団体に対しても舞台芸術公園の活用の働きかけを行い、公園の利用促進を図ってまいりたいと考えております。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 松浦くらし・環境部長。
           (くらし・環境部長 松浦敏明君登壇)
    ○くらし・環境部長(松浦敏明君) 有度山山ろく地域の活用についてのうち、里山体験学習施設の利活用の促進についてお答えいたします。
     平成十八年度に開園した遊木の森は、市街地に近いという恵まれた立地条件とともに、四季折々の草花や昆虫、森の恵みなど豊かな自然を楽しめる貴重な里山であります。
     県では、管理運営を委託しているNPO団体やCSR活動に取り組む地元企業と連携して、子供たちを対象に、自然の中で五感をはぐくむ幼児教育や森を育てる枝打ち、下草刈り、森の豊かさを学ぶ昆虫のすみかづくり、きのこの収穫など、さまざまな魅力的な体験プログラムを提供してきました。この結果利用者数は開園以来年々増加しまして、昨年末までに延べ約十一万人の県民の方々に利用されています。
     今後は、遊木の森での体験プログラムに加えまして、近隣の歴史や文化との触れ合い、地元の人たちとの交流など地域とのかかわりを深めた新たなプログラムを提供してまいります。さらに四季に応じた楽しみ方のきめ細かな情報発信に努めるなどさらなる有効活用を図り、子供たちの豊かな心と生きる力をはぐくんでまいります。
     次に、第三次静岡県環境基本計画についてであります。
     地球環境を取り巻く現状は、温暖化の進行や限りある資源の浪費、加速する生物多様性の損失など大変厳しい状況にあり、地球そのものの今後の行方を左右する大変重要な時期にあると認識しております。こうした環境問題に的確に対応し環境と経済が両立した持続可能な社会を実現するためには、県民や事業者、行政などのあらゆる主体が、まずは環境の視点で日常生活や社会経済活動を見直すことが必要であると考えております。
     現在策定中の第三次静岡県環境基本計画では、環境の理想郷“ふじのくに”の創造を基本目標に掲げ、環境への負荷の少ない低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の三つの社会づくりに向けた施策を推進することとしております。それぞれの施策の推進に当たりましては、もったいないの精神や自然を畏敬する心などの日本人が持つ資質を大切にし、県民の皆様が「知っている」から「行動する」主体となり、さらに環境配慮型のライフスタイルやビジネススタイルが文化と言えるまでに定着するよう努めてまいります。
     次に、電気自動車等の普及促進についてであります。
     電気自動車やプラグインハイブリッド車の本格普及に向けましては、日常生活や事業活動における短距離移動だけではなく、観光などの中・長距離移動にも利用ができることが重要であると考えております。このため現在策定を進めておりますふじのくにEV・PHV推進アクションプランでは、広域観光ルートを想定した幹線道路沿いにおける充電インフラの整備や故障などの緊急時に対応できるメンテナンスネットワークの構築などにより、中・長距離でも安心して運転できる環境の整備を当面の重点方針としております。
     県といたしましては、来年度富士山静岡空港など地域の拠点となる公共施設等に急速充電器を率先して設置するとともに、県内充電器の位置情報を観光情報とあわせ手軽に取得できる情報発信システムを構築してまいります。また公用車として導入し、知事、副知事が利用するほか環境関連イベントや富士山のマイカー規制時などでも活用して、電気自動車等が持つ優位性や利便性をPRしてまいります。さらに充電インフラ整備の必要性や電気自動車等を活用したまちづくりの魅力などについて積極的に普及啓発を行うことにより、目標の確実な達成に努めてまいります。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 教育行政についてのうち、初めに教職員の資質向上についてお答えいたします。
     現在策定中の静岡県教職員研修指針におきましては、すべての教職員が教育活動に深い理解と熱意を持ち、それぞれの職務や経験段階に応じて専門性を高め、広い視野を備えて業務に取り組むため、授業力、生徒指導力、マネジメント力等を教職員に求められる共通の資質、能力として向上させていくこととしております。また研修体系の方向性につきましては、各学校の教職員の年齢構成の変化に伴いライフステージを見直し、経験段階に応じた研修の円滑な接続が重要であると考えております。
     特に、定年退職者の増加に伴い次世代を担う教職員の育成が重要であることから、若手教職員につきましては採用後十年間を育成期間ととらえ必要な研修を講じる一方、経験豊かな教職員につきましても、自分自身の資質、能力の向上とともに、長年積み重ねてきた知識や技能を若手職員の育成に生かすための研修が必要であると考えております。
     今後、新たな指針に基づく研修を展開しその成果を検証しつつ、市町教育委員会等とのさらなる連携のもと、豊かな人間性や社会性等を身につけた頼もしい教職員の育成に努めてまいります。
     次に、武道とダンス必修化への対応についてであります。
     本県では、柔道、剣道、相撲の各武道団体やダンスの団体と連携しながら、平成二十一年度から中学校保健体育科教員と部活動顧問を対象とした実技研修会を実施するとともに、希望する学校への指導者派遣、礼儀作法や授業展開の方法などを記載した事例集の配布など、必修化に向けて三年計画で準備を進めているところであります。特に安全対策が求められる柔道の指導につきましては、県柔道協会の協力のもと作成した指導用DVDを学校に配布し、安全に配慮した受け身や基本動作などを映像により確認するとともに、実技研修会において一つ一つの技における注意事項を教員みずからが実践して確認するなど、生徒の安全確保を第一にした研修を展開しております。
     県教育委員会といたしましては、県下の保健体育科教員が実技による実践経験を積み重ねていくことが教員の指導力を向上させることにつながると考え、中学校学習指導要領が全面実施となる平成二十四年度以降も同様の研修を継続し、生徒が充実感を持って安心して学ぶことができるよう努めてまいります。
     次に、Q―Uアンケートについてであります。
     Q―Uアンケートにつきましては、経験則のみに頼らず客観的に学級集団や児童生徒の状態を把握することができ、不登校の未然防止や個々の児童生徒への指導に生かすことができる有効な手段の一つであると考えており、本県におきましても半数近くの小中学校で実施しております。なお本県では、Q―Uアンケートと同様の効果が期待できる人間関係づくりプログラム効果測定ソフトを平成二十年度に作成し、各学校における児童生徒の実態把握のために活用促進を図っているところであります。
     不登校を初め児童生徒の諸問題について、予兆を察知し未然に防止することは大変重要なことであります。県教育委員会といたしましては、各学校がQ―Uアンケートや人間関係づくりプログラムなどを有効に活用するとともに、教師が児童生徒や保護者と十分にコミュニケーションを図ることにより、児童生徒が抱えている諸問題の早期発見、早期対応に努めるよう指導してまいります。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 安村警察本部長。
           (警察本部長 安村骼i君登壇)
    ○警察本部長(安村骼i君) 警察行政のうち、初めに自転車の安全走行対策についてお答えいたします。
     その取り組みの一つ目は、自転車利用者に対するルールの周知と交通安全教育の推進についてであります。警察では自転車利用に対し、自転車は車道が原則、歩道は例外であること、車道は左側を通行すること、歩道は歩行者優先で車道寄りを徐行することなどを定めた自転車安全利用五則を活用した交通安全教育をさらに充実させるなどの取り組みを推進しております。また点検の日から一年間有効の傷害保険と賠償責任保険が付与されたTSマーク制度の普及促進にも努めております。
     二つ目は、自転車の通行環境の整備についてであります。道路管理者と連携し自転車専用通行帯の設置等の対策を継続的に実施し、自転車が安全に通行できる道路環境の整備に努めていきたいと考えております。
     三つ目は、自転車の交通違反に対する指導取り締まりの強化についてであります。自転車の通行が多い路線、場所を中心に街頭活動を行い、自転車の交通違反に対し自転車安全指導カードを活用した指導を実施するとともに、信号無視、一時不停止など交通事故に直結する悪質危険な違反に対しては、検挙措置を視野に入れた対応を講じてまいります。
     次に、似顔絵捜査官制度についてであります。
     本県には、似顔絵捜査官制度はありませんが、捜査用似顔絵の作成技術の実践的指導を行う似顔絵技能指導官制度があります。
     似顔絵は古くから活用される捜査手法でありますが、特徴を強調した犯人の顔を再現できるものであり、これを効果的に活用するため似顔絵技能指導官の直接指導による捜査用似顔絵講習会を昭和五十五年から隔年開催し、鑑識係員だけでなく捜査員や交番員などにも高度な似顔絵作成技術を習得させております。その結果昨年は県東部で発生した連続強姦事件の検挙や窃盗事件で効果を上げ直接検挙に結びついたものだけでも八件あり、そのほかにも似顔絵は聞き込みや手配書、さらに同一手口の連続犯行、発生地域ごとの分析、特徴による犯人割り出しなどにも活用されており、重要な捜査手法であると認識しております。
     さらに、似顔絵捜査の高度化を図るため、本県独自の似顔絵作成の手引きを利用して描く技術のほか、わずかな記憶から特徴を聞き出す方法などを指導しております。また絵心のない職員でも、パソコンで簡易な似顔絵が作成できるソフトを導入し、今後積極的に活用してまいりたいと考えております。
     次に、交番・駐在所の活動についてであります。
     一つ目は、交番・駐在所と地域との連携強化についてであります。交番・駐在所の統廃合により交番がなくなった地域における住民の不安を解消するため、一層のパトロール、巡回連絡の強化に努めております。特に遠隔地となってしまった地域へは配備されたミニパトを利用するなどして、広くくまなく行っております。高齢者やひとり暮らしの女性からパトロール要望があった場合には、夜間のパトロール時にパトロールメモを投函し安心感を与えるように努めております。また地域安全推進員などのボランティアと協働して防犯パトロールを行うなど連携を強化しております。
     二つ目は、地域の実態把握についてであります。巡回連絡やパトロール、相談受理や各種会合への参加などあらゆる活動を通じて行っております。交番・駐在所の勤務員は、日ごろから各家庭、事業所を巡回して、地域の情勢や住民が不安に感じていることは何なのかを把握しております。特に本県では、交番、担当警察官、連絡先を明記した巡回連絡訪問票を各世帯に直接交付してコミュニケーションを図り、効率的な実態把握を行っております。また地域の代表者から成る交番・駐在所連絡協議会を開催し、意見、要望の把握にも努めております。
     今後とも、地域との連携及び実態把握には十分意を用いてまいります。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 三十二番 堀江龍一君。
           (三十二番 堀江龍一君登壇)
    ○三十二番(堀江龍一君) 日本平サミット誘致について再質問いたします。
     前回質問の答弁と何ら変わらない、二年たってもまるっきり同じような答弁で、県は全然サミットなんか呼ぶような気がないというふうに受け取ってよろしいんですか。場所を選定しないでサミット誘致なんてできるわけないじゃないですか。東京オリンピックだってオリンピックを誘致するに当たっては、計画をもって誘致の活動を行うわけでありまして、日本平がサミットを誘致するのに最適な場所かどうかということを聞いているんであって、それに対して、まあ当局に聞いてもらち明きませんので、知事の御所見をお伺いいたします。ふじのくにというふうに知事はうたわれております。ふじのくにをうたうには、世界にアピールするには、私は日本平が最適であるんではないかという質問をしているという趣旨でございますので、その点についてだけお答えいただければ結構でございますので、よろしくお願いいたします。
    ○議長(天野進吾君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 再質問ありがとうございました。後ろからプレッシャーがかかっております。
     日本平は、カジノだという意見もあるくらい魅力的なところでございまして、私はしかしながら、議員の御説明にもございましたように、その名称、その持っている歴史、現代の久能山東照宮、これが国宝になったことなども踏まえますと、本県が、いや日本の中で今度サミットが開かれるとすれば日本平はその候補地の一つになるべきであると考えておりまして、チーム川勝といたしましても、そのことに一歩踏み込んで答えるようにと言ったところでございますが、現在G7がG8、さらにG20になったと。各国の代表が泊まるところワンフロア全部を取らねばならないといった技術的な制約を当局は考えているようでございますが。
     さはさりながら、今後改築されるということでございますので、この県下にそういうサミットを誘致するにふさわしいところ、あるいはもう最高級のもてなしができるような場所といたしまして、日本平はだれが言っても自他ともに許すそういう有力候補地であるという私は認識をしておりまして、そこを経営されている方々にも、そのような志を持って今後の改修、新築も含めた改修に取り組んでいただければと念じている次第でございます。
    ○議長(天野進吾君) これで堀江龍一君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

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