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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

山本 貴史 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/28/2012

会派名:

富士の会


質疑・質問事項:

1 太陽光発電設備の普及促進について                
2 東日本大震災を踏まえた津波対策に関連した海岸管理について                               
3 わが家の専門家耐震診断の対象拡大と防災住宅の普及促進について                             
4 中東遠地域の救急医療における連携体制について          
5 教員の意識向上のための施策推進について



    ○副議長(大石哲司君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、一番 山本貴史君。
           (一番 山本貴史君登壇 拍手)
    ○一番(山本貴史君) 富士の会所属議員の山本貴史であります。この六月一日より大先輩である中澤県議とともに、新たに富士の会をつくらせていただきました。日本一の富士山の名にあやからせていただきながら富国有徳のふじのくにを目指し、侍の気概と志を高く掲げ、その名に恥じぬよう県民の将来と県勢発展のために精進してまいる所存であります。
     さて、通告に従い、知事及び関係部局長並びに教育長に当面する県政の諸課題について伺います。
     まず初めに、太陽光発電設備の普及促進についてであります。
     現在停止中の浜岡原子力発電所の再稼働については、想定される巨大地震に対する危険度が極めて高いという私なりの判断から個人的には現段階での再稼働については容認できないという考えを持っていますが、同時に県民の生活や県内産業への安定した電力供給ということを考えた場合、原子力発電にかわる新エネルギーへの活路を早急に模索し行動に移していかなくてはなりません。これについては国や電力会社の賢明なる判断を待たざるを得ないわけですが、節電が叫ばれ国内産業の海外流出など経済面での影響も取りざたされる中、現段階で私たちにできることは最大限に行うべきであります。既に静岡県では、住宅用太陽光発電設備の導入を促進しエネルギーの地産地消を加速させるため、住宅用太陽光発電の導入に対する助成事業を実施しており、太陽光発電設置件数で全国第三位、その増加率では全国第一位という目覚ましい成果を出していることについて、高い評価をするものであります。また過日太陽光発電の買い取り価格が一キロワット当たり四十二円、買い取り期間を十年とする方針が国から示されました。このことは、売電によるメリットを生かし太陽光発電設備を増加させるチャンスであるともいえます。しかしながら現在太陽光発電設備の初期費用は住宅用でも二百万円程度と高額であり、補助制度を活用するとしても一般のサラリーマン家庭においては容易に手が出せるものではありません。
     そのような中、長野県飯田市では数年前から初期費用ゼロ円で太陽光発電を自宅に設置することができる仕組みがつくられ、近年その実を結んでまいりました。おひさまゼロ円システムと呼ばれるこのシステムの設計・運用の中核を担っているのが、おひさま進歩エネルギー株式会社であります。「すべての屋根に太陽光発電を」をスローガンに進められているおひさまゼロ円システムですが、これはまず募集に応じ審査を通過した一般の家庭に初期費用ゼロ円で太陽光発電を設置いたします。その家庭では、九年間にわたり月々の定額料金――ちなみに三・三キロワットの場合は一万九千八百円でありますが――この料金を支払います。自宅で消費しない電力分は電力会社に売却ができ、十年目以降には太陽光パネルがその家庭に無償譲渡されるという仕組みです。初期費用の負担がなくてもよいというだけでもうれしいのですが、導入事例を見てみますと一年分の定額料金の総額約二十四万円に対して余剰電力の売却益が十四万から十八万円ほど入るため、実質負担額は年間六から十万円程度となっております。このシステムの資金には、市民の出資によって集められたおひさまファンドが活用されております。少し余っているお金をよいことに使いたい、地元の自然エネルギーを応援したい、都市に住んでいるが太陽光発電の普及の手伝いをしたいと、飯田市民を初め市外、県外からの出資も相次いでおります。また最近では、このファンドを活用した小水力発電も行えるようになったとのことであります。飯田市は政府が選定した環境モデル都市の一つに選ばれており、このおひさまゼロ円システムは横展開すべき先進的な取り組みとしてベストプラクティス集にも取り上げられております。太陽光発電を設置したいが初期費用の負担が大きくて無理という多くの人々のニーズに、自治体と地元企業、住民と金融機関等が手を組むことで上手に対応した実例といえるでしょう。
     このようなシステムに行政が積極的に協力することで、静岡県内においても同様のシステムが根づくのではないかと考えます。昨日の源馬議員からの提案もございましたが、新たな固定買い取り制度が始まる七月以降は、今御紹介したような例以外にも太陽光発電の普及促進に向けたさまざまな取り組みを行う市町、企業、団体が出てくることを期待しております。
     そこで、新たな取り組みを行うところが出てきた際には、県として何らかの支援を行う考えがあるかどうかを伺います。
     次に、東日本大震災を踏まえた津波対策に関連した海岸管理についてであります。
     既に県では、東日本大震災発生直後の昨年四月には静岡県津波対策検討会議を設置し、本県のこれまでの津波対策をソフト・ハードの両面から見直し必要な対策の検討を行っております。そのうち緊急性が高いもの、また第三次地震被害想定に対する整備が未完了となっている事業は、ふじのくに津波対策アクションプログラム短期対策編に位置づけ事業の早期完了を目指して取り組んでいるところであります。また危機管理部が中心となって策定する第四次地震被害想定と並行して、想定される津波に対する堤防等の設計高については本年内に決定し、それらに対する対策等も含めて来年六月の策定公表を予定しているふじのくに津波対策アクションプログラム中長期対策編に位置づけていくと聞いております。
     一方、遠州灘はかつては白砂青松とうたわれたほどの砂浜海岸でありましたが、近年では天竜川からの流出土砂の減少や突堤などの海岸構造物により、沿岸を移動する砂の流れが阻害されたことから海岸侵食が各地で顕在化しております。また昨年の台風十五号では、磐田市、袋井市などで堤防の決壊被害などが発生したことで、沿岸住民からは災害の発生を大変危惧しているところであります。このような状況の中、浜松市沿岸域の防潮堤整備資金として民間企業から寄附金の申し出があり、去る六月十一日に一条工務店グループと県、浜松市の三者による浜松市沿岸域の防潮堤等の整備に関する三者基本合意が公表されたことで、今後の津波対策施設の整備と推進に対し大きな期待が集まっているところであります。
     今後県は、この寄附によりどういった防潮堤を整備していくのか、また同じ遠州灘沿岸の他地域の津波対策についてはどう取り組んでいくのか、県当局の見解を伺います。
     次に、わが家の専門家耐震診断の対象拡大と防災住宅の促進についてであります。
     この耐震診断の対象拡大につきましては昨年九月の一般質問でも取り上げさせていただきましたが、重要なことでありますので再度この件を取り上げさせていただきます。
     前回私は、昭和五十六年以前の木造住宅において行われてきたわが家の専門家耐震診断についてこの事業を最大限評価しつつも、昭和五十六年と定めている基準をそろそろ見直す時期が来ているのではないかということを提言させていただきました。その理由として、昭和五十六年以降の木造住宅が既に築三十年を超え始めており老朽化が進んでいること、そのため耐震性に不安を感じている住民も増加していること、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ建築基準法の改正が平成十二年に行われていることなどを挙げさせていただきました。
     今回の質問に当たり独自に聞き取り調査をさせていただきましたが、特に私の地元である袋井市では軟弱地盤の地域が多く存在し、昭和五十七年以降の木造住宅にも家の傾きやひび割れなどが発生している例も少なくありません。中には自分の住宅が手抜き工事をされたのではないか、どこかに致命的な欠陥があるのではないかと不安を感じている方たちもいれば、その逆に昭和五十六年以降の建物だから安全であるという認識を持たれている方たちもおりました。これら住民の多くは六十代から七十代以上の年齢層であり、今から家を新築するのは厳しいが最低限の耐震工事なら銀行でお金を借りて何とかできるかもしれない、ただこれ以上年をとればそれも難しくなると考えられている方が少なからずおります。また耐震診断を専門的に行っている企業から聞き取りを行ったところ、昭和五十七年以降の木造住宅であっても手抜き工事や欠陥住宅と言えるもの、耐震性の不備や水漏れによる柱の腐敗、シロアリなどの問題によって深刻な状態にある住宅も少なくないと、現在の状況を大変危惧する声も聞かれました。余談ながら、シロアリについては最近外来種で非常に駆除が難しいシロアリが静岡県内で発見されており、専門家の間ではその点についても問題視している実態もあるそうです。
     既に、総合計画に掲げられた目標数値の達成も目前に迫り、昭和五十六年以前を基準としたこの事業も最終段階に入っているとも言えます。しかしながらこの事業の目的は、来るべき東海地震に備え現実的に一軒でも多くの家屋を倒壊から守り、そのための犠牲者を最小限にすることにあります。その目的のためには、耐震診断の補助対象を平成十二年まで拡大する方針転換を行うべき時期にあると私は考えますがいかがでしょうか。またそれとは真逆の発想になりますが、現在新築を検討中の家庭においては耐震性にすぐれた住宅選びは必須条件となりつつあります。県内には、限りなく災害に強い住宅や新たな防災技術や工夫を提供している企業も少なからず存在しております。これは防災先進県、ものづくり県である静岡県ならではの特色かもしれません。
     「地震に無傷」をキャッチコピーに静岡市内に本社を置くある企業では、災害時の発電、蓄電システムや貯水機能が備わった防災住宅を提案しております。最近では、津波のためのシェルターを備えた住宅を提案するなど防災に対する研究と開発には余念がありません。過去の震災では周囲の家が倒壊してもこちらの住宅が無傷で残っていたことから、その後御近所の一時避難所的な役目を果たし、復旧の助けとなった実例が幾つも報告されております。このような家屋がふえることは、災害時の行政や避難所の負担を軽減させ町の復旧・復興を早めることに確実につながります。私は、このように耐震の基準をはるかに上回り、また発電や蓄電機能、貯水機能など災害時に必要な防災対策やさまざまな工夫が施された住宅に対しては、県として防災住宅の認定を行うことでその普及を県内外に促すべきとも考えますが、これに対する当局のお考えを伺います。
     次に、中東遠地域の救急医療における連携体制についてであります。
     県民が安心して暮らしていく上で、命を守る医療である救急医療は欠かすことができません。しかしながら平成十年には約九万二千人であった県内の救急搬送人員が平成二十三年には約十四万一千人となるなど明らかな増加傾向にあり、新聞やテレビで全国的に報道されている救急患者のたらい回しと呼ばれる事案が県内でも発生するのではないかと危惧をしております。
     私の地元である中東遠医療圏内には、現在磐田市立総合病院、掛川市立総合病院を初め六つの自治体病院がありますが、それぞれの市町で自治体病院を中心とした救急医療提供体制を構築し、それぞれの自治体病院が毎日二次救急医療を提供している状況にあります。また一部では深夜等において初期救急医療機関で診療を行っていない地域もあり、その時間帯の初期救急医療を二次救急医療を提供している各病院が対応するなど、その地域の病院勤務医の負担は非常に大きいものとなっております。加えて平成二十二年の医師・歯科医師・薬剤師調査によりますと、中東遠医療圏の人口十万人当たりの医療施設に従事する医師数は二年前の前回調査から約十人増加しているものの、百二十三・四人となっており、本県全体の百八十二・八人を大きく下回り県内に八つある医療圏の中でも下から二番目という状況であり、依然として厳しい医師不足に悩まされております。このため地域の自治体病院では病床の一部や一部診療科の休止が続いており、地域住民が望む十分な救急医療提供体制が確保されておらず、地域住民の不安は大変大きなものがあります。
     一方、消防機関の取り組みを見ますと、この地域では現行の五つある消防本部について本年四月から消防指令センターの共同運用が開始し、このことにより救急搬送体制が強化され住民サービスの向上につながると聞いております。
     このような中で、掛川市及び袋井市においては市長や病院長、市議会を初めとする関係機関の皆様の御努力により、平成二十五年五月に掛川市立総合病院及び袋井市立袋井市民病院を統合し、病床五百床、標榜診療科目三十二科を有する中東遠総合医療センターが開院されることになっており、この地域での地域医療の中心的な役割を担うものと大きな期待をしているところであります。この中東遠総合医療センターの開院を機会に、改めて中東遠地域の救急医療における連携体制を再構築し充実させていく必要があると考えますが、地元の取り組みに対する県の支援についてを伺います。
     次に、教員の意識向上のための施策推進について伺います。
     相次ぐ教員による不祥事についてはこれまでの県議会においても厳しい意見が出され、県としても深刻な事態であるとの認識のもと不祥事根絶に向けた取り組みが既に開始されております。わいせつ行為や飲酒運転を初めとする犯罪は、教員としてあるまじき行為であることに疑いの余地はありませんし、犯した罪に対し罰をもって処することは当然であると思いますが、ここで注意しなければならないのは、問題の原因と責任の所在はあくまでも不祥事を起こしたその人間にあるということであります。教員全体や教育現場そのものに不祥事の責任があるかのような過度の風潮には大いに疑問を感じておりますし、このことは結果として子供たちを最大の犠牲者にしてしまうことにつながりかねません。
     昨日の代表質問における知事、教育長からの御答弁をお聞きしておりまして、実のところ教育行政の課題を洗い出し、構造的な部分にも踏み込み改革に臨まれようとしている姿勢と熱意には、大変心強く感じるものがありました。私もこれまでの教育行政のあり方については少なからず改善の余地があると考えておりましたので、今後の改革が教育の本来の目的であるところの児童生徒にとって最良のものになること、また教育現場の最前線で奮闘している教員たちに誇りや情熱を与えるものになることを熱望するものであります。そのためにも今後示される不祥事根絶のための具体的な取り組みが、現場の教員に対する評価や懲罰に偏ったものにならないよう注意を促したいと思います。
     現在、教育の現場は学級崩壊やモンスターペアレントという言葉が流行したように、依然として厳しい問題を抱えながらの状態にあります。そのために疲れ果て、ひきこもりなど精神的な問題を抱えるような教員が増加しているとの報道も見受けられるようになりました。
     そのような中、昨年八月民間の有志によって、あこがれ先生プロジェクトin静岡が島田市において開催されました。これは現在全国各地の中学、高校から講演の依頼が殺到するほどの人気を持つ中村文昭氏が、教育現場の暗いニュースを嘆き、現場で頑張っている先生を本気で応援しようと立ち上げたプロジェクトであります。彼は、このプロジェクトを立ち上げた理由について以下のような内容のことを語っております。「年間何百という学校でさまざまな生徒さんを対象に講演会をやらせていただいておりますが、いつも気がつくことは、全国各地のどの学校にも確かに疲れた先生もいるのですが、すごく教育熱心で生徒思いのすてきな先生もたくさんいらっしゃるということです。生徒のために本気で泣き、本気でしかり、本気で大笑いしてくれる子供たちのあこがれの先生をふやしたい。不祥事を起こすような先生がいることも一つの事実かもしれませんが、表に出てこないだけですてきな先生やすばらしい教育理念を持った学校はたくさんあります。一方で情熱を持った若い先生方が、校長先生や教頭先生のところに子供たちのために今度こういうことをしてあげたい、ああいうチャレンジをしたいとお願いに行くと、あなたにはできるかもしれないけれどほかの先生にはできないから、何かあったらだれが責任をとるんだと、何だかんだとできない理由を言われていくうちにやる気を失っていく先生や学校もたくさんあるのです。だからこそこのプロジェクトには、現役の先生や校長先生にも多く参加をしてもらいたいと思います。校長先生が変われば学校が変わる。先生が変われば子供たちが変わるのです。そういった先生方や学校にスポットが当たる場所をつくり、たくさんの方に知ってもらいたい」。
     中村文昭さんの故郷である三重県でスタートしたこのプロジェクトでは、毎回本気で子供たちに向き合っているリアル金八先生数名に登場してもらい、その取り組みや熱い思いを語っていただきながら会場とも意見交換をする形で進められてきました。地域の住民にもこういった先生たちを応援しようという機運ができつつあるようです。この中には現実にあった、そして今も行われている先生と子供たちとの感動的な実例が宝箱のように詰まっております。この講演が終わった後、会場に足を運んだ現役の先生同士が互いに声をかけ合いながらこんな会話を交わし合うそうです。「もっと私ら本気になろうよ」、「学校の垣根を越えて先生同士でつながらないか」、「このままではいかんよね」。そんな先生たちが自発的に声をかけ合いながら、現在勉強会などを行いつつその輪を広げているそうです。
     昨年八月、そのあこがれ先生プロジェクトが初めて静岡県にも上陸し、県教委を初め幾つかの市町の教育委員会の後援をいただきながら、有志の手によって第一回目が開催されました。これに参加した県内の教員の間にもわずかずつではありますが、三重県と同様の現象が起こり始めているそうです。私は、静岡県の教育改革はこうした現場の教師たちからわき上がった自発的な意識の芽生えから始まるのだと思います。その芽を摘み取ることなく育て広げていくために、教育委員会はどうあるべきかが問われているのではないでしょうか。
     教員がみずからの職に誇りや使命感を持つことができる環境をつくることこそが大事だと思いますが、これについて教育長の見解を伺います。以上で一回目の質問を終わります。(拍手)
    ○副議長(大石哲司君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 山本議員におかれましては、今月初めに中澤先輩議員とともに富士の会という会派を結成されましておめでとうございます。それ以上の名前のない、富士というその名に恥じぬように、高い志を持って県勢発展のために尽くされるということで、大変期待をしております。
     山本議員にお答え申し上げます。
     初めに、太陽光発電設備の普及促進についてでございます。
     本県は昨年度、住宅用太陽光発電設備を対象とする県単独助成としては全国一の予算規模となる十二億円を計上いたしました。そして家庭における導入を積極的に支援してまいりました。県民の方々におかれましては、その支援におこたえいただきまして、平成二十二年度設置件数は七千四百四十三件でございましたけれども平成二十三年度は一万一千六百六十六件ということで、伸び率は一五七%、全国一ということでございます。ここにあぐらをかいているわけにはいきませんで、愛知県が一万八千件余り、埼玉県が一万三千件余りでございますので、これを目指して全国一の設置件数を誇りたいというように思っております。
     そうした中、先ほど長野県飯田市の初期費用ゼロ円の御紹介をいただきましてありがとうございました。このおひさまゼロ円システムというのに大変関心を持ちまして私も少し調べてみたのでございますが、月々一万九千八百円を支払うと。それを十二カ月、そして九年間を支払うと実際は二百十数万円ということになりまして、いわば月賦により初期費用をかからないようにするという考え方ですね。こういう考え方はなるほど活用されている人が多いということでございまして、私ども県としては一キロワットで二・五万円、そして四キロワットを上限にしまして十万円を御支援申し上げると。そして国のほうからも補助がございます。市町の中でも県の半分ぐらいというものもございます。それを利用してかつ金融機関を利用しますと実はそちらのほうが安いという、残念ながらこのおひさまゼロ円システムの場合には国等からの補助金が受けられないというような限界もあるようで、ともあれ太陽光発電設備の普及を促進する幾つもの方法があると。そのうちの一つを御紹介賜ったと理解しております。
     そうした中、県内におきましても住宅メーカーが太陽光発電設備の設置費用を全額立てかえるサービスを始める事例も出てまいりました。また再生可能エネルギー固定価格買い取り制度、これは七月から始まりますが、これを契機にいたしまして大手企業が投資ファンドを活用し、全国の投資家から資金を集めてメガソーラーの建設を計画するなど、今後県民や民間レベルでさまざまな取り組みが活発化していくということが見込まれます。
     このような県民や民間の方々の率先した取り組みに対しまして、私どもは積極的に関与してまいりたい、そして推進してまいりたいと存じます。具体的には立ち上げへの協力や関係者間の調整、県内外への情報発信など必要な支援を行いまして、一体となって太陽エネルギーを生かしたエネルギーの地産地消を目指しまして、飯田市に負けず劣らず環境モデル県として認定されるようにしたいと存じます。
     次に、東日本大震災を踏まえた津波対策に関連した海岸管理についてでございます。
     浜松市沿岸域を含む遠州灘沿岸につきましては、これまで海岸侵食対策とともに第三次地震被害想定に基づく津波対策を実施してきました。これはおおむね達成しつつあるわけでございますが、そうした中昨年三月の東日本大震災を我々は経験することになりました。またこの三月末には内閣府検討委員会のほうからすさまじい形での津波の予測が発表されまして、県民の津波に対する不安が高まっております。私どもは現在地震被害想定の見直しを行っておりますが、津波対策には多額の予算が必要と見込まれます中、早期の整備に向けまして今回の寄附の申し出は大変心強く感謝する次第でございます。一条工務店グループ、浜松市そして私どもと同意いたしました三者合意では、防潮堤の規格は静岡県第四次地震被害想定の前提となる津波高を上回る高さを確保するものとしております。また長い年月に耐えられるものとして、土盛りによる――土を盛って防潮堤を整備するべしということになっております。遠州灘沿岸には連続した砂丘堤防や地域の人々が長年守り育ててこられました防風林がございます。今回の申し出によりまして、防潮堤を整備するに当たりましては津波や高潮に対する十分な防御機能とあわせまして、周辺の環境や景観になじんだ、地域に親しまれ愛される施設を目指してまいります。遠州灘沿岸のほかの地域につきましても、遠州灘の特性を生かし防潮堤の整備や公共残土を活用した保安林の補強もしてまいりたいと存じます。
     議員の地元でございます袋井には命山がございますが、命山も長い年月がたっておりますので、そこに地元の人々がそれぞれ違う形での植栽をされまして、昔からあった丘のようにも見えます。こうしたように、我々も遠州灘における防潮堤をつくるにつきましても、それが少し時間がたちますといわゆるとことん人工的というふうに見えるのではなくて、きれいな丘がずっと遠州灘に広がっていると。それ自体が行くのが楽しいというような、そうした景観に配慮した整備をしたいというふうに思っております。
     津波対策アクションプログラム中長期対策編の策定過程におきましてこれを御紹介いたしますときには、県民の皆様により安心感を与えることのできる津波対策事業としてまいりたいと存じます。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
     一言だけ。教育に関しましてはもちろん先生の熱意、情熱というのは不可欠です。一方で教育現場における教育というのは、これはやはり技術の習得というのが要ると存じます。しかし日本における今の教育学部における先生の養成におきましては、基本的にリベラルアーツを学ぶという形になっております。実習、研修というのはいわゆる教育実習ということで、高校生の場合には二週間、小中学生の場合にはもう少し長くでございますけれども、十分な形でのカリキュラムとは言えないというふうに存じます。したがって、授業それ自体の専門的なものを教育課程の中できっかり組み込まれていないということがございますので、最初に先生になられた方は情熱があっても十分にその技術とマッチしていないことがございまして、そういうところにも限界があるのではないかというふうに思っている次第でございます。そうしたことを踏まえた上で、教育行政と教育現場において、教育現場のことはよくわかっております、いい先生がいらっしゃることはよくわかっておりますが、他方でその教育行政のほうに我々は今問題のメスを入れていると。その問題性が一回目だけでもう既に明らかになったということが私は大きな成果だと思っておりまして、この件についても厳しく先生、御注視いただければというふうに存じます。
    ○副議長(大石哲司君) 伊熊くらし・環境部長。
           (くらし・環境部長 伊熊元則君登壇)
    ○くらし・環境部長(伊熊元則君) わが家の専門家耐震診断の対象拡大と防災住宅の普及促進についてお答えいたします。
     本県では、昭和五十八年に建築基準法の構造規定を補完する木造住宅建築物構造設計施工指針を独自に策定し、その中で筋交い等の配置バランスや接合部の金物補強等の必要性について規定し、平成十二年の法改正前まで周知、指導に努めてまいりました。また平成十三年度にプロジェクト「TOUKAI―0」をスタートし、阪神・淡路大震災において被害が集中した昭和五十六年以前の木造住宅の耐震化に努めてまいりましたが、平成二十年度において耐震性の低い木造住宅がいまだ約二十六万戸あると推定されております。このためまずはこれらの耐震性の向上が緊急の課題と考えており、わが家の専門家診断の対象につきましては、静岡県耐震改修促進計画で定めました平成二十七年度までは昭和五十六年以前の木造住宅に集中して実施してまいります。御提案の平成十二年以前の木造住宅への対象の拡大につきましては、学識経験者等の御意見を伺いながら研究していくこととしており、現在市町との意見交換や他県の状況調査に着手したところで、今後は地域の工務店、建築士などの現場に携わる方々を含め幅広く御意見を伺いながら研究を進めてまいります。
     また、住宅の新築に際し東海地震に備えて耐震性を高めることは、県民の命を守る上でも震災後の復旧を図る上でも大変重要であると認識し、建築基準法の耐震基準に独自の基準を上乗せする静岡県建築構造設計指針を策定して、建物の倒壊を含む取り組みを推進しております。さらに耐震性のすぐれた住宅の普及を図るため長期にわたり良好な状態で暮らすことができる長期優良住宅の認定にも取り組んでおり、平成二十三年度の認定率は全国平均の約二倍の約二四%となるなど県内に着実に普及をしてきてございます。
     今後とも、民間団体、市町と連携し指針の周知や認定制度の普及啓発に努め、耐震性のすぐれた住宅が多数存在する災害に強いまちづくりを推進してまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 池谷健康福祉部長。
           (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
    ○健康福祉部長(池谷享士君) 中東遠地域の救急医療における連携体制についてお答えをいたします。
     県では、平成二十一年度に県内八つの医療圏の中でも医師不足等により特に医療提供機能が低下していた中東遠医療圏を対象に地域医療再生計画を策定し、医療機能の分担と連携体制の整備を目指しまして支援を行っているところであります。具体的には、来年五月に開院する中東遠総合医療センターに新たに脳・心臓血管内治療センターを設置し二次救急の体制を強化するとともに、初期救急においても現在の掛川市立病院と袋井市民病院に休日夜間急患センターを整備することなどにより医療機関の機能分担を進め、救急医療体制の充実を図ることとしています。さらに連携体制の強化を図るため圏域内のすべての自治体病院間を結ぶICTを活用した患者情報共有システムを導入し、これにより救急医療における迅速な診断と治療が可能になり、大きな効果が発揮されるものと期待しています。
     県といたしましては、この計画を契機に地元関係者で組織された中東遠地域医療再生支援センターにしっかりと参画し計画の着実な推進と連携体制の一層の強化を図り、今後も中東遠地域における救急医療を初めとした医療提供体制の充実に向けて積極的に支援してまいります。以上でございます。
    ○副議長(大石哲司君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 教員の意識向上のための施策推進についてお答えいたします。
     教職員の不祥事根絶に向けての各学校からの取り組みの報告を見ますと、対策を講じた効果があらわれているとの意見が多くありましたが、その一方で議員から御指摘がありましたように、まじめに頑張っている教職員の意欲の低下が心配といった意見も見受けられました。
     県教育委員会では、今年度の対策としまして各学校に教職への誇りや使命感の高揚につながる内容も研修に盛り込むよう指示したところ、「なぜ教職を目指したか」をテーマに意見交換を行ったり、「私が影響を受けた先輩教師の言葉」という題で教職員が順にスピーチを行ったりするなど新たな取り組みが見られるようになっております。また総合教育センターにおきましては、学校における校内研修等をサポートする学校等支援研修や教科指導力の向上等、教職員一人一人のニーズに応じて主体的に参加できる希望研修を通して、意欲と自信を持って日々の教育実践に取り組んでいけるよう支援しているところであります。さらに教科指導や生徒指導等での顕著な成果を上げている教職員に対し優秀教職員表彰を引き続き行うほか、今年度から教育委員会の広報紙Eジャーナルに教職のすばらしさをテーマとして頑張っている教職員を紹介するコーナーを設けております。
     なお、議員から御紹介がありましたあこがれ先生プロジェクトにつきましては、地域の将来を担う子供たちを教育する教員に元気になっていただき地域も先生を応援していくという、県教委としても心強い取り組みとしてとらえており、後援も行っているところであります。私も先月ある方から中村文昭氏の講演の録画CDをいただき聞かせていただきましたけれども、非常に感銘を受けたところであります。
     県教育委員会といたしましては、これらの取り組みを通して教職員の意識の向上に努めるとともに、私自身も研修会での講話等いろいろな機会を通して、教職員一人一人がみずからの授業力の向上を図り誇りと情熱を持って本県教育の充実のために取り組んでいくよう直接訴えていきたいと思っております。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 一番 山本貴史君。
           (一番 山本貴史君登壇)
    ○一番(山本貴史君) それぞれの御答弁ありがとうございました。また知事におかれましては、教育に対しての御答弁もいただきましてありがとうございます。
     時間がございませんので、一点の質問と私の持論を述べさせていただきたいと思います。
     今の教育について、知事からも教育行政に対してのメスを入れたいんだというお話がございました。私も非常に同感するところがございまして現在の全国的な問題と思っておりますけれども、教育現場と教育行政のあり方というのは、例えれば「坂の上の雲」の二百三高地を攻めている白だすき隊と、後方で現場も見ずにただ固執した作戦のみを繰り返す司令本部との関係に非常によく似ているなと思います。今こそ、ですから司令本部に活を入れる児玉源太郎のような存在が必要なのではないかなと思っておりまして、そうした取り組みがその新たな方針転換につながることを期待するものであります。
     しかしながら、やはり今日本人のモラルの低下が叫ばれまして教員の不祥事等が相次ぐ背景には、私自身は持論でございますけれども、やはり今の日本人が日本の古きよき美徳、日本の精神を失ってしまったことにあるのかなと思っております。以前はやはり教育勅語に基づきました修身の教育というものがありました。その中にはよい日本人という項目もございまして、その中には日本人として基本的な道徳観念というものが織り込まれておりました。「お父さん、お母さんを大切にしよう」、「友達を大切にしよう」、「整理整頓を心がけよう」、「約束は守ろう」、そうしたことを日々先生も生徒たちもそれを読み上げ身の中に落とし込むことで、日本の道徳規律というものがはぐくまれてきたのだと思っております。
     ですから、やはり教育の現場にあってはいま一度そうしたものを見直す必要があるということをまた別の機会で主張させていただきたいと思いますが、最後の質問といたしまして、教育長にもあこがれ先生プロジェクトの認識をいただいているということで非常に感謝を申し上げております。ことしの八月十八日に第二回目の開催が予定されておりまして、これは菊川市のアエルで開催予定ということでございますけれども、ぜひ教育行政にそうした現場の声を持ち帰っていただいて、そのためにも県教委の皆様にこのプロジェクトを体感していただきたいと思っております。そうしたところへの参加ができるかどうか、最後の質問とさせていただきます。以上で私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
    ○副議長(大石哲司君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 八月十八日の日曜日に午後から開かれるということも承知しております。教育委員会全体としてみんなに呼びかけるということは可能ではありますけれども、あとは事務局職員一人一人の自主的な判断に任せようかなというふうに思いますけれども、私も時間がありましたらばぜひ行ってじかに中村文昭氏の熱い講演を聞きたいなというふうに思っております。以上であります。

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