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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

和田 篤夫 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/05/2013

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 天下り禁止について
2 富士山の世界文化遺産登録について
 (1) 登録を契機とした一体的な施策の推進
 (2) 景観の保全
3 新東名(仮称)御殿場インターチェンジ周辺の地域づくりについて
 (1) 新東名を生かす道路整備
 (2) 内陸フロンティア構想の推進
 (3) 新東名を生かした農村整備
4 台湾との交流促進について
5 本県の危機管理体制について
6 総合防災訓練について
7 危機管理部の職員の能力向上について


○議長(小楠和男君) これで東堂陽一君の質問は終わりました。
 次に、二十番 和田篤夫君。
       (二十番 和田篤夫君登壇 拍手)
○二十番(和田篤夫君) 私は自民改革会議所属議員として通告に従い、県政の当面の諸課題について、知事及び関係部局長に質問をいたします。
 まず最初に、知事のマニフェストのうち、天下りの禁止についてお伺いをいたします。
 知事はマニフェストで、「県庁OBによる県内五十七の外郭団体のうち県からの出資比率一五%以上の団体へのあっせんによる天下りの状況を洗い出し、県庁からの天下りを禁止します」との公約をされました。これらに該当する団体は平成二十年時点で外郭団体が三十団体、その他の県出資法人が十一団体、合計四十一団体、現在は外郭団体が二十五団体、その他の県出資法人が十一団体の計三十六団体となっていますが、これらの団体等の常勤役職員のうち県のOBが占める割合は平成二十年度で九百四十八人中六十名、六・三%。平成二十一年度で九百四十三人中五十八人、六・二%。平成二十二年度で九百二十九人中五十八人、同じく六・二%。平成二十三年度で八百二十一人中五十五人、六・七%であり、ほとんど横ばいあるいは割合は増加となっています。
 この現状を見ますと、天下りを禁止するとした知事の公約について努力をしている姿を見ることができないばかりか、天下りを禁止しますとの公約が守られていないと言えます。このことについて知事の所見をまずお伺いをいたします。
 次に、富士山の世界文化遺産登録についてのうち、初めに登録を契機とした一体的な施策の推進についてお伺いをいたします。
 本年六月、いよいよ富士山の世界文化遺産登録が間近に迫ってまいりました。言うまでもなく登録はゴールではなくその価値の後世への継承、適切な保存管理のスタートであることを改めて認識する機会であると考えます。
 もちろん、世界文化遺産登録後は、富士山周辺の構成遺産を適切に管理をし保存しなければならないという重大な責務を負う一方で、登録されれば祝賀ムードは高まり、国内にとどまらず海外からも多くの観光客の来訪により地域の活性化に大いに寄与することが期待をされます。一部には世界文化遺産に登録されることにより観光客の制限や土地の利用、周辺開発等が規制されるのではないかという声も聞かれますが、決してそうではなく登録後は富士山の適切な保存管理と利活用についてバランスをとりながら国民が一体となって富士山の普遍的な価値を後世に継承していくことになると考えています。
 そこで、適切な管理はもとよりさまざまな富士山関連の施策を効果的にかつ一体的に推進することが富士山の価値の後世への継承につながると考えますが、どのように取り組んでいくのか県の所見をお伺いをいたします。
 次に、景観の保全について伺います。
 先ほども述べましたが、富士山が世界文化遺産に登録されれば国内はもとより世界中から多くの観光客が富士山とその周辺を訪れるものと考えますが、私は富士山を訪れる全ての方々に富士山は本当に美しくてすばらしいところであるとよい印象を持っていただきたいと思っております。
 しかしながら、私が住んでいる御殿場市を初めとして東名高速道路のインターチェンジの周辺や富士山周辺の幹線道路沿いなどには数え切れないほどの派手な色彩の看板などが乱立しており周辺の景観を見苦しくしております。このような現状は非常に残念であり、この地域を訪れる方が本県に対して抱く印象を大きく損ねることにもつながりかねません。私は国内外から訪れる多くの方々に、美しい富士山を中心としたこの地域のすばらしい景観を大いに楽しんでいただける環境を整えていくことが最高のおもてなしであると考えております。
 そこで、富士山の価値やその美しい眺望を引き継ぐためにも乱立する野外広告物に対する規制を強化することがぜひとも必要であると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、新東名仮称御殿場インターチェンジ周辺の地域づくりについて伺います。
 昨年四月、新東名高速道路の御殿場ジャンクションから三ヶ日ジャンクションまでの間、百六十二キロメートルが供用を開始をいたしました。当初の期待どおり現東名とのダブルネットワークによって交通の分散が進み高速道路上の渋滞はほとんどなくなり、本県を訪れる観光交流客も増加をし、その経済効果は年間八百十九億円にも上ると試算されております。
 本県内の一部区間が開通しただけにもかかわらずこのような効果が出ている現状を踏まえますと、今後全線開通ともなれば今以上の非常に大きな経済波及効果を本県にもたらすことは疑う余地がありません。
 このようなことから、私の地元である御殿場市、小山町では、新東名御殿場ジャンクション以東の新インターチェンジの開設やそれと接続をする国道百三十八号バイパスの供用を数年後に控え、これらの新たなインパクトを最大限に生かしたまちづくりを進めております。御殿場市では、首都圏と富士・箱根・伊豆広域観光圏域の結節点としての交通インフラ整備や新たに整備されるインターチェンジ周辺の土地利用のあり方を探るための検討準備を進めているところであり、小山町ではスマートインター設置による工場誘致などの経済活性化策を進めている状況であります。
 県では、内陸フロンティア構想を策定して新東名インターチェンジ周辺での土地利用の推進を図り、企業進出による雇用の確保、人口増加による地域の活性化などを期待してさまざまな構想を策定しその施策を進めていますが、これから新東名の開通を迎える御殿場市や小山町においては、アクセス道路の整備も含めて新しい地域づくりへの取り組みが大変重要になっております。
 また、当地域は平成十三年度から水田の整備が進められ、お米日本一コンテストinしずおかでは「御殿場コシヒカリ」が七回も県知事賞を受賞し、景観においても富士山とひな壇状の水田風景として最優秀賞を受賞したこともあります。この豊かな農村資源を活用し、さらに今後の新東名の全線開通を新たな農業の展開や農村地域の活性化につなげていくことが重要であります。
 そこで、三つの点について質問をいたします。
 一点目といたしましては、新東名を生かす道路整備についてであります。今後新東名の開通を迎える県東部地区において、経済の活性化、観光振興などの観点から県はアクセス道路を含めた新東名を生かす道路の整備にどのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。
 二点目として、内陸フロンティア構想の推進についてであります。内陸フロンティア構想を踏まえ、新インターチェンジ等を活用してこれから新しい地域づくりを行おうとする市町に対し、県はどのような支援を考えているのかお伺いをいたします。
 三点目といたしまして、新東名を生かした農村整備についてであります。新インターチェンジ周辺地域においては、この地域の豊かな個性や特性を最大限に生かした新しい都市機能と調和した農村の整備を進めていくべきではないかと考えますが、県の所見をお伺いをいたします。
 次に、台湾との交流促進についてお伺いをいたします。
 我が国と台湾は、昭和四十七年に外交関係が終結した後も今日まで四十年間にわたり民間交流を中心に経済、観光、文化、教育など幅広い分野で人的・物的交流が続いております。一昨年十一月には、航空自由化協定の締結により日台間のオープンスカイが実現をし、翌二十四年三月には多くの県民の皆様が待ち望んでいた静岡―台北間の定期便が新規就航をいたしました。
 県の地域外交関連の予算を見ますと、県が重視している交流先は中国、韓国、モンゴル、台湾、東南アジア、米国であり、そのうち中国との交流に充てている予算の割合は全体の五〇%を超えているのが現状でございます。本来外交交流はお互いの利益を共有すべき関係を築くことが大切であると思いますが、昨年は尖閣諸島や竹島の問題を機に中国、韓国両国からの観光客が減少したことはまことに残念でございます。今後もこうした状況が続くならば、中国を特に重視している現在の予算配分も見直す必要が出てくると私は思っております。
 一方、台湾については、大きな落ち込みを見せることなく年間では二〇〇八年を上回る過去最高の百四十六万六千人の訪日客数を記録したことが発表されました。こうした状況の中、来年度にはこれまでの中国、韓国、シンガポールに加え新たに台湾に県の駐在員事務所を設置するとの意向が示されました。
 そこで、今後駐在員事務所を拠点に双方の交流をこれまで以上に強固なものにしていくために、台湾との交流促進に向けた取り組みを具体的にどのように進めていくのかお伺いをいたします。
 次に、本県の危機管理体制についてお伺いをいたします。
 東日本大震災の発生から、間もなく二年を迎えようとしております。改めて犠牲になられた多くの皆様に心から哀悼の意をささげるとともに、被災地の一日も早い復興を切に願うものであります。東日本大震災では、行政機関の多くが被災をし市町村の機能が著しく低下する中で、都道府県や国の役割が改めて問われたのではないでしょうか。未曽有の激甚災害という危機的状況を目の当たりにし、危機管理の重要性を改めて強く認識したところであります。
 言うまでもなく、大規模震災が発生したときの自治体の使命は、県民の生命と財産の被害を局限しながら行政サービスの要求にも最大限対応することが求められることになります。したがいまして平時の体制では到底対応できるものではありません。不幸にも事案が発生したならば直ちに災害対策本部を立ち上げ、全庁挙げて一元的に対応しなければならないことは言うまでもありません。
 その観点から県の災害対策本部の編成を見ますと、知事を本部長とし危機管理の専門知識を有する危機管理監が各部長等を指揮できる編成をとっており、体制的には非常時に対応できる理にかなった編成であると私は思っております。東日本大震災のある被災した県においては、災害対策本部で応急対応に当たっていたものの部局間の調整に迫られ副知事を長とする専従チームを急遽編成をし、本部の統制機能を強化したところもあると聞いております。
 本県においては、平成二十一年に防災局を危機管理局とし危機管理監を設置するとともに、平成二十二年度からは危機管理部に格上げをし危機管理体制を強化してまいりました。
 このような中、昨年八月末に南海トラフ巨大地震の被害想定が国から発表され、本県においてもこれまで以上の危機管理体制の強化が求められることになると思われます。
 そこで、県は、東日本大震災の経験を踏まえ現在の危機管理体制をどのように評価をし、さらにどのように強化していくのかお伺いをいたします。
 次に、総合防災訓練についてお伺いをいたします。
 一昨年の東日本大震災では津波による被害が余りにも甚大であったため、この二年間県が行った防災訓練は、昨年度は五月の緊急津波避難訓練に始まり総合防災訓練、地域防災訓練、地震対策オペレーションそして三月十一日の津波避難訓練まで常に津波への対応に重点が置かれてまいりました。
 本年度の訓練においても、例えば九月の総合防災訓練では住民の津波避難訓練や浜岡原子力発電所が大津波に襲われたと想定するなど津波対策が強調される余り、本来大きな被害が予想される内陸部における地震動に対する訓練がややおろそかになっているのではないかと感じています。
 静岡県で想定される地震は、東海地震でも南海トラフの巨大地震であっても東日本大震災とは違い県下全域で震度六弱以上となり、津波とともにその地震動により大きな被害がもたらされるものとされております。先日発表された第四次地震被害想定の中間報告においても、県内は沿岸部が津波に襲われるのと同時に県下全域にわたり大きな地震動に見舞われるとされております。
 東海地震の発生確率は、御承知のように今後三十年以内に八八%とされており、県民を守るためには地震動の揺れによる後に津波が来ることから、やはり地震動に対する訓練も重視すべきではないのでしょうか。今は東日本大震災での印象が強く津波による被害がクローズアップされておりますが、阪神・淡路大震災での神戸市内の状況を思い出していただきたい。ビルが崩壊をし駅も壊れ至るところで火災も発生し都市機能は完全に麻痺状態で、そして死者の八〇%以上が建物の倒壊による窒息死あるいは圧死でございました。同じような状況がこの県庁が所在する静岡市内でも起こり得る可能性が極めて大きいと言わざるを得ません。
 そこで、平成二十五年度の防災訓練は、県はどのような訓練とするのでしょうか。訓練の特色と県民に対しどのような訓練効果を目標に定めて実施するのかお伺いをいたします。
 最後に、危機管理部の職員の能力向上について伺います。
 県では、一月に行った地震対策オペレーションを初め総合防災訓練や医療、物資などの特化型訓練など危機管理部においては年間に多くの図上訓練や実働訓練を実施しており、これらの訓練により一般の県職員や市町の職員の危機管理能力は大幅に向上しているものと思います。しかし一番肝心な県の災害対策本部の中心となる危機管理部の職員の能力向上はどうなっているのでしょうか。
 毎年実施される県の総合防災訓練の本部運営訓練を実施するには、訓練の目的、目標を確立し具体的な実施計画を作成するため、各部局や関係自治体、関係機関や民間諸団体との調整や例えば多数の雑居ビルの倒壊による大量生き埋めに対する救助要請などといった膨大な状況付与計画を準備し、そして訓練当日を迎えることになります。
 このように、大きな時間と労力と経費をかけるロールプレイング方式の訓練ですが、実は危機管理部職員自身は純粋なプレーヤーとしては訓練に参加できず、他の年間を通じたさまざまな防災訓練の計画立案や運営にも大きな時間を割かれており、みずからの能力を向上する訓練が満足にできていないのが現状ではないでしょうか。一般に防災体制を効果的に準備をし強化するには、いろいろな想定の訓練計画を立て訓練を実施し、そして訓練を実施する中で諸課題を検証して発生した問題点を改善するといういわゆるPDCAサイクルを実施することが重要でございます。
 そこで伺います。県では危機管理部の職員能力向上に対しどのような取り組みを実施しているのでしょうか。防災体制や防災計画を整備しても、防災職員自身の能力の向上がなければいざというときに役に立たない状況にもなりかねません。これに対応するには危機管理部の職員も訓練のプレーヤーに専念できる環境をつくることが重要だと思っておりますが、それには訓練の企画から運営までを外部委託することも一つの方法であると考えます。
 そこで、県では今後訓練の企画から運営までを外部委託し、危機管理部職員の能力向上を目指すような取り組みを実施するお考えがあるのかお伺いをいたします。以上で私の質問を終わります。(拍手)
○議長(小楠和男君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 和田議員にお答えいたします。
 初めに、台湾との交流促進についてであります。
 台湾との交流につきましては、路線就航へのトップセールスを初め日華友好議員連盟の活動を通じた交流、青少年の相互派遣、民間による文化・スポーツ交流や観光誘客などさまざまな分野での交流が拡大してまいりました。
 このような中、昨年の台北路線の新規就航に続きまして今月末からは週四便への増便が決定しております。このタイミングに合わせまして台北市内にふじのくに静岡県台湾事務所を開設いたしまして、台湾全土を対象に年間を通して時宜に応じた迅速な活動が可能となるよう現地での交流支援体制の強化を図ることとしております。
 先月には、森山副知事がチャイナエアラインの副社長を表敬訪問し、また今月末には私自身がチャイナエアラインへのトップセールスをいたしまして、さらなる路線の拡大に向けた協力要請を行うつもりでございます。駐在員事務所開設の事前報告会をも開催し、行政、航空、観光関係者などとのネットワークの強化を図ってまいります。
 今後は、駐在員事務所を核として台湾では大変有名な我が富士山や緑茶を活用した本県のPRや観光誘客、スポーツや文化など民間団体間のマッチングによる草の根交流の支援、高雄市など台湾南部との交流強化などによりまして定期便のデーリー化を早期に実現し、これまで以上の交流人口の拡大を目指してまいります。
 次に、本県の危機管理体制についてであります。
 東日本大震災におきましては、発災直後の指揮命令系統に混乱を来した実態がございました。また被災地からの要請や被害状況が正確に伝わらず、DMATすなわち医療救急チームや自衛隊等が入る被災地が重複などもいたしました。また自衛隊と防災関係機関との連携や情報共有についても課題が明らかになっています。
 我が県におきましては、素早く初動体制が確立できるよう二十四時間三百六十五日の危機管理体制をしいています。加えて平常時から各部局の危機担当監などとの連絡調整会議を定期的に開催し緊密な連携と情報共有を図っておりますが、東日本大震災を踏まえて体制のさらなる充実が必要であると認識したところでございます。
 まず、訓練につきましては、全職員対象の参集訓練や筋書きのない本部運営訓練を実施いたしました。発災初期の要員が不足して情報通信機器が一部使用できないという過酷な状況下での本部運営訓練を繰り返し実施いたしました。危機事案に適切に対応できる人材の育成に取り組んでいるところでございます。
 自衛隊を初めとする防災関係機関との連携や情報共有につきましては、静岡県指揮官会議また静岡県ライフライン防災連絡会などの会議を定期的に開催しています。それとともに市町の防災訓練には防災関係機関が必ず参加するなど平常時から顔の見える関係の構築に努めておりまして、今後さらにこの関係を発展させてまいりたいと考えています。
 県本部からの要請事項や被災地の状況などを防災関係機関とリアルタイムに情報共有できるように、電子地図上に被害状況などを表示するふじのくに防災情報共有システム、頭文字をとってFUJISANを活用いたしました仕組みの構築にも現在取り組んでいるところでございます。
 これらの取り組みに加えまして、本県では危機管理部門に平成十五年度から退職自衛官一名を採用しております。東日本大震災発災の折には彼が先遣隊の隊長として現地に入りました。三日間みずからテントを持ち食料、水を持参いたしまして、どのような状況にあっても相手に迷惑をかけないで救援活動ができるというそういう人材であるということがわかりまして、そうした現場での経験を積みまして確実に防災力は上がっております。
 こうした経験を踏まえまして、防災関係機関との一層の連携強化を図るために平成二十五年度からは退職自衛官を増員することといたしました。今後とも想定される東海地震や南海トラフの巨大地震に対応できるよう危機管理体制のさらなる充実に取り組んでまいります。
 人材育成につきましても議員から御提案がございましたが、この点につきましては危機管理監のほうから詳しく御答弁申し上げますけれども、防災力は基本的には県民全員が上げねばなりません。自助、共助、公助、一番大切なのは自助の防災力でございます。その意味でプロの危機管理部の職員のみならず県民全体が訓練に参加をできる限りしていただいて、そして防災力を上げていくことが大切であるという考えを持っております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。(発言する者あり)
 なお、平成二十二年二月からは、全ての県の職員がいわゆるこれまで天下りしていたところは公募で採っております。公募をするとした場合に応募をするのは県のOBがなさっても自由でございます。結果的にそこに就職することになってもそれは私は十分にフェアであるというふうに考えております。以上、蛇足ながら申し上げました。
○議長(小楠和男君) 土屋経営管理部長。
       (経営管理部長 土屋優行君登壇)
○経営管理部長(土屋優行君) 天下り禁止についてお答えいたします。
 本県では、職員は定年まで勤務できる環境にありまして、早期退職慣行を背景とした国の再就職の状況とは異なるものと認識しております。また県職員が公務で培った能力、知識、経験等を生かし再就職を通して地域社会に貢献すること自体は意義あることと考えております。
 しかしながら、県職員が再就職する場合にはその過程の透明性、公平性の確保が重要であると認識しております。また外郭団体にとりましても、職務権限や責任にふさわしい人材を民間、公的機関を問わず広く求めることが適当であると考えております。こうしたことから外郭団体など県が出資する法人に対しましては、平成二十二年二月から公募制による役職員の採用を要請してきたところであります。
 議員御指摘の外郭団体の常勤役職員に占める県退職者の割合の増加につきましては、既に役割を終えた団体の解散など外郭団体の見直しを進めました結果、全体の役職員数が具体的には平成二十年には九百四十八名だったものが平成二十三年には八百二十一名と減少したことも影響しているものと考えております。
 役職員の選考は、各団体がそれぞれの選考基準に基づきみずからの責任において公平、公正に行っていただけるものと認識しておりますが、県といたしましても引き続き適正な選考が行われますよう助言を行い、県職員の再就職の透明性、公平性の向上に努めてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 下山文化・観光部長。
       (文化・観光部長 下山晃司君登壇)
○文化・観光部長(下山晃司君) 富士山の世界文化遺産登録についてのうち、登録を契機とした一体的な施策の推進についてお答えいたします。
 県政の重点課題として富士山の世界文化遺産登録を目指してまいりましたが、来年度以降は富士山の適切な保存管理と利活用の推進に軸足を移し施策を展開してまいります。具体的には世界文化遺産として適切に保存管理するため、ユネスコへ提出した富士山包括的保存管理計画に基づき環境の変化や自然災害、来訪者による影響などに的確に対応してまいります。
 また、富士山を大切に守るという機運を醸成するため、登録の記念式典や県民の皆様と登録を祝う感謝イベントなどの記念事業に加え富士山をテーマとした演奏会や野外芸術フェスタなどの文化事業、そして富士山の日運動に協賛する事業を年間を通して展開してまいります。
 さらに、増加する来訪者の受け入れ体制を強化するため、仮称富士山世界遺産センターの整備に向けて展示手法を検討するとともに、登録に合わせて富士川楽座などの富士山周辺施設において映像や電子パネルなどにより富士山の文化的価値や魅力を発信してまいります。
 また、交流人口の拡大を図るため、国内外に向け富士山を前面に打ち出した誘客キャンペーンを強化するほか駿河湾フェリーを活用して海上から富士山の眺望を楽しむ周遊ルートを活性化するなど、県内全域でのにぎわいの創出に取り組んでまいります。
 適切な保存管理、富士山を守る機運の醸成、受け入れ体制の強化、そして交流人口の拡大という四つの側面から富士山に関連する施策を一体的に実施することで、世界に誇れる富士山の価値を後世に継承してまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 富士山の世界文化遺産登録についてのうち、景観の保全についてお答えいたします。
 富士山の世界文化遺産登録が実現した暁には、国内外から多くの観光客が訪れることが想定されており、美しい富士山の景観は世界中から訪れる人々に多くの感動を与えるものと確信しております。
 県では、静岡県屋外広告物条例施行規則により案内看板の高さと面積に上限を設けるなどの規制を行っておりますが、派手な色彩やデザインの案内看板が乱立しており周辺の景観を損ねておりますことから、使用できる色彩の範囲を新たに定めるなど規則の改正を行い屋外広告物に対する規制の強化を図ってまいります。
 さらに、富士山周辺地域におきましては、現在策定中の富士山周辺景観形成保全行動計画において高速道路のインターチェンジ周辺や主要な幹線道路などを重点箇所と定め、違反広告物の指導や取り締まりを集中的に行うこととしております。
 県といたしましては、これまで取り組みが必ずしも進んでいない市町もありますが、関係市町等と連携を図りながら屋外広告物対策を初めとする景観施策を積極的に推進し、世界文化遺産にふさわしい富士山の美しい景観を保全してまいります。
 次に、新東名仮称御殿場インターチェンジ周辺の地域づくりについてのうち、まず新東名を生かす道路整備についてであります。
 新東名高速道路の仮称御殿場インターチェンジへのアクセス道路といたしまして、県では県道仁杉柴怒田線の新設事業を進めており、年度内にも用地の取得が開始できるよう現在調査を行っております。国では国道百三十八号御殿場バイパスと須走道路の整備を進めており、今年度末までにおおむね五割の用地が取得される見込みです。
 また、新東名の利便性をさらに高めるため仮称小山パーキングエリアへのスマートインターチェンジの設置を目指して、県は事業主体となる小山町が先月設置した地区協議会に加わり年度内にも設置許可申請が行えるよう支援してまいります。
 県といたしましては、これらの整備が新東名の供用に合わせて完成するよう県道仁杉柴怒田線の整備を初め国への働きかけや小山町への支援を積極的に行い、東部地域の観光振興や地域経済の活性化等を図ってまいります。
 次に、新東名を生かした農村整備についてであります。
 新東名の開通により大都市圏からのアクセスが向上した中山間地域の農村づくりにおいては、そこにしかない魅力を磨き上げ広域的な交流を展開することによって、地域のブランド化や新たなビジネスの創出を図り持続的な発展へとつなげていくことが重要であります。
 このため、県では、昨年度大都市圏との交流、新産業誘致、景観の活用の三つの視点から農村活性化と土地利用のあるべき姿を示した新東名インターチェンジ周辺農村地域デザイン指針を策定し、説明会等を通じて市町への周知を図ってまいりました。
 この指針をもとに、仮称御殿場インターチェンジ周辺の地域では、現在整備を進めている水田地帯を中心に日帰り可能な農村でのスローライフをコンセプトとして新東名がもたらす観光産業等と連携して誘客を図る交流拠点施設や富士山と美しい田園風景を楽しむ散策路の整備等、地域ならではの魅力を高めるための検討が始まっております。
 県といたしましては、こうした地域の取り組みと連携し豊かな農村資源と恵まれた立地条件等を生かした農村整備を積極的に推進し、地域に暮らす人々が誇りを感じ訪れる人に憧れを抱かせる多様な個性が連なる魅力的な農村の実現に努めてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 伊藤静岡県理事。
       (静岡県理事 伊藤秀治君登壇)
○静岡県理事(伊藤秀治君) 新東名仮称御殿場インターチェンジ周辺の地域づくりについてのうち、内陸フロンティア構想の推進についてお答えいたします。
 新東名高速道路の開通による経済効果は大変大きく、例えば新富士インターチェンジから約二キロに位置する工業団地では、開通後これまでに五区画、約十四ヘクタールの立地が決まるなど新東名周辺での企業立地の動きが加速しております。
 一方、首都圏におきましても、圏央道の整備に伴い埼玉県、神奈川県では企業進出が活発化しております。本県におきましても新東名開通の優位性を生かした戦略的な地域づくりを一刻も早く進めることが必要と考えております。
 このため、県では御殿場市、小山町はもちろん沿岸域の市町も含め新しい地域づくりを目指して検討を進める市町の取り組みを促進するため、地域政策局を中心としたチームフロンティアや専門家を加えたアドバイスチームを派遣して、地域づくり構想の策定を積極的に支援してまいります。
 また、構想に基づき具体的に地域づくりを進める市町に対しましては、拠点整備のための開発調査や周辺の交通アクセス調査等に連携して取り組み、県内全域において安全・安心で魅力的な地域づくりを加速させてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 小川危機管理監。
       (危機管理監 小川英雄君登壇)
○危機管理監(小川英雄君) 総合防災訓練についてお答えをいたします。
 想定される東海地震などにおきましては、議員御指摘のように県内全域が強い揺れに見舞われ、津波のみならず各地で建物の倒壊や火災、山がけ崩れ、液状化などの被害が見込まれております。そのため総合防災訓練では東日本大震災の教訓を踏まえた津波避難訓練の強化に加えまして、倒壊建築物からの救助や道路の啓開、孤立地域などの訓練や自衛隊などの応援部隊との連携の強化にも努めてきたところであります。
 平成二十五年度の県総合防災訓練は、富士宮市、富士市を主会場として実施することとしており、強い揺れに対する訓練として倒壊家屋からの救出救護訓練や多重事故における救出救助訓練などを計画しております。あわせて富士山の噴火に対応した訓練を実施するとともに、地理的な特性を生かし山梨県側と連携した県境を超えた支援訓練にも取り組んでまいります。
 また、第四次地震被害想定の策定後初めての訓練となりますので、この想定を踏まえ県民の皆様には大規模地震等の発生時にそれぞれの地域で起こり得る災害についてよく知っていただくとともに、広域的な災害という観点から地域や自分の身を守るためには何が必要であるのか自助、共助の重要性を改めて見直す機会にしていただきたいと考えております。
 次に、危機管理部の職員の能力向上についてであります。
 大規模災害時、危機管理部の職員は県災害対策本部指令部の中核となって災害応急対策に当たることとなりますのでその能力の向上は大変重要であると考えており、これまでも訓練の中では常に危機管理部職員がプレーヤーの中心として活動してきております。
 災害対応能力をさらに向上させるため、本年度は新たな取り組みとしまして、指令部内の対策や情報などのグループ単位で中心となる少人数の職員を対象に状況の判断や対策の立案能力を高める訓練を実施したところであります。この訓練では、職員がプレーヤーのほか状況を付与する役割、訓練を評価する役割の三つの立場を経験することで、さまざまな視点から災害に対してより的確な判断ができるよう計画したところであります。
 こうした訓練は、職員がみずから企画運営することで被害の想定や広域受援計画等の災害応急対策の仕組みを理解するとともに、自衛隊等の関係機関との事前の調整を通じて相手方の特性や能力を把握できるようになりますことから、職員の能力の向上にもつながるものであると考えております。
 なお、御提案のございました外部委託化につきましては本県では訓練の評価を大学などの有識者にお願いするなどこれまでもしてきておりますが、職員がプレーヤーに徹するということも必要でありますことから、今後は自衛隊が実施する災害対応の図上演習に自治体側のプレーヤーとして参加する機会をふやすとともに、外部委託の有効性について検討してまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 二十番 和田篤夫君。
       (二十番 和田篤夫君登壇)
○二十番(和田篤夫君) 再質問をさせていただきます。
 知事のマニフェストのうち、「天下りを禁止します」についての質問でございます。
 私たち自民改革会議は、この天下り禁止についての評価を五段階中の一番下、評価一といたしました。つまり赤点でございます。先ほどの答弁では、知事は「平成二十二年度から公募制を導入した。だからフェアだ」と、このように答弁をされました。もちろん県の幹部職員がいろんな団体に再就職すること、これの透明性や公平性を図ると。これは当たり前のことでございまして、私もこれだけ多くの有能な職員の皆様がいろいろな分野で活躍をして地域社会に貢献すること、これは大切なことだと思っております。
 私が質問したのは、天下り禁止は達成できたのかできなかったかということを質問したのであって、先ほどの答弁ではその答えを伺っていないと私は認識をしております。平成二十三年度時点で県職員の五十五名の皆さんが役職員についております。このことは事実でございます。このことを全て天下りではないとの認識かどうかを再度知事にお伺いをいたします。
○議長(小楠和男君) 土屋経営管理部長。
       (経営管理部長 土屋優行君登壇)
○経営管理部長(土屋優行君) 天下り禁止の再質問についてお答えいたします。
 天下りの定義ということでもございますけれども、ずっと同じ方が同じポストをですね、継続するあるいは押しつけ的なあっせん、こういうものについての対応をしようということで公募制というものをとりました。押しつけでこの組織のこの方については公募ではなく職員が行くと、そういう組織を変えるために公募制ということを実施してございます。
 公募につきましては、二十二年二月からですね、出資団体等外郭団体につきましては御要望を申し上げてございます。ただその中で実際の団体のほうからは公募実施に係る事務負担あるいはほかの出資者の方の理解が得られないということから、公募を実施していない団体もございます。以上であります。
○議長(小楠和男君) これで和田篤夫君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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