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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

塚本 大 議員

質問分類

一般質問

質問日:

07/23/2013

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 沿岸部の地震・津波対策について                 
 (1) 焼津漁港の水門整備                      
 (2) 河川における津波対策                     
 (3) 津波避難計画の見直し                     
2 富士山静岡空港への新幹線新駅の設置について           
3 焼津産サクラエビの振興について                 
4 リバーフレンドシップによる河川管理について           
5 混住化が進む水田地帯での基盤整備の推進について         
6 障害のある方への地域生活支援の取り組みについて         
7 静岡県イメージキャラクターふじっぴーの活用について       
8 志太榛原地区に新設する新構想高等学校について          
9 県立高校校舎の老朽化対策について    


○副議長(渥美泰一君) これで中澤通訓君の質問は終わりました。
 次に、十四番 塚本 大君。
       (十四番 塚本 大君登壇 拍手)
○十四番(塚本 大君) 私は自民改革会議所属議員として、県政の諸課題について、知事及び関係部局長並びに教育長に通告に従い一般質問をいたします。
 初めに、沿岸部の地震・津波対策についてお伺いいたします。
 去る六月二十七日に静岡県の第四次地震被害想定が公表され、東海地震を含む南海トラフの巨大地震などの被害想定が明らかにされました。東日本大震災の教訓から津波避難は喫緊の課題であると認識しておりますが、県が算出した被害想定を見ると改めてその脅威を実感するとともに何としても沿岸部に住む住民のとうとい命を守り、犠牲者をゼロにするという防災の本質的な目標を実現できないかという思いに駆られております。
 私の地元焼津市は海と共存して発展してきた町であり、海からの恩恵を忘れることはできません。しかし一方で市の全域が駿河湾に面した平坦な土地である上、焼津港や小川港、大井川港などの港が点在し、津波の影響を非常に受けやすい地理的条件にあります。そこで沿岸部における本県の地震・津波対策について、三点質問をさせていただきます。
 まず、焼津漁港の水門整備についてお伺いいたします。
 平成二十四年の焼津漁港における水産物の水揚げ量は十八万四千トンで全国二位、水揚げ金額は四百五十九億円で全国一位を記録し、名実ともに日本屈指の水産流通基地として、また国民への水産物の安定供給に大きく寄与しているところであります。しかしながら焼津市においては、東日本大震災以降南海トラフの巨大地震による被害想定が発表されてからは、津波の影響のない内陸への人口流出が顕著となっており、水産加工業などを初めとする焼津地域の産業の低迷が危惧されているところであります。また東日本大震災では、漁港内の冷蔵庫等の漁港施設や漁船が甚大な被害を受けたことにより市場機能が停止し、水産物の流通に多大な影響を及ぼしたことから事業継続の観点より、これら施設の防災対策を重要な課題と考えております。
 県では、平成二十三年四月に策定した焼津漁港マスタープランの中で津波から漁港施設や漁船を防護し水産物の流通など市場機能を確保するため、津波の浸入を港の入り口で遮断する水門整備を目指すこととしております。また地元焼津市長も再三水門整備の必要性を主張しております。
 そこで、今後の焼津漁港における水門整備について、県の取り組みをお伺いいたします。
 続きまして、河川における津波対策についてお伺いいたします。
 東日本大震災では、各地で津波が河川を遡上する状況が確認されております。焼津市は県が管理する二級河川瀬戸川を初め多くの河川が駿河湾や港湾内に流れ込んでおり、特に河口部に津波対策水門などが設置されていない河川の背後にある土地の利用状況等を踏まえると津波による浸水被害は甚大なものになるものと思われます。また瀬戸川を例にすれば、河口付近には県道静岡焼津線の当目大橋やJR東海道本線の橋梁も位置することから、津波により橋梁が流されれば復興にも大きな支障が出ることが予想されます。
 そこで、焼津市内の河川における津波対策について、県はどのように考え対策を進めていくのかお伺いいたします。
 最後に、津波避難計画の見直しについてお伺いいたします。
 東日本大震災以来、各地で住民の避難先となる津波避難ビルや避難タワーなどの整備が進められていますが、犠牲者を一人でも減らすためには迅速かつ的確な避難の実践が求められます。特に焼津市のように津波の予想到達時間が短い市町については、津波避難体制の強化は最重要課題であります。
 そこで津波避難ビル、津波避難タワー、人工高台、いわゆる命山等の津波避難施設の確保を踏まえ県は沿岸市町の津波避難計画の見直しについてどのような方針を示していくのか、お伺いいたします。
 次に、富士山静岡空港への新幹線新駅の設置についてお伺いいたします。
 新駅の設置につきましては、航空機と新幹線が一体的に利用できるようになり首都圏や中京圏とのアクセスが飛躍的に向上するため、多くの県民が期待している取り組みであります。また新駅設置が実現すれば、昨年開通した新東名高速道路や東名高速道路、重要港湾御前崎港が存在する志太榛原地域の陸・海・空の交通ネットワークがさらに充実し、このことは本県全体の発展につながるものと考えております。ただ新駅設置の実現には、JR東海の御理解を得ることが不可欠であり新駅実現の課題となっております。
 こういう状況の中、ことしの一月二十九日に行われました富士山静岡空港と地域開発をすすめる会主催の新春会員交流会において、川勝知事は挨拶の中で次のような話をされました。「先日JR東海の葛西会長が私のところを訪れ、一緒に食事をしました。その席で葛西会長は、『新幹線の駅は二、三年あればできてしまう』と言っていました。これはつくってもいいということです。ですから、これから空港の新幹線新駅の話を進めていきます」、このように話をされました。会場にいたのは、富士山静岡空港の利活用によって地域開発促進を期待している方々ばかりでありますので知事の話を聞いて、みんな大変喜んでおりました。あれから半年がたちました。
 そこで知事にお伺いいたします。富士山静岡空港への新幹線新駅の設置について、どこまで話が進んでいるのか、具体的な今後のスケジュールをお伺いいたします。
 さらに知事にお伺いいたします。今回一般質問をさせていただくに当たり、どこまで新駅の話が進んでいるのか期待をしていたところ、今月十二日、静岡新聞に次のような記事が掲載されておりました。それは、「川勝平太知事は十一日、静岡市内で開かれた中部経済連合会の会合で東海道新幹線の富士山静岡空港新駅について、JR東海のリニア中央新幹線開通時には新駅を建設し終えているようにしたいと述べ、設置に強い意欲を示した。JR東海の葛西会長の名前を挙げ、開通時に空港の真下に新駅をつくっていいとの話を受けていると説明した。ただこの発言に対しては、JR東海が静岡空港に新駅を設置する考えは全くない、静岡県と協議している事実もないとコメントし、県の担当者も、JRと話を詰めている段階でもないとしている」という内容の記事であります。知事御自身の話の内容は半年前も現在も変わっておりませんが、知事とJR東海あるいは知事と県の担当者との間にはかなり認識のずれがあります。
 そこで知事にお伺いします。知事とJR東海あるいは知事と県の担当者との間の認識のずれは何なのか。本当にJR東海の葛西会長は新幹線新駅をつくっていいと言ったのかお伺いいたします。
 次に、焼津産サクラエビの振興についてお伺いいたします。
 駿河湾の恵みの一つに海のダイヤと称されるサクラエビがあり、由比漁港と大井川港が水揚げ基地となっております。日本でサクラエビ漁が行われているのは駿河湾しかありません。それはサクラエビの生態に適していることや大きな河川によって陸地の豊富な栄養が供給されているからであります。つまり日本一深い駿河湾と日本一の山である富士山、さらに雄大な南アルプスからの栄養を運ぶ大河川、富士川や大井川というまれなマッチングにより授かった、まさに自然の恵みであります。このように貴重な駿河湾の恵みであるサクラエビは、大井川港漁協の水揚げの約八割を占めるなど地域にとって極めて重要な水産物であります。サクラエビは、駿河湾を代表する食材として観光を初め多方面で利用される素材であることから、地域では焼津産サクラエビのPRと消費拡大を図る動きも出てきているところであります。
 私は県としてもこうした地域の動きを後押しして、本県を代表する特産品である駿河湾のサクラエビを盛り上げていく必要があると考えます。
 そこで県では、焼津産サクラエビの振興をどのように進めていくのかお伺いいたします。
 次に、リバーフレンドシップによる河川管理についてお伺いいたします。
 リバーフレンドシップ制度は、県が管理する河川の一定区間において住民や利用者等がリバーフレンドとなり清掃や除草等の河川美化活動を行うことにより、みんなの川をみんなで守っていく意識を向上させ、あわせて身近な環境保護に関する意識啓発を図ることを目的とした制度であります。リバーフレンドとなられた皆さんには、河川の美化に大変大きな貢献をしていただいておりますが、私の住む焼津市の地域によっては高齢化が進み、人手の確保が困難となりリバーフレンドとしての活動に支障を来しているとの声が多く聞かれます。このようにリバーフレンドシップによる河川管理については、各地域による任意のボランティア活動であるため、今後人手の確保が困難であることを理由に清掃や除草等の活動ができない団体や地域が出てくる可能性があります。
 そこでお伺いいたします。清掃や除草等の活動ができない地域や団体が出てきた際、河川管理者として県はどの程度河川の美化に努めていくつもりか。現在、地域や団体が行っているのと同程度の管理ができるのか、県の対応をお伺いいたします。
 次に、混住化が進む水田地帯での基盤整備の推進についてお伺いいたします。
 我が国の水田農業は、食糧を安定的に供給することで地域経済を支えてきた豊かさの象徴であるとともに、地域の環境・文化等を守る重要な役割を担ってまいりました。
 私の住んでいる焼津市でも歴史のある大井川用水の恩恵を受けながら、「コシヒカリ」や酒米の「誉富士」等の水稲栽培や転作作物としてレタス、枝豆等が栽培されるなど多彩で特徴ある水田農業が展開されております。その生産活動を通じて千年余の伝統を誇る藤守の田遊びのような民俗芸能の伝承や雨水を一時的に蓄えることによる洪水被害の軽減等の多面的機能が発揮され、混住化が進む地域の水田農業は、地域住民にはかり知れない恵みを与えています。この地域の財産を次世代に継承していくためには、農業用水が安定的に供給されることが重要となります。
 そこで維持管理の実態を見てみますと基幹的な施設は、土地改良法に基づき設立された土地改良区が管理を担い、国や県が整備を行います。一方農地に直結する末端の用排水路は、地元の水利組合や農家個人が管理しその補修や更新等を市町が行います。つまり役割分担が明確化しております。このため国や県に比較して技術面や財政面で限界がある市町が担う末端施設の整備のおくれが懸念されております。
 そこで、基幹的水利施設の整備にあわせ末端施設についても計画的に整備していく必要があると考えますが、県の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、障害のある方への地域生活支援の取り組みについてお伺いいたします。
 この四月から障害者自立支援法が障害者総合支援法に改正されるなど障害者施策を取り巻く状況が変わりつつありますが、国は障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を施策の基本としております。私は障害のある方の御家族からお話を伺ったり、そういう方々の会などに出席する機会がありますが、将来、親が年老いてもこのまま子供が地域で生活し続けることができるのだろうか、地域で暮らすために必要なサービスを十分受けられるのだろうか、困ったことや不安を誰に相談すればよいのだろうかなど切実な不安の声をよく聞きます。障害のある方が地域の中で多くの人に見守られ、そして支援を受けながら地域の人たちとともに暮らしていける静岡県とするためには、県は国の制度や支援施策を実施するだけでなく、障害のある方の乳幼児期から高齢期に至るまでのライフステージにおいて一人一人の障害特性に応じたきめ細かな支援策を講じていく必要があると考えます。また障害のある方の中には、障害の程度が軽く就労が可能な方もおいでになり、例えば精神障害のある方の中には特定の分野ではすばらしい能力を発揮する方もおいでになりますので、こうした障害の特性を生かし障害のある方の就職を県として支援することが、地域生活での基盤づくりや生きがいづくりにつながると考えます。
 そこでお伺いいたします。県は障害者施策の基本計画となる第三次静岡県障害者計画を策定すると承知しておりますが、さまざまな障害のある方が安心して地域で生活していくためにどのような考えのもとで具体的にはどのような県独自の施策を行っていくのか、当局の考えをお伺いいたします。
 次に、静岡県イメージキャラクターふじっぴーの活用についてお伺いいたします。
 二〇〇六年に登場した滋賀県彦根市のひこにゃんをきっかけとして、いわゆるゆるキャラブームが起こって以来、全国の地方自治体あるいは商工団体などがこうしたキャラクターを地域活性化のために活用しております。中には熊本県のキャラクターくまモンのように県内にとどまらず、全国規模の展開を図り大きな経済効果をもたらすようなものも出てきております。
 このような状況の中本県では、浜松市の出世大名家康くんがシティープロモーションのシンボルとして活躍しており、昨年のゆるキャラグランプリにおける人気投票で全国七位になるなどその名をはせたところであります。また私の住む焼津市でも、やいちゃんや焼津海音といったキャラクターがおり、観光のPRや特産品の販売促進キャンペーンなどの場で活用しております。さらに静岡県にもイメージキャラクターであるふじっぴーがおり、イラストや着ぐるみなどが製作され、県の広報やイベント等で広く活用されております。しかしながら期待するほどの効果は上がっていない感じがいたします。
 今回、富士山の世界遺産登録が決定し交流人口の拡大が期待される中、本県をPRし静岡ファンをふやしていくためにふじっぴーのさらなる利活用を図っていくべきと考えますが、県の取り組みの方向性についてお伺いいたします。またふじっぴーと県内の市や町のキャラクターとが連携することで地域の活性化に一役買うことができるのではないかと思いますが、県の考えをお伺いいたします。
 次に、志太榛原地区に新設する新構想高等学校について、教育長にお伺いいたします。
 志太榛原地区新構想高等学校の計画は、本年二月議会において校名が静岡県立清流館高等学校に決定し、平成二十六年四月開校に向けいよいよ準備の大詰めを迎えていると伺っております。計画は大井川高校と吉田高校とを統合するものであり、生徒数減少期における適正規模確保の観点からやむを得ないとはいえ、両校関係者の気持ちを考えると新たに開校する静岡県立清流館高等学校が両校のよき伝統を引き継ぎ、地元の期待に応える学校となることを願うばかりであります。
 そこでお伺いいたします。両校の果たしてきた役割や伝統、地域に求められる人材を具体的にどのように捉え、どのような特色を持った学校づくりを目指しているのかお伺いいたします。
 また、ハード面の整備としては、大井川高校の既存施設を活用することとなっております。経費節減の観点から妥当なこととは思いますが、新しい教育方針に必要な施設整備は当然必要であります。それだけでなく現在の大井川高校は築三十年近く経過し見るからに老朽化の目立つ施設も多くあります。両校関係者や地域の思いを込めて新たな気持ちで出発する学校にふさわしいリニューアルも必要と考えますので、施設整備の概要についてもあわせてお伺いいたします。さらに新構想高校の設置に伴い現在の吉田高校の校舎、敷地は今後どのように利用される予定であるかについてもお伺いいたします。
 最後に、県立高校校舎の老朽化対策についてお伺いいたします。
 焼津中央高校や焼津水産高校は私の地元焼津市にあるため訪問する機会がありますが、両校ともに校舎の老朽化がかなり進んでおります。その中には昭和三十九年建築の校舎もあり、既に築後四十八年を経過しております。これらの校舎は倒壊防止対策工事が施されており、地震に対する強度は確保されているとのことであります。しかし見た目の古さは否めず四十八年前の考え方で建設された建物では、現在の教育内容に対応しきれない面もあるのではないかと思います。
 本県では過去に老朽化が進んだ校舎の改築を進めてまいりましたが、東海地震対策で耐震補強を優先してきたため、この十年間老朽化が進んた校舎の改築は、高校の統廃合に伴う整備のほかはストップしております。その結果現在県内には、昭和三十九年度以前に建築された校舎が四十二棟もある状況であります。改築には大きな財政負担が伴うため、長期的な計画を立てて行っていく必要があります。
 そこで、既存校舎の老朽化対策についてどのように考えているのかお伺いいたします。以上、一般質問といたします。(拍手)
○副議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 塚本議員にお答えいたします。
 初めに、沿岸部の地震・津波対策についてのうち、津波避難計画の見直しについてであります。
 津波避難の基本は東日本大震災からの教訓に学べば、沿岸部の住民の方々が、より早く、より高く、より遠くへ避難することであります。つづめて言えば、高く、早くと、高いところに早くということでございます。県におきましては東日本大震災直後、津波対策アクションプログラム短期対策編を策定いたしまして、二年間にわたりハード・ソフト両面の施策に取り組んだ結果、各市町におきまして大震災前に比べ津波避難訓練の参加者が大幅に増加いたしました。また避難タワーや人工高台などの新たな津波避難施設の確保が図られるなど、津波対策は着実にまた格段に進んでいると認識をしております。例えば避難タワーは、三・一一以前には七基しかありませんでした。今二十四基あります。また人工高台など、これは四つしかありませんでしたけれども、今現在四十九あります。
 こうした過程でわかってきましたことは避難タワー、これは必要でございますけれども有事に必要とされるものであって、平時には使えないということもわかってまいりました。そうしたことがありまして、避難タワーを設置しなければならないところもありますけれども、一方で命山と言われるようなもの、あるいは近隣の高台を避難施設に変えるということのほうが、有事には言うまでもなく平時にも県民の方たちが楽しむことができるということが、恐らくこの人工高台のほか高台部分への津波避難施設の数の激増になっていると思います。そうした中で例えば吉田町のように、歩道を避難タワーに変えられたと。これも平時にも使え有事にも使えますので、そうした方向がこれから望ましいのではないかというふうに思っております。
 さらに、国による南海トラフ巨大地震の被害想定に加えまして、県の第四次地震被害想定を踏まえより実効性の高い避難計画が求められておりますことから、私どもといたしましては現行の避難計画策定指針を改定することといたしました。具体的には津波避難の空白区域をなくすことができるように避難地や津波避難施設につきましては、地域の社会的・地理的条件に応じてきめ細かな配置にするとともに、住民の避難行動につきましても、より現実に即したものとするという方針を示しております。
 今回の見直しの内容は今後市町が策定する計画の基本指針となりますことから、できる限り早く市町に御提示申し上げ、一人でも多くの県民の命を救うことを目標とした実効性の高い津波避難計画が策定されるように働きかけてまいります。
 次に、富士山静岡空港への新幹線新駅の設置についてであります。
 平成二十三年五月に国の交通政策審議会の答申が出ました。この交通政策審議会中央新幹線小委員会というのは、中央新幹線、通称リニア新幹線のルートを定めるということが主な目的でありました。一方リニア新幹線がサービスを開始した後、既存の新幹線いわゆる現行の東海道新幹線でありますけれども、この東海道新幹線の利活用をどうするかということもあわせて議論されたわけであります。私はこの委員会に招かれまして、そして国交省のほうからの御指導を仰ぎながら、空港新幹線駅の可能性について申し上げたわけであります。そしてこの答申におきましては、既存の新幹線がリニア新幹線のサービスを開始した後に具体的な名前は書かれてありませんけれども、静岡空港を念頭に、新駅設置の可能性が書きうたわれているわけであります。
 これを受けましてその翌月、平成二十三年六月に中央新幹線の通過地となる静岡市と連携をいたしまして中央新幹線整備推進本部を立ち上げました。といいますのもリニア新幹線のルートが定まりましたときにもともと期待されていなかったわけですけれども、静岡県側を十キロばかりかすめるということがわかったわけであります。それを受けましてこの推進本部を立ち上げ、中央新幹線の早期実現に向けてJR東海に積極的に協力するという姿勢を打ち出したわけであります。
 さて、この空港新駅についてであります。そもそも本県は平成十二年にしたがってもう十三年前にJR東海から県に対して、現状では不可能である旨、文書をいただいております。JR東海は高密度の列車運行の中で新駅を設置することは、列車の到達時間の延伸や設定できる列車本数の減少など量、質ともに輸送力を落とすので、とりわけ新駅が適正な駅間距離を有していないことを理由に現状では新駅設置は困難であるという見解を示されているわけです。この見解は変わっていません。
 そもそも私は、この最終答申が出たのが五月ですけれども既に中間報告はその二、三カ月前に出ておりましたので、これを受けましてJR東海との関係の修復に乗り出しました。といいますのもJR東海と本県との間には、いわく言いがたい不信の体系があったと承知しております。それがなぜなのかはつまびらかにするところではありませんが、一つには例えば本県には六つの新幹線駅がありますけれどもそこに「のぞみ」がとまらない。あるいはつい数年前までは、静岡と浜松と一時間ごとにしかとまらないというようなことがございまして、かなり強くJR東海側に働きかけられたと存じます。しかしJR東海は、いわば大都市間をなるべく早く結ぶということを使命としておりますから、現在一時間に十三本走っているこのダイヤを変えるつもりは全くないということでございました。それに対しまして本県も言い分があったと存じますけれどもこれが一つの原因でしょう。
 一方私自身は、JR東海と恐らく二十年近くそのトップと信頼関係ができています。例えばJR東海の持っている「ウエッジ」という雑誌がありますが、そこで地球学フォーラムの私は副幹事長、世話人を務めて今日にまで至っているわけであります。さらにまた葛西当時社長――現在会長さんですけれども――とも深く親交がありまして、第一次安倍内閣のときには教育再生会議でも御一緒しておりました。しかしながら殊この新幹線駅に関しまして、あるいは静岡県知事としてお目にかかろうとしても全くお目にかかってくださらないという、そういう状況が続いたのです。まことに不思議なことでございました。私のほうから表敬に参りたいと言ってもお受けくださらないということだったのです。
 それで私は、まず中央新幹線のルートを森山君ほか関係者と一緒に参りまして、五月の連休のときでございます。環境破壊になりますのでその持ち主とともにそこに参りまして、そのところに新幹線が通ることについての可否について議論をしながら、オーケーの応諾を得たわけであります。さらにまた中央リニア新幹線は圧倒的にトンネルです。大深度を走るということでトンネルの土を出すところが必要です。その土捨て場につきましても改めて参りまして、これはちょうど当時副議長さんが大石先生でしたけれども、ちょうど日程が合ったのが副議長先生の就任お祝いの日にちであったわけですが、その日に参りまして土捨て場も確定したのです。そしてさらにJR東海の三島に研究所ができました。その研究所ができたすぐ後にそこの見学に参りました。JR東海は、その出向役員を送ってくださって私を丁寧に案内してくださいました。さらに私はJR東海がトヨタ自動車などと組んでつくっている海陽学園という学校があります。その学校の見学に参りました。
 こうしたことが、恐らく向こうの気持ちに通じたのでしょう。JR東海のほうから川勝に会うと言ってこられたのです。私のほうは私のほうが出向くということだったんですけれども、静岡に来るということでございましたので静岡でお待ちしておったところ場所も向こうで設定され、かつ食事の席も設けられ、そしてこの話をしたわけです。そしてこの話のとおりになったわけです。そして、駅それ自体は二、三年でできると。実質二年でできると、長くても三年だということなんですね。そしてそれはリニア新幹線のサービスが開始すれば当然既存の新幹線のダイヤが変わるのでその可能性があると。これを決してJR東海がつくるとは言っていません。私どもがつくると言っているわけです。しかし二、三年でできるといいましても、リニア新幹線が例えば十年後にできると。その三年前から建設に入るといっても、そこにどのようにアクセスするのか、周りをどのように計画するかということを考えねばなりません。したがって実際上はもう今からやらないと、つまり駅ができたときにどのようなまちのたたずまいにするかということを考えないとだめだということで森山君以下うちの交通政策、交通基盤部と図っているわけです。
 ただし、オフィシャルには今のところリニア新幹線の建設こそが第一命題なわけです。JR東海にとって。ほかのところはつまり現状のままでそこに駅をつくるといっても、これはかなうところではありません。ですからおっしゃることは正しいのですけれども一方で準備をしないといけないということでありまして、オフィシャルにはリニア新幹線の建設が第一。どのような地盤に彼らが出くわすかわかりません。したがって今の慎重な葛西会長ですら、かなり余裕を持った完成年度を言われています。そのときに、リニア新幹線ができたときに「のぞみ」機能、すなわち東京と名古屋を結ぶサービスはリニアのほうに移りますので、そのときにこちらは「ひかり」と「こだま」の世界になりますから。
 そしてまたさらに言えばもう一つか二つ不幸なこともありました。それは空港から福岡に飛行機を飛ばすと、それがJRの新幹線と競合するという、そういう思いを持たれたことです。しかし今これがウイン・ウインの関係だと。乗り降りされる御乗客の方々は新幹線のほうに行かれると。成田に下りられてもあるいは中部国際空港に下りられても、東京駅あるいは名古屋駅に来られて新幹線で移動されるというのが多いわけです。ですからウイン・ウインの関係になるということもわかってきたわけですね。ですからそういうことを踏まえて葛西さんはこっちに来られて、しかもそれが割り勘のつもりが何と向こうがお持ちになって、そしてさらに何かごついでがあったと思ったら最終列車で帰られることがわかりまして、つまり私にそのことを言うためだけに来られたことがわかったわけです。
 ですからようやく信頼関係が戻ってきたと。やはり物事を進めるには意志決定者の間でまず信頼関係がなければ一歩も前に進みません。私はこのJR東海と県とが持っていたこれまでのいろいろな摩擦というものが今徐々に解消されて、いい方向に向かっているというふうに思っております。ただオフィシャルには今までどおり言われているので、県の担当者というのがどなたか私存じ上げませんけれども、そこまで十分に下りていなかったということはあったかもしれませんけれども、JR東海のほうもオフィシャルにはそのように言われる以外に方法はありません。まずはリニア新幹線です。それができたときに私どもはJR東海があそこを大きく自然環境を破壊されますので、そのときにあわせて南アルプスをエコパークにする、さらに自然遺産にしていくということをいたしますと、そこにビジターセンターをつくらねばなりません。ビジターセンターをつくるということとあわせて、その土捨て場の土を活用すると、そこまで関係してお話をしているわけです。
 ですから意思疎通というのはようやく始まったばかりで、半年の間で今言った以上のことは全然進んでいないんですよ。ただ私どもは粛々とリニア新幹線のサービスの開始をきっちりと視野に入れて、そのリニア新幹線のサービスのその日から既存の新幹線、現在の新幹線のダイヤが変わりますので、そのときにあそこに駅をオープンしていることができると。その準備は今からやっても全然早いとは思わないと。
 ところがそれを多くの人は夢物語だと思うような人もいるし、これまでの経緯から何か期成同盟をつくってJR東海に言上に上がると。そういうふうなことの時代ではもうありません。やはりしっかりとそれぞれの利益を考えて、お互いにも利益になるということをそれぞれが説得力を持って言わないといけないと。そのための前提には話し合いの場をつくらねばなりませんけれども、ようやくその場ができたということをお知らせすることを通してですね、君たちというのはここですよ。その準備をしてくれと言っても、なかなか遠い先のことのように思われてなかなか動かなかったというのは一方でございます。
 ですから私は、思い切って葛西さんと話した中身を公にして、そして間に合うようにしたいという、そういう今状況になっているんです。ですからそのあたりはどうぞ塚本先生も御理解賜りまして、意思疎通はようやく今始まりかけたということで私どもとしましては、JR東海と私どもとの関係がよくなるように、お互いのためになるようなことを考えるというふうにしていかないと決して事は解決しないというふうに思っている次第でございます。
 あとの答弁は関係部局長、教育長から答弁いたします。
○副議長(渥美泰一君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 沿岸部の地震・津波対策についてのうち、初めに焼津漁港の水門整備についてお答えいたします。
 焼津漁港の津波対策は、これまで東海地震により発生する津波を想定し住民の生命財産を守るため、漁港施設の背後に胸壁、陸こう等の海岸保全施設の整備を進めてまいりました。しかし東日本大震災では、岸壁や荷さばき施設などの水産関連施設が被災し水産業に甚大な被害を及ぼしたことから、全国的に重要な水産流通基地においては水産関連施設の防災対策が特に重要な課題となっております。このため国では、学識経験者で構成される漁港・漁村の津波防災・減災に関する専門部会を設置し、焼津漁港を全国のモデルとして海岸保全施設と防波堤等を組み合わせた多重防護による津波対策とその効果を検討し、津波防災・減災の基本的な考え方を取りまとめることとしております。
 県といたしましては地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に位置づけた胸壁、陸こう等の整備を着実に進めていくとともに、港口の水門整備につきましては、国の専門部会の結果を踏まえ今後の方向性を検討してまいります。
 次に、河川における津波対策についてであります。
 河川の津波対策につきましては、津波遡上のシミュレーション結果を踏まえ比較的発生頻度の高いレベルワンの津波に対して施設高の確保を進めるとともに耐震性を確保し、津波が施設を乗り越えた場合にも粘り強く減災効果を発揮する構造への改良を行うこととしております。焼津市内の河川につきましては、施設高の確保が必要となる小石川、黒石川、木屋川などにおいて経済性や地域の意向を踏まえ、堤防のかさ上げや河口部への水門建設など現地に適合した施設を決定し港湾、漁港の津波対策とあわせて整備を進めてまいります。また十分な施設高が確保されている瀬戸川や栃山川、石脇川などの堤防や水門につきましても、最新の知見に基づいた地盤の液状化や地震の揺れに対する施設の強さなどを評価した上で施設の耐震化を実施してまいります。
 県といたしましては地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に位置づけた整備を積極的に進め、県民の皆様が安全に安心して暮らせる津波に強いまちづくりに努めてまいります。
 次に、リバーフレンドシップによる河川管理についてであります。
 リバーフレンドシップ制度は、地域住民の自主的な河川美化活動を支援し河川を地域の共有財産として保全する意識を啓発することを目的に平成十五年度に制度化したものです。参加団体は年々増加しており、本年六月末には県内全域で三百九十四団体の皆様に延長約三百八十キロにも及ぶ広大な範囲の堤防除草などの美化活動をしていただいており、大変感謝しているところであります。
 県ではリバーフレンドの活動が円滑に実施できるよう、これまでも団体の皆様の御意見を伺いながら消耗品の支給や傷害保険への加入などの制度改善に努めてまいりましたが、近年地域によっては高齢化などの社会環境の変化への対応が課題となっております。今後は制度開始以来十年が経過したことを機に改めてリバーフレンドとの意見交換を各土木事務所で開催し、各団体が抱える課題の抽出を行った上で活動をサポートするための改善策を検討してまいります。
 県といたしましては、リバーフレンドシップ制度による河川管理は河川愛護思想や水防思想の啓発につながる重要な施策と考えておりますので、リバーフレンドの自主的、主体的な活動が継続、発展できるよう引き続き支援に努めてまいります。
 次に、混住化が進む水田地帯での基盤整備の推進についてであります。
 大井川用水等の広域的な農業水利施設は、食糧生産基盤としての機能や身近な水辺空間の形成等の多面的機能を有していることから、基幹的な施設から末端の用排水路に至るまで施設の機能が健全に発揮されることが大変重要であると考えております。とりわけ水田周りの用排水路は、農業生産活動を大きく左右する重要な施設であるとともに、地域の生活に密着した社会資本としても大きな役割を果たしております。こうした施設の多くが今後耐用年数を迎えることから、市町が必要な対策を計画的、効率的に行えるよう技術的、財政的支援を充実強化していく必要があります。
 このため県では今年度、末端施設の更新、予防保全、事後保全の判断基準や突発的な事故等に対するリスク管理の手法等を示す実施方針を定めるとともに、市町が来年度から行う施設の劣化状況等の調査や施設整備に対し国の補助制度を活用し支援の充実を図ることとしております。
 今後も国や市町との連携を図りながら上流から下流まで広域に及ぶ農業水利施設の適切な更新と保全に取り組み、混住化が進む農村地域の水田農業を地域の財産として次世代に継承してまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 渥美経済産業部長。
       (経済産業部長 渥美敏之君登壇)
○経済産業部長(渥美敏之君) 焼津産サクラエビの振興についてお答えいたします。
 サクラエビは駿河湾のみで漁獲される本県を代表する特産品であり、焼津は由比とともに水揚げの拠点となっております。現在地元の漁協などでは、イベントでのサクラエビの無料配布や物産展への出展、サクラエビを使った総菜やスイーツの開発など焼津産サクラエビの普及活動を積極的に展開していると伺っております。
 こうした取り組みをさらに発展させていくためには、漁業者、加工業者、小売業者など関係者が一体となって取り組むことが重要であります。県としましても既に焼津産サクラエビをしずおか食セレクションに認証し、ブランド化を促進しているところであります。さらに今後、新商品の開発に対する技術支援を初め東京秋葉原のアンテナコーナーやふじのくに農芸品フェアなどの場を通じて、県内外へ販路開拓を後押ししてまいります。地域の機運が高まっているこの機会を捉え漁業者を初めとする関係者と連携しながら、焼津産サクラエビの一層の振興に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) 障害のある方への地域生活支援の取り組みについてお答えいたします。
 障害のある方にとりましては、住みなれた地域で豊かに安心して暮らすことができる社会の実現が大変重要であると考えております。このため第三次静岡県障害者計画では、共生社会の実現、自立生活の実現、安心・安全の実現を基本理念とし、地域生活を支援することとしております。
 そのうち本県独自の取り組みとしては、地域に数多くある高齢者の介護施設を障害のある方も利用できるようにするふじのくに型福祉サービスを推進し、身近な地域でサービスが受けられる環境を整えるとともに、ふじのくに安心地域支え合い体制づくり県民会議の活動を通じた日常的な見守り体制を整備してまいります。
 また、親亡き後も含め一貫した支援に必要な生育歴や支援内容を記録したしずおかサポートファイルの普及や重度の身体障害と知的障害をあわせ持つ在宅重症心身障害児・者の支援計画を作成するケアマネジャーを全国に先駆けて養成するなど、ライフステージや障害特性に応じた支援を実施してまいります。さらに障害者働く幸せ創出センターを拠点に一人一人の適性に応じた職場開拓や職場実習を行うとともに、ハローワークと連携したきめ細かな就労相談を実施し障害のある方の就労を促進してまいります。
 県といたしましては、これらの施策を着実に推進し、障害のある方が地域で安心して暮らすことができる魅力あるふじのくにの実現に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 吉林知事戦略監。
       (知事戦略監 吉林章仁君登壇)
○知事戦略監(吉林章仁君) 静岡県イメージキャラクターふじっぴーの活用についてお答えをいたします。
 ふじっぴーは、これまでに県や公益的な団体等の各種広報物への掲載やイベントにおける着ぐるみの出演、ノベルティーグッズの配布など県のイメージキャラクターとして活用してまいりました。富士山をモチーフに制作されたふじっぴーは、富士山が世界遺産に登録された今、本県をPRしていく上で最も適したキャラクターであると考えております。
 このため、今後はぬいぐるみやピンバッジ等の販売に加えまして、民間の商品や広告物への利用など幅広い活用を可能とし、本県の魅力を大いにPRをしてまいります。
 またふじっぴーは、市町の要請などによりまして地域のイベント等に毎年約百五十回出演し、この中で市町のキャラクターと一緒になって、おもてなしなどで活躍をしております。ふじっぴーのモットーである一人でも多くの友達をつくることをキーワードにお友達の焼津市のやいちゃん、浜松市の出世大名家康くん、磐田市のしっぺいなどと仲よくイベントなどを大いに盛り上げてまいります。
 今後ともふじっぴーを積極的に活用することによりまして、本県の魅力を国内外に向けて情報発信し、一人でも多くの静岡ファンの獲得を目指してまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 志太榛原地区に新設する新構想高等学校についてお答えいたします。
 大井川高等学校と吉田高等学校とを統合して新しく開校いたします清流館高等学校は、これまで地域に有為な人材を数多く輩出してきました両校の伝統を引き継ぎ、広い視野のもと主体的に学び、意欲的に努力するなどの教育目標を掲げ、幅広いカリキュラムやコミュニケーションを重視した教育活動等を通して魅力ある人材の育成を目指してまいります。普通科には人文社会類型と自然科学類型に加え英語の学習に重点を置く国際コミュニケーション類型を設置し、生徒一人一人の興味関心、進路希望等、幅広い教育ニーズに応えてまいります。また福祉科では、介護福祉士等の資格取得を目指し専門教育を充実させ福祉のスペシャリストとして地域福祉に貢献する人材を育成してまいります。さらに普通科、福祉科両学科間の教育内容の連携も図ってまいります。
 施設につきましては、入浴実習棟の新設や介護実習室の設置など福祉科の教育に必要な機能を整備するとともに、校舎や体育館の内装・外装の大規模な改修やトイレを全面改装するほか校舎内の内壁に県産材を活用するなど新しくスタートする高校にふさわしい教育環境を整備いたします。
 なお、現在の吉田高等学校の敷地及び校舎につきましては、藤枝特別支援学校の狭隘化解消と通学負担軽減のため、特別支援学校本校を平成二十七年四月に設置する予定であります。
 次に、県立高校校舎の老朽化対策についてであります。
 県立学校につきましては、平成十三年度に発表された第三次被害想定に対応した地震対策アクションプログラム二〇〇一や静岡県が所有する公共建築物の耐震化計画に基づき、学校施設の耐震補強を優先して進め、平成二十四年度には一〇〇%の耐震化が実現いたしました。この間、老朽化した校舎につきましては、補強工事とあわせて施設の内装や外装及び給排水設備等の改修を必要に応じて行うとともに大規模改修事業等により教育環境の整備に努めてきたところであります。
 議員御指摘のとおり、現在県立学校におきましては、昭和三十年代に建築された校舎が四十二棟ありますが、老朽化は本県のみならず全国的な課題となっております。その対応といたしまして文部科学省は、本年三月に学校施設の老朽化対策についての報告書を公表しこれまで実施してきた改築だけでなく、施設の長寿命化も含めた対応が必要であるとしております。また本県におきましては、県有施設を経営的視点から総合的に管理するファシリティマネジメントの取り組みも進めているところであります。
 このため、県教育委員会といたしましては生徒数の著しい減少など社会情勢が大きく変化する中、建物の長寿命化や施設規模の最適化等も考慮した施設の整備方針につきまして総合的に検討してまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 十四番 塚本 大君。
       (十四番 塚本 大君登壇) 
○十四番(塚本 大君) 御答弁ありがとうございました。再質問させていただきます。
 まず、新駅設置についてでありますけれどもこれからの交渉過程については、相手のことも考慮すればなかなか公にできない部分というものは当然あるかと思います。
 ただ、今の知事の御答弁では、今後職員の方々に指示を出してリニア中央新幹線開通時に間に合うようにこの話を進めていくというふうに受け取りましたけれどもその解釈でいいのかどうか、確認の意味で再質問させていただきます。
 あと、リバーフレンドシップによる河川管理についてでありますが、地域の方々と意見交換したりできる限りの支援をしていっていただけるという話でありますが地域の総会なんかに出席させていただいて地域の方々の御意見を聞いていますと、年々これ地域でやっていくのが難しい状況になっていくかなというふうに感じ取れる部分がございます。今の御答弁ではこれからも地域の方々にやってもらえるように支援をしていくというふうに受け取りましたが、仮にこれはボランティア活動ですから地域のほうでやれなくなった場合、県のほうでは責任を持って河川に問題がないような状況の適切な管理をきちんとするという解釈でいいのかどうか。地域のほうでやれなくなった場合の対応を少しお聞かせいただきたいというふうに思います。以上、再質問とさせていただきます。
○副議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 塚本議員の富士山静岡空港における新幹線新駅についての再質問にお答えいたします。
 おっしゃるとおりです。仮に今、新幹線駅をつくっていいとJR東海が言われたとするでしょう。そうすると必ずそこに乱開発が起こります。しかも今つくられてもそこは使えません。リニア新幹線が開通するまでは今のダイヤが目いっぱいですから。私はN七〇〇というのに試乗もさせていただきました。あれはカーブでもスピードが落ちない、そういう新幹線なんですよ。あるいはリニア新幹線にも招かれて試乗もしています。そしてリニア新幹線の推進の学術委員会の委員も務めておりました。
 こうしたことから、JR東海のお考えはよく知っております。ですから現在はオフィシャルに言われているようにそういうことは言えないんですね。言わないほうがいいです。しかし私どもは、そこが乱開発が起こったら大変なことになるから、したがって、いわゆる空港ティーガーデンシティとして日本における最高の玄関口としてのたたずまいを失わないようにつくらないといけないと。それは今から進めなくちゃいけないということで実は計画をつくっているわけですね。そして議員御指摘のとおり、リニア新幹線のサービスが開始するその日にはそこに空港新駅ができているということで、我々はそれを粛々と進めることでやっていきたい。
 これは、きょうでこの話は……。こうして粛々と進めるように、ぜひいろいろと直接、間接に関係者に対してお働きかけくださるようにお願い申し上げまして、答弁といたします。
○副議長(渥美泰一君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) リバーフレンドシップによる河川管理についてであります。
 高齢化によりまして地域のほうで活動できなくなった場合ということでございますけれども、この制度は美化活動を支援することによって、河川を地域の共有財産として保全する意識を啓発するということを目的にしておりまして、できるだけ河川に携わってもらいたいといいますか、愛護してもらいたいということでございまして、できる限りのことをやっていただければいいんじゃないかというふうに思ってございます。
 本当に何もできなくなるということはないと思うんですけれども、本当に高齢化した方がふえてきてということであれば、治水安全度が確保できないような場合、そういうものについては、当然優先的に県がしっかりそれを管理していくというような形で役割分担をしっかりしながらやっていきたいというふうに考えてございます。以上でございます。
○副議長(渥美泰一君) これで塚本大君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

○副議長(渥美泰一君) 休会についてお諮りします。
 議事の都合により、七月二十四日は休会とすることに御異議ありませんか。
       (「異議なし」と言う者あり)
○副議長(渥美泰一君) 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○副議長(渥美泰一君) 次会の議事日程を申し上げます。
 七月二十五日午前十時三十分、会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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