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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

森 竹治郎 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/07/2014

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 静岡県のみちづくりについて                   
 (1) 今後のみちづくりの方針                    
 (2) 伊豆縦貫自動車道等の整備促進                 
2 人口減少対策と雇用の確保について                
 (1) 固定資産税等の廃止によるホテル・旅館の支援          
 (2) 東京オリンピック・パラリンピックを控えてのホテル・旅館等の受け入れ体制整備のための低利融資制度の創設       
3 静岡県の水産業の振興について                  
 (1) 漁村の将来展望づくり                    
 (2) 漁業人材の育成


○議長(多家一彦君) これで三ッ谷金秋君の質問は終わりました。
 次に、六十番 森 竹治郎君。
       (六十番 森 竹治郎君登壇 拍手)
○六十番(森 竹治郎君) 九月定例県議会も、いよいよ私が最後の質問登壇となりました。知事並びに関係部局長におかれましては、簡潔明快な御答弁をお願いをいたします。
 それでは、一括質問方式により通告順序に従いましてお尋ねをいたします。
 まず、静岡県のみちづくりについてお伺いをいたします。
 初めに、今後のみちづくりの方針についてであります。
 静岡県では、今日まで高速道路から身近な生活道路までさまざまな道づくりに取り組み、推進をしてまいりました。このことが県内の各種産業の発展を実現し県民の暮らしの向上を実現してまいりました。平成二十四年四月には、県内の東西百六十二キロメートルにわたって新東名高速道路とこれのアクセス道路が開通し、沿線の地域において多くの人々のにぎわいや新たな多方面にわたる産業が生み出され企業の移転も生じてきております。この新しい国土軸の形成は、東海道新時代の幕あけとして本県の海岸部と内陸部、そして都市部と内陸部の連携による県土の均衡ある発展を実現し、本県が今後もより成長発展し県民生活もより豊かになるものと期待をされております。
 さらに、昨年の富士山世界文化遺産登録や伊豆半島の世界ジオパークの来年の認定への高まりなど、将来この地域の発展をより一層加速させるためにも道路の整備が期待されるところであります。
 また、地震や集中豪雨等の災害に強く信頼性の高い道づくり、あるいは安全な生活を実現する道づくり、多様な交流や経済活動を支える道づくり、地域の生活と自立を支援する道づくり、美しい景観形成と潤いのある環境を保全する道づくりなどなど、今後もまだまだ県民の皆さんから静岡県の道づくりに対する期待や要望はたくさんあります。
 一方で、気にかかることは道路関係予算のことであります。静岡県の道路予算は平成七年度がピークであり、この年度は千四百二十億円もありました。以後年々減少し、昨年度は四百十二億円となり平成七年度の実に約三割になってしまいました。本年度はやや回復したとはいえ四百二十億円に過ぎません。
 この原因は、小泉内閣のときの道路特定財源が一般財源化されたり国の公共事業予算がかつての半分以下になってしまったり、静岡市や浜松市が政令市となり道路事業が県から政令市に移行されたり、高規格幹線道路やこれに伴うアクセス道路が近年整備が進んできたこと。これらが考えられるのでありますが、それにしても一千億円もの減少は極端でありまことに残念と言わざるを得ません。道路の管理上、一定の維持補修費が必要なため、投資的経費の確保が次第に困難になってきている状況であります。
 県民の皆さんの道路建設や整備に寄せる期待に応えるためにも、本県の均衡ある発展を実現し格差是正のためにも、道路関係予算を大幅に増額していかなければなりません。国土交通省では、来年度平成二十七年度の予算要求は今年度当初予算比一六%増の六兆六千八百七十億円と伺っております。県当局の決意のほどをお伺いする次第であります。
 次に、伊豆縦貫自動車道などの整備促進についてであります。
 本年二月十一日には東駿河湾環状道路が開通し、東名高速道路や新東名高速道路から伊豆市修善寺まで約三十分も短縮されました。下田市からも大変楽になりました。
 そこで、天城北道路についてお尋ねをいたします。
 天城北道路は、中伊豆地域の南北軸の交通を担う道路であり、さらに伊豆西海岸や伊豆南部地域に向かう国道百三十六号や四一四号及び伊豆東部方面へ向かう主要地方道伊東修善寺線など、交通分岐点における通過交通や生活交通による混雑を適切に処理し緩和させる道路であります。既に修善寺インターチェンジから大平インターチェンジまでの一・六キロメートルは平成二十年四月十一日に供用されております。大平インターチェンジから伊豆市矢熊までの五・一キロメートルについてお尋ねをいたします。
 本年度の当初箇所づけ予算では、この箇所について六十四億八千万円と大幅に伸ばしていただきました。このことで用地の買収やトンネル工事の進捗について大変に期待が高まってまいりました。
 そこで、現在の状況と今後の供用開始の見通しについて、早まってくるものと期待を込めてお伺いをする次第であります。
 次は、基本計画区間である伊豆市矢熊地区から河津町梨本地区までの区間であります。天城峠を越える区間であり山紫水明の自然環境もすぐれた区間であります。調査などを実施していると聞いており早期事業化に向けて手続を進めるべきでありますが、現況の状況についてお伺いをいたす次第であります。
 次は、河津下田道路のU期工区についてお尋ねをいたします。この区間については、本年度の当初箇所づけ予算は二十七億円をつけていただきました。昨年度は六億円の予算でありましたから、大幅に増額していただき感謝をしているところであります。
 河津町逆川から下田市箕作までの三・六キロメートルは、国道四一四号として県の皆さんの御労苦によって大変整備が進んできております。しばらくの間はこの区間の国道四一四号を利用することが便利になってまいりました。
 そこで、河津町梨本から河津町逆川までの三・四キロメートルについてであります。工事用道路の工事等が始まったことは承知しておりますが、この間の現況と供用開始の見通しについてお伺いをいたします。
 次は、天城北道路の仮称天城湯ヶ島インターチェンジから国道百三十六号の下船原間の八百四十メートルのバイパスについてお伺いをいたします。
 この道路は、現在下田方面から修善寺方面に走る国道四一四号と伊豆市土肥方面からの国道百三十六号が交差し、慢性的に渋滞する出口付近を回避して車の流れをスムーズにする道路であります。天城北道路の供用開始にあわせてこのバイパス道路も供用開始ができれば、伊豆西海岸の観光や住民生活の向上ははかり知れないものがあります。今後の見通しについてお伺いする次第であります。
 次は、仮称南伊豆町一条・下田市箕作線についてであります。
 伊豆半島南端の南伊豆町は、町の中心の下賀茂温泉のある町役場から伊豆縦貫自動車道の起終点である仮称下田インターチェンジまで約十キロメートルも離れており、この仮称下田インターチェンジから河津下田道路T期工区区間六キロメートルの下田北インターチェンジの間には、移転対象家屋が百軒から二百軒あると思われ、文教地区や住宅地区からは環境保全の問題も提起されております。今後、大変な日時と予算を要することが心配をされております。これらの事情を考えますと、南伊豆町は高速道路のメリットから置いてきぼりを食ってしまいます。今日でさえ過疎指定を受けている南伊豆町にとっては、まことに深刻な道路事情と言わざるを得ません。
 一方、南伊豆町一条から伊豆縦貫自動車道の下田北インターチェンジまでの区間。この区間は直線距離も大変に短く山間部であるため人家もありません。南伊豆町一条から下田市箕作の下田北インターチェンジまでのアクセス道路計画について、これは南伊豆町にとっては観光振興のみならず地震防災、過疎対策、人口減少対策としても大変重要な道路計画であります。先般七月二十九日にはこの道路建設促進期成同盟会の総決起大会が、県当局関係者、下田市、南伊豆町関係者二百名余りが集まって熱っぽくかつ盛大に開催されました。
 県当局も、さらに積極的に推進し地元関係者に協力すべきものと考えますが、お考えをお尋ねいたす次第であります。
 次に、人口減少対策と雇用の確保についてお伺いをいたします。
 初めに、固定資産税などの廃止によるホテル・旅館の支援についてであります。
 二〇四〇年に向かって地方から若者が東京圏に一極集中し、全国の市区町村八百九十六自治体が消滅可能性があるとされ、そのうち二〇四〇年に人口一万人以下となる五百二十三自治体は、このままでは極めて消滅可能性が高いと警告がありました。地方の若者の流出の防止と東京一極集中の是正は、我が静岡県にとっても深刻な課題となってまいりました。消滅可能性が高い市や町では農林水産業や観光業の再活性化が喫緊の課題となっております。
 私の住む下田市、賀茂郡は、昭和六十年の人口が約九万一千人でありましたが、平成二十六年の現在は約七万一千人と二割強の減少となってしまいました。地域によりましては、現在の産業は高齢者が受け取る年金産業と葬式産業であると、このように言われ始めております。
 消滅の危機にさらされております地方を立て直すために国も本腰を入れ始めました。首相を本部長とするまち・ひと・しごと創生本部を発足させました。この秋の臨時国会では、地域支援のための関連法案を成立させ地方創生への新交付金を制定すると聞いております。国への期待は大きいのでありますが、真の地方創生を実現するためには地方から具体的に施策を提案し行動しなければなりません。
 地方が存続するためには、若者をつなぎとめ東京に出た若者を呼び戻すことが必要であります。美しい天与の自然景観や温泉、そして歴史や文化、伝統の掘り起こしなど地方の魅力を高めることは当然でありますが、最も重要なことは若者が働きたくなる職場を確保し雇用を創出することであります。安定した職場がなければ若者は定着できません。
 伊豆半島を初め全国各地の観光地のホテル・旅館は、経営が厳しい状況にあるとはいえ観光地の経済活動の大きな拠点であることに変わりはありません。また雇用の場を提供していることも変わりはありません。一つのホテルや旅館で数名から百名を超える雇用の場を確保しております。ちなみに申し上げますと、静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合の加盟数であります。昭和四十六年が一番多かったのでありますが千八百九十七軒ありました。平成二十六年今日では、これが何と七百五十七軒と激減しております。しかしながら現在もいまだ二万五千人余りの従業員の皆さんが働いております。とりわけ伊豆地区では一万五千三百人余りが働いております。
 全国のホテル・旅館の経営の重い足かせとなっているのが固定資産税であります。ホテル・旅館の固定資産税の軽減策として、現在は国際観光ホテル整備法により一部のホテル・旅館は、固定資産税の税率一・四%を県内の市や町によっては〇・七%から一・三%に軽減しておりますが、これを受けているホテル・旅館の数は少ない実情にあります。また平成二十七年度にはホテル・旅館の建物の固定資産評価の見直しを行うことが閣議決定されております。しかしこれも観光庁の試算では、全国のホテル・旅館で固定資産税、都市計画税合わせて年間五十六億円程度の減税であるとのことでありますから、一軒当たりでは数万円から十数万円程度で干天の慈雨にもなりません。
 そこで、東京一極集中排除も考え東京都以外の道府県のホテル・旅館の固定資産税の廃止を実現し、ホテル・旅館の経営を安定させて雇用の確保を図ってはいかがでしょうか。ホテル・旅館の固定資産税は、年間数百万円から一千万円を超えるものもあり滞納も増加傾向にあります。意欲のある事業者の参入を阻害をしたり、後継者の事業継続の意欲をそいでしまうことは避けなければなりません。またこれ以上ホテル・旅館の数を減らしたり観光地を疲弊させたりすることもできません。雇用の場をしっかりと守りできればふやしてまいりたいものであります。全国知事会などにおいて知事は働きかけてはいかがでしょうか。
 さらに、県税であります不動産取得税についてもホテル・旅館については廃止してはどうでしょうか。御承知のとおり、不動産取得税は土地や家屋の取得、増築、改築したときに課税されますが、ホテル・旅館の経営者が新しい投資に踏み出す後押しになると考えます。
 これらを実現するためには、地方税法の改正が必要であります。また国が検討を進めております地方創生のための新しい交付金にも期待をしておりますが、税の廃止に伴う減収額を補填する措置も不可欠であります。
 東京都以外の道府県や市町村が不動産取得税や固定資産税を廃止すれば、東京都内の大手ホテルやあるいは外国資本のホテル業者が、東京オリンピック・パラリンピックを前にして伊豆を初めとする地方の観光地に進出してくる可能性も高まるものと思います。また人口の東京一極集中排除にも貢献すると考えるものであります。幾つか具体的な提案をいたしましたが、地方の観光地の人口減少対策を進めるためには、ホテル・旅館の経営者が自信を取り戻し観光産業が元気を取り戻すことが不可欠であり、そのための取り組みが求められております。
 そこで、私が提案をした固定資産税や不動産取得税の廃止によるホテル・旅館の支援について、県の所見をお伺いする次第であります。
 次に、東京オリンピック・パラリンピックを控えてのホテル・旅館等の受け入れ体制整備のための低利融資制度の創設についてであります。
 東京オリンピック・パラリンピックを控えて静岡県では、ホテル・旅館や観光業者が積極的に受け入れ体制を整えるために、設備投資を計画する際には新しい低利融資制度を実施すべきであると考えます。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを機会に外国人観光客が大幅にふえることが予測されてまいりました。政府は二千万人を目標といたしました。和食がユネスコの無形文化遺産に登録されました。日本の食文化やおもてなしのサービスを提供するのは、主にホテル・旅館、そして観光業者であります。
 静岡県独自の東京オリンピック・パラリンピックを対象とした制度融資を制定すべきものと考えますが、いかがでありましょうか。お伺いをいたす次第であります。
 次に、静岡県の水産業の振興についてお伺いをいたします。
 初めに、漁村の将来展望づくりについてであります。
 水産漁業を取り巻く経営環境は、漁業者の高齢化、そして漁業者数の減少、最近の燃油や資材の高騰、水揚げの減少に加えて魚価の伸び悩みなど情勢は日に日に厳しくなってきております。漁業収益が次第に悪化してきており漁業者の経営改善が急務となってきております。生産から加工、販路や消費の拡大、そして輸出への増強など攻めの水産漁業に転じ、水産漁業の成長産業化を図る時期が今こそ到来したものと思います。
 漁業者、漁業協同組合、市町ごとの特性、資源の状況を踏まえ、適切な資源管理を通した収益性の高い持続可能な漁業、養殖業の推進を図るとともに、経営改善、所得の向上を図る必要があります。そのためには、まず浜の関係者が中心となって加工業や観光業なども一体となり、水産漁業の所得向上に向けた魚価のアップやコストの削減など具体的な取り組みを検討し、その内容を実施プランとして策定し、このプランに基づいて具体的な施策を実施することが重要となってまいりました。漁業や漁村地域再生のために漁業者の所得の大幅な向上を実現させる総合的な戦略プランが必要でありますが、浜ではそのような計画が今までつくられたことはありませんでした。現在の水産漁業を取り巻く環境や諸課題を考え、水産庁は、漁業者の所得を五年で一〇%以上増加させることを目指した浜の活力再生プランの必要性と効果について説明し支援を開始しました。プラン作成地区においては、国の補助事業の優先採択などなどさまざまな支援を行うとのことであります。
 平成二十四年度の漁業生産量が二十二万六千トン、全国シェア四・六%。全国順位第三位の水産静岡県でも現在の水産漁業を取り巻く環境や諸課題を考えますと、県内各地域において積極的に漁村、漁業の将来展望づくりを進める必要があると思いますが、県当局のお考えをお伺いいたします。
 次に、漁業人材の育成についてであります。
 漁業就業者の減少は深刻な課題の一つであります。五十年前は日本全体でおおよそ六十二万人でありましたが、五十年後の平成二十四年は何と十七万四千人となってしまいました。我が静岡県でも平成二十五年に五千七百五十人と減少が続いております。こうした状況を踏まえ水産庁では、新たに漁師を目指す見習いを対象に平成十四年度から長期研修制度を始めました。次の時代を担う若い漁業就業者の確保は本県においても喫緊の課題であります。したがって県としても積極的に漁業後継者の育成に取り組むべきではないでしょうか。
 本県には、漁業後継者を育成することを目的とした漁業高等学園があり、毎年卒業者の就職率は一〇〇%であると伺っております。しかしながら近年では入学者数が減少していると承知しております。このため漁業高等学園の制度をもう少し広く知らしめ入学者数をふやすことも必要ではないかと思います。お考えをお尋ねいたします。
 さらに静岡県では、県漁連と連携し漁業地域の核である漁協を支える中堅職員に対し意識改革を促すとともに、マネジメント能力を身につけるための人材育成研修を行っております。過去三カ年で累計五十一名の職員が参加し現場に帰り、その成果を上げてきておると伺っております。
 この人材育成制度をさらに一層充実させるべきものと考えますが、県当局のお考えをお尋ねする次第であります。以上について、明快な御答弁をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 森議員にお答えいたします。
 本議会の最後を飾るにふさわしい、熱烈な郷土愛にあふれた力強いさまざまな御提言、質問、じっくり拝聴をいたしました。
 さて、静岡県のみちづくりについてのうち、今後のみちづくりの方針についてであります。
 県内の道路は、深刻な渋滞や事故の発生、災害による通行どめの多発等、いまだ質、量ともに不十分な状況にあります。そのため本県では、昨年七月新たな道路整備計画であるふじのくにのみちづくりを策定し、選択と集中により道路整備と保全をバランスよく行う道路マネジメントの考え方に基づき、効果的、効率的な道路行政に取り組んでいくことにいたしました。
 今後は、新東名の開通により強化された東西軸に引き続き、伊豆縦貫自動車道を初めとする高規格幹線道路等の南北軸や関連アクセス道路等の整備により広域ネットワークを構築し、陸・海・空の連携強化を図るとともに、地域の産業活動や暮らしを支える道路の渋滞対策や交通安全対策を進めます。
 また、安全で安心できる県土をつくるため、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に基づき橋梁等の耐震化を進めるとともに、高度経済成長期に建設した道路の維持更新に対応するため長寿命化対策も進めていくこととしております。
 真に必要な道路整備や維持管理を着実に実施するため、議員の皆様のお力添えを賜りながら、一九九六年以来十八年間にわたって国土審議会の委員として国交省と強めてまいりましたきずなをフルに活用いたしまして、みずから先頭に立って必要な道路予算の確保に努め県民の皆様の命と暮らしを守るとともに、快適にヒト、モノが行き交う地域づくりを支える道路整備を積極的に推進してまいります。
 次に、静岡県の水産業の振興についてのうち、漁村の将来展望づくりについてであります。
 静岡県は、遠洋のマグロやカツオ、沿岸のシラス、サクラエビ、キンメダイ、さらに内水面のウナギやニジマスなど多様な種類と高い品質の水産物が生産される全国屈指の水産県であります。しかし現場では、燃油高騰に伴う経費の増加や漁業従事者の減少、高齢化など多くの課題を抱えております。本県水産業が、これらの課題を乗り越え今後も発展するためには、各漁村においてみずからの特徴を生かし漁業所得を向上させる方策を真剣に議論し、それを将来展望としてまとめ実行をしっかりしていくことが重要です。
 県としましては、こうした取り組みの積み重ねこそが新たな水産王国静岡の構築の鍵を握ると考え、県内全域におきまして漁村の将来展望となる浜の活力再生プランの策定を積極的に推進しております。現在までに十二の漁協が、市町などとともに地域一体となって地域水産業再生委員会を立ち上げて議論を開始しておりまして、本年度中に全ての漁港でプランが策定できるよう、少なくとも十二の漁協におきましてそれが可能になるよう支援しているところであります。
 各地の委員会での議論の結果、例えば磐田市福田地区では福田産シラスの知名度向上と販売量の増大を目指し、漁協直営食堂の内容の充実や漁業者によるシラス直接販売などに関する計画づくりが進んでいます。また沼津市戸田地区では、まき網船団の漁船数を減らすことによるコストの削減策や、移動販売車を活用した地元水産物の販売拡大などの検討が行われております。
 県といたしましては、今後さらにこれらの漁村の取り組みに、商工業や金融業を初めとする他産業の関係者の皆様にも積極的に御協力をいただき、漁村地域がそれらと一体となって活力を向上させ、本県水産業の将来にわたる発展につながる取り組みとなるように支援をしてまいろうと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(多家一彦君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 静岡県のみちづくりについてのうち、伊豆縦貫自動車道等の整備促進についてお答えいたします。
 天城北道路につきましては、現在仮称湯ヶ島第一トンネルや狩野川を渡る橋梁工事が実施されており、年度内には仮称湯ヶ島第二トンネル工事の発注が予定されるなど平成三十年度の開通に向け順調な工事が進められております。
 伊豆市矢熊から河津町梨本までの天城峠を越える区間につきましては、事業化に向けた手続である計画段階評価が早期に実施されるよう、引き続き関係市町と連携して国に働きかけてまいります。
 河津下田道路U期区間につきましては、仮称河津インターチェンジから仮称逆川インターチェンジまでの先行区間の早期完成に向け、用地取得が進められるとともに、工事用道路に続き年度内には本線の橋梁や改良工事の着工が予定されております。
 また、県が整備を進めている国道百三十六号下船原バイパスにつきましては用地取得やトンネル設計を進めるとともに、本年十一月には橋梁下部工工事に着手することとしており、天城北道路の開通に合わせて供用できるよう整備を進めてまいります。
 仮称南伊豆一條・下田市箕作線の構想につきましては、事業効果や整備手法などについて、引き続き関係市町とともに研究してまいります。
 伊豆縦貫自動車道は、伊豆地域における産業の振興、救急医療搬送に大きく寄与するとともに、災害時には命の道としての役割を担う重要な路線であります。県といたしましては、河津下田道路T期区間も含め伊豆縦貫自動車道の早期全線開通に向け関係市町と連携して国に働きかけるとともに、アクセス道路等の整備推進に努めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 伊藤文化・観光部長。
       (文化・観光部長 伊藤秀治君登壇)
○文化・観光部長(伊藤秀治君) 人口減少対策と雇用の確保についてのうち、固定資産税等の廃止によるホテル・旅館の支援についてお答えいたします。
 旅行・観光産業は、産業別国内総生産における付加価値創出効果が自動車産業や電気機械産業と同規模の二・三%を占める主要産業であり、中でも全国屈指の観光地を形成する伊豆地域では、雇用を確保し地域経済を支える重要な基幹産業となっております。
 その中核を成す旅館・ホテルの経営は、顧客ニーズの変化や長期にわたる宿泊者の減少、東日本大震災以降の第四次地震被害想定への対応など厳しい環境にあることから、県では旅館・ホテルの皆様を初め地元市町や地域の方々と一緒に、宿泊者の増加につながる誘客の拡大に取り組んでまいりました。交通アクセスの向上や富士山世界遺産の登録などにより、昨年度の本県の観光交流客数は過去最高となり明るい兆しが見えてきたものの、まだまだ宿泊者数の本格的な回復には至っておりません。
 こうした中、議員御提案の固定資産税及び不動産取得税の廃止につきましては、旅館・ホテルの経営改善に効果が期待されますが、全国知事会等を通じて国へ働きかける場合も、税負担の公平性や代替財源の確保など克服すべき課題について検討が必要かと考えております。
 県といたしましては、今後とも宿泊者等のニーズに応えた魅力的な体験プログラムを提供する体制を強化するとともに、伊豆半島ジオパークや韮山反射炉の世界認定、さらには二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催の機会を生かしてさらなる誘客の拡大に努め、旅館・ホテルの経営を支援してまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 土屋経済産業部長。
       (経済産業部長 土屋優行君登壇)
○経済産業部長(土屋優行君) 人口減少対策と雇用の確保についてのうち、東京オリンピック・パラリンピックを控えてのホテル・旅館等の受け入れ体制整備のための低利融資制度の創設について、お答えいたします。
 昨年の富士山の世界文化遺産登録、本年二月の東駿河湾環状道路の開通など伊豆地域のポテンシャルが高まる中で、東京オリンピック・パラリンピックの開催は、観光産業を主要産業とする伊豆地域にとって大きなチャンスの到来と考えております。
 県では、これまでもホテル・旅館、観光業者の活性化を図るため、新事業展開や経営革新等により観光客のおもてなしに必要となる客室の改装や施設の建設などの整備を図るホテル・旅館等に対しまして、県制度融資の新事業展開支援資金で支援を行っているところであります。
 例えば伊豆地域では、地元の農林水産物、自然、文化を活用した体験型のサービス提供や季節の移ろいを感じられる離れ旅館の提供など、これまでにないサービスを提供して新たな観光客の獲得につなげている旅館があります。
 議員御指摘の東京オリンピック・パラリンピックを契機とした外国人観光客の受け入れ拡大には、ホテル・旅館等の施設整備に加えまして、おもてなしの心を持ったソフト対策の充実も含めました市町、関係団体と一体となった地域としての取り組みが重要であります。そうした取り組みを検討する中で資金が必要となる場合には、融資制度も含めました必要な対策を検討してまいりたいと考えております。
 次に、静岡県の水産業の振興についてのうち、漁業人材の育成についてであります。
 県では、県立漁業高等学園において次代を担う漁業従事者を養成しておりますことから、当学園の入学者を確保することは、議員御指摘のように本県水産業を振興していく上で重要なことであると認識しております。
 このため、県内の中学・高校訪問や漁業就業支援フェアでの学園紹介という従来の手法にとどまらず、近年では漁協、漁業者との連携を密にし、新たな漁業就業希望者がいる場合には当学園への入学を推奨していただいております。さらに昨年からは若者に直接訴求するため、ホームページでの学園の様子の動画配信にも取り組んでおるというところでございます。
 また、漁協職員に対します研修制度につきましては、平成二十四年度から漁協の将来を担う中堅職員のマネジメント能力向上を目指し、各地の課題を題材としてその解決策を議論するグループワークや他県の先進事例研究などに取り組む研修制度を実施しております。本研修を通じて県内各地の漁協職員の横の連携が強まったほか、職員がグループワークで提案した事業が実際に本年夏に地元で実行に移されるなど着実に研修の成果が出始めているところであります。
 県といたしましては、漁村の将来を担う漁業後継者と漁村の核となって漁業従事者を牽引できる漁協職員は、ともに本県水産業の発展に欠かせない存在であることから、今後とも県漁業協同組合連合会などの関係団体と一体となって、本県水産業を支える優秀な人材の育成に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 六十番 森 竹治郎君。
       (六十番 森 竹治郎君登壇)
○六十番(森 竹治郎君) 議長、質問終わり。(拍手)

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