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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

盛月 寿美 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/06/2013

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 交通ネットワークの一層の充実を見据えたふじのくに戦略物流ビジョンの推進について
2 台湾からの誘客促進について
3 子育て女性の就労支援について
4 助産師の活用と養成について
5 自立する消費者の育成について
 (1) 本県の特性を生かした消費者教育の推進
 (2) 学校における金融教育の推進
6 学校における人権意識の向上について


○副議長(大石哲司君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第八号から第百九号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、三番 盛月寿美君。
       (三番 盛月寿美君登壇 拍手)
○三番(盛月寿美君) おはようございます。私は公明党県議団所属議員として通告に従い当面する県政の諸課題について、知事並びに関係部局長、教育長に質問いたします。
 この三月十一日、東日本大震災から二年を迎えます。被災地の一日も早い復興をお祈りします。それでは質問に入ります。
 初めに、交通ネットワークの一層の充実を見据えたふじのくに戦略物流ビジョンの推進について伺います。
 昨年末の新政権発足以降、低迷が続いていた日本経済に回復の兆しが見えてきました。金融政策、財政政策、成長戦略による三本の矢が株価回復と円安を加速させ、円安効果の追い風を受け、輸出関連産業では決算見通しを上方修正するところが相次いでいます。本県においても、景気回復を県民が実感できるよう安定した経済成長を促進するための力強い産業構造の構築支援に取り組む必要があります。
 本県では、昨年四月に新東名高速道路が開通し平成二十九年には中部横断自動車道が開通予定であります。さらには三遠南信自動車道と新南北軸となる道路ネットワークの整備が着々と進み、交通の利便性が大幅に向上することが予想されます。特に中部横断自動車道が開通しますと山梨県甲府市から一番近い港は清水港となり、富士山静岡空港へのアクセスの向上とあわせて本県の中部地域の港や空港への新たな物流ルートが形成されることにより、特に私の地元静岡市清水区においては人や物が集まる活気ある地域づくりが期待されます。
 県では、日本の中心に位置しこの充実した陸・海・空の交通ネットワークという本県の有する優位性を生かし、物流産業の振興による新たな産業の創出と地域経済の活性化を目的とするふじのくに戦略物流ビジョンを平成二十四年三月に策定しました。これまでに新東名高速道路等のインターチェンジ周辺への広域物流拠点の立地を誘導するための市街化調整区域における大規模流通業務施設の立地基準の見直しや、先進的な物流施設の立地促進を図るための企業立地補助金制度の改正などに取り組んできたと承知しております。
 私は、今後確実に交通ネットワークが一層充実することを見込んで、新東名高速道路等のインターチェンジ周辺への物流拠点の整備を地域企業とも連携してさらに具体的に進めていくべきと考えます。
 そこで、交通ネットワークの一層の充実を見据え物流産業の振興を図るために、ふじのくに戦略物流ビジョンの具現化に向け県は来年度の方針をどのように決め、どのように取り組むのか伺います。
 次に、台湾からの誘客促進について伺います。
 本年六月の富士山の世界文化遺産登録への期待が日に日に高まっています。このような中で、去る二月十二日ユネスコの諮問機関であるイコモスから文化庁に対し富士山の保存管理、構成資産からの三保の松原の除外、また資産の名称変更についての三点の追加情報の要請があり、それについての回答内容が先日発表されました。
 この中で、特に構成資産からの三保の松原の除外については、地元の私が言うまでもなく富士と三保の松原は日本人の美意識の根幹にあるような大事な伝統の景色であり、芸術の源泉としての意義は大きいと考えますので除外を認めることはできません。私も何度か参加しておりますが、三保の松原の景観保全のために松林の草刈りや清掃活動を一生懸命続けておられるボランティアや地元の方々のこれまでの御苦労が登録の実現により報われるよう心から祈っています。
 知事も、今回の追加情報の要請の中で三保の松原の除外については是認できず、三保の松原を含めた富士山の世界文化遺産の登録に向けて万全を期すと表明しておられましたので大変心強く、イコモスに対し私どもの思いが通じたものと確信しております。
 さて、富士山の世界文化遺産登録は、その顕著で普遍的な価値を後世に引き継ぐ新たなスタートだと理解しています。適切な保存管理が第一に求められますが、一方で世界のブランドとなった富士山への人々の憧れは国内外からの観光客増加の形であらわれるのではないでしょうか。観光は旅行業や宿泊業、飲食業など産業の裾野が広いことから、経済波及効果や雇用の創出効果が大きく有望な成長分野として位置づけられています。
 政府は、ことしの訪日外国人旅行者の目標を一千万人と設定し観光客誘致の取り組みを活発化させており、本県においても経済活性化のために観光産業の一層の振興を図ることが重要であります。
 観光振興について、私は昨年の二月定例会において、高校の先輩であるさくらももこさんの作品で私の地元静岡市清水区が舞台となっているアニメ「ちびまるこちゃん」が台湾でとても人気があることから、積極的に情報発信に活用することを提案いたしました。台湾からの誘客については、一〇〇%静岡ブランドの「ちびまるこちゃん」と世界ブランドとなる富士山、さらには本県の豊富な観光資源や食の魅力などをPRし積極的に情報発信を行うことによって、今後一層の誘客が期待できると考えます。
 特に、今月末からは富士山静岡空港の台湾路線が週三便から週四便になり、利用者の利便性が一層向上します。さらに県では台湾に新たに駐在員事務所を設置するとも聞いております。こうした好機を捉え県は台湾からの誘客拡大にどのように取り組むのか伺います。
 次に、子育て女性の就労支援について伺います。
 女性の社会進出が進み、先月十九日に公表された総務省の労働力調査によると、速報値ではありますが平成二十四年の女性の雇用者は前年より六万人多い二千三百七十五万人と過去最高を更新したといいます。
 安倍晋三首相の経済政策アベノミクスでは、女性の活用が経済対策の鍵との考え方が示されております。公明党は、少子高齢化が一層進み労働力人口が減る中にあって女性の力を生かすことは経済成長に欠かせないとの考えのもと、女性が輝く社会の実現を目指し女性のための政策実現に取り組んでまいりました。
 国際通貨基金――IMFのトップであるクリスティーヌ・ラガルド女史が昨年来日した際、「日本には未活用のよく教育された女性労働力というすごい潜在成長力がある」と述べられ、レポートの中で「女性の就業率を欧米並みの七割に引き上げることにより一人当たりのGDPが四%ふえる」という指摘をされたと聞きました。残念ながら日本では、働く女性の約六割が出産時に仕事を諦めてしまうという状況がここ二十年ほど変わっていません。
 二〇一二子ども・子育て白書によると、子育て中の女性の八六%が仕事につくことを望んでいるという結果が出ています。しかしながら現状を見ますと、雇用情勢は徐々に回復しているとはいえ依然として厳しい状況が続いています。女性の労働力率には、二十代後半から三十代が落ち込むM字カーブが見られます。出産・育児で家庭に入り一旦離職するためにこのような現象が生じるわけですが、本県はもともと女性の労働力率が高く子育て世代以外は全国平均を上回っているのに、子育て世代のみが全国平均とほぼ同じことからM字の割合がより鮮明になっています。
 これを解消するためには、仕事と子育ての両立を支援する政策や受け入れる側の企業の体制づくりに本気になって取り組む必要があります。特に子育て中の女性は就職活動への不安や希望する仕事がない、保育所が見つからない、子育てに対して会社の理解があるかなどさまざまな困難な現実が壁となり、悩んだ末に働くことを諦めているケースが多いと考えられます。子育てと仕事を両立したい女性が就労するにはこういった課題を解決することが前提となります。私は、越えなければいけないハードルが多い子育て女性への就労をサポートする体制は、今後さらに充実させていくことが必要であると考えます。
 そこで、県として子育て女性の就職支援や企業の受け入れ環境の整備など就労支援にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、助産師の活用と養成について伺います。
 助産師は、妊娠から出産、産後までの周産期を通して母体や新生児のケアに関する専門的な知識を持ち、正常分娩を取り扱う専門職種であります。妊娠・出産という女性特有の人生の大きな節目に産科医師とともに寄り添う助産師は、その経験を通して女性だけが持つその役割の重大さや身体にかかる負担の大きさを実感されており、女性の健康を守ることの大切さを深く認識されている職種であります。
 現代の子育て環境においては、少子化の一方で子供への虐待が増加しているという社会的な問題を抱えています。核家族化が進んだことで育児のアドバイスをしてくれる家族がいない、相談相手がいない、そういう中で育児不安となり育児負担から子供への虐待につながっていると言われています。十人に一人の割合で見られる産後うつ病も深刻な問題であります。
 私は、このような児童虐待予防、妊産婦への精神面のケア、母子支援の観点から専門職種である助産師の知識や経験を地域での子育て支援に生かす取り組みが必要と考え、昨年二月定例会で助産師の活用について取り上げました。県では本年度助産師の活用策として妊娠期からの安心子育てサポート事業を実施しております。助産師は生命が生み出されるその瞬間に立ち会われることから、命の尊さ、親子のきずなへの思いが深く、その経験を生かし教育の現場で子供たちに命の大切さを伝える指導をされていたり、出産後の育児支援でも母と子の愛着を大切に考えておられると伺っております。
 このような取り組みを通じ、地域における子育て支援を担う助産師の役割が少しずつ知られてきていますが、私はまだまだ活躍の場を広げていけるのではないかと思います。県では安心して子供を産み育てられる環境整備を総合計画の戦略の柱に掲げ、地域や職場における子育ての支援を進めるとしております。今後子育て支援をさらに効果的に進めていくためには多くのすぐれた助産師が活躍していくことが求められますし、新たな人材を育てていく必要性があると言えます。
 そこで、県として助産師の必要性をどのように認識しその認識の上で今後どう活用していくのか伺います。また助産師養成のための施設の設置についてあわせて県の所見を伺います。
 次に、自立する消費者の育成についてのうち、初めに本県の特性を生かした消費者教育の推進について伺います。
 高齢者を中心とする一般消費者を狙った悪質商法による被害や食の安心・安全に関する問題、環境問題など消費生活に関する社会問題が深刻化しています。
 平成二十三年の振り込め詐欺被害者の年齢別の割合を見ますと、オレオレ詐欺の被害者は六十歳以上の高齢者が九割を占めていますが、架空請求詐欺被害は三十歳代以下が三九%、四十歳代で一九%、さらに五十歳代が一五%、六十歳代以上で二七%と全世代で被害を受けているという状況が見られます。
 このような中、消費者被害の発生防止と被害者の救済を図っていくと同時に、消費者がみずから身を守り適切に行動する知識と能力を養うことができるようその自立を支援することが必要となっています。こうした背景から国では、昨年八月に国民の消費生活の安定及び向上に寄与することを目的とする消費者教育推進法が公明党など四党の議員立法により成立し、同年十二月十三日から施行されています。
 消費者教育の定義は、消費者の自立を支援するために行われる消費生活に関する教育及びこれに準ずる啓発活動であり、この推進法においては幼児期から高齢期までの各段階に応じ家庭、学校、地域、職域など幅広い年代、場所で消費者教育を体系的に行うことが規定されています。この結果、これまでよりも消費者教育の機会は大きく広がります。
 こうしたことから、私は、本県においても消費者みずからが年々巧妙化する悪質商法から身を守り、主体性を持ってみずからの消費を選択できるよう充実した消費者教育を推進していくべきと考えます。特に本県は、豊富な農林水産物やすぐれた工業製品などよりよいものを見極め選ぶ確かな目を養う、ものづくり県としての特性を生かした消費者教育の推進ができるのではないでしょうか。さらには、私は適切で積極的な消費が活力ある豊かな地域社会を築くことにつながるものと考えます。
 そこで、県は、県民一人一人が賢い消費者になるために総合計画に掲げる自立する消費者の育成にどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、学校における金融教育の推進についてであります。
 金融をめぐる状況については、金融経済環境の大きな変化に伴い、お金を使う、ためる、借りる、仕事を通してお金を得るというそれぞれの場面でさまざまなリスクやトラブルに直面することが少なくない時代となっています。このため子供のころからお金に対する正しい知識を身につけるための金銭や金融に関する教育の充実が求められています。
 現在、文部科学省と日本銀行が協力し小学生からの金融教育に力を入れています。その一つが金融広報中央委員会と県金融広報委員会が行う金融教育公開授業であり、今年度は全国の十七の小中学校で開催されています。本県では、本年一月二十五日に私の地元静岡市清水区の中学校でも授業が行われました。この公開授業のパンフレットには、金融教育とは生きる力を養うための教育とうたわれています。
 金融教育は、お金を大事にする、金融トラブルに気をつける、将来や社会のためにお金を有効に使うなど、子供だけでなく大人が知っておくべき内容が多く含まれています。また金融教育は消費生活とのかかわりが大きいことを考えると、消費者教育の目指す賢い消費者、自立する消費者を育てることにつながります。
 現行の学習指導要領では、社会科や家庭科において金融の仕組みや働き、消費者の権利や責任などについての教育の充実が求められ小中学校において努力されているものと理解しております。しかしながら現場の教師に御意見を伺うと、指導計画を立てることが大変、金融や契約といった事柄については専門知識が難しいといった声が聞かれます。また教材探しやカリキュラムを組むことの大変さもあるのではないでしょうか。私は金融教育を充実させるためには教師への支援をしっかり行う必要があると考えます。
 金融教育において専門知識が必要となる事柄については、例えば地域の金融機関やファイナンシャルプランナー等の金融のプロに協力をお願いして教師への研修を行っていただいたり、児童生徒に対して講義をしていただくのも一つの方法ではないでしょうか。私は、今をそして未来を生きる子供にとって金融教育は生きる力を育む上で大変重要であると考えます。
 そこで、小中学校における金融教育の必要性をどのように認識され、どのような取り組みを行っているのか、またそれを踏まえた今後の取り組み方針と教師への金融教育に関する支援の充実について教育長の所見を伺います。
 最後に、学校における人権意識の向上について伺います。
 私たちは、この世に生を受けたかけがえのない一人の人間として、誰もが生まれながらにして人間らしく生き幸せに暮らす権利――人権を持っています。しかしながら昨今のいじめや不登校、ひきこもり、児童虐待、教職員の体罰による自殺など子供をめぐる社会問題は大変深刻な実情であると捉えております。未来を担う子供たちが健やかに成長するために多くの時間を過ごす学校が、子供たちにとっていじめのない安心・安全な楽しく伸び伸びと学べるところであることが重要であります。決していじめや教育、しつけを口実とした体罰などがあってはなりません。私は、いじめや体罰の根源は人権尊重の意識の欠如であると思っています。
 東京都足立区のある小学校では、児童が主体となったいじめ撲滅隊を結成し、校内をパトロールするなどいじめ防止活動に取り組んでいるそうです。このような取り組みは全国でも珍しいとのことで、先日テレビ番組でも取り上げられていました。この学校のいじめ撲滅隊は二〇一二年十月に発足し初めは二十三人からのスタートでありましたが、今では隊員数が全校児童の半数近い二百十三人にまで広がっているそうです。学校全体に人権意識が高まったからこそ実現した好事例の一つであると思いますし、子供が主体となって活動することで児童生徒一人一人が人権を意識できるようになる点に大きな意味があると思います。
 本県においても、県教育委員会と市町教育委員会が協力して静岡県の学校からいじめをなくす提言を発表し、現在どの学校でも子供が主体となっていじめ防止に取り組んでいると聞いています。
 私は、いじめや体罰などを根絶するには人権に対する子供の意識と子供に深くかかわる教職員の意識を高めることが不可欠であると考えます。人権意識を高めることは、昨今のいじめなどへの対策となるだけではなく、未来を担う子供たちが自分の人権だけでなく、ほかの人の人権も尊重して行動することができれば将来大人になったときに人権侵害のない社会を築く推進力になると思います。
 そこで、児童生徒及び教職員の人権意識を高めるために教育の現場においてどのような取り組みがなされているのか、また今後どのように取り組んでいくのか教育長に伺います。以上で私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(大石哲司君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 盛月議員にお答えいたします。
 初めに、交通ネットワークの一層の充実を見据えたふじのくに戦略物流ビジョンの推進についてであります。
 物流は、産業活動や県民生活に密接にかかわり本県産業の発展や県民の生活の向上を図る上で大変重要な役割を担っておりますから、昨年三月にふじのくに戦略物流ビジョンを策定いたしました。もって物流の活性化に全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。
 議員御指摘のとおり、本県は首都圏、中部圏、近畿圏のほぼ中央に位置しております。この三圏におきまして日本の人口の六割強、GDPの約七割を占めているわけでございます。そこに東名高速道路・新東名高速道路のダブルネットワーク、駿河湾港、富士山静岡空港といった陸・海・空の交通ネットワークが有効に活用できるなど、物流事業を展開する上で全国有数の恵まれた環境を有しております。
 加えて、昨年四月の新東名高速道路の前倒し開通によりまして貨物輸送の定時性や安定性が急速に大幅に向上いたしました。来年度は清水港新興津地区の第二バースの暫定供用が開始されます。今後中部横断自動車道等の南北軸の整備も進展してまいります。こうして本県が我が国でも有数の物流の拠点地域となる可能性が高まってまいりました。
 そこで、来年度に向けましては、今回国の御指定をいただきました内陸のフロンティアを拓く取り組み、ふじのくに防災減災・地域成長モデル総合特区を活用して物流に関する規制緩和を進めなければなりません。物流に関しては太田大臣の格別の御理解をいただいております。これを追い風にいたしまして新東名高速道路のインターチェンジ周辺地域等における物流拠点の形成を図り、物流関連企業の新規立地、集積を促進してまいります。
 また、個別企業に対しましては、各種製造業、卸小売業や運輸業を初めとする企業へのアンケート調査あるいは直接訪問によりまして、本県の強みの周知や企業側の具体的なニーズの把握に努めてターゲットを明確にしながら市町と連携して、戦略的に物流施設の誘致を進めてまいります。
 今後とも、着実に整備拡充が進む陸・海・空の交通ネットワークを最大限に活用いたしまして、官民一体となって本県の物流機能を高め物流を通じて産業の発展と地域の活性化を目指す物流立国ふじのくにの実現に取り組んでまいります。
 次に、台湾からの誘客促進についてであります。
 昨年三月の台北線就航を機に、議員から御提言を賜りました台湾でも人気の「ちびまるこちゃん」を活用した観光プロモーションを展開いたしました。それによってふじのくに静岡の魅力を積極的に発信いたしますとともに、教育旅行やスポーツ交流をも推進してまいりました。こうした努力も実りまして今月末から台北線週四便を実現することができました。
 また、先月二十二日には森山副知事が台湾を訪問し、馬英九総統の御臨席のもと地方自治体としては初めて台湾観光貢献賞を受賞いたしました。まことに名誉なことであり本県のこれまでの取り組みについて高い評価をいただいたものと考えています。
 さて、本県では、さまざまな手法により静岡県の認知度を高めることで台湾からの誘客を促進しておりますが、今年一月から二月の初めにかけては台北の中心部を走る鉄道車両を色鮮やかな河津桜と菜の花でラッピングをする広報キャンペーンを実施いたしました。私も写真を見ましたけれどもまことに色鮮やかなものでございまして、多くの台湾の方々に本県の認知度を高める効果があったものと確信した次第でございます。
 また、二月中旬から一カ月間台湾企業とタイアップいたしまして、約五千店舗のコンビニなどで販売見込み一千万個のパンの袋に「静岡を見に行こう」と広告を掲載いたしまして、静岡旅行プレゼントキャンペーンを展開しております。一千万というのは台湾の人口の半分でございます。
 今後は、来月から設置される駐在員事務所を拠点にいたしまして、世界文化遺産登録が間近に迫っている富士山、ジオパークの伊豆半島、エコパークになり得る南アルプス、世界農業遺産が確実視されている志太榛原の地域、さらに東海道のオアシス浜名湖など、まことに美しい自然景観やそれらが生む多彩な食、豊富な温泉等の魅力を発信いたしまして、誘客活動を積極的に展開いたします。
 加えて、自治体や各種団体など幅広い分野での交流を促進することで台湾からのインバウンドの拡大とデーリー運航の早期実現に取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長のほうから御答弁を申し上げます。
○副議長(大石哲司君) 吉林経済産業部長。
       (経済産業部長 吉林章仁君登壇)
○経済産業部長(吉林章仁君) 子育て女性の就労支援についてお答えいたします。
 県ではマザーズジョブステーションを昨年八月に県内三カ所に設置し、働きたい子育て女性の不安や悩みを解消し就労に結びつけております。相談時間中の託児サービスを用意してカウンセリングや就労に役立つセミナーを実施しており、これまでに延べ千五百人以上の女性が利用しております。
 来年度は、新設をいたしますしずおかジョブステーションにその機能を移管し子育て女性を対象としたカウンセリングやセミナーを充実いたしますとともに、ハローワークと一体となって職業紹介までを一貫して行うなど就職支援を強化してまいります。また求人情報や資格取得の案内など、働きたい、知りたい、学びたい情報がいっぱいのママのおしごと応援フェアを二月、三月に続き来年度は年間六回に拡充して実施をいたします。
 さらに、仕事と子育てを両立しやすい企業の環境を整備するため、一般事業主行動計画の策定努力義務のある百人以下の企業に対しましてアドバイザーによる戸別訪問を実施しております。これまでに四百六十一社を訪問し、約七割の企業が計画を策定いたしました。来年度はさらに未策定企業の状況調査、再訪問を実施し、企業や従業員の方々の理解を深めワーク・ライフ・バランスの取り組みを促進してまいります。
 今後とも、きめ細やかな就労支援と企業に対する環境整備の働きかけに積極的に取り組み、一人でも多くの子育て女性が安心して働けますよう支援をしてまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 池谷健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
○健康福祉部長(池谷享士君) 助産師の活用と養成についてお答えをいたします。
 妊娠、出産、そしてその後の子育ては誰もが期待とともに戸惑いや不安を経験しますことから、この時期に専門的知識と経験を持った助産師の方々が地域で子育て支援のさまざまな場面において活躍していただくことは、大変意義のあることと認識しています。
 これまでも、市町の母子保健事業では妊婦指導、新生児訪問などで地域の助産師の方々にお力添えをいただいておりますが、今年度新たに取り組みました妊娠期からの安心子育てサポート事業におきましても、望まない妊娠で悩みを抱えている女性に対する相談や産前、産後の母親をサポートする講座の開催に当たり御協力をいただきました。いずれの事業におきましても県民の皆様から好評をいただいていることから、来年度も引き続き実施してまいります。
 さらに、災害時に女性や乳幼児を守る対策についての助言をいただくためにふじのくに男女共同参画防災ネットワーク会議の構成員として静岡県助産師会に参加していただくなど、子育て支援以外でもその専門性を発揮した幅広い活動をしていただいております。
 県といたしましては、今後も助産師の専門的知識や経験を積極的に活用し、安心して子供を産み育てられる環境づくりに取り組んでまいります。
 また、助産師養成施設につきましては、平成二十二年度に二施設が新設されたこともあり一部の養成施設の入学者数が定員に満たない状況であります。県といたしましては、その需給動向等について静岡県助産師会が今後調査を実施するとお聞きしておりますので、その調査に協力してまいりたいというふうに考えております。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 伊熊くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 伊熊元則君登壇)
○くらし・環境部長(伊熊元則君) 自立する消費者の育成についてのうち、本県の特性を生かした消費者教育の推進についてお答えします。
 消費教育は、生涯にわたりさまざまな主体の連携により進めていくことが重要でありますことから、本県では昨年九月に全国に先駆けて学識経験者や消費者、事業者の団体、教育委員会などが参画したふじのくに消費教育研究会を設置し、今年度中に本県の消費教育の進め方について報告をいただくこととしておりますが、こうした視点は消費者教育推進法の目指すところと同じでございます。
 県といたしましては、この研究会の報告を踏まえ、幼児期から高齢期に至るそれぞれのライフステージに応じた消費者を取り巻く課題や教育を担うべき主体を整理し、学校や地域、消費者団体、事業者など多様な主体と連携して漏れのない体系的な消費教育を行う仕組みを構築してまいります。
 また、こうした取り組みを進めるに当たりましては、議員御指摘のとおりものづくり県である本県産のすぐれた商品を見極める確かな目や予想される大規模災害時における冷静な消費行動の大切さなど、本県の特性を生かしたわかりやすい消費教育を心がけてまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 自立する消費者の育成についてのうち、学校における金融教育の推進についてお答えいたします。
 自立した消費者として健全な社会生活を営むために、議員御指摘のとおり金銭や金融に関する教育の充実は大変重要であると考えております。小学校におきましては、家庭科で小遣いの使い方や買い物の仕方について学習しております。また中学校におきましては、技術・家庭科でさまざまな販売方法や支払方法、消費者トラブルの解決方法などを学び、社会科におきましては金融の仕組みや意義について学んでおります。消費者行動が多様化、複雑化する中、昨年十二月には消費者教育の推進に関する法律が施行され、教科のみならず道徳や学級活動、地域社会との連携なども含め子供たちが実践的な力を身につける学習の充実が求められております。
 県教育委員会といたしましては、教員が専門知識を得るための実践的な研修会を開催するとともに、各学校におきましては、議員からも御提案のありました地元金融機関の方など地域人材を講師として招き実体験に基づく授業を行うなど、金融教育の推進に一層努めてまいります。
 次に、学校における人権意識の向上についてであります。
 各学校におきましては、「自分の大切さとともに、他の人の大切さを認めることができる児童生徒の育成」を人権教育の目標に据えて、管理職を初め人権教育担当者が中心となり教育活動全体を通して人権尊重の学校づくりを組織的、計画的に進めているところであります。
 具体的には、教科、道徳、特別活動などにおいて子供が主体となって学び合う学級づくり、乳幼児、高齢者、障害のある人との交流や被災地支援に見られるボランティアなど、体験活動を通して互いのよさを認め合い他者の痛みや感情に共感する力を育んでおります。
 特に、ゲームやロールプレーなどを取り入れた参加体験型の人権学習は、子供たちが学びの主体として参加しやすく気づきや体験が大切にされ具体的な行動へのきっかけとなることから、積極的な取り組みを進めているところであります。
 議員御指摘のとおり、いじめや体罰は重大な人権侵害であり決して許されるものではありません。県教育委員会といたしましては、今後も教職員の資質の向上と指導力の強化に向け研修内容を充実するとともに、人権感覚を高めるためのパンフレットを作成し全教職員に配付し活用することを通して人権意識の向上に努めてまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 三番 盛月寿美君。
       (三番 盛月寿美君登壇)
○三番(盛月寿美君) それでは、幾つか再質問をさせていただきます。
 まず、子育て女性の就労支援についてであります。
 四月から、しずおかジョブステーションとしてこれまでのヤングジョブステーションとマザーズジョブステーションなどを統合してワンストップで効率性の高い就職支援を行っていくということであるかと思いますけれども、このマザーズジョブステーション、昨年の八月から行われた事業で、先ほど全部で千五百人以上がセミナーに参加したり相談をしたりということであったという御答弁がありましたけれども、まだまだ八月からの事業で、もっと多く広く周知していくためにこれからもまだまだやることがある状態ではないのかなというふうに思っている中で、大きなこのジョブステーションの中の一つに、名称はどうなるのかちょっとわかりませんけれどもマザーズジョブステーションというのが設置されるということで、効率面、いい効果もあると思うんですけれどもやっぱりきめ細かな就労支援ができるという点では課題もあるかと思います。
 そういう中で、これまで以上に利用しやすくてそして一人でも多く就労に結びつくように成果を上げていかなくてはいけないと思いますが、具体的にどのように周知を図り成果を上げていくお考えなのか、具体的にもう一度御答弁いただきたいと思います。
 それと、助産師の活用と養成についてでございますが、助産師の養成校の定員が満たない状況であるということでございました。助産師の養成施設、養成していく状況の中では、実習の受け入れ病院が少ないという課題があるかと思います。ということをよく聞きますけれどもその点について、実習の受け入れ病院が少ないということに対して、これまで受け入れて協力してくれる病院をふやすための何か県としてアクションを起こしてきたのかどうかということについてお聞きしたいと思います。
 それと、現在県内の助産師の養成校は、中部に一校、西部に三校、そして県の東部地域には一つもありません。この状況は県ももちろん認識をしていることと思いますけれども、県として今後東部地域への助産師養成校ということに関して設置等のお考えがあるかどうかお聞きしたいと思います。
 それと、学校における人権意識の向上についてもう一度お聞きします。
 毎年行われているということでお聞きしておりますけれども、人権教育指導者研修会を行っているということで、私もそのときの資料を拝見させていただきました。こういった研修は、そのときに本当に充実した研修が行われて実際にそれが現場でどう反映されているか、その成果がどう出ているかということが大事ではないかと思います。こういった研修会を行った後にその研修成果の検証等についてはどのように行っているのか教育長にお伺いします。以上再質問といたします。
○副議長(大石哲司君) 吉林経済産業部長。
       (経済産業部長 吉林章仁君登壇)
○経済産業部長(吉林章仁君) マザーズジョブステーションの件で再質問にお答えいたします。
 今度つくりますジョブステーションにつきましては、マザーズジョブステーションの機能もしっかりそのまま移転をいたします。かつ場所もですね、今マザーズジョブステーションはほかのヤングジョブステーション等と違うところにございますので、一つにまとめましていわゆる就職相談まで一貫してできるようにしていきたいと思っております。マザーズジョブだけですといろんな就職の御要望とかをお聞きするときはまた別のところの建物に行っていただきたいというようなことも結果として出てきますので、そうしたことがないように一カ所で皆様の御相談を受けるようなシステムをまずつくりたいというのが一つの目的でございます。
 その中で、セミナー等につきましても例えば子育ての心配事があるセミナーもございますし、それから実際に就職をするためのセミナーも今までのほかの就職支援の相談センター等の機能の中でやっているものも一カ所に集約いたしますので、そういう意味では、ワンストップで子育て女性の方の支援ができるというふうに私ども考えておりますし、ぜひ機能の低下等がないようにそれは気をつけていきたいと思います。
 それから、これについてはやはり周知が大変大切でございますので、県民だより等いろんなものを使いまして、皆様方に新しいジョブステーションの情報をきめ細かに発していきたいというふうに考えております。以上でございます。
○副議長(大石哲司君) 池谷健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
○健康福祉部長(池谷享士君) 助産師の養成施設に係る再質問についてお答えをします。
 まずは、実習の受け入れ病院の確保策についてでございます。
 例えば、静岡県では助産師さんではないんですが、看護師の養成施設として東部に看護専門学校を持っています。この東部の看護専門学校の生徒さんも受け入れ病院で実習をさせてもらうんですが、現在ものすごく数が多い、二十を優に超える病院に協力をいただいておりまして非常に苦しんでいる状況にあります。実を言いますと、各病院での看護師さんが引き受けてくれて実習をお手伝いをしていただくわけですが、各病院の看護師さんも非常に忙しいところで多くの時間を生徒さんになかなか割けられないということで、全ての看護学校で今そういう状況になっています。
 昨年度、県は、県内の保健師の実習をスムーズにするために各学校に一定の枠を設けまして、県内の協力機関に対してこれだけの実習をお願いしますというような形に音頭をとりまして、各学校が争いにならないように一通りのめどをかけてやっております。そういう状況でありますので、病院自体がなかなか量としても受け入れの量が足りないというのが今現状にあります。
 二つ目の東部への設置についてでございます。
 議員からお話がありますように、確かに東部に養成施設が少ない。業務の従事者においてもやはり東部が従事している数が少ない。これは、実際に働く主な場所であります産婦人科とか産科の病院も東部は比較的西部、中部に比べて少ないということなものですから、少ないところで一応現状で我々の調査では需給は均衡しているという把握をしています。先ほどお答えをしましたように今度県の助産師会で改めて需給動向を調査をされるということですので、県としてもそれに協力をしてしっかりとして見通しを立てたいというように思っております。よろしくお願いいたします。
○副議長(大石哲司君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 人権意識の向上についての再質問でございますけれども、毎年人権教育の推進状況についてはアンケート調査を実施しておりまして、学校における人権教育、この実施率は一〇〇%でありますけれども、ただ校内の研修の実施率、これは年々増加をしておりますけれどもまだ一〇〇%ではなく九三%というような状況にございます。そういう意味では先ほど答弁でも申し上げましたけれども、各学校におります人権教育担当者を中心に校内研修あるいは毎年発行しております人権教育の手引きの活用というものの推進を図りながら、組織的、計画的な人権教育というものが進められるように今後とも努力をしてまいりたいというふうに思います。以上であります。

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