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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

林 芳久仁 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/12/2022

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 清水港からの農産物輸出促進について
2 次世代の漁業を担う人づくりについて
3 日本平の魅力向上に向けた取組について
4 自然災害に備えた土木技術職員の育成及び派遣体制について
5 道路の交通安全対策について
6 探究的な学習の推進について


○議長(藪田宏行君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十四番 林 芳久仁君。
       (六十四番 林 芳久仁君登壇 拍手)
○六十四番(林 芳久仁君) 質問に入る前に、先般十二月五日に全国都道府県議会議長会より静岡県議会で対象の皆さんと共に私も二十年の自治功労表彰を受けました。大変名誉でございます。(拍手)議場の皆さんにも厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 さて、それではふじのくに県民クラブの所属議員として通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に当面する県政の諸課題について一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、清水港からの農産物輸出促進について伺います。
 清水港は、令和三年八月全国で初めて国土交通省及び農林水産省から産地・港湾連携型農林水産物・食品輸出促進計画の認定を受け、産直港湾として本県を含め山梨県や長野県、清水港とRORO船航路で結ばれた九州地区の農産物を静岡県に集約し東南アジアを中心に清水港から輸出する取組を進めています。
 今年二月の議会で私の一般質問に対して、輸送時の鮮度保持に必要なコールドチェーンを確保し官民連携で清水港からの農産物輸出拡大に一丸となって取り組むとの答弁がありました。現に静岡市中央卸売市場には農産物を冷蔵倉庫からコンテナに搬入する際の温度を一定に保つためドックシェルター設備が整備され、また県が清水港に整備したリーファーコンテナ用電源施設が供用を開始しております。昨年八月の中部横断自動車道静岡―山梨間の全線開通でより身近になった山梨県や長野県からの清水港を利用した今後の農産物の輸出拡大に大きな期待を寄せているところであります。
 一方、政府は日本からの農林水産物・食品輸出について、円安効果を活用し二〇二五年までの二兆円の目標を前倒しで達成できるよう円安により輸出の可能性が拡大している今稼ぐ力を最大限に引き出す必要があるとして、十月に閣議決定されました物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策に関連施策を盛り込みました。国の調査によれば、本年一月から八月までの農林水産物・食品輸出の実績は昨年同期よりも約千百億円多い八千八百二十六億円とのことです。
 全国初の産直港湾に国から指定された清水港においても、中部横断自動車道やRORO船など陸と海のネットワークを生かした広域集荷による農産物輸出の枠組みに円安のメリットを最大限取り込み輸出拡大を加速することで計画目標の前倒しを達成することが期待できると考えます。
 そこで、今後清水港からの農産物輸出拡大を加速化するためにどのように取り組んでいくのか、県の見解を伺います。
 次に、次世代の漁業を担う人づくりについて伺います。
 近年、世界人口の増加や水産物の優れた栄養特性、機能性に関する認知度の向上、すしや天ぷらといった日本食人気などを背景に世界的に水産物の消費が拡大しています。このような中、水産物を安定的に供給する役割を果たす漁業はその重要性を一層増しております。
 一方、我が国では少子高齢化や都市部への人口集中が進展する中、漁業従事者が年々減少しており担い手の育成が喫緊の課題となっております。
 本県では、昭和四十年に北マリアナ諸島で発生した漁船七隻、乗組員二百九名が犠牲となった遭難事故を契機に担い手の育成の必要性が強く認識され、昭和四十五年から県立漁業高等学園で漁業者育成が行われてきました。学園では幹部船員の養成のため高度な教育カリキュラムが採用され、卓越した指導力を有する職員によりきめ細かな指導が行われています。この結果学園は即戦力となる優秀な船員を輩出する機関として漁業関係者はもちろん全日本海員組合からも高く評価されております。
 漁業を志して学園に通う中学卒業から三十歳までの若者たちが、一年間の全寮生活を通じて網の補修や船の接岸のほかエンジン等のメンテナンスを行えるようロープワークやアーク溶接等に関する知識、技能を身につけます。これまでに学園が送り出した人材は千人を超え、平成三十一年からは入学定員が二十名から三十名に増員されたと聞いております。近年では全国的な認知度を高めるため新たな取組も行われ、そのかいあってか入学者の六割が県外出身者だと伺っております。
 私も先日実際に学園を訪問し寮生活や学習の様子を見てきましたが、熱心に勉強する生徒の熱いまなざしを感じることができました。また園長さんはじめ職員の皆さんから話を伺い、漁業や海技士の資格の勉強だけではなく健康や体力づくり、生徒同士の友情、楽しい学園生活など生徒の人間性を育むことも重視した教育内容に大きな感銘を受けたところです。
 一方で、全国的には船員の養成学校の修学期間が短縮されるなど国の厳しい財政状況の中、船で働く人材の育成が困難になりつつあると聞いております。
 そこで、漁業高等学園で次世代の漁業を担う人材の育成を継続していくべきだと考えますが、県としては学園の入学生の確保にどのように取り組み、また運営体制をどのように維持していくのか伺います。
 さらに、大型客船の操船に必要となる航海術や機関運用術といった技能資格を持つ人材の不足が特に顕著であると聞いておりますが、その確保のためのどのような支援をお考えかお尋ねします。
 次に、日本平の魅力向上に向けた取組について伺います。
 これは私が三年前に日本平について質問をしましたが、現在の状況では日本平は世界遺産富士山、南アルプス、伊豆半島、駿河湾などの周囲三百六十度を見渡せる日本を代表する景勝地であります。平成三十年十一月三日に日本平からの魅力的な眺望と歴史的、文化的価値を発信する展望施設として県と静岡市が連携して日本平夢テラスを日本平山頂に整備し今年で開館四周年を迎えました。来場者は開館一周年で約百十八万人、令和四年十一月末時点では約二百四十五万人となっており県内多くの観光客が訪れています。日本平夢テラスの周辺はNPO法人日本平香る丘が中心となって花壇や樹木等――これは桜でございますけれども――による環境、景観づくりが行われていますが飲食店、土産物店が数店舗あるだけで、日本平において今後さらに多くの観光客を呼び込むためには地元食材などを生かした飲食の提供をより充実させ、若者がより訪れたくなるような工夫が必要であると感じます。
 日本平は観光地百選に国の名勝地として指定されておりますが、周辺には国宝久能山東照宮をはじめ石垣イチゴで有名な久能海岸のイチゴ狩り、富士山世界遺産の構成資産となっている三保松原、その他にも清水港、登呂遺跡など人気の観光スポット・エリアもあります。特に来年は大河ドラマ「どうする家康」が放送されます。徳川家康公が祭られている久能山東照宮や日本平周辺は歴史・文化資源を豊富に有する観光地であり、県内外から観光客を誘致する絶好の機会となります。さらに十月から日本政府による水際作戦が緩和され、今後は清水港に国際クルーズ船の寄港が再開することが期待されております。こうした周辺の観光地と周遊、連携できる仕組みを構築して日本平の魅力をより向上させていくべきであると考えます。
 そこで、県では静岡市や地元の皆さん方と連携して日本平夢テラスをさらに生かして日本平のさらなる魅力向上に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、自然災害に備えた土木技術職員の育成及び派遣体制について伺います。
 近年、全国で自然災害の被害が激甚化、頻発化している状況が続いています。今までにも被害を減少させる取組が国、県、市町の連携の下に続けられ土木技術も高度になってきていると思いますが、想定を超える豪雨により被害を受ける地域が拡大され復旧・復興に長い時間がかかる状況にあります。そこで早期の復旧・復興を進めるため専門知識のある土木技術職員の需要が高まっています。
 総務省によると技術職員は一九九七年に全国で十六万人でしたが、近年は十四万人を下回る水準で推移しているとのことです。また災害で壊れたインフラの復旧・復興を支援するため二年程度にわたって被災した自治体に派遣可能な技術系の都道府県職員は本年四月時点で計二百十人であることが分かり、静岡県では十人以下の近年横ばいとなっているとのことです。
 本県では、熱海市伊豆山の地区の土石流災害による教訓を踏まえ今年度から新たな盛土条例が施行されることに伴い盛土の点検や対策を進める必要がありますが、さらに台風十五号による甚大な災害が発生したことを受け今後災害の激甚化、頻発化に備えより一層土木技術の職員を確保することが求められています。
 現在、県では土木技術職員の確保に向けて県職員の仕事、魅力、やりがいを紹介する静岡県公務員フォーラム、県庁の職場訪問と若手職員とのフリートーク等を実施する県庁仕事スタディツアーなどを開催するほかSNS等による情報発信に努め若者を中心に土木関連業の魅力を伝え担い手の確保に取り組んでいると承知をしております。しかし今後県民を自然災害から守るためには土木技術職員を確保するだけではなくて、迅速に復旧・復興を進めることができるよう日頃から職員の技術力の向上を図るとともに県内の被災地の状況に応じて的確に土木技術職員を派遣することが必要であると考えます。
 そこで、自然災害に備えた土木技術職員の育成及び派遣について県の所見を伺います。
 次に、道路の交通安全対策について伺います。
 道路の交通安全対策において交通規制に関わることは警察当局が担当しており、交通規制標識、信号、速度標示、停止線、横断歩道その他止まれの規制の文字を設置していますが、一方国道、県道、市町道の管理者は規制以外のドライバーへの文字表示等による安全運転を注意喚起することが必要であり、特に狭い道路、四つ角、見えにくい道路では道路管理者が行うことになります。ただし文字の大きさ、文字数、文章を警察当局に確認することが多くあると思います。
 例えば道路が狭くトラック、乗用車、二輪車、自転車の走行が多いところで四つ角に注意、すぐ先優しく運転などの文句が立てられております。規制の文字に比べて優しい文章で注意を促すことが有効ではないかと思います。
 県内には多くの狭い道路が車道専用として整備することは難しく、一方通行になれば専用の片側歩道の可能性が出てきますが実行するまでには期間が長くかかると想定しています。
 今回県は緊急の交通安全対策をスタートしました。狭い道路は三十キロ規制または四十キロ、広い道路は五十キロ、ただし特に通勤時は三十キロのところは四十キロ、四十キロのところは五十キロ以上で走行することが大半です。そのためにも数字と合わせ分かりやすい文字で注意を促すことが必要であります。
 今後も、道路管理者は警察当局と密に連携して路面表示の活用等による交通安全対策をさらに推進する必要があると考えますが、県の見解を伺います。
 最後に、探究的な学習の推進について伺います。
 近年、グローバル化の進展や社会構造の変化、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う生活習慣、学校生活に制約が課されるなど子供たちにとっても予測困難な時代を迎えております。こうした時代であるからこそ子供たちが自ら考え行動する力をつけることは非常に重要であると感じているところでありますが、文部科学省において学習指導要領の改訂の大きなポイントとして探究的な学習に大きくかじを切ったところであり、静岡県もこの方針に重点を置いていると承知しております。
 先日、文部科学省選定のドキュメンタリー映画「夢見る小学校」が静岡市内で上映され私もこの映画を同僚議員として見てまいりました。その映画の中には三十年前から体験学習を実践している先進的な学校として学校法人きのくに子どもの村学園の取組が紹介されていました。
 きのくに子どもの村学園は一九八四年に新しい学校をつくる会を発足し戦後初めて学校法人として認可された自由な学校であり、国内では小学校五校、中学校五校、高等専修学校一校を運営しており、どの子にも感情、知性、人間関係のいずれの面も自由な子供に育てることを基本方針に上げております。自己決定の原則、個性化の原則、体験学習の原則の三つを大切にして教育に取り組んでいます。
 具体的には、学習計画や行事の立案が子供と大人の話合いで決まる、子供たちが同じペースで同じ答えに向かっている学習ではなくて広い範囲の様々な学習や活動が選べる、本やドリルの勉強よりも実際につくったり調べたりする活動が重要視されるといったことになります。子供の自主性を重んじる教育方針、取組は探究的な学習を推進していく上でも大変すばらしいと感銘を受けたところであります。
 また、この映画を見た静岡県内の父母の皆さんが県内でこの学校を設立してもらいたいときのくに子どもの村学園に対して働きかけをしていく運動を始めたと聞いております。従来型の知識を詰め込む教育ではなく子供たちの主体性、自立性を重視した教育の期待の表れではないかと思います。
 子供たちが自ら考え行動する力を身につけるため様々な場面で探究的な学習を推進していくことは本県の教育行政においても重要であると考えます。教育長の所見をお伺いします。以上答弁をお願いいたします。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 林芳久仁議員におかれましては県議会議員在職五期二十年、またそれ以前に旧清水市の市議も四期もお務めになられまして自治に対する功労は偉大なるものでございます。このたび栄えある自治功労章に輝かれまして、改めてお祝いを申し上げます。おめでとうございました。
 林議員にお答えいたします。
 まず、清水港からの農産物輸出促進についてであります。
 清水港は本県の産業、経済を支える国際物流拠点であります。さらに昨年中部横断自動車道が開通いたしましたので、ふじのくにの奥座敷である山梨県や長野県がより身近になりまして本県の質の高い、いわゆる農芸品と併せて両県産品を輸出する取組が順調に動き出しております。
 御案内のとおりバイ・シズオカ、これがバイ・ふじのくに、さらにバイ・山の洲くにに発展をしておりますが、同時にこれはそれをPRするということも含んでおりまして、いわばセル山の洲くにと、売るということですね。そういう動きも出てまいりました。
 清水港における農産物の輸出促進に向けまして、本年六月にはドックシェルターの供用が開始されました。七月には県の山の洲くに産品の清水港輸出拡大事業に採択された事業者がこの設備を活用して山梨県産の桃や静岡県産の野菜を香港に輸出しております。現地到着時の品質も良好で、当地のスーパーでは箱入りの桃が飛ぶように売れるなど好評を博したところでございます。さらに今月二十日には国が甲府市で開催する清水港農産物輸出セミナーに参画しJA静岡経済連、またジェトロ静岡などの関係機関と共に農産物輸出の一層の拡大に向けて山梨、長野等の農業者に清水港の利用を呼びかけてまいります。
 また、新たな取組といたしまして本年十一月に農産物輸出にチャレンジする事業者を資金面で後押しする金融機関と連携した海外展開セミナーを開催するなど、県内及び山梨県の荷主や経済関係者等を対象として農産物輸出拡大に幅広く取り組んでいるところであります。
 加えて、RORO船航路で結ばれた大分県や船会社と共に熊本県、宮崎県など九州の五地域で定期航路の利用促進に向けた説明会を開催し九州地域からの集荷を拡大させるなど清水港のさらなる輸出の促進に向けたポートマーケティング活動も強化してまいります。
 議員御指摘のとおり円安の影響により農産物の輸出を加速するチャンスであります。この好機を逃さず事業者、金融機関などの関係機関と緊密に連携し計画目標を前倒しできるように世界に開かれた海の玄関口である清水港からの農芸品、農産物のさらなる輸出促進に取り組んでまいります。
 次に、日本平の魅力向上に向けた取組についてであります。
 日本平は世界遺産富士山、世界で最も美しい湾クラブの駿河湾、南アルプスユネスコエコパークなど世界クラスの資源を一望できる日本有数の観光地であります。県では日本平観光の中核となる施設として日本平夢テラスを整備いたしまして、静岡市や地元関係者の皆様と連携し日本平周辺地域の魅力向上に取り組んでまいりました。
 日本平夢テラスのラウンジでは石垣イチゴを使ったショートケーキや静岡茶のかき氷、いわゆる茶氷など静岡らしさを感じていただくメニューを提供しており、引き続き地域の大学や周辺施設と連携し旅行者の皆様に地元産品を生かした地域の食や食文化を楽しんでいただき消費拡大にもつながる取組を推進してまいります。
 富士山の世界遺産登録十周年を迎える来年は本県が東アジア文化都市、言わば日本の文化首都となる年に当たり、大河ドラマ「どうする家康」が放送されるという絶好の機会と重なりました。日本平の歴史・文化資源である久能山東照宮と静岡浅間神社、駿府城公園など家康公ゆかりの地を巡る周遊プランの提供をはじめ歴史や文化への関心が高い国内外の旅行に強力に情報発信を行って観光誘客に取り組んでまいります。
 さらに、清水港に寄港する国際クルーズ船を含め今後増加が見込まれる訪日外国人旅行者にも日本平の魅力を発信するため日本平夢テラス敷地内に多言語化に対応した観光デジタルサイネージを設置するなど、日本平地域の魅力をより多くの方々に理解していただく取組を進めます。
 日本平周辺地域は眺望、歴史、食、文化芸術など多彩な魅力と可能性を持つ観光地です。今後地元関係者と連携し日本平夢テラスと周辺地域が一体となった魅力の向上を図り国内外に発信することによって、コロナ禍で疲弊した観光産業の早期回復と将来に向けた日本平地域のさらなる発展につなげてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(藪田宏行君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 次世代の漁業を担う人づくりについてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり漁業就業者の減少が進む中、本県水産業を持続的に発展させていくためには次世代の漁業を担う質の高い漁業者を育成、確保していくことが大変重要であります。このため県は漁業高等学園を中心に即戦力となる漁業人材育成や大型漁船の幹部職員となる海技士免許保有者の確保に取り組んでおります。
 学園の入学生の確保に向けましては、オープンキャンパスの開催や就業支援フェアへの参加等に加えユーチューブ等のSNSやブログにより多くの若者に学園の魅力をPRするなどの取組を行っており、引き続き様々な手段で情報発信を強化してまいります。
 また、運営体制の確保につきましては、水産・海洋技術研究所や調査船「駿河丸」での勤務経験を有する職員により現場で培った技能や知見を指導することに加え、さらなる体制充実の観点から教務職員の増員や生徒の悩み・不安に対応するカウンセラーの配置などに取り組んでおります。
 さらに、大型漁船の運航に必要な人材の確保につきましては、県内漁協による漁船員を対象とした海技士養成講習の開催を支援するほか学園では最新鋭の操船シミュレーター等の器材を活用した実習を強化しており、引き続き生徒の技能向上を図ってまいります。
 県といたしましては、今後とも漁業高等学園を核としながら次世代の漁業を担う人づくりに取り組み本県水産業の持続的発展を目指してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 自然災害に備えた土木技術職員の育成及び派遣体制についてお答えいたします。
 地球規模の気候変動に起因し風水害が激甚化、頻発化しており、被災後の社会経済機能の回復のためには公共土木施設の早期復旧が不可欠であり、これを担う土木技術職員の育成が極めて重要となっております。このため日頃からの職場研修に加え市町の職員も対象として大規模災害時の緊急的な対応や災害復旧に必要な知識と技術の習得を目的とした研修を実施し技術力の向上に努めております。さらに東日本大震災以降、全国の被災地における復旧・復興支援に延べ百六十五人を派遣し実務経験を重ねることで本県の災害時にも生かしております。
 県内市町への人的支援につきましては、ふじのくに災害復旧支援隊制度により支援要請後直ちに職員を派遣し災害査定に向けた支援を行っております。今回の台風十五号については四名の土木技術職員を静岡市、川根本町に二か月間派遣したところであります。今後も市町に対し制度を周知するとともに、発災時には被災の状況に応じて積極的に制度の活用を働きかけるなど的確な職員の派遣に努めてまいります。
 県といたしましては、今後も災害の激甚化や頻発化にも十分対応できる職員の育成に努めるとともに、被災した市町へ迅速な支援ができる体制を整え災害復旧への対応力を高めてまいります。
 次に、道路の交通安全対策についてであります。
 県では、道路交通の安全と円滑を図るため車両と歩行者が輻輳する特に注意が必要な箇所におきまして路面に文字やカラー舗装等を設置し道路利用者の注意喚起を図っております。
 このうち、文字による路面表示は道路利用者が具体的に注意内容を認識できるため警察と協議の上、県管理道路においては事故が多発する交差点付近に交差点注意、走行速度が出やすい区間に速度落とせといった文字を設置し安全対策に努めてまいりました。
 議員御提案の易しく分かりやすい文章での路面表示につきましては、ドライバーに対して表示の意味を伝えやすい一方で文字数によっては注意力が散漫になるおそれがあります。このため地域住民、学校関係者、警察、市町等と連携して実施する通学路の合同点検や交通事故現場診断等の場で簡易で即効性のある対策としまして現地に適した表示内容や設置位置を検討してまいります。
 県といたしましては、道路利用者の皆様が安全で快適な交通を確保できるよう引き続き地域住民や警察をはじめとする関係者と密に連携しながら、さらに効果的な交通安全対策に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 探究的な学習の推進についてお答えいたします。
 児童生徒が予測困難な時代を生き抜くためには、自ら考え行動する力を身につけることが重要であります。
 御紹介頂いたきのくに子どもの村学園はこうした力を身につけるための探究的な学習を実践しており、大変共感するものであります。私も教育長就任以来探究を本県教育の最重要テーマと掲げ自ら先頭に立ち取組を進めております。本年を探究元年と位置づけ、八月にはそのキックオフとして探究シンポジウムを開催し先進事例の共有や参加者同士のネットワークづくりを図ったところであります。
 現在、学校では学習指導要領に基づき探究的な学習が行われておりますが、一部には先進的な取組が見られる一方、教員の経験や地域連携のノウハウが不足していたり具体的な授業の改善が必要になっているといった課題もあります。今後こうした教員のスキル向上と学校への支援体制を確立するため教員への研修や学校と地域をつなぐ人材の育成、ノウハウを共有するオンラインプラットフォームの構築など必要な体制整備を進めてまいります。
 また、令和六年度開講予定の志榛地区新構想高校につきましては、国際バカロレア教育を導入し究モデル校として多様性や自由を尊重する新しい教育の象徴となる学校を目指すとともに、こうした教育を県内に広げていきたいと考えております。世界が大きく変化する二十一世紀に求められるのは個人として自立し多様な価値観を認めよりよい社会づくりに参画し行動する人、すなわち有徳の人であり、言い換えれば探究できる人であります。
 県教育委員会といたしましては、こうした人材を育成するため引き続き授業をはじめ様々な場面において探究的な学習のさらなる充実を図ってまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 林 芳久仁君。
       (六十四番 林 芳久仁君登壇)
○六十四番(林 芳久仁君) 御答弁いろいろと細かいところまでありがとうございました。
 要望をして再質問も一点と思います。
 例の道路管理者のですね、国道は除いて今言ったように県道、市町道ということでありますけれどもこれは今県のほうで緊急の分としてやってますけれども、これとは少し関係はするんですけれども細いその四つ角の分も非常に警察のほうの規制はやってるんですけれども、守らない人がたくさんいるということもこれも現実であります。ですからいろんなところでですね、四つ角では子供たちが遊ぶ部分もあるし、それは学校教育もありますけれどももう一度ちょっと、特に四つ角のね、狭い道路で四つ角のところをやっぱりこれは全県にまたがると思うんですけれどももう一度調査をしていただきながら、ここにはこういう文字で表示すると。今の塗料はかなり夜光性の、浮くもんですから夜でも分かると。標識だとなかなか見にくいということもあるもんで、そういう面でいくとやっぱりしっかりとして、しかもただ止まれとか単純な言葉じゃなくて易しい言葉で短く短くやっていただくのが一番で、喚起できると思うんですよね。これは私も警察署で、何回も行ってそういう話をしましたら、それは、言葉は、文字は皆さんのほうで考えてくれれば、規制にかからなければいいですよとこういうことでやってるもんですからもう一度その辺を、事故が起きてからでは遅いですからぜひその面で気をつけていただいてお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 それから漁業学園ですね。これが私も調べたところ以下ですね、最近また全国で四か所あるんですけれども、この全寮制を短縮して六か月とか三か月という分が出てきてるんですね。そうすると試験だけで通ればいいと、短期で。そういうことじゃあんまりね、この静岡県の漁業高等学園はすばらしい教育をやってるんですよ。指導者もすばらしい。それはやっぱり全国に模範とすることで評価されているということでありますのでこの辺はしっかり続けていって、県外から六割ぐらい来てるんですからそういう面でやっぱり土台としてね、静岡県がつくった学校ですからこういうものをしっかりしていただいてできるだけ、人数がちょっと減ったからということじゃなくてしっかりとして拡大していくというか、極端に言うと全国から来てもらうと。そういうものを手がけていくような運営をぜひ今後とも続けていってほしいと思います。
 今、知事のほうからありました輸出の関係ですけれども、これは最初の清水港からの分としての計画があったんですね。令和八年まで。それで十月に政府のほうで円安効果をやりたいと。それで二兆円を前倒しで早くやりたいということでありますので、この辺についてもう一度、ちょっと言いにくいんですけれども前倒しに伴う今この協議会、静岡県の目標をどう考えているのかもう一度答えていただければありがたいと思います。以上です。
○議長(藪田宏行君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 清水港における農産物輸出の目標についての再質問にお答えいたします。
 県では、官民連携の協議会において連携計画ということで計画をつくりまして、これに対して国から認定を受けているというのが令和三年の八月に策定した計画の経過でございます。この中では令和八年に総輸出額を四千万円という目標を設定しております。これについてはいろいろ現在の実績を踏まえて、今後ドックシェルターの活用を見込んで立てた計画でございます。
 現在、取組といたしましてはドックシェルターを使用した様々な実証実験を継続して行っている段階でございます。国の総輸出額の前倒しということも踏まえまして、県としては甲信地域等の山の洲くに等からの輸出を拡大するなどしてこの現在の令和八年に輸出額四千万円の目標を一年でも早く前倒しできるように取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(藪田宏行君) これで林芳久仁君の質問は終わりました。(拍手)

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