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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

天野 進吾 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/03/2017

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 統合型リゾート施設(IR)整備推進法案の可決に対する
 知事の見解について
2 看過できない知事の発言について
3 夢のクルーズ構想への取り組みについて
4 県民人口の逓減について


○議長(鈴木洋佑君) これで三ッ谷金秋君の質問は終わりました。
 次に、五十九番 天野進吾君。
       (五十九番 天野進吾君登壇 拍手)
○五十九番(天野進吾君) さて、今議会も議員各位の真剣にして時宜に合ったすばらしい質問戦が展開されてきましたが、いよいよ私をもって最後となりますので今しばらくのおつき合いのほどお願い申し上げます。とはいえ質問通告からおわかりのように、私自身の忌憚のない思いを、以下、知事並びに関係部長にお尋ねいたします。
 初めに、統合型リゾート施設整備推進法案いわゆるIR法の可決に対する知事の見解についてお伺いいたします。
 議員各位も御存じのとおりIR法案は年来の課題であり、私にとってかけがえなきテーマでありましたので、まずはカジノ関連から質問をいたします。
 思えば私にとりましては、早十数年、この時の至るを待ち続けてまいったのであります。御案内のように昨年の十二月十五日、国会では賛否両論相打つ中で統合型リゾート施設整備推進法案いわゆるIR法案が可決され、いよいよ我が国も世界百四十カ国の仲間入りが決定したのであります。私にとってIR法案が通過したときのその思いをあえて例えれば、いささかきざではありますが、「遂に新しき詩歌の時は来たりぬ、そは美しき曙のごとくなりき」に始まる島崎藤村の若菜集の冒頭の言葉、すなわち新時代への歓喜の言葉を思い出させるものでありました。そうです、私にとりましてはこのIR法案の国会通過は、鶴やキリンに負けないほど首を長くして待ち続けてきた政治課題でもありました。もちろんこのIR法案が国会を通過したからといっても、実現までにはなお賛否両論、かんかんがくがくの議論が国、地方を問わず続くことでありましょう。
 そこでこの際、近年カジノを解禁した国としてスイスの経緯について御紹介いたします。
 数年前までスイスはヨーロッパの主要国の中で唯一ノーカジノのレッテルを内外に自慢してきました。が、ついに時代の要求に抗することができずカジノを認可したのであります。その解禁に至るまでの経過を簡単に紹介しますと、我が国と同様スイスもまた年々長寿命化により社会保障費の増高に窮したことからであります。困り果てたスイス政府は国民の賛否両論相ある中でカジノにその財源を求めたのでした。
 御案内のように、スイスを取り巻く周辺国、フランス、イギリス、ドイツ、オーストリアの全ての国は昔からカジノがあり、スイス国民の多くも気軽に隣国のカジノに出かけておりました。当然のことながら出国すればカジノ以外にも宿泊から食事、買い物など多額な出費を伴い、結果としてスイスの貴重な財産が流出するところとなっていたのであります。
 その一方、スイスと言えば世界に冠たる観光立国、アルプス山脈が走り至るところが風光明媚な地であります。ところが観光地チューリッヒにおいても午後六時を過ぎれば町には人けがなく、商店は閉鎖、外国人観光客には極めて不評でした。こうしたことからスイスはカジノ開設の国民投票を経て、二〇〇二年にカジノをオープン、現在では大小二十カ所のカジノが誕生したとのことであります。その結果さらに多くの観光客がにぎわう国に衣がえすることができたのであります。
 昨年十二月、国会でIR推進法が成立した後の定例記者会見において川勝知事は質問に答えて「県内にIRの適地があるとすれば熱海の初島だろう。静岡市の日本平もあるが風致地区なので向いてはいない」と答えているのであります。率直に申し上げます。川勝知事のIRに対する認識の希薄さと相まって日本平がIR誘致の絶好な環境にありながらこれに一べつもしない静岡県政に寂しさを禁じ得ないのであります。
 若いころからにぎわいのある町静岡を期待してきましたが、正直言ってその夢は年々瓦解して散り続けております。そんな中、川勝知事が自賛していた世界で最も美しい湾クラブに加えられた駿河湾にこのたび国からの夢のクルーズ構想が提唱され、俄然この地域が色めきだったのであります。いかがでしょう、清水港に入る豪華客船のお客様に日本を象徴する美しい富士山とフランスのコートダジュールを連想させる折戸湾、そして天女が遊ぶ三保松原を満喫してもらおうではありませんか。
 知事の言う「日本平にはカジノは似合わない」の言葉は、既に私の耳にはたこになっておりますが、人の訪れの少ない現在の日本平をそのまま放置して満足でしょうか。風致地区の設定は大昔の役人のやったこと、おかげでかつて日本観光百選コンクールで第一位の日本平は今ではどこにもありません。古語に「宝の山に入りながら、手を空しくして帰る」という言葉があります。いわんや過日の山田議員の質問の中でも取り上げられておりましたが、夢のクルーズという超ビッグな構想が生まれようとしている昨今、私たち議会人も行政の勇気ある挑戦に期待しこれを応援してまいりたいと存じます。
 ところで、この際ですのでIR法案が論議される中でギャンブル依存症と並んで反対理由とされる風紀の悪化についてあえて言及しておきます。
 議員並びに当局の皆様方にお尋ねしますが、例えば東京、横浜、名古屋、大阪など大都市の歓楽街では今夜も堂々とカジノクラブが展開、開張されている事実を御存じでしょうか。例えば東京では六本木、渋谷、新宿などの繁華街では三桁を数えるカジノクラブが存在すると聞いております。しかもそれを経営する連中は背中に暴力団のレッテルを背負っている連中であります。否、この静岡市でもカジノ賭博を開張し、摘発、逮捕された事例は少なくはありません。正直申し上げます。我が国がカジノ解禁になることを最も恐れている人々は、ほかならぬ暴力団組織であります。
 ついでのことながら、あえて申し上げておきます。既にお隣山梨県議会ではカジノ研究チームが誕生、折あらば誘致に立候補すると意気込んでおります。お公家様育ちの静岡県の気質を見越して、山梨県は既に富士山空港を交通の媒体として富士山の景観を主軸とするIR誘致に積極的に研究していると灰聞しております。
 そこで、川勝知事にはこれまでもカジノ誘致については門前払いと決めておりますが、この際IR法案の国会通過について御所感をいただきたいと思います。以上がカジノ関連の質問であります。
 次にお尋ねする件は、いささか川勝知事には心穏やかざるところでありましょうが、今議会の最後の質問者であれば避けて通れない一件とお考え、お伺いいたします。
 一月十八日、各党代表者が打ちそろって知事室に川勝知事に抗議すべく伺った一件であります。一月四日、新春知事対談と銘打って大学生数人とのテレビ対談が放映され、その中で川勝知事の言葉に議会から厳しい意見が出されたところであります。もちろん学生たちとの対談であれば、ある程度の忌憚のない言葉やそんたくしない表現も日ごろから甲論乙駁している私たちには十分しんしゃくできるところではありますが、その日の知事の発言には残念ながら一片の言いわけも釈明の言葉もなかったとのことに正直驚いているところであります。
 テレビ討論の中で知事は若者たちを鼓舞する目的で言ったのでしょう。「今ある県議会は職業政治屋という方がやっていますよね。今のようにお金がかかるとか、若者を初めから排除しているじゃありませんか。一般の人たちを排除して、いわゆるプロですね。権力欲とか金銭欲しかないような、見るからに表情が腐っている人たちがいっぱいいる。それが投票しても無駄じゃないかという閉塞感を生んでいるとすれば、本当に危険ですよね」云々。
 率直に申し上げます。本当に知事はその表現のようにこの県議会を見ているのでしょうか。まずは、この点についてお尋ねをいたしておきます。
 この六月には知事選挙が控えております。過去二回の選挙戦で川勝知事は多額の選挙費用を費やしたようにはいささかも思えないところであります。それは選挙民が金銭や権力に翻弄されることなく自分自身の判断で確かな一票を行使されているからと信ずるからではありませんか。
 また、知事の言葉の中に職業政治家をさらに罵倒した職業政治屋との表現がありました。この言葉を聞いた私は早速ドイツの政治哲学者マックス・ウェーバー著の「職業としての政治」を購入し、老いらくながら勉強してまいりました。もちろんマックス・ウェーバーの言わんとするところと私の理解には大いなる乖離があることは充分承知の上で、以下、自身の意見を述べさせていただきます。
 近年の我が国の地方議員像は、私の見る限りかつての地域ボスから脱却し、議員職に誇りを持って市民に真っ向から対峙していると思うのであります。むしろ昔の政治家像こそ地方、国政を問わず、功なり名を遂げた人々が、あるいは恵まれた財産の継承者たちが携わる仕事と考えられてきましたが、今日では大衆の中からみずからの仕事と選択した人々によって組織されつつあると考えるのであります。
 かく言う私も生涯を地方自治に全うしてきた一人です。さりとて一度としてみずからを職業政治屋と考えたことはありません。例え物質的に厳しさを感じたとしても、あすの静岡市、静岡県の繁栄、発展を願い、もって自身の行動の範としてきたからであります。
 そこでお尋ねいたします。知事が言う金銭欲とか権力欲に翻弄される議員が本当にあなたの目には映るのでしょうか。少なくとも私の視界には物質的欲望に振り回される議員にお目にかかったことはありませんが、あるいは知事の観点からすれば私の目は節穴なのでしょうか。
 また一方、一月十八日、各党代表者会議の後打ちそろっての抗議行動に対し知事は、汗と一緒で出たものは撤回しようがないと言われたと灰聞しておりますが、もとより汗は人格にかかわるものではなく、体温調整のために暑ければ自然に発汗するものであります。昔から私は川勝知事に対してまれに見る碩学の人と評価をさせていただいてまいりましたが、その知事が「綸言汗のごとし」という格言を知らぬはずはないでしょう。一たび口に出した言葉は発汗した汗と同様元には戻りません。まさに天使にはたわむれの言葉なしと同意語と思うのであります。どうぞこれから発汗した汗に気がついたときには即刻タオルかハンカチでぬぐってみてはいかがでしょう。またその際発言された職業政治屋との表現に撤回や弁明するお考えはないでしょうか。今一度知事にお伺いする次第であります。
 次に、夢のクルーズ構想への取り組みについてお伺いいたします。
 山田議員の質問からも久しぶりにうれしい話題として今議会の目玉商品として質問されておりましたが、私からもここの夢のクルーズ構想については重複するところあろうかと存じますが、以下お伺いいたします。
 正直申し上げて、昨年世界で最も美しい湾クラブに加盟したとの知事の言葉にいささか何のことかとちゅうちょしておりましたが、このたび国土交通省が夢のクルーズ構想とも言える官民連携による国際クルーズ拠点を形成する数少ない港に清水港が選ばれたことは、本県の新たなスプリングボードとして大いに喜ぶものであります。それは静岡県の持つ個性を今後いかんなく発揮できる一大プロジェクトに思えたからであります。
 さて、事の起こりをかいつまんで説明すれば、横浜市が郵船クルーズと組んで横浜港を再整備しようとする意図からこの構想は生まれたと聞いております。すなわち旅客施設等に対し大規模な投資を行うクルーズ会社にその岸壁の優先使用を認めようとの発想から生まれたプロジェクトで、国交省として官民連携によるクルーズ船の受け入れ体制を全国に整えようとする企画から誕生したものであります。
 御案内のように、日本の港湾はこれまでのそのほとんどが貨物船向けに整備され、クルーズとしての利用目的は考えられていませんでした。それは我が国が今日の経済大国に至るまでのプロセスが極めて短期間であったことから客船による旅行はほとんど見向きもされなかったからであります。しかしここに来て富裕層の観光に伴う交通手段はこれまでの航空機一辺倒からクルーズへの転換が見られ、このたびの国土交通省の発想もその需要に応えようとして誕生したものであります。
 その変化をあえて数字で示せば、二〇一四年の訪日クルーズ旅客数は四十万人だったものが翌年には一挙に百十万人を記録、さらには昨年二倍の二百万人、そして東京オリンピックの二〇二〇年には五百万人の来日をもくろんでいるところであります。このたびその国際クルーズ拠点に清水港ほか四港湾が選定されたところであります。もとよりクルーズ拠点の形成には多くの課題があろうかとは思います。静岡県にとってまさに天与の贈り物と思えば、これこそ真正面から取り組むべき課題であると確信するものであります。
 ついては去る十五日、静岡市内で開催されたシンポジウム「観光先進県実現に向けた“ふじのくに”の挑戦」の中で講師の言葉にもありましたが、清水港の国際クルーズ拠点の形成こそ本県のスプリングボードとしてまさに時宜を得たものと喜ぶものでありますが、知事の御認識をお聞かせいただきたいと存じます。
 殊に、この事業の共同事業者に香港を拠点とするクルーズ船運航会社ゲンティン香港と整備を進めることになったのでありますが、このゲンティン社こそマレーシアやシンガポールにカジノを展開する企業であり、次への展開を期待するところであります。空と海に港を構築することができれば将来の静岡県の発展に大いなる光明と思えるのであります。
 最後の質問に移ります。
 このたびの質問に当たって各種資料をひもといていく中で、偶然机の引き出しから「県政展望確かな明日へ」と題した昨年正月の静岡新聞の社説が出てきました。これを見ながら、それではことしの新年の社説はいかんと思い比較してみれば、何と冒頭から前年と同様の県民人口の逓減が取り上げられておりました。その記事の中で特に厳しい指摘をされているところは、静岡県が合計特殊出生率の目標数値を二・〇七としている点であります。出生率二・〇七はいわゆる人口置換水準と言われ、逓減しない最低限の数値ではありますが、さりとて我が国にとってその数値はまさに夢のまた夢、考えられない数値でもあります。
 そこで、これを単なる絵そらごとにしないための具体的手法についていま一度考えてみようではありませんか。
 私の古き友人の鈴木敏夫さんが再び川根本町の町長に指名された時、八千人にも満たない町政運営は何ともしがたいだろうとその出馬に反対したことを覚えております。しかし今その川根本町は県立川根高校と協力して遠方から生徒を受け入れる川根留学を実施しております。将来的には全国募集も見据えているとのことであります。川根留学生受け入れのために町では寄宿舎を整備し、生徒の生活面をサポートしているところであります。もちろん全国初の試みではありませんが、こうした挑戦こそ今日の地方自治体には貴重ではないでしょうか。
 川勝知事、いかがでしょう。県下各自治体に夢の挑戦を募集してみては。要はきっかけであり、そして自治体の夢の挑戦の機会を県が音頭をとって、たとえ常識外れの試みであれ自治体を鼓舞してみてはいかがでしょう。県もまた市町と一緒になって、おとなしく妥協し続ける行政からの脱却を心がけてはいかがでしょう。チャレンジャー静岡を構築していただきたいのであります。
 年頭の静岡新聞の社説もまた、静岡県の脱皮を期待していると存じます。ついては知事の率直な見解をお伺いしたいと存じます。
 以上で私の質問は終了いたしますが、最後にこの三月をもって県職員を辞し、退任される皆さん、先ほどふじのくに県民クラブの三ッ谷議員からお別れの言葉がありましたけれども、私からも自民改革会議を代表してお礼と送辞を申し上げます。
 果たして六十歳定年制が現代社会にあって妥当か否か、もとよりここで論ずるべきものではありません。が、議員諸氏も長寿社会にあって久しく続いてきた六十歳定年制についていささか疑問に思うところでありましょう。人生八十年と言われたのもつかの間、今では男性も八十歳を超え、女性に至っては八十七歳を数えるまでの長寿社会となったのであります。このたび六十歳定年をもって退職される皆様方には今日を起点として新たな人生を堂々と切り開いていかれること、心より期待を申し上げます。もとよりあなた方は肉体的にも精神的にもまだ清新の血にあふれ、これまで県庁職員として公職に専念、そこから学んだ知識と経験は必ずやこれからの人生をさらに充実したものに構築されると期待いたします。何とぞ各位には、さらに健康に留意して託された人生を完遂されますよう祈念申し上げて私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 日ごろから敬愛してやまない天野進吾先生から、この三月をもって定年によって退職する職員に対しまして、その後の人生への励ましも含めて歓送の辞をいただきましてまことにありがとうございました。
 さて、天野進吾議員にお答えいたします。
 統合型リゾート施設――IR整備推進法案の可決に対する私の見解でございます。
 カジノ施設を含む統合型リゾート――IRは、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を予定している我が国にとりまして外国人旅行者を初め国内外からの交流人口の拡大やこれに伴う周辺地域の経済の活性化の面で効果的な施策であると認識しております。
 一方、多くの国民が新たな犯罪の発生や治安の悪化、青少年の教育上の配慮、ギャンブル依存症等さまざまな影響を懸念しているのは御承知のとおりでございます。今回の法成立の過程におきましてもこうした課題に対しまして多くの議論がなされたところであります。
 天野議員にはかねてから日本平でのカジノ構想について御提案をいただいております。日本平は世界遺産富士山を初め駿河湾や伊豆半島を望む我が国屈指の名勝であります。ふじのくにの宝とも言うべき場所でございます。さらに日本平を仰ぐ折戸湾は世界で最も美しい湾クラブに加盟した駿河湾の中心であります。世界遺産の構成資産である三保松原にも隣接しているエリアであります。日本平の地名は日本武尊が山頂から四方を眺めたという神話から名づけられたとされておりまして、家康公がみずからの墓を築かせた久能山東照宮など神話、歴史、文化に彩られた地であります。日本的な景観を維持しながら本県や我が国の文化を象徴するエリアとなることこそがその地域性に最もかなうものと考えておりますし、県都としての風格を保つ上におきましてもこのような考えを改める意図はありません。
 さはさりながら、地域の将来のあり方を決めるのはそこに住む住民の皆様であります。将来どのような圏域を形成すべきか、みずから暮らす地域にはどのような施設を整備するのがふさわしいかなど、先生が中心になられまして広くそれこそ公論を起こしていただきまして、そして方向性を定めていくことが肝要というふうに存じます。
 住民のコンセンサスがあればというのは重要な要件になるのではないでしょうか。時あたかも静岡市、特に折戸湾、この清水区におきましては、今将来の清水区のありようをめぐって住民のコンセンサスを得ようという動きがあります。これをいわば追い風として偶々ゲンティン香港もやってくると。この数も年間に間もなく百隻というのも決して夢ではありません。そういう人たちをどのようにもてなすかということも含めて、そしてまた世界で最も美しい湾に入ってきた人たちをということで地元の人たちが望むのであればこれは十分に考えるに値するというふうに存じます。
 ひとつ、もう一度市長にでもなっていただいて、今の市長さんのようにもうここしかないと、これしかないというようなのは困りますが、しかし広く公論を起こしていただきましてそして天地の行動に基づくということであれば、場所もしっかり計画を立てましてやればこれは十分に推進するに値するのではないでしょうか。ただし時間は余りありません。そうした中で今のこの病院問題をいわば明るい方向に変えるためにも、病院をどこに持っていくかという問題で争われている住民のコンセンサスの問題をこの将来構想の中で議論されているわけですから、このIRこれを折戸湾のすぐ近くにするのかあるいは場所を先生お考えであると存じますがこうしたものをこちらから提起する形で議論を徹底的にしていただくという手続さえあればこれを私は――私の考えは私の考えとしてございますけれども――先生のお考えを推進する一つの方法ではないかというふうに存じる次第でございます。
 さて次は、看過できない私の発言についてであります。
 天野進吾先生は私と余り年齢はかわらないのでありますけれども、しかしぶらっと知事室に立ち寄られ、それこそ忌憚のない御忠言を賜ることがたびたびこれまでもございました。私は先生にも申し上げておりますがいわば私にとっての水戸の御老侯であるということで、その御意見に対しましては拳々服膺しているところでございます。
 さて、今回の件でございますが、前回、深澤議員からの御質問に対してもお答えしたとおりであります。これは十二月十四日、昨年の午前九時から十時二十分、約八十分の議論です。そしてその翌年一月四日九時半から十時、三十分間放映されたのですけれども、放映時間三十分のうちコマーシャルと街頭インタビューが十分、したがって紹介映像を撮ってございました。放映された時間は二十分ということであります。したがって八十分の話の中で二十分分だけが放映されたということであります。まずそのことをよく御承知賜りたいと存じます。
 そして、問題のこの脈絡でございますけれども、二人の学生さんが若者協議会というものをつくってほしいと、アクティブシチズンとして地域に参加していけると、そしたらまた別の学生も若者協議会に関してはすごい僕も賛成ですという発言が続きまして、司会者のほうから――ここのところは省かれてますが――司会者のほうから何とか若者が協議会をぜひ取り入れていただきたいなと言っていますが知事どうですかというところでこの三十六字で三十五行、一ページ入る中で、全体四十三行の中で十五行分のところを彼らはピックアップしているんですね。それ、どう始めたかと。これも省かれていますけれども若者協議会、若者も何十万といますからどのようにして若者協議会の会員になっていただくかということがあると思いますと。学生も――私はみずから自分で編集しているんです、自分で一番言いたかったことを同じ十五行にすればどうなるかということなんですが――学生さんも日中は勉強している、スポーツをしている、ミュージカルを勉強したりしている。ミュージカルというのはここでユーリック君という学生がいまして彼は神奈川県でミュージカルを勉強しているんですね。それでミュージックと、ミュージカルという言葉が出てきているんですが、お勉強している。だけど夕刻、自分がこの協議会ですか、いわゆる県の若者の議会ですね。議員であれば行けるということであれば若者もできるんですよと。六時から八時、その間二時間町のことを議論するというふうになると、私は本当に多くの方が議会に若者を入れ込める議会をつくることができると思います。もう世襲のようなプロのようなあるいは利権と結びついているような人たちが国にもいらっしゃるし地方にもいます。富山だとか兵庫県だとかあちらこちらで問題になっているでしょう。それは静岡県も基本的に日本と同じですからそういう面もありますと。私もそういうのが目につくときもあります。職業で生活するとか票をもらうためにいろいろされたりするということではなくて、若者会議が候補者を誰にする、あるいは大学においてこの方を推すというふうにしてみんなが投票してその人が一定の得票数を持てば彼は一定期間大学の勉強時間を割いて参加できるという組織をどうしてつくったらいいかということの一つの提案がこれではないですかということで締めてるんですよ。ですからここをもしとられれば、恐らく何のこうしたことがなかったというふうに思う次第であります。
 これは、しかし私はテレビ局を責めているのではありません。新聞にしてもテレビにしましてもこれは片言隻句を捉えて放送します。これは編集権ですから。彼らにそれをする権利もございます。そして彼らがそれを捉えたのは彼らの自由です。私はそれに対して何の、何と言いますか私が発言した中身のうちのその一部をとられたわけですからこれはしようがないというふうに受けとめまして、その旨を議長先生また代表者会議で申し上げたところでございます。
 かつて、有名なのでは佐藤総理が、竹下――当時は彼は官房長官だったんでしょうか、新聞社を全部追い出せと言ったことがございました。あるいは最近では、たしか前原さんだったと思いますけれども特定の新聞社はこの記者クラブに入るなというふうに言われました。それは彼について書かれたことが気に食わなかったからです。言論の自由というのはそういうものではないでしょうか。
 ですから、これは私が批判されているわけですからこれはもう私の不徳のいたすところだということで、言った以上は仕方がない。しかしながら私は間違ったことを言ったとは考えておりません。また議会の場でこういう議論を行うことは本意ではありません。しかし御老侯のといいますか尊敬する天野進吾先生のお言葉ですから、これは胸に刻みたいというふうに存じます。県議会議員の皆様とはともに二元代表制を担う立場でございます。緊張関係を保ちながら互いの意見を尊重しつつ議論すべきことは堂々と議論を交わし、多くの県民の皆様の参画や理解を得て本県の繁栄、発展のための県政を進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞ御理解、御協力をお願い申し上げる次第でございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(鈴木洋佑君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 夢のクルーズ構想への取り組みについてお答えをいたします。
 清水港は、ことし一月に官民連携による国際クルーズ拠点を形成する港湾に選定されたところです。これはこれまでの官民挙げての取り組みが結実したものと言えます。今回連携するゲンティン香港は清水港の場の力すなわち富士山、世界で最も美しい湾クラブに加盟した駿河湾、そして近隣に富士山静岡空港があること、高速道路ネットワークが充実していること、こういった点を非常に高く評価しています。
 先月には、傘下のクルーズラインであるスタークルーズが七月から十一月まで毎週月曜日に清水港に計二十一回寄港するクルーズツアーを発表しました。これによりまして今年の清水港への全寄港回数は他のクルーズラインを含め現時点で昨年の十八回の倍以上となる四十四回を見込んでおります。早速連携の効果があらわれていると思っています。
 回数もそうでありますけれども、このツアーはその内容が革新的なものです。まず毎週決まった曜日に寄港するということです。これは日本では西日本の港だけでありました。そして今回はクルーズの起終点、例えば横浜だとか上海だとかそういうところからだけ乗るというのではなくて複数の港から乗ると。清水も視野に入れております。そして横浜、静岡、大阪という日本のゴールテンルートをクルーズ船で旅行すると。こういうものを実現したという点で非常に革新的であると思っております。本県にとって大変重要な財産となるもので、この機会を逃してはなりません。
 ゲンティン香港社とのビジネスパートナーとしての信頼関係を高めて、日の出埠頭においてゲンティン香港の投資を得て世界最大級のクルーズ船に対応するCIQを備えた旅客施設を平成三十二年までに整備したいと、そのような具体的な協議を進めているところです。またフライアンドクルーズというふうに言っておりますけれども、海外からフライトで富士山静岡空港に来て、そしてクルーズ船に乗ると。あるいはその逆ですけれども、そういうフライアンドクルーズなどこれまでの日本にはほとんどないサービスの実現にも取り組んでまいります。
 県といたしましては、清水港が世界の憧れを呼ぶ日本を代表するクルーズポートとなることを目指して、官民一体となって全力で取り組んでまいります。
 また、今回のクルーズツアーは外国からのいわゆるインバウンドのお客様だけでなくて、日本人いわゆるアウトバウンド、このお客様もターゲットにしていると聞いております。ぜひ議員の皆様にもみずからこのツアーに乗っていただくと、あるいは皆様に勧めていただくなど県を挙げてこの新しいサービスを盛り立てていくことがまさに夢の実現になるというふうに考えております。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 森政策企画部長。
       (政策企画部長 森 貴志君登壇)
○政策企画部長(森 貴志君) 県民人口の逓減についてお答えいたします。
 人口減少を克服し真の地方創生を実現するためには、市町の地域特性を生かした新しい発想や独自の創意工夫を凝らした取り組みを推進していくことが重要であります。このため県ではこうした市町の前向きな取り組みに対しこれまでも積極的に支援に努めてまいりました。
 議員から御紹介のありました川根本町では、県立川根高校への川根留学のほかにも、町内全域で敷設いたしました光ファイバー網を生かしまして内陸フロンティアのサテライトオフィス、テレワーク推進区域の指定を受け意欲的に独自のまちづくりを進めております。県中部地域政策局はこの取り組みを積極的に支援し企業誘致に取り組んだ結果、実証実験からことしに入りまして正式に外資系IT企業の進出が決定したところであります。
 また、合計特殊出生率が県内トップの長泉町はいち早く子育て世帯の保育料の負担、それの軽減する制度を創設するなど町独自のまちづくりを推進しております。県東部地域政策局が主導的に働きかけた結果、本年度から駿東地区の六市町がこの長泉方式による保育料支援を広域連携して実施することになるなど、先進的な施策が浸透し始めています。
 さらに来年度は、ふじのくに少子化突破戦略の羅針盤を活用した市町の創意工夫による取り組みを募集しすぐれた取り組みへの助成制度を創設するなど、市町の特色ある取り組みを一層推進してまいります。そのほかにも国の地方創生交付金の積極的な活用を呼びかけた結果、伊豆市のオリンピックレガシー醸成に向けた自転車まちづくり事業、掛川市のオリーブ産地づくり事業、熱海市のDMO推進事業などそれぞれ地域資源を生かした独自の発想による取り組みが県内市町に拡大しております。
 今後とも、夢の挑戦とも言える市町の創意工夫を積極的に支援し、その立案、推進に市町と一体となって取り組むこと、いわばチャレンジャー静岡の構築を目指し、我が国の地方創生の先導役を担うふじのくにづくりを推進してまいります。以上であります。

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ファックス番号:054-221-3179

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