• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成31年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

岡本 護 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/25/2019

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 知事の現場主義について
2 消費税率引き上げと本県の財政運営について
3 エシカル消費の理念の普及、実践について
4 健康経営の推進について
5 森林環境税創設ともりづくり県民税の使途について
6 特別支援教育における共生・共育の充実について


○議長(渥美泰一君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十三番 岡本 護君。
       (六十三番 岡本 護君登壇 拍手)
○六十三番(岡本 護君) 私は、ふじのくに県民クラブの所属議員として当面する県政の諸課題につきまして通告に従い、知事、副知事、関係部局長並びに教育長、教育部長に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、知事の現場主義についてお伺いいたします。
 知事は、就任当初よりみずから現場に赴き現場で学び現場に即した政策を立てる現場主義を掲げ県政に取り組んでいます。知事は、その著書「文明の海洋史観」において政治の目的は現実の社会を平和にし人々の暮らしをよくすることであり、「フィールドワークは地域の現状を把握するための作業である。地域の現状がわかると改善策が出せる。改善策を実施するのは政治の役割である」とした上で、現場に身を置き現場の課題を当事者と共有し問題の解決に一緒に取り組むと解決は早まる、それを現場主義と呼び知事室から出て県下各地をかけずりまわってきたとしております。県民の声に耳を傾け思いをともにし解決策を探る取り組みを長年続けてきた私にとって、知事の現場主義を基礎にした政治姿勢には大いに共感するものであります。
 この現場主義を実現するため、知事はこれまで知事広聴において地域で活躍する人々と意見交換を行ってきたほか、移動知事室では県内各地の企業や地域活動の現場における政策課題や県政への要望を直接聞くなど精力的に取り組んできています。特に知事広聴「平太さんと語ろう」は就任以来全ての市町において延べ六十二回開催し、約一万人の県民の参加者と地域の実情や課題、新たな取り組みなどを直接語り合い意見や要望を県政に反映してきたと承知をいたしております。しかしながら県民の県政への関心を高めるのは決して容易ではないこともまた事実であります。
 毎年実施している県政世論調査の結果によれば、県政に関心がある人の割合は平成二十八年度以降五七%台で推移しております。また県政に関心がないとする理由を見ると今年度の場合、県の政治や行政はわかりにくいからが二六・九%、次いで自分の生活に余り関係ないから一六・九%、自分の意見を出しても反映されないからが一六・一%と続いております。知事の現場主義の実効性を高めるためにも、県民の県政に対する関心を高め県政への一層の参画を促すことが重要であると考えます。
 そのためには、これまで知事広聴などで出された意見や要望をどう県政に反映してきたか県民にわかりやすく示す必要があります。また県民が県政に参加しやすい環境づくりにもこれまで以上に取り組む必要があると考えます。例えば知事広聴については現在平日昼間に行われておりますが、より参加しやすいよう例えば休日や平日の夜間に開催するなどさまざまな工夫が必要ではないかと考えます。
 そこで、知事広聴等で出された県民の意見や要望をこれまで具体的にどのように県政に反映してきたのか、その成果について伺います。
 また、より多くの県民の参加を促す観点から今後の知事広聴をどのように実施していくのかあわせてお伺いいたします。
 次に、消費税率引き上げと本県の財政運営について伺います。
 消費税については、平成二十六年四月に八%に引き上げられて以来これまで二度の延期を経て本年十月に十%に引き上げられる見通しとなっております。消費税率の引き上げは、国民の租税負担の増大はもちろんのこと消費の落ち込みによる景気後退の懸念がある一方、財政健全化の進捗や社会保障制度の充実が期待できるなど国民生活にさまざまな影響を与えることは言うまでもありません。
 しかし、制度的に複雑な面が多いこともあり国民一般の理解が十分得られているとは言いがたい状況にあります。国には制度開始までの限られた時間ではありますができる限りわかりやすい説明をしていただきたいと思います。また引き上げ後の税率一〇%のうち二・二%は地方消費税となります。県としても県民に対する説明を十分に尽くし理解を得ていく必要があります。
 県によれば、平成三十一年度当初予算において今回の税率引き上げによる税収等の増加額は三十八億円程度と見込まれております。これらは社会保障制度の充実を図るため幼児教育や保育の無償化、保育士や介護職員の処遇改善などに充当されることとなっており県民も大きな期待を寄せていることと思います。また今回の増収分には財政健全化への効果も期待されます。二百億円を超える財源不足額を抱える本県財政にとっては大変貴重な財源になるものと考えます。
 赤字地方債とも言うべき臨時財政対策債は長年にわたって発行が続いており、本県も平成三十一年度当初予算で六百二十五億円が計上されているところであります。また今後を見通すと少子高齢化の進展に伴う社会保障関係費の増加、老朽化する公共施設の建てかえや大規模補修などにより財政需要は増大する一方であり、不透明な国際情勢などから企業業績の大幅な伸びが見込めず税収の増加に期待するのは難しい状況です。
 今回の消費税率引き上げは、本県財政そして地方財政全体にとって一定の収支改善効果をもたらすものと考えます。しかし現在の厳しい財政状況や今後の見通しなどを踏まえると、今回の税率引き上げ分のみで必要な財源を十分に賄えるわけではないと考えます。本県としては県みずからの行財政改革を進めるのはもちろんでありますが、国に対しても地方が持続可能な財政運営ができるよう安定的な財源の確保を求めていく必要があると考えます。
 そこで、本県では今回の消費税率引き上げによる本県財政への影響についてどう認識しているのか、また地方財政の現状についてどのように捉え将来にわたって安全な、安心な財政運営を確保するため県として今後どのように取り組んでいくのかあわせて伺います。
 次に、エシカル消費の理念の普及、実践について伺います。
 平成三十年版消費者白書によると、家計が支出する消費額の総額は二〇一七年には約二百九十五兆円で名目国内総生産いわゆるGDP約五百四十六兆円の約五割となっており、社会経済活動の中で消費活動は大きなウエートを占めております。また消費者庁が平成二十九年度に実施した消費者意識基本調査によれば、商品やサービスを選ぶときに意識する項目について聞いたところ価格、機能、安全性を重視するとした回答がそれぞれ八割以上を占めている反面、商品やサービスが環境に及ぼす影響を重視するとした回答は約三割にとどまっております。
 エシカル消費は、消費者が自分だけでなく社会や地球環境にとって望ましい商品やサービスを選ぶことで具体的には環境への配慮としてエコ商品を選ぶ、社会への配慮として地場産品を選ぶ、人への配慮として授産製品を選ぶなどの消費行動の総称であります。
 今日では、インターネットの普及等により世界中のさまざまな商品やサービスを簡単に入手できるようになりました。一方で消費者にたどり着くまでの生産過程や消費後の廃棄過程のつながりが消費者から見えにくく、物のライフサイクルを通じた社会や環境に対する負担や影響を意識しにくい状況になっております。社会経済活動に大きな影響力を持つ消費行動について、エシカル消費の考え方が広がり実践されることが地球温暖化や資源の枯渇、貧困などさまざまな社会的課題を解決するために重要であると考えます。
 我々は日々何らかの形で消費を行っていますが、その視点を少し変えるだけで社会や環境などに変化を及ぼすことができるシンプルで身近な行動なので誰にでもできるということが最大の魅力です。また一人一人の力は小さくてもまとまれば大きな可能性を秘めています。さらに持続可能な生産消費社会を実現するというSDGsの十二番目の目標達成に向けた大きな歩みにもなります。
 県消費者教育推進計画では、消費者一人一人が現在及び将来にわたって地球環境や社会的課題にまで思いをはせて生活しみずからの消費行動を通して社会の改善と発展に積極的に参画する消費者市民社会の理念の普及を進めており、具体的な手段としてエシカル消費が有効であると考えます。
 そこで、消費を通じてよりよい社会を実現するエシカル消費の理念の普及、実践に向けた今後の県の取り組みについて伺います。
 次に、健康経営の推進について伺います。
 本県はかねてより健康寿命が全国トップクラスでありますが、いつまでも健やかで長生きできることは全ての県民の望みであります。特に私のようにふじのくに型人生区分で言うところの壮年熟期の人間にとっては、この先どのように人生を充実させ毎日を過ごすことが望ましいのか非常に関心の高いところであります。
 今後、一層高齢化が進むことは避けられません。ゆえに高齢者が健康で過ごすには教養教育が重要と言われています。つまりここで言う教養とはきょう用事があること、教育とはきょう行くところがあることを意味しているのです。
 先ほど触れたとおり今年十月に消費税率引き上げが予定されておりますが、今のままでは税収増よりも社会保障関係費の増加の方が大きく上回ることが見込まれています。社会保障関係費を抑制する観点からも県民の健康づくりを進めることは非常に重要であります。これまでにも我が会派からは健康づくり施策に関する質問や要望を数々申し上げてきたところであり、県も積極的な取り組みを実施していることは承知いたしております。
 今、私が注目しているのは県が平成二十九年度から実施しているしずおかまるごと健康経営プロジェクトです。健康づくりは決して高齢者になってからのものではなく全ての世代、特に働き盛り世代における取り組みが必要であり、将来を見据えて今後は健康経営の視点に立った健康づくり施策の充実が大変重要と考えております。私が住む浜松市でも商工会議所を初め多くの企業や事業所が取り組みを始めております。
 県は、さきの九月補正予算において事業所や団体を支援する助成制度を創設していますが、その狙いやこれまでのしずおかまるごと健康経営プロジェクトの取り組み状況について伺います。
 また、本県における健康経営を今後どのように展開していくのかあわせてお伺いをいたします。
 次に、森林環境税創設ともりづくり県民税の使途について伺います。
 森林は、土砂災害の防止や洪水、渇水の緩和に加え地球温暖化防止、木材を初めとする林産物の供給さらに豊かな海の恵みを育むなど多面的な機能を有しており、県民の生活に大きな役割を果たすなくてはならない大切な財産であります。
 近年、九州北部や西日本等全国各地で台風などの集中豪雨により大規模な山地災害などが頻繁に発生しております。我が静岡県でも昨年県西部地区において台風二十四号による倒木で電線を切り停電が広域に及び、数日間県民生活や企業活動に多大な影響を与えたことは記憶に新しいところであります。
 本県においては、平成十八年度からもりづくり県民税を財源とした森の力再生事業により水源の保全や災害防止のため荒廃森林の整備を行っておりますが、私は特に災害防止の観点を重視し道路や河川沿いの社会資本に影響を及ぼすような荒廃森林対策にプライオリティーをつけて、さまざまな事業で森林整備を実施し道路や河川などに影響が出ないようにしていくことも必要ではないかと思っております。
 現在、森の力再生事業は平成二十八年度から平成三十七年度までの十年間を事業期間とする第二期計画を実施しているところでありますが、この財源となるもりづくり県民税は事業開始から五年目の平成三十二年度に事業の進捗状況、効果、税負担等を踏まえて税率や課税期間を再検討すると聞いており、事業の効果を検証しながら長期スパンで計画的に事業を実施していくことは大変重要であると思います。
 一方、平成三十一年度から国税として森林環境税と森林環境譲与税が新たに創設されます。森林環境税が課税されるのは平成三十六年度からですが、森林環境譲与税は平成三十一年度から県内市町に譲与されその使途は市町が行う間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に関する費用に充てなければならないとされております。これによりこれまで以上に県内の森林整備が進むことは非常によいこととは思いますが、もりづくり県民税に加えて森林整備のための新たな財源が設けられるので、県はそれぞれの税の使途をしっかりと県民に説明をし理解を得ていく必要があると考えます。
 県は、森林環境譲与税が創設された後もりづくり県民税を財源とした森の力再生事業でどのような森林を優先的に整備していくのか、また二つの税の使途について県民の理解を得るためどのように広報しているのかをお伺いいたします。
 最後に、特別支援教育における共生・共育の充実について伺います。
 障害のある児童生徒がたくましく地域の一員として生きていく力を育てていくためには、学校教育の段階から障害のない人とともに学び触れ合うことで社会性を養い豊かな人間性を育むことが肝要であります。そのためには障害のある人と障害のない人の双方がお互いを理解し、ともに支え合いながら学んでいく共生・共育の推進が重要と考えます。
 私の住んでいる浜松市中区の県立浜松城北工業高等学校における共生・共育の一例を御紹介します。
 この学校には同じ敷地内に浜松特別支援学校城北分校があります。先日分校に通う生徒の保護者から同校での共生・共育の取り組みを聞く機会がありました。そこでは体育祭や文化祭などの行事の共同開催やお互いの授業体験を通して両校の生徒同士が理解を深めているとのことでした。また登下校時には同じクラスの仲間であるかのように挨拶や言葉を交わす姿も見られるなど、日常の生活においてもお互いを尊重した自然な交流があるということです。
 県内では、高等学校や小学校に特別支援学校の分校を設置する共生・共育の形が多くの学校で行われております。また多くの小中学校においても特別支援学級が設置され小学生、中学生同士の交流が日常的に行われています。このように障害のある人もない人も同じ場所で学びその過程でお互いの多様性を認め合うことができる、心を育む共生・共育のさらなる充実が図られることを期待するものであります。
 将来、共生・共育の理念を体現できる子供たちが社会に出てさまざまな分野で働くようになれば障害者雇用も拡大し障害のある人たちの活躍の場も広がることでしょう。まさに望ましい共生・共育の成果の一つと言えるのではないでしょうか。
 そこで、県教育委員会として今後の共生・共育をどのように推進していくのかお伺いいたします。
 私の質問は以上ですが、結びにふじのくに県民クラブを代表してこの三月をもって退職されます職員の皆様に一言御礼を申し上げます。
 本年度末で定年退職されます職員の皆様は、佐藤政策推進担当部長、杉保危機管理監、杉山経営管理部長、渡邉文化・観光部長、芦川農林水産戦略監、平野交通基盤部長、渡瀬出納局長、梅藤企業局長、渡辺議会事務局長、秋山監査委員事務局長、河森労働委員会事務局長を初め知事部局で二百五十九名、教育委員会で八百九名、警察本部で百五十四名、合わせて現時点で千二百二十二名と伺っております。最も早い方で昭和五十二年の入庁とのことです。
 その当時は二度の石油ショックのはざまにあり、その後景気回復に向けて動き出し空前のバブル景気を迎えたものの、バブルが崩壊しこれを機に県財政の厳しさが一段と増す状況の中でさぞ御苦労されたことと存じます。改めて今日まで職務を全うされましたことに敬意を表します。
 そして今や人生は百年時代と言われています。こんなことを聞いたことがあります。
 五十、六十ははな垂れ小僧、七十、八十は働き盛り、九十になって迎えに来たら、百まで待てと追い返せ。
 それからすれば六十歳はまさにスタートに立ったと言ってもいいでしょう。
 今日までの豊富な経験と見識を生かし、新たな道を歩まれますよう御期待申し上げます。また折に触れ後輩にも御指導賜われば幸いです。
 皆様方の一層の御活躍を、そして御多幸を心より御祈念申し上げまして私の質問を終わります。以上、答弁を求めます。(拍手)
○議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 岡本議員におかれましては、ふじのくに県民クラブを代表してきょうここに座っておりますこの六十歳をもって定年退職する者に対しまして温かいねぎらいの言葉と激励のお言葉をいただきまして、彼らに成りかわりありがたく厚く御礼を申し上げます。
 また岡本議員、浜松選出でありますけれども浜松のやらまいか大使として御活躍の元宝塚ジェンヌ、スターがきょうは傍聴に来られていますが、そういう若い人々を引きつける御活動をされているものと存ずる次第でございます。
 さて、岡本議員にお答えいたします。
 まず、私の現場主義についてであります。
 私は、知事就任以来現場に赴き現場から学び現場に即した施策を立てる現場主義を基本姿勢としてスピード感を持って県政運営に取り組んでまいりました。これまでに知事広聴を六十二回、移動知事室を三十回行い県内各地に赴いた回数はことし一月末で二千七百二十四回を数えます。県民の皆様と直接意見を交換し、その全てを各部局に必ずフィードバックをし県政における重要な政策ヒントとしているところであります。
 例えば、昨年岡本議員の地元も台風二十四号により大きな被害を受けられました。十月の移動知事室では当初予定に組まれていなかったのですけれども被災した農業現場に急遽伺いました。現場で農業者の悲嘆の声を直接お聞きしまして被害状況を正確に把握いたしました。これを受け、早期復旧に向けた補正予算での対応や国への働きかけによる補助対象の拡大など農業者の意向に即した支援を迅速に行うことができました。
 また、今年度の知事広聴では若い起業家などから例えばICT企業のサテライトオフィスを誘致して若者の雇用の場を確保するよう御意見をいただきました。これまでの工場や物流施設に加え、確かにICT企業のサテライトオフィスなど小さくても高い付加価値を生む企業も今後重要になります。そこで誘致に必要な経費を三十一年度予算案に計上いたしまして本議会にお諮りしているところであります。
 伊豆での知事広聴では、猛暑に対応できる、暑さに耐える――耐暑性のあるワサビ品種の開発をという御要望をいただきました。これを受けまして、県の伊豆農業研究センターと生産者が連携した遺伝資源の探索などの取り組みを開始したところであります。
 知事広聴の開催日程等につきまして、建設的な意見をいただきましてまことにありがとうございます。確かに学生さんや昼間仕事をしている方などが参加できにくいときに知事広聴が行われています。そこで来年度は夕方以降の時間帯での開催、また大学を会場とすることなどを試行――試験的にやってみましてより多くの方が参加できるよう工夫をいたします。加えて知事広聴につきましては現在その開催状況の記録はホームベージで公開しておりますけれども、今後は御意見に対する主な対応状況、我々が何をしたかということもあわせて情報を提供してまいります。
 今後とも、一層の現場主義に徹しましてワン・フォー・オール、オール・フォー・ワンのラグビーの精神にのっとり、県民の皆様の県政への参画を促しながら富国有徳の美しい“ふじのくに”づくりの実現に向けて邁進してまいります。
 次に、健康経営の推進についてであります。
 本県では、健康寿命のさらなる延伸のために平成二十九年度から静岡県で暮らす、働く、育つと元気になれますよという「働いてよし 住んでよし」をコンセプトとして健康経営の視点を取り入れ、全ての県民の皆様が健康になれるように企業だけでなく地域も家庭も対象としたしずおかまるごと健康経営プロジェクトを展開しております。
 実際に、働かれている世代に対しましては従業員の健康づくりのための具体的な目標を宣言したり、健康づくり活動の先駆的な取り組みに対しましてはそうした企業、事業者に対して県が健康づくり推進事業所として認定する制度を設けました。昨年十二月末までに千七百四十一事業所が認定されております。これは新ビジョンに掲げた目標は一千事業所でございましたので、それをはるかに上回る前倒しでの達成ということでございます。
 子供世代に向けましては、食生活や運動について望ましい生活習慣を身につけるために東京大学、NHKなどの協力を得て作成したDVDと手引書を教育委員会と連携して全小学校に配布しモデル校の出前授業で活用しましたところ教職員や保護者の方から高い評価を得ているところであります。
 さらに、いわゆる健康無関心層というのがございますが、彼らに対しましては市町や関係機関と連携し健幸アンバサダーを二千四百四十二人養成し地域や企業で身近な人に口コミで健康情報を伝え健康づくり活動を促しているところであります。
 今後、健康経営の考え方を企業、また県民の皆様全員に一層浸透させていくため九月補正予算で健康経営に乗り出しにくい中小企業等の健康づくり活動に対する助成制度を創設いたしました。既に食生活や運動習慣の改善、受動喫煙防止、禁煙支援等々数多くの取り組みが開始されております。また全国に先駆けて地方版日本健康会議と言える本県独自のしずおか健康会議を間もなく三月に立ち上げます。これによりまして企業や医療関係者、医療保険者等の連携を強化しまして健康経営の視点を生かした取り組みを推進いたします。
 さらに、健康寿命の延伸を図るには科学的知見に基づく健康づくり施策の展開が必要です。またこれを支える人づくりも重要でございますことで社会健康医学の研究の推進、人材育成及び拠点となる大学院大学の設置に向けて積極的に取り組んでいるところでございます。
 人生百年時代と言われ、岡本県議の地元である浜松市は全国二十大都市の中で健康寿命が三期連続第一位ということでございました。七十歳現役都市を宣言されています。
 本県も、健康寿命日本一の奪還に向け積極的に取り組み、全ての県民の皆様が元気に活躍できる生涯現役社会を目指し、世界が憧れるドリカムランドの健康長寿ふじのくにの実現に邁進してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(渥美泰一君) 佐藤政策推進担当部長。
       (政策推進担当部長 佐藤典生君登壇)
○政策推進担当部長(佐藤典生君) 消費税率引き上げと本県の財政運営についてお答えいたします。
 消費税率につきましては、年々増加する社会保障経費の財源を確保するため本年十月より八%から一〇%に引き上げられ、本県におきましても平年度ベースで二百三十一億円の実収入の増加が見込まれております。この増収分の一部が既存の社会保障経費に充てられることから今後の収支は改善し、その影響が平年度化する二〇二一年度には収支が均衡した財政運営の実現が見込まれております。こうしたことから消費税率の引き上げは本県財政の安定化に寄与するものと認識しております。
 一方、議員御指摘のとおり今後引き続き増加が見込まれる社会保障経費や公共施設の老朽化対策などに対応する必要があり、消費税率引き上げの増収効果もいずれ小さくなると見込まれております。また国におきましても財政健全化の取り組みが進む中で今後も一般財源総額の増加が見込めないことから、将来的には厳しい財政運営を迫られることが想定されます。
 こうした中で、将来にわたって健全な財政運営を堅持するためには歳出の不断の見直しと歳入の確保が必要であります。このため政策評価と事業の見直しを連結する仕組みを一層徹底するなど重点化や効率化による徹底的な事業の見直しに取り組んでまいります。あわせて国に対しまして、行政サービスを安定的に提供するために必要な一般財源総額の確保や国、地方を通じた中長期的に安定的な税財政の枠組みの構築を働きかけてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) エシカル消費の理念の普及、実践についてお答えいたします。
 商品の大量生産、大量消費等により地球温暖化や海洋プラスチックごみの発生、開発途上国の労働者の人権問題など環境や社会に関する問題が生じております。この対応といたしまして環境や社会への影響に配慮した商品を選択するエシカル消費が有効であると考えております。
 県では、エシカル消費の理念の普及を図るためエシカル消費の意義や商品の選び方を紹介するフォーラムを開催するとともに出前講座や広報誌により啓発に取り組んでおります。来年度は国と共催でシンポジウムを行ってまいります。またエシカル消費の実践を促すため消費者団体や事業者団体等を構成員とするネットワークを新たに構築いたします。そしてエコ商品やフェアトレード商品等が環境や社会に配慮されている状況を共有し県民の皆様に発信してまいります。さらに県内各地の店頭でエシカル商品のキャンペーンを行うなど全県的な広がりにつなげてまいります。
 県といたしましては、消費行動を通じて社会の改善と発展に積極的に参加する消費者市民社会の実現に向け引き続きエシカル消費の理念の普及を図るとともに、ネットワーク活動を促進することなどにより実践に結びつけてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 芦川農林水産戦略監。
       (農林水産戦略監 芦川敏洋君登壇)
○農林水産戦略監(芦川敏洋君) 森林環境税創設ともりづくり県民税の使途についてお答えいたします。
 森林環境譲与税の創設後、市町はこの税収を活用してそれぞれの自主的裁量により地域の実情に応じた森林整備を行うことができることとなります。これにより、規模が小さいことなどから国や県の事業の採択要件を満たさずこれまで整備が十分でなかった道路や河川沿いの森林についてもきめ細かな対応が可能となります。
 こうした中、もりづくり県民税を財源とした森の力再生事業でどのような森林を優先的に整備していくのかについてでありますが、県内全域における公共性が高く所有者による整備が困難で緊急に整備が必要な荒廃森林に対して重点的に整備しております。特に災害の防止や水源の涵養など広範囲にわたる機能発揮が必要な森林のうち、道路から遠くまたは急傾斜などで手入れがされないままでは県民生活に支障を及ぼすおそれのある荒廃森林に限り優先的に整備を進めてまいりましたが、今後も広域的な災害防止の観点から計画的に事業を進めてまいります。
 二つの税の使途についての県民の皆様への広報についてでありますが、県は森林環境税創設に伴う対応についての御理解を得るため昨年十月に県内七会場で県民の皆様向けにタウンミーティングを開催するとともに、商工会議所や商工会などの六十八の経済団体を個別訪問しこれまでの森の力再生事業の成果と二つの税の目的や県と市町の役割分担について説明してまいりました。今後は県と市町で組織する地域連絡協議会におきましてインターネットや広報紙などを活用した効果的な広報活動を検討し、それぞれの事業の成果や必要性などを丁寧に説明してまいります。
 県といたしましては、県と市町が車の両輪となり協力、連携して森林整備に取り組み災害に強い森を築いていくことで県民の皆様の安全・安心な暮らしづくりに努めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 特別支援教育における共生・共育の充実についてお答えいたします。
 県教育委員会では、障害の有無を越えともに学ぶ共生・共育の推進が大変重要であると考えており、平成十一年度から小学校や高校と特別支援学校分校との併置を進め現在小学校に二校、高等学校に十校の分校を設置しております。それぞれの学校では合同の体育祭や防災訓練、共同で行う作業実習や総合的な学習の時間などできる限り多くの交流や共同学習を取り入れております。その結果障害に対する理解を深め思いやりの心を育むとともに、分校の生徒にとりましては社会性や自己肯定感の向上につながっております。
 また小学校、中学校の中に設置されております特別支援学級数は年々増加し、現在千百九十二学級となっております。授業や学校行事だけでなく休み時間や放課後などにも日常的な交流が見られ、子供たちが障害を個性として捉え人として接する態度が自然に身につくなどの効果が認められております。
 今後は、高等部の分校につきまして昨年二月に策定いたしました静岡県立特別支援学校施設整備基本計画に基づき新たに三校を整備する予定であります。さらに特別支援学校に在籍する小中学部の児童生徒が居住する学区の小中学校に副次的な籍を置く、いわゆる交流籍を全市町において実施してまいります。
 全ての子供は地域の宝であります。児童生徒が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら学び成長できる共生・共育の充実に積極的に取り組んでまいります。以上であります。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp