• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 議会補足文書

ここから本文です。

本会議会議録

議会補足文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用




令和2年4月静岡県議会臨時会
阿部 卓也討論
発言日: 04/28/2020
会派名: ふじのくに県民クラブ


○議長(鈴木利幸君) 次に、六十七番 阿部卓也君。(拍手)
       (六十七番 阿部卓也君登壇)
○六十七番(阿部卓也君) 討論に先立ちまして、一言申し上げます。
 今回の新型コロナウィルス感染禍の中、医療関係者をはじめとする感染リスクにさらされながら県民の皆様の命と生活を守るお仕事をしていただいている皆様に心からの敬意を表し感謝と御礼を申し上げたいと思います。また図らずも感染されてしまわれた皆様には心からのお見舞いと一日も早い治癒をお祈りいたしつつ、私たちはコロナウイルスとの闘いの終息に向けてあらゆる努力をいたしていくことをお誓いして討論に入らせていただきます。
 私は、ふじのくに県民クラブを代表して本臨時会に提出された知事提出議案全てに賛成の立場から、以下第七十八号議案の幾つかの内容に対し若干の意見を申し上げ討論を行います。
 第七十八号議案「令和二年度静岡県一般会計補正予算」案の四つの柱のうち、初めに一つ目の柱、感染拡大防止策と医療提供体制の整備から何点か意見を申し述べます。
 まず、新型コロナウイルス感染拡大防止協力促進事業費助成について申し上げます。
 午前中の我が会派の田口章政調会長による質疑でも申し上げましたが、県内で感染経路不明者の発生や県外からの県内への流入者の急増を受け迅速に全県への休業要請に踏み切ったことは評価をいたします。また休業要請に協力する事業者に対する協力金制度も、県だけの一元化したものではなく市町特性に応じた対応ができる二階建て方式にしたことは地域主権型支援の形だと高く評価するものであります。
 一方で、一部の休業要請の対象者が雑駁なくくりであり判断に迷う事業者が多かったこと、また事業によっては千平米超が対象で、県内事業者の大多数が属する千平米以下が対象外とされたことで混乱や一部事業者から反発があったことも事実であります。業界によっては隣県との線引きの差異があることを声高に主張するところもあり、事前に他県とは線引きの基準が違う理由を説明したり、市町特性によっては二階建て部分の市町制定制度で救済していただきたいことなど県内市町にもよく説明しておくべきであったのではないかと痛感いたします。
 また、本来県民目線で考えれば申請は簡素化し県と市町一元化でできることが理想であります。しかしながら諸事情で一元化できない市町もあるようですので、どちらにせよ早く窓口を決め作業に入ることが急務であると思います。
 さらには、五月七日以降も非常事態宣言が継続をされ県の休業要請も延長される場合は以上申し述べた課題も踏まえて改善を求めるものであります。
 次に、病床の追加確保及び軽症者用宿泊施設の借り上げについて申し述べます。
 従来の第二種感染症指定医療機関の四十六病床に加え、一般病床を含めて二百床を確保することは評価いたします。ただし指定病院以外の病床の場合、コロナウイルス感染症以外の患者さんへの二次感染や医療関係者への院内感染が起きないように動線確保や必要資機材の準備を万端にしていただくよう強く要望いたします。
 また、一般患者の皆様の診察や治療への影響が最小限にとどまりますよう、こちらも要望いたします。軽症者用宿泊施設の借り上げは高く評価するものでありますが、同施設での医療体制や滞在ルールなどをしっかり確立した上でのスタートをしないと取り返しのつかないことになってしまうと危惧いたしますので、くれぐれも慎重かつ重厚な準備をお願いいたします。
 次に、PCR検査の拡充についても、体調を崩し感染を心配する方や御家族、濃厚接触者の疑いがある方にとって一日も早い拡充実施を求められてきただけに評価できるものであります。特に医師会の皆様の御協力の下、医療圏域ごとのPCR地域外来・検査センター設置によるドライブスルー化、検査手続の簡素化等の準備も着々と進んでおり評価するものであります。
 医療従事者においては常に感染リスクの最前線におられるわけで、一たび医療関係者に感染者が出てしまうとその病院の診療体制に影響を及ぼし最悪閉鎖を余儀なくされている例は他県でも見られますので、医療崩壊を防ぐためにも必要に応じて医療関係者のPCR検査は優先的に進めていただきますよう要望いたします。
 二つ目の柱、学校の臨時休業などへの対応について申し述べます。
 学校の臨時休業は令和元年度末から、令和二年度スタートから現在まで断続的に続いています。今回の補正予算で新型コロナ対策による補習等支援事業費として学習指導員の配置をすることやクラウド学習推進事業費などを計上したことは評価をいたします。これを礎としてしっかりと現場に根差した土台づくりの事業にしていただきたいと要望いたします。
 ただ、教育現場目線で考えれば問題点は山積していると痛感いたしております。義務教育で言えば地域間格差、高校教育で言えば公立高校と私学のオンライン化など設備や学習環境整備の格差も歴然としています。現場からは場当たり的な対策ではなく抜本的な問題解決が求められていると痛感しています。
 この際、中長期スパンで抜本的に今年度の教育計画を見直す。もっと言えば、このところ国の教育関係者や他県の複数の知事からも発言が聞こえてきますが、国際標準でもある九月入学制度を試行するぐらいのドラスチックな対応こそ今年の混乱する教育現場に求められるものではないかと意見を申し述べておきます。
 三つ目の柱、事業者や生活者への支援について申し述べます。
 静岡県はものづくり県と言われるように、製造業が県内経済の約四〇パーセントを占め雇用者数を見ても約四十九万人、県内総雇用数の約二五パーセントを占めています。この県内経済の屋台骨がきしんでいる現在、ダイナミックな経済対策を講じることが必要です。また富士山や浜名湖、伊豆半島を中心とした観光業も静岡空港就航便の相次ぐ休止や外出自粛で決定的な打撃を受けています。飲食業もしかりです。苦境に陥っている業種を挙げたら切りがありませんが、かつてリーマンショックの折に県内経済が大打撃を受けたことがありましたが、リーマン後、県内経済の復調には他県より時間がかかってしまったという苦い思いがございます。
 その思いを踏まえてか、県は早い時期から県制度融資新型コロナ対応枠を創設し対策したこと、また今回の補正予算でも拡充することは高く評価できるものであります。ただ予想以上に県内企業のニーズは高く今回の補正予算も合わせて合計二千億及び国連携の新型コロナ二千八百億を用意しましたが、小口融資の拡充も含めて必要に応じさらなる補正予算編成をするなどたゆみない対応を求めるものであります。
 雇用の維持に関しても、雇用調整助成金に係る相談等を支援する専門家の派遣制度などに取り組んだことは評価いたします。ただし実動できる専門家の不足が危惧されますので、潜在社労士等の確保にも鋭意努めていただきますよう要望いたします。
 ただ、新型コロナ感染症の収束は簡単には見通せるものではありません。今後も社会経済動向を注視しながら慎重かつ大胆な施策展開を望むものであります。特に県内企業の技術を生かして現在喫緊の課題でもある医療関連機器、製品の製造へのチャレンジや異業種への参入を支援することが重要であり、県としても生産品を購入するバイ・シズオカ  静岡を買うですね  的な政策を創設し県内経済を回す仕組みを作ることに邁進するよう強く求めます。
 最後に四つ目の柱、今後の備え、県財政への影響について申し述べます。
 午前中の質疑でも申し述べたように、今後もこの状況が続くと基金の枯渇が懸念され、また納税猶予も予定されていることから今年度は大幅な歳入欠損が見込まれます。これは本県に限ったことではありませんが、かくなる上は令和二年度以降に予定している事業のうち不要不急なものの見直しや繰り延べ、各種施策のスリム化なども今後取り組んでいかなければならないと痛感しています。我々議会も川勝知事はじめ当局の皆様も県民の皆様の痛みを共に感じてこの難局を一丸となって乗り越えていかねばなりません。腹をくくっていばらの道を共に参りましょう。
 厳しいことばかり申し上げましたが、最後にこのような困難なときにこそ我々感性を持つ人間が忘れてはならないのは海や山や川、まぶしい新緑や咲き誇る花々など自然の美しさを感じることや芸術や音楽、文学や各種の創作など文化の持つ力であろうと思います。
 イギリスのロマン派の詩人ウィリアム・ワーズワースは、若き日に情熱をかけた革命の理想が立ちふさがる現実の壁の前に夢破れた後、故郷の湖水地方の自然の美しさの中でその飛翔する想像力で純朴ながら情熱に満ちた詩を創り出しました。
 私が申し述べたいのは、県民の皆様にステイホームとただ単にゴールデンウイークの外出自粛を呼びかけるだけではなく、今こそ改めてふるさとふじのくにのすばらしさを感じていただくことを呼びかけ具体的ツールも提供すべきということです。
 今日の文明の利器であるデジタル空間を使えば、静岡県の自然の美しさや文化的資産の数々や静岡県の誇る舞台芸術であるSPACを映像として紹介することもできますし、音楽や芸術に携わるアーティストが仕事を失って困窮されている今こそデジタル空間に静岡県がアーティストレジデンスを設けて県の宝としてユーチューブなどで紹介するなどの工夫を提供することも日本の理想郷ふじのくにを標榜する静岡県の務めであると提言いたします。
 我々はかつて山岡鉄舟が歌った、晴れてよし曇りてもよし………
○議長(鈴木利幸君) 阿部卓也君、簡素にお願いします。
○六十七番(阿部卓也君) はい終わります。富士の山もとの姿は変わらざりけりの心のごとく厳しいときもあきらめることなく、心の豊かさを失うことなく、決してデマや誹謗中傷にくみすることなくふじのくにの県民らしく高潔にすがすがしくこのコロナウイルスとの戦いに勝ち抜くことを皆様と誓い合って賛成討論といたします。(拍手)

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp