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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

三ッ谷 金秋 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/03/2017

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 中国人観光客の取り込みを通じた稼ぐ力の向上策について
2 社会問題化する高齢ドライバーの事故対策と生活の足の確
 保について
 (1) 運転免許の自主返納制度
 (2) 生活の足の確保
3 新成人の県内定住に向けた取り組みについて
4 小学校英語教育の課題と現場の声について
5 不登校生徒の文部科学省による学校調査の問題点と対応に
 ついて
6 未来のエネルギーとしての水力の利用促進について
7 プレミアムフライデーについて


○議長(鈴木洋佑君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十八番 三ッ谷金秋君。
       (六十八番 三ッ谷金秋君登壇 拍手)
○六十八番(三ッ谷金秋君) 私はふじのくに県民クラブの所属議員として、通告に従い知事、副知事、関係部長、教育長、警察本部長に一括質問方式で伺います。
 ラスト二番でありますので、もうしばらくの御辛抱をお願いして質問に入ります。
 まず、中国人の観光客の取り込みを通じた稼ぐ力の向上策についてです。
 後期アクションプランの最終年を迎え、当局ではその総仕上げとして来年度には世界から憧れを呼ぶジャパニーズドリームの展開と発信に向けた五つの戦略を掲げております。その戦略三、世界に開かれた観光・通商・外交の実践の中で観光、産業分野における海外需要の取り込みを通じた稼ぐ力の向上について質問をいたします。
 一月二十八日から始まった中国の春節では、中国からの海外への出国者数が前年対比七%増の六百十五万人だと中国当局が発表しています。日本でも中国人観光客がもたらす消費に期待が高まりました。しかし期待の春節商戦は雰囲気は明らかに昨年とではまるで違い、爆買い転じて買い控えムードだと言います。期待をかけた春節商戦も出ばなをくじかれた形となり、専門家も「モノ消費からコト消費への推移だ」とコメントしています。訪問先も東京、大阪などの大消費地から地方都市に変化し、その内容も日本の伝統文化体験など知的好奇心をくすぐる商品にシフトしているのが現状です。
 中国からの観光客で一喜一憂するのは静岡空港だけではありません。国内各地が争奪戦を繰り広げ、おもてなしの心で呼び込みを図っています。一方で中国では人口の五%がパスポートを所持するとされ、訪日観光客は経済的には比較的中流階級の方々が多いとされカジノや人間ドックのような医療目的の訪日旅行者では富裕層が中心だと報道されています。
 また、希望の旅先では一位がタイ、二位が日本、三位アメリカ、以下シンガポール、オーストラリア、マレーシアで韓国は七位にランキングされています。一人が使う予算も一万五千元くらいで日本円換算では二十四万七千五百円ぐらいの消費につながっています。希望の旅先二位となった要因としてはビザ発給要件の緩和や個人観光ビザ申請の簡略化、あるいは商業目的や文化知識人は有効期限が五年から十年になることなどが挙げられております。日本での行き先ランキングでは変化は見られますものの、まず東京、大阪、京都そして四位に富士山、奈良と続き、日本で何をしたいのかの問いかけには第一位が自然や風景見物、二位が温泉、三位はお花見や紅葉が挙げられて、食事やショッピング、特に旅館に泊まる希望など本県にかかわりのあることが上位を占め大変明るい兆しを感じます。このほかでは文化体験、スキー場にも興味を示し、お土産ではお菓子や化粧品、衣服などと答え、本県のチャンスは大いにあると確信したところです。
 このような中国人観光客への調査結果や経済誌のオンライン記事で目にした清掃工場を訪れる観光客、忍野八海に押し寄せる理由などジャパンドリームでの観光分野における海外需要の取り込みを通じた稼ぐ力につなげていく必要があると考えています。そこで、当局の御所見を伺います。
 次に、社会問題化する高齢ドライバーの事故対策と生活の足の確保についてです。
 まず、運転免許の自主返納制度について伺います。
 警察庁の資料によりますと、平成十七年六千九百三十七人であった交通事故による死者数が平成二十七年には四千百十七人と減少し、また高齢者を含む交通事故の件数はこの十年で四割強減っております。
 しかしながら、連日のように高齢運転者による悲惨な事故が報道されています。ブレーキとアクセルの踏み違えやバイパスなどでの逆走、あるいは立体駐車場からの転落といった高齢者がかかわる事故です。平成二十八年は交通事故死亡者の五四・八%が六十五歳以上と統計を開始して以降最も高い割合を示しました。
 瞬時の判断力など認知機能の低下が大きな原因とされることから、これらに対応するべく事故防止対策を議論する警察庁有識者会議が本年三月十二日からの道路交通法改正で認知機能のチェックの厳格化や運転免許の自主返納を促す取り組みを強化するとしております。
 そこで、本県における運転免許自主返納の現況と自主返納促進に向けた今後の取り組みについて伺います。
 次に、生活の足の確保についてであります。
 公共交通網が整う都市部以外ではマイカーが生活の足という現実があります。それらが自主返納率の差となってあらわれてきます。平成二十七年の調査では東京都の五・〇三%に対し三重県が一・二二%、岐阜県が一・四六%など低調であることがわかっています。これらは代替手段の整備が進まない町では免許を取り上げれば高齢者を苦しめるだけでなく、このようなことをあらわしているとしています。
 人口減少による地方の鉄道やバス路線の多くは採算がとれず縮小や廃止の危機にさらされていると東北文化学園大の貝山道博教授が指摘されています。また国立長寿医療研究センターの荒井由美子研究部長は高齢者の尊厳にも配慮を求め、孫の送り迎えなど運転を生きがいにしている高齢者もいる点、免許の返納が辛い決断となることを周囲が理解することが必要だとし、免許証返納だけでは高齢ドライバー問題の解決は困難であると結んでいます。
 そこで、高齢者のこうした状況に配慮した生活の足の確保をどのように考えていくのか、お考えを伺います。
 次に、新成人の県内定住に向けた取り組みについてです。
 新春の一月八日には県内各地で成人式が行われ、県外への人口流出が大きな課題とされる本県に明るい話題の提供をいただきました。ニュースや新聞各紙でもそれぞれの式典会場に若者が集うことを好機と捉えた自治体が地元の魅力や就職先などを掲載した啓発物を配るなど定住を呼びかけていたと報道されています。三島市などでは市職員がUターン経験者の事例が掲載されたリーフレットを参加者全員に配布するなど行政側の危機感が注目されております。地元就職が県内定住につながることを考えれば当然の施策だと思います。各自治体の式典会場では市長さんたちのその式辞の中で市内への定住を呼びかけました。祝辞に対する新成人の反応は、卒業を機に地元に戻ることを望んだがなかなか希望に合う企業が見つからないとか、あるいは静かで住みやすいとか評価するものの遊ぶ場所がない、施設がない点など雇用の場や遊ぶ場所の充実を望んでいます。生まれ育った地元への愛着と、自分の夢がかなう場所なのか判断にも揺れております。
 当局としても、職員のアイデアや有識者の提言など時代の流れを機敏に感じ取りできるだけのアクションは着実に実施してまいりましたが道半ばです。若者の流出対策が人口減の歯どめとして少子化対策のかなめになると考えます。新成人の切なる願いが県内定住の鍵であるとすれば、県内市町と連携をし協働をし行動を起こすべきと考えます。当局の所見を伺います。
 次に、小学校英語教育の課題と現場の声について伺います。
 中教審の答申により平成三十二年度から小学五年、六年には教科として、三年、四年では外国語活動として英語教育が始まります。
 新聞でも、変わる授業風景として紹介され文部科学省の英語教育強化地域拠点事業指定校の授業風景が取り上げられております。「ユー キャン イート カレー」とALTである外国語指導助手がヒントを出すと、子供たちが十カ国の国旗が描かれたかるたの中から正解を探し全員がインドと大きな声を上げたとあります。
 私も、二月に学校訪問の機会を得て磐田市立東部小学校の外国語活動の授業参観をいたしました。学校長からの経営説明を受けた後、教室に向かいました。廊下ですれ違う子供たちの明るい元気な挨拶には感心をいたしました。教室に入ればALTがユニークな動作を交え子供たちの起立を促し、腕を伸ばして「ファイブ、フォー、スリー、ツー、ワン、レッツゴー」で授業が始まりました。楽しい雰囲気に目線を下げる子供たちは一人もいません。プロジェクターを使いスクリーンに映し出された教材にはアニメキャラクターのスーパーマンやスパイダーマンが登場し、人、物、職業などを自然のうちに覚える姿を拝見いたしました。また先ほどの英語かるた取りの様子も参観し、目を見開き集中する姿は往年の授業では見られない光景でした。ALTの授業スタイルが子供たちの好奇心をくすぐり、授業に対する積極性があふれ出て将来に希望の持てる好印象が残りました。
 授業参観後、校長を交えた懇談では、校内事情で中学校英語免許を持っている教諭は二人しかいない点やALTについてはかけもちであるとの状況が説明されました。同席した教諭に「ALTのようなユニークな教え方ができるのか」との質疑に、正直に「無理です。負担になっている」と回答されました。
 報道各社でも小学校外国語教育の現況を教務主任や五年、六年の学級担任に回答を依頼しアンケート調査が実施され、その結果が公表されています。毎日新聞アンケート調査やベネッセの第二回小学校英語に関する基本調査では、小学校で英語を教科として扱うことに「賛成」七・七、「どちらかといえば賛成」一九・五、「どちらかといえば反対」三一・六、「反対」三五、「よくわからない」五・三、無答が〇・九で、「反対」と「どちらかといえば反対」を合わせると六六・六%になり、およそ三分の二を反対が占めたとされています。
 一方、読売新聞の世論調査では八六%が「望ましい」、「どちらかといえば望ましい」と回答し、またNHK放送文化研究所での調査では回答者の八一%が小学校の英語教育に「全く賛成」と答えました。加えて朝日新聞の調査でも回答者の七六%が小五という開始時期が「適切」または「遅すぎる」と回答し、これらの結果に対して関西学院大学社会学部准教授は一般の人々の間で教科化への支持が大きく、この支持の大きさは現場に丸投げで教科化されつつあるという事実を知らない実情を知らないがゆえの楽観に支えられたものだと述べ、さらに一般の人々も関心を払わなければいけない問題が山ほどある状況の中でマスメディアが行政側の小学校に対する見解だけを垂れ流すならば現場サイドの困難さまでの想像力は働かないと厳しい意見を述べております。
 なぜ教員が反対するのか。反対するからには深刻な事情があるのではないでしょうか。そうした視点で子供たちの授業を考慮する必要はないのでしょうか。このような状況では小学校の教員に負担という名のしわ寄せが来ることになります。
 そこで、小学校英語教科化をめぐり学校へのバックアップである予算、人的支援、研修、ALTの行政間格差の是正、教員の負担軽減にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、不登校生徒の文部科学省による学校調査の問題点と対応についてです。
 学校におけるいじめ、暴力行為、不登校、自殺など現況が集約された文部科学省の児童生徒の諸問題に関する調査が第五十回を迎えました。昭和四十一年度の不登校いわゆる学校嫌いに関する調査から始まり、今回の調査までにさまざまな項目が追加されたと説明されています。
 こうして調査された不登校について気がかりなことが指摘されています。不登校の調査結果を見てみますと、小中別、国公私立別、学年別不登校児童生徒といった基本的な数値に加え各児童生徒が不登校になった理由など実情により踏み込んだ分析があります。しかし不登校経験者からは調査目的で不登校の理由を聞かれたことは一度もないといった声が上がっており、公表された数字が不登校経験者の認識とどのくらい合致するのかという疑問を投げかけております。実際この諸問題に関する調査は学校側が回答したものであり、不登校になった理由というのも学校がそう判断したということであり、本人がどう思っているかとは一致しない可能性があると問題提起しています。
 また、文部科学省の調査記入の留意事項を見てみますと、不登校の要因を計上する際本人に係る主要因が二つ以上であっても一つに特定し選択しなくてはいけないなどとなっています。このような調査方法や結果を見て専門家たちは「不登校をした本人の意見が反映されないまま調査が実施され、不登校の理由が語られていくことに違和感を持った」と述べています。
 そこで、先日公表された文部科学省の調査結果を拝見すると不登校の状況では、教育熱心を自負する本県でも小中学校で全生徒に対する不登校の割合は国のそれよりも高く、その実数は四千三百三十一名、千人当たり国が十二・六人に対し本県では十四・三人であります。これらの不登校調査で見えてくる不登校に至るさまざまな要因十四項目から学校側はおおよそ一つに絞る点、本人調査では生徒が原因を三つ選ぶといった点で不登校に至るさまざまな要因や問題の認識にギャップがあるなど全く異なる不登校の理由を描いていてはその解決にはつながらないと思います。
 そこで、どう子供たちの声を拾い上げて問題提起された課題を克服していくのか、本県の不登校対策をどのように進めるのか、教育長の考えを伺います。
 次に、未来のエネルギーとしての水力の利用促進についてです。
 「水力発電が日本を救う」という本の著者である元国土交通省河川局長は、その本の中で「今さら水力発電かと考える人が多いことも、現在の電力をめぐる実態を思えば水力発電が時代おくれに見えるのもやむを得ない」と述べております。しかし人生の大半をダムづくりに費やしてきた竹村氏は、百年後の日本のためにはどうしても必要なことだと退職後の講演活動を通じ水力発電の見直しを訴えてきました。著書の中で百年後の日本社会の電力供給について「今のように火力に偏っていることは考えられない」、「火力発電は徐々に減ると覚悟する必要がある」、「原子力には多大な期待をするのはもう無理だ」と説いています。未来社会では石油や石炭など燃料としての期待ができないのであれば、身の丈に合った残されたエネルギーは再生可能エネルギーであり、太陽光、風力、地熱そして水力である。その中でも最も可能性の高い確実なエネルギーが水だと記述し、「水のエネルギーといっても水力発電のみを意味しない」、「水は水素を生むこと」、「水から水素を得るには電気分解をするための電気が必要なこと、至るところに水の流れがある日本では水力発電は可能だ。日本列島は水力エネルギーや水素エネルギーに満ちあふれた列島だ」と結んでいます。百年、二百年先を見据えた持続可能なエネルギー確保のために多目的ダムの運用変更、既存ダムのかさ上げ、発電に使用されないダムでの水力発電の実施、砂防ダム、農業用水等における千キロワット以下の小水力発電など提案されています。
 そこで、未来の電力確保のため、このような提案を含めて未来の静岡県あるいは日本のエネルギーを水力発電の利用促進と結びつけて、当局の所見を伺います。
 次に、プレミアムフライデーについてです。
 月末金曜日は、少し早目に仕事を終えてちょっと豊かな週末を楽しみませんか。仕事を早目に切り上げてふだんできないことに挑戦したり、なかなか会えない友達や家族との会話や明るい街の散歩。仲間と楽しむ、気持ちもいい。夕方からゆっくり食事を楽しむのもよし。ちょっと遠くの町へ二・五日の旅に出かけるのもすてき。さあ日本中でいろんな豊かさが始まります。プレミアムフライデー、スタート。あなたもちょっと豊かな月末金曜を。これは二月二十四日に第一回目を迎えましたプレミアムフライデーのコンセプトで、単純明快であります。
 月末の金曜日は午後三時には仕事を終了し、早い時間から買い物や旅行などをしてもらおうというシステムです。メリットは労働者にとって上司や同僚に気兼ねなく退社することができる点、あるいは仕事帰りの親と学校帰りの子供が一緒に買い物を楽しむなどの利点や月曜日に有給休暇を取得すれば金曜の午後から三・五連休を取ることが可能になるとされています。これらは働き方改革にもつながるとしていますし、とても魅力のあることだと言われています。
 懸念されることは、あるいはデメリットは他の日に残業をするのであればプレミアムフライデーの帳じり合わせのためのその日になるのであれば、かえってその分疲労が増す可能性があると言われています。また施行できる会社とできない会社との格差ができるともされ、強制力が働くものではないので公務員や最大手以外は業務が行われると考えられています。
 このような状況でも、シンクタンクによれば一日当たり千二百億円くらいの経済効果があるのではと試算され、県下の企業や行政がロゴマークの使用申請を行ったとあります。
 経済産業省では、プレミアムフライデーを官民連携の取り組みに位置づけ、広告費などを補正予算を計上しております。政府が旗を振る長時間労働の是正など働き方改革に向けた試金石であるという指摘もあります。
 そこで、当局では県内事業所に対してどのような働きかけをしていくのか、また県庁においてどのような取り組みを考えているのかあわせて伺います。
 以上で私の質問を終わりますが、結びにふじのくに県民クラブを代表して、この三月をもって退職をされます職員の皆様に一言お礼を申し上げます。
 本年度末で退職されます職員の皆さんは、森政策企画部長、篠原経済産業部長、村松交通基盤部長、岩城出納局長、望月企業局長、萩原人事委員会事務局長、芝田労働委員会事務局長、市川収用委員会事務局長を初め知事部局で二百十五名、教育委員会で六百八十七名、警察本部では百五十九名、合わせて現時点で千六十一名と伺っております。入庁してから今日まで必ずしも順風満帆の航海ではなかったかもしれません。しかしそれらを全て乗り越えたという達成感は今はお持ちになっていることではないでしょうか。このたび定年を迎えるとはいえ心身ともにまだまだいける皆様です。きょうまでの豊かな経験と見識を生かし、新たな人生を歩まれますよう御祈念を申し上げます。
 結びに、皆様方に会派を代表して心からの感謝と御礼を申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございます。(拍手)
○議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 三ッ谷議員におかれましては、ことし三月末をもって定年で退職する職員に対しまして温かい歓送の辞をいただきましてありがとうございました。
 きょうは、プレミアムフライデーではありませんがフライデーでございます。花金ということでございまして、一般質問も本日をもって終わるということでそれなりの商業的な繁栄に皆様も寄与されてはいかがでしょうか。
 さて、三ッ谷議員にお答えいたします。
 中国人観光客の取り込みを通じた稼ぐ力の向上策についてであります。
 観光庁の宿泊統計によりますと、本県の平成二十七年の外国人延べ宿泊者数約百七十四万人のうち中国人は約百十三万人と約七割を占めております。中国人旅行者の旅行形態はここ数年で大きく変化し約六割が個人旅行となり、旅行先もゴールデンルートから地方へと分散傾向が顕著となっております。実際中国人の方は量的にも質的にも旅行のあり方が変わっているわけですが、二〇一四年で二百四十万人が来日されました。二〇一五年――一年後には四百九十九万と二倍以上になったわけです。そして二〇一六年――昨年は六百三十七万とその前年に比べまして二百四十万人の増加と、この傾向はさらに続くでしょう。人口の五%がパスポートを持っているという御紹介でございましたから、十四億人ですので五%となりますと七千万人ということでございます。中国人の第一位の人気旅行先がタイ、二位が日本でアメリカを抜いているということでございますので、これから議員御紹介のとおり景観、風景、旅館、さまざまな日本の地方に残されている文化、いわば本物の日本を知りたいということで日本全体が旅行先となると。そうした中で多様な日本のさまざまな文化、自然、これを凝縮している形の静岡県は逃せない旅行先になるであろうと、富士山は既に富士山がトップクラスに入っているということはそのあかしであろうと存じます。
 こうした中、この夏ダイヤから復便する北京首都航空の藩陽線を初め中国各地から本県に直接お迎えできる富士山静岡空港は本県の大きな強みでございます。最大限の活用を進めてまいります。
 また、中国人観光客に本県の魅力を楽しんでいただくとともに本県に対する経済効果を高めるためには、来訪者をふやしその方々の宿泊を促し滞在時間を延ばすということが重要であります。このため魅力ある旅行商品の充実やターゲットに確実に到達する情報提供に加えまして個人客が安心して周遊できる受け入れ環境整備を進め、本県が滞在地として選ばれるように取り組んでまいります。
 昨年十月、私は北京を訪問した際に現地の市場ニーズを把握しかつ知名度も高く強い誘客力を持つ凱徹旅遊また智美体育集団と誘客に関する覚書を締結いたしました。これによりことしの春節の時期には本県を中心としたツアーが催されまして、またスポーツをテーマとする目的志向型の旅行商品も造成されております。またウエブやスマートフォンアプリを活用した個人客への商品販売や中国現地の旅行販売店において静岡県コーナーを開設するなど情報発信を強化するとともに、県内主要観光地における無料WiFi整備や多言語化への支援など個人客が安心して本県を周遊できる受け入れ環境整備にも努めます。
 今後は、静岡ツーリズムビューローが本県インバウンド分野における観光地経営の司令塔としての役割を果たしていくことで世界の観光客から選ばれるふじのくに静岡県が確立され、地域の稼ぐ力が向上し、住民の地域への誇り、愛着の醸成、地域経済の活性化が図られるように県も一体となって取り組んでまいります。
 次に、未来のエネルギーとしての水力の利用促進についてであります。
 本県は富士山や南アルプスを源とする豊富な水資源を有するいわば水の都であります。この水資源は古くから本県の県民生活や産業を支えるとともにエネルギーとしても広く活用されてまいりました。昭和三十年代には天竜川の佐久間ダム、大井川の畑薙第一ダム等が完成いたしまして、我が国において大規模な水力発電の先進県となっております。現在地球温暖化や原発の事故を受けまして、未来のエネルギーとして太陽光、バイオマス、風力等とともに水力発電も大きな期待が寄せられているところであります。
 議員御紹介いただきました竹村公太郎さん、よく存じ上げておりまして、役人をやめられてから知恵者でいらしてよく勉強されてアイデアに満ちた本を出されておりますが、そのうちの一つにおきましてこのたび多目的ダムに関する御提案もされているということであります。これは近年の降雨量の予測技術の高度化等を踏まえまして、ダムの貯水容量をこれは利水分こちらは治水分と分けて考えるのではなく水力発電にさらに活用するなど水資源のさらなる有効活用を図る方法です。その考え方は竹村さんの柔軟なところが反映されていますけれども、私どもも固定観念にとらわれることなく技術の進展等も考慮しつつ新たな視点で水力の一層の利用に取り組むことが大切であるというメッセージであると受けとめておりまして、水の都を誇る、水の都としてのアイデンティティーを持つ本県におきましてはより一層水力の利用に取り組むことが重要だと考えます。
 県といたしましても、県が管理する多目的ダムにおきまして大規模な設備の追加を必要としない方法で下流域の河川環境を維持するために放流している水を利用する小水力発電設備の導入に取り組んでいるところです。平成二十五年には奥野ダムで導入し、来年度は太田川ダムで工事に着手する予定でございます。
 また、議員御案内のように菊川市の西方発電所を初めとする農業用水を活用した小水力発電所を整備し、また市町や中小企業者による小水力発電設備の導入に対して助成制度を設けて支援しております。水力の利用促進を図っているところでございます。また安倍川に中部電力のほうが二〇二二年度の運転開始を目標として水力発電所を建設するという計画もニュースで入ってきております。
 今後とも、水資源を有効活用する方法については不断の努力と取り組みを行ってまいりたいと考えております。現在本年度末を目途にふじのくにエネルギー総合戦略の策定を進めております。これからはエネルギーをつくる創エネ、そして省エネ、経済活性化のこの三つの視点からさまざまな新しい工夫を重ね、未来のエネルギーとしての水力――先ほどは水素のことも言われましたが――こうした多様なエネルギーの拡大に努めまして暮らしや企業活動を支える基盤の強化を図ってまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(鈴木洋佑君) 筋警察本部長。
       (警察本部長 筋 伊知朗君登壇)
○警察本部長(筋 伊知朗君) 社会問題化する高齢ドライバーの事故対策と生活の足の確保についてのうち、運転免許の自主返納制度についてお答えいたします。
 初めに、本県における運転免許自主返納の現状についてでありますが、平成二十八年中、一万二千八百九十六人の高齢者が自主返納されております。近年自主返納される高齢者は大幅に増加しており、昨年は五年前の約二・三倍となりました。
 次に、自主返納促進に向けた今後の取り組みについてでありますが、巡回連絡を通じた高齢者宅への訪問や交通安全教室等において夜間に運転を控えるなどの運転の段階的自粛の奨励や自主返納制度についての教示を行うとともに、市町やバス、タクシー等の交通機関に対して引き続き返納後の交通手段の確保について理解を求めてまいります。
 また、本年二月一日からは運転経歴証明書提示者への優遇制度を実施していただく自治体、企業、商店及び協力団体を募集し、県警ホームページ等で紹介する運転免許自主返納者サポート事業の運用を開始したところであり、今後も自治体、企業等に参加を促すなどして拡充に努めてまいります。
 さらに、本年三月十二日の改正道路交通法施行に伴い自主返納に関する相談や問い合わせが多く見込まれることから、警察本部運転免許課内に相談専用ダイヤル高齢運転者支援ホットラインを開設するほか、四月からは御家族の方が付き添いながらの自主返納をしやすくするために東部、中部、西部の各運転免許センターにおいて日曜窓口での自主返納の受け付け業務を開始することとしております。
 県警察といたしましては、今後も運転免許自主返納制度の周知と自主返納しやすい環境づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 村松交通基盤部長。
       (交通基盤部長 村松 篤君登壇)
○交通基盤部長(村松 篤君) 社会問題化する高齢ドライバーの事故対策と生活の足の確保についてのうち、生活の足の確保についてお答えいたします。
 地域の公共交通は、高齢者を初めとする交通弱者にとって通院、通学などの日々の生活に不可欠な移動手段であり、高齢者が安心して免許を返納する上においても公共交通の維持確保を図り利用環境を整備していくことは極めて重要であると認識しております。
 このため、県では路線バスについては市町自主運行バス等の運行経費への支援を行っているほか地域鉄道についても施設の老朽化対策や耐震対策への支援を行うとともに、高齢者や障害者の方々にも利用しやすい環境となるようバスの乗りおりの負担を軽減するノンステップバスの導入や鉄道駅でのエレベーター設置のための支援を行うなど公共交通のバリアフリー化を促進しております。
 これらの支援策の充実により路線バスの廃止路線数が下げどまっておりますが、さらに利用しやすい環境となるよう各市町の状況や地域住民の皆様の意向に配慮したきめ細かな対応をしていく必要があり、単に既存の路線を維持していくだけではなく各市町で利便性の向上や効率化を進め公共交通網を再編していくことが重要であると考えております。
 県といたしましては、市町が行う地域公共交通網形成計画の策定に積極的に参画し、バス路線の運行ダイヤの見直しや移動をさらに容易とするデマンド型バスへの転換、過疎地域等における自家用有償運送の実施など新たな交通手段の導入について市町とともに具体的な検討を行い、公共交通の維持確保や環境整備を引き続き支援することにより公共交通が高齢者にとっても利用しやすい生活の足となるよう努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 森政策企画部長。
       (政策企画部長 森 貴志君登壇)
○政策企画部長(森 貴志君) 新成人の県内定住に向けた取り組みについてお答えいたします。
 本県は、特に十五歳から二十四歳までの若者の転出超過が多く、その主な要因は大学への進学、就職の際に県外に転出し、そのまま本県以外で定職を定め定住をしていることと考えられます。こうした若者たちが再び静岡で働きたい、静岡に住みたいと感じるような魅力ある地域づくりを進めるとともに、静岡に暮らすその魅力を発信していくことが重要であります。
 このため、県では首都圏の学生が希望する仕事を静岡県内で見つけられるよう市町や県内企業と連携して静岡U・Iターン就職サポートセンター等を通じて企業情報を発信したり、首都圏で県内企業の合同面接会を開催したりしております。また静岡で住むすばらしさを理解していただけるよう市町と合同で移住相談会の開催、移住体験ツアーの実施などにより県外の若者にも県内定住に向けた取り組みを推進しているところであります。
 議員御指摘のとおり、自分の生き方、進むべき道を見詰め直す節目として新成人に向けての情報発信が効果的であります。そうした考えから、本年一月の成人式において県内十九の市町と連携して本県への就職を促すしずおか就職ネットへの登録やしずおかジョブステーションへの就職相談について集中的に呼びかけたところであります。
 さらに、地域特性を踏まえた議論を若者たち相互で深めていくため次代を担う若者たちによる県民会議のワークショップを東部、中部、西部それぞれで開催し、夏ごろを目途に人を呼び戻す提言を取りまとめてまいります。この提言を市町の皆様に情報提供させていただき、若者の実感に即した広域的な施策を県、市町一緒になって推進してまいります。
 今後とも、若い世代の転入促進に向け市町の皆様と連携協働を図り、本県が有する豊かな自然や美しい景観、ゆとりある暮らし空間、活力ある産業などの恵まれた場の力を十分に生かし、若者が望む多様なライフスタイルが選択できる地域づくりを推進してまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 小学校英語教育の課題と現場の声についてお答えいたします。
 新しい学習指導要領への円滑な移行のため、特に小学校における英語の指導体制を整備することが喫緊の課題となっております。このことから県教育委員会といたしましては平成二十九年度より小学校英語教育推進体制整備事業を立ち上げ、教員の養成、採用、研修、配置の四本柱で推進しております。
 養成につきましては、教員養成課程を持つ県内大学と一体となって英語指導力のある学生の育成について取り組んでまいります。採用につきましては、平成二十九年度採用試験から小学校受験者が中学校英語免許や一定度以上の英語資格を取得している場合に加点を行い、優秀な人材の確保に取り組んでいるところであります。研修につきましては、平成二十九年度から新規に英語資格試験の受験や放送大学の講座受講に対して補助制度を実施いたします。また大学との連携により現職教員が中学校英語免許を取得できる講座の開設準備も始めております。配置につきましては、豊かな授業実践があり英語資格やさまざまな海外経験等を有している教員を認定する静岡県独自の小学校英語指導資格を平成二十九年度より創設し、平成三十二年度までには全小学校に英語教育のリーダーとなる人材を配置できるよう努めてまいります。
 市町教育委員会が任用しているいわゆるALTにつきましては、今後その活用が一層重要となるため授業力向上を図る研修会への積極的な参加を促し、本県が目指す英語教育について教員とともに研修を進めてまいります。
 次に、不登校生徒の文部科学省による学校調査の問題点と対応についてであります。
 児童生徒の不登校は学校教育をめぐる深刻な問題の一つであり、特に本県の小中学校では平成二十七年度は四千三百三十一名に上り、発生割合は全国平均よりも高くなっております。県教育委員会といたしましてはこれまでも不登校問題に取り組んできたところでありますが、発生件数の抑制につながっていないというのが現状であります。
 議員御指摘の文部科学省による児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査及び不登校に関する実態調査の結果について、県教育委員会といたしましては、不登校に至る要因や認識は発達段階による差異があることを前提として捉え、児童生徒一人一人に丁寧に対応していくことが重要であると考えております。
 このことから、県教育委員会では県内全ての小中学校にスクールカウンセラーを配置し、児童生徒に加えてその保護者、関係教職員に寄り添ったきめ細かな相談や心のケアを行っており、年間十万件近くの相談のうち一万二千件を超える不登校に関する相談も受け付けています。また各学校においてはスクールカウンセラーとの情報共有を通して不登校の要因となる問題に応じた継続的な支援を行うことで、なぜ不登校に至ったのかを明らかにするよう努めているところであります。
 今後も、小さなサインも見逃さない丁寧な対応と全ての児童生徒が学校が楽しい、授業がわかると言える魅力ある学校づくりを推進し、本来の居場所である学校で生き生きと過ごせる環境づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 篠原経済産業部長。
       (経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) プレミアムフライデーについてお答えいたします。
 プレミアムフライデーは国と経済団体により提唱され、県内では特に静岡商工会議所が中心となって先月二十四日に第一回目が実施されました。その趣旨は消費の喚起を狙った取り組みでありますが、議員御指摘のとおり働き方改革に向けた試金石の効果もあるのではないかと言われております。
 この取り組みについて県内企業から意見を伺うと、消費が喚起されサービス産業が活発化されるという期待がある一方、製造業を中心に職種や仕事の内容によって一律の対応は困難との意見もございます。なお県庁におきましては働き方の見直しの一環として毎週水曜日の定時退庁日、毎月第三金曜日のワーク・ライフ・バランス推進デーを設け定時退庁や休暇取得の促進に取り組んでまいりました。先月からは新たにプレミアムフライデーに当たる月末の金曜日をワーク・ライフ・バランス推進デーに追加し、仕事と生活をともに充実できる環境づくりを進めております。
 一方、県のアンケートでは県内企業の九五・二%が労働時間の縮減に、八二・一%が年次有給休暇の取得促進に取り組んでおり、働き方の見直しに積極的な姿勢が伺えます。
 県といたしましては、これを受けて既に静岡労働局、二政令市、経済団体、労働組合と協議会を設置し労働時間の短縮や年次有給休暇の取得促進に向けての課題を検討し、ワーク・ライフ・バランスの実現に取り組んでいくこととしております。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 三ッ谷金秋君。
       (六十八番 三ッ谷金秋君登壇)
○六十八番(三ッ谷金秋君) 一つ意見を申し上げたいなと思います。
 先ほど来、各部長からいろんな御答弁をいただきましたが、やっぱり若者が定住するためにはやっぱり施策だけではだめだと思うんですよね。やっぱり先ほど内容を詳しく申し上げられませんでしたけれども、やっぱり東京で住まうあるいは新宿や銀座を御承知の子供たちが帰ってきたときに、呉服町はすばらしい町なんですがやはり何か違うところを感じるんでしょう。あるいは浜松で幾らいい町並みをつくってもやはり比較するとどこかやっぱり何か足らないところがある。そういうことを考えますと、定住や若者のこれからのUターンを考えると、ただ施策だけではなくて都市計画でまちづくりもやっぱり全庁一緒になってやっていくことが私は肝要だろうなと思います。ですのでそれぞれの皆さんのいろんな意見を出し合っていただきまして、どうかまちづくりにも定住の巣ができるような、そんなイメージを持っていただくことをお願いして質問を終わります。(拍手)

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