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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

増田 享大 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/09/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 リニア中央新幹線の整備に伴う大井川の流量減少問題への
  取り組みについて
(1) 利水者の不安解消に向けた対応
(2) 大井川の水に関する調査
2 道路整備の推進について
3 スポーツの聖地づくりに向けた小笠山総合運動公園の活用
 について
4 ラグビーワールドカップ二〇一九から得られた観光誘客の
 教訓について
5 老朽化する県有施設への対応について
6 県立高校第三次長期計画について


○副議長(中沢公彦君) 以上で桜井勝郎君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、四十番 増田享大君。
       (四十番 増田享大君登壇 拍手)
○四十番(増田享大君) 私は、自民改革会議の所属議員として当面する県政の諸課題に対し通告に基づき知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式にて伺います。
 まず初めに、リニア中央新幹線の整備に伴う大井川の流量減少問題への取り組みについてのうち、利水者の不安解消に向けた対応について伺います。
 JR東海による大井川の流量が最大二・〇三トン減少との報告は、流域六十二万人に大きな不安を与え今日の県政の大きな課題となっております。私の地元掛川市は大きな河川もなく、古くから多くのため池をつくったり井戸水を活用するなど長年水確保に大変苦労した地域であり、現在も上水道の約八割、農地面積の約半分の農業用水や工業用水もこの大井川の水に依存するなど大井川の水はまさに命の水であり、春の選挙の際に多くの皆様から伺った要望や不安の声は決して忘れられるものではありません。
 これまで、県環境保全連絡会議地質構造・水資源専門部会長である静岡大学森下祐一教授のお話を二回伺いましたが、先生によると現地は四つの地層帯が連なる複雑な地質で今でも年間約四ミリ隆起し、この地下における工事の影響は専門家でも極めて難解で多くの不確実性を伴うと話します。またJRの工事計画では水収支解析において古く簡易的な高橋の方法を用いていることやボーリング調査の精度の低さ、工事途中の突発性事象への対応策の曖昧さなど多くの専門家から不備な点を指摘されております。
 以前、掛川市では新東名高速道路建設に際しお茶の名産地である東山の阿波々の麗水や倉真の松葉の滝などで湧水が減少した経験があり、またこのリニア建設においても既に山梨県上野原市などでは沢がれが発生しJRの補償も行われていると聞いております。
 JR側は、社長みずから湧水の全量を大井川に戻すことを公言していますが利水者の使用する水を保証するとは明言しておらず、流量が減少した場合適切な措置を講じるとする姿勢を何もやってもらえないかもしれないと想像してしまっている人も少なくなく、今後被害が発生した場合利水者みずからがその根拠を証明し裁判で争うことも予想されますが、それは非現実的な話で万が一の際の水の補償とその担保は不可欠と考えます。
 今日の県とJR東海との対話はあくまで環境影響評価法などの一連の手続の中での話であり、法的にどこまで県がJR東海に求めることができるのかは不透明であります。
 利水者の将来に不安を残さないためにも、着手前にJRから工事に関する詳細な情報提供とともに湧水戻しや水量が減少した際の対応や補償に関する協定書など明文化した確約が必要だと考えますが、県はどのように考えているのかまず伺います。
 次に、この工事に関しては流量減少とともに、大井川中流、特に下流域の皆様の多くが生活用水や工業用水の大部分を依存する地下水への影響が懸念されております。下流域の住民からは、地下水がかれたらみずから立証責任を果たせるものではなく、過去にも裁判になり泣き寝入りになった事例もあったなど切実な不安の声が上げられています。
 地下水は一旦失われると決して元に戻らない資源であり、また南アルプスから数十年単位で湧き上がってくるため長期的な検証が必要ですが、現在の協議においてこうした地下水の議論は決して十分とは言えない状況です。利水者が恩恵をこうむる大井川の水とは一体どのようなものなのでしょうか。
 利水関係者の不安を解消していくためには、表流水や伏流水はもちろん特に地下水についてJR東海に万全の対策を求めることと同時に、後々万が一の事態が発生した際因果関係を証明する上でも工事着手前に大井川の水とはどのような流れ、仕組みになっているのか可能な限り究明しておくことも必要ではないかと考えます。その調査は必要であれば国にも求めるべきと考えますが、あくまでこちらは要望、お願いする側であります。
 そこで、県独自として県が誇る雄大な大井川の分析と調査を行い大井川の水の現状を把握しておくことも必要ではないかと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、道路整備の推進について伺います。
 我が自民党静岡県連では、毎年夏に県内六十七の党市町支部から寄せられる要望を聞き取る政務調査会長会議を開催しておりますが、会長を仰せつかった昨年度の要望内容は約七割が道路を初めとする県民に身近な社会基盤の整備に対するものでした。
 道路整備に関し現在、県ではネットワークを形成する規格の高い道路から身近な生活道路まで、さまざまな道づくりを通じて県民の豊かで安全・安心な暮らしを実現するために取り組んでいると承知しております。
 一方、道路予算の変遷を見ますと最も多かったのが平成七年で実に一千四百五十億円もの予算が確保されておりましたが年々予算は減少し、今年度当初は昨年度より増加しているものの、ピーク時の約三分の一の四百七十億円ほどにとどまっています。その上近年では道路ストックの増加や老朽化の進展により維持管理費用を優先的に確保する必要もあり整備に充てられる予算は決して十分ではなく、地域からの要望に確実に応えていくためには単独予算の確保はもちろんのこと国からの補助、交付金を可能な限り確保していく必要があると考えます。
 今日の県単独道路整備事業では単年度一路線に対する予算は数千万円程度の状況ですが、国からの交付金事業では、例えば新々富士川橋の橋梁上部工に今年度十八億円、また私の地元で言えばエコパスタジアムの前を通る県道磐田掛川線渋滞緩和に向けた高御所・結縁寺インターチェンジ間の四車線化が本年八月に完成しましたがこれに二億四千万円、また平成十七年の合併以降市民の悲願である旧掛川市と旧大須賀町をつなぐ南北道路、県道袋井小笠線西大谷地区のバイパス整備には今年度だけで三億円もの配分をいただいており、国の交付金の大きさとありがたさがわかります。
 この国からの補助、交付金における本県からの要望に対する交付状況は、昨年度が県から国への要望額二百九十五億円に対し配分率六八%の百九十九億円、そして今年度が要望額二百九十二億円に対し実に八六%の二百五十一億円が配分され国からの予算が増加しています。
 これにはさまざまな要因が考えられますが、県では昨年度川勝知事が当時の石井国土交通大臣を初め国土交通省や財務省などに四回、難波副知事に関しては機会あるごとに国土交通省にそれぞれ直接出向いて要望いただいており、当局の皆様も含めた要望活動も予算増額につながっているものと評価するものではありますが、地域からの要望に十分に応えるためにもより一層の取り組みの強化と予算確保が必要だと考えます。
 そこで、今後どのように道路予算の確保に向けた取り組みを強化し県民が要望する道路整備を推進していくのか、県の所見を伺います。
 次に、スポーツの聖地づくりに向けた小笠山総合運動公園の活用について伺います。
 数々の歴史的名場面を生み出したラグビーワールドカップ二〇一九日本大会。エコパスタジアムでも四試合が開催され、特に日本代表悲願のベストエイト進出に向け最大の関門と言われた九月二十八日の日本対アイルランド戦は四万七千八百十三人もの大観衆の中、日本が世界ランキング二位のアイルランドに十九対十二で勝利し、日本代表はこの勢いをそのままに四連勝でベストエイトに勝ち上がるなど大躍進を果たしました。この歴史的勝利はシズオカ・ショックやエコパの奇跡として世界中に発信され、日本チームの健闘とともに本県がエコパというすばらしいスタジアムを有する地域であることが国内外に広く知られることとなりました。
 このエコパスタジアムを有する小笠山総合運動公園は、平成五年県民の生涯スポーツの拠点として、またスポーツ王国静岡にふさわしい国際大会等が開催可能な競技施設を有する公園として基本計画が作成されましたが、その後バブル崩壊による各種事業計画の見直し、いわゆるサマーレビューによりテニスコートや球技場等の整備が取りやめとなってしまいました。
 その後、平成十三年度までにメーン施設となるエコパスタジアムを初め補助競技場、エコパアリーナが、その後ソフトボール場や人工芝グラウンドが完成し、平成十四年にはサッカーのFIFAワールドカップ日韓大会、その翌年には国民体育大会が開催されるなど世界大会・国内大会の開催地として幅広く利用されてまいりました。
 サマーレビューにより一部施設の整備は先送りされてしまいましたが、当時と社会情勢は変わり、また近年では健康・スポーツ志向も一段と高まっておりラグビーワールドカップによって再度世界の注目を集めた今、改めて本県を代表するスポーツの聖地としてこの施設の持つ有益性を見詰め直すときなのではないでしょうか。
 特に、県西部は総合計画においてスポーツ振興による地域づくりを目指しているエリアでもあり、今後はラグビーワールドカップのレガシー創造はもちろん大規模スポーツ大会等を指定管理者などとも連携して継続的に開催し、夢があり活力に満ちた地域づくりの中核となる施設としてエコパを有する小笠山総合運動公園を活用していくことが必要だと考えます。
 そこで、小笠山総合運動公園においてスポーツ施設としてエコパが持つポテンシャルを活用して県が進めるスポーツの聖地づくりに生かしていくためにどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、ラグビーワールドカップ二〇一九から得られた観光誘客の教訓について伺います。
 このラグビーワールドカップ日本大会において、エコパスタジアムでの四試合の観客数は東京と横浜以外の地方都市十会場で行われた試合の上位四位を独占するなど本県には多くの観戦客が来訪しました。
 静岡経済研究所の当初の試算によりますと、県内への経済波及効果はFIFAワールドカップ日韓大会を超える百二十億六百万円と予測、私の地元でもJR掛川駅周辺の主要ホテルは四日間とも客室の九割以上が埋まり静岡、浜松両市に設けられたファンゾーンも大変な盛り上がりを見せ、また試合の合間の期間にも多くの外国人ファンが各地を観光したと伺っております。
 このように一度にこれだけ多くの外国人旅行者が本県を訪れる機会は貴重で、外国人旅行者の積極的な誘客促進に取り組んでいる本県にとっても外国人旅行者の動向や嗜好の傾向等を把握するための絶好の機会となったはずです。
 そこで、県として訪日外国人の観光誘客の観点から今回のラグビーワールドカップ二〇一九開催を通じてどのような効果がもたらされたのか。また今後さらに促進していくためにどのような課題認識を持ち、それらを踏まえ東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催に向けどのような取り組みを展開していくのか伺います。
 次に、老朽化する県有施設への対応について伺います。
 我が国は戦後の復興から高度成長期を経て一気に近代化の道を歩んでまいりましたが、言いかえれば多くの施設の建設が一九六〇年代から七〇年代に集中し、本県でも同様に県立高校や県有施設の建設が相次ぎました。しかし短期間に多くの構造物を建設したことから今日必然的に多くの施設が一気に老朽化を迎えており、防災上の観点からもその対応が社会問題となっております。
 本県が所有している公共建築物は全体で約千四百施設、延べ床面積にして約四百万平米、県立高校を含む教育施設、県営住宅、職員住宅や庁舎、警察、研究施設などがありますが、これらのうち築三十年を経過したものは教育施設が五八%、県営住宅六二%、職員住宅五六%、この県庁本館を含む庁舎等は五七%に上ります。中でも県立高校など学校施設の老朽化は著しく築後四十年を超える建物が全体の四割以上を占め、多くの学校で老朽化が目立ちさまざまなふぐあいが生じています。
 以前地元の県立掛川工業高校を視察させていただいた際、雨漏りや機器の老朽化が著しく次代を担う子供たちの学ぶ環境としてまことにふさわしくないと感じました。残念ながら、母校掛川西高校も一昨年校舎の長寿命化に向けた改修が行われましたがことしに入り他の校舎で雨漏りが発生し突発的な修繕をしてもらったばかりで、このような県有施設の修繕費は毎年度約六十億円にも上っています。
 昨年度県当局との新年度予算折衝の際、学校施設の老朽化対策として新年度は約二十五億円を投じその他は翌年以降予算状況を勘案しながら進めていく、言いかえればその都度考えていくというお話で、有徳の人づくりを最大目標に掲げる本県にとってこのような綱渡り的な予算措置による整備方針で果たしてよいものかと強く疑問に感じました。せめて子供たちの学ぶ環境だけでも予算を担保した上でしっかりと整備してあげるのが私たちの責務であり、他の県有施設においても県民生活に直結する施設が多く同様だと考えます。
 県のまとめによると、公共建築物の大規模改修や建てかえ等には学校施設だけで今後の推計値で約百億円、全体では年平均百八十八億円が必要とされており、これらの老朽化対策を進めるには県民ニーズに呼応した施設のよりよいあり方をしっかりと検討し着実に実施していくことが重要です。その上で予算も毎年の財政状況に影響を受けながら捻出するのではなく、基金のようにしっかりとした財源枠を設け整備を進めるべきと考えます。
 そこで、公共建築物の老朽化に対応するため県は具体的にどのように取り組むのか。また新たな基金を創設するなどの財源確保を図るべきと考えますが、県の所見と今後の取り組みについて伺います。
 最後に、県立高校第三次長期計画について伺います。
 近年少子化が進む中、県内の中学校卒業予定者数についても今後十年間で約四千人の減少が見込まれており、昨年三月県教育委員会では今後十年間程度を見通した県立高校のあり方を示した県立高等学校第三次長期計画を策定し今後県内の四地区において新構想高校計画を進めることとしています。
 県では、これまでにも一学年六から八クラスを適正な学校規模と考え第二次長期計画までに二十二校を改編、十校の新構想高校が誕生。そして現計画において伊東地区での再編協議が行われ、このほど県教育委員会の案に地元が同意したとのことであります。
 この伊東地区の再編に際し、県教育委員会では地元に何度も足を運んで説明を行い学校関係者や地域住民の声に向き合い約一年半以上の議論を重ねたと伺っておりますが、地元はもちろん県総合教育会議や知事の諮問機関である地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会などからも各校の特色を存続する意見や再編時期等について柔軟に対応することを求めるなどさまざまな意見が寄せられたと聞きます。
 私の地元である小笠地区においても掛川市の横須賀高校と御前崎市にある池新田高校を改編し令和八年度をめどとして新構想高校を設置することが計画されていますが、一昨年の計画公表以降地元の不安は根強く、まず横須賀高校関係者が横須賀高校を守る会を発足、同校の存続を求める一万四百六十八人分もの署名を川勝知事と木苗教育長に宛てて提出し、池新田高校側もことし九月におまえざき教育振興協議会を設立し活動を始めています。
 この高校再編につきましては、少子化が進む中で教育の質をどのように確保していくのか、その一方で県が目指す有徳の人づくり大綱、その宣言文の冒頭にある教育における地方創生を実現する観点から地域社会の未来をどう描いていくのか非常に難しい計画だと感じておりますが、何よりも学ぶ生徒を最優先に考えその将来に向けた再編の協議であってもらいたいと切に願うものであります。
 また、来年四月から高等学校等就学支援制度が拡充され私立学校に通う生徒の就学支援金の限度額が引き上げられることとなり、公立高校としてもその影響を最大限注視していく必要があると考えます。
 今後小笠地区での新構想高校計画を協議していく上では、伊東地区以上に地元の声を大切にしながら時間はかかっても慎重かつ慎重に計画を見きわめていくことが重要で、今後の募集状況等をしっかり見きわめ計画の具現化に対し柔軟に対応していくべきであり、よりよい教育環境づくりに向けた明確な物差しを広く示して地域住民を含めた合意形成を図っていく必要があると考えます。
 そこで、県教育委員会では県立高校第三次長期計画のうち、特に小笠地区の新構想高校計画について今後どのように進めていくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 増田議員にお答えいたします。
 ラグビーワールドカップ二〇一九から得られた観光誘客の教訓についてであります。
 県では、ラグビーワールドカップという大きな国際大会に際しまして多くの外国人観光客に本県を訪れていただけるようラグビー人気の高いオセアニア、またヨーロッパを中心としたプロモーションを実施するなど誘客促進に努めました。また県内の飲食店、宿泊事業者等を対象にラグビー観戦者の特性を踏まえた研修会を開催するなど受け入れ体制の整備に取り組みました。この結果、本県の九月の外国人宿泊客数は全国平均の前年比一・七%増を大きく上回る四四%増の約十八万人に達するなど大きな成果を上げたところであります。
 また、エコパスタジアムでの試合当日は愛野駅周辺におきまして静岡県立大学に御協力をいただき外国人観戦客にアンケートを実施いたしました。その結果、本県の印象としては「県民が親切であった」との回答が約九六%あったほか、「風景が美しい」、「食べ物がおいしい」につきましても高い評価を得たところであります。
 一方、同じ外国人観戦客アンケートにおきまして回答者の六六%、三分の二が試合当日に県内に宿泊したと答えましたが、七五%は本県の滞在日数が一日から二日でありまして短期の滞在者が多く見られました。滞在の長期化が今後の課題であると認識したところです。
 このため、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けまして今月二十四日を皮切りに県内各地において自治体、宿泊施設、観光施設等を対象に観戦客の受け入れ体制の整備として館内表示やメニューの多言語化の推進、歓迎装飾の強化などを図るための研修会や検討会を開催するなど全県を挙げて受け入れ体制を早期に整えてまいります。また多くの観戦客の方々に県内の観光地を広く周遊していただくために広域周遊型の商品づくり、またSNSを活用した情報発信の強化を図ることとし、必要な経費を本議会でお諮りしているところでございます。
 県といたしましては、来年度は四月から六月に行われるアフターデスティネーションキャンペーン。昨年のプレキャンペーン、これが成功しまた本年の本番も成功しました。JR各社、なかんずくJR東海との関係がうまくいっているということでございますが、この四月から六月に行われるアフターデスティネーションキャンペーンをスタートといたしまして、オリンピック・パラリンピック開催期間中に国内外から多くのお客様に本県を訪れていただけるよう商品づくりや効果的な情報発信、受け入れ体制の充実に全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(中沢公彦君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) リニア中央新幹線の整備に伴う大井川の流量減少問題への取り組みについてのうち、利水者の不安解消に向けた対応についてお答えをいたします。
 南アルプストンネル工事による水資源への影響につきましては、工事着手前に利水者や地域住民の皆様が抱く不安や懸念を解消する必要があります。トンネル工事が招く水がれ等は、よく知られている東海道本線丹那トンネル工事により水源が枯渇した例から最近では新東名高速道路建設に伴う掛川の東山や倉真地区の沢がれがあり、現在でも地元にとって大きな痛手となっております。
 また、山梨リニア実験線のトンネル工事におきましても沢がれが生じ、JR東海が工事との因果関係を認めて補償手続に至るまでに地域の方々の大変な御努力と相当の時間を要した上、補償期間も三十年に限られたものです。
 このようなことから、議員御指摘のとおり、まずは大井川水系の水循環の構造を理解をした上で工事により地表水の流量減少や中下流域の地下水への影響などどのようなことが起きる可能性があるのかについてJR東海が明らかにし、それを地質構造・水資源や生物多様性の有識者から成る専門部会で確認することが必要です。また流量減少対策等につきましては、流域の利水者や市町等で構成される大井川利水関係協議会の各会員を初め県民の皆様が納得できるものであることが必要です。
 その上で、万が一水の利用に悪影響が出た場合に備えてあらかじめ影響の評価方法や補償方法について利水者等が納得できるものとし、その内容を盛り込んだ協定等をJR東海と締結すべきであると考えます。
 県といたしましては、利水者や地域住民の皆様が将来に不安を残すことのないよう全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) リニア中央新幹線の整備に伴う大井川の流量減少問題への取り組みについてのうち、大井川の水に関する調査についてお答えいたします。
 JR東海と引き続き対話を要する四十七項目のうち、中下流域の地下水への影響につきましては今後の論点の中でも特に重要な項目であると認識しております。
 中央新幹線環境保全連絡会議の専門部会で、井戸がれにより地域住民の皆様が泣き寝入りを余儀なくされることのないようリニア工事との因果関係は事業者であるJR東海が責任を持って調査し中立的な第三者の評価を受ける必要があると意見しております。工事前の地下水調査を徹底し地下水の由来やバックグラウンドデータを整理した後、自然的な要因による地下水の水位の変動範囲を検討するようJR東海に求めております。
 県といたしましては、JR東海による十分なデータ整理が確実に行われるよう県が保有する大井川流域における地下水の水位、水質、水温の測定結果等を提供いたします。その上で大井川の現状を把握するために必要な調査は引き続き事業者であるJR東海が責任を持って行うよう求めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 宮尾交通基盤部長。
       (交通基盤部長 宮尾総一郎君登壇)
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 道路整備の推進についてお答えをいたします。
 本県では、東名、新東名高速道路のダブルネットワークや伊豆縦貫、中部横断及び三遠南信自動車道が順次供用されるなど高速道路網の形成が進んでおります。一方で厳しい財政状況の中、これまでに建設された道路の維持管理更新費の割合が増大しておりますことから、地域が期待する道路整備を計画的に推進していくためには道路に係る予算の総額を増加させる必要があります。
 このため、主要拠点へのアクセス道路の整備、老朽化した施設の修繕や更新及び通学児童の安全確保のための歩道整備など国が掲げる重点施策に適切に対応した補助金、交付金の予算要求を行っているところであります。
 こうした予算要求と並行して、県と関係する市長、町長や経済団体など多くの方々が国への要望活動を行い事業の必要性や地元の熱意を直接訴えるとともに、道路のストック効果についてあらゆる機会を活用して積極的に発信した結果、国土強化など新たな施策が導入され道路に関する予算総額が拡大し本県への配分も増加したと考えております。
 県といたしましては、今後もこのような要望活動を継続するとともに、本県選出の国会議員、県議会議員の皆様方のさらなるお力添えもいただきながら予算総額の確保に全力で取り組み必要な道路整備を着実に進めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 植田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 植田基靖君登壇)
○文化・観光部長(植田基靖君) スポーツの聖地づくりに向けた小笠山総合運動公園の活用についてお答えいたします。
 大盛況のうちに幕を閉じたラグビーワールドカップ二〇一九では、日本対アイルランド戦での歴史的勝利がシズオカ・ショックとして世界中に報じられ、会場であるエコパスタジアムの名も広く知られるところとなりました。選手のプレーがより鮮明に臨場感を持って観客の目に焼きつけられるエコパスタジアムが、改めて国際級のスポーツイベントを実施するのにふさわしい会場としても認知されたところであります。
 今後は、国内外に認知された施設の強みに加えワールドカップの開催を通じて獲得した運営やおもてなしなどのノウハウを継続的な大型スポーツイベントの誘致に最大限生かすなど小笠山総合運動公園の活用を図ってまいります。
 既に来年八月には全国高等学校総合体育大会の陸上競技の開催が決定をしております。さらに今後、日本サッカー協会が招致を目指すFIFA女子ワールドカップ二〇二三や二〇二六年に愛知県で開催されるアジア競技大会のサッカー競技など競技団体や地元市町、指定管理者、地域経済界等の関係者の皆様とともに大型スポーツイベントを積極的に誘致してまいります。
 また、エコパスタジアムを拠点とするアザレア・スポーツクラブがワールドカップ静岡開催のレガシーの一環としてラグビー女子セブンズチームを創設する動きなども出ております。こうした地域のスポーツクラブと協働し多様なスポーツの普及や競技人口の拡大に向けた取り組みを進めるなど、地域スポーツでの活用も図ってまいります。
 県といたしましては、小笠山総合運動公園が持つハード・ソフトの資源を活用しスポーツを通じた交流の促進とスポーツによる地域の活性化を図ることにより、中東遠地域はもとより県全域がスポーツの聖地となるよう地域の皆様と連携して取り組みを進めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木経営管理部長。
       (経営管理部長 鈴木宙志君登壇)
○経営管理部長(鈴木宙志君) 老朽化する県有施設への対応についてお答えいたします。
 公共施設の老朽化は全国共通の課題であり、築三十年を超える老朽化施設の割合が全体の約六割を占める本県におきましても安全で快適な施設環境を確保するため計画的な対応が求められております。
 県では、今年度末までに延べ床面積二百平方メートルを超える庁舎や教育施設など全ての県有施設において今後三十年を見通した個別施設計画を策定し、施設ごとに建てかえ時期の目安や長寿命化等の方針を定めることとしております。計画策定後の具体的な取り組みといたしましては、まずは施設の状態を正確に把握するための劣化診断を実施することとし、その上で診断結果に基づく適切な保全による建物の長寿命化と財政負担の平準化を図ってまいります。
 しかしながら、こうした取り組みを実施しても建てかえや修繕等が短期間に集中することも想定されますことから、議員御指摘のとおり安定的な財源確保のため新たな基金の造成について検討を進めてまいります。
 県といたしましては、利用者を初め県民の皆様に良好な行政サービスを提供し続けていくために、引き続きあらゆる対策を駆使しながら公共施設の適正な維持管理に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 県立高校第三次長期計画についてお答えいたします。
 昨年三月に策定したふじのくに魅力ある学校づくり推進計画は今後十年間の県立高校の基本的な方向性を示したものであり、新構想高校につきましては県内四地区において進めることとしております。計画案の公表以降関係の方々、とりわけ再編対象の高校の関係の皆様から数多くの御意見をいただき地元の高校への熱い思いをありがたく感じるとともに、今後もあらゆる機会を通じて話し合いを続けてまいりたいと考えております。
 小笠地区新構想高校につきましては、同窓会の皆様を初め地元の方々に対する説明会のほか地元の要望等を受ける際に話し合いの場を設けてまいりました。開校予定は令和八年四月としており、設置準備委員会を立ち上げて教育内容等を検討していくこととしております。同窓会や後援会などの学校関係者、地域住民の皆様に対して学ぶ生徒にとってよりよい教育環境の考え方などを丁寧に説明しながら御意見を伺い、合意形成が図られるよう最大限の努力をしてまいります。
 第四次産業革命とも言われる時代を迎え、また議員御指摘のとおり私立高校における就学支援金制度の拡充を控え県立高校の魅力化、特色化は喫緊の課題であります。
 県教育委員会といたしましては、再編対象の高校がこれまでに培ってこられた伝統や特色に配慮しつつ、次代を担う子供たちに求められるよりよい教育環境の整備に向け柔軟な姿勢で関係の方々との協議を重ね魅力ある学校づくりを推進してまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 増田享大君。
       (四十番 増田享大君登壇)
○四十番(増田享大君) 要望を一点、要望を兼ねた質問、そして再質問をそれぞれさせていただきます。
 高校の第三次長期計画に関しまして、今まで二十二校を統廃合して十校誕生しておりますけれども、残念ながらこの十校のうち数校では当初の定員をかなり下回っているといいますか減っている学校が散見されます。今度の伊東にしても、今度の小笠にしても、どちらかがなくなってしまう学校があるわけでございますので最高の学校をつくっていただきたい。施設、教育内容ばかりでなくて、個人的には先生ですね、教師陣の配置についても進学校ばかりいい先生を送るのではなくて、ぜひこういった高校にもいい先生を配置していただいて学ぶ環境を整えていただきますように御要望させていただきます。
 リニアに関しましては要望を兼ねて再質問をさせていただきます。
 先週の掛川の水について考えるシンポジウムの難波副知事のお話もお伺いしましたけど、聞けば聞くほど地下水は難しいという思いがしております。ただ地元の皆さん難しさがあって、専門的な知見だとか科学的知見とかという言葉が多いもんですからよくわからないんだけど不安という方が実は私多いんじゃないかと思っております。
 ですから、県の皆さんにはこれからわかりやすくということで第一問目の質問をさせていただきますけれども、協定書のような締結を求めていくということでしたけど協定書、文言、明確な文書による協定書を結ぶことが県としての賛意の条件と捉えてよろしいでしょうか。一点目の質問をさせていただきます。
 そして二点目ですが、地下水の因果関係は非常に複雑で難しいと言われておりますけれども、地下水の専門家の論文などを読みますと、開発工事と地下水への影響は事前の調査をしっかりと行って、例えば井戸や地下水の台帳みたいなものをつくってそれで事前、事中、事後とチェックしていけばその因果関係明確に判別できるという論文もあると聞いております。
 特に、本県には県の環境衛生科学研究所があって、既にもう地下水の熱利用ですけど大井川の水系の由来かどうかというのは一定の地域でも調べていただいている。このただ六十九地点という調査している観測地点が少ないとも思われますので、こういった観測地点を流域に広めていただくことによって自分のとこの地区の井戸水が、地下水が大井川由来なのかどうかが少しでも判別がしやすくなるのではないかと。そうすることによって不安も解消される地域も出てくるのではないかと思いますので、ぜひ調査広めていくべきと思いますが、またそれもJRに求めるよりも私は県のこの専門家の皆さんにやってもらったほうが私は正確だと思いますが、その応分の費用をJRに求めるでも私はいいんじゃないかと思いますけれども、県の考え方と取り組みを教えてください。
 それと最後に、県有施設の老朽化する対応について部長から基金の創設の検討をという御答弁をいただきありがとうございました。県では現在三十一の基金を持っていますけれども、例えば庁舎建設基金など施設に関連する基金もあってこうした基金を活用するのも一考だと思いますが、どのようにして基金をつくっていくのか御所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) リニア中央新幹線の整備に伴う大井川の流量減少問題の取り組みについての再質問にお答えいたします。
 まず、協定を結ぶことが工事のゴーサインかというような御質問だったと思いますが、水問題の影響の評価方法や補償方法について利水者が納得できる状態になったときには協定が結べるだろうということでございまして、それが全部の問題が片づいたときなのか、この問題だけが片づいたときなのか、そこは今後の状況によるかと思います。
 それから水に関する調査でございますけれども、環境衛生科学研究所ではいろんな研究を行っております。その中で地下水熱利用適地評価のために今回大井川流域の地下水の成分ですとか温度分布、それからそういったものを調査しているわけでございます。これはあくまでも地下水熱利用のためでございまして、そのデータがこの大井川の水問題にも使えるのではないかということで、県としてはこのデータをJRのほうに提供しようと思っております。この調査というものはやはり事業者たるJR東海が責任を持って調査していただいてですね、そしてその内容を県のほうの専門委員会等で検証すると、そういう方法で行っていきたいと考えております。以上です。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木経営管理部長。
○経営管理部長(鈴木宙志君) 老朽化する県有施設への対応についての再質問にお答えいたします。
 基金につきましては、具体的には現在個別施設計画を策定中でございますので、この作業の中で進めている対策費用、あるいは対策が集中する期間なども含めて具体的には検討を進めてまいりたいと思ってます。
 議員御指摘いただきました庁舎建設基金につきましては、県有施設の新設、建てかえ、あるいは大規模改修に備えるという目的で設置されておりますけれども、現在の基金残額が五十六億円ということでございます。今後この基金などの活用も含めて有効な財源確保策を検討してまいりたいと考えております。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) これで増田享大君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十二月十日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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