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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

田形 誠 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/28/2018

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 災害への備えについて
(1) 防災人材の活用と広域行政受援
(2) 外国人支援
2 消費者被害の防止について
3 食の安全への取り組みについて
4 介護職員の職場定着について
5 浜松市沿岸域防潮堤整備における海岸利用への配慮に
向けた取り組みについて


○副議長(落合愼悟君) これで中沢公彦君の質問は終わりました。 (拍手)
 次に、二十番 田形 誠君。
        (二十番 田形 誠君登壇 拍手)
○二十番(田形 誠君) 私は、ふじのくに県民クラブの田形誠でございます。冒頭私ごとで大変恐縮ではございますけれども、私が十二年間住んでおりました広島県を本拠地とする広島東洋カープが一昨日、巨人軍Vナイン以来となる三連覇を達成いたしました。その間二十五年間のBクラスを含めた暗黒時代を経てここに至るわけで、その地元の喜びはひとしおだというふうに思います。
 さて、そんな広島東洋カープですが球団創設以来、市民球団として今日に至っているわけですがずっと黒字であったということです。実はこれ十二球団の中で唯一だということで、その球団運営の中でこの行政と決定的に違う点というのはその実行に至るまでのスピード感だと私は思っています。ぜひ県行政におかれましてはこうした今後スピード感を持った実行に移していただければとお願いをしつつ一括方式で質問をいたします。
 初めに、災害への備えについて伺います。
 平成三十年、あと三カ月ほどを残しておりますけれども、ことしは自然災害という点においてはまさに受難の年と言えると思います。豪雪に始まり地震、豪雨、猛暑、台風、大小さまざまな自然災害が全国各地で猛威を振るい、至るところで再建のめどがつかないといった状況にあります。とりわけ七月下旬に発生をしました台風十二号にいたりましては本土を東から西へと進路をとった前代未聞の現象であり、今後においてもいつどこでどのような規模の自然災害が我が国をどういった形で襲うのか全く想像もつかないような心境でありますけれども、改めてこの災害対応について二点伺います。
 一点目は、防災人材の活用と広域行政の受援体制についてであります。
 東日本大震災や熊本地震では、市町村の首長さんが残念ながらに被災をされてしまったり、あるいは庁舎の損壊などによって行政機能は著しく低下、応急対策のみならず避難所の運営や被災者の生活再建など災害時の行政事務を適切に実施することが困難となる事態が生じました。これら被災地自治体に対し本県はこれまで相互扶助の精神で積極的に支援してまいりました。
 平成三十年七月豪雨災害におきましても、県と県内市町が連携をし多くの職員を広島県呉市に派遣をし避難所の運営や罹災証明の発行、被災者の健康相談などの業務を支援されたと伺っております。
 今回、本県が呉市を支援したように都道府県や政令市が特定の一つの市町村をマンツーマンで支援する、いわゆる対口支援方式のメリットは応援自治体が被災自治体のニーズを的確に把握し、きめ細やかな支援が期待できるところにあります。
 本県が、東日本大震災の発災当初から岩手県山田町と大槌町を継続的に支援し、両自治体からも高い評価を受けましたのはまさにこの対口支援の先駆けではないかと思います。
 一方、予想される南海トラフ地震では九州南部、四国から東海地方にかけて広範囲かつ甚大な被害が予想され、本県においても多くの被害や避難者の発生により応急対策や被災者生活再建などの行政ニーズが膨大になるおそれもあります。また近年は先ほど申しましたけれども、災害が頻発しているということで各自治体が地元の災害対応で手いっぱいになってしまう、そういった可能性もあろうかと思います。行政応援に人を派遣する余裕がなくなる、そんなことも十分に考えられます。
 そうした中で、南海トラフ地震が発生した場合、他県からの十分な応援体制が得られるのか心配になります。
 そこで、大規模災害発生時に行政体制を確保するためには行政受援体制の整備とともに職員の災害対応能力をさらに向上をさせ、人材の活用を図る必要があると考えます。 これまで県及び県内市町が被災地自治体を支援した経験は、本県の災害対応能力向上にも非常に有意義であったと考えています。派遣された職員は被災地の現場を目の当たりにして実際に本県で災害が発生したときどのようにすべきか、これを肌で感じ取ってこられたのだとも考えています。
 派遣された職員から被災地で学んだ教訓を聞き取り、今後の県としての災害対応に生かすとともに被災地派遣経験のある職員を災害対策のキーマンとして活用できるよう、 OBの職員も含めて防災人材として活用すべきと考えますが、所見を伺います。
 あわせて、本県が災害により甚大な被害を受けた場合に備え、行政機能を確保するための行政受援体制がどのような形で準備されているのか伺うところです。
 次に、外国人支援についてであります。
 総務省の統計によりますと、本県に暮らす外国人の数は平成二十七年以降増加傾向にありまして、本年一月現在八万二千人を超えております。私の地元浜松市においてもやはりブラジル人が多いということは変わりがありませんけれども、最近ではベトナム人も増加するなどアジア圏を中心とした多国籍化が進んでいると感じています。
 現在、我が国は人口減少、高齢化という大きな課題に直面をしております。こうした課題を乗り越えていくには外国人の活躍も大いに期待されるところであります。国はことし六月に公表しました骨太の方針において就労を目的とする新たな在留資格を創設することとしました。また県はことし三月にふじのくに多文化共生推進基本計画を策定し、県内に居住する外国人及び日本人が安心して快適に暮らし能力を発揮することができる多文化共生社会の実現を目指すことを基本目標に掲げ各種施策を推進することとしております。
 私は、外国人の方に活躍をしてもらうためにはやはり安心した生活を送れる、そういった環境整備が必要なんだろうと思っております。特に災害時におきましては、要配慮者となる外国人への支援体制を構築することは喫緊の課題だというふうにも捉えております。
 先ほども触れましたとおり、国内では大規模な災害が立て続けに発生をしております。そうしたことからも災害時の外国人支援の重要性はますます高まっていると思います。
 さて、私は平成二十九年二月の定例会におきまして災害時における外国人の避難について取り上げましたが、避難所運営マニュアルにつきましてはことし三月の改訂により避難者である外国人の方々への配慮に加え、適切な情報提供ができれば外国人住民は支援者として活躍できることが盛り込まれておりました。言葉の壁、文化の違いなどから生ずる弊害を回避し地域の外国人住民の共助を期待するにはこうした適切な情報提供ができる体制整備が必要だと感じます。
 県は、本年度大規模災害が発生した際に外国人住民を言語面で支援する災害時多言語支援センターを核とする支援体制づくりに取り組んでいるとのことでありますが、災害時における外国人支援をより実効性あるものとするため具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、消費者被害の防止について伺います。
 平成二十九年度に県民生活センターの消費生活相談窓口に寄せられた相談件数は、六千三百八十八件、前年度六千百五十五件に比べ三・八%の増でありまして、このうち二十代以下の件数は六百五十四件とのことでありました。若者の主な相談事例といたしましては身に覚えのない利用料金などの請求に関する相談が最も多く、具体的にはオンラインゲーム、脱毛エステ、フリーローンやサラ金、ファンド投資商品などが挙げられます。またスマホのボタン一つで情報の入手や商品、サービスの購入などが簡単にできてしまうため、もしかすると意図せず契約をしてしまっている、そんなこともあろうかと思います。さらに若者は相対的に社会経験が乏しく悪質業者のターゲットになりやすいことも考えられます。
 さて、ことし六月の国会を経て二〇二二年度以降、成年年齢が十八歳へと引き下げられます。その是非について問うつもりはありませんけれども、最大の課題として国会でも議論になったのが未成年者取消権の喪失であります。現在は保護者の同意なしに未成年が結んだ契約につきましてはこの未成年者取消権の名のもとに取り消しが可能です。 また裁判の折にも取引時の年齢が立証されれば未成年者取消権の主張が認められることから、そもそも悪質業者にとってこうした未成年者ははなからターゲットになり得ないのだと思います。
 さて、十八歳、十九歳といえば高校三年生あるいは大学、社会人の一年目というまさに節目の年でもあります。私自身のささやかな経験をもとに申し上げるのであれば、この時期は新たな環境や出会い、そういったところに心を躍らせ時には少々羽目を外してしまうこともあろうかと思います。
 さて、消費生活年報によれば悪質商法の一つであるマルチ取引の契約当事者年代構成比は二十歳代が三五・九%、三十代以上は軒並み一〇%前後ということを踏まえますと、やはりかなり突出していると思われる一方で二十歳未満は三・一%と極めて低い数値となっています。十八歳以上の未成年にとりましてはこの未成年者取消権がいわゆる御老公の紋どころたる証左と言えるのではないかというふうに思っておりますが、二〇二二年度以降十八歳以上の若者はその行使ができなくなります。そのため契約やお金に関する基本的な知識不足や実社会での経験不足から若者におけるマルチ商法や多重債務などの消費者トラブルの拡大が懸念されます。
 こうしたことを踏まえますと、若者が被害に遭わないために正しい知識を習得していただくことや社会での自立を促す消費者教育が必要かと考えますが、県の取り組みについて伺います。
 次に、食の安全への取り組みについて伺います。
 食の安全を脅かす事件や事故は、毎年数多く報道されておりまして、昨年発生しました関東地方の総菜チェーンにおけるポテトサラダによって死者を伴うO−157が検出されたり、あるいは和歌山県や東京都の学校給食で提供された刻みノリによるノロウイルス大規模食中毒など記憶に新しいところであります。静岡県内におきましても平成二十六年の学校給食として提供された食パンによる患者数千二百人を超えるノロウイルス大規模食中毒や夏の花火大会の露店で提供された冷やしキュウリを原因とするO−157、 さらには平成二十八年本県で製造された冷凍メンチカツが神奈川県内の家庭を中心にやっぱりO−157による食中毒が発生、 こうした事案は年々大規模化、 広域化をしており先ほども申し上げました本県内で製造、 加工された食品によって県内だけではなく県外の方々に健康被害をもたらしたということは非常に残念なことにも感じたところであります。
 来年、 再来年にはスポーツのビッグイベントが開催されます。 本県も競技会場となることから今後国内外から本県を訪れる方々が大きく増加することが予想されております。 こうした機会は品質も極めて高い食材の王国である静岡県の食を通して本県をアピールする絶好の機会であると思っておりますけれども、 そこは食の安全というものがしっかり担保されてのことだというふうに思っています。
 このため、 本県を訪れる方々も含め全ての消費者が安心して県産食品を食べていただけるよう、 県産食品の安全性の確保と飲食店や宿泊施設など飲食物を提供する施設の衛生管理の徹底など食品の安全の確保への取り組みが重要であることは言うまでもありません。
 また、 食品の安全性に関する情報発信やアレルギー物質や原料原産地、 栄養成分などの適正な食品表示といった食の信頼確保への取り組みも質、 量ともに重要な位置づけになってくると思います。 県におきましては平成十四年度にしずおか食の安全推進のためのアクションプランを策定してからこれまでの間、 食品の生産から流通、 消費に至る総合的な安全確保を図るとともに消費者の信頼の確保に取り組まれてきましたけれども、 今後さらなる県民の食の安全・安心に向けてどのように取り組まれていくのか、 そのお考えを伺います。
 次に、 介護職員の職場定着について伺います。
 平成二十九年の賃金構造基本統計調査によりますと、 介護職員の平均勤続年数は約六年、 他産業との比較してまいりますと七年も短いというのが実態であります。 職場定着はおろか離職に歯どめがかかっていない要因として介護利用者あるいはその家族からのハラスメントが社会問題として最近取り上げられております。
 日本介護クラフトユニオンが実施したアンケート調査によりますと、 七四・二%の方が何らかのハラスメントを受けており、 そのうち九割強が殴る、 蹴る、 どなる、 暴言といったパワハラ、 四割が抱きつく、 さわる、 さわらせようとするセクハラの被害に遭っているとのことで、 まさに今この瞬間にもどこかの現場で新たな被害が出ているのかもしれません。
 先般、 介護とハラスメントをテーマに放送されましたテレビ番組で見た、 どす黒くそして大きく腫れ上がったあざは事の深刻さを示すには十分過ぎるほどであり、 介護職の方がまさにストレスのはけ口にでもされているようにしか思えてなりませんでした。 確かに業務上直接体に触れる機会も多く、 とりわけ訪問介護は自宅という相手のテリトリーに入って職務に当たる以上、 身体的にも精神的にも距離が近くなりやすくハラスメント被害のリスクが高まることは否めません。
 とはいえ、 実際にパワハラ、 セクハラを起こすのは一部の高齢者や家族でありまして、 こうした高齢者によっては要介護度の違いはあれど要介護者に人権があるのと同様、 介護する側にも人権があることを踏まえればこうした実態を見過ごすわけにはまいりません。
 さて、 介護職をされている友人に伺いますと、 こうしたことは以前から大なり小なり日常茶飯事で今になってようやく明るみになっただけで相談をしても変わらない、 うまく受け流すのがプロといった風潮が業界にはあるとのことでありました。 またこうした風潮が介護職員に我慢か離職の二択を迫る状況へと追い込み、 離職した職員の中にはもう二度と現場復帰したくないという声とともに我慢に我慢を重ね抱え込んだストレスが虐待の引き金となっているといった可能性を指摘する声も頂戴したところであります。
 多くの事業者が、 利用者またはその家族としっかりと向き合いながら介護サービスを提供する一方で、 たった一人の利用者、 家族の行き過ぎた行為によって介護職員を失ってしまえば、 それはまさに大きな社会損失とも言えます。 ハラスメント問題によるイメージの悪化は困難をきわめる人材確保へも影響するものと思われ、 今後の介護業界への不安は尽きません。
 少しでも働きやすい職場環境を築くことで介護職員の職場定着を図り、 介護サービスの提供体制を維持継続させることは急務だと考えます。 介護職員の職場定着に向けた今後の取り組みについて伺います。
 最後に、 浜松市沿岸域防潮堤整備における海岸利用への配慮に向けた取り組みについて伺います。
 浜松市沿岸域防潮堤整備につきましては、 浜松市沿岸地域を津波の脅威から防ぐため、 さまざまな市民あるいは企業の皆様方からの寄附を原資として平成二十五年度に本格着工し整備が進められております。 今日に至るまでに平成二十九年二月舞阪工区で発見されました埋設廃棄物への対応、 あるいは地域から要望されていた一部区間における高さ最大十五メートルまでのかさ上げの実現などさまざまな課題に対処していただきながら現在まで至っております。
 そうした際も、 平成三十一年度末の完成目標を変えることはなく事業はこれまで順調に進捗してきたものと認識をしております。 完成まで二年を切った今これまで以上に計画的に事業を進め全区間の防潮堤を予定どおり完成させることを期待しております。
 ところで、 防潮堤の周辺に目を転じてみますと防潮堤の前面に広がる海岸は地元の生活と深くかかわりのある場所となっております。 海岸で海水や砂を採取して正月や慶事などの際にお清めに用いる浜ごりは古くから地元で行われてきました。 近年ではサーフィン、 ビーチラグビーなどのマリンスポーツを楽しむ場としての利用もふえております。
 浜松市では、 ウオーター・マリンスポーツの聖地となることを目指し情報発信などの取り組みをまさに始めたところであります。 当海岸は今後ますますマリンスポーツとしての利用が盛んになり、 さらに多くの人に親しまれる場となるものと考えております。
 しかし、 こうした浜ごりあるいはサーフィンですとかビーチラグビーをされている方々からお話を伺いますと、 こうした防潮堤ができることによってこうした海に行きづらくなってしまうのではないか、 あるいはこれまであった駐車場がなくなってしまって不安といった声も少なからず聞きます。 こうして防潮堤の整備が目に見えて進み津波への不安が解消されつつある今こそこうした周囲の機運の高まり、 こうしたものと合わせ防潮堤整備後の海岸利用を見据え浜松市、 地元住民と協力をして防潮堤の整備とあわせ利活用への配慮を進めていくことが重要かと考えます。
 そこで、 防潮堤整備における海岸利用等への配慮についてどのように取り組まれていくのか、 県の所見を伺います。 以上について答弁を求めます。
○副議長 (落合愼悟君)  川勝知事。
        (知事 川勝平太君登壇)
○知事 (川勝平太君)  田形議員におかれましては、 ファンでいらっしゃる広島カープの優勝おめでとうございます。 七月の集中豪雨あるいはその後襲った台風などで打ちのめされた方々も少なくないと思いますが、 大きな励ましを受けられたものと存じます。 あるいは大谷翔平さん、 二十一号のホームランを打ちまして岩手県の人たちにとっても大きな励みになっていると思います。 スポーツの持つ力だというふうに思っております。
 さて、 田形議員にお答えいたします。
 災害への備えについてのうち、 防災人材の活用と広域行政受援についてであります。
 東日本大震災を初め熊本地震、 平成三十年七月豪雨におきまして本県と県内市町は甚大な被害を受けた被災地に千百十三人、 ゆうに一千名を超える職員を派遣し避難所の運営や住家被害の調査、 被災者の健康管理などの業務を支援してまいりました。 その方式が対口支援というものだと余り人口に膾炙しない言葉でありますが、 特定の市町への集中的支援とこの対口支援の本県が先駆けという御評価をいただきましてありがとうございます。
 これは県が始めた方式です。 というのは余りにも広域の災害であるために幾ら人材があってもこれは賄い切れないということで東日本大震災のときには岩手県の指揮下に入ると、 そして遠野に支援拠点を定めまして遠野市の市長さんから頼まれた山田町と大槌町に集中的に支援をし、 まだ支援をしているところであります。 瓦れきにつきましてもどこでもいいから瓦れきの処理をしてほしいというのが大臣からの要請でしたけれども、 我々は山田町と大槌町の瓦れきについてのみ徹底的に最後までやるということでそれを完遂させました。
 同じように、 熊本県におきましても嘉島町について要請を頼まれましたので、 この支援も既に完了し今は中学生の交流まで続いておりますけれども、 徹底的に集中的に支援をするということでございます。 広島県の呉市につきましても依頼されて現在もまだ支援を継続中ということでございます。 こうした形での支援が効果的であるということで議員からも評価いただいてありがたく存じます。
 こうした取り組みは、 被災地の復旧復興を支援するだけでなくて派遣職員が被災地での支援業務を通じて直接経験して学んだ知見を本県の防災体制強化に活用する貴重な機会ともなっております。 東日本大震災で学んだ知見は県と市町、 防災関係機関等との間で被害状況、 自衛隊への支援要請等の情報を共有する我々の言うFUJISANシステムの開発などに生かされております。 また熊本地震で学んだ知見は避難所運営マニュアルの改訂、 被災建築物の応急危険度判定を支援するアプリの開発などにも生かされております。
 災害派遣を経験した職員は被災地での経験を生かし、 本県が被災した場合には防災人材としてリーダーシップを発揮し災害応急対策に従事していただけるものと確信しています。 このため派遣経験職員の名簿を作成して市町と共有し定期的な研修や交流の場を設けることによって知見の共有と人材の有効な活用を図ることにしています。 また退職した県職員を防災人材として活用するため災害対応協力職員八十四名、 企業局災害サポーター五十六名を登録しておりまして、 災害発生時には専門の知識、 技術を活用する仕組みを構築しております。
 行政受援体制につきましては、 本県に派遣される応援職員を円滑に受け入れるため県災害対策本部に専任スタッフを配置し、 今後は受け入れ手順等を明確にした行政受援計画の策定に取り組むこととしております。 また被災者支援を効率的に行うため、 県と市町が協力して応援を受ける可能性のある業務をあらかじめ整理し全市町で共有する取り組みを進めております。
 県としましては、 防災人材の活用、 育成に積極的に取り組むとともに、 県及び市町の行政受援体制を整備することで県全体の防災力の一層の向上に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、 副知事、 関係部局長から御答弁を申し上げます。
○副議長 (落合愼悟君)  吉林副知事。
        (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事 (吉林章仁君)  介護職員の職場定着についてお答えをいたします。
 将来にわたって介護サービスの提供に必要な介護職員を安定的に確保していくためには、 介護の現場におけます労働環境の改善に取り組み、 職員の皆様が長く働き続けられる職場環境を整備することが重要であるというふうに考えております。
 介護現場で働く人が受けるハラスメントにつきましては、 職員の尊厳を傷つける行為であるとともに働く人が能力を十分に発揮することを妨げるものであります。 国は実態調査を実施をいたしまして本年度中に事業者向けの対策マニュアルを作成することとしております。
 県におきましても、 ハラスメント被害に対しまして複数の職員による対応の推奨やアドバイザー派遣による相談対応など職員の精神的な負担の軽減を支援をしております。 また県では働きやすい環境づくりを推進するため、 職員の離職防止や人材育成などの職場環境改善に積極的に取り組んでいる介護事業所を表彰をしております。 その中でハラスメント被害に対して事業所内で情報共有し、 注意文書の交付や家族への報告など事業所を挙げて積極的に対応している例を優良事例として広く公表しております。
 さらに、 本年度から資格取得の支援や育児・介護休暇の取得促進などを行う事業所を働きやすい介護職場として認証いたしまして、 介護事業所の主体的な職場環境の改善や処遇改善の取り組みを一層促すことで職員の定着と新規就業を促進をしてまいります。
 このほか、 本年度から訪問介護事業所に対しまして介護記録の入力や利用者情報の共有が可能となるタブレット端末等の導入を支援いたしまして、 介護業務の効率化などにより職員の負担軽減を図ってまいります。 さらに利用者の身体の動きを検知いたしまして職員に自動通報することで夜間の定期巡回等の業務の負担軽減や効率化を図る見守り機器の導入支援経費につきまして、 本議会にお諮りをしているところでございます。
 県といたしましては、 介護事業所におけるハラスメント対策や働き方の見直しなどによる職場環境の改善と先端技術の導入などによる業務の効率化の取り組み、 両者を積極的に支援することで介護職員の皆様が安心して働くことができる環境を整備して定着につなげてまいります。 今後とも介護職員の確保、 職場定着を着実に進めまして県民の皆様が必要とする充実した介護サービスを円滑に提供する体制を整え、 安心と幸せを実感しながら最期まで自分らしく暮らし続けることのできる社会づくりに全力で取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  増井地域外交監。
        (地域外交監 増井浩二君登壇)
○地域外交監 (増井浩二君)  災害への備えについてのうち、 外国人支援についてお答えをいたします。
 現在、 県では大規模災害発生時に外国人を支援する災害時多言語支援センターの設置準備を進めております。 このセンターは多言語による災害関連情報を発信するとともに被災市町が行う外国人対応に必要な翻訳、 通訳を支援するため災害発生後、 直ちに立ち上げます。 設置準備を進める検討会議の中で有識者から、 ニーズを把握し外国人にとって必要な情報を提供するとともに外国人の不安を和らげるため相談窓口は必要との助言をいただきました。 また大阪府では六月の大阪府北部地震の際に発災当日から窓口を開設し、 外国人からの相談に対応しておりました。 このことから本県においてもセンターの機能に相談業務を追加することが必要と判断し、 そのための予算を本議会でお諮りをしております。
 具体的には、 県内で最も居住者が多いブラジル人や近年増加が著しいフィリピン人、 ベトナム人などに対応できる相談員を確保し、 センターを立ち上げの際には速やかに相談窓口を開設できるようにしてまいります。
 今後、 市町との連携や広域での応援体制の整備とともにセンターの設置運営訓練を重ねながら、 より実効性がある支援体制を築いてまいります。 あわせて外国人コミュニティーを対象とした多言語による防災教育を実施し、 正しい知識の習得を促すことにより県内在住の外国人県民が安心して暮らすことができる地域づくりに取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  鈴木くらし・環境部長。
        (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長 (鈴木 亨君)  消費者被害の防止についてお答えいたします。
 成年年齢の引き下げに伴い、 現在十八歳、 十九歳でも行使できる未成年者取消権がなくなることなどに備えて若者が契約等の正しい知識を身につけ、 消費者被害の防止、 軽減につながるよう県では消費生活相談員による出前講座を初め消費者教育の講師の養成に取り組んでおります。 そして今年度から全国八県の一つとして高校一年生の授業で消費者教育を始めたところであります。
 この中で契約の法的拘束力、 クレジットカードや借金の仕組み、 投資のリスクなど契約やお金に関する基本的な知識のほか、 若者が被害に遭いやすいキャッチセールスやマルチ商法の手口を教えております。 また訪問販売などで一定期間内であれば解約できるクーリングオフ制度や消費者ホットラインいややなどトラブルとなった場合の相談先も紹介しております。
 さらに、 現在高校三年生全員に消費に関する被害事例や相談窓口を掲載したパンフレットを配布しておりますが、 来年二月から新しい手口による被害事例などをいつでも閲覧できる若者向けのスマートフォン用サイトを開設し情報発信を充実してまいります。
 県といたしましては、 今後ともさまざまな機会や手段を活用して若者に対し社会での自立を促す消費者教育を行うことで、 自分自身で判断し行動する力を育て消費者被害の防止を図ってまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  池田健康福祉部長。
        (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長 (池田和久君)  食の安全への取り組みについてお答えいたします。
 消費者の嗜好が多様化し、 新たな食材開発や流通の広域化など食を取り巻く環境が変化する中、 食の安全・安心を守るためには食品の生産から流通、 消費に至る総合的な安全確保を図ることが重要であります。
 このため、 県では昨年度末、 静岡県の新ビジョンに合わせ新たなしずおか食の安全推進のためのアクションプランを策定し関係部局が連携の上、 各種事業を積極的に推進しております。 特に訪日外国人の増加や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック等の開催を控え、 国が本年六月に原則全ての食品等事業者に対して国際標準であるHACCPに沿った衛生管理の実施を求めたことに伴い、 県では約五千施設の食品製造・加工業者に加え約二万九千施設の飲食店への早期導入を目指し説明会の実施等により支援することとしております。
 さらに、 静岡を訪れる外国人の方々にも県産食品を安心して食べていただけるように新たに作成した英語や中国語対応の食品ラベル表示ガイドの普及を図ってまいります。
 県といたしましては、 今後とも関係者の協力のもと安全で安心な食品が提供できるように取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  平野交通基盤部長。
        (交通基盤部長 平野忠幸君登壇)
○交通基盤部長 (平野忠幸君)  浜松市沿岸域防潮堤整備における海岸利用への配慮に向けた取り組みについてお答えいたします。
 県では、 浜松市沿岸域防潮堤が海岸域の利用、 環境及び景観に与える影響に鑑み、 防潮堤の建設着手に当たり浜松市とともに有識者や地元代表などから成る景観デザイン検討委員会を設置し、 海岸利用にも配慮した施設の配置計画を平成二十七年三月に策定いたしました。 この計画では現存する海岸への動線を防潮堤整備後も確保することを基本方針とし、 スロープや階段を五十二カ所に配置することを定めており、 これに基づき防潮堤本体と合わせて整備を進めております。
 また、 工事期間内におきましても日常の海岸利用や毎年開催されているビーチラグビーの会場となる浜辺への通路を確保するなど海岸を利用する方々に支障のないよう配慮をしております。
 一方、 浜松市はウオーター・マリンスポーツの聖地を目指して本年三月に官民連携によるビーチ・マリンスポーツ推進協議会を設置し、 県もこの協議会に参加をしております。 協議会では環境整備や大会誘致、 PR戦略などの事業化計画を今年度内に策定することとしており、 この中で海岸の利用につきましても検討する予定となっております。
 県といたしましては、 地域住民の皆様やマリンスポーツの愛好者等が望む利用しやすい海岸となるよう事業化計画の策定に協力していくとともに引き続き利用、 環境、 景観と調和した地元に愛される防潮堤を二〇一九年度末の完成を目指して着実に推進してまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  田形 誠君。
        (二十番 田形 誠君登壇)
○二十番 (田形 誠君)  時間が若干ありますので、 言いたいことを一点だけ申し上げて質問を終わりにしたいと思います。
 介護人材の確保についてであります。
 先ほど、 副知事からいろいろな取り組みについて御紹介いただきました。 今後に向けてはまさにこの介護ニーズの増大というのはもうまさに間違いのないところでありまして、 御承知のとおり団塊の世代が二〇二五年には七十五歳以上になるといったこと、 あるいは近年の出産の高齢化に伴って若い、 将来的にはその若い方々が自分の親の面倒を見なければならないといった状況に陥る可能性も指摘されております。 そうしたことからもこういった現状をしっかりと今どういう状況にあるのか把握をしていただきながら人によってはこう対応策というのは絶対同じというわけではないと思いますので、 それが当てはまるかどうかわかりませんがこういった事例がありますよといったようなことを、 しっかりとこう情報を収集していただきながら広くその対応策についてはさまざまな方、 これは介護職の方だけには限らないと思います。 これからもしかすると私自身も親の介護をしなければいけない、 そういう立場になることも十分に考えられますので、 そういう意味では県民の皆様、 広くに周知をしていただくようなお力添えをいただきますこと、 お願いを申し上げ質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。 (拍手)
○副議長 (落合愼悟君)  これで田形誠君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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