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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 澄美 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/01/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 関係人口の拡大による地域づくり活動の活性化について
2 SDGs関連施策の推進について
(1)実効性のある新たな地球温暖化対策
(2)県産材製品の利用拡大
3 医師少数区域の医師不足に対する県の支援策について
4 ふじのくにCNFプロジェクトにおける諸課題について
(1)寄附講座の成果と今後の人材育成の強化
(2)産官学連携の強化
5 建設産業における担い手確保、育成のための「働き方改革」支援について
6 東駿河湾工業用水道及び富士川工業用水道の統合後の更なる効率的な運用について


○副議長(竹内良訓君) 次に、四十一番 鈴木澄美君。
       (四十一番 鈴木澄美君登壇 拍手)
○四十一番(鈴木澄美君) 私は、自民改革会議所属議員として県政の諸課題について通告に従い一括質問方式により知事、副知事及び関係部局長並びに企業局長にお伺いします。
 初めに、関係人口の拡大による地域づくり活動の活性化について伺います。
 人口減少が進展する中で本県への移住・定住への期待もあり、その取組は県として重要課題であることは承知しています。一方で地域社会における課題の解決や地域づくり活動に関わる担い手が不足しコミュニティーが弱体化している現状があります。今後は地域外からの視点で人、企業、大学など関係人口を拡大していくことが課題となっております。
 関係人口の拡大に向けては、都市に住みながら地域と創造的に関わる新たなライフスタイルを提案するとともに、地域づくり活動の主要な担い手であるNPO法人等による外部人材や企業との連携により活性化を実現している取組を広く普及していくことが必要と考えます。
 しかし、現状では関係人口は個人的なネットワークを通じて成立していることが多く、ターゲットとなる関係人口への働きかけが十分にできておらずノウハウも整理されておりません。また活動内容や団体の情報が不足しているなどがあり、これを拡大するためには体制を整えることが重要であります。
 こうしたことから、県は情報発信のためのウェブサイト「SHIZUOKA YELL STATION」を運営し、またNPO法人等に業務委託し関係人口を戦略的に獲得して地域づくりの活動の活性化をつなげるモデル事業を創出し広く成果を普及する取組を新たに実施していると承知しております。
 今年度のモデル事業の取組をどのように評価し、関係人口の拡大による地域づくり活動の活性化に向けて今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 さらに、今後は全国各地で関係人口を呼び寄せる流れは強まると予想されます。本県に関心のある人たちが何度も訪れその力を発揮していただくことが重要であり、そのためには本県への関心を高め訪れやすい支援策が必要と考えます。
 既に県内の一部で取り組んでいる地域づくり団体や中間支援組織などには関係人口の拡大に必要なアイデアがあり、また市町においても様々な課題があると想定しておりますが、これらをどのように生かし支援策につなげていくのかについて伺います。
 次に、SDGs関連施策の推進についてのうち、実効性のある新たな地球温暖化対策について伺います。
 知事は昨年度、県議会二月定例会にて二〇五〇年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを表明されました。県は二〇一一年三月にふじのくに地球温暖化対策実行計画を策定し、以降改定を進め今年度末までに第四次静岡県地球温暖化対策実行計画を策定します。一方で県議会では今年度脱炭素社会推進特別委員会を設置し、この本定例会にて提言したところであります。
 この取組により、二〇〇八年以降温室効果ガスの排出量は減少し始めましたが、現状について有識者の中には地球温暖化対策が県政の中心課題から外れ体制が弱くなっているとの評価があります。その背景には県レベルで何ができるのか、何をなすべきなのかなど県民側からも明確に見えていない状況があるのではないでしょうか。
 一方で、県内市町の地球温暖化対策実行計画が進み、中には特徴的な施策も展開されております。県は脱炭素宣言をしたことで県の存在感を示す時期を迎えたと考えております。
 そこで、まずは二〇三〇年度の目標達成に向け県がこれまでの温暖化対策をどのように総括し何が課題であると認識しているのか。さらにそれを今後の温暖化対策にどのように生かしていくのかについて伺います。
 次に、静岡県として特色のある今後の取組は何かについてお聞きします。
 最後に、二〇三〇年の削減目標に向けて県内市町との連携に関して県の果たす役割について伺います。
 次に、県産材製品の利用拡大について伺います。
 県産材製品の利用は、その過程で広い範囲で雇用の創出や地域経済の活性化につながるものであります。また間伐など森林整備が進むことで地域の森林が適切に管理され、水源の涵養や土砂流出の防止など森林の有する公益的な機能の発揮にもつながります。
 さらに、近年ではSDGs達成への関心が高まるとともに二〇五〇年までにカーボンニュートラルの実現が社会の重要なテーマとして認知され、森林が持つ二酸化炭素の吸収源としての機能とともに木材が持つ建築物に利用することによる炭素貯蔵効果や化石燃料の代替として利用することによる炭素排出量の削減効果の発揮などが一層求められております。
 こうしたことから、製材品や合板、バイオマス燃料となる木質チップなど県産材製品の多様な需要を創出し伐って、使って、植えるというサイクルにより森林資源を循環利用していく必要があると考えます。
 本県の主要な木材製品は、その特徴を生かし住宅の柱や内装材などへの利用に適していることから県民の暮らしに密接に関係する住宅での利用拡大の取組を強化すべきであると考えます。現在コロナ禍に端を発した世界的な木材需給状況の変化に伴って木材製品の価格が高騰するいわゆるウッドショックが生じ、外国産材製品から国産材製品への代替の動きが起こり県産材製品の利用拡大に向けた取組を進める上で非常にいいタイミングと考えます。
 そこで、県は住宅分野においてどのように県産材利用を促進していくのかについて伺います。
 次に、医師少数区域の医師不足に対する県の支援策について伺います。
 令和二年三月に策定された静岡県医師確保計画によりますと、本県の医師偏在指標の状況は県全体では全国三十九位で医師少数県とされており、二次医療圏の状況は全国三百三十五圏域のうち中東遠が二百三十位、富士が二百五十六位、賀茂が三百三十位で三圏域が医師少数区域とされております。
 この状況を踏まえ、本県では県医師確保計画に基づき医師確保のために医学修学研修資金貸与事業や指導医招聘等事業費助成、医師偏在解消推進事業費助成などを実施しております。特に指導医招聘や医師偏在解消事業は医師少数区域への対策として期待が高いと考えています。
 先般、県看護連盟との意見交換の中で新型コロナウイルス感染症による医療現場の窮状について意見交換をする機会がありました。その中では非常時だけでなく平時においても東部地区の医師不足や救急対応する病院の不足などが課題として挙げられました。
 さきに触れた県の支援策のうち、医学修学研修資金貸与事業では令和二年四月からの地域枠利用者には新たにキャリア形成プログラムが適用されることとなりました。このキャリア形成プログラムは令和二年度以降に入学した地域枠医師及びそれ以前の医学修学研修資金の利用者のうち希望者が対象となります。
 また、医学修学研修資金の返還免除を受けるための九年間のプログラムは県内での勤務が必要となることから適用を受ける医師本人との面談により勤務先を決めていくこととなります。この返還免除期間九年間のうち少なくとも四年間は県が指定する医師少数区域の医療機関で勤務することとされ、医師少数区域に住む者としては大きな期待をしております。
 今後、プログラム適用者が順次県内での勤務を開始するために医師少数区域で勤務する医師も増加していくものと期待されますが、令和二年度の地域枠利用者が勤務を開始するまで一定の期間を要することからその間の医師確保対策が必要となります。
 また、医学修学研修資金制度において利用者の勤務先として県が指定する県内公的医療機関等は担っている役割や機能等に該当する必要があります。現在医師少数区域の賀茂圏域では三施設、富士圏域では四施設、中東遠圏域では六施設が該当いたします。対象となる医療機関はそれぞれの事情を抱えこちらが期待する数の研修生を受け入れるとは限らず、結果として医師の配属もそれに倣うことになります。
 また、県が公的医療機関として指定する条件を満たすためには、もともと医療機関の医師数等が満たされ研修生を受け入れることができることなど医療環境が整っているところに限定されるようにも考えられます。さらに現状の新型コロナウイルス感染症下での負担軽減を考えれば、公的医療機関以外にも医学修学研修資金利用者の勤務先を拡大し、地域全体で医師が増えることにより地域でお互いに補うことができるような医療提供体制とすることが必要ではないでしょうか。
 そこで、県は医師少数区域における現実的な状況を踏まえキャリア形成プログラムの効果が出るまでの間に必要となる対策や今後の医学修学研修資金の返還免除対象となる医療機関の拡充などをどのように進めていくのか、所見を伺います。
 次に、ふじのくにCNFプロジェクトにおける諸課題についてのうち、寄附講座の成果と今後の人材育成の強化について伺います。
 本県は、平成二十九年十月静岡大学にCNFの研究開発と人材育成を目的に寄附講座を開設いたしました。その後は寄附講座を契機として静岡キャンパスのほか富士工業技術支援センターに静岡大学のサテライトオフィス等を備えるふじのくにCNF研究開発センターを開所し、富士市もCNF支援体制を構築して連携するなど取組が進められております。
 寄附講座では、開設に当たって招聘しこれまで従事してこられた青木憲治特任教授は、今後本県の新ビジョン後期アクションプラン案に基づき本県が目指すCNFの自動車用部品への産業応用化やリサイクル化研究には欠かせない第一人者であります。引き続き講座に取り組んでほしいと期待しておりますが、まずはこれまでの寄附講座の成果について伺います。
 次に、富士市としてもCNF関連産業推進構想を平成三十一年三月に策定し人材育成の取組を進めていますが、市だけではなかなか難しいのが現状であります。寄附講座の成果をさらに上げるため県としても人材育成に積極的に関与すべきと考えます。
 県と大学との関わりは重要であり、CNFの応用化で先行する愛媛県と愛媛大学のように企業が求める人材育成機関としてその役割が大きいと考えます。これまでも一般質問で取り上げてきましたが、静岡大学に対し寄附講座をお願いしてきた縁がある中で人材育成についても大学院や社会人を対象とする以外にも企業が求める大学生にさらに広げるため積極的に議論を進めるべきではないかと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、産官学連携の強化について伺います。
 寄附講座の成果と今後を踏まえますと、地元中小企業のCNFをはじめ広い分野でのサポート役となるよう東部地区に静岡大学のサテライトキャンパスを誘致すべきと考えます。
 きっかけとなったのは、国の地方創生に資する大学改革があり首都圏の大学の地方移転を促進するため内閣府の地方へのサテライトキャンパス設置等に向けた事業に富士市が選定されたことであります。富士市では大学等高等教育機関の立地、誘致を積極的に進めており、市内産業界のアンケートでは大学の誘致を実現することで優秀な人材確保、特に技術者の確保に大きな期待が寄せられております。
 また、このこととは別に静岡大学が東部地域への貢献のため進出も検討していることと伺っております。これらの動きはSDGsや脱炭素社会を目指す本県の動向、具体的には富士地域の特性を生かしCNFを用いた新産業への進出につながるものであります。学術的な強みを持つ静岡大学と連携することは本県の発展にも大きな貢献が期待できると考えます。
 このため、CNFプロジェクト推進のためにも県としての意見を国や大学に伝えるなど県にも積極的に関わってほしいと考えておりますが、これらに関する取組について、県の所見を伺います。
 次に、建設産業における担い手確保、育成のための働き方改革支援について伺います。
 働き方改革に関してはこれまでも多くの議員が質問しておりますが、改めて建設業界に関わる働き方について伺います。
 建設関連団体から、担い手の確保・育成のための働き方改革への支援について令和四年度に向けた要望が我が会派に寄せられております。それによりますと、建設産業における担い手の確保・育成は喫緊の課題であり週休二日制の中で育ってきた若者を取り込むためには工事現場における週休二日制と有給休暇が取得できる環境を整備することが重要であるとされております。
 しかし、会員を対象としたアンケート結果では工事現場においておおむね四週六休以上が確保されている企業は約半数にとどまっております。公共工事における週休二日制工事は民間工事における休日確保に先導的な役割を持つものと期待しております。一方で働き方改革関連法は令和六年四月一日から時間外労働の限度時間を月四十五時間、年間三百六十時間とし罰則付き上限規制を適用することとされております。
 県では、これを踏まえ休日確保型入札の導入等様々な観点で取り組んでいるものと承知しております。この取組はおおむね評価されておりますが要望内容から浮き彫りになるのは下請に関わる諸課題、月給制と日給制等、施工期間の平準化の一層の推進などであり改善の余地はあると考えています。一方で県単独で対応するには困難である課題もあり市町や業界団体と連携しながら改善につなげる取組を検討すべきと考えます。
 いずれにしましても、令和六年四月以降は罰則が適用されますことから早期に現状を認識し対策を講じる必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 最後に、東駿河湾工業用水道及び富士川工業用水道の統合後のさらなる効率的な運用について伺います。
 水需要が大きく減少する中で、事業の効率化によるコスト削減等を目的として重複する給水区域にある二つの工業用水が統合され令和四年度からふじさん工業用水道が誕生します。一方で給水開始から五十年以上が経過し施設の老朽化に伴う更新費や修繕料の増加が見込まれることから、今後も費用の増加に伴う利用料金の値上げは避けて通れない状況であります。
 受水企業としては、コスト削減のため工業用水から地下水への逆転換を行うことも想定されますが、このような企業が増えれば再び水位の低下等の地下水障害を引き起こすことも危惧されます。水環境の保全や節水意識の高まり、原材料の高騰等から今後も水需要の減少が見込まれますが、新たな受水企業の掘り起こしも困難な中で工業用水道事業の在り方も検討が必要な時期に来ていると思われます。
 全国的には水道事業も含め広域化や官民連携手法の導入等についての動きが見られ、宮城県においては来年度から上水道と工業用水道、下水道の三事業を二十年間の運営権を一括して民間に売却するコンセッション方式を導入することとしコスト削減額は三百三十七億円と見込んでおります。
 今後、事業統合後のふじさん工業用水道においてもあらゆる可能性を排除せずさらなる効率的な運用のため官民連携手法の導入についても検討していくべきと考えますが、企業局としてどのように考えているのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(竹内良訓君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 鈴木澄美議員にお答えいたします。
 SDGs関連施策の推進についてのうち、実効性のある新たな地球温暖化対策についてであります。
 昨年二月、私は脱炭素社会を実現することを表明いたしました。それ以降庁内の推進体制を強化いたし現在策定中の次期総合計画にも環境と経済が両立する社会の形成を新たな政策として位置づけ、その中におきまして脱炭素社会の構築を施策の柱として体系化しております。
 現行のふじのくに地球温暖化対策実行計画では、県内の温室効果ガス排出量を二〇二一年度に二〇〇五年度比で二一%削減する目標を掲げて対策を推進してまいりました。その結果最新の速報値では二〇一九年度に二二・二%削減と目標年次の二〇二一年を二年前倒しをして達成いたし、対策が着実に成果を上げてきたものと考えております。
 しかし、今後さらなる温室効果ガスの削減が求められておりますので、そうした中、排出量の約四割を占めるのが産業部門でございます。その産業部門の削減を進めることが課題であると認識しておりまして、今月決定する次期計画におきましても産業部門における対策を最優先事項に位置づけ積極的に取り組むこととしております。
 具体的には、本県経済を支える中小企業等からの県の支援を求める要望に応えるため仮称企業脱炭素化支援センターを新設し脱炭素化に関する相談や人材育成を行うほか、省エネ設備の導入に対し助成するなど本県独自の特色ある取組を実施してまいります。
 また、県民の皆様の脱炭素型ライフスタイルへの転換も重要であります。そのことから住宅の省エネ化に向けた支援策の拡充や県民お一人お一人の行動変容を促す本県独自の県民運動ふじのくにCOOLチャレンジのアプリの機能強化などにも取り組んでまいります。
 市町との連携につきましては、次期計画の策定段階から情報共有してまいりました。そのほか有識者による国、企業、先進自治体の取組等に関する勉強会の開催に加え市町の環境審議会への参画など積極的に市町の計画策定を支援してきたところでございます。その結果年度内に三市が地球温暖化対策実行計画を策定し、来年度以降も十四の市が計画の策定を予定していると承知しております。
 県といたしましては、今後も市町の計画策定に向けた助言や先進事例の他市町への普及など市町の取組を支援する役割を果たしながら市町、県民、企業の皆様と共に二〇三〇年度の削減目標達成に向けまして全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○副議長(竹内良訓君) 難波副知事。
○副知事(難波喬司君) SDGs関連施策の推進についてのうち、県産材製品の利用拡大についてお答えをいたします。
 県は、森林を守り育て生かすことで水源涵養や土砂災害防止などの森林が持つ様々な機能を持続的に発揮させる森林との共生を目指しております。このことはSDGsの考え方に合致するものです。
 森林は大気中の二酸化炭素を吸収する吸収源として大きな役割を果たしています。この森林から生産される木材を建築物などに利用することは森林が吸収した二酸化炭素を長期間炭素として貯蔵することになります。森林を生かす県産材の利用は脱炭素社会の実現にも大きく寄与するものであり、県産材の主な使い方である住宅部門での利用拡大が重要であると考えております。
 このため、これまで県は本県独自の制度により県産材製品を使った木造住宅の新築やリフォーム等に助成し県民の皆様の県産材利用を促進してまいりました。昨年度は約一万立方メートルの県産材製品が使われ、これにより貯蔵された二酸化炭素は世帯当たりの一年間の排出量に換算しますと約千六百世帯分に相当します。住宅での利用を一層促進するためには県民の皆様に肌触りや見た目などの木材の良さや県産材を使う意義について御理解を深めていただくことが大切です。広報誌やセミナー、ホームページ、見学会などにより情報発信を強化してまいります。
 また、県独自の助成制度につきましては、これまで県産材使用率五〇%以上の住宅を対象にしておりました。県民の皆様の少しでも県産材を使ってみようという気持ちに広く応えられるよう、この県産材使用比率五〇%、使用率五〇%以上という条件を撤廃をします。代わりに柱や土台などの住宅部材のうち四立方メートル以上の県産材製品を利用した全ての住宅に助成対象を拡大します。これにより県産材を使用する新たな工務店等の参入が促され県産材製品を使った家づくりの選択肢が広がる効果も生まれます。
 さらに、もっと使いたいという気持ちにつながるようにこれまで使用量に応じた四段階の助成額を見直します。上限額の範囲内で使用量に助成単価を乗じて使えば使うほど助成額が増えるようにいたします。また省エネ型住宅の新築やテレワーク対応のリフォームに対する助成制度においても県産材製品を利用した場合に助成額を加算します。
 県といたしましては、こうした取組により県民の皆様に県産材製品を使った住宅の良さを実感していただくとともにより多くの方々に県産材を使いたいと思っていただけるようにし、SDGsの達成に向けて住宅分野における県産材製品の利用拡大を図ってまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 天野政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(天野朗彦君) 関係人口の拡大による地域づくり活動の活性化についてお答えいたします。
 関係人口とは、移住した定住人口でもなく観光に来た交流人口でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉であります。コロナ禍により人々の生活様式や働き方が大きく変化し、特にリモートワークの浸透により二地域居住やワーケーションのニーズが高まっており関係人口が増加しつつあります。こうした人々は将来の定住の可能性を有しつつ外から地域を支える存在とも言え、人口減少に伴う労働力不足などの地域課題の解決や地域経済の活性化に貢献する人材であります。
 このため、県ではこうした関係人口の増加に市町と連携しつつ積極的に取り組んでいるところでございます。今年度は地域づくり人材を求めるNPO法人やまちづくり団体と地域活動への参画を考えている県外の個人や企業などをマッチングするコーディネーターを配置し、富士市や島田市など五地域でモデル事業を実施したところであります。
 例えば、富士市におきましては首都圏の企業人材による商店街の活性化や、島田市におきましてはアーティストによる地域の隠れたスポットの魅力向上を図る取組が展開されるなど県外の人材、企業などの地域活動への参画を促す効果的な仕組みが構築できたものと考えております。今後はモデル事業の成果を積極的に情報発信し他地域への横展開を図ってまいります。
 モデル事業の参加者からは、外部の人材や企業が地域で活動する機会を増やしていくことの重要性を指摘する意見が寄せられており、来年度はこうした御意見を踏まえましてさらに一歩進んで滞在施設などの拠点管理者と連携してワーケーションに訪れた人が地域の様々な活動に関わることで関係性をより深めていけるような取組を展開してまいります。またこうした取組につきましては情報発信の一層の強化が必要であるとの御意見も頂いております。
 県といたしましては、外部人材や企業が求めているまちづくり団体などの地域課題解決型のプロジェクト情報の発信などに専用サイト等を通じて重点的に取り組み関係人口の一層の増加を図ってまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田 貴君) 医師少数区域の医師不足に対する県の支援策についてお答えいたします。
 県では、医師の確保を最重要施策の一つに掲げ医学修学研修資金の貸与等により東部地域をはじめとする県内の医師確保に努めてまいりました。今後本県で勤務を開始する医学修学研修資金貸与者のうち地域枠制度を利用した医師は令和六年度には五十名を超え、以降毎年度数十人規模で増加する見込みであります。これらの医師に対して、医師少数区域で勤務する一方、高度な専門的医療が修得できる県内大学病院での勤務期間が免除となるキャリア形成プログラムの適用について面談等を通じ積極的に働きかけることで医師少数区域で勤務する医師を一人でも多く確保できるよう努めてまいります。また医師が不足する地域での効果的、効率的な配置を行えるよう来年度配置調整を行うためのシステムを構築することとして必要な予算を本会議にお諮りしているところであります。
 返還免除対象となる医療機関につきましては、現在も公立公的病院のほか災害拠点病院や精神科救急医療施設、総合周産期母子医療センターなどの政策医療を担う民間病院も返還免除の対象としております。
 今後、地域枠制度を利用した医師の増加や地域医療の状況変化などを勘案し有識者の御意見を伺いながら返還免除対象となる医療施設の拡充も含め医学修学研修資金制度の効果的な運用について検討してまいります。
 県といたしましては、地域における医師の状況を踏まえながら地域偏在の解消を図るため医師確保対策に引き続き全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 三須経済産業部長。
○経済産業部長(三須敏郎君) ふじのくにCNFプロジェクトにおける諸課題についてのうち、寄附講座の成果と今後の人材育成の強化についてお答えいたします。
 まず寄附講座の成果ですが、研究開発面では静岡大学がCNFと樹脂を均一に混合できる専用の添加剤の開発に成功し現在特許を出願中です。開発した添加剤を用いたCNF複合樹脂は用途開発企業にサンプルとして提供しており、将来の自動車用部材への応用に向けて着実に前進していると認識しております。
 また、人材育成面では主に大学院生向けにセルロースナノファイバー科学等の講座を開講し受講生は三年間で百人を超えました。このほか企業向けの技術相談を約三百社実施し企業の製品開発や人材育成にも大きく貢献してきたと考えております。
 次に、人材育成の強化についてであります。
 CNF産業の振興には、県内で活躍し地域に貢献できる優秀な人材の裾野を広げることが必要であり、これを実現するためには静岡大学との連携を一層強化することが不可欠です。
 このため、県といたしましては求める人材について産業界から御意見を伺うとともに、大学生を対象としたカリキュラムの設定などについて議論ができるよう静岡大学に対し意見交換の場の設定を提案してまいります。
 次に、産官学連携の強化についてであります。
 県では、令和元年五月富士工業技術支援センターにふじのくにCNF研究開発センターを開設いたしました。同センター内に設置された静岡大学のサテライトオフィスは企業からの技術相談の場としてCNFの研究開発や人材育成の重要な機能を担っております。
 こうした中、CNF関連企業の創出と集積を一層進めるにはCNFに関する学術的な強みを持つ静岡大学や関連企業が集積する富士市とのさらなる連携が不可欠です。国も素材産業を日本のリーディング産業に位置づけており、最先端素材分野の技術力向上は産官学を挙げて取り組むべき課題です。
 そのためには、静岡大学がCNFを今後の県内産業の柱の一つと位置づけ県東部地域における拠点形成の必要性について御理解していただくことが重要と認識しており、地元産業界の強い後押しも必要と考えております。本年一月、静岡大学の日詰学長と直接お会いし県東部地域におけるCNF拠点の構築について意見交換を行いました。
 県といたしましては、今回の意見交換をきっかけに今後静岡大学や富士市、産業界等との意見交換を行う場を設けCNF関連産業などにおける産官学の具体的な取組について検討するとともに、県東部地域での研究開発や人材育成のさらなる機能強化の在り方を模索してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) 建設産業における担い手確保・育成のための働き方改革支援についてお答えいたします。
 厚生労働省の令和二年毎月勤労統計調査によりますと、本県の従業員三十人以上の事業所における労働者の月間出勤日数は全産業の平均が十八日であるのに対し建設業は十九日であります。また企業が定める所定労働時間を超える時間外勤務は全産業の平均が月十時間であるのに対し建設業は月二十六時間となっております。なお建設業は他の産業に比べて繁忙期と閑散期の差が著しい傾向にあります。
 このため、県では建設産業における完全週休二日の実現に向けて昨年度から週休二日を条件とする休日確保型入札の対象を全ての工事に拡大いたしました。また本年度は毎月第二土曜日に県内の公共工事を一斉に休工するふじ丸デーの取組を開始しており、民間工事における休日確保にもつながるものとして建設業関係者から高い評価を得ております。来年度は担い手の確保・育成に向けたさらなる対策として毎月第四土曜日についてもふじ丸デーに加え完全週休二日の実現に向けた取組を進めてまいります。
 一方、時間外労働の上限規制に対応していくためには特定の時期に工事が集中しないことが重要であります。県では債務負担行為や繰越制度の積極的な活用を進め発注や施工時期の平準化を徹底してまいります。
 県といたしましては、県工事における工事着手日選択型適用工事の拡充などの入札・契約制度の改善や事務手続の簡素化等を積極的に進め、官民挙げて建設産業における働き方改革に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 松下企業局長。
○企業局長(松下育蔵君) 東駿河湾工業用水道及び富士川工業用水道の統合後のさらなる効率的な運用についてお答えいたします。
 企業局では、SDGsの達成に資するなど地域の価値を高めるブランド化の一環としてありとあらゆる経営革新による最大限のコスト削減を行っております。
 東駿河湾、富士川の両工業用水道の統合により誕生するふじさん工業用水道では水運用の効率化の観点から毎年二・五億円の維持管理コストの削減、SDGsへの貢献としてCO2排出量の五〇%の削減を見込んでおりますが、さらなる効率的な運用を推進するため官民連携手法の導入につきましても検討を開始しております。
 昨年度、経済産業省の事業を活用し官民連携手法の導入可能性を調査したところ民間事業者の関心が非常に高いことや今後二十年間で約六十億円のコスト削減が期待できることが明らかとなったことから、今後は企業局独自の調査として進めてまいります。
 官民連携手法の導入の要はコスト削減を進めると同時に企業局の有する技術やサービスの水準を高めていくことでありますことから、検討の際には官民連携手法に関する幅広い知見を有する専門家の協力を得て企業局のノウハウ、創意工夫と民間企業の持つ強みである機動性、柔軟性、創造性をともに生かし最も相乗効果を生む事業スキームを構築してまいります。
 今後の官民連携の進展が、全国のモデルとして企業の生産活動を支えるものとなりますよう全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 鈴木澄美君。
○四十一番(鈴木澄美君) 御答弁ありがとうございました。
 幾つか意見と要望と、それから一点再質問をさせていただきたいと思います。
 まず、関係人口の拡大による地域づくりの活動の活性化について、知事が御答弁頂きました実効性のある新たな地球温暖化対策であります。
 私も今年度特別委員会の委員長をさせていただきまして、いろんな識者の皆さんと意見交換をする機会がありました。今まで静岡県の地球温暖化対策  今回は四次ということですけれども、その前から始まっていろいろ対応を取っていただいたということで  それに関わってきた人たちの意見の中には、やはりその県の存在というのがなかなか、この地球温暖化対策の中ではむしろ現場レベルなのか国なのかというふうなところの、県の中間的な立場での対応が少し難しいんじゃないかというふうな意見もあったりしてですね、いろいろと課題とそれから期待というふうな御意見を頂きました。ぜひとも今回の第四次の実行計画をつくって、その案としてはもうできていると思いますけれども、今後実行していく上では今まで取り組んできたことに対するやっぱり振り返りといいますか、それがあってこれから新しく二〇五〇年に向けた対応というものが向けられるというふうに思いますので、今までの課題であるとかそれの見直しであるとか、あるいは継続するもの、そして今回いろいろ県が第四次の中に盛り込んでいる新しい施策をしっかりとそれぞれ連携していくということが大事だと思っていますので、ここで初めて仕切り直しということではなくて今までの課題の中に何かそれが、今後やらなきゃいけないことがきっと見えていると思いますから、多分そこの部分を明確にするということを御指摘されたんじゃないかなと私は理解をしています。ぜひともそういう意味での取組をしていただきたいなというふうに思っております。すみません、これはSDGsの関係ですけれども。
 先ほど関係人口の話というふうに言いましたが、関係人口の関係につきましては、先ほどモデル事業として取り組んでいることの話がありました。モデル事業でその成果が上がりつつありますが、十二月の議会の折に議会の議員研修、その前だったでしょうか私たちも聞かさせていただいた中で関係人口のお話が出たときにですね、やはりもう少し一歩踏み込んで先進的に取り組んでいるところはやっぱり来られる方たちの立場で様々な課題があるだろう、例えば旅費の話であったり宿泊費の問題であったりというふうな話題が出ておりました。
 恐らく、今はモデル的なところからさらにそれを広めていこうというふうな流れであるかもしれませんが、やはりその静岡に、静岡がいいからということでいらっしゃる方は多いと思いますけれども、やはり来るに当たって実際現実的にぶつかる様々な課題に対してしっかり対応を取っていくということも必要かもしれません。これは市町との連携をしっかり取っていただくということが大事だと思いますので、ぜひともいろいろなその課題についてですね、柔軟に対応を取っていただきたいということを申し上げたいと思います。失礼しました。
 それから、次にCNFの関係であります。
 二つの質問をさせていただきましたが、静岡大学との連携を非常にこれから強くさらにしなきゃいけないということでありました。意見交換をするということで、静岡大学のやはりこの工学的なといいますか、農学部も含めた中で静岡県が目指すその新産業の中の核となるCNFに関わる大きな、その背後に控える大きな力というのは静岡大学は大きいと思っていますし、だからこそ今回寄附講座で何年もかけて特任教授を研究開発、あるいは人材育成という形で支援していただいたと思いますのでぜひともここの部分はですね、静岡市がたしか何かその静岡大学と将来構想推進会議という名前でしょうか、大学と交流しながらまちづくりも含めた中でのいろんな対応を取っていらっしゃるんじゃないかと思いますが、県もそういう意味ではもっと大学と、県立大学だけではなくてしっかりと対応を取っていただきたいということをお願いをしたいと思います。
 四つ目の建設産業における担い手確保・育成のための働き方改革ということですけれども、令和六年ということであともう二年であります。実際には建設産業の中では、先ほども私冒頭の説明の中で触れましたけれども、下請の皆さんの問題というのがあります。行政側から見れば元請のところだけで、あるだけ今やっている施策というのは非常に評価されるし効果が出ているかもしれませんが、実際そのピラミッドのようにその下請さん孫請さんたちに関わるところの部分というのは大きな課題だと思っていますので、ここも一つの企業としてこの法令に基づく対応を取っていかなきゃいけないということであれば県だけでできることではないということは承知していますけれども、しっかりそこは市町であるとか、あるいは業界関係者と議論を進めながら令和六年度からのこの法令施行について課題がないようにぜひとも取り組んでいただきたいということをお願いをしたいと思います。
 最後になりますが、質問です。
 一点ですけれども、医師少数区域の医師不足に対する県の支援策であります。
 やはり静岡県が今置かれている医師少数県としての位置づけ、あるいは医師少数区域が三つあるということの中で国内でもなかなか厳しいということであります。幾つかのそれに対する対応策は取られているということは承知していますし、先ほどの説明の中にあったような対応をこれから取っていくということではありますが、しかしながら今回この議会の中でも審議しなきゃいけない総合計画の取組の中に、医療供給体制の確保充実と健康寿命の延伸ということの中に、成果指標の中に医師偏在指標の三つの地  賀茂、富士、中東遠地域における現状値と目標値というのが示されています。目標値は三つの地域が一緒なんですがやはり地域の様々な事情が違うと思っていまして、これはやはり同じような形で進めるのかあるいはそれぞれの地域の実情に合った形で支援をしていくのか、この方向性について再質問をしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(竹内良訓君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田 貴君) 医師少数区域の医師不足に対する県の支援策についての再質問にお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、地域によって状況かなり異なっているというふうに私どもも理解しております。
 例えば、平成二十六年から平成三十年の四年間で富士圏域では医師が二十六人増えましたけれども、賀茂圏域では逆に一名減というような状況にございました。したがいまして各地域の実情に応じた対策が必要だと我々も考えております。
 例えば、関係する医科大学との連携によって専門研修の機会を増やすというような方法とか、あるいは必要な医療機器の整備によりまして病院としての魅力自体を向上していくというような方法とかですね、その地域に応じて様々な方法、手法が考えられると思います。ですので病院それから市町、あと関係団体と協力しながらですね、県内各地域の実情に応じた支援策を検討してまいりたいというふうに思っております。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 鈴木澄美君。
       (四十一番 鈴木澄美君登壇)
○四十一番(鈴木澄美君) 最後に要望を申し上げます。
 コロナで非常にこの医療の問題は大きくクローズアップされておりますし、緊急事態だからこういう話、コロナの話で盛り上がっていますが、平時でこそその体制をしっかりつくるということが大事だと思っていますので、ぜひともその施策を強力に進めていただきたいということを申し上げて質問を終わります。(拍手)
○副議長(竹内良訓君) これで鈴木澄美君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

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