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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成21年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

前林 孝一良 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/17/2009

会派名:

公明党


質疑・質問事項:

1 知事の時代認識について                      
 (1) 政権交代に対する認識                      
 (2) 希望の持てる社会づくり                     
2 公務員改革について                        
3 平成二十一年度九月補正予算について                
4 防災体制の強化について                      
 (1) プロジェクト 「TOUKAI―0」 のさらなる推進         
 (2) 県立美術館の防災対策                      
 (3) 土砂災害防止への取り組み                    
5 景気・雇用対策について                      
6 芸術文化の振興について                      
 (1) 青少年の文化力の向上                      
 (2) 伝統文化の継承                         
7 魅力ある富士山静岡空港づくりについて               
8 米の消費拡大について                       
 (1) 食生活の見直し                         
 (2) 米粉利用の普及                         
 (3) 学校給食における米の利用拡大                  
9 ドクターヘリの夜間運航について                  
10 県立総合病院の女性外来について                  
11 健康長寿社会実現への取り組みについて               
12 教育行政について                         
 (1) 確かな学力                           
 (2) 薬物乱用防止への取り組み                    
13 少年の万引き防止について



    ○議長 (浜井卓男君)  ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、 知事提出議案第百十六号から第百四十三号まで及び平成二十年度静岡県一般会計、 特別会計、 公営企業決算全部を一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 三十二番 前林孝一良君。
            (三十二番 前林孝一良君登壇 拍手)
    ○三十二番 (前林孝一良君)  皆さんおはようございます。
     私は公明党県議団を代表して県政の直面する諸課題について、 通告に従い、 知事、 関係部局長、 教育長、 警察本部長に伺います。 県民の目線に立った質問をいたしますので、 明快かつわかりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。
     最初に、 知事の時代認識について伺います。
     まず、 政権交代に対する知事の認識であります。
     昨日、 民主党、 社民党、 国民新党の三党から成る新政権が発足しました。 さきの総選挙におきましては政権選択が最大のテーマとなり、 残念ながら自民党、 公明党の連立政権は有権者の支持を得ることができず、 野に下ることとなりました。
     少子高齢化、 人口減少というだれも経験したことのない時代が到来いたしました。 時代の流れに即応できない政治に対する国民の不満の高まりが変化を求め、 オバマ大統領を誕生させたアメリカのように政権交代を実現させたものと私は思います。 しかし課題は余りにも大き過ぎます。 国民の期待は非常に大きいものがありますが、 政権が変わったからといって簡単に解決できるようなものではありません。 論より実績が大切です。 前政権が苦慮しながら取り組んできたさまざまな課題に対して、 新政権がどのような手を打っていかれるのか、 私どもはじっくりと拝見させていただくつもりです。 そして国民の生活を守るという原点を守りながら、 新しい立場で活動を続けてまいります。
     知事は、 今回の政権交代をどのように認識しているのかお伺いいたします。
     二点目は、 希望の持てる社会づくりについて伺います。
     九月十四日、 マリナーズのイチロー選手が九年連続二百本安打という大リーグ史上初の快挙を達成しました。 百八年もの間破られることがなかった大記録を、 日本人であるイチロー選手が更新したことに日本国じゅうが沸き立ちました。 戦後の混乱の中、 日本人に明るい希望を与えたのはフジヤマのトビウオ古橋広之進さんでした。 私たちの世代のヒーローは王選手であり長嶋選手でした。 今や王、 長嶋を抜くスーパーヒーローが野球界の頂点に立ちました。 しかもその活躍する舞台は、 野球のメッカであるアメリカのメジャーリーグです。 イチロー選手はまだ三十五歳、 日本人の希望の星としてさらに活躍してほしいと期待をしております。
     さて、 急に暗い話になりますけれども、 我が国の国家的危機のうち最大のものは希望がないことであると言った有識者がいました。 自殺者が過去十一年間連続して三万人を超えていること、 年収二百万円以下のワーキングプアと呼ばれる人が既に一千万人を超え、 貧困率はアメリカに次いで先進国ワースト第二位であること、 農業に至ってはカロリーベースの食料自給率はわずか四〇%で、 先進国のうち最下位であることなど大きな壁にぶつかり、 その壁の前でもがいているのが今の日本と言えます。
      「愚者は経験に学び、 賢者は歴史に学ぶ」 という言葉がありますが、 今こそ広く世界に視野を広げて学ぶことが重要ではないかと考えます。 明治維新のときも、 また戦後の混乱期においても、 日本は謙虚に世界から学んで困難を乗り越えてきました。 経済にしても、 社会保障にしても、 世界には先進国がたくさんあります。 日本の置かれている状況を冷静に見詰め困難な状況を克服しなければなりません。 いずれにしても大切なのは若者の力です。 若者が希望を失っている限り日本に未来はありません。
     数多くの勤労者が少数の高齢者を支えてきた時代は、 少子高齢化の進んだ今、 過去のものとなりました。 高齢者にとっての安心社会が若い世代の犠牲のもとに成り立つことは正しい解決法とは言えません。 高齢者も安心して生活でき、 また若い世代も将来に明るい希望を持って力強く前進していく社会の構築こそ、 今の日本に求められていると私は思います。
     静岡を日本の理想郷にすると宣言された知事には、 青少年が希望を持てるような政策の実行を期待するものでありますが、 希望の持てる社会づくりについて御所見を伺います。
     次に、 公務員改革について伺います。
     九月四日、 平成二十二年採用予定の県職員採用試験最終合格者の発表がありました。 厳しい試験を乗り越えた将来の県政を担う優秀な人材の活躍に期待したいと思います。 職員がその持っている能力を十分発揮するためには働きがいのある職場環境が必要です。 そしてその環境づくりこそ幹部職員の任務であると私は思います。
     私が教育公務員として採用されたのは一九七七年  昭和五十二年のことでした。 それから二十一年間本県で公務員生活を送らせていただいたわけでございますが、 この間二回公務員という立場に対して疑問を感じ、 方向転換を考えたことがありました。 最初は採用当初、 二回目は昭和六十年、 教育委員会に勤務したころのことです。
     悩みの原因は、 ずばり言えば頑張りがいがないということであります。 頑張れば頑張っただけの評価を期待したいのが人間です。 公務員は確かに安定した職業と言えます。 しかし自分や家族を犠牲にしてまで頑張っても大きく評価されるわけではありません。 年俸制の普及してきた民間においては、 もはや年功序列という制度は過去のものになりつつあります。 公務員の世界でも優秀、 有能であれば登用し、 職に応じた給与を支給するような制度に変えられないかと思うものであります。 勤続年数によってポストが与えられるような職場では人材は育ちません。
     八月二十一日、 静岡県の日に当たっての新聞取材で、 知事は職員の専門性を重視したいとの発言をなさっています。 私も同感であります。 危機管理、 福祉、 文化などの分野については専門家を養成していただきたい。 そしてその専門性についてはぜひ評価も加えていただきたいと思います。 やる気と活気に満ちた県庁づくりこそが真の公務員改革であると考える次第でありますが、 御所見を伺います。
     次に、 平成二十一年九月補正予算案について伺います。
     九月定例会開会初日に知事から提案説明がありましたように、 九月補正予算案は現下の厳しい経済・雇用情勢の中、 当面する喫緊の課題解決に向けて編成に取り組まれたとのことです。
     公明党県議団といたしましても、 八月十一日に中小企業向けの融資枠の拡充、 少子高齢社会への対応、 安心・安全社会への対応、 地球温暖化対策の推進など七つの柱を中心とした予算要望を知事に提出したところであります。 当局におかれましては、 我が会派の要望をどのように受けとめ予算編成に取り組まれたのかまず伺います。
     自民、 公明の前政権下において、 地域活性化・公共投資臨時交付金、 地域活性化・経済危機対策臨時交付金や経済対策関連の自治体に交付される十五の基金などが計上され、 この活用を前提に本県の補正予算も編成されたわけですが、 昨日発足した新政権により予算執行が見直されるとするならば、 憂慮される事態が発生することになりかねません。 経済状況については景気へのてこ入れの成果が徐々にあらわれてきたところであり、 景気の回復が見られれば雇用の状況も好転することは間違いありません。
     新政権の判断いかんで、 本県初め地方自治体の今後の取り組みが大きく変わることになりますが、 県として現状どのように考えておられるのかあわせて伺います。
     次に、 防災体制の強化について三点伺います。
     去る八月十一日、 駿河湾を震源とするマグニチュード六・五の地震が発生しました。 今まで経験したことのない大きな揺れに東海地震の発生と感じた方は多かったことと思います。 亡くなられた女性の冥福を祈るとともに、 けがをされた三百十人の方々、 また被害に遭われた県民の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
     さて、 今回の地震は、 民家の半壊五棟、 一部破損七千九百七棟という被害を県下にもたらしました。 建物の倒壊で亡くなった方が出なかったことは不幸中の幸いでしたが、 地震対策先進県と言われながらも多くの方が家具や家電の転倒などでけがをされていることから、 来るべき東海地震に向けてさらなる取り組みが必要であると感じた次第であります。
     そこで質問いたします。 第一点目は、 プロジェクト 「TOUKAI―0」 のさらなる推進であります。
     先日、 静岡新聞紙上にアンケート調査の結果が発表されましたが、 今回の地震発生により県民の東海地震に対する関心が大いに高まったことがわかりました。 家具の固定にしても既に固定したという四〇%に加えて、 直後に固定した八%、 これから固定する三四%と安全への意識が大きく向上しました。
     県は、 木造住宅の耐震化を促進するため、 平成二十七年度を目標にさらに一万戸を加えた第二次計画を発表したところでありますが、 県民意識の高まった今こそプロジェクト 「TOUKAI―0」 のさらなる推進を図るチャンスであると考えます。 県の助成事業にさらに上乗せ補助をする市町も二十八にふえました。 残る九市町への働きかけも必要ですし、 補助額にも差がありますので財政力に応じた見直しを呼びかけることも必要と思います。 県当局の御所見を伺います。
     二点目は、 県立美術館の防災対策についてであります。
     平成七年に起こった阪神・淡路大震災では、 阪神地区の美術館、 博物館が甚大な被害を受けました。 中でも兵庫県立近代美術館では、 昭和四十五年に建設された本館が大きな被害を受けたほか、 地震当日展示されていた二百二十二点の作品のうち六十三点が落下、 転倒し、 三十八点の作品が何らかの損傷をこうむったと報告されています。 完全復旧するまで一年を要したということですが、 この期間の長さが被害の大きさを物語っていると思います。
     静岡県立美術館は昭和六十一年の開館ですので、 建物としては地震に耐え得る十分な構造を持っているものと思いますが、 予想される東海地震に対してはどのような対策が図られているのでしょうか。 県民の財産としての県立美術館の防災対策についてお聞かせください。
     三点目は、 土砂災害防止への取り組みについて伺います。
     皆さんは県庁新聞をお読みでしょうか。 六月八日発行の県庁新聞には、 「みんなで防ごう土砂災害」 というタイトルで建設部砂防室の仕事が紹介されていました。 本県は県土の七三%が山地で、 東部には富士山や伊豆半島の火山群が、 また中西部には糸魚川―静岡構造線、 中央構造線などの構造線と台地があり、 もろい地質が全域に分布しています。 このため県内至るところに一万五千百七十三カ所の土砂災害危険箇所が分布し、 周辺には三十三万人の住民が生活されているそうです。 県内では住宅等にかかわる土砂災害が毎年五十件ほど発生しているようですが、 幸いにして過去四年間人的被害を出していません。
     昨年の愛知県、 石川県、 ことしの山口県、 兵庫県など全国各地でゲリラ豪雨が発生しているなど、 近年の集中豪雨の頻発化傾向に緊張感が高まっております。 平成二十年度末までの整備状況は、 優先度の高い五千八百四十八カ所のうちの二七%に当たる千五百七十九カ所で整備が完了するには、 今後も膨大な費用と時間が必要となります。
     八月十一日の地震直後に、 県は国と共同して県内一斉に四日をかけて震度六弱と伊豆地域の震度五強を記録した五市三町の二千百九十の土砂災害危険箇所における被害状況の確認作業を実施、 結果として応急対策が必要な箇所は発見されなかったとの報告をお聞きし、 一安心したところであります。
     県では土砂崩壊による死者数ゼロを目標に掲げております。 今後住民の皆さんが安心して生活を続けるため、 いつ発生するかわからない土砂災害に対して県はどのような取り組みをされるのか伺います。
     次に、 景気・雇用対策について伺います。
    先週、 久々に雇用問題に関する明るい記事を目にしました。 トヨタが十月より期間社員を八百人程度採用するというものでした。 期間社員の採用は何と一年四カ月ぶりということです。 静岡県の七月の有効求人倍率は〇・三八、 最低記録をさらに更新しました。 来年春に社会人としてスタートしようとしている若者が就職戦線で苦労している様子がニュース等で報道されますが、 学業を終えまさに社会に巣立とうというそのときに夢を奪うような状況に置かれていることが気の毒でなりません。
     先日、 高校以来の友人が訪ねてまいりました。 開口一番、 「実は会社から自主退社を申し渡された」。 私の身近なところにもリストラの波が打ち寄せてきました。 私たちの年代は子育ても終わらず、 家のローンも残っており、 収入源を絶たれることは地獄に突き落とされることを意味します。 ハローワークに行っても自分に向いた仕事は一つとしてないと友人は語っていました。
     県は、 知事を本部長として静岡県緊急経済・雇用対策会議を立ち上げました。 今議会に上程されている補正予算案でも中小企業緊急支援事業や緊急求職者支援事業、 しずおか新規農林業就労チャレンジ事業などさまざまな施策を展開しようとしております。 早急に立ち上げた新規事業の効果が上がることを期待しますが、 これにとどまらずさらなる手だてが必要と考えます。 底辺で苦しんでいる県民を救うためにさらなる景気・雇用対策を望みますが県の所見を伺います。
     次に、 芸術文化の振興について伺います。
     最初に、 青少年の文化力の向上についてであります。
     第二十四回国民文化祭・しずおか二〇〇九並びに相次いで開催される第九回全国障害者芸術・文化祭しずおか大会の開催が間近に迫ってまいりました。 既に万端の準備が整っていると思います。 国民文化祭の中で青少年が参加する催しとしては、 沼津市での日本舞踊子どもの祭典、 静岡市でのキッズアートフェスティバルや、 磐田市でのこどもミュージカルの祭典などが開催されると聞いております。 県内外からたくさんの方が参加され、 十分に楽しんでくださる催しとなることを期待しております。
     さて、 川勝知事は七月、 就任直後の所信表明で、 二十一世紀の東海道を魅力的な文化の花咲く芸術街道として確立し、 静岡の文化力を高める努力をする旨の発言をされております。 早くから芸術文化の振興に取り組んできた我が会派といたしまして、 芸術文化に深い理解のある知事に期待するものであります。
     ところで、 芸術街道を確立していくためには、 この国民文化祭を単なる一過性のイベントとせず、 ここから静岡県の文化振興が一層推進されるスタートとする観点が大事と考えます。 特に静岡県の未来を担う青少年に、 文化に触れ文化活動に参加を促す機会を与えるなどの環境を整えることが大切であると思いますが、 今後県として、 青少年の文化力向上のための取り組みをどのように進めていくのか所見を伺います。
     一方、 伝統文化の継承という観点からお聞きいたします。
     本県は日本一の茶どころとして知られております。 またガーベラを初めとした花卉の日本有数の生産地でもあります。 茶道、 華道の振興ということを考えたとき、 本県ほど環境の整ったところはありません。 未来を担う子供たちに親しませることを目的として、 学校教育の中に茶道、 華道を積極的に取り入れることを提案したいと思います。
     中学校、 高等学校では既に部活動として定着しておりますが、 可能であれば小学校で学校周辺に存在するたくさんの茶道や華道の先生方を人材として、 スクールサポーターとして活用し、 授業として伝統文化に触れさせるという試みはいかがでしょうか。 本県ならではの取り組みと考えますが教育長の所見を伺います。
     次に、 魅力ある富士山静岡空港づくりについて伺います。
     県民待望の富士山静岡空港が開港してから三カ月余が経過しました。 難産の末の開港でしたが、 本県の明るい将来に向けて一番機が飛び立つことができたことを素直に喜びたいと思います。
     私は、 六月の中旬に札幌便に搭乗させていただきました。 デッキに集まったたくさんの見学の皆さんに見送られながら、 VIPの気分で離陸、 御前崎港上空を旋回し一路北上、 私の住まいのある地域や県庁周辺、 清水港を眼下に見ながら富士山上空に至ったとき、 そのすばらしい展望に機内から歓声が上がりました。 この景色を見るためだけに飛行機に乗る人がいても不思議はないと私は思いました。 小さく産んで大きく育てることをスローガンに、 富士山静岡空港がますます発展するようにサポーターとして応援したいと思っております。
     昨日、 経営改善中の日本航空は、 富士山静岡空港からの撤退を検討していることを明らかにいたしました。 もし撤退となれば空港にとって大きな打撃となることは間違いありません。 当局におかれましては撤退という事態に陥らないように、 日本航空への働きかけをお願いしたいと思います。
     さて、 生まれてわずか三カ月の空港ですが、 県民からはたくさんの声が寄せられていると聞いております。 私のもとにも数人から御意見が寄せられました。 最初の声は駐車場の障害者用スペースが一般車両に占領されていて、 障害のある方の車がとめられなかったというものでした。 旅行会社の支店長さんからは、 飛行機の欠航、 遅延などの情報を迅速かつ正確に伝えてくれる窓口を設置してほしいとの要望がありました。 またゆっくりできる喫茶店が欲しいという声もありました。
     県は魅力ある富士山静岡空港のため今後どのように取り組んでいくのか、 この三カ月間で表面化した課題と対策について伺います。
     次に、 米の消費拡大について伺います。
     敗戦後、 焦土と化した国土を前に、 父、 母たちはまず生きることから戦後の生活をスタートをさせました。 ひもじさに耐え必死に働いた日本人が、 腹いっぱい米を食べることができるようになったのが一九六〇年代の初めです。 増産に次ぐ増産で日本の米の需要がピークに達したのが一九六三年、 このときから米は余り始め生産調整が始まりました。 また戦後の経済成長は日本人の食生活を変えました。 米、 魚の食事から肉、 パンの洋食が広がったのです。 一九六二年の日本人の米消費量は一人当たり年間約百十八キログラムでしたが、 二〇〇八年にはこの半分、 五十九キログラムに減少しました。 米の生産調整をする一方で、 外国から食料を大量に輸入するという日本の矛盾した食料事情の原因がここにあります。
     農林水産省の二〇〇八年の概算値によると、 日本の農業従事者のうち六十五歳以上が六〇%に達するということです。 稲作農業の担い手は約半分が七十歳以上、 四分の三が六十歳以上といいます。 後継者が育たないまま事態が進んだら十年以内に日本の稲作は壊滅的な状況になります。
     これを解決する方法は二つあります。 一つは日本の農業のあり方を見直し輸入依存を見直すこと。 二つ目は米の消費を拡大することです。
     そこで質問します。 日本の経済成長が日本人の食生活を変えたということはさきに述べました。 その結果として、 日本人に高血圧や高脂血症、 糖尿病など生活習慣病がふえたことは事実です。 一例として、 糖尿病が強く疑われる人の推計値は平成九年は約六百九十万人、 平成十四年は約七百四十万人、 平成十九年には約八百九十万人と増加の一途をたどっています。 これに糖尿病の可能性を否定できない人を加えると平成十九年で約二千二百十万人にも達しており、 国を挙げて糖尿病対策に本腰を入れなければならないところまで来ております。 日本人に健康を取り戻すためにも米を主食とした日本型食生活を復活させるべきであると私は考えますが、 食生活見直しについて当局のお考えをお聞きいたします。
     また、 米を粉にして利用する、 つまり米粉の利用拡大も有効ではないかと思います。 新潟県では地元産の飼料米を原料としてバイオエタノールを製造し、 販売が始まったと聞きました。 米国では原油の高騰以来エタノールの原料としてトウモロコシが利用され、 その量は全生産量の三分の一に上るということです。
     世界人口六十五億のうち豊かな層はわずかに五億人、 四十億人が貧困層に属し飢餓にあえいでいる中で、 穀物を燃料生産に充てることには抵抗感があります。 エタノールに関しては行き過ぎとしても、 輸入依存の小麦粉の使用を少しでも抑制する試みとして、 米粉の利用には農水省も注目していると聞き及んでいます。
     一方、 食生活が欧米化する中で、 欧米並みに小麦アレルギーの人が増加していると聞きました。 私たちの周りには小麦を使った食品が多く出回っており、 小麦アレルギーと診断された方は食生活にかなり気を使われるようです。 しかし米を主食とした食事に変えることでアレルギーは除去できるということで、 もし米粉を使用した食品開発が進めば小麦アレルギーを持たれる方の食生活の幅が広がることにもなります。 米粉利用の普及について県の御所見をお聞かせください。
     先日、 特別委員会の視察で熊本県を訪れました。 地元紙の朝刊を見ましたところ、 熊本県では九月から県内の公立小中学校と特別支援学校で週二回のパンの日のうち、 一回は米粉パンを導入することが始まったという記事が掲載されていました。 米粉パンの導入は市町村などの小さい単位では実施不可能です。 県では小麦粉だけのパンとの差額を助成しているそうです。
     本県でも米飯給食が広く実施されていることは承知しております。 余っているから子供たちに食べさせるというのではなく、 さきに述べましたように、 健康づくりという観点からも指導をしていただきたいと思います。
     また、 日本人と米とのかかわりを教えることも大切です。 米は日本の原点です。 大陸から日本に伝わった稲作が我々の祖先の生活を大きく変え、 大和政権の誕生につながっていくことは皆さんが歴史の授業で学んだとおりです。 私も教えました。 新嘗祭が皇室の重要行事として毎年とり行われるのは、 日本人と米との関係を示すことにほかなりません。 米を食べて育った子供は米を食べる大人に成長します。 ぜひ学校現場でも米の消費拡大に努めていただきたいと思います。
     米飯給食に関してあえて苦言を呈するならば、 御飯をおいしく食べさせる工夫が必要と考えます。 小学校六年生のおいの話では、 教室に運んできた段階で温かかった御飯が配膳を終えるまでに冷めてしまうとのことでした。 御検討をお願いします。
    学校給食における米の利用拡大について、 教育長の御所見を伺います。
     次に、 ドクターヘリの夜間運航について伺います。
     ドクターヘリは、 公明党の発案で自民党の御理解のもと自公連立政権の事業として整備が進められました。 一機一億七千万円という巨額の費用がかかるためなかなか普及が進まず、 現在十六道府県で十八機が運航されているのみです。
     本県では、 平成十三年度に一機目が聖隷三方原病院に、 そして二機目が平成十五年度に順天堂静岡病院に導入されております。 本年六月までに二機合計で七千二百三十五回出動し多くの県民が命を救われました。 また平成十六年十月には新潟県中越地震被災地の支援活動にも出動し、 その機動性を発揮したことは記憶に新しいところです。 多くの県で費用の問題から導入が見送られている中で、 いち早く二機体制に踏み切ったことに対して、 県民の命を大切にする県当局の姿勢を高く評価するとともに県民として誇りに思う次第であります。
     しかし、 天候に左右されることや現状では夜間運航ができないなど、 まだまだ克服しなければならない点があることも事実です。 そんな中、 川勝知事は選挙に際して二年以内にドクターヘリの夜間運航を実現することをマニフェストに掲げました。 機材の問題や周辺住民の理解など課題は多いと思いますが、 ドクターヘリの夜間運航の可能性について当局の見解を伺います。
     一方、 昨年六月の道路交通法の改正により、 高規格救急車にかわり一般車両の緊急ドクターカーDMERCの運行が可能になり、 九月に岐阜県立多治見病院に第一号が配備されたところです。
     医師自身がハンドルを握る緊急医療車であるDMERCは、 その機動性が高く評価されていると聞いております。 本県では既に二機のドクターヘリが配備されており、 これにより県内全域を網羅したセーフティーネットは完成しましたが、 強風など荒天の折にドクターヘリなどの機能を補完するものとしてドクターカーの必要性を感じるものであります。 ドクターカーについての所見を伺います。
     次に、 県立総合病院の女性外来について質問いたします。
     二〇〇三年  平成十五年一月、 公明党女性局は女性専門外来の設置を求める署名運動を全国で展開、 本県でも五十一万人余の署名が集まり当時の石川知事に要望書を提出いたしました。 その結果、 県は直ちに対応してくださり、 同年十一月県立総合病院に女性外来が開設されることになりました。 利用者からは高い関心が寄せられ、 スタート当初は予約の電話が殺到し数カ月待ちの状態が続きました。 最近では女性外来のシステムに対する理解も深まり、 年間百から百二十人の受診者と落ち着いてきたとお聞きしております。
     先日、 開設当初から女性外来にかかわってきた森典子医師  現在は副院長でございますが  インタビューをお願いしたところ、 非常に忙しいお立場にもかかわらず時間を割いていただきました。 先生のお話では、 現在県立総合病院のスタッフ二名と非常勤医師二名の四名で運営しているが、 本務がある中での仕事なので、 かかわる女性医師の意識の高さが必要、 女性外来の必要性を認識した女性医師の人材確保が課題であると述べておりました。 特に大学卒業後十年前後の女性医師は子育てが大きくのしかかってきて病院を離れる医師が多いということですが、 働く環境さえよければ女性医師の確保は不可能ではありません。
     幸い現在、 県立総合病院には女性の後期研修医が十一人いるそうです。 この方たちがぜひ総合病院のスタッフとして残ってくださることを期待いたします。 女性外来の維持のためにも、 県立病院での勤務を希望する女性医師がふえるよう環境整備を図っていただきたいと思いますが御所見を伺います。
     次に、 健康長寿社会実現への取り組みについて伺います。
     先週十二日に静岡市内の連合自治会主催の敬老会にお招きいただき、 来賓として参加させていただきました。 七十七歳以上が参加対象ということで、 私の親の年代の方が地域の老人福祉センターに集っておられました。 残念なことに健康上の理由で家を出ることができない方も多く、 参加者は対象者の一割ほどでしたが、 年齢を刻んだお姿に触れ後輩としての責任を痛感いたしました。 地域からお年寄りと子供たちの笑顔を失わせてはならないと改めて決意した次第であります。
     日本人の平均寿命は男性七十九・一九歳、 女性八十五・九九歳となりました。 報道によれば百歳以上の方が今年は全国で四万人を超えたということです。 長寿の進む中、 ますます健康の大切さが問われる時代となりました。
     先日、 静岡市葵区のある文化サークルが主催した講演会に参加いたしました。 テーマは 「夫婦百山走破」。 講師の方は昭和十七年生まれの六十七歳の男性で、 四十歳を超えたころ体力の衰えが気になって健康づくりを目指して登山に挑戦したということです。 そして一昨年六十五歳のときに、 奥さんから一年おくれで日本百名山すべての登頂を見事達成されたとの報告を語られました。 健康づくりはみずからの努力によるところが大きいと言わざるを得ません。 これからの時代を考えた場合、 膨張し続ける医療費、 介護給付費を抑制するためにも行政が主導して人々の健康づくりの意識を高めること、 行政が率先して環境づくりを進めることが大切であると考えます。
     介護保険制度が導入されたのが平成十二年のことです。 要介護認定者は急増を続け、 そのままの状態で推移すると、 団塊の世代がすべて六十五歳になる平成二十六年には要介護認定者は三・四倍になると見込まれたことから、 平成十八年度から要介護度の悪化や心身の衰えを防ぐために介護保険に介護予防が導入されました。 それから三年が経過したわけでありますが、 本年三月厚生労働省による追跡調査の結果が公表されました。 その内容は、 要支援一の方のうち要介護度が悪化した方が一六%減少、 費用も一人当たり約十万七千円削減できたというものでした。 介護予防の効果がまさに実証されたわけですが、 この間、 県としてどのような取り組みをされてきたのか伺います。 また同時に実施された意識調査によれば、 介護予防事業という言葉を聞いたことがないと答えた方も非常に多く存在するようです。
     介護予防を今後どのように進めていく計画であるのかあわせて伺います。
     次に、 教育行政について質問いたします。
     最初は、 確かな学力について伺います。
     少子化の原因の一つに教育にかかる負担の大きさがあります。 昨日、 自民党の山田議員も紹介をしておりましたが、 文部科学省の平成十八年度子どもの学習費調査報告書によると、 全日制高校生一人当たりの年間学習費は総額で公立高校五十二万円、 私立高校百四万円となっております。 内訳は学校教育費が公立三十四万円、 私立七十八万円、 学校外活動費が公立十八万円、 私立二十六万円、 これは主として学習塾、 家庭教師にかかる費用です。 学校以外でもかなりの出費があることがわかります。
     裕福な家の子供だけが塾に通い、 いわゆるいい高校、 いい大学に進学できるという現実は間違っていると言わざるを得ません。 教育の機会均等を保障するとは、 すなわち塾、 予備校に行かなくても高校、 大学に進学する学力を身につけることができるということでなくてはならないと私は思います。 受験戦争の激化を背景に学習塾の存在は社会的に定着しました。 義務教育は本来公教育の範囲内で完結させるべきものです。 もし学校教育のみでは不十分というのであれば、 国が主導する義務教育は不完全ということになります。
     東京都荒川区では、 昨年度、 学校パワーアップ事業を立ち上げました。 「学力向上マニフェスト」、 「創造力あふれる教育の推進」、 「未来を拓く子どもの育成」 の三つをテーマに、 区内の小中学校に八十万円から百万円を配分するとともに、 校長の裁量権を拡大し学校改革に取り組んでいます。
     荒川区立第三中学校では 「学力向上マニフェスト」 のメニューに手を挙げました。 三中てらこやと称して毎週火曜、 水曜の二日間、 夜七時から九時まで単元別、 習熟度別のプリント学習を中心とした英語、 数学の補習授業をスタートさせています。 当初は十五人程度の参加を想定したということですが、 実際には毎回七十人から九十人が参加するようになり大盛況だそうです。 ちなみにこの人数は全校生徒の三分の一に当たります。 補習に参加することによって、 ふだんの授業に臨む姿勢が真剣になった生徒がふえたと報告されています。
     競争原理のなさが公立学校の欠点です。 塾に行かなくても進学するのに十分な学力を身につけることができるということが、 これからの公立中学・高校の目指すべき方向であると私は思います。 私立学校のほうが生徒の面倒をよく見てくれるという声もよく聞きます。 私自身高校卒業後予備校のお世話になっておりますので、 塾、 予備校の存在は否定しません。 しかしみんなが通わなければならないような存在ではないと思います。 確かな学力について教育長の御所見を伺います。
     学校は、 成績という形であらわれる目に見える学力だけでなく目に見えない学力を身につける場でもあります。 進学ということがある以上、 親はとかく成績を重視しがちですし、 学校も保護者、 生徒のニーズに合わせるべく成績の向上を目指しがちです。 しかし長い人生を考えたとき、 学校生活の中ではぐくまれる目に見えない学力の大切さを忘れてはならないと私は思います。
     二〇〇二年にノーベル物理学賞を受賞された東京大学特別栄誉教授の小柴昌俊氏は、 「人から与えられたテーマや仕事というのは、 ちょっと行き詰まるともうだめだと投げ出したくなる。 ところが自分で探し当てて自分がやりたいと考えて取り組んだ仕事は、 困難なことが出てきてもやめようという気にならない」 と述べ、 御自身もやりたい仕事に取り組んだ結果としてノーベル賞を受賞したのであって、 その逆ではないと語っています。
     この目に見えない学力について教育長の認識をあわせて伺います。
     次に、 薬物乱用防止への取り組みについて伺います。
     大学生による大麻事件が後を絶ちません。 昨年十一月ラグビーの強豪校でラグビー部の現役部員が大麻を譲渡したり、 寮の自室で栽培していたりした容疑で逮捕、 起訴されて以来、 関東、 関西の有名大学でも学内で大麻の売買をしていた学生が摘発を受けました。 薬物乱用が心身及び社会に与える影響については、 警察を初めさまざまな角度からその防止に向けての取り組みがなされているにもかかわらず、 検挙者が後を絶たないということは残念なことと言わざるを得ません。
     統計によれば、 特に大麻やMDMA等合成麻薬の検挙者は六割から七割が未成年及び二十代の若者であるということであり、 事態の深刻さは無視できないところまで来ています。 平成十九年に出された文部科学省の薬物等に対する意識等調査報告書によれば、 一回でも使うとやめられなくなると薬物に対して否定的なイメージを持つ高校生が多い中で、 気持ちよくなれる気がすると答える生徒も七から九%存在するということです。 最高の気分を味わえるという誘い文句にだまされて手を出してしまうというのが実情のようです。 子供たちを薬物から守るため、 いま一度大人が立ち上がる必要があると思います。
     学校で薬物の恐ろしさについての正しい知識を子供たちに教えることは当然のこと、 教師や保護者も認識を新たにしなければなりません。 誘惑に負けない強い人格を形成することを支援することもまた教育の果たす役割であると考えます。 教育長の御所見を伺います。
     最後に、 少年の万引き防止について警察本部長にお伺いします。
     本年七月に、 静岡新聞社が県内のスーパーマーケット、 書店、 コンビニなど百店舗を対象に実施した万引きの実態調査の分析結果が公表されました。 この一年間で万引きがふえたとする店舗は四五・八%、 また店の経営に影響が大きいという回答は七〇%を超え事態の深刻さが表面化しました。 一方、 万引き犯を取り押さえた場合、 警察に通報すると答えた店舗は六〇%、 警察に通報しないという店舗は四〇%で、 穏便に済ませる対応をする店舗も少なくないことが調査の結果わかりました。
     近くのコンビニの店長さんにお店での万引きの実態をお尋ねしたところ、 中学校から高校の生徒数人が明け方に来店、 様子がおかしかったため店を出た後で問いただすと、 全部で一万円を超える商品を万引きしていたことがわかったという事件が以前起きていたということを教えていただきました。
     万引きはゲートウエー犯罪すなわち別の犯罪につながる入り口と呼ばれます。 万引きぐらいと軽く見るとだんだんエスカレートしていく危険性があります。 特に少年の場合早いうちに芽を摘むことが重要です。 最近の子供たちはゲーム感覚で商品に手を出す傾向にあり、 運が悪かったと答えるなど罪の意識が低いことが知られています。 県警の統計でも窃盗を犯した少年はこの十年間で半減しているものの、 その半数は万引きであるということです。 また万引き少年のうち八〇%が中高生であるという事実は、 ゆゆしき事態と言わざるを得ません。
     先ほど紹介したコンビニでは、 万引きを防止するために店内で声かけ運動を行っているということです。 少年の非行防止、 具体的にはゲートウエー犯罪と言われる少年の万引きを防止するために、 県警はどのように取り組んでおられるのかお聞きして一たん私の質問を終わります。 (拍手)
    ○議長 (浜井卓男君)  川勝知事。
            (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事 (川勝平太君)  前林議員にお答え申し上げます。
     初めに、 私の時代認識についてのうち、 政権交代に対する認識についてでございます。 今回の国政選挙の結果を見ますと、 ベテランの自民党の政治家が若手の民主党の政治家に大敗するというふうなことが起こりました。 これは我が国の社会全体に漂う不安  景気、 雇用、 社会保障、 医療等々に対するこのような不安が、 これまでの古い体質では打破できないという漠然としたそのような閉塞感があって、 それを若い世代に託して打破したいというものがあったのではないかというように思っております。
     これまでの時代は、 日本の国力を東京に集中して、 全体の経済力をあるいは軍事力も含めた防衛力も上げていくというものでございました。 言いかえると東京中心の中央集権型、 これがこれまでの国のシステムであったわけでございます。 これに対しましても、 既に小渕政権のころから地方分権ということが国政の課題に上っておりました。 そして小泉政権の折には、 地方にできることは地方に、 民間にできることは民間にというこのスローガンが、 国民の圧倒的支持を得たことは御承知のとおりでございます。
     こうした流れは、 今回の民主党の政権によってそのマニフェストにもうたわれているとおり、 加速されるであろうというふうに期待しております。 そのやり方におきまして従来は明治時代に設けられました官僚制度、 この官僚制度もそのプラスマイナス勘案した中でマイナス面が目立つようになって、 事務次官会議というものを今政権から廃止するということになりました。
     同時にまた、 新しく総務大臣になった原口さんは国政を担当する政治家と地方の政治家とはイコールパートナーであるというふうに言われています。 まさに地方分権、 これを軸にした新しい流れがこの政権から始まっていくに違いないというふうに見ております。
     それは大きくはポスト東京時代というように言っていい新しい時代であると。 これは奈良時代、 平安時代、 鎌倉時代、 室町時代、 江戸時代というように場所でもって時代区分をするという、 その歴史的な慣例に倣いますれば、 明治、 大正、 昭和、 平成、 これは国力を東京に集めてきた、 そういう意味におきまして東京中心の時代というふうに言えると思っております。 東京中心に何をしたかったかといえば、 欧米諸国に追いつき世界から尊敬される国になるということであったと思いますが、 その課題がほぼ達成されたということから我々は新しい時代を今開かねばならないという、 そういう時点に立っているのではないかという認識を持っております。
     したがいまして、 政権与党を初め国政に携わる政治家、 あるいは我々も含めてでございますけれども、 現場といいますか地元に立脚するということがとても大切で、 現場主義そして生活者中心の政策運営をしていく時代になったと考えております。
     本県におきましては、 景気対策を初め、 医療、 福祉、 子育て支援など県民生活に直結するさまざまな政策を、 国とのイコールパートナーシップという形での連携をしながら、 静岡県において新しい時代のモデル、 地域づくりを通して新しい国ふじのくにと。 ふじのくにはこの地域をあらわす言葉であると同時に日本をあらわす言葉でもありますので、 そういう地域づくりを通して新しい国づくりをしていくと、 こういう意味における日本の理想郷というものをつくってまいりたいというふうに考えております。
     次に、 希望の持てる社会づくりについてであります。
     これは前林議員の認識と共通するところがございます。 何に希望を持ってきたかと。 戦後は我々は敗戦の中で、 何もないときでございましたから何としてでも豊かな生活を、 つまり物の豊かな生活が理想であったと思います。 さらにさかのぼれば、 明治時代に欧米社会の実態を知ることによって、 圧倒的な経済力、 軍事力、 すなわちその物量に圧倒されてそのようなものを日本も持たないとだめだという、 そういう時代をこれまで経てきました。
     しかしながら、 物はそれなりに豊かになった。 もちろん格差はあります。 しかしGDPで世界で第二位というのはこれは内外で認められている数字でございまして、 しかしそれだけではだめだというところから、 我々には物の豊かさだけでなくて心の豊かさということもあわせてとても大切であるという、 そういう認識を国民各位がお持ちになっているというふうに思います。
     日本一の富士山、 富士の 「富」 というのは物質的豊かさ、 ウェルスを意味します。 富士の 「士」 というのは立派な学徳を持った人間、 それを意味します。 すなわち物心ともに豊かであるということが富士という、 そういうすばらしい秀峰の固有名詞になっているわけでございますが、 それを四つの文字であらわせば 「富国有徳」 になると思うわけでございます。
     物心両面の豊かさを体現する 「富国有徳」 の理念のもとに、 小さな国ではありますがブータンの国王が出されたGNH  グロス・ナショナル・ハピネスと、 国民の幸福度、 幸福感これを膨らましていく、 最大にしていくということが地域づくりの基本方針となるべきであると思います。 県民の皆様だれもが将来に向けて明るい希望が抱ける社会を築くこと、 これを目指さなければならないと私もそう思います。
     中でも議員御指摘のとおり、 若者が希望を持てる社会にするということが最も重要です。 数日前、 国立の中央青少年交流の家、 これが開所五十周年を迎えるということで御殿場に出かけてまいりました。 その入り口には愛情、 勤労そして希望というふうに書かれています。 青年にとって大切なのは愛情である。 そして当時は必ずしも多くの子供たちが高校に行けるという状況ではありませんでした。 勤労の青年たちを励まそう、 勤労ということはとっても大切な漢字だと、 それとあわせて希望ということでございます。
     そのような希望を若者が抱けるようにするにはどうしたらいいか。 差し当たって一番小さな赤ちゃんが希望を持って産めると、 そういうことから二人から三人は子供を産みたいという、 そういう若い世代の統計的な現実がございます。 その希望をかなえる環境を整備するということが大人の義務であろう。 そして子供のころから議員御指摘のように、 文化芸術に触れる機会というものは与えねばなりません。
     さらに、 世界を見る目を養うための子供を教える教職員の先生方の世界の国際化を促したいということでございます。 そういう教職員の国際的に通用するような人材、 それを育成し、 そして起業や研究開発に対する支援、 こういうものに取り組むことによりまして、 それを新しい総合計画の中にうまく取り込んで、 「住んでよし、 働いてよし、 訪れてよし」 の静岡県をつくってまいりたいということでございます。
     若者が動くのには一体何が大切かと。 物が豊かでないときにはハングリースピリットというのが大切です。 ハングリーであるということ。 おいしいものを、 豊かな家、 立派な家電等々のある家に住みたい。 アメリカン・ドリームですね。 しかしながらそれ以外にも人を動かすものがあります。 それは何か。 今議員御指摘の例えばイチロー選手。 イチロー選手に対して若者はあこがれるわけですね。 あこがれるということはとても大切な動機になります。 ですからあこがれられるようなそういう国をつくる。 それは我々が理想を持って地域づくりをするということでございます。
     県政運営の基本理念として 「富国有徳の日本の理想郷―ふじのくに」 づくりをしていきたい。 人々からあこがれを持たれるような地域にしたい、 そういう生活景観にしたいということでございます。 さすれば住民が誇りを持てることになるでしょう。 そういう生き方なり暮らしの立て方を実現する文化、 これをはぐくみ、 自立し豊かで、 いわば徳のある地域を実現するために各種の施策や取り組みを戦略的に展開してまいりたい。 基礎にある基本理念は御指摘のとおり希望でございます。
     次に公務員改革についてであります。
     議員御指摘のとおり、 やる気というのは本当に一番大事です。 心というのは何から成るか、 知・情・意から成ると言われます。 いかに学力があっても、 いかに情操豊かに恵まれていても、 すばらしい身体能力を持っていても、 やる気がなければ結局それは発揮されないことになります。 それは県庁においても同様でございまして、 職員がみずからの能力を高めて、 さらにその能力を十分に発揮できる職場環境づくりが重要な課題であるという認識を持っております。 このため本県におきましては、 職員がみずから職場を選択できる職の公募制度を初め、 国、 民間企業、 海外の大学への派遣研修の実施など、 職員の意欲、 能力を発揮する機会の拡大に努めてまいりました。
     さらに、 平成十七年度に導入いたしました人材育成システム  静岡県キャリア・デベロップメント・プログラムというものに基づきまして、 職員が主体的なキャリア形成意識を持ってみずからの能力開発に取り組み、 その自己研さんの成果や意欲を反映した人事管理を行うことにより、 専門性の高い職員の育成に努めてきたところであります。 これを加速させたいと思っております。
     そこで、 来年度からは、 入庁後約十年間の教育異動期間を終了した職員の異動年限を従来の原則三年から原則五年に見直すとともに、 おおむね四十歳以上の職員につきましては御本人の適性に最もかなった、 最も合った分野への配置に努めることにより、 職員のさらなる専門性の向上を図ってまいりたいと考えております。
     なお、 現在、 室長級以上の特定幹部職員に対する勤務成績評価制度を導入しておりますけれども、 その他の職員につきましても勤務成績の勤勉手当への反映に向けた準備を進めているところでございます。 こうした取り組みは人材育成や職員の意欲の向上につながるものだというふうに考えております。 今後とも職員の資質と能力を適切に評価し、 その結果を給料や人事配置等へ反映させる人事管理を通じて、 やる気と活気に満ちた職場環境づくりを進めてまいる決意でございます。
     次に、 平成二十一年度九月補正予算についてでございます。
     まず、 公明党県議団から御要望をちょうだいいたしました。 真摯に受けとめております。 七つの柱も十分に踏まえて予算編成に取り組んだところでございます。
      「災害復旧への対応」、 「安心・安全社会への対応」 につきましては、 今回の駿河湾を震源とする地震等に対応して、 道路、 河川などの公共施設や社会福祉施設の補修を初め、 民間木造住宅の耐震診断や耐震補強の積み増しなど緊急的な地震対策を推進してまいります。
      「国補正予算基金関連事業の着実な実施」 につきましては、 今回も五つの基金を積み立てまして、 八つの基金を取り崩して事業を実施することといたします。 「中小企業向けの融資枠の拡充」 では、 経済変動対策貸し付けの枠を拡大いたします。 「地球温暖化対策の推進」 につきましては、 家庭における太陽光発電などの設備の導入など省資源型設備への転換に対する助成制度を創設いたします。
     また、 「少子高齢化社会への対応」 といたしまして、 先ほども申し上げましたが、 地域における子育て活動の推進を図る 「富2 (じ)、 3 (さん) っ子」 応援プロジェクトなどを実施するとともに、 「空港利活用策の推進」 のためには、 空港へのアクセスバスの利便性向上や冬季の閑散期対策などを行ってまいろうという次第でございます。
     次に、 新政権の予算執行の見直しへの対応についてでございますが、 まず現在の厳しい雇用・経済環境を打破するために、 国が行政としてお約束なさいました補正予算に呼応して、 県が地域の実情を踏まえて創意工夫を凝らした施策を推進しているときに、 新政権としては国として一度お決めになったことは覆すことなくきちんと履行していただくように強く申し上げたい。
     むしろ、 ただいま私どもが考えておりますことは、 新しい政権におきましては、 執行をとめるということよりも国の基金の使途の自由度を高めていただきたい。 地方の現場の実情に合った形で使い勝手をよくしていただきたい。 実効性のある予算の執行が速やかにできるように、 そういう方向にぜひ改めていただきたいと思います。
     例えば、 緊急雇用創出事業臨時特例基金というのは、 現行では人件費割合が七〇%以上でなければならぬ、 新規雇用割合が七五%以上でなければならぬ、 雇用期間は六カ月未満でなければならぬといったような条件が付与されておりますし、 あるいは介護職員処遇改善基金におきましては、 交付金の対象が介護職員に限定されておりますために、 ほかの例えば介護支援専門員など職員全体の処遇改善に交付金を活用できないのでございます。 こうした問題がございますのでぜひ使途の自由度を高めていただきたいというのが願いでございます。
     今後、 新政権の対応を見守りながら、 全国知事会等とも歩調を合わせまして適時適切に地方自治体の現状を申し上げて、 我々の意見が受けとめられますよう積極的に働きかけてまいります。
     次に、 魅力ある富士山静岡空港づくりについてでございます。
     日本一の富士山を眺めながら、 緑の茶畑の中におり立つあるいはそこから飛び立つ富士山静岡空港は、 本県の持つ経済力や生活水準など場の力の強さや立地のよさから、 私は日本の表玄関として大化けする可能性を秘めた空港であると思っております。 しかし開港して三カ月、 悪天候により相次ぎました欠航、 あるいはダイバート  目的地変更でございますが  アクセスバスの接続の悪さ、 または旅客ターミナルビル内の混雑など、 せっかく富士山静岡空港を御利用いただく皆様に御不便をおかけしていることを目の当たりにいたしまして残念でなりません。
     このために、 空港利活用戦略本部や有識者会議を立ち上げまして、 私みずから本部長となりまして、 空港の魅力を高める施策や利便性の向上に早急に取り組んでいる次第でございます。 既にアクセスバスの増便あるいは総合案内所の機能強化などできるところから改善を図るとともに、 利用者のさまざまな声を改善につなげるため、 空港のホームページに県民アイデア募集のコーナーを設けたりいたしました。
     引き続き空港運営会社、 航空会社、 あるいは交通にかかわる会社、 売店に出店されている会社、 その他関連企業、 そしてなかんずく地元住民の方々との協力を強めまして、 旅立つ皆様にはこれから始まるその旅への期待が膨らんで、 遠来のお客様にはもてなしの心が伝わり、 そして見学に訪れられる皆様方には今度はぜひみずからが利用してみようと感じていただけるように、 空港施設はもとより周辺地域もあわせて魅力を高めてまいりたいと考えております。
     なお、 その他の御質問につきましては関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。
     答弁漏れがございました。 大変失礼いたしました。
     景気・雇用対策についてでございますが、 県では、 有効求人倍率が御指摘のように過去最低を更新するような雇用情勢の危機的な状況を受けて、 有効な経済・雇用対策を迅速かつ機動的に実行していくというために、 七月に私を本部長とする静岡県緊急経済・雇用対策会議を立ち上げました。 また八月には、 県内経済界や有識者の御意見を伺うための静岡県緊急経済対策諮問会議を開催したところでございます。
     今議会にお諮りしております補正予算はこれらの会議の結果を踏まえたものでございまして、 特に緊急雇用対策につきましては、 NPOや企業など広く民間から雇用創出のための提案を募集いたしました。 募集いたしましたところ十六日現在で百四十二件の応募がございました。 こうしたものの中から事業化の可能なものを選びまして、 速やかに事業を実施してまいりたいと思っております。
     さらに、 求人の多い介護分野の理解を深めるセミナーの開催、 農林業分野への就業を希望する方々を対象とした短期研修を実施するとともに、 就職相談センターの就職サポーターや通訳を増員するなど求職者の就職支援を強化してまいります。 また経済対策として中小企業に対する貸付融資枠を百億円拡大いたしますとともに、 経営革新や地域資源の活用に取り組む中小企業を積極的に支援する中小企業緊急支援事業などを実施することとしております。
     今後とも、 県内の経済・雇用情勢を的確に把握しながら、 県民の皆様、 現場の皆様の声に耳を傾けて、 迅速かつ弾力的に有効な対策を実施してまいります。 大変失礼いたしました。
    ○議長 (浜井卓男君)  丸山県民部長。
            (県民部長 丸山康至君登壇)
    ○県民部長 (丸山康至君)  防災体制の強化についてのうち、 初めにプロジェクト 「TOUKAI―0」 のさらなる推進についてお答えいたします。
     木造住宅の耐震化プロジェクト 「TOUKAI―0」 における上乗せ助成制度につきましては、 今年度二十八市町でスタートいたしましたが、 八月から西伊豆町が新たに二十万円の上乗せ助成制度を創設したところであり、 徐々にではありますが導入する市町村がふえております。 この制度は、 県民の負担軽減につながり耐震化の推進に効果的であることから、 今後とも未整備の市町村に対しましては制度創設を強く要請するとともに、 既に創設済みの市町村に対しましても助成額や適用範囲拡大等の制度拡充の働きかけを行ってまいります。
     また、 あわせて今回の地震を契機として県民の防災意識が高まり、 市町村の窓口に耐震診断の申し込みや住宅相談が急増しておりますことから、 今議会に耐震診断や補強工事等の関係予算の増額をお諮りし、 引き続き木造住宅の耐震化の一層の推進に努めてまいります。
     次に、 県立美術館の防災対策についてであります。
     県立美術館では、 阪神・淡路大震災や新潟県中越地震による博物館、 美術館の被害状況について調査するとともに、 県民の財産であります貴重な美術作品を地震の被害から確実に守るための方策について常に検討してまいりました。 この結果、 彫刻作品は作品と台座、 それから台座と床をそれぞれボルトで固定し、 絵画や掛け軸は落下や横揺れを防止するための金具を使用して展示するなどの対策を講じております。 また収蔵庫で保管している美術作品につきましても、 収納ラックに固定するなどの対策を講じてきております。
     幸い本年八月の地震では県立美術館に被害はございませんでしたが、 今後とも地震の被害から美術作品を守る最新の技術情報を収集し、 有効な方法について導入を図るなど引き続き適切な安全対策に努めてまいります。
     次に、 芸術文化の振興についてのうち、 青少年の文化力の向上についてであります。
     本県では、 静岡県文化振興基本計画に基づき、 「みる」、 「つくる」、 「ささえる」 人を育て、 感性豊かな地域社会を形成することを目標に施策を展開しております。
     本年は、 重点施策の一つであります国民文化祭・しずおか二〇〇九の開催により、 地域のさまざまな文化活動が活発に展開されますが、 この成果をいかに継続、 発展させていくのかが重要であります。 このため国民文化祭終了後にはシンポジウムを開催し、 本県の文化力を高める方策について議論をしていただき、 さらに今議会にお諮りしておりますふじのくに芸術街道創出準備事業によりますタウンミーティングをNPO団体などの参加を得て、 東・中・西の三地域で開催し、 地域の芸術文化活動を支える機能の充実につきまして御意見をいただきたいと考えております。
     そうした意見を踏まえた芸術文化振興の取り組みを進め、 魅力的な文化ゾーンであるふじのくに芸術街道の実現を図っていく中で、 特に青少年の文化力の向上策についても積極的に取り組んでまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  衛門建設部長。
            (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長 (衛門久明君)  防災体制の強化についてのうち、 土砂災害防止への取り組みについてお答えいたします。
     本県では、 集中豪雨や地震などによる土砂災害から人的被害を防止するため、 人家の多い箇所や避難地、 災害時の要援護施設があるなど重要度の高い箇所を優先し、 効率的な防災施設の整備に鋭意努めているところでございます。 また県では、 ハザードマップの配布、 現地への表示板の設置など危険箇所についての情報提供に努めるとともに、 土砂災害警戒区域の指定により市町の警戒避難体制の整備を支援するなどソフト対策も進めているところであります。
     さらに、 市町が行う避難勧告等の早期の判断や住民の自主避難のため、 過去の土砂災害発生時の降雨状況を超えることが予想された場合には、 県と気象台が共同して土砂災害警戒情報、 これをテレビやラジオなどで発表するとともに、 市町へも防災配信により直接伝達し地域住民への速報にも努めておるところでございます。
     県といたしましては、 住民の安心・安全を確保するため引き続き防災施設の整備を推進するとともに、 市町等とも連携し、 よりわかりやすい防災情報の発信、 警戒避難体制の強化など総合的な土砂災害対策に努めてまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  芸術文化の振興についてのうち、 伝統文化の継承についてお答えいたします。
     茶道や華道は日本を代表する伝統文化の一つとして広く国内に知られており、 茶及び花卉の全国有数の産地である本県において、 その特性を生かした伝統文化を普及、 継承していくことは、 本県の魅力を高め文化のすそ野を広げるだけでなく、 次代を担う人材の育成のためにも重要なことと考えております。
     議員御指摘のとおり、 地域の人材を活用し伝統文化に触れさせることはとても大切なことであり、 現在におきましてもかなりの小学校においてクラブ活動や総合的な学習の時間、 社会科等で、 茶道、 華道など伝統文化について地域の人材を講師として招き、 体験を通して学んでおります。 また高等学校における部活動では静岡県高等学校文化連盟に加盟している百四十三校において、 茶道部六十九、 華道部四十四、 茶華道部三十七の計百五十部が設置され、 三千人以上の高校生が活動しております。
     県といたしましては、 今後地域の人材を掘り起こして人材データバンクの整備を進め、 地域の人材を講師として派遣する文化出前講座の一層の周知を図るなど、 各学校での活動を支援することで茶道、 華道を初めとした伝統文化の継承に積極的に取り組んでまいります。
     次に、 米の消費拡大についてのうち、 学校給食における米の利用拡大についてであります。
     米飯給食は、 子供たちに日本型食生活や食文化を伝承していく上で、 議員御指摘のとおり意義あるものと考えておりますが、 学校給食の実施は設置者である市町村の判断によるため実施回数等はさまざまであります。 本県の米飯給食は一〇〇%県内産米を使っており、 その実施回数は県全体では平均週二・九回、 政令市を除くと平均週三・〇回を超え、 年々少しずつふえてきております。
     米飯給食の拡大につきましては、 各市町の炊飯設備の整備や近年の炊飯委託工場の減少等の課題があるため、 県教育委員会といたしましては、 地域や学校の実情に応じて、 段階的な実施回数の増加を促す文部科学省の通知をもとに市町村教育委員会に対応を依頼しているところであります。 これを受け、 今年度国の米飯学校給食回数増加支援事業等を活用して、 地元産米を学校給食に取り入れる検討をしている市町や、 数年前より玄米パンを学校給食の献立に取り入れている市町もあります。
     今後も米粉を利用した商品開発が進み、 新たに学校給食への導入が可能となった商品については、 関係機関と連携を図りつつ積極的な活用を検討してまいります。
     次に、 教育行政についてのうち、 まず確かな学力についてであります。
     県教育委員会といたしましては、 これからの知識基盤社会を主体的に生きていくためには、 どの子供にも確かな学力を保障することが責務であると考えております。 また家庭における教育費の負担増加や年収の差から生じる教育格差等の最近の状況をかんがみたとき、 県民から信頼される学校になるよう公教育における授業の質を高め続けていくことが私どもの使命であると考えております。
     そこで本県では、 本年度より教職員の授業指導力のより一層の向上を図るため、 指導主事の総合教育センターへの集中化を図ることにより学校訪問の機会をふやすことを初めとし、 アドバイザリーティーチャーや授業アドバイザーを任命して、 若手教員等の指導を重点的に行っているところであります。 また児童生徒一人一人をきめ細かく指導するため、 小学校一年生学級支援や中学校一、 二年生への静岡式三十五人学級編制の導入、 多様な人材活用学習支援事業による放課後等の補充的な学習の充実等に取り組んでおります。
     しかし一方で、 学校にはいわゆる受験学力と呼ばれるものを向上するだけでなく、 議員御指摘の目に見えない学力、 言葉を変えて申し上げれば全人教育、 すなわち人間性を全面的、 調和的に発達させることが求められておりますので、 学校行事、 部活動を初めさまざまな教育活動を通して、 豊かな感性、 確かな知性、 健やかな心身をバランスよくはぐくみ、 新しくスローガンとして掲げた 「有徳の人」 づくりに邁進してまいります。
     次に、 薬物乱用防止への取り組みについてであります。
     教育委員会では、 児童生徒が薬物の本当の怖さを知らずに、 好奇心に駆られ遊び感覚で安易に薬物に手を出してしまうことのないよう、 薬剤師、 警察職員、 学校医等を講師に招き、 各学校において薬学講座などを実施してまいりましたが、 議員御指摘のとおり、 誘惑に負けず正義感を貫く人づくりが薬物乱用防止の取り組みの根本と認識しており、 児童生徒一人一人の学校生活を日常的に張りのある充実したものにし、 心身ともにたくましく成長させる環境を整えることが大切であると考えております。
     また、 教職員は薬学講座等の内容を踏まえ、 保健の授業やホームルーム活動で生徒への指導を実施しておりますが、 教職員の認識をより深めるため、 今後生徒指導主事研修会等において、 薬物乱用防止のための研修内容の一層の充実に努めてまいります。
     さらに、 保護者への啓発として、 関係機関との連携を一層密にすることにより、 学校が実施している地区別懇談会、 学校保健委員会等を活用し、 生徒がどのようなきっかけで薬物乱用に至るのかなど薬物乱用防止に関する情報提供を行い、 薬物の危険性についての認識や既に身近にさまざまな誘惑が存在することへの危機意識を、 保護者が深めることのできる機会の提供に努めるよう学校を指導してまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  大須賀厚生部長。
            (厚生部長 大須賀淑郎君登壇)
    ○厚生部長 (大須賀淑郎君)  米の消費拡大についてのうち、 食生活の見直しについてお答えいたします。
     我が国では、 従来から米を主食とし魚介類や野菜などを副食とする栄養バランスにすぐれた日本型食生活を送ってまいりましたが、 近年は米や魚介類の摂取量が減少し肉類の摂取量が増加するなど油脂類の多い洋風の食生活に大きく変化し、 野菜の摂取不足など栄養の偏りも見られ、 肥満や糖尿病など生活習慣病の増加につながっております。
     このため県では、 「ゼロ歳から始まるしずおかの食育」 をスローガンに、 子供のころからバランスのとれた食事の基本が身につくよう母子手帳交付時における食育の啓発や、 米を中心とした日本型食生活について学ぶ食育講座などを行っているところであります。
     今後とも、 食に関する知識の普及や食生活を見直すきっかけづくりとなるさまざまな取り組みを通じまして、 日本型食生活のような栄養バランスのよい食事が実践できるよう食育の推進に取り組んでまいります。
     次に、 ドクターヘリの夜間運航についてであります。
     県では、 昨年度重症患者に対応できる医療機関がない伊豆南部地域への夜間運航実現の方策について専門家による検討を行った結果、 安全な運航を確保するには専用の飛行経路を設定する計器飛行方式による運航が妥当との結論に至り、 本年度はこれを踏まえさらに具体的な検討を進めているところであります。
     実現までの具体的な課題としては、 国土交通省による計器飛行経路の開設を初め、 計器飛行方式に対応した機体、 必要な資格を有したパイロット及び夜間離着陸場の確保などが挙げられております。 県では、 既に国土交通省との事前協議を行っておりますが、 飛行経路の開設やパイロットの確保など県のみで解決できない課題や、 夜間離着陸場の確保など地元の理解が必要な課題もありまして、 夜間運航の実現までには相応の時間を要するものと考えております。
     県といたしましては、 引き続き運航の安全性の確保を最優先としつつ、 夜間運航の早期の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
     また、 緊急ドクターカーDMERCの活用につきましては、 現在稼働しているドクターカーの運用状況やDMERC導入に伴う医師の負担等を十分調査した上で、 全体の救急医療体制の充実を図る中で必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
     次に、 県立総合病院の女性外来についてであります。
     県立総合病院では、 平成十五年十一月に女性による女性のための外来といたしまして女性科を開設し、 本年八月までに延べ千四百人を上回る方に対して、 一般の外来では相談しにくい症状や診療科の特定が難しい症状などについて、 時間をかけて話を聞くことを基本姿勢とした診療を実施してまいりました。
     診療は完全予約制で、 女性に配慮したきめ細かな相談を行うための十分な診療時間の設定や、 必要に応じた専門科や専門機関の紹介など、 その内容について高い評価をいただいているところであります。 今後より多く女性外来を利用していただくためには、 医療に関する実績や幅広い経験を有するベテラン女性医師を確保するとともに、 将来を担う研修医の確保、 育成が必要であり、 女性にとって魅力ある病院となりますように、 院内保育所の整備や柔軟な勤務形態など就労環境の整備に努めているところであります。
     県といたしましては、 中期目標において臨床研修の充実や就労環境の向上を指示したところであり、 働きやすい環境整備を徹底し女性医師の定着を図りますとともに、 より多くの女性が安心して県立総合病院で受診できるよう今後とも支援に努めてまいりたいと考えております。
     次に、 健康長寿社会実現への取り組みについてであります。
     高齢になっても健康な生活を続けるための介護予防には、 筋力トレーニングなどの運動機能向上、 食生活指導による栄養改善、 歯磨き指導や頭の体操教室などがありこれまでも積極的に取り組んできております。 さらに平成十八年度からは、 地域包括支援センターが高齢者の身近な支援窓口として設置され、 高齢者一人一人の状態に応じて介護予防プログラムを作成しよりきめ細かな介護予防を展開しております。
     介護予防の参加者は、 平成十八年度の一千八百八十六人から平成二十年度には三千九百三十八人と二倍以上になり、 地域包括支援センターの数も平成十八年度の九十六カ所から現在は百二十一カ所へと拡充しておりますが、 今後もさらに多くの高齢者が積極的に介護予防に取り組んでいただくことが必要であると考えております。 そのため啓発パンフレットや講演会を通じ一層の広報に努めるとともに、 特に要介護になるおそれの高い高齢者には、 個別の訪問指導や医療機関からの働きかけ等を通じて参加促進を図ってまいります。
     また、 ことしも十月二日から開催いたします静岡健康・長寿学術フォーラムにおきましても、 健康長寿科学の研究と成果発表を通じ高齢者の健康づくりを推進しております。 あわせて地域包括支援センターにつきましては、 緊急雇用基金を活用して職員を増員し高齢者の状況把握やきめ細かな支援に一層力を注ぎ、 今後とも高齢者の住み慣れた地域で元気で生き生きと暮らしていけるよう取り組んでまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  堀川産業部長。
            (産業部長 堀川知廣君登壇)
    ○産業部長 (堀川知廣君)  米の消費拡大についてのうち、 米粉利用の普及についてお答えいたします。
     県では、 昨年度から新たな技術で製粉された米粉の利用普及を図るため、 全国に呼びかけた米粉FOODコンテストを開催するとともに、 入賞したパンやケーキなどの三十作品のレシピを掲載した冊子やホームページを作成し広く公開をしております。 こうした取り組みにより入賞作品が人気商品として定着しているほか、 県内各地で米粉を使ったパンやパスタなどが開発され販売されるようになってきました。 今年度のコンテストには県内外から昨年度を上回る二百四十点の応募があり、 現在作品の審査をしているところです。 十一月に行う表彰式では、 一般県民を対象とした入賞作品の試食会やプロを対象とした製造技術講習会を開催することとしております。
     また、 県内の製パン業者などへのアンケート結果では、 約五割の事業者が新たに利用したいとしていることから、 今後米粉の新しい利用技術に関する情報提供や、 さまざまな用途に合わせた製粉技術の普及、 米粉用の稲の作付拡大などを行い、 米粉の一層の普及に取り組んでまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  原田警察本部長。
            (警察本部長 原田宗宏君登壇)
    ○警察本部長 (原田宗宏君)  少年の万引き防止についてお答えいたします。
     万引きは犯行手段が容易で動機も比較的単純でありますが、 これを放置するとさらなる規範意識の低下を招き、 本格的な非行へ深化していく危険性があります。 また万引きをとがめた店員に暴行を加え、 強盗傷害で検挙されるなど凶悪犯への移行が懸念されるほか、 万引きが発覚しなかった少年の自慢話が周りの少年たちの万引きを誘発したり、 非行グループの形成につながる危険性もあります。
     こうした実態にかんがみ、 警察では大きく三つの対策を推進し少年の万引き防止に努めております。
     その一は、 検挙、 補導した少年に対する適切な指導であります。 万引きをした少年に対しては検挙、 補導した直後の指導が重要ですので、 取り調べではきちんと非行事実を明らかにするとともに、 少年自身に犯した非行事実と向き合わせた上で、 万引きが犯罪であることや何度も繰り返すと取り返しのつかないことになってしまうということを諭すなど、 厳しい中にも血の通った指導に努めております。 また保護者に対しては、 家庭における監護を強化していただくなどのきめ細かな指導助言を行っておりますが、 今後の監護に不安を抱く保護者からの依頼があるなどの場合には、 少年サポートセンター職員による継続的な指導を行い再非行防止に努めているところであります。
     その二は、 学校、 教育委員会との連携強化であります。 万引きを犯す少年の大半が児童生徒ですので、 学校・警察連絡協議会、 警察官やスクールサポーターの学校訪問制度などを活用した情報の共有を図っているところであります。 また警察職員を学校に派遣し児童生徒に直接話しかけるといった非行防止教室を開催し、 規範意識の醸成に努めているほか、 学校と警察の児童生徒健全育成に関する連携制度に基づき、 万引きで検挙、 補導した児童生徒を連絡し、 学校においてはよりきめ細やかな指導を行っていただけるよう配意しているところであります。
     その三は、 万引きを起こしにくい環境づくりであります。 警察においては、 被害対象となります店舗の管理者に対し、 警戒員の配置や商品の陳列方法の改善、 防犯カメラの設置、 ICチップを利用した商品タグの導入等を指導する一方、 とりわけ少年については早期に非行の芽を摘む必要があることから、 被害時の警察への届け出を促しているところであります。 こうしたことに加え、 少年警察ボランティアや市町教育委員会等と連携し、 多発店舗への巡回や街頭補導活動による積極的な少年への声かけにより、 未然防止にも努めているところであります。
    ○議長 (浜井卓男君)  三十二番 前林孝一良君。
            (三十二番 前林孝一良君登壇)
    ○三十二番 (前林孝一良君)  多岐にわたる質問に対しまして丁寧な答弁をいただきましてありがとうございました。
     二点再質問をさせていただきます。
     一つは、 公務員改革についてでございます。
     知事からは、 やる気に満ちた県庁づくりということでもって一歩踏み込んだ答弁をいただいたわけでございます。 ただ昨今の状況が、 例えば新政権が官僚主導からの脱却であると、 政治を国民の手に取り戻すんだという形でもって非常に声高に叫んでおられるわけで、 今、 知事は官僚制のいいところ悪いところという形でもってお話をされましたが、 今何か公務員であることが悪いかのようなそういうような雰囲気が何となくあるような気がするわけでございます。 ぜひそこについては、 県の職員一生懸命頑張っているんだということを、 知事の立場で公務員バッシング  世間の風から公務員を守る、 県の職員を守っていくようなそんな姿勢をぜひ期待をしたいと思いますけれども、 知事からの御答弁をお願いしたいと思います。
     それから、 教育長にもたくさん質問させていただきまして、 御答弁ありがとうございました。 確かな学力について、 教育委員会として教員の指導力の向上に向けた取り組みをさまざまな観点からやっていく、 あるいは環境づくりに取り組むという御答弁をいただいたと感じておりますけれども、 具体的にやはり私が質問させていただきました、 塾に行かなくても予備校に行かなくても進学できるという、 こういう目標も非常に私は、 親の立場、 子供の立場では大事な観点かと思います。 そういう意味で、 塾に関してのコメントはなかなかしにくいとは思いますけれども、 明確に学力がつくようなそういう努力をお願いしたいと思うわけでございますけれども、 いま一歩踏み込んだ御答弁をぜひお願いしたいと思います。
    ○議長 (浜井卓男君)  川勝知事。
            (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事 (川勝平太君)  公務員イコール悪という、 あるいは官僚イコール悪というような考えはさらさら持っておりません。
     御承知のように、 この公務員制度というのは、 さかのぼれば隋の時代の科挙にまで行くわけですけれども、 それが十九世紀にフランスとイギリスに知られまして、 そしていわゆるシビルサーバントとしてイギリスのすぐれた、 あるいはフランスのすぐれた官僚を生み出すわけです。 日本はいわゆる科挙制度というのは遣隋使、 遣唐使を送りながらもついにとらなかったわけですけれども、 それがイギリス、 フランス、 なかんずくイギリスを媒介にして日本で官僚制度というものを入れてまいりました。 その結果イギリスやフランスに匹敵ないし現在ではGDPにおいては凌駕する立派な国になってきたわけであります。 そうした歴史にかんがみましても、 日本の官僚諸氏がつくり上げてきた実績というのはすばらしいものがあります。  
     また一方で政治家の役割も大きいわけですけれども、 なかなか政治家も人気取りになるような風潮もございまして、 そうした中で政治家と官僚との力関係といいますか、 力量の比較におきましてどうしても官僚に任せざるを得ないような状況があったことも御存じで、 そうしたものが行き過ぎますと今、 官僚バッシングということになっていると。
     したがいまして、 官僚をたたくということにも増して、 我々県民あるいは国民の生命、 財産、 これを預かっている者といたしましてはともかく 「一に勉強、 二に勉強、 三に勉強」 と、 みずからを鍛えて、 県民あるいは国民の負託にこたえるという立派な政治家にならねばならないと。 今そういう意味において、 官僚に頼らないで自分たちで政策決定をきっかりとしていこうということになっているかと思います。
     余りに官僚バッシングが進みますと、 例えば国の農水省などに東大から一人も受験しなかったとか、 あるいは東大の法学部から官僚になる人がだんだん少なくなってきたというふうになってきまして、 官僚の質が低下したということが官僚組織の中で言われつつあります。 しかしながら本県におきましては、 私わずかな期間ではございますけれども、 公設民営方式の静岡文化芸術大学に奉職しまして以来三年弱の期間におきまして、 官僚の方々といいますか県庁の職員の方々の、 問題はやる気とシステムだと思っております。
     よく県というのは、 こういう部局ごらんになればわかりますように国の小型版というところがございます。 しかし昨日も申しましたごとく、 やはり違うところは余りにもたくさんのところに渡り歩くという、 これが国の官僚組織と違うところでございますね。 いきなり韓国の県の出先機関で働くと、 その人にとってももう寝耳に水と。 ただし御承知の彼、 何といいましたかね、 すばらしくぴたっと合ったわけですね。 皆さんお世話になった方もいらっしゃると思いますけれども、 そういういきなり飛ばされたというか、 あるいは栄転したか、 そこが見事な仕事の能力の開発につながる場合もありますが恐らくその逆の場合もございましょう。
     しかし、 本人にとっては突然の任務でありまして、 そうしたことについてもう少し大体幾つでどのくらいになるんだということがわかるように、 今のシステムにもいいところがございますけれども、 余りにも多岐にわたるというのは問題なので、 年限を積んでいけばそれぞれの能力、 得意、 適性というのが明確になってくるでしょうから、 それをしっかりと評価しつつしっかりと専門家をつくり上げていきたいと。 そして六十になって定年退職するときに尊敬に値する専門家として、 あるいはゼネラリストとして社会で御活躍できるようなそういう人材をつくってまいりたいと。 そういうために私も本当に皆様方の力を出していただくために、 今試行錯誤ではございますけれども、 今回お諮りしたような啓発のためのシステムを導入するということで、 これもやりながら考えるということで、 よいものがあればそれをどんどん取り入れていきたいというふうに思っている次第でございます。
    ○議長 (浜井卓男君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  明確なる学力向上方策についてというお話でありました。
     学力向上にとって、 何をおいても一番はやっぱり先生の授業力の向上にあるなというふうに私は思っております。 そのための組織改編も行ったわけでありますけれども、 一方でやはり多くの先生方、 優秀な方がそろっておられますので、 その指導技術の共有化であるとか授業研究する時間の確保というふうなこともとても大事でありますので、 ICTを活用してそういうことを図っていくということが一つ大事かなというふうに思っております。
     また、 学力・学習状況調査等が行われていて、 今まで教師というのは一人で全部やっていればいいと、 自分に全部任されていたわけですけれども、 学力・学習状況調査についても分析ソフト等をつくって各学校に提供しておりますので、 学校自体がどんな問題を今しょっているのか、 こういうところに問題があるのかということを組織として共有化して学校全体で取り組んでいくと、 こういうふうな姿勢をつくることも大切なのかなというふうに思っております。
     そして、 これは先生方にとって大変厳しいことであろうかと思いますけれども、 やはり授業を受けているのは生徒でありますので、 やはり生徒が先生方の教え方に対しての評価、 いわゆる授業評価というものがかなり行われてきておりますけれども、 まだ全体には行き渡っておりませんので、 子供たちがきちんと授業評価をして、 それを先生方が受けとめてより一層の授業改善を図っていくと、 こういう取り組みを推進することによって、 学力向上に結びつけていきたいとこういうふうに思っております。
    ○議長 (浜井卓男君)  これで前林孝一良君の質問は終わりました。
     議事の都合により休憩します。

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