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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

田中 照彦 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/11/2023

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 森林サービス産業の推進について
2 脱炭素社会の実現に向けた森林吸収源対策の推進について
3 停電防止のための予防伐採の推進について
4 子供の犯罪被害防止対策について
5 健康寿命の延伸に向けたフレイル予防について
6 外国人材の登用促進について


○議長(中沢公彦君) 次に、二十二番 田中照彦君。
       (二十二番 田中照彦君登壇 拍手)
○二十二番(田中照彦君) 私は、ふじのくに県民クラブの所属議員として通告に従い知事、副知事、関係部局長に当面する県政の諸課題について一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、森林サービス産業の推進について伺います。
 県土の約三分の二を占める森林は、水源の涵養や山地災害の防止、二酸化炭素の吸収、生物多様性の保全など様々な公益的機能を有し私たちの安全で豊かな暮らしのために欠くことができない存在と言えます。しかしながら中山間地を中心に過疎化や高齢化が進行し、人と森林との関係が薄れ間伐等の手入れが行き届かなくなった森林が増加しています。
 一方で、コロナ禍を契機に人が自然と触れ合う価値が再認識され森林空間を健康や観光、教育などの様々な分野で活用する森林サービス産業が今脚光を浴びています。
 私の地元浜松市にある県立森林公園では、森林の爽やかな空気の中で行うヨガやノルディックウオークなど各種プログラムが提供されているほか森の癒やしを感じながら音楽を楽しむフェスティバルも開催されており、このような取組は健康増進やリフレッシュ効果もあり幅広い層からニーズがあります。昨年十月には森のようちえん全国交流フォーラムアット富士山が開催され、全国各地から七百三十人の教育関係者や親子の参加があるなど森林空間を保育や教育に活用する関心も高まっています。子供たちの豊かな発想力や想像力、健やかな心身を育むためにも森林での体験活動はとても大切だと感じます。
 このほかにも、森林空間を活用した宿泊施設やマウンテンバイクなど県内各地で様々な取組が進められていると聞いています。このような取組を通して森林の価値や魅力が高まるとともに、地域のにぎわいや関係人口の増加にもつながり森林の適切な維持管理や持続可能な社会の実現が可能になると考えます。県では森林サービス産業を推進するため今年度から新たな一歩を踏み出したと承知しています。
 そこで、今年度の取組状況とさらなる推進に向けて今後どのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、脱炭素社会の実現に向けた森林吸収源対策の推進について伺います。
 近年の記録的な豪雨や猛暑など地球温暖化に起因する気候変動は私たちの生活や未来に対する大きな脅威となっており、今後このリスクはさらに高まると予測されています。こうした中、国は二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、二〇三〇年度において温室効果ガスを二〇一三年度比で四六%削減を目指すこと、さらに五〇%削減の高みに向けて挑戦することを表明しました。
 この新たな削減目標を踏まえ、県は令和三年度に第四次地球温暖化対策実行計画を策定し脱炭素社会の実現に向けた施策の方向性として、各部門の徹底した省エネルギー対策の推進、再生可能エネルギー等の導入・利用促進、技術革新の推進、吸収源対策の推進の四つの取組を描いています。脱炭素に関する取組はこれらを着実に進める必要があると考えますが、報道等によると太陽光発電などの再生エネルギーや省エネルギーの家電製品など排出量を削減する取組に偏りがちにも見えます。
 経済活動を進めながら脱炭素社会を実現するためには排出量の削減には限界があります。温室効果ガスの排出量実質ゼロが意味するところは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から植林、森林管理などによる吸収量を差し引いた合計をゼロにすることであり、つまりカーボンニュートラルの実現のためには二酸化炭素の排出量を削減すると同時に吸収量を増やす必要があります。
 我が国の二酸化炭素吸収量の九割以上が森林であることから吸収源として森林は重要な役割を果たしています。県土の六割以上が森林である本県は、森林吸収源対策が省エネ、再エネと同様に地球温暖化防止対策として力を入れていくことが重要と考えます。
 脱炭素社会の実現に向け二酸化炭素の吸収、固定に貢献する森林への期待が高まる中、県はどのように森林吸収源対策を講じていくのか伺います。
 次に、停電防止のための予防伐採の推進について伺います。
 台風被害が頻発した平成三十年から令和三年頃、特に中山間地域では倒木による停電問題が顕在化しました。平成三十年九月の台風二十四号では私の地元浜松市も大変大きな被害を受け、中山間地域での倒木等を起因とする停電が発生し復旧までかなりの時間を要したことから住民に大きな負担がかかることになりました。そのようなことから予防伐採についての取組が推進されるようになり、県においても予防伐採のための推進連絡会が設置されました。
 そもそも中山間地域においては山の管理が十分とは言えないため、台風等豪雨の際は倒木以外にも土砂の流出、がけ崩れ、道路の陥没等が発生しやすいという状況にもあり、そのような場合作業車が発生箇所まで行き着くことができないというケースも見受けられます。実際に復旧に向かう作業車が道路の陥没にはまり立ち往生したこともあったと聞きます。
 島田市では行政、電力業者、地元自治会が連携しそれぞれの役割を明確化し予防伐採のモデル事業が実施されています。市が調整役となり地権者への合意形成、伐採後の木の処分場所確保などそれぞれの協力によって課題解決が図られています。島田市での取組が全県に広がっていくことが望まれるところではありますが、残念ながら県西部地域ではあまり進んでいないという声も聞いています。
 中部電力浜北営業所管内における倒木対応件数についての資料によると、倒木起因による停電発生件数は二〇二〇年が二十三件、二〇二一年が十七件、二〇二二年三十四件、二〇二三年本年十月末現在で二十五件となっています。また倒木対応総件数においては、二〇二〇年が百三十三件、二〇二一年が九十四件、二〇二二年百四十八件、本年二〇二三年十月末現在で百七件となり配電線への倒木による設備被害は年間百件程度発生しています。
 今後も大規模な台風や豪雨被害が想定される中、停電等の被害を小さくするためにも予防伐採を進めていくことは重要であると考えます。それぞれの市町が主体的に進めていくことが基本ではありますが、予算、地元地権者との交渉等々課題も多く大変困難な状況です。
 現状を鑑みその課題を精査し県としても施策の実効性を高めていくべきと考えますが、県の所見と取組状況を伺います。
 次に、子供の犯罪被害防止対策について伺います。
 子供が見知らぬ人から声をかけられたり跡をつけられたりする、いわゆる声かけ事案が県内でも発生していると聞いています。子供への声かけ自体は犯罪に当たるものではないと承知はしておりますが、このような事案は誘拐事件やわいせつ事件など重大な犯罪に発展することも懸念されるところであります。
 最近では、浜松市浜北区において小学生が男から刃物を突きつけられた上、脅され下着を奪い取られるという事件が発生しました。また富士市においては小学生が男からお菓子を買ってあげると声をかけられ車に乗せられて連れ回された誘拐事件が発生するなど子供を狙った事件が相次いで報道されています。またスマートフォンの通知サービスでも度々子供への声かけ事案が報告されています。
 この二つの県内の事件はいずれも犯人がすぐに逮捕されたとのことで安心をしましたが、子供の声かけ事案の発生を見聞きするたびに子供を持つ保護者や近隣の住民の皆さんは、我が子が通う通学路は安全なのか、自分の住んでいる地域で重大な事件が発生するのではないかと不安感が高まっているのではないでしょうか。
 私ごとではありますが私の孫が来年の春から小学校に通うことになっておりまして、ただ学校まで少々距離がありまた近所に小学生がいないことから登下校について今から大変心配をしているところであります。
 子供を狙う犯罪者は、子供が一人になるときや周囲から見えにくい場所などの狙いやすい瞬間を探ったり子供の気を引くために巧妙な話術を使う場合もあると聞きます。子供をこうした危ない事案から守るためには官民が協働して地域ぐるみで取り組んでいくことが重要であると考えますが、県では子供の安全を確保していくためどのような取組を行っているのか伺います。
 次に、健康寿命の延伸に向けたフレイル予防について伺います。
 日本人の平均寿命は男性八十一・四一歳、女性八十七・四五歳、健康寿命は男性七十二・六八歳、女性七十五・三八歳、日本は世界でも代表的な長寿国そして健康寿命大国と言われています。その中でも本県は特に健康寿命に至ってはトップクラスに位置しているところです。
 さて、近年健康寿命対策を語るときフレイルという言葉が使われます。フレイルとは簡単に言えば加齢により心身が老い衰えた状態のことであり、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指しています。高齢者のフレイルは生活の質を落とすだけでなく様々な合併症を引き起こす危険があり、多くの方はこのフレイルを経て要介護の状態へ進行すると考えられています。
 そのようなことから、社会参加をしながらいつまでも元気に活動するためにはフレイルの予防、対策が重要になります。フレイルは身体的、精神・心理的、社会的と大きく三つの種類に分かれており、これら三つのフレイルが連鎖していくことで自立度の低下は急速に進みます。ただしこのフレイルは予防によってその進行を緩やかにし健康に過ごしていた状態に戻すこともできます。この予防の柱となるのが運動、社会参加、栄養と言われています。
 運動は歩いたり筋トレをするなどの身体活動であり、社会参加とは就労や余暇活動、ボランティアなどの取組であります。特に新型コロナウイルスが流行する二〇一九年までは、社会参加への意識が高まり社会参加という通いの場への参加率は確実に増え続けていました。しかしながら二〇二〇年の緊急事態宣言を機に外出や活動を自粛するようになり、こうした事態がフレイルに大きな影響を及ぼしていると言われています。
 厚労省のデータによると、コロナ禍の二〇二〇年とコロナ前の二〇一九年の高齢者の心身の状態について把握した調査では外出の機会が減少した人が約一八%増え、鬱の項目に該当する人が約五%増えたという数値もあります。外出自粛の長期化で高齢者の閉じ籠りや健康への影響が懸念をされているところです。コロナ前、コロナ禍そしてアフターコロナと状況が大きく変化をする中、高齢者の体力や認知機能の低下など健康二次被害への対策が早急に求められていると考えます。
 このような状況を踏まえて、高齢者に対しその実態を把握しリカバリーする取組が必要と考えますが、県の見解を伺います。
 また、栄養に関してはオーラルフレイル予防が重要と考えます。オーラルフレイルとは、かんだり飲み込んだり話したりするための口腔機能が衰えることを指し、早期の重要な老化のサインと言われています。それらの機能が悪化することで食生活に支障を及ぼすなど全体的なフレイル進行との深い関係も指摘されています。
 県は、ここ数年オーラルフレイル予防の取組を進めていると認識していますが、その効果や課題について伺います。
 最後に、外国人材の登用促進について伺います。
 製造業をはじめ県内の多くの産業分野において労働者不足、人材不足が常態化しており、中でも中小企業は深刻な状況にあります。国は、生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業分野において外国人を受け入れる仕組みとして二〇一九年に在留資格特定技能を創設しました。
 熟練した技能が求められる特定技能二号の対象分野は建設分野、造船・船用工業分野の溶接区分のみに限定されてきましたが、国は本年八月から対象分野を拡大しビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の九分野と造船・船用工業分野のうち溶接区分以外の業務区分全てを追加し、介護分野を除く全ての分野で特定技能二号の受入れが可能となりました。これにより特定技能一号で五年、特定技能二号からは家族帯同も可能となりさらに五年の在留が認められることになります。ちなみに特定技能一号介護については専門的な在留資格介護があることから特定技能二号の対象分野から除外されています。
 また国では、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議において現行の技能実習制度を発展的に解消して人材確保と人材育成を目的とする新たな制度の創設を検討をしています。有識者会議においては新制度における外国人材の日本語能力の向上に向けた取組や管理監督、支援体制の在り方、また技能実習ではできなかった転籍の在り方等が議論され、十一月二十四日には最終報告書が取りまとめられたところであります。
 このような制度改正によって課題への対策が進む一方、現在議論されている技能実習制度の発展的解消については、実際に外国人材を雇用する中小企業の経営者からは人材が都市部や環境のよい分野への流出することを危惧する声も伝わってきています。それらの対策も含めた新制度の創設が待たれるところであります。
 外国人材の登用は県の産業分野の育成のためますます重要になってきています。静岡県は、外国人比率が高く従来から外国人の採用支援の取組を行っているところではありますが、現状外国人材の登用についての課題をどのように認識し今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(中沢公彦君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 田中議員にお答えいたします。
 脱炭素社会の実現に向けた森林吸収源対策の推進についてであります。
 地球温暖化防止のため大気中の二酸化炭素の増加を抑えることは世界共通の重要課題となっております。森林には二酸化炭素を吸収し炭素を固定する機能があります。また木材を建築物に利用することで炭素の長期的な貯蔵が可能となります。さらに木材生産におきまして、採算性が低く森林内に残されている未利用材を化石燃料の代わりに活用することで二酸化炭素の排出抑制につながりますし地球温暖化防止に貢献する機能を持つことになります。
 脱炭素社会の実現には、省エネルギー対策の徹底や再生可能エネルギーの導入による二酸化炭素の排出削減に加えて二酸化炭素を吸収、貯蔵する森林の機能を将来にわたって持続的に発揮させていくことが重要であります。
 このため、県では森林吸収源対策として森林吸収源の確保、県産材による炭素貯蔵の拡大、木質バイオマスの利用促進これら三つを施策の柱として取組を進めているところです。
 まず、森林吸収源の確保に向けましては計画的な間伐の促進や成長の早いエリートツリーを活用した主伐、再造林を加速いたします。それとともに林業経営体等によるカーボンクレジットの認証取得を支援いたしまして健全な森づくりを進め二酸化炭素吸収量を高めてまいります。
 また、炭素貯蔵の拡大に向けましては県産材を活用した建築物への助成や炭素貯蔵量の認定制度などにより県内の住宅、店舗等の木造、木質化を促進し都市部において炭素の貯蔵庫となる第二のもりづくりを進めてまいります。さらに木質バイオマスの利用促進では未利用材をチップ化するなど搬出コストを削減する実証モデルの成果を普及し、木質ボードやエネルギー等への供給を拡大してまいります。
 我々といたしましては、森林を切って使って植えると。この循環利用を通じて森林吸収源対策を着実に推進し森林との共生による脱炭素社会の実現を目指してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(中沢公彦君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 子供の犯罪被害防止対策についてお答えいたします。
 本県の刑法犯認知件数が二十年連続して減少する一方で、子供に対する不審者の声かけ事案は年間千件を超える高い水準で推移しております。県では第五次ふじのくに防犯まちづくり行動計画において子供、女性、高齢者等のさらなる安全確保を重点取組に掲げております。この行動計画に基づき県民、地域・事業者団体、行政機関等で構成するしずおか防犯まちづくり県民会議を設置し、今年度の活動の最重点事項として子供の安全確保対策による被害防止を定め官民が協働して様々な対策に取り組んでいるところであります。具体的には通学路等における防犯ボランティア等による見守りや一般自動車に青色回転灯を装着した巡回監視いわゆる青パト、防犯環境整備として通学路防犯カメラの設置などを進めております。
 一方、子供自身の防犯力向上を図る取組として子供の体験型防犯講座「あぶトレ!」やそれから地域の防犯リーダーを育成する防犯まちづくり講座を開催しております。そして地域住民に向けた防犯まちづくりニュースを発行するなど広報啓発活動にも努めております。
 さらに、昨年度六月十一日と十月十一日を子供見守り強化の日として制定いたしました。両日には県民や行政、警察等が協力して県内一斉に見守り活動を行い、意識の向上と日常生活の中での活動の活性化を図り子供の安全対策の強化に取り組んでいるところであります。
 今後も各機関、団体と連携した子供の見守りなど県民総ぐるみの子供の犯罪被害防止対策を全力で推進してまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 高畑くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(高畑英治君) 森林サービス産業の推進についてお答えいたします。
 コロナ禍をきっかけに自然への関心が高まり森林空間を健康や観光、環境教育などに活用する取組が広がりつつあります。県では、こうした流れを加速するため今年度新たに森林空間活用情報サイトを開設し県内における取組の事例や事業者、利用者の声など森林サービス産業に関する情報発信に取り組んでおります。
 また、森林空間の活用に関心のある森林所有者と事業者を対象に事業化の状況や課題、可能性などを紹介するスタートアップセミナーを開催し、その上で情報を交換し活用イメージの共有を図る機会を設けるなど両者のマッチングを進めております。現在保育やアロマ蒸留の場としての活用など複数の取組について協議が進められており、今後は内容に応じたアドバイザーを派遣するなど事業化に向けた後押しをしてまいります。
 県といたしましては、市町や関係団体と連携し参画する森林所有者、事業者の拡大を図り地域の活性化と森林の適正な保全につながる森林サービス産業を推進してまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 森本危機管理部長。
○危機管理部長(森本哲生君) 停電防止のための予防伐採の推進についてお答えいたします。
 台風などによる大規模な停電は県民生活や経済活動に多大な影響を及ぼすことから、その主な原因となる倒木などを未然に防止する対策が求められております。このため県では令和二年度に県と市町、電力事業者等で構成する予防伐採推進連絡会を各地域局に設置し、伐採箇所の選定や実施に当たっての役割分担を調整するなど官民一体となって停電対策を推進しております。令和三年度には中部電力や東京電力と災害等における停電の早期復旧に向けた連携に関する協定も締結し、これまでに七十か所以上で予防伐採を実施してきたところであります。
 予防伐採を実施した地域の方からは、台風による大規模停電の不安が解消されたなどの高い評価を頂いている一方で、市町からは課題として財政負担や地権者との交渉などが挙げられております。このため県では、市町の財政負担を軽減するため令和三年度から予防伐採を地震・津波対策等減災交付金の重点事業に位置づけ交付率をかさ上げするとともに、地域が一体となって取り組んでいる好事例を推進連絡会で共有するなど予防伐採が促進されるよう努めております。
 県といたしましては、今後とも市町、電力事業者等との連携をより強固にするとともに、市町が抱える課題に丁寧に対応することで大規模停電への備えをさらに強化し県民の皆様が安全・安心に暮らせる県土づくりに努めてまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 八木健康福祉部長。
○健康福祉部長(八木敏裕君) 健康寿命の延伸に向けたフレイル予防についてお答えいたします。
 県が実施する調査では、令和元年度の通いの場への参加者数は約九万五千人でありましたがコロナの影響により令和三年度は約八万五千人となり、高齢者が交流の場に参加する機会が減少することによる運動や認知機能の低下が課題と考えております。そのため県では、通いの場への参加者の増加に向け健康づくり応援サイトふじのくにむすびばにおいて県内各地の通いの場の活動状況を情報発信し参加を促すとともに、通いの場の魅力の向上に向けて市町等の職員を対象に活動の好事例の共有と情報交換を行う場の設定や歯科衛生士、管理栄養士など通いの場で指導を行う専門職のスキルアップ研修に取り組んでおります。
 オーラルフレイルの予防につきましては、地域で歯や口の健康づくりのボランティアとして活躍する八〇二〇推進員と連携しながら正しい歯みがきの方法や定期的な歯科検診を働きかけるとともに、口腔機能の低下とフレイルの関連性を説明したリーフレット等を県歯科医師会と共に作成し各地域で市町等が実施する介護予防教室などで活用しております。その効果として八十歳で自分の歯が二十本以上ある方は、後期高齢者歯科検診が始まった平成二十八年度の六〇・二%から令和四年度には六九・八%へ増加しております。
 一方、課題としてはオーラルフレイルの県民の認知度は二四・八%と低いため、八〇二〇推進員の養成数の増加やより幅広い世代にフレイル予防を周知するためSNSを活用した動画配信などに取り組んでまいります。
 県といたしましては、市町や県歯科医師会などの関係団体と連携してフレイル予防を推進し健康寿命のさらなる延伸に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 増田経済産業部長。
○経済産業部長(増田始己君) 外国人材の登用促進についてお答えいたします。
 外国人労働者の国際的な獲得競争が激しさを増す中、本県企業における外国人材の登用を推進していくためには外国人から選ばれ働き続けたいと思っていただけるような職場環境の整備が課題であると認識しております。このため県では、モンゴル国等において実施している海外高度人材の合同面接会参加企業に対し外国人を雇用する際には将来的なキャリアプランや目標を本人に提示するよう助言しております。また県内企業にアドバイザーを派遣し雇用する外国人の活躍促進に向けた目標の設定やその目標の達成に向けた企業側の行動計画策定を支援するなど外国人が活躍しやすい職場環境づくりを推進しているところです。
 技能実習制度等の在り方に関する国の有識者会議におきましても、外国人が成長しつつ中長期的に活躍できるキャリアパスの構築が主要な論点の一つとされていたところであります。
 県といたしましては、静岡県が外国人に選ばれる地域となるよう引き続き県内企業の職場環境づくりを支援するとともに、外国人雇用に取り組む企業に対する相談体制の整備など支援の充実を図りながら外国人材の登用を促進してまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 田中照彦君。
       (二十二番 田中照彦君登壇)
○二十二番(田中照彦君) それぞれ御答弁を頂きましてありがとうございました。
 それでは、私は三点要望を申し上げます。
 今回六項目質問を用意しましたけれどもそのうちの三項目はですね、県の約三分の二を占める森について森との共生という思いを込めて交流人口、カーボンニュートラル、危機管理というそれぞれ三つの視点から県の考えを伺いました。
 そのうちのカーボンニュートラル、森林吸収源対策について要望を申し上げます。
 先ほども御答弁頂きましたけれども、先日会派でですね、実は早生桐の試験栽培を視察をしてまいりまして、従来の桐は成木になるまで通常十五年から二十五年間ある成育期間が四、五年で成木になって植えた翌年からCO2をスギの十倍吸収すると言われています。また伐採後は再発芽をするために繰り返し伐採が可能になるということでございますが、コストを考えると山に植えるのがよいのか耕作放棄地に植えるのがよいのかという議論もありますけれども、本県の現状、既に高齢化しているスギ、ヒノキの人工林の若返りを図るときに、早生桐と言いますか先ほどエリートツリーという話もございましたけれども、早生樹の活用も含めて森林の適正な状態に保つための整備を、ぜひ保全をお願いをしたいなというふうに思っております。
 それから次に、危機管理、停電防止のための予防伐採の推進について要望を申し上げます。
 中山間地域で一たび災害が発生するとやはり復旧までは大変な時間を要することになって、ライフラインが断絶することになれば人の命に直結をすることにもなります。予防伐採への必要性と課題については認識を共有していただいてるというふうに思っていますが、県西部ではほとんど進んでいないというのが現状であります。ぜひその辺も踏まえてですね、今後市町としっかり連携を図りながら必要に応じて、例えばスキーム自体を見直すなどですね、そういったより実効性が高まるような取組をお願いをしたいなというふうに思います。
 それから最後に、外国人材の登用について要望を申し上げます。
 人口減少が進む日本は今後労働人口の急激な低下が予測されておりまして、外国人労働者との共生というのは避けて通ることができないというふうに思っております。しかしながら人権侵害であったりとか、労働環境などの外国人労働者をめぐる課題は非常に多く、また他国との獲得競争ですね、激しさを増すばかりだというふうに思います。外国人材を必要としている企業に対してのサポートですね、充実した支援。そして外国人そのものが安心して働いて生活していくために多様性を認め合い共に支え合う共生社会の実現に向けたサポートも要望いたしまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(中沢公彦君) これで田中照彦君の質問を終わります。
 議事の都合により休憩します。

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