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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成23年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

森 竹治郎 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/22/2011

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 伊豆半島の道路整備について                   
 (1) 伊豆縦貫自動車道を初めとする道路整備の促進          
  ア 東駿河湾環状道路                      
  イ 天城北道路                         
  ウ 河津下田道路                        
 (2) 伊豆半島周遊道路の景観形成                  
2 伊豆半島の観光振興について                   
 (1) 伊豆半島ジオパーク構想                    
 (2) 伊豆観光圏                          
 (3) 観光誘客                           
3 静岡県沿岸漁業の振興について                  
 (1) 漁港整備                           
 (2) 漁場整備                           
4 特別養護老人ホームの待機者解消について  



     次に、六十七番 森 竹治郎君。
           (六十七番 森 竹治郎君登壇 拍手)
    ○六十七番(森 竹治郎君) 日本の経済について、失われた二十年と言われ国内経済の停滞が今日も続いております。静岡県内でもとりわけ伊豆半島の経済状況はまことに厳しい状況が続いております。県民一人当たりの年間所得のワーストテンにすべて伊豆地区の市や町が入っております。観光客、宿泊客の減少も続いております。このような状況のもとに伊豆半島の元気を一日も早く取り戻したい観点から、通告の順序に従い川勝知事を初め関係部長に御質問をいたします。
     まず最初に、伊豆縦貫自動車道を初めとする道路整備の促進についてお尋ねをいたします。
     伊豆半島は来遊客が減ってきておるとはいうものの、現在も年間三千九百五十万人が来訪する日本国内でも有数の観光地であることは変わりはありません。その六割の来遊客が自家用車を利用しておりますので、伊豆半島地内各所で休日や夏の行楽シーズンあるいはゴールデンウィーク、平日であっても慢性的に交通渋滞が発生しております。最近では半島内の交通渋滞を懸念して来遊客が減少しておる、こういう状況も見られ、観光を中心とした地域経済にとりまして大きな痛手となっております。
     御承知のとおり伊豆半島の主要幹線道路は、山間部やあるいは海岸線の急峻な地形を走っており、土砂崩壊などにより通行どめになることも多く、観光に物流にそして地域住民の生活に大きな影響が長い間生じております。医療面においても南伊豆地域から第三次救急医療機関の順天堂大学静岡病院までの救急車による搬送時間は、一時間二十分以上必要となっている現状であります。伊豆縦貫自動車道は救急搬送時の命の道として、災害時には緊急輸送路として、また自然環境や温泉等の観光資源に恵まれた伊豆半島の今後の発展に大きな役割を果たし、快適な観光の実現や地域住民にとって安心して生活できる環境を実現するものであり、一刻も早い道路建設促進が待ち望まれておるのであります。
     私たちも長い間にわたって、国会や国土交通省そして県庁に伊豆縦貫自動車道建設促進の要望活動を繰り返し行ってきております。予算については平成十九年度には百四十四億円余り、平成二十年度には百四十六億円余り、平成二十一年度には百九十六億円余りが措置されてまいりました。政権がコンクリートや道路が嫌いな政権にかわった平成二十二年度は、百三十五億円と激減をしてしまいました。大変に心配になるところであります。
     そこで第一に、東駿河湾環状道路についてお尋ねをいたします。
     東名沼津インターから三島塚原インターまでの十キロメーターは一昨年七月に供用開始となり、時間短縮効果もあらわれ大変便利となりました。その先五キロメーターについて国交省は昨年末、平成二十五年度に開通予定と発表をいたしました。私も県議会建設常任委員会のメンバーの一人として、昨年秋に現場を視察をいたしました。国土交通省沼津河川国道事務所の説明によりますと、三島市内の大場の南高架橋付近は超軟弱地盤で、地質も複雑で地下水が噴き出す心配があるとのことでありました。当初盛り土による土工工法を計画していたが、地下水対策を講じるとともに橋梁方式に変えたとこんな説明がありました。その後のこの進捗状況はいかがでしょうか、お伺いをいたす次第であります。またこの際に県が役割分担をしている区間の進捗の状況についてもあわせてお伺いをいたします。
     第二に、天城北道路についてお尋ねをいたします。
     この道路は伊豆市の修善寺から伊豆市の矢熊までの六・七キロメーターであります。平成二十年四月には修善寺インターチェンジから大平インターチェンジまでの一・六キロ、供用開始がなされたところであります。今後整備を進めていく天城北道路二期工区は急峻な山間部を走り、トンネルや橋梁構造となる区間が多くなると伺っております。
     そこで、用地買収の状況やトンネル工事、そして橋梁の工事の取り組みの現在の状況についてお伺いをし、今後の供用開始の見通しについてお伺いをする次第であります。
     第三に、河津下田道路十三キロメーターの中で、特に二期区間七キロメーターについてお伺いをいたします。
     河津町梨本から下田市箕作の区間であります。一期区間六キロメーターについては、下田市伊豆急下田駅前から下田市箕作の間に国道四一四号が二車線で整備されておりますので、これを活用できるものであります。二期区間のうち河津町逆川から下田市箕作までの約三・五キロメーターについては、下田土木事務所の皆さんが国道四一四号整備を促進してくれ二車線歩道つきの道路となりました。そこでしばらくはこの区間は国道四一四号を活用することもできます。残った河津町梨本から河津町逆川、あるいは下田市の北の沢までの約三・五キロメーターの整備を進めることが、合理的かつ重要であると思います。二期区間のその後の環境影響評価の手続の進捗状況についてお伺いするとともに、今後の整備の見通しについてお伺いをする次第であります。
     あわせて、伊豆縦貫自動車道を含む伊豆地域における道路整備の今後の県の方針について、当局のお考えをお伺いいたす次第であります。
     次に、伊豆半島周遊地域の景観形成についてお尋ねをいたします。
     私たちが浙江省を訪れますと蕭山空港から杭州市の都心までの道路の沿線をながめ、台湾を訪れますと桃園空港から台北市の都心までの沿線を、シンガポールを訪れますとチャンギ空港からシンガポールの都心までの沿線等々、すべてが花や樹木で見事に彩られ美しい風景を提供してくれております。私たちがどこの国を訪れましても、空港から都心までの道路の沿線の光景を見ればその国のレベルを判断することができます。
     伊豆半島の海岸の風景は、白砂青松、岬や入り江、断崖絶壁等々天与の自然景観は大変すぐれたものがあります。しかしながら近年は生い茂った雑木類など、そして倒産した旅館、ホテルなどなど、非常に道路沿線の風景が後退をしてまいりました。以前にはバスや自家用車から美しい伊豆の海岸線の風景を楽しむことができましたが、今日では残念ながら雑木雑草等により、そのすばらしい自然の風景が見えにくくなってまいりました。
     そこで、道路の修景を取り戻すために、道路の緑化、ポケットパーク等の眺望場所の整備、道路附属施設の修景への配慮、花いっぱいの道づくり、案内標識のデザインの統一や外国語案内板の設置、沿線住民の皆さんとの協働による清掃や花の植栽等々必要になってくるものと思います。県土木事務所や農林事務所等県行政の中で、今後伊豆半島周遊地の景観形成についてどのように取り組んでまいるのかお尋ねをいたす次第であります。
     次に、伊豆半島の観光振興について伺います。
     伊豆半島の観光交流客数の推移を調べてみますと、昭和六十三年度に伊豆半島を訪れた客数は七千三百四十四万一千人で、これが平成二十一年度になりますと三千九百四十六万二千人と大幅に減少いたしております。さらにこの中で宿泊客数を調べてみますと、伊豆半島の昭和六十三年度のそれは一千八百八十五万七千人でありましたが、平成二十一年度は何と一千七十五万八千人と激減をいたしております。伊豆半島の観光がこのように極端に苦境に落ち込んで塗炭の苦しみにいる状況がわかります。原因は伊豆の観光業界のまとまりが欠けるなど、いろいろ複合的なものがあろうかと思います。
     そこで、最初に県が取り組み始めました伊豆半島ジオパーク構想についてお尋ねをいたします。
     伊豆半島はそもそも日本にはなく、遠く南洋で生まれた海底火山の集合体がフィリピン海プレートに乗って移動し続けて、およそ百万年ほど前に本州に衝突し、陸化後の火山活動によって現在の伊豆半島が誕生したものと言われております。地質的にこのように貴重な伊豆半島の大地遺産、その大地に結びついた人々の文化・産業遺産を保全、保護し、地域の振興、そして観光の振興につなげることができるものと思います。火山活動によってできた景勝地――堂ヶ島や黄金崎、石廊崎、爪木崎、大室山、城ヶ崎海岸、そして浄蓮の滝や丹那断層などなど百十二カ所の見どころがあると言われております。
     日本国内で一足先に世界ジオパークとして認定された北海道洞爺湖有珠山、新潟県の糸魚川、長崎県の島原半島、そして山陰海岸は、観光誘客にも大いに活用していると伺っております。伊豆半島のジオパークが認定されること自体、今までの伊豆半島の観光と異なる面から新鮮さをもってアピールすることができるものと思います。
     ジオパークとして認定されるためには、その対象地域としての保全や保護などが必要とされますことから、必然的に地球科学的遺産を含んだそれぞれの地域の保全と、その意義を後世の人々に継承していくための仕組みづくりが行われてくるものと思います。地域の子供たちや大人たちが地域の由来や文化、伝統芸能等々を改めて学び、みずからの郷土に誇りや自信を持つことも生じてくるものと思います。これらの取り組みを推進することによって、伊豆半島が国の内外から今までと違った観点から注目をされ観光客が増加してくるものと思います。
     そこで、県は今後日本ジオパークの認定や世界ジオパークの認定を目指して、どのように手続を進めていくのかお尋ねをいたす次第であります。またあわせて伊豆半島の観光振興のために伊豆半島ジオパークをどのように活用をしていくのかお伺いする次第であります。
     次に、伊豆観光圏に対する県の取り組みについてお尋ねをいたします。
     平成二十年五月十六日、国会で全会一致により、国内外からの観光客が二泊三日以上の滞在型観光ができるように観光エリアの整備を促進するための観光圏整備法が制定され、同年七月二十三日から施行されました。国土交通大臣は増加する訪日外国人観光客の受け皿たる観光地の整備、滞在型観光の振興を図るため、観光地が相互に戦略的に連携すること、地域の幅広い各産業間の連携、そして国・地方公共団体と民間主体間の連携の三つの連携を促進する基本方針を策定し、発表いたしました。
     伊豆観光圏は、伊東市、東伊豆町、河津町、下田市と南伊豆町の二市三町でスタートを切りました。伊豆観光圏のシンボルマークも決まり、静岡市内や東京都内でのPRキャラバンも実施をし、伊豆急全線ウオークも今、始まったところでもあります。今日の伊豆半島の観光低迷を憂え、伊豆観光圏の構成メンバーが連携を密にして行動を積極的に取り組み始めたところでもあります。県は伊豆観光圏の熱心な取り組みに対して今後より一層積極的な対応をしていくべきであると考えますが、どのような対応をとるのかお尋ねをする次第であります。
     次に、観光誘客についてお尋ねをいたします。
     先ほど述べましたように、伊豆半島の観光は今や倒産一歩寸前と言っても過言ではないものと思います。観光が今以上に衰退してしまいますと伊豆半島丸ごと沈没をしてしまいます。三年先、五年先の伊豆半島の観光政策も必要ではありますが、重要なことはきょうの観光振興施策であります。即時的な効果のある施策が必要であります。
     今までの答弁として、伊豆の意欲的な人々や組織の行動を県は応援しますなどの今までどおりの答弁は出野部長から聞きたくないのであります。県が先頭に立って、首都圏、北関東地方等、現在も来遊客の多い地方で、より効果的な誘客事業を実施すべきと考えるものであります。県も以前から誘客事業を実施してきておりますので、実績のある効果的な事業あるいは画期的な事業の展開が今日ほど望まれる時期はないのであります。県の熱のこもった積極的な答弁を期待するものであります。
     次に、静岡県沿岸漁業の振興についてお尋ねをいたします。
     民主党菅内閣は、本年六月をめどに環太平洋連携協定――TPPの交渉参加について結論を出すとの報道がされています。御案内のとおり、我が国の食料自給率は四〇%と極めて低い状態にあります。全世界を対象に直ちに関税を撤廃し、何らの追加対策も講じない場合には食料の自給率は一四%までに落ち込み、さらに農業及び関連産業の就業機会を三百四十万人程度減少させるのではないかとの試算がなされております。
     農業に加えて漁業にも大きな影響が心配されております。日本の水産物の輸入は年々ふえ続け、今や一兆五千億円の国内生産高に匹敵する水産物が輸入されてきております。安価な輸入水産物の流入は魚価の低落を引き起こし価格の安定構造をも破壊させてきております。現在水産物の関税は三・五%から四%程度でありますが、これがさらに自由化されてまいりますと漁業のみならず、加工業、流通業を初めとする本県の水産業が今盛んな地域も、はかり知れないマイナス影響が生ずる心配があります。水産物の貿易の自由化には、世界の水産資源の管理にも重大な影響を与え、資源の乱獲を助長し資源の枯渇に向かう心配もあります。今こそ農業基盤整備に加えて漁業の基盤整備を必要とするときはありません。
     しかるに、菅内閣は国の水産基盤整備予算について、平成二十二年度の八百二十二億円から平成二十三年度予算は前年対比八八%、七百二十四億円と大幅に減額してしまいました。このような菅内閣の姿勢では農業基盤整備に加えて漁業基盤整備も大変心配の限りであります。本県の漁業就業者はおよそ六千五百人、近年はややふえてきているとのことであります。漁業後継者の育成のためにも漁業で生活ができる体制をつくらなければなりません。
     そこで、県当局の漁港整備に取り組む考え方、今後の県営漁港整備計画について、同じく市町営漁港整備計画についてお伺いする次第であります。
     次に、漁場の整備についてお尋ねいたします。
     農業生産のために土地改良事業などを行うと同じように、漁業生産をふやすために海の畑づくりであります魚礁の設置等を推進しなければなりません。県内の漁業者は、減船や休漁を行って種苗放流等によって資源の回復を行ったりしております。
     マダイの放流については昭和五十三年度から水産試験場伊豆分場により試験放流が行われ、大きな実績を今、上げてきておるのであります。またヒラメの放流についても昭和六十年度から平成六年度まで、放流技術開発事業によって栽培漁業センター及び水産試験場伊豆分場が、主に榛南地域において技術開発を行ってまいりました。伊豆半島沿岸や榛南地域もそれぞれ放流実績を、今、上げてきておるのであります。放流事業について今後県の対応についてお伺いする次第であります。あわせてトラフグやマサバ、キンメダイについてはより広域的な資源管理が必要と思いますが、県の取り組みについてお伺いをいたす次第であります。
     次に、磯焼け対策についてお伺いをいたします。
     藻場は沿岸漁業の生産の場所であり、二酸化炭素などの吸収や富栄養化の防止など海洋環境の保全に大いに役立っております。しかしながら近年全国各地で、幼稚魚の生育や貝類のえさ場として欠かせない藻場が磯焼けで消滅するなど問題が深刻になってきております。
     本県においても各地で発生してきております。榛南地域八千ヘクタールについてカジメやサガラメに磯焼けが発生し、何年も回復しない状態が続いておりました。県による南伊豆の海からのカジメの基質ごとの移植や関係者のさまざまな努力によって、現在は百四ヘクタールの回復が確認されておると聞いております。しかし御前崎地区などの藻場回復の兆しが見えない状態の中で、南伊豆からの移植事業は本年で完了となっております。県当局は引き続き県内各地の磯焼け対策に積極的に取り組むべきであると考えますがいかがでしょうか、お尋ねをいたす次第であります。
     結びに、特別養護老人ホームの待機者解消についてお伺いをいたします。
     静岡県内で特養ホームへの入所を希望する待機者は二年連続で一万人を超えたと言われております。県が平成二十二年一月一日に入所希望者を調査したところ、延べ人数で三万三百八名、この人数から重複の申し込みや死亡された方などを除いた実数は一万二百十九名であり、在宅で六カ月以内の入所を希望している方は四千九百十八名であります。さらにこの中で静岡県の指定介護老人福祉施設入所指針に照らし、入所の緊急性が高いと判断される方は一千四百八十八名となっております。下田市、賀茂郡に限って見ましても入所希望延べ人数は一千三百三十四名であり、重複の申し込みを除いた人数は四百二十二名であります。さらに在宅六カ月以内に入所必要な方は二百二十七名で、緊急性の高い方は八十三名おります。
     他の介護施設に比べて入所費用の負担が軽くて済む特養ホームは、ひとり暮らしの方や老老介護などの方々にとっていわば最後のとりでであり、整備を強力に推進していかなければならないものと思います。これからも高齢化が一層進んでいく中で、特養ホームの待機者を解消していくために県としては今後どのように取り組んでまいるのか、お伺いをいたす次第であります。
     以上、積極的な答弁を期待して一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    ○副議長(岩瀬 護君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 森議員にお答えいたします。
     初めに、伊豆半島の道路整備についてのうち、伊豆縦貫自動車道を初めとする道路整備の促進についてであります。
     伊豆縦貫自動車道は、伊豆地域において高速交通サービスを提供し、海、山などの自然環境や温泉などの観光資源に恵まれた本地域の発展に大きな役割を果たすものでございます。また交通混雑の緩和や災害時における地域の孤立防止を図る上でも重要な交通基盤として整備が進められております。
     まず、東駿河湾環状道路についてでありますが、三島塚原インターチェンジから大場・函南インターチェンジまでの区間で、現在国が高架橋の工事などを進めております。国と県が分担して整備している伊豆中央道までの区間につきましても高架橋の工事に着手するなど、平成二十五年度内の全線の供用開始に向け鋭意工事が進められているところでございます。
     次に、天城北道路についてでありますが、未供用区間でございます大平インターチェンジから、これは仮称ですけれども天城湯ヶ島インターチェンジまでの区間におきまして、既に九割以上の用地が取得されております。来年度のトンネル工事着手に向けて、現在設計や工事用道路の建設が進められているところでございます。
     次に、河津下田道路についてでありますが、二期区間は現在国から提出された環境影響評価準備書の審査を県が進めているところでございます。この手続を迅速に進めまして環境影響評価手続を早期に完了するとともに、平成二十四年度の新規事業化を強く働きかけてまいります。
     来年度から“安全・安心の道”緊急対策事業により、救急搬送道路等の整備に着手するなど地域の道路の整備に努めていく予定でございます。しかし伊豆縦貫自動車道を初めとした道路ネットワークの整備を着実に進めていくためには、必要な財源の確保が課題でございます。今後外部有識者等の協力を得つつ、県道路公社の有効活用を含め伊豆地域の道路整備のあり方について検討してまいります。
     県といたしましては、「住んでよし 訪れてよし」の理想郷の実現を目指しまして、伊豆縦貫自動車道の整備促進を図るとともに伊豆地域の道路整備を積極的に進め、快適で魅力的な伊豆地域を創造してまいります。
     私自身、伊豆縦貫自動車道建設促進期成同盟会会長といたしまして、この件につきましては格段の思い入れがございます。またみずから元国交省の事務次官、谷口前事務次官、あるいは元技監の大石久和氏、あるいは国交省の重鎮でございました藤本貴也氏など、県アドバイザーあるいはいろいろな委員会の委員に御委任申し上げまして、私が国と県と一体になって、国のため地域のために道路をつくるという、道路族としてのみずからの存在意義を強く発揮しつつ、国からみずから部長を取ってまいりました。あてがわれたものではありません。
     そうしたことで、伊豆縦貫自動車道これは命の道でもある、もちろん観光、環境さらに生活道路でもありますが、何と言っても防災あるいは何かの折に救急に使えるということでございますので、そうした観点からこの早期の建設、完成に向けまして努力する所存でございます。
     次に、伊豆半島の観光振興についてのうち、伊豆半島ジオパーク構想についてでございます。
     伊豆半島は地球の造山活動の傑作の一つでございます。議員御案内のとおりでございます。多様性に富み世界で最も美しい半島であると信じております。しかしこの美しい伊豆半島の振興につきましては、これまで思いは同じでも地域の具体的な行動としてまとまるまでには至りませんでした。私は知事に就任しまして直後伊豆半島を一つにまとめることが大切であると、世界に改めてその魅力を発信していくためにジオパークによる振興を提案いたしました。
     幸い伊豆半島の首長の皆様も同様の問題意識をお持ちになっておりまして、早速ジオパークの推進に合意されました。今年度県では市町と協働してシンポジウムや伊豆の各地で勉強会を開催いたしまして、ジオパークの普及啓発と意識醸成に努めまして、その推進のための準備を鋭意進めてきたところでございます。
     この結果、来る三月二十八日には伊豆半島七市六町の自治体と観光・商工・教育関係者やガイド団体で構成する伊豆半島ジオパーク推進協議会が設立されます。県もこの協議会のメンバーとして参画いたします。平成二十四年度中のジオパークネットワークの認定、その後の世界ジオパークのネットワークへの加盟を目指して動き出すことになりました。
     もう少し正確に申し上げますと平成二十四年度に日本のジオパークに加盟申請いたします。そして平成二十五年には実績づくりに努めます。平成二十六年には世界のジオパークに加盟申請をいたしまして、平成二十七年にその認定を受けるという、そういう段取りになっております。
     近未来におきましてはジオパークの認定に向けまして、地域と一体となって協議会の事務局体制を整備いたしましてホームページを開設いたします。ガイドマップ等を作成いたします。そしてジオパークを案内するガイドの養成をいたします。ジオサイトをめぐるツアーの開催などもいたします。こうして認定のための環境づくりを進めてまいります。さらに市町が行うビジターセンターやジオサイトの整備なども支援してまいるところでございます。
     伊豆半島が日本そして世界ジオパークに認定されることによって、この美しい豊かな観光資源に恵まれた半島の魅力が世界に情報発信されて、海外からも多くの観光客が訪れることが期待されております。ジオサイトなどをめぐる新たな旅行商品の造成などによりまして、ジオパークを伊豆半島の観光振興に積極的に活用してまいります。
     その他の御質問につきましては関係部局長から御答弁申し上げますが一言だけ申し上げますと、この伊豆半島を周遊する道路を通して景観を形成していくという件について、県議のほうから御提言がございました。私は景観というのは通常自然景観に適用されがちでございますが、生活景観というものもあるということでございまして、なるほど例えばこの本館は立派な建物です。お隣の東館、西館、全く不調和です。さらに別館、のっぽで建っておりますが、四つの建物それぞれに機能は果たしておりますけれどもこれ全体でバランスがとれておりません。
     事ほどさように、こういう駿河の本拠地におきましても、例えば東静岡においてのっぽの建物がぽつぽつと建っております。あそこに入るのも建てるのも自由でございますけれども、しかし一たんそれが観光客、あるいは訪問客から見ると公共の景観になるということでございまして、我々は全体として景観が公共のものであるという意識を強くしなければならない。そうしたときに景観全体として最もいわば魅力的なところ、これが富士山をあるいは浜名湖をあるいは南アルプスを持っておりますが、伊豆半島は全体としてそういうものを持っておりますので、自然景観と生活景観とがマッチし、それを有機的な道路のネットワークで結ぶことを通して、全体の景観それ自体を人々が楽しんで、そしていいところだと言っていただくことがまた地域の誇りをも生むことになるというふうに思っておりまして、景観形成につきましては私も深い思い入れがございます。この件につきましては伊豆半島を中心に、ふじのくに全域におきまして景観というものを大切にするという機運を醸成してまいりたいと存じます。
     細かなところは関係部局長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長(岩瀬 護君) 森山交通基盤部長。
           (交通基盤部長 森山誠二君登壇)
    ○交通基盤部長(森山誠二君) 伊豆半島の道路整備についてのうち、伊豆半島周遊道路の景観形成についてお答えいたします。
     伊豆地域はすぐれた景観を有していることから、平成十七年度に策定しました新静岡県景観形成ガイドプランにおきまして、しずおか景観形成重要地域の一つとして位置づけ、良好な景観形成に向けさまざまな取り組みを行っております。具体的には県民との協働による道路美化や案内標識のデザインの統一、遊休農地を活用した花の植栽、屋外広告物の規制誘導などの取り組みを進めております。
     今後一層良好な景観形成を進めるためには、先ほど知事答弁ございましたけども、まずは道路空間という部分と、またその自然景観それから民間の建築物、そういったものの空間あわせて一体的になって取り組む必要があるというふうに考えておることから、まずは道路や河川、農地等の公共空間につきましては、今年度社会資本整備におけるふじのくに色彩・デザイン指針を作成し、来年度から県が行います公共事業について、各土木事務所、農林事務所などにおいて適用することとしております。また沿道の民地等につきましては、市町と連携しまして景観法に基づいた景観行政団体への移行や景観計画の作成等に取り組み、良好な景観形成を進めていくこととしております。
     今後とも、「住んでよし 訪れてよし」のふじのくにづくりを進めるため、関係市町や地域と連携しながら、伊豆地域の良好な景観形成に向けた取り組みの充実に努めてまいります。
     次に、静岡県沿岸漁業の振興についてのうち、漁港整備についてであります。
     伊豆半島を初め本県の漁港で水揚げされる水産物は品目が多く、漁業生産量も全国第六位であるなど食材の王国を形成しており、それを支える基盤としての漁港、漁場の整備は必要不可欠なものであります。現在漁獲物の高付加価値化が図られるよう、鮮度の確保に向けた陸揚げ施設の充実を図るとともに、高鮮度な水産物を求める消費者ニーズにこたえ安全で良質な水産物が安定的かつ効率的に供給されるよう、資源涵養のための漁場や食の安全に配慮した衛生管理型荷さばき施設の整備を進めているところであります。
     また、本県は焼津かつおぶしや由比サクラエビ、下田港や稲取漁港で水揚げされますキンメダイなど、全国的にも知名度が高く消費者の購買意欲を刺激する魅力ある素材の宝庫であり、今後漁港の環境整備によりまして都市との交流空間づくりを進めることで、さらに商品価値を高められるものと考えております。
     県といたしましては、水産業が伊豆地域を初めとする県内各地の主要な産業であることを踏まえ、TPP――環太平洋パートナーシップ協定の動向に左右されない水産物づくりを進めるため、今後とも着実に水産基盤整備を進めるとともに、市町による整備に対しても支援してまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 出野文化・観光部長。
           (文化・観光部長 出野 勉君登壇)
    ○文化・観光部長(出野 勉君) 伊豆半島の観光振興についてのうち、初めに伊豆観光圏についてお答えいたします。
     平成二十二年四月二十八日に国から認定を受けた伊豆観光圏の推進につきましては、伊豆地域の観光振興に大きく寄与することから、県では観光圏の推進協議会の設立当初から参画して、観光圏整備計画の策定や事務局体制の整備など地域と一体となって取り組んでまいりました。本年度はノルディックウオークを初めとする体験型の商品造成やホームページの開設、県内外でのプロモーションなど計画に盛り込まれた事業の支援や観光商品企画研修の実施による人材育成などに努め、二市三町の連携による伊豆観光圏の活動も活発化しております。
     今後は、観光客の新たなニーズにこたえる国内や東アジアで近年人気となっているウオーキングを取り入れた商品開発や、訪問客が四季を通じて楽しめる伊豆ならではの花めぐりツアーの実施、花暦の統一的な情報発信、宿泊者がそぞろ歩きを楽しめるイベントやマップの作成など圏域内の滞在、宿泊を拡大するための新たな取り組みを積極的に支援するとともに、着地型・体験型の観光商品の企画、造成、販売を手がける観光地域づくりプラットホーム、これの設立に向けた準備を地域と一体となって進めてまいります。
     また、引き続き隣接する市町や観光関係者に対し観光圏への参画を促し観光圏の圏域拡大に取り組むとともに、伊豆観光推進協議会や三月に設立いたします伊豆半島ジオパーク推進協議会、こういった団体とも連携しながら伊豆半島全域での交流人口拡大に努めてまいります。
     次に、観光誘客についてであります。
     伊豆は本県の重要な観光ブランドでありますことから、主要マーケットである首都圏などにおきまして、観光キャンペーンあるいはマスメディア、旅行会社への営業活動など今まで市町や観光関係団体と連携しながら積極的に行ってまいりました。しかしながら長引く景気低迷に加えまして、観光形態やニーズも団体から個人・グループへ、物見遊山型から目的志向型へと大きく変化しておりまして、伊豆地域の観光が非常に厳しい状況にあることは十分承知しております。
     そこで、高齢者や女性、若者など来訪者別にターゲットを絞った誘客活動が非常に重要と考えております。今後首都圏におきましても、今話題の女子会あるいは父親の休日といったファミリーに向けたような具体的なプランを提案するなど、直接宿泊、滞在に結びつくキャンペーン等を展開してまいります。
     また、今年度から新たに市場規模が五十億円、旅行規模が十二万人と言われております誘客効果の高い全国の信用金庫が実施する年金旅行を本県に誘致するため、信金中央金庫や静岡県信用金庫協会などと連携しながら、各地の信用金庫を対象としたファムトリップを行うなどの営業活動に取り組んでまいりました。この結果、首都圏を初め北関東から予約も含めて約四千三百人の伊豆半島への年金旅行の誘致が実現しております。こういったことから今後さらなる拡大展開に向けて努力してまいりますとともに、先ほど答弁いたしましたジオパークや伊豆観光圏で行う新たなニーズにこたえる旅行商品の売り込みにも積極的に取り組んでまいります。
     さらに、富士山静岡空港を活用した海外からの誘客活動に加えまして、各地の駐在員を初めとする在日外国人、こういった方々を対象にしたモニターツアーの実施やフリーペーパーを活用した口コミ広報、こういったことにより首都圏在住の外国人への誘客活動を積極的に行うなど、伊豆の売り込みに一層努めてまいりたいと考えております。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 堀川経済産業部長。
           (経済産業部長 堀川知廣君登壇)
    ○経済産業部長(堀川知廣君) 静岡県沿岸漁業の振興についてのうち、漁場の整備についてお答えいたします。
     私たちの大切な食べ物である水産物を持続的に利用していくためには、本県の沿岸域の豊かな場の力を生かすように、水産資源の増大を図る種苗放流を初め資源管理の徹底、磯焼け対策など漁場環境の保全が重要であります。
     まず、放流事業につきましては、これまでマダイやヒラメ、トラフグ、アワビ、クルマエビなどの魚介類の種苗の量産技術の開発と利用を進め、これまでに漁獲量の安定が図られるなどの成果が上がっております。今後は天然の漁獲が少ない高級魚でありますクエの量産技術の開発を進めますとともに、これまで漁獲が不安定であった天然トラフグの安定生産に向け、稚魚の生存率を高める放流技術の開発を進めてまいります。
     また、広域的な資源管理についてでありますが、まず遠州灘から熊野灘までにかけて生息するトラフグにつきましては、愛知県、三重県と協力をし、それから伊豆諸島周辺に生息するキンメダイにつきましては東京、神奈川、千葉県と協力し、さらに回遊範囲の広いマサバにつきましては東北、関東の太平洋側各県と協力して、資源量の調査と休漁や漁具の規制などの漁獲量の調整を行い漁獲の安定を図っておりますが、今後は市場での漁獲量や漁獲場所などの調査回数をふやしまして、漁獲量の調整に必要なデータの精度を高めてまいります。
     磯焼け対策についてでありますが、榛南地区ではカジメの藻場が回復しつつありますが、伊豆沿岸ではブダイやアイゴなどの食害が大きいと考えられますので、効果的な駆除体制やカジメの新しい移植方法を検討してまいります。またサガラメにつきましては回復が見られないことから、主な生育場所である水深が浅くて波の荒い海域での岩盤に、水産技術研究所で増殖をしました苗を着生させる方法の開発を進めるなど、今後も藻場の回復に向けた取り組みを進めてまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 石川健康福祉部長。
           (健康福祉部長 石川俊一君登壇)
    ○健康福祉部長(石川俊一君) 特別養護老人ホームの待機者解消についてお答えをいたします。
     高齢者が在宅での生活が困難になったときに必要な施設サービスの提供を受けられるよう、県ではこれまでも特別養護老人ホームを初め高齢者介護施設の整備を積極的に進めてまいりました。しかしながら議員御指摘のとおり、高齢化の進行などにより、県内には依然として多くの高齢者が特別養護老人ホームへの入所を希望されております。このため国の緊急経済対策を受けて設置をいたしました介護基盤緊急整備基金を活用いたしまして、開設準備経費の助成や建設費補助単価の充実などこれまでに比べ手厚い施設整備の助成制度を設け、事業者や市町の理解を得て特別養護老人ホームを中心に可能な限り多くの施設を整備してまいります。
     平成二十三年度は施設整備の補助事業費を八十五億九千万円と本年度に比べ約二十一億円増額し、特別養護老人ホーム千百七十九床、介護老人保健施設九百九十床、認知症高齢者グループホーム二百七床など入所施設二千九百二十七床の大規模な整備を予定しているところであります。県といたしましては今後も特別養護老人ホームを初めとする施設整備を積極的に推進し、施設サービスを必要とされる方が一日も早く入所できるよう努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) これで森竹治郎君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

    ○副議長(岩瀬 護君) 休会についてお諮りします。
     議事の都合により、二月二十三日は休会とすることに御異議ありませんか。
           (「異議なし」と言う者あり)
    ○副議長(岩瀬 護君) 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

    ○副議長(岩瀬 護君) 次会の議事日程を申し上げます。
     二月二十四日午前十時三十分、会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会します。

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