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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中澤 通訓 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/05/2021

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 オリンピックを契機とした新しいスポーツについて
2 清水みなとまちづくりグランドデザインについて
3 県立高校の魅力化に向けた取組について
 教育行政と総合教育会議
 県立高校の施設整備
4 草薙総合運動場の駐車場について
5 サクラエビの資源調査について


○議長 (宮沢正美君)  ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、 六十三番 中澤通訓君。
        (六十三番 中澤通訓君登壇 拍手)
○六十三番 (中澤通訓君)  私は、 ふじのくに県民クラブ所属議員として県政の諸課題について通告に従い一括質問方式により知事、 副知事、 関係部長並びに教育長、 教育部長にお伺いをいたします。
 初めに、 オリンピックを契機とした新しいスポーツについて伺います。
 多様性と調和を大会理念とする東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックは、 コロナ禍での開催に対して賛否の声がありましたが先般終了いたしました。 無観客を基本として開催され選手の一部には感染者もあって競技の棄権もありましたが、 次の開催都市パリに引き継がれました。 静岡県は自転車競技会場があり、 大会運営に当たった関係者の皆様の御労苦に改めて心から御礼を申し上げます。
 パラリンピックの開催中の八月二十九日、 前の国際オリンピック委員会――IOC会長のジャック・ロゲ氏の訃報が伝えられました。 二〇一三年九月、 IOC総会において二〇二〇東京大会の開催を発表した当時の会長の姿が思い出されます。 ロゲ前会長は在任中、 肥大化したオリンピックの簡素化と近代化を掲げ、 禁止薬物使用のドーピング問題や若者のスポーツ離れの危機感を持って大胆な改革を実行されました。 その結果十四歳から十八歳のユースオリンピックの開催や今大会から新たに追加されたスケートボード、 スポーツクライミング、 自転車のBMXフリースタイル、 三人制バスケットボールなど若者主体の種目の採用へとなったと思われます。 伝統的なスポーツだけではオリンピックは飽きられてしまうという危機感からの改革と思われます。
 公園や路地裏などで楽しむ遊びとして始まったこうしたスポーツをアーバンスポーツと呼び、 海外では既にメジャーになってきているとのことであります。 日本選手もオリンピックではスケートボードで好成績を上げました。 男子ストリートで堀米雄斗選手、 女子ストリートで西矢椛選手、 女子パークで四十住さくら選手がそれぞれ金メダル、 女子パークで開心那選手が銀メダル、 女子ストリートで中山楓奈選手が銅メダルの快挙であります。 西矢選手は十三歳三百三十日と、 これまで水泳女子二百メートル平泳ぎで活躍された沼津の岩崎恭子選手が持つ十四歳と六日の日本人の最年少の金メダル獲得記録をも更新しました。
 また、 本県からは男子ストリートに清水区の十七歳、 青木勇貴斗選手が出場いたしました。 残念ながら決勝には進めませんでしたが、 彼は五歳のときに父親に連れられて行った清水のドリームプラザの一角にあった小さなスケートパークでスケートボードに出会い遊びながら技を覚え、 練習時間をつくるために通信制高校に通い国内外で修行して日本代表選手となり、 ポケットパークでの出会いがなければ今日の自分はないとそのきっかけが市の広報誌に掲載されておりました。
 オリンピックを契機として、 こうした新しいスポーツをやってみたいという若者が今後多く出てくると思います。 しかし練習できる場所がなければ選手は育ちません。 県はこれから注目を浴びるであろうアーバンスポーツとも言われる新しいスポーツに対し、 今後どういう取組をしていくのかお伺いをいたします。
 次に、 清水みなとまちづくりグランドデザインについて伺います。
 二〇一九年、 令和元年に開港百二十周年を迎えた清水港でありますが、 今後二十年内の清水港及びその周辺の在るべき姿となすべき計画を検討するとして県、 市、 民間が設立した清水みなとまちづくり公民連携協議会において先般清水みなとまちづくりグランドデザインが公表されました。 地域の力がどのように動いていくのか、 自分たちのまちをそれぞれの力を結集してどのようにつくっていくのかが問われていくこれからのまちづくりのモデルでもあります。
 デザインが公表されてからの清水港の大きな動きとして、 石油元売り会社最大手のENEOSが袖師地区の自社所有地において大規模太陽光発電施設を整備し、 発電した電力を使って水から水素を製造し水素で走る燃料電池車――FCV等に供給する計画を検討していると聞いております。 ENEOSの社長は令和二年七月の県との基本合意書締結の際に、 清水はサッカーが非常に盛んであることは理解しているので事業を具体化していく中でいろいろと検討させていただくといった発言もありました。
 Jリーグの清水エスパルスの本拠地IAIスタジアム日本平は、 現在のJリーグのスタジアム基準に適合せず新スタジアム建設が待たれております。 最近のスタジアムはサッカー競技だけの目的ではなくオフのときは大人も子供も楽しめる複合型施設が主流になっています。
 一方、 八月二十九日待望の中部横断自動車道の山梨―静岡両県を結ぶ最後の下部温泉早川インターチェンジと南部インターチェンジの区間が開通し山梨県、 長野県との交通アクセスが格段によくなりました。 特にENEOSが事業化を考えている袖師地区は、 東名清水インターチェンジに近くJR清水駅に近接し人が集まる条件としてはかなり有利と思われます。
 清水みなとまちづくり公民連携協議会のグランドデザインにはこの地域の具体的なプランは示されていませんが、 公民連携協議会の会員であり港湾管理者である県としてこの地区のみなとまちづくりをどのように考えているのかお伺いをいたします。
 次に、 県立高校の魅力化に向けた取組についてのうち、 教育行政と総合教育会議について伺います。
 川勝知事は十二年前に知事に就任されました。 以前は早稲田大学で教鞭を執られ静岡文化芸術大学の学長に就任されてからも講義を行った教育者であり、 殊のほか教育には熱心さが感じられます。
 知事は、 平成二十四年度に教育行政の在り方検討会を設置し組織改編などの教育委員会改革に取り組んできており、 その在り方検討会の意見もあって教育委員会事務局にいる教員を現場へ戻すことを断行してまいりました。 当時私も事務局体制がいわゆる教育村で固まり過ぎる弊害を感じており、 また指導力のある教員が現場に行くことこそ本来の姿であると思い、 それらの推進を後押しした経緯があります。
 また、 知事は平成二十七年度に総合教育会議が制度化されたことを受けて本県独自の取組として様々な社会の分野の有識者により地域自立のための 「人づくり・学校づくり」 実践委員会を設置し、 様々な場面で教育に対する思いを発言されてまいりました。 しかし教育の課題はまだまだ山積しております。
 本年度の公立高校入学者選抜試験、 いわゆる高校入試において初めて志願倍率が一倍を下回り、 県立高校を所管する教育委員会には衝撃的な出来事でありました。 私はこの要因として、 県立高校の施設の老朽化や私立高校生の授業料減免が拡充されて、 さらに県の上乗せ支援もあって私立高校の授業料はほぼ無償化に近づいていることだと考えます。
 私立高校は、 定員の確保が学校存続の基本でありますから生き残りのための努力を重ねており、 特色ある学習内容の充実、 私立大学との連携強化による大学推薦枠の確保等アピール度を強めて入学者の確保をしてきております。 県立高校も高校の魅力化を図るための事業を立ち上げているところですが、 現状相対的に見て県立高校の魅力が下がっていることは否めません。
 こういった課題がなぜ浮き彫りになってきてしまうのか。 私は現在の教育委員会事務局の管理職ポストの多くが知事部局からの出向者で占められていることも一因ではないかと考えております。
 知事部局からの課長が、 それ以前に教育委員会事務局の勤務経験がなく初めての教育委員会ポストでは教育現場の経験がないため行政的な視点に偏重してしまって積み重ねられた教育現場の細かい状況や変化、 危機感がつかみ難くなっているのではないかと心配しておりますが、 知事のこの点についての所見を伺います。
 また、 県立高校の高校入試倍率が一倍を切ってしまったことや県立高校、 私立高校も含めた静岡県の教育の魅力化といった課題も総合教育会議で議論し検討していくことも必要かと思いますが、 知事の所見をお伺いいたします。
 次に、 県立高校の施設整備について伺います。
 県立高校は限られた予算でのやりくりとなっており、 トイレ改修をはじめとする施設の老朽化対策が遅れぎみで外見的な印象が悪くなってしまっています。 また空調設備の設置については普通教室は整備されたものの、 特別教室についてはいまだ公費での施設整備が十分になされていません。 県立高校はこれまでPTAや後援会等の外郭団体による善意で空調整備を行ってきておりますが、 これからもこのようにやっていくのでしょうか。 高校の魅力を考えた場合、 県教育委員会として積極的に施設改善を図っていくべきだと思いますが、 教育長の考えをお伺いいたします。
 次に、 草薙総合運動場の駐車場について伺います。
 草薙総合運動場は、 陸上競技場、 野球場、 体育館、 水泳場など県内トップレベルの運動施設があり県中部のスポーツの拠点となっております。 一九三四年、 昭和九年には日米野球大会が行われ沢村栄治投手がベーブルース、 ルーゲーリックなどのアメリカの選抜チームを相手に一対ゼロで惜敗した名勝負が行われ、 球場入り口にはそのモニュメントが飾られております。
 また、 一九五七年、 昭和三十二年には第十二回国民体育大会が草薙陸上競技場をメイン会場に開催され本県が総合優勝をし、 以後開催県が総合優勝をする先鞭となりました。 それ以後も都市公園としての運動施設が整備されて今日に至っております。 静岡鉄道、 JRと交通アクセスもよく競技者、 ファンからも親しまれております。 現在は県内各地域に同様の施設がありそれぞれ有効に使用されていますが、 東西に長い本県の中部地区にある草薙の魅力は大きなものがあると思います。
 ところで、 草薙総合運動場の最大の弱点は駐車場が少ないことです。 体育施設の整備を順次進めてきて今日の陣容となっておりますが、 都市公園法で定められた建蔽率の上限にほぼ近い形になっており、 この中での対応が難しいと言われております。 現状聞くところによれば、 県有の総合運動場で全国一駐車場の対応の評価が悪いと言う人もおります。 一部施設の存廃を含めた大胆な検討も必要だと思いますが、 県として駐車場について現状の認識と今後の対応について伺います。
 最後に、 サクラエビの資源調査について伺います。
 かつて由比、 蒲原を中心とした漁場からは駿河湾の宝石と言われたサクラエビが大量に水揚げされ、 テレビでかき揚げ等の調理方法が紹介されるなど一大ブームを巻き起こしたものでした。 残念ながら近年は不漁が続き禁漁区設定、 操業中止など漁業者の自主規制もあって漁獲高は以前の一割ほどとなり、 関係者は思うように出漁ができず我慢の連続であります。 原因としてサクラエビを取り巻く生息環境の変化、 サクラエビの生態の変化などが考えられますが、 そもそもサクラエビの資源状況や生態に関してまだまだ分かっていないことが多くあります。 漁業者も自主規制にとどまらず、 農業者が栽培方法や品質管理を自分たちでやるのと同様に現実を直接知ることも大切と思います。
 そのためには、 資源調査を県水産・海洋技術研究所に任せきりにせず漁業者もより積極的に関与していく必要があります。 特に資源状況、 産卵量の調査など通年にわたってサクラエビの資源調査を漁業者自ら手がけていくことも大切と思われます。 それには県と関係のある漁業組合が所在する静岡市、 焼津市が協力する必要も出てくることでしょう。 調査研究をして阻害要因の除去はすぐに実行しても、 サクラエビ漁が心配ないレベルになるには相当な時間がかかると思われます。
 現状のサクラエビ漁を取り巻く課題に対して県としてはどのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。 以上、 答弁を求めます。
○議長 (宮沢正美君)  川勝知事。
○知事 (川勝平太君)  中澤通訓議員にお答えいたします。
 オリンピックを契機とした新しいスポーツについてであります。
 東京二〇二〇オリンピックでは若者を中心に人気がある、 いわゆるアーバンスポーツが初めて採用されました。 本県出身のBMXフリースタイルの大池水杜選手、 議員御紹介のスケートボード・ストリートの青木勇貴斗選手など若い世代の日本人選手の活躍によりまして大きな盛り上がりを見せたところであります。
 こうしたアーバンスポーツは町なかで楽しむことができ、 県民の皆様の誰もが身近に感じ発展する可能性を持ったスポーツであるという認識を持っております。 東京二〇二〇大会での多くのアスリートの活躍を追い風といたしまして、 本県のスポーツの聖地づくりにこの新しいスポーツを生かしてまいりたいと考えております。 このためまずは本県で実施された自転車競技のレガシーとしてBMX、 これだけは開かれなかったので本県で、 この可能性について検討してまいりたいと思います。 具体的には競技大会の開催や運営の状況、 競技会場の利用、 管理の状況などを調査いたしましてサイクルスポーツの聖地づくりの一環として普及振興策の検討を進めてまいります。
 また現在、 BMXフリースタイルやスケートボードができるパークが県内には十五か所程度ございます。 練習環境の整備は進んでまいりました。 こうした県内の既存施設でのイベント開催や愛好者の練習環境としての活用方法などについて地元自治体や競技団体と協議をしてまいります。
 二〇二四年、 三年後のパリ大会では東京二〇二〇大会で追加されたBMXフリースタイル、 スケートボード、 スポーツクライミングなどが継続されるとともに、 ブレイクダンスが新競技として追加されることになっておりまして若者を中心に人気の競技がますます注目されることになります。 パリ大会に向けまして、 本県ゆかりのアーバンスポーツのトップアスリートへの支援につきましても今後継続してまいります。
 県といたしましては、 若い世代の方々が楽しむことができる新たなスポーツの可能性について施設所有者や利用者、 競技団体など関係する皆様から御意見、 御要望を伺うとともに、 静岡県スポーツ推進審議会などにおいても議論を深めてまいります。
 アーバンスポーツ、 新しいスポーツについて申し上げましたけれども、 言うまでもなく伝統的なスポーツ、 議員も学生時代陸上選手、 特に駅伝の選手として鳴らされたということを承知しておりますが、 私もまた県のスポーツ協会の会長も仰せつかっております。 したがって伝統的なスポーツ、 県民の望まれるスポーツはできる限りそれを、 その環境を整えてまいりたいというふうに考えております。
 スポーツを通じた交流の拡大や地域のにぎわい創出に取り組むことにより、 国内外から憧れを呼ぶスポーツの聖地としての静岡県づくりを一層推進してまいります。
 次に、 県立高校の魅力化に向けた取組についてのうち、 教育行政と総合教育会議についてであります。
 私は、 知事就任以来ふじのくにの礎は人材の育成にあるというふうに考えて今もその考えは変わりません。 各界各層の皆様の御意見を伺いながら地域ぐるみ、 社会総がかりによる教育が必要であるという考えでその推進に邁進してまいりました。 高等学校教育に関しましても、 有徳の人の育成という本県の教育理念を教育委員会と共有いたしまして魅力向上に取り組んできたところでございます。
 教育行政の在り方につきましては常々、 開かれた教育行政に変えるための方策は何かという思いを巡らせてまいりました。 これは第一次安倍政権のときの教育再生会議に参加して以来、 また自分自身の教員生活も振り返ってのものでございます。 そして検討会を立ち上げて検証を行いまして教員と事務職員がそれぞれ得意とする能力が発揮できるように教育委員会事務局の組織体制、 また人事の在り方の見直しなどにつなげたということでございます。
 知事部局からは教育行政に意欲が高く企画力に優れる行政職員、 つまり最高の職員を教育行政に派遣するという方針の下で出向させておりまして、 教育委員会では学校教育に精通した教育監を総合調整役として配置しております。 それとともに教育職の管理職を適切かつ柔軟に配置することで、 双方の知識や経験を生かしながらより広い視野から学校現場の現状や課題を踏まえた適切な教育施策の立案が行えるようになったのではないかという認識を私は持っております。
 もちろん、 知事部局から教育行政に行くといいましても現場を知らないわけではありません。 もうほとんど全ての、 知事部局から行っている者も高等学校あるいは中学校、 小学校を経験しておりますので現場に全く無知であるという人は実際はいないということでもございます。
 一方で、 教員の多忙化の解消また高校再編など解決すべき課題は山積しております。 今後とも 「人づくり・学校づくり」 実践委員会をはじめ、 この全国トップレベルの開催回数を誇っているのが我が県の総合教育会議でございますが、 そこにおける協議を通じ教育行政の向上に全力を傾注してまいりたいと考えております。
 議員御指摘の高等学校教育全体の魅力向上も、 なるほど喫緊の課題でございましょう。 昨年度実践委員会に設置いたしました才徳兼備の人づくり小委員会、 これは県立や私立高校の優良事例等を参考にしまして新しい時代に対応した高等学校教育の在り方について御検討頂いたところでございます。
 この小委員会からの御提案も踏まえまして、 教育委員会では地域の外部人材を活用した魅力のある教育実践のモデル事業を本年度からスタートをさせました。 またICTを活用した教育では、 昨年八月にICT教育戦略室を立ち上げオンライン授業の方法や授業動画を私立高校と共有するなど公私――公立、 私立の垣根を越えて高校教育の質の向上を図っているところであります。
 この才徳兼備の人づくり小委員会は今年度も継続し、 モデル事業の実施状況も踏まえたさらなる御提案を頂くこととしております。 総合教育会議等において議論を深めた上で今年度中に策定する教育振興基本計画に意欲的な施策を盛り込んでまいる所存であります。
 新型コロナウイルス感染症による生活の変化をはじめ教育を取り巻く環境は大きく変化しております。 今後とも教育委員会と十分に意思疎通を図り一丸となって魅力ある教育の実現に取り組んでまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁を差し上げます。
○議長 (宮沢正美君)  和田交通基盤部長。
○交通基盤部長 (和田直隆君)  清水みなとまちづくりグランドデザインについてお答えいたします。
 県が令和元年八月に策定した清水港長期構想や清水みなとまちづくり公民連携協議会が策定したグランドデザインでは、 JR清水駅東口のENEOS株式会社所有地についてエネルギー産業の次世代的発展を期待する場として次世代型エネルギー産業の拠点という方向性を示しました。
 こうした中、 昨年七月に県とENEOS株式会社は今後の脱炭素社会の実現を目指し当地区において次世代型エネルギーの供給拠点の構築と魅力的かつ持続可能な地域づくりに相互に連携して取り組むこととする基本合意書を締結いたしました。
 地域づくりの検討に当たっては、 次世代型エネルギーの供給拠点が整備されるという当地区の特色や隣接するJR清水駅、 河岸の市などの集客施設、 今後県が整備していく駿河湾フェリーターミナルなどとの相乗効果を踏まえた幅広い視点が必要であると考えております。
 今後は、 地域づくりの具体化に向け地権者であるENEOS株式会社をはじめ周辺の港湾関係者や地域住民の皆様などの御意見を伺いながら、 公民連携協議会の場で地域づくりについての議論を深めてまいります。
 県といたしましては、 清水港の中でも立地、 景観などに極めて恵まれた当地区に安全・安心で夢のある持続可能なみなとまちのあるべき姿を描き、 その実現に向けて官民一体となって取り組んでまいります。
 次に、 草薙総合運動場の駐車場についてであります。
 草薙総合運動場は、 静岡鉄道の駅からのアクセスがよい住宅地の一角に位置し県中部におけるスポーツの拠点となる総合公園として多くの皆様に親しまれております。 大規模なスポーツ大会やイベント等で多くの来場者が集中する際には駐車場が不足することがあり、 駐車券の事前配付により一般車両の利用制限を実施するとともに公共交通機関の利用をお願いしております。
 大会運営者や一般利用者から駐車場の増設を求める御意見を頂く一方で、 周辺の住民の皆様からは施設を利用する車両が原因となる道路の交通渋滞や騒音などによる住環境の悪化を懸念し公共交通機関の一層の利用促進を求める声が寄せられております。
 このように駐車場につきましては様々な立場からの御意見があることから、 まずは利用実態の詳細な調査と関係者への意見聴取を実施し駐車場の運用の効率化による利便性向上に取り組んでまいります。 また増設を含む駐車場の在り方につきましては、 今後の施設の利用状況や周辺環境への影響を踏まえ長期的な視点で検討してまいります。
 県といたしましては、 公園を利用する皆様の利便性向上と地域の良好な住環境確保の両立を目指し、 草薙総合運動場が多くの皆様に愛され親しまれる公園となるよう取り組んでまいります。 以上であります。
○議長 (宮沢正美君)  木苗教育長。
○教育長 (木苗直秀君)  県立高校の魅力化に向けた取組についてのうち、 県立高校の施設整備についてお答えいたします。
 県教育委員会では、 よりよい教育環境の実現を図るため令和元年度に学校施設中長期整備計画を策定して毎年五棟程度の老朽校舎の建て替えを計画的に進めております。 また屋上防水や外壁の改修など校舎の美観を保ちながら長く安全に使用するための長寿命化改修に取り組んでおります。
 学校施設の印象に大きな影響を与えるトイレにつきましても洋式化、 床の乾式化及び手洗いの非接触化などの改修を計画的に進めており、 今年度は九校のトイレ改修に着手しております。
 空調設備につきましては、 本年六月末までに全ての普通教室の整備が完了しましたが、 一方で特別教室は令和二年九月時点で設置率が三三・六%と全国的に見ても低い状況にあります。 今後は早期に未設置の特別教室の整備に取り組むとともに、 これまでPTAや後援会等の御協力により設置されている空調設備につきましては普通教室と同様に全てを県が譲り受けて維持管理や更新を行ってまいります。
 県教育委員会といたしましては、 生徒が安全に安心して学ぶことができるよう今後も積極的に施設の改善を進め高校のさらなる魅力化を図ってまいります。 以上であります。
○議長 (宮沢正美君)  細谷農林水産担当部長。
○農林水産担当部長 (細谷勝彦君)  サクラエビの資源調査についてお答えいたします。
 県水産・海洋技術研究所では、 漁業者と協力して約四十年前からサクラエビの産卵量や資源量等を調査しサクラエビの生態解明に取り組んでまいりました。 これまでの研究成果から、 夏に富士川沖の湾奥部でふ化したサクラエビの幼生は海流により湾の西南方向に流されながら成長し翌年の春に再び湾奥部に集まり夏の産卵期を迎え、 産卵後は再び湾の西部に移動して約一年半の一生を終えると考えられます。 しかし近年は湾の中部で産卵するサクラエビが多いため卵やふ化した幼生が湾の外に流出しやすく不漁の原因の一つと推定しております。
 こうした研究成果に基づき、 漁業者は湾奥部での産卵量を増やすため湾奥部に保護区を設けたり産卵前の親エビの漁獲を抑えるなどの自主的な操業規制を行っているほか漁期前の産卵数の調査などに取り組んでおります。
 来年一月には、 新しい調査船 「駿河丸」 が竣工し深い水深でも大型ネットによる大量採集が可能となるなどサクラエビに関する調査能力も大幅に向上しますので、 不漁の原因究明に向け産卵の時期や場所など精緻な調査と分析を行ってまいります。 さらに漁業者をはじめ静岡市や焼津市ともデータの共有を図り科学的な知見に基づくサクラエビ資源の回復に全力で取り組んでまいります。 以上であります。
○議長 (宮沢正美君)  中澤通訓君。
        (六十三番 中澤通訓君登壇)
○六十三番 (中澤通訓君)  お答えありがとうございました。
 何点か確認と、 それから質問、 要望等をさせていただきたいと思います。
 まず、 アーバンスポーツですけれども、 やっぱり新しいスポーツですから場所がなければそのスポーツはなじみがなくなります。 県内でも十数か所あるということでありまして、 ここ数年で全国でも百か所近くの公共の施設が大なり小なりできております。
 私、 一番感心したのは茨城県でできた笠間のところで、 これは四、 五年前にできておりますけれどもアメリカチームがそこで事前合宿をしたところです。 総工費は七億円ぐらいなんですね。 そこも自転車もスケボーもできるということで非常に有効的にうまくできているなと。 町の人たちはとにかく交流人口を増やしたい、 しかもそれには若い人たちが来てもらうことが一番だということで町を挙げてそこをやっているということもあります。 全国いろんなところがあるでしょうけれども、 やはり公でなければできないものをきちっとしていく、 そんな努力が今必要じゃないかと思っています。
 どれをどうやってやっていくかはまた総合的に考えていただいて、 新しいスポーツにも取組をしていただければと思います。 確かに中学生、 若い人たちの層が絶対数少なくなっております。 それはここ二十年で学生の数が少ないんですけれども、 実際逆に言いますと登録スポーツに対する登録者も少なくなっています。 特に柔道とか野球、 ソフトボール、 これはほぼ半減なんですね、 半減。 登録者がいない、 野球をやってこない、 ソフトボールをやらない、 そういうスポーツの、 子供さんたちの趣向が変わっております。
 ただ反面、 陸上競技とかバドミントンとか個々の種目の選手はそれほど落ちていません。 ですからそれぞれ時代に合ったスポーツへの関心度ということもありますけれども、 新しいスポーツですからぜひ公がやるべきところは公がやっていただくということも大切なことだと思います。
 今回のスケートボードも、 西矢選手も開選手もそうでありますけれども非常に若年であります。 この静岡県では伊藤美誠さんもそう、 水谷隼さんもそう、 みんな三歳、 五歳から卓球になじんでいる。 そういう小さいときから技術的なことを習ってやっていくと将来的には大きく飛躍する可能性がありますのでそういう芽を育てていく。 トレーニングのために他県に移るのは仕方ないですが芽を育てていくことがやはり大切ではないかと思いますので、 ぜひ新しく始まることですから積極的に投資をしていただければと思いますのでお願いをしたいと思っています。
 次に移りますが、 公民連携の清水港のことでありますが、 新しい時代に合ったことですからどうするかはまだいろいろなんでしょうけれども、 あちこちで単発でこれをやりたいあれをやりたいんじゃなくて、 これをやるんだね、 これでいこうねという取りまとめはやはり行政的なことも必要ではないかと思っています。 そういう中で一つの方向性を決めて関係の人たちの御理解を頂いて協力を頂いて一つのものになっていく。 あの場所は最後に清水で残された公共投資ができる可能性のある場所ですし修景は、 バックは富士山ですから、 この富士山をバックに造る場所はほかにはでき得ないところですから、 外国からのお客も当然あり得ますのでそんなことも含めて時間をあまりかけずに方向性を考えていただくことが大切ではないかと思いますのでその点をお願いをしたいと思っています。
 質問の中でさせていただきたいのは教育の問題でありますけれども、 確かに知事が積極的にいろんな場面で発言をし方向づけをしていただいていることは分かります。 しかし公と私、 県の高校が――高等学校ですが今まで公私の連絡協議会があって公が二、 私が一という定数のコントロール、 お互いにお互いの利益をもってやっていた時代がありました。 しかしそれが数年前になくなりまして、 しかし県のほうは絶対数の漸減のために定数を下げています。 しかし私立は下げていません。 そして施設の面とか何かでハンディキャップができていますからそういう面で、 また私学のほうでは単願優先で確保しますからそちらに流れていく。
 ですから、 今年の入試も九十三校の公立の高校のうちの五十三でしたかね、 再募集があったところは。 そこが全部欠員になっちゃったんですね。 ですからその実態を踏まえて今の公私の在り方がどうなんだろうと。 区別とか差別とか何かじゃなくて、 本来あるべき姿はどうなんだということを同じ土俵に乗った調整といいますか話合いというのは私は必要だと思います。 これまでどうかすると公のほうだけにいろんな話が出ますけれども、 私学のほうは個々の学校の独自性だということもあります。 しかし同じ高校生ですからその年代の人たちをある一定レベルの約束事の下に育てていくというかそういう環境をつくることは大切だと思いますので、 その点も御理解を頂いてやっていただきたいと思います。
 教育委員会の改革の中で全県一区制になっています、 入学試験が。 昔は近隣の枠から、 一つの町から隣町へせいぜい二つぐらいの。 今あるところに聞きましたら、 伊豆の子供さんが沼津、 静岡パッシングをして浜松の高校に行く。 これが果たして正しいのかどうか分かりませんが、 そういう実態があります。 しかもそれは当然通学できませんから下宿になりますし、 同じ下宿ならそっちがいいという判断でしょう。
 三十過ぎたら静岡県と知事は掛け声を言いますけれども、 郷土意識は全くなくなりますよね。 つくろうと思ってもその多感な時代がすとんと抜けていきますから。 ですからそういうことも一つの制度をつくることによって、 そういうことが懸念されますねということを私は感じます。 そういうこともやっぱり考えていただきたいと思います。
 在り方検討会についてはよかれと思ってやってるかもしれませんが、 万全の構えでやっていたと言われますけれども果たして本当にそうなのかな。 過去は確かに教育者が八割いて行政マンが一、 二割というかそういう比率。 今全く逆ですから。 全く逆転しています。 ですからその辺に対する教育畑の意見が通らないというか、 ちょっと感覚的にあまりにも極端なのかなと思ってますので本当にそこについてももう一度考えていただきたいと思います。
 教育長、 設備のことについてはですね、 私、 普通教室はやります特別教室は地元でお願いしたい、 ずっときてます。 しかし理数科があります。 芸術科があります。 たまたま清水に両方ありますから私見させていただきました。 特別教室――理数科は生物、 化け学、 それから物理ですよ。 この特別教室は空調、 県がやってませんよ。 芸術科も、 音楽のほうはピアノレッスン、 それから声楽レッスンはマンツーマンですから小さい部屋で空調があります。 しかし絵のほう、 彫刻のほうはオープンですから空調ないんですよ。 扇風機でやってます。 ですから、 特殊専門科目をつくったところはそれが普通並みであってしかるべき。 たまたま今二つ挙げましたがほかにもあると思います。 ぜひそういうめり張りを、 全部の予算つきませんからめり張りをつけていただきたいと。
 最後に、 富士川のことだけちょっと聞きますけれども、 富士川、 この前調査した結論を見ました。 しかし富士川のことは、 流水の検査をした、 異常がないですよと言いますけれども、 実際には地元の人は、 たまった泥がありますね、 その泥についての中には結構過去には足を入れたら腫れましたよと。 今はその事前にやめてるから腫れないけど、 そのたまった泥の中にはそういうものはなかったですかと。 調査今回してませんけれども本来これから近くやるということでありますが、 その調査をやるかどうかについての返事を頂ければと思います。 以上です。
○議長 (宮沢正美君)  細谷農林水産担当部長。
○農林水産担当部長 (細谷勝彦君)  サクラエビの資源調査のうちの富士川の調査についてお答えいたします。
 この問題につきましては、 本議会の冒頭でお答えさせていただきましたように今後についてまだ調査を継続するというふうに伺っています。 経済産業部の水産部局といたしましては、 この富士川の調査について、 漁業者の皆さんが非常に関心を持っているということでございますので、 私どもとしましては調査結果については単に公表するというのではなくて漁業者の方たちに丁寧に説明をして正しい科学的な知見に基づいた理解をしていただいて不安の払拭に努めていきたいというふうに考えています。 以上でございます。
○議長 (宮沢正美君)  これで中澤通訓君の質問は終わりました。 (拍手)

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