本会議会議録
議会補足文書
令和2年4月静岡県議会臨時会
盛月 寿美 【 討論 】 発言日: 04/28/2020 会派名: 公明党静岡県議団 |
○議長(鈴木利幸君) 次に、二十七番 盛月寿美君。(拍手)
(二十七番 盛月寿美君登壇)
○二十七番(盛月寿美君) 私は、公明党静岡県議団を代表して本臨時会に知事から提出されました第七十八号議案、令和二年度一般会計補正予算と第七十九号議案に賛成の立場から、新型コロナウイルス感染症との闘いの最前線で奮闘してくださっている全ての皆様に心からの敬意と感謝の気持ちを込めて、意見を付し討論をいたします。
本県における新型コロナウイルス感染者数は現在六十七人にまで拡大しています。これ以上感染を拡大させないために外出自粛、人との接触を減らすことを県民に向けて強く呼びかけていくよう引き続き県の取組を求めます。
第七十八号議案「令和二年度静岡県一般会計補正予算」は、限られた財源の中、喫緊の課題に対し効率的かつスピード感を持って実施されるべき事業が盛り込まれました。さらに国の緊急事態宣言に応じて休業要請を行ったことに伴う協力金なども盛り込まれ、今後市町とも連携し対象事業者に対して協力金が速やかに支給されるよう強く要望いたします。
公明党静岡県議団は三回にわたり新型コロナウイルス感染症に係る緊急要望を行っており、今回の補正予算に我が会派の要望が随所に反映されていることを評価いたします。感染拡大防止策、医療提供体制の整備として軽症者や無症状者を受け入れる病床の確保、マスクや消毒液など衛生用品の配布、人工呼吸器や防護服等の整備への支援など具体的な対策が進められます。マスクや消毒液などは依然として不足しています。必要としている皆様に行き届く体制整備と医療関係者が物的にも精神的にも疲弊することなく従事できるための支援策の拡充を求めます。
PCR検査体制の強化についてもまだ十分ではないと考えます。県として発熱外来の増設を働きかけるなどこれまでの努力については評価いたします。しかしながら陽性患者の履歴を見る限り発熱などの症状が現れてから検査に至る日数が一週間から十日程度かかっており、その間の感染拡大の可能性を考えるともっと早く検査ができる体制の整備が急がれます。富士宮市などのように独自で実施しようとしている市町でのPCR検査実施体制への支援など検査体制の強化を求めます。
学校の臨時休業への対応として学校と家庭をつなぐオンライン学習の環境整備を行うこととし、関連事業費一億一千七百三十万円が計上されました。ここには一人一台端末の整備、国のGIGAスクール構想を受けタブレット端末の購入費用が含まれていますが、二〇二三年度の整備完了の計画を前倒しして本年度中に整備を完了させる計画となっており、学びの環境が促進されることを評価いたします。
長期間の休校が続く学校の再開に際しては子供たちの心のケア、校内の環境整備、教育プログラムなど十分な準備が必要です。三月の後半から休校となっている児童生徒は、いつ学校が再開されるのか不安を抱えながら毎日を過ごしています。さらに児童生徒の身を案じている教職員も再開後の教育プログラムや学校行事の対応など、ストレスを抱えながら狭い職員室で三密状態の中、仕事をしているのが現状です。各学校が万全の体制を整えることができるよう国とも連携を取りながら学校再開へのステップを一日も早く示していただけるよう求めたいと思います。
事業者や生活者への支援として中小企業向け制度融資の拡充が図られるほか、経営相談ニーズへ対応するための専門家派遣を拡充、新型コロナウイルスの影響を乗り越えるために前向きな取組を行う事業者への支援として五十万円を上限に補助する小規模企業経営力向上支援事業費助成が盛り込まれました。あらゆる業種で大きな打撃を受けている中、事業者の皆様は今をどう乗り切るのかと必死に奮闘しておられます。休業要請の対象外の事業者でも自主的に休業するところが多く売上げが減少し大きな影響を受けています。こうした事業者に対しても県が力強く支援をしていくべきです。本県経済を支えておられる方々がこれからも事業を継続していただくことができるよう、資金繰り支援の制度の周知とさらなる県制度融資の条件緩和や融資枠拡充、速やかに融資実行ができるよう対策を求めます。またテレワーク導入への意識が高まっている今こそ企業のテレワーク導入に対しても県のさらなる支援を求めます。
先日、自閉症の子供を持つ保護者の方から切実なお声をいただきました。社会全体で不要不急の外出が制限される中、子供をいつも散歩に連れて行く公園も駐車場が閉鎖となり思うような行動が取れなくなってきている、急激な変化に対応できない自閉症患者は社会の変化についていくことが困難であり、これまで長い年月をかけて子供の行動障害に対応してきたがこの二週間で元に戻ってしまう可能性があると訴えておられました。
自然災害や今回のような非常時において、一番影響を大きく受けるのは常に社会の中の弱い立場の人たちであります。県職員の皆様には今後のコロナウイルス感染症への対応の中で自粛や行動の抑制など県の施策によって社会の中にどのような影響が出ているのかを敏感に感じ取る感性を持っていただき、施策を推進されるよう要望したいと思います。
新型コロナウイルスを理由とした偏見や差別が相次いでいることもとても心配です。トラック運転手のお子さんへの差別、静岡市でも先日医療従事者のお子さんが差別を受けたという報道があり、耳にするたびに心が痛みます。こうした差別や偏見はいじめにもつながり憂慮すべき社会的な問題です。文部科学省は社会機能を維持するために働く人や家族への差別や偏見を防ぐよう都道府県教育委員会に通知しています。しっかりと徹底していただきたいと強く求めます。生活不安やストレスによる子供への虐待やDV被害が増加していることも深刻な問題です。警察との連携を含め相談体制の強化と必要な支援を確実に実施するよう求めます。
県民の豊かな心を醸成するために文化芸術活動への支援も忘れてはならないと思います。SNS上では多くの音楽家、芸術家が工夫を凝らしてメッセージを配信し大きな反響を呼んでいます。どんなに大変なときでも心を豊かにしてくれるのが文化芸術の力です。
ウイルスという見えない敵との戦い、経験したことのない国難とも言える事態を力を合わせて乗り越えていかなくてはなりません。今回予算の補正を行い様々な対策が講じられますが、まだまだ十分とは言えません。県が休業要請を行う範囲にキャンプ場などの屋外施設は含まれておらず、多くの県外ナンバーの車の人たちがキャンプに来ていると地元の住民からも不安のお声が寄せられています。
県として、屋外の施設に対しても住民の不安を解消するためにも感染拡大防止対策を講じるべきと考えます。今後も引き続き常に現場の状況を的確に捉えて予算措置も含めた迅速な対応を要望いたします。
そして、この時期をチャンスと捉えて様々な分野で見直すときを迎えていると感じます。まずは新型コロナウイルス感染拡大防止に全力を注ぎ、終息した後にはここから得た教訓を生かしこれまでの慣習にとらわれず新しい時代の静岡県をつくるため、今後も知事の力強いリーダーシップと県民に向けてのメッセージを発信していただきますよう要望いたします。
以上、本臨時会に提出された議案に賛成の立場から意見を申し上げ討論といたします。全議員の皆様の賛同を心からお願いを申し上げます。(拍手)
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