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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

山田 誠 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/10/2021

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 消防団活動の現状と消防団応援条例について
2 清水港江尻地区、日の出地区及び折戸地区の整備について
3 医療分野におけるマイナンバーカードの利活用について
4 下水道区域外における生活排水処理について
5 難聴児を支える人材の育成と支援の充実について
6 特別支援教育について
 (1)特別支援教育コーディネーターの充実
 (2)特別支援学校の高等部分校の整備


○副議長(竹内良訓君) これで、良知淳行君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、五十五番 山田誠君。
(五十五番 山田 誠君登壇 拍手)
○五十五番(山田 誠君) 私は、自民改革会議の所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長並びに教育部長に対し一括質問方式で質問をいたします。
 まず初めに、消防団活動の現状と消防団応援条例について伺います。
 近年、局地的な集中豪雨や地震等による様々な災害が全国各地で頻発しており、地域の防災力を強化する必要性がさらに高まってきていることは皆様御存じのとおりであります。こうした中で消防団は地域防災における中核的な存在であり、火災や様々な災害発生時には住民の生命財産を守るために活動し、平時においては防火広報や地域の防災訓練の指導など防火、防災についての啓発活動を行うなど地域にとって欠かせない存在であります。
 本年七月に発生した熱海市伊豆山における土砂災害においても、熱海市消防団は約四か月間にわたり延べ二千六百八十六名が出動をしております。発災直後は地響きと轟音を伴う土石流が幾度となく発生する中、流出を免れた家屋を一軒一軒回り住民十数名の避難誘導を行うとともに、避難所への移動の調整、常備消防の周囲警戒や資機材搬送等の後方支援活動を継続し避難者の安全かつ迅速な救助に多大な貢献をいたしました。また空き巣被害を未然に防ぐため八月から約三か月間にわたり各分団でローテーションを組み夜間パトロールを実施するなど、長期にわたって献身的な活動を行った団員に改めて敬意を表するものであります。
 全国の団員数の推移を見ると、平成二年に百万人弱であったのが令和二年には約八十一万人と二割も減少するなど、私自身も消防団幹部として団員減少に歯止めがかからないことに以前から危機感を覚えております。
 このような厳しい状況を踏まえ、県では県消防協会と連携して消防団員の確保に向けたPR用動画を作成しテレビ、ラジオCM、動画配信サイトユーチューブを活用した広報活動や県内の消防団員の約八割を占めるサラリーマン団員の活動に対して雇用者の理解を求めるための啓発リーフレットを作成配布するなど消防団員が活動しやすい環境づくりに努めてこられました。
 また、平成二十三年に我が会派を中心に議員提案で制定された消防団の活動に協力する事業所等を応援する県税の特例に関する条例、いわゆる消防団応援条例が来年三月末で期限を迎えることとなります。この条例は消防団員が所属する事業所等の事業税を一部控除することにより消防団活動への理解を求めるとともに、消防団員がより一層活動しやすい環境づくりを目指すものであります。過去三度の条例の期限延長を行いましたが、消防団を取り巻く様々な環境を踏まえこの条例の再延長が必要ではないかと考えております。
 そこで、消防団を取り巻く現状と課題をどのように認識をしているのか、またこの条例の効果をどのように評価しているのか伺います。
 次に、清水港江尻地区、日の出地区及び折戸地区の整備について伺います。
 私も含め過去何度も清水港の整備について質問がされてきました。今回は三つのエリアについて伺います。
 江尻地区は、平成三十一年三月の港湾計画の軽易な変更により清水駅東口を出たところにある江尻地区北側の岸壁を海側に拡張するとともに、日の出埠頭にあるフェリーターミナルを移設する計画が進められていることは皆様御存じのとおりであります。湾の西側には河岸の市がありますし、北側の現ENEOSの所有地は所有者であるENEOSにおいて次世代型エネルギーの供給拠点を構築するとともに魅力的かつ持続可能な地域づくりを進めていくと聞いていますが、具体的な将来計画については未定となっております。
 フェリーターミナル移設などの計画が進む中、県や市、民間企業などが連携して江尻地区のにぎわい創出を進めることは大変重要であります。現在清水みなとまちづくり公民連携協議会が設立されて様々な協議が行われておりますが、具体的な将来像は出来ておりません。コロナ禍で先行きがなかなか見通せないこともあり民間による投資環境が整うまでにはもう少し時間がかかるものと考えられますが、県としてできることの検討を進めていく必要もあります。
 日の出地区は、コロナ禍の前には世界的に大型クルーズ客船の運航増加による新たな旅行スタイルとしてのクルーズ客船が脚光を浴び、清水港への大型客船の入港も年々増加し新たなインバウンドの受入れにつながってきました。そのような中、国によるクルーズ客船の受入れ体制強化として清水港の拠点化を進めてきましたが、コロナ禍によりクルーズ客船の運航再開のめどが立たないことからゲンティン香港による整備も見通しが立っていない状況にあります。
 折戸地区は湾の最奥部に位置しており、海面の静穏度は大変高いものがあります。県では令和三年三月港湾計画の改定により土地利用計画の変更を行い民間による開発でにぎわい創出をし良質なリゾートエリアの形成が考えられておりますが、これもコロナ禍により民間による投資環境が整うまでにはもう少し時間がかかるものと考えます。
 とはいえここは、静岡市を中心としたエリアではマリンレジャー、マリンスポーツを振興していく上で欠かせないエリアであり、将来への大きな可能性を秘めているところであります。
 そこで、各エリアがこのような状況にある中、県として江尻地区の整備の方向性やにぎわい創出の可能性についてどのように考えているのか、日の出地区の県の整備事業の見通しについてどのように考えているのか、さらに折戸地区に関して民間との連携による開発の可能性についてどのように考えているのか伺います。
 次に、医療分野におけるマイナンバーカードの利活用について伺います。
 現在、国内におけるマイナンバーカードの交付状況は五千万枚を超え普及率は四〇・〇%となっております。経済対策としてのマイナポイント付与策によりここ一、二年で急速に交付枚数が増えております。またさらなる経済対策としてキャッシュレス決済利用額の還元や健康保険証としての利用登録、公金を受け取るための預金口座の登録による新たなマイナポイントの付与により政府としてはほぼ全ての国民が取得することを目指しております。
県庁内では知事部局職員の取得率は五一・八%と全国平均を一〇ポイント以上上回っておりますが、各部署にデジタル推進担当責任者を置くなど県庁のデジタル化推進を進めていることからも県としてさらなる普及促進をしていくように働きかけていくべきであります。またマイナンバーカードの利活用の促進も同時に進めていく必要があるかと思っております。
 そこで、今回は医療分野におけるマイナンバーカードの利活用について伺います。
 国においてはマイナンバーカードの健康保険証利用が開始をされました。患者さんや医療機関の双方にとって幾つものメリットがあります。例えば大きな病院に転院したときにかかりつけ医である診療所や他の病院における診療履歴や薬の投薬履歴などを患者さん本人に聞くことなく把握することができることや、大規模災害時に日頃服用している薬を迅速に処方してもらうことも可能になるなど患者さんや医療機関の双方にとってメリットがあるサービスでありますが、サービス開始時点ではオンライン資格確認システムを導入している医療機関などは約九%であります。
 現在、県内における医療ではまずかかりつけ医や地域の診療所等で受診をし必要に応じて総合病院などの大病院に紹介する仕組みであり、これは医療の分担という意味で大変有効な仕組みとなっております。
 しかし、大病院へのシステム導入には必要とされる機器の導入補助についての限度があることや、小規模な病院や診療所では電子カルテの導入をしていないところがあるなどこのシステムの導入にはまだまだ課題が山積しております。
 このシステムの導入が進まなければ、いくらマイナンバーカードに健康保険証登録をしても使えないという状況が多発をいたします。いつ来るか分からない大規模災害に備えて様々な対策を講じている本県としては、発災後の傷病者の命を守る観点からもシステムの導入を進めていくことが必要であると考えております。
 これらのことから、医療分野におけるマイナンバーカードの利活用の促進に向け県としてこのシステムの導入についてどのように考えているのか、また病院や診療所の規模など現場の実情に合わせた補助制度の見直し、拡充などを国に要望すべきと考えておりますが、この点についてどのように考えているのか伺います。
 次に、下水道区域外における生活排水処理について伺います。
 国土交通省は毎年七月に全国の一級河川の水質調査結果を公表しており、あわせて日本清流ランキングも発表しております。対象河川の各調査地点のBOD年間平均値について全調査地点で平均を取った値が〇・五ミリグラムパーリットルであることと、対象河川の各調査地点のBOD七五%値について全調査地点で平均を取った値が〇・五ミリグラムパーリットルであるという二つの条件を満たす河川を水質が最も優良な河川とし令和二年は十八河川、本県においては安倍川と狩野川が選ばれており、本県においてもきれいで豊かな清流を次世代に受け継いでいけるように今後も河川の浄化対策を推進することが必要であります。
 そのためには生活排水処理施設の整備促進が必要であり、県は令和二年二月に静岡県生活排水処理長期計画を改定し下水道施設の整備や合併処理浄化槽の整備などにより汚水処理人口普及率の向上を図るとのことであります。
 国においては下水道区域外に居住する方々の単独処理浄化槽の合併処理浄化槽への転換、集落排水事業におけるダウンサイジングや省電力化などに対して補助制度を設けており、条件によっては県も補助を行っていると伺っております。
 県内には安倍川、狩野川以外にも大井川、菊川の二河川と長野県が源流となる天竜川の合計五河川の一級河川があり、知事はよく命の水を守ると言われますが水質が最も優良な河川に全てが選ばれるための努力を望むものであります。また県の施策として進めている移住・定住の促進を考える上でも良好な居住環境の整備は必要と考えます。
 そこで、下水道区域外における生活排水処理の促進に向け合併処理浄化槽への転換に関する県の取組について伺います。
 次に、難聴児を支える人材の育成と支援の充実について伺います。
 本県は新生児の聴覚スクリーニング検査によって難聴児の早期発見を行っており、この検査の受検率は九六・四%と大変高く精密検査が必要と診断された場合の受診率も向上をしております。
 これらの検査により、生まれつき内耳に障害があると診断された場合にはできるだけ早い時期から人工内耳を装用するのが好ましく、難聴対策を専門としている県立総合病院の高木先生によると、できるだけ早い時期から人工内耳を装用する必要があり遅くとも三歳までに装用したほうがいいと言われておりますが、ゼロ歳児での装用も可能であり音声言語を獲得できるように療育支援をすれば健常児と同様に生活することが可能であると言われております。
 世界の中ではオーストラリアが一番進んでおり、国内では高木先生がこの研究においてはトップクラスであります。現在難聴対策への取組として県立総合病院内にある乳幼児聴覚支援センターきこえとことばのセンターを中心とした支援体制が図られていると聞いておりますが、県内のどこに住んでいてもひとしく支援が受けられるようにすることが重要であります。
 これまで我が会派では、令和元年度に難聴対策推進議員連盟を立ち上げ、人工内耳を装用した方や御家族のお話を伺ってどのような支援をしていくのが望ましいのかを研究し支援体制の充実を図るべく活動をしてまいりました。
 実際に装用されている児童生徒の学習機会の確保を図るためには、授業を受ける際に補聴システムの充実も課題となっております。例えば人工内耳を両方の耳に装用するようにすることや授業中に先生が一台、クラスの子供たちが発言するための一台の合計二台の装置が購入できるようにすることなども難聴対策を進める上で効果的な対策と考えられます。これらを進めるには財源も必要となりますが、厳しい地方財政の中だけで考えるのではなく知事会などを通じて国に予算拡充を働きかけていくことも重要なことであります。
 そして、本県における難聴児対策を全国でもトップレベルの水準で推移していくためには、今年度県立総合病院に隣接する形で開学した静岡社会健康医学大学院大学における人材育成などを進めていくことも必要と考えております。また本年十月に県立総合病院とNTTコミュニケーション科学基礎研究所が連携協定を締結したことにより難聴対策のさらなる充実を進めることも可能となってまいりました。
 県として、補聴システムなどの機器の支援の充実や難聴支援に関わる人材の育成についてどのように取り組んでいくのか、また今後難聴児支援のさらなる充実に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、特別支援教育について二点伺います。
 一点目は、特別支援教育コーディネーターについてであります。
 平成十九年四月に文部科学省から特別支援教育の推進についての通知がありました。その中で、特別支援教育は障害のある幼児、児童生徒の自立や社会参加に向けた指導や支援だけでなく知的な遅れのない発達障害も含め特別な支援を必要とする幼児、児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである、さらにこれらにとどまらず障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な人が活躍できる共生社会を形成する基礎であることも記述をされております。
 この理念を踏まえた上での取組の一つに特別支援教育コーディネーターの指名があります。これは校長が特別支援教育のコーディネーター的な役割を担う教員を特別支援教育コーディネーターに指名し、そのコーディネーターが各学校における特別支援教育の推進のため主に校内委員会、校内研修の企画運営、関係諸機関、学校との連絡調整、保護者からの相談窓口などの役割を果たすこととなっております。
 平成三十年度に実施された調査における本県の特別支援教育コーディネーターの指名率は一〇〇%であります。その中で学級担任等を持たない専任のコーディネーターは小学校で二四・二%、中学校で一九・七%となっており、小学校と中学校の全国平均それぞれ一二・七%、一五・五%をともに上回っております。確かに本県は全国平均を上回っておりますが、小学校では四人中三人、中学校では五人中四人が兼任の教員であり、昨今言われている教員の多忙化、働き方改革の推進といったことから考えるとこの状況で本当に十分な特別支援教育コーディネーターとして役割が果たせるのかいささか疑問であります。
 私は、実際に他県で特別支援教育コーディネーターを務めている教員ではない専任の方のお話を聞く中で、特別支援教育コーディネーターは児童生徒一人一人に合った指導や教育、外部の専門家との連携などを含めとても兼任でできるような仕事ではないと考えます。
 限られた予算と人員の中でやりくりをしなければならないことも理解をしておりますが、欧米のような統合教育インクルーシブ教育を目指すことにより人間社会の多様性を認識するとともに弱者への配慮をするなど真の共生社会の形成ができるものと考えますので、外部の専門家による特別支援教育コーディネーターの配置など充実を図るために県としてのさらなる取組が必要ではないでしょうか、県の考え方や取組について伺います。
 二点目は、特別支援学校の高等部分校の整備についてであります。
 現在、本県には特別支援学校が二十五校、高等部の分校が十校あります。今年度新たに特別支援学校が二校開校をしましたが学校の狭化は十分に改善されたとは言えません。
 そこで、高等部の分校未設置の高校で受入れ可能な教室を有する高校への分校設置を図ることによって、わずかではありますが狭化の解消を図ることも必要ではないでしょうか。私は分校の設置は障害のある生徒だけではなく、共に学校生活を送る生徒にこそよい影響を与えるものと確信をいたします。
 実際に、特別支援学級が設置されている小中学校では共に学校生活を送る児童生徒に与えるよい影響は大きいものがあり、将来社会に出たときにも障害のある方への理解は間違いなく広がってまいりますので、進学校と言われる高校にこそ分校設置を進めるべきではないでしょうか。教育委員会として高等部分校の整備についてどのように考えているのか伺い、私の質問といたします。
○副議長(竹内良訓君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 山田議員にお答えいたします。
 消防団活動の現状と消防団応援条例についてであります。
 消防団は、自らの地域は自らで守るという郷土愛護の精神の下、火災はもとより地震、風水害などの災害において昼夜の別なく献身的な活動をされています。地域防災の要として欠くことのできない存在であります。しかし本県の消防団員数は議員御指摘のとおり、本年四月一日現在で一万八千九十三人とこの十年間で約一四%減少するなど消防団の体制確保に大きな課題がございます。
 こうした中、本県では会社員などが高い割合を占める消防団員の活動環境改善を図るために全国でも先進的な取組として、議員の皆様の御提案により消防団活動に協力する事業所等を応援する県税の特例に関する条例が制定されております。この条例による事業税控除には消防団協力事業所として市町から認定されていることが要件の一つとなっております。本県における認定事業所の数は本年四月現在で九百三十六事業所で全国第四位、さらに本条例により事業税が控除された事業所数は二百六十六となりともに条例施行当時と比べ約六倍に増加しております。
 また、市町から認定された事業所に勤務する団員数は一千八百七十九人とこの五年間で四百六十五人増えました。団員確保に苦慮する中で条例の効果は着実に現れているものと考えます。
 今後も、当条例による消防団活動の下支えを継続するとともに、県、市町が協力して商工関係団体等へ訪問を行い制度の周知と積極的な活用を働きかけてまいります。
 さらに、消防団員の確保に取り組んでいくため県消防協会と連携したテレビCM等による消防団の広報活動を強化していくほか、市町と連携して大学生など若年層を対象にした加入促進活動に積極的に取り組んでまいります。
 引き続き、地域防災の要である消防団の活動を県民の皆様に広く御理解頂くとともに、消防団員の活動環境の整備に向け市町等と連携をいたしまして支援を行ってまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(竹内良訓君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 難聴児を支える人材の育成と支援の充実についてお答えいたします。
 県では、これまで乳幼児期の難聴をいち早く発見し早期の治療と適切な療育につなげるため、乳幼児聴覚支援センターを中核として各市町と共に新生児聴覚スクリーニング検査体制の整備等に取り組んでまいりました。その結果検査の受検率は、令和二年度は議員御指摘のとおり九六・四%と全国トップクラスとなっております。
 今年度からは、乳幼児聴覚支援センターのサテライト窓口を沼津市立病院及び浜松医科大学附属病院内に設置し東部地域、西部地域においても検査により難聴とされた乳幼児を早期の治療や療育に確実につなげる体制を強化しております。
 補聴システムなどの機器の支援につきましては、国の補装具費支給制度のほか県単独で助成制度でも対象としておりますが現在はいずれも一台の支給を原則としております。
 円滑な学校生活を送るためには授業内容を明瞭に聞き取れる環境が非常に重要でありますことから、難聴児やその御家族、市町、教育委員会など関係者から御意見を伺いながら個々の状況に応じた環境整備が図られるよう国に対しても要望してまいります。
 また、療育をはじめとする難聴児支援に関わる人材の育成につきましては、静岡社会健康医学大学院大学におきまして乳幼児の難聴や発達に応じた適切な介入法などを学ぶ六つの科目を設けており、市町の保健師や言語聴覚士などが学んでいるところであります。さらに同大学院大学でのより高度で専門的な人材の養成に向けて新たな教育プログラムの検討を進めてまいります。
 今後は、特に乳幼児期において人工内耳等の医療や補聴機器の進歩に対応し難聴であっても音声言語を獲得するための効果的な療育が必要であると考えております。
 県といたしましては、海外の先進的な療育方法を参考としながら乳幼児聴覚支援センターや教育委員会、関係団体とも連携して人工内耳装用児を含む難聴児支援のさらなる充実を図ってまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) 清水港江尻地区、日の出地区及び折戸地区の整備についてお答えいたします。
 清水港では、何度も訪れ滞在したくなる美しい港町を目指し港湾計画においてこれら三地区に交流とにぎわいを創出することとし、江尻地区や日の出地区に交流拠点ゾーンを、折戸地区に緑地レクリエーションゾーンを位置づけております。
 清水港の中心に位置する江尻地区では、河岸の市などのにぎわい施設やENEOS株式会社と共に魅力的かつ持続可能な地域づくりの検討を進めているエリアと県が整備する駿河湾フェリーのターミナル等を有機的に結びつけることによりさらなるにぎわいの創出が期待されます。このため現在フェリーが接岸する岸壁の設計を進めており、今年度内には岸壁の工事に着手する予定であります。
 国際クルーズ拠点を目指す日の出地区では、国際クルーズ船の運航再開に備え既存上屋を旅客待合所として利用するための耐震対策と防火対策を進めております。来年度にはこれらの対策を完了し、これまでに整備した旅客ターミナルや緑地と一体となって国際クルーズ船が二隻同時に接岸可能となる機能を確保する予定であります。
 湾の奥に位置する折戸地区は、富士山を仰ぎ見る美しい景観と静穏な水域を生かした官民連携によるにぎわい空間の創出が期待されております。このため新たに水際を周遊する緑道を港湾計画に位置づけ人の流れを生み出すことにより水面と一体となった背後地の民間開発を促してまいります。
 県といたしましては、清水港の各地区におきましてそれぞれの特性を生かした官民一体の取組を進めることによりさらなる交流と新たなにぎわいが創出されるよう全力で取り組んでまいります。
 次に、下水道区域外における生活排水処理についてであります。
 本県における生活排水処理につきましては、静岡県生活排水処理長期計画に基づき令和十八年度末の汚水処理人口普及率九五%を目指して対策を進めております。
 令和二年度末の普及率は約八三%であり、さらなる向上を図るためには下水道計画区域外に残されているトイレの排水のみを処理する単独処理浄化槽を家庭雑排水を合わせて処理する合併処理浄化槽へと転換していくことが重要であります。しかしながら転換工事の実施につきましては単独処理浄化槽を所有する個人の判断に委ねられ、費用負担を伴うことから転換への動機づけが課題となっております。
 このため、市町では転換工事の個人負担軽減を目的とした補助制度を設けており、これに対し県は国と共に財政的支援を行っております。さらに市町と協力し単独処理浄化槽所有者に対して転換工事の必要性や補助制度の活用に関する資料を郵送し直接お知らせするなどの啓発活動を行っており、これらの取組が近年の転換数増加につながっていると考えております。
 県といたしましては、引き続き市町と緊密に連携し下水道区域外における合併処理浄化槽への転換を進めることによりかけがえのない水環境の保全に努めてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田 貴君) 医療分野におけるマイナンバーカードの利活用についてお答えいたします。
 マイナンバーカードを健康保険証として利用することは、日常の診療や災害時における活用ばかりでなく生涯を通じた健康に関するデータの分析等を可能にし県民の保健医療の向上につながることが期待できますことから着実に進めていく必要があると考えております。
 現時点で一一・九%と全国的にオンライン資格確認システムの導入が進んでいない理由として、新型コロナウイルス感染症対応に伴う医療機関等の準備不足や世界的な半導体不足による機器整備の遅れなどが考えられる一方、初期経費や運用経費等の負担のため導入をためらう施設が多いとも言われております。
 国においてはオンライン資格確認を行う際に必要となるカードリーダーを無償提供しており、本県における申込み率は全国でも上位であります。
 県といたしましては、今後の導入状況等を注視し必要に応じて国に医療機関等の実情に合った支援を要望するなど医療分野におけるマイナンバーカード利用の普及を促進してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 特別支援教育についてのうち、特別支援教育コーディネーターの充実についてお答えいたします。
 小中学校において特別支援教育コーディネーターは教員の分掌の一つに位置づけられており、指名を受けた教員は他の教員と共に日々児童生徒の様子を観察し特別な支援を必要とする児童生徒へのより適切な支援の実施に努めております。近年こうした児童生徒が増加する中で、個に応じたきめ細かな指導を充実させるためにその役割はますます重要となっております。
 このため、現在のコーディネーターが十分に機能できるよう受け持つ授業時間数の軽減をはじめ業務内容や校内体制の見直しを促してまいります。その上で今後児童生徒の教育的ニーズに応じた支援方法など特別支援教育について専門的な助言を行う県立特別支援学校のセンター的機能の強化により組織としてコーディネーターを支える体制の整備を進めます。さらに市町教育委員会と共に就学支援委員会やスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーなど関係機関や専門人材との連携強化に取り組んでまいります。
 議員御提案の外部人材による専任のコーディネーターの配置につきましては、県内各校の特別な支援を必要とする児童生徒の在籍状況や校内の支援体制等における課題、他県の取組状況など確認しながら一層円滑に支援が行える仕組みについて研究してまいります。
 県教育委員会といたしましては、特別支援教育コーディネーターを中心に多くの機関の協力を得て児童生徒一人一人に合った指導を行うことができるよう特別支援教育のさらなる充実を図り、真の共生社会の形成に努めてまいります。
 次に、特別支援学校の高等部分校の整備についてであります。
 本県では、これまで県立高等学校内に十校の特別支援学校高等部の分校を整備し特別支援学校の施設狭化の解消を図ってまいりました。しかしながら特別支援学校の在籍児童生徒数は増加を続けており、特にその傾向が顕著である高等部への対応は喫緊の課題であります。
 議員御指摘のとおり、高等学校内への高等部分校の整備は施設狭化の解消だけでなく共生・共育の理念をそこに学ぶ生徒や地域社会に広げていく上でも有力な手段であり、現在富士・富士宮地区及び裾野・御殿場地区において高等部分校の整備を進めているところであります。
 昨年度、高等部分校及び分校を設置している高校の生徒にアンケート調査を実施しましたところ、行事や授業を一緒に行うことについて分校生徒の六五%、高校生徒の七二%がとてもよいまたはよいと回答しており、共同で行う体育祭、文化祭、総合的な学習の時間を通して同世代との共生による人間関係の構築や社会性の向上が図られるなど双方にとって大変有意義なものとなっております。
 現在、令和四年度から令和八年度までの整備計画の策定作業を進めておりますが、各地域の施設狭化の状況と児童生徒数の見込みを踏まえて全ての高等学校における教室の空き状況等を精査した上で高等部分校の整備を積極的に推進してまいります。
 障害のある人もない人も地域で共に学び生活することは社会の基本であります。
 県教育委員会といたしましては、今後も全ての児童生徒が互いに人格と個性を尊重し合いながら成長できる共生・共育の一層の充実に努めてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 山田誠君。
(五十五番 山田 誠君 登壇)
○五十五番(山田 誠君) 答弁頂きありがとうございました。
 本当に特別支援教育というのはですね、その子その子に合った教育をしっかりとすることによって少しでもその学校の中でみんなと共に生活をしていく、こういったことが重要であります。
 先ほど答弁の中に分校の設置についても前向きに考えていくということでありましたが、もう待ったなしのところが実は静岡北特別支援学校であります。もう特別教室も全て潰して教室にしている状況、こうなってきたらもう本当に教育の質がね、ちゃんとできるのか、質が保てるのかということなんです。やっぱり現場をしっかりと、これ見てもらいたいと思っています。現場の先生方は非常に困っています。教室だけじゃなくて職員室ももう足の踏み場もというか、通路も取れないぐらいの先生が大量に一部屋に入っているという現状。そういったものをしっかりと、これ教育委員会だけじゃなくて県当局もしっかり見てもらいたいと思います。何名の方があの現状を見ているのか、私もそれは分かりません。しかし現状を見れば本当にこれは大変なことだということが分かると思います。
 よく知事が現場主義、現場主義と言われます。やっぱり現場見た上でやらなきゃいけない。本当にそういったことをしっかりとやることが私は重要だと思っていますのでぜひともそのことはお願いしたいと思います。
 そして消防団についてでありますが、本当に熱海の消防団は頑張ってくれたと思います。東北の震災では二百名余が活動中に死んでるんです。そういったことを考えてやっぱり消防団というのが地域でどれだけ必要なのか。例えば県の職員でも地元にいれば最初の三年間、五年間消防団に所属するとか、そういったことで本当に必要性がどうなのかということを知ってもらう、そういったことも私は重要だと思います。公務員がやれないということはないんです。トップの知事が承認をすれば誰でもなれるんです。そういったことも、県消防協会の総裁である知事もぜひ考えていただきたい。私からそのことを要望して質問を終わります。以上です。(拍手)
○副議長(竹内良訓君) これで山田誠君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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