本会議会議録
答弁文書
令和2年12月静岡県議会定例会
大石 健司 議員(無所属)の 一般質問 に対する答弁
(質問日:12/08/2020番目)
答 弁 者 | : | 知事 |
○議長 (山田 誠君) 川勝知事。
○知事 (川勝平太君) 大石健司議員にお答えいたします。
リニア中央新幹線整備への県の対応についてのうち、 ルート変更等をめぐる私と副知事の発言のそごとについてであります。 そごはないということなんですが。
私は、 リニア中央新幹線には長く関わりリニア中央新幹線整備には賛成してまいりました。 現在も推進すべきものという考えに変わりはありません。 しかし大井川流域市町の生活や経済活動に必要不可欠な命の水である大井川の水資源並びにユネスコエコパークに登録されている世界に誇る南アルプスの貴重な自然環境に悪影響が出るということであれば、 これは決して認めることができないということでございます。
議員御指摘のとおり私は、 中央公論十月号ではなく十一月号ですが、 命の水を戻すことができないのであればリニアルートのうち南アルプストンネルルートは潔く諦めるべきであるというふうに最後のところで書いたところを御引用なさいました。 これはルート変更というふうにも取れるでしょう。
もとよりルート変更というのは極めて大変なことで、 これが容易でないことは十二分に承知しているものであります。
しかしながら、 命の水を失うことはそれ以上に流域住民にとって受け入れ難いものであるということはJR東海の関係者並びに国策を進めていらっしゃる方々、 全国の皆様にもぜひ理解していただかねばなりません。 ルート変更ありきというものではありません。 まずはJR東海に南アルプスの特殊性を踏まえた環境影響評価を実施していただかなければなりません。
大井川の水資源及び南アルプスの自然環境に悪影響が出ないよう万全の対策を講じていただかなければなりません。 それを言う根拠はJR東海が有識者会議に提出された資料にトンネル周辺の尾根部では局所的に地下水位が最大三百メートル以上の低下があるという記述がございます。 つまり生態系に悪影響が出ると記されているわけです。 これが科学的に正しいというふうになりますと、 これは極めて深刻な問題です。 なぜならばこれはそもそも環境影響評価手続の中で議論されなかった論点です。 しかも環境大臣意見におきましてユネスコエコパーク申請地の資質を損なうことがないようにと明記されております。 申請地と書かれているのは、 大臣意見が出たのはユネスコエコパークに認定する前のことだったからであります。 地下水位が三百メートル以上下がるということであれば南アルプスの自然環境に激変が生じるということであります。
難波副知事は、 水や自然環境への影響を回避できればルートを変更する必要がないと言われました。 影響がないならばルート変更は全く必要ありません。 しかし影響があればどうしますか。 そこを考えなくてはならないということです。
こうした考え方は、 難波副知事並びにくらし・環境部ほか県庁で関係者共有しているところであります。 したがってそごはないということです。
現在、 国土交通省の有識者会議におきまして引き続き対話を要する事項四十七項目のうち目下は水資源に関する議論だけが行われています。 今後こうした生物多様性についても議論が行われることになります。 残土置場につきましてもそうです。 水量だけでなくて水質についての議論もそうであります。 そこにはもちろんいわゆるヒ素ほか重金属の問題も関わってまいります。
リニア中央新幹線整備と大井川の水資源の保全並びに南アルプスの自然環境の保全、 これが科学的に確認され、 そして県の専門部会に持ち帰られ、 それが専門部会の下で県民の皆様の御理解を得ることが必要であります。
県といたしましては、 今後も国の有識者会議や県の専門部会におきまして工事によってどのような影響が起きるリスクがあるのか、 そのようなリスクをどのように回避、 低減できるのかについて住民の皆様が懸念、 不安を抱かれていますので、 これを払拭するよう分かりやすい説明をする説明責任がJR東海にありますのでこれをJR東海に求め続けてまいります。 以上であります。
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