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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

坪内 秀樹 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/02/2021

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 沼津駅周辺総合整備事業について
2 清水町内の交通渋滞緩和に向けた取組について
3 アーツカウンシルしずおかについて
4 静岡がんセンターの外来環境の改善に向けた取組について
5 知事の年末年始の帰省における危機管理について


○議長(山田 誠君) 次に、十四番 坪内秀樹君。
       (十四番 坪内秀樹君登壇 拍手)
○十四番(坪内秀樹君) 私は、自民改革会議の所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長及びがんセンター局長に分割質問方式にて質問をいたします。
 初めに、 沼津駅周辺総合整備事業について伺います。
 当事業は県東部地域の拠点としてふさわしい沼津のまちづくりを推進しにぎわいと活力ある都市へと成長させる極めて重要な事業であり、その整備効果は私が住む清水町や隣接する市町にまで波及することが期待されていることから事業の進に非常に注目しているところであります。この事業の中核を成す沼津駅周辺の鉄道高架化については、事業構想に着手してから三十年以上が経過をし沼津市長選をはじめとして様々な選挙において争点になるとともに、市長のリコールを求める市民の署名運動や陳情、住民投票が展開されるなどしてきました。
 用地取得が始まってから二十年以上が経過した昨年四月、新貨物ターミナル用地について土地収用法に基づく裁決が下り明渡し期限が定められました。その最終期限の昨年十一月を過ぎても元地権者のお一人が応じなかったことから行政による代執行が行われ、ようやく新貨物ターミナルの用地取得が完了いたしました。これまでに貴重な財産を手放し、この事業に御協力を頂いた地権者の皆様には心から感謝をいたします。
 さて、川勝知事が就任されてからここまでくる間には幾つかのポイントがあったかと思います。
 一つは就任早々に貨物不要論を展開したことであります。平成二十二年一月の定例会見で知事は、JR貨物は国内貨物輸送の〇・七%、そのうち沼津が占めているのははるかに低い、JR貨物のほうにもう将来はないのではないか要らないのではないかと述べ、平成二十二年二月定例会では私が知事である限りにおきまして強制収用の許可はしないとも述べられました。
 二つ目の転機はパブリックインボルブメントの手法を導入であります。不要論を論じた知事は、白隠禅師ゆかりの松蔭寺に賛成派と反対派を集め公開の下で議論を交わした後有識者会議の設置をしました。その結果会議の提言を受け平成二十三年六月に住民との合意形成のためパブリックインボルブメントの方式を導入することとし、この手法による検討に約二年の歳月を費やしました。
 そして、三つ目の転機は知事が事業推進を表明したことであります。平成二十六年九月定例会の知事提案説明において、原地区に最新式の貨物ターミナルを整備する方針を示し不要論から一転事業の推進を表明しました。長い回り道の末ようやく再度前進に向けてかじが切り直されたのであります。
 私が挙げたこの三つの期間で四年、貨物不要を展開してから現在まで十年もの歳月がかかったということです。まさに知事の発言により地元に混乱を起こし地域の発展が大幅に遅れたのであります。
 とはいうものの、地権者の皆様の御協力によりいよいよ工事の着工を見据える段階になってきました。これまでの遅れを取り返すためにも予算の確保が必要です。昨年度からこれまでの社会資本整備総合交付金事業に代わって国庫補助事業として採択されているということであり、国もこの事業の必要性を認めています。
 そこで、今後工事着手に向けどのように進めていくのかお伺いをいたします。
 次に、清水町内の交通渋滞緩和に向けた取組について伺います。
 国道一号をはじめとする清水町内の主要な幹線道路の多くにおいては、朝夕の通勤・通学時間帯には毎日のように激しい渋滞が発生し日常生活の大きな支障となっております。
 静岡県道路交通渋滞対策推進協議会が公表する地域の主要渋滞箇所・区間にも位置づけられ、テレビやラジオから流れる道路の渋滞情報では清水町八幡交差点の名を聞かない日はありません。これまでにも関係機関による交通渋滞緩和に向けた様々な取組が進められてきました。最も大きいものとして東駿河湾環状道路の整備では国道一号を中心に渋滞緩和の効果が目に見えて現れております。
 そのほか、国道一号を横断する町内南北交通の渋滞についても県や清水町による整備が実施され渋滞状況の改善が少しは図られてまいりましたがまだまだ足りない、町内南北交通を改善するために中長期的な取組を求める声が地域から上がっております。町内の南北交通を担う路線のうち国道一号八幡交差点に接続する県道沼津三島線は町内の住宅地とJR三島駅方面を結ぶバス路線でもあり、二次救急医療機関である静岡医療センターに向かう救急搬送ルートとしても重要な路線でありますが、国道一号との交差点部に右折レーン等がなく改善に向けた取組を進める余地があるのではないかと考えます。
 そこで、国道一号八幡交差点の県道沼津三島線側における交通渋滞緩和に向けた取組について伺います。
 次に、アーツカウンシルしずおかについて伺います。
 平成三十年十二月の本会議の場で私は、各地で受け継がれる童謡、唱歌の文化的価値を発信していくことで地域資源として活用していくべきと質問をいたしました。難波副知事からオリンピック・パラリンピック文化プログラムとして静岡県の郷土唱歌をテーマとするコンサートを開催する旨の答弁があり開催を心待ちにしていましたが、残念ながら新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一年延期となりました。今年こそは無事に開催されることを願うばかりです。その文化プログラムの取組をレガシーとして引き継ぐため本年一月にアーツカウンシルしずおかが設置をされ、地域の文化資源の活用や社会課題の解決に向けた取組など地域と文化芸術やアートの力との協働により地域の活性化を目指していくものと伺っております。
 私の地元であります長泉町では、本県ゆかりの作家井上靖先生の業績を紹介する井上靖文学館を町が事業譲渡を受け運営に当たることになりました。こうした地域の遺産である施設を保存にとどまらず地域住民のためになるよういかに活用するかが重要であると考えます。
 こうした施設の利活用をはじめ地域のために何か活動しようと考えている人はたくさんいらっしゃいますが、それをどのように実現していけばよいのか分からない。専門家が支援しこうした人たちの相談に乗るような役割をアーツカウンシルが担っていくものと伺っていますので、今後の取組についても期待するところであります。
 また、これらの活動の多くは地元有志の方々が自分たちで資金を持ち寄ったり行政や企業の助成金をその都度獲得しながら開催していると伺っています。しかし自己資金を元に続けていくには限界があり、入場料を取るなどしてしっかりと収入を確保したビジネスモデルになるような仕組みでなければ一過性の活動に終わってしまうと危惧されます。
 そこで、アーツカウンシルしずおかにおける地域住民の活動支援において長期的にしっかりと活動が維持できるよう、そして静岡に定着した文化とするようそうした仕組みづくりの構築も視野に入れて支援を進めていくべきと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、静岡がんセンターの外来環境の改善に向けた取組について伺います。
 私の地元長泉町に位置する静岡がんセンターは今年九月に開院二十年目を迎えますが、開院から今日に至るまでがん専門病院として着実に歩みを進め今では日本国内でトップスリーの診療実績を持つまでに成長いたしました。地元の誇りでありシンボル的な存在であります。
 静岡がんセンターは、最先端の高度ながん医療のみならず平成二十七年には患者家族支援センターを設置し、平成二十八年には国内初となる支援療法センターを設置するなど患者・家族を大切にする姿勢も高く評価されています。患者満足度は入院九七・二%、外来九七・六%と目標の九五%を超えております。
 一方で、毎日千人以上の患者が通院し、診療科にもよるでしょうが以前から全般的に外来エリアが混んでいるように見受けられます。会計や薬コーナー等の待合スペースには既設の椅子に座り切れないためパイプ椅子を出して対応しているとも聞いております。現状コロナ禍で院内のソーシャルディスタンスを保つことも大切であり、患者同士が密にならない工夫が必要であります。
 また、開院から十九年が経過し特に外来エリアにおいては経年による一部消耗している備品等も見受けられメンテナンスや増設が必要との意見も聞いております。患者数の増加や医療の高度化等の変化に対応するため、また新型コロナウイルス感染症対策のためにも院内環境の改善が必要であると思われます。
 私は、静岡がんセンターには国内有数のがん専門病院にとどまらずさらに世界を目指してほしいと願っています。そのため今後二十年を迎えるに当たって時代とともに進化する病院になってほしいと切望しております。
 そこで、静岡がんセンターの外来環境の改善に向けた取組について伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(山田 誠君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 坪内議員にお答えいたします。
 沼津駅周辺総合整備事業についてであります。
 沼津駅周辺総合整備事業は、 鉄道で分断された南北の交通の円滑化と市街化の一体化を図るとともに、新たに生まれる土地を活用して人々が集い、交流し、住まい、回遊する都市の顔として再構築しにぎわいと魅力にあふれた県東部地域の拠点都市を創造する極めて重要な事業であります。
 本事業の核となる沼津駅付近の鉄道高架化に向けましては、最初に沼津駅に隣接する貨物駅を沼津市原へと移転し、次に同じく沼津駅に隣接する車両基地を沼津市片浜へと移転いたします。そして移転後の跡地を利用して南北の自由通行を可能とする工事を進めていくという段取りになります。
 私が知事に就任した当時――平成二十一年の秋でございますが――新貨物ターミナル予定地では鉄道高架化への根強い反対により用地取得率は七〇%ぐらいでありました。しかも私が普通にこの原町に入れるという状況でもない極めてとげとげしい状況であったわけでございます。この状況で事業は進めるべきではないと判断いたしました。これは秋のことでございますが平成二十一年の七月に私は知事に就任いたしました。知事になった原因の一つは前知事さんが空港の立ち木問題で辞任を余儀なくせられまして、そして地権者の方は県に対する不信からライフワークとして県と戦うということでございました。その立ち木問題を解決したときの経験がございます。立ち木の後、竹が生えてまいりまして複数本ございました。そして厳しい地権者の態度に接し、よくお話を聞いて結果的には御信頼を得まして竹をお切り頂き、他の反対されている方々も御理解を頂きまして今ようやく治まっているところです。
 しかし、それに至るにはかつてこの県庁の別館の前で焼身自殺があるなど極めて厳しい、何のための公共事業かということがございました。したがいましてこういう大きな事業をするときには、なかんずく関係する地元の人たちの御信頼を得るということは不可欠であります。
 それで、私は一旦立ち止まって有識者会議による事業の再検証、パブリックインボルブメントなどの取組を行い私自身も現場に何度も赴きまして地権者等との対話を重ねました。地権者はやはり地元を愛されている方で待避線ならば許せるとおっしゃったので、JR貨物に直談判に及びまして待避線でいいと。しかしながら荷物の上げ下ろしをできる機能は持ちたいと。何となれば阪神淡路大震災のときに姫路が新しい貨物ターミナルを持っていたことによって西日本の様々なこの荷物をこの被災地に送ることができたと。したがってまた東京でいわゆる直下型の地震が起きたときにこの沼津がこの基地になるので、荷物の上げ下ろしの機能は持っていなければならないとおっしゃった。ただしそれは貨物駅としてではなくてそのような機能を持っていることが大事なので貨物の上げ下ろしはその午前、午後合わせて数回にとどまると、夜は絶対しないと。こういう確約を得ましたので改めて地権者の方々の御要望は入れたと。それ故にこれは進めますということになったわけです。
 その後、残念ながら幾つかのこの誤解等もありまして長く時間がかかったことは誠に残念に思っておりますけれども、最後に残られた地権者の方ともコミュニケーションができまして意思疎通は図れており、いわゆるこの激しい対立というものがない中で今日に至っているということでございます。
 こうした、長く時間がかかりましたけれども事業に対する御理解を得まして用地取得が進したということでございます。これまでに要した年月は振り返ってみますと必要な時間ではなかったかなと認識しているところであります。
 新貨物ターミナルにつきましては、二月十九日をもって用地取得が全て完了いたしましたので来年度は県と沼津市が埋蔵文化財調査をそれぞれ完了させます。また市は新貨物ターミナル用地の造成工事に着手し、県は鉄道事業者の御協力を頂いた上で新貨物ターミナル本体の詳細設計に着手いたします。
 県といたしましては、引き続き沼津市と緊密に連携し新貨物ターミナルの円滑な整備を推進するとともに、鉄道高架本体工事を見据えながら地元住民の御理解を得る努力を最大限に尽力しつつ鉄道事業者や国などとの協議等を鋭意進め沼津駅周辺総合整備事業の着実な前進に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(山田 誠君) 長繩交通基盤部長。
○交通基盤部長(長繩知行君) 清水町内の交通渋滞緩和に向けた取組についてお答えいたします。
 県は、国や市町及び交通事業者などの関係団体等と連携し県内の主要渋滞箇所の緩和、解消に向けてハード・ソフトの両面から取組を推進しております。
 清水町内の渋滞緩和につきましては、東駿河湾環状道路の一部区間の開通により国道一号を通過する交通量が減少しましたが、交差する県道などを含め朝夕の通勤時間帯を中心に自動車の走行速度が時速二十キロメートルを下回る状況が続いていることが国のモニタリング調査により確認されております。
 議員御指摘の県道沼津三島線の八幡交差点につきましては、来年度県が交通量と渋滞の長さを方向別や時間帯別に把握する調査を実施し右折レーンを設置した場合の渋滞軽減効果を検討いたします。この検討では国や清水町などと連携し情報を共有しながら進める必要がありますことから新たな協議の場の設置につきましても調整いたします。
 県といたしましては、 清水町内の渋滞緩和に向けて八幡交差点に関する検討を進めるとともに、国道一号の交通量の分散につながる都市計画道路西間門新谷線の整備促進などについて引き続き関係機関と連携して取り組み、豊かな暮らしと安全・安心を支える道づくりに努めてまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) アーツカウンシルしずおかについてお答えいたします。
 平成二十九年度に開始した静岡県文化プログラムでは文化財や遺跡、商業施設の空きスペースなどを活用した取組や福祉現場を舞台とした取組など住民主体の創造的な取組が県内各地で数多く展開されております。今後もこうした多くの文化芸術活動が生まれ地域に根づき着実な成果に結びつくことが重要であります。
 このため、新たに活動を開始する方々に対し適切な支援を行い実現に結びつけるとともに、その活動が長期的かつ持続的に成り立つよう資金面についてもサポートする必要があると考えております。
 文化プログラムの参加団体のうち、無人駅の芸術祭大井川は立ち上げ当初からプログラムコーディネーターが助言等を行い県内外から多くの観覧者が訪れる地域の芸術祭として定着してまいりました。またそのほかにも地元企業の協賛やクラウドファンディングの活用、オンラインによる有料配信など資金確保の様々な工夫を重ね事業の継続を実現している団体も出てきております。
 アーツカウンシルしずおかでは、文化プログラムで培ったノウハウを生かしプログラムコーディネーターによる活動への助言等を行うとともに、税理士や中小企業診断士等の専門家が資金面における相談に応じるなど様々な角度からその活動をサポートしてまいります。事業のスタート段階から長期的視点に立った支援を行うことにより地域の特長や資源を生かした住民主体の創造的な活動が定着し持続して展開されるよう取り組んでまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 小櫻がんセンター局長。
○がんセンター局長(小櫻充久君) 静岡がんセンターの外来環境の改善に向けた取組についてお答えいたします。
 平成十四年の開院以来、静岡がんセンターは患者・家族の心を癒やすことを目標に掲げ、これを病院設計や運営に反映させ患者さんの心を明るくするよう富士山など周囲の景観を利用したり庭園を充実させたガーデンホスピタルなどゆとりのある空間づくりを実現してまいりました。特に外来環境につきましては、一日に千二百人の患者さんが来ることを想定いたしまして待合の椅子やソファーは余裕がある配置を心がけてまいりました。
 今年度はコロナ禍にもかかわらず外来患者さんが一日当たり千二百四十人に達しておりまして、呼出し受信機を活用して混雑する場所以外でお待ち頂いたり臨時的に椅子を配置して対応せざるを得ない日も発生しております。
 また、毎年実施しております患者満足度調査の令和元年度の調査結果では、「薬を受け取るまでの待ち時間」に不満またはどちらかといえば不満という回答が三六・二%と最も高くスピーディーな外来処方と混雑緩和が課題であると認識しております。
 そこで、外来棟と患者用駐車場との間に新たな建物を整備しお薬コーナーの移設等を含めた改善計画を現在検討しているところであります。今後建築設計を経て一年後の着工を目指してまいります。
 また、議員御指摘のとおり待合のソファー等経年で老朽化している備品につきましても、計画的な更新を進めているところであります。さらに新型コロナウイルス感染症対策といたしまして現在発熱外来の新設や救急外来の改修を進めているところでありまして、コロナ禍においても県民の皆様から信頼されるがん専門医療機関として引き続き改善に努めてまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 坪内秀樹君。
       (十四番 坪内秀樹君登壇)
○十四番(坪内秀樹君) それぞれに御答弁ありがとうございました。
 着実に一歩ずつ進めていただくことと、それからスピード感を持って進めていただくことと様々あると思いますがよろしくお願いしたいと思います。
 一つだけ、意見、要望をさせていただきたいと思います。
 沼津駅周辺総合整備事業の関連であります。
 先ほど、知事の答弁の中で代執行、最後の残った地権者としっかりとコミュニケーションが取れたという答弁を頂きましたが、知事は二月二十四日の記者会見で代執行後の元地権者宅に事前の予約をなしに訪れ代執行のおわびを述べた後、地元地権者に対し、最後まで筋を曲げなかったことは誠に立派だと思っていると伝えにこやかに別れたと記者会見で語りました。知事の会見を受けて地元地権者の方は、知事が突然来て一方的に話し私はどうこう言う暇がなかった、けんかをするつもりはないが知事に対し裏切り者で許せない思いは今も変わらない、自分勝手にしゃべっていってパフォーマンスではないかと激しく反論していると新聞やテレビで報道がされました。この認識の食い違いは何なんでしょうか。
 代執行したにもかかわらず円満をアピールしたような過ぎるパフォーマンスであり、多数いた元地権者は新たな不快感を生じたかもしれません。さらには沼津市や県の担当職員が昼夜を問わず懸命な地権者への説明や用地交渉に取り組んだ事業であり、こうした思いの籠もった事業に対し知事は代執行が行われた後に、最後まで筋を曲げなかったのは誠に立派だと、知事が軽々に発する発言ではなく、まるで人ごとのように言い、相変わらず上から目線の発言は今までの川勝知事の数々の不適切な発言と含め県行政のトップとして資質を疑います。
 時々に変節する発言やパフォーマンスではなく、行政事業に関係する全ての方々に感謝と心を寄せた発言をされるよう要望いたします。
 最後に、知事の年末年始の帰省における危機管理についてお伺いをいたします。
 知事は行政のトップであり、その一挙一動に多くの県民が注目しており範を示すべき立場にあります。しかし相変わらず県民感覚とはかけ離れた言動により県民の信頼を損なうような事態が散見されます。県民に対して年末年始の不要不急の帰省を控えるよう呼びかけていたにもかかわらず、お構いなしに軽井沢の自宅へ帰省されたのが最たるものであります。
 知事は、昨年九月の我が会派の藤曲議員の代表質問に対し、常に市町や地域の実情をしっかり見定めまして現場主義を実践し、全体の方針決定と現場の実情に応じた柔軟かつ適時適切な判断に努めて市町とも連携し新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでおるところであり、かけがえのない県民の命を守ってまいりますと答弁しました。
 では年末の状況といえば、東京都をはじめとする首都圏では新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず緊急事態宣言の再発令が取り沙汰されるなどして他知事は対応に追われ奮闘する姿がよく見られました。まさに危機的な状況が続いていました。
 首都圏に隣接する本県においても年末の東部地域における病床占有率が約六〇%で推移する病床が迫した状況にあるなど危機的な状況に陥るおそれがある中、コロナウイルス感染リスクもいとわず懸命に対応していただいた医療従事者はもちろんのこと県の関係部局、保健所の職員、昼夜を問わず新型コロナウイルスの対応に奔走していたのであります。それにもかかわらず会食のお誘い等を避けるため十二月二十六日から一月三日までの九日間も現場である静岡県を離れた、 放棄したとも取られることをしたのであります。
 県行政のトップたる知事が静岡を離れることは、緊急時の対応に遅れを招きかねず危機管理の上で問題だったと言わざるを得ません。危機事案への対応が必要だからこそ知事公舎は県庁近くにあるんじゃないんですか。片道四時間ほどもかかる軽井沢にいて山小屋でベートーベンを聴いている最中に仮に緊急事態が発生した場合、現場の実情をどう把握をしどう判断をするおつもりだったのでしょうか。
 知事は、一月四日の記者会見では今回の帰宅は県の定める県境をまたぐ不要不急の移動に関する行動制限にのっとっている、問題ないとしていました。当時首都圏一都三県では不要不急の外出自粛要請が出ていたとはいえ長野県はこれらと同じ特に慎重に行動でした。年末年始の不要不急の帰省自粛を県民には要請しておきながら知事は私用で長野に行ったわけです。自ら範を示す立場にありながら自覚が足りないと言わざるを得ません。これでは県民の信頼、尊敬、共感を得るどころか、トップの県民生活への影響に対する危機意識のなさや無関心、県民への寄り添いがないと政治不信にまでつながるのではないかと大いに憂慮しております。
 今回の件はいっときの気の迷いから至ったものなのか、それとも誰かに現場を託して軽井沢に行ったのか、あるいは今回は現場を離れても問題ない状況と判断したのか県民に分かりやすく説明する必要があると思います。はたまた、この知事の陣頭指揮を執るという強い責任感欠如な行動を止める県職員はいなかったのでしょうか。
 そこで、年末年始に軽井沢に帰省したことについてどのようなお気持ちで、認識でいるのか、危機管理上の観点も踏まえ知事の考えをお伺いします。以上、答弁を求めます。
○議長(山田 誠君) 難波副知事。
○副知事(難波喬司君) 知事の年末年始の帰省における危機管理についてお答えをいたします。
 まず帰省という言葉ですが、広辞苑によれば故郷に帰って父母の安否を問うこと故郷に帰ることという意味となっております。故郷に帰って父母の安否を問う帰省はふだん同居していない父母、祖父母と一緒に過ごすことになります。よって帰省は重症化しやすい高齢の方々の感染リスクを高めることになります。
 静岡県においては首都圏等からの帰省者が多いことが特徴と言えます。昨年の年末は首都圏等の感染の蔓延状況は大変厳しい状況にありましたので、県外の方を含め皆様に年末年始の不要不急の帰省を控えるようお願いをしたところであります。
 今回知事が軽井沢へ行ったことが不要不急の帰省であったとのことでありますが、先ほどの定義から分かりますようにこれは帰省とは言えません。知事の場合故郷に帰って父母の安否を問う行き先、それはすなわち帰省先でありますが京都ということになります。
 御指摘のありました危機管理の対応につきましては、年末年始にかかわらず常時知事や副知事、危機管理監など危機管理幹部職員とは連絡が取れ知事から指示が得られる体制を確保しております。また副知事等による危機管理当番を決め、何かあれば当番の副知事等が県庁へ短時間で登庁できる体制を常に確保しております。 去る年末年始におきましては副知事が常に静岡市内におり万が一の場合の初動体制は整っておりました。加えまして県内の感染状況につきましては日々知事に連絡し、必要があれば知事は直ちに静岡に戻る行動が取れる状態でありました。
 このように、年末年始における危機管理体制に問題はなかったというふうに認識をしております。以上であります。
○議長(山田 誠君) 坪内秀樹君。
       (十四番 坪内秀樹君登壇)
○十四番(坪内秀樹君) 意見、 要望をいたします。
 まず、そもそも軽井沢に行ったことについてでありますが、静岡から片道四時間ほどかかる上に、まして冬の積雪期の危険もある中七十二歳になる御高齢の知事が自分で運転すること、これこそ御自身の危機管理がなっていないのではないかと思います。
 また、現場である静岡県の危機管理の対応について今御答弁頂きましたが、副知事などの幹部職員による体制が整っている、万一の場合には直ちに静岡に戻れるよう準備していたと言うのですが、今おっしゃる直ちにというのはどれくらいの時間を指すのか、またどのような方法で直ちに戻ってくることができたのか定かではありません。が、トップ不在の危機管理体制が本当に適切だったのか、あまりにも無責任ではないでしょうか。
 大勢の方が年末年始の挨拶等にお見えになるなら、感染防止のためということで丁寧に説明さえすれば理解は得られたはずであります。私たちでさえそのようにしておりました。知事の帰省に対しては県民から約百件の批判的意見が届いているようですが、知事はこれらを受け止めていらっしゃるのでしょうか。このような危機感の欠如とも取れる行動を見ると、かけがえのない県民の命を守るといった威勢のいい言葉もむなしく響きます。
 そして、さきにも述べた懸命に力を尽くしていただいている医療従事者の皆様、保健所をはじめとする職員の皆様、コロナの影響を受けてビジネスで苦しくなっている飲食や観光、サービス業界をはじめとする企業や商店の皆様、離職や生活困窮をしている皆様などなど不安で困っていらっしゃる方々がそこにいることを、さらには自殺者までも増加している状況において記者会見での山小屋でベートーベンを聴いて新年を迎えたとの発言は県民感情を逆なでするものでありました。
 私は、政治は県民と共にあるものと考えています。県民のために政治はあるのです。覚悟と意思、決断力を持って県民に語りかけ導いていく政治家の知事像が望ましいと思っています。
 川勝県政が長期化する中で知事に真っ当に意見する人材が周囲にいなくなっているのではないかと憂慮します。トップに物が言えず、結果として組織の危機管理が十分に機能しない、根深い問題であります。組織にゆがみが生じているとすればその責任は知事にあります。自らのこれまでの振る舞いを振り返り大いに反省をし残り少ない任期を全うしていただきたいと思います。以上、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(山田 誠君) これで坪内秀樹君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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