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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年9月静岡県議会定例会

中澤 通訓 議員(ふじのくに県民クラブ)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:10/01/2020番目)
答 弁 者知事


○議長(山田 誠君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 中澤通訓議員におかれましては、八つの御質問を頂戴いたしました。いずれもそれぞれに立派な御見識を入れ込んだ上での御質問でございましたが、私はそのうちの二つについてお答えをいたします。
 まずは、リニア中央新幹線整備への対応についてのうち、国の有識者会議についてであります。
 国土交通省がJR東海に対して指導することを目的に本年四月有識者会議が設置されました。この有識者会議の設置に当たりましては、国交省と静岡県との間で五つの合意事項がございます。そのうちの第一が全面公開ということでございます。国策でございますから国民に広く知っていただくということで全面公開ということでございます。
 第二点は、静岡県が一年半かけて専門部会で全面公開の中で議論したものが四十七項目にまとめられましたので、その四十七項目全てを御議論賜るということです。
 第三点は、国交省はJR東海に御指導されるお立場でございますから、しっかりとした御指導をしてくださるということが第三点です。
 第四点、第五点は、これはそれぞれ委員に関わることでございまして、委員は中立公正であること。そしてなかんずく第五点、座長は中立性が保証されていることということでございました。内々に最初に座長候補として上がってきた人は公表されたときに分かったことですけれども、JR東海の利害関係者でありました。しかしそれが分かった時点で、その方は退かざるを得なかったということでございます。現在の座長先生にも本当に中立性があるかどうかということが、不信が出てきているという状況でございます。
 その中で一番大事、五項目、合意五項目の第一である全面公開がこれまで実行されておりません。大井川流域住民の方々、流域の企業の皆様等はどういう議論が行われているのかがよく分からないと。それからまたいわゆるこの沿線の都県ですね、その方たちもこの議論の行方に非常に御関心を持っておられますが、その方たちにも公開されておりません。そうしたことで不満があるということです。全国の方々に議論の状況を正確に理解していただく必要があります。このため会議の全面公開はこれまでと同様強く求めてまいります。
 有識者会議では引き続き対話を要する事項四十七項目を議題としていただいておりますが、現在議論していただいているのはトンネル湧水の全量の戻し方と中下流域の地下水への影響に関する六項目であります。この議論の大きな柱は流量――水量ですね、水質、それから残土処理の問題、それから生態系とこういう四つの大きな柱の中でそれぞれ個別の項目が入っていると。こういうことのうち目下のところはその水量における六項目が議論されているということで、まだ入り口の段階にございます。
 この問題につきましては、県の専門部会で一年半にわたり対話を進め論点はそれなりに煮詰まりましたもののまだ見解の相違がございまして対話が進まない状況となったところで有識者会議が設置されて議論されることになったということでございます。そして四月二十七日の第一回目以降五回有識者会議が開催されましたが、国を代表する有識者が議論しているにもかかわらずまだ結論が出せるような段階には至っておりません。
 このように言わば流量一つとりましても、この問題についても有識者会議が結論を出すために時間を要しているということは、これまでのJR東海の計画案が不十分ではなかったかという、そういう印象が強うございます。
 生物多様性は大変関心のあるところでございます。ユネスコエコパークでございますものですから。これに関しましては昨年九月の十二日並びに十三日の専門部会開催以降JR東海が出席する形での専門部会が開かれておりません。なぜかといいますと、これはJR東海の説明資料の作成が遅れていると。JR東海さんの御説明によればその作成が遅れているので、したがって専門部会が開催できないという、そういうことで開かれていないわけでございます。このような状況にありまして、仮に国の有識者会議におきまして生物多様性について議論を進めようといたしましても有識者会議で議論を行うに足る資料がないということにもなりかねません。
 県としましては、もう既に生物多様性につきましては国の有識者会議でまだその専門とする委員が選定されていないわけです。そこで有識者会議の委員の選定を国土交通省に進言いたしまして、どのような方が委員になられるのですかと何度もお問合せをいたしましたが返事はありません。
 ともあれ、この生物多様性につきましてはまず県の専門部会でしっかりと検討、協議をして、その後煮詰まったものを有識者会議で諮るというのが筋ではないかと考えております。また議員御指摘のとおり積み残しの問題点を機会あるごとに県の専門部会でしっかりと検討、協議をいたしまして有識者会議に諮ってまいりたいと思っております。
 有識者会議の結論はもとより尊重するべきものです。しかしながらこの最終的なこの会議の生かし方はどういうものであるかといいますと、有識者会議で議論していただく四十七項目というのは専門部会がまとめた四十七項目でございますので、有識者会議でまとめられたその結論を専門部会のほうに持ち帰りまして、これをオープンにいたしまして流域住民の方々また企業の方々、その方たちにも分かるようにJR東海をも交えて御説明をしてそして最終的には環境大臣意見、国交大臣意見にございますように流域住民の理解が不可欠とございますから、その流域住民の理解が得られて初めて有識者会議の結論も生きてくるということになろうと考えております。
 続きまして、浜岡原子力発電所の再稼働についてでございます。
 浜岡原子力発電所は、平成二十三年五月に国からの要請を受けて全ての原子炉が停止いたしました。平成二十三年の三月に大事故が東日本大震災がございまして、その二か月後停止して現在に至っているということでございます。
 福島第一原子力発電所の事故を踏まえて平成二十五年六月に国は新たに規制基準をお定めになりました。そして全ての原子力発電所に対して同基準を満たすことを求めています。これを受けて中部電力は、南海トラフ地震による津波に備えた防波壁の設置や非常用電源の高台への設置など津波対策工事等を実施されているところであります。また中部電力は国に対し平成二十六年二月に四号機、平成二十七年六月に三号機の新規制基準適合性審査の申請を行われて、現在原子力規制委員会におきまして想定する地震動や津波等の審査が継続しているというのが現状です。
 使用済み核燃料につきましては、議員御指摘のとおりその処理方法が確立しておりません。浜岡原子力発電所の使用済み核燃料のこの置いておく容量というのが公表されておりますが、九千九百五十体がその使用済み核燃料をしばらく置けるその容量でございます。ところが既に八千九百四十二体の使用済み核燃料が保管されております。したがいまして差引き一千体、正確には一千八体分となっております。
 そして、仮に浜岡原子力発電所が再稼働いたしますと、全部で一号機から五号機ありますけれども一号機と二号機はもう廃炉が決まって、今その処理が行われていると。三号機、四号機、五号機と三機ございますね。大体十三か月で燃料棒の取替えをいたします。これ通常定期点検と言っておりますけれども、大体三百体というのが通常でございます。三百体替えますとどうなるでしょうか。十三か月後すなわち一年余りになりますとその三百体を取り出さなくちゃいけません。ところが取り出して置ける場所が一千体分しかありませんから、したがいまして新たにこの再稼働いたしましても、この発生する使用済み核燃料がございますので僅か一年ないし二年で燃料プールが埋まってしまうということになります。
 そしてまた、この搬出先につきましても青森県六ヶ所村の再処理工場がまだ運転を開始しておりません。このような状況を踏まえますと、浜岡原子力発電所につきましては現在は再稼働できる状況にはないという現状認識に変わりはないということであります。
 原子力発電所は安全の確保が何よりも重要です。もとよりああいうシビアアクシデントを経験しておりますから怖いと。だから廃止してほしいという気持ちは分かりますけれども、この間平成二十三年から今令和二年です。もう十年たちました。にもかかわらずメンテナンスがうまくいっているのはですね、そこで働いているほとんどが静岡県民です。三千人近い人たちがこの緊張感を持って維持管理をしているからです。もし廃止しろというように周りの人たちが大きな声をかけるとあなたのお父さんはあなたのお兄さんはあそこで働いているのかけしからんということがあって、いじめが起こりかねませんね。ですからそういうふうになりますと、そこで働いている人たちの士気に関わるわけです。もしそれがですね、士気が落ちますとあの「もんじゅ」と一緒でございまして、点検がおろそかになってもう取り返しのつかないことになると。つまりシビアアクシデントにつながりかねないわけです。ですからいかにしてこの停止中の浜岡原発を健全に維持管理するかというのは極めて重要な問題です。
 そこで、中部電力と県とは浜岡原子力発電所を研究の対象とすることで全国に、いや海外にも含めて研究公募をしまして浜岡原子力発電所に関わる研究をしていただいてもう十年近くなります。毎回十件ぐらい研究成果が出ましてそしてその成果を発表すると。ですから意味のある形で存在しているんですね。何と言っても安全ですから。ですから原発がどうなるのかということについてはいろんな議論があるでしょう。
 皆様方御存じのように一号機というのは五十四万キロワットだったわけです。ところが一番最後のこの五号機というのは百三十八万キロワットです。ですから一号機から比べますと出力は二・五倍なんですね。だんだん大きくなってきているわけです。大きくなればなるほどそれに対する何ていいますか維持管理というのは難しくなります。
 大学でも原子力の研究しています。何にも言いません。なぜかというとコントロール可能だからです。なぜコントロール可能だからというとそれは小さいからですね。例えば私はどれくらい小さくすれば利益もあり、かつそのコントロール可能かというふうな研究も可能ではありませんかなどと提案したこともあります。
 核分裂をいたしますとこれは放射能が出ます。核融合すなわち太陽みたいなものでありますけれども、今浜松ホトニクスがやっていらっしゃるようなああいう核融合をすると放射能は出ませんから、そういう研究もどうですかと。そういうことでですね、いろいろな形で浜岡原子力発電所に働いている方たちがそれなりのやる気を持っていないと、これはかえって危険になると。ですからこうした問題についてはそこで働いている人が県民であるということをよく考えていなくちゃいけないと。現状は動かそうにも動かしてもすぐに止まるということですから、実際経営者はどのように言われようとですね、数字が物語っておりますから動かせる状況にはないということなのであります。
 県といたしましては、県民の安全・安心なかんずくそこで働いている人の安全と安心のために国に対して厳正な審査を求めるとともに、中部電力との関係は非常に信頼関係ができています。不定期ですけれどもこの定期的な形で最初は水野さん、社長でした。勝野さんに替わりました。今、林さんですね。その幹部と情報交換をしておりまして、恐らく原子力を持っている九つの電力会社がありますけれども、静岡県と中部電力ぐらい信頼関係のある電力会社はほかにないと自信を持って言えます。にもかかわらず中部電力に対しては徹底した安全確保を引き続き求めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を差し上げます。

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