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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年6月静岡県議会定例会

渡瀬 典幸 議員(自民改革会議)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:07/18/2017番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 渡瀬議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、今後の私流、いわゆる川勝流の政治手法についてであります。
 私は、知事就任以来主役はオール県民であるという視点に立ちまして、県民幸福度の最大化に向けまして関連の文献や書類を読むことはもちろんのことでございますが、何よりもみずから現場に赴き現場で学ぶフィールドワークをしっかりいたしまして、現場に即した政策を立てる現場主義に徹して県政運営に取り組んでまいったところでございます。
 このたびの選挙におきましては、この県民本位の姿勢や二期八年間の県政運営の成果を評価していただけたものと考えております。三期目におきましても現場主義、県民本位、公平無私、オープンそして前倒しというこれまでの政治手法を貫いてまいります。
 選挙期間中は、県内各地を広く訪れ多くの県民の皆様からさまざまな御意見をじかにお伺いし、お一人お一人の声を政策立案に生かしていくことの大切さを改めて認識いたしました。
 特に、三十五市町の首長さんのうち唯一、静岡市長との関係につきましては無用な誤解や混乱を招いているという心配の声が寄せられました。私はこうした御忠告を謙虚に受けとめることが重要であると考えております。宮沢賢治の詩にございますようにあらゆることを自分を勘定に入れずによく見聞きし、わかり、そして忘れず、決して怒らずという姿勢に徹するとの思いを固めまして仏の川勝になると申し上げたところでございます。
 静岡市とは、県民、市民の実利の向上の視点から調整を要する施策につきまして虚心坦懐に話し合い、県市の一層の連携を進めてまいることを約束いたします。また県民の負託を受けてともに二元代表制を担う県議会の皆様とはオールサイドの姿勢で、緊張関係を保ちつつもお互いの立場また意見の違いを尊重し意を通じ合う努力を重ねながら堂々と政策論を展開し、無用なあつれきを生むことのない建設的な関係を築いてまいりたいと念願しております。
 今後とも、常に和をもってとうとしとなす、いかにも和して同ぜずという精神でございます。県民本位、県民ファーストの県政運営に取り組んでまいりますので県議会の各位の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 次に、県政ビジョンについてであります。
 私は、知事就任以来富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりを県政運営の基本理念に掲げ、徳のある人が物心ともに豊かに幸せに暮らす地域を実現し、本県を美しい富士山の姿のように世界の人々から尊敬され仰ぎ見られる存在とするべく全力で取り組んでまいりました。これまで富士山の世界遺産登録を皮切りに一カ月に一件を超えるハイペースで世界クラスの資源、人材群が顕在化し、まさにふじのくにの立ち姿が世界のひのき舞台にあらわれつつあります。今こそ富国有徳のふじのくにを世界に向けて展開、発信するべく、本県の将来ビジョンを示す時を迎えているという認識を持っています。
 我が国日本は、人口減少の進行、超高齢社会の到来を初めやがて世界各国が直面する大きな課題を共通して抱えております。しかし一方、世界一の健康寿命を誇り高い技術力や人材が蓄積する我が国は、これらの課題を克服し明るい未来を切り開き誰もが夢を実現できる場所となると確信しております。日本に対する楽観でございます。そして日本の国土の象徴である富士山を擁し世界クラスの資源や人材群を誇る本県は、その先導役を担うに最もふさわしい地域であると確信しております。ふじのくにを誰もが希望を持ちみずからの夢を実現して幸せを実現できるドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点としてまいりたいと考えております。
 次期総合計画の策定に当たりましては、こうした富国有徳の理想郷、美しいふじのくにづくりに向けた本県の将来ビジョンをお示しし、県議会や総合計画審議会などを通じまして広く御意見を賜り議論を深めることにより県民の皆様としっかり中身を共有してまいりたいと存じます。あわせてこれまでの政策の総括評価を行い、県民の命を守り福祉を充実させ一人一人が物心ともに幸せを実感できるような政策を企画立案し、オール静岡で推進することによりビジョンを実現してまいる覚悟であります。
 静岡県のさらなる発展のため、オールサイドの立場で全身全霊を尽くして県政運営に取り組んでまいりますので、県議会各位の御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 次に、中小企業を中心とした経済対策についてのうち、今後の経済施策についてでございます。
 県民の豊かな暮らしを実現していくためには富をしっかりつくっていくことが不可欠であります。本県企業が活発な活動を続け、経済が持続的に発展をしていくようにすることが極めて重要です。そのため県では本県経済の成長を力強く牽引する次世代産業の創出と豊かさを支える地域産業の振興を図ってきたところであります。
 特に、県内企業の九九・八%を占め地域の産業や雇用を支えている中小企業、小規模企業に対しましては、これまでも経営革新計画の策定、販路開拓、県の制度融資、人材の確保・育成などさまざまな支援に取り組んでまいりました。さらに本県経済の屋台骨であると言うべき中小企業、小規模企業のさらなる発展を図るため、昨年十二月に中小企業・小規模企業振興基本条例を皆様の御理解のもとに制定いたし、特に経営資源が不足する小規模企業に対し必要な施策を講じることといたしました。
 具体的には、小規模企業が経営力向上のために取り組む新商品の開発、販路開拓等々の事業に助成をいたしますとともに、小規模企業が直面する経営課題に対しましてよりきめ細かなアドバイスを行う指導員を新たに県内三カ所の商工会に配置し支援体制の強化を図ってまいります。
 県といたしましては、本県経済の持続的発展を図るためにしかるべき経済対策を講じてまいりますが、私はそれにはしっかりとした経済理論を持つことが大事であると考えております。これまでの日本の経済政策の背景になる経済理論は、大きく分けて四つぐらいしかなかったと存じます。日本が資本主義経済の中に入りまして、一番最初はいわゆるアダム・スミスのレッセフェール、自由主義、古典派経済学というものが中心でありました。しかしながらそれが弱肉強食の競争を生みまして格差をつくり上げるということから、明治時代の末ぐらいからマルクス経済学が台頭してまいりました。これは分配を中心にする経済学であります。決して日本の中心になったことはありませんけれども、しかしながら弱きものを助けるための社会福祉政策にはこれが資してきたというふうに考えております。
 戦後は、日本は自由主義経済とはいえ公共工事が大切であるという観点でケインズの理論を採用したと存じます。これは国民の所得というのは二つから成ります。消費と貯蓄です。その貯蓄分を政府が公共投資をすることによって経済を活性化させるという考え方であります。
 一方、このような考え方とともにやはり民間の経済活力を活性化することが大事だということで古典派の経済学もあわせて採用すると。これは合わせまして新古典派総合と言いますけれども、ケインズ政策といわゆるアダム・スミス以来の古典派経済学を一緒にしたサミュエルソンの経済学でこれまでやってきたと存じます。
 そして今、投資が十分に行われないのでケインズ政策のやり過ぎとも言うべきアベノミクスに象徴せられます財政の飛躍的なこの活用というのがありますが、決して投資がうまくいかないという中で経済格差が深まっております。いわゆるジニ係数というのがありますが、これは国民の所得格差を示す指標でありますが、日本はついに平成期に入りましてこれが〇・五を上回りました。今〇・六近くになっております。日本には貧しい人と豊かな人との二極分解が起こっているわけであります。
 こうした中で今、日本の国内でまた静岡県下もそうですけれども、革新、イノベーション、新機軸、創造的破壊、企業家などという言葉が使われるようになりました。これらの言葉は全て一人の経済学者の経済学体系からとられています。それがジョゼフ・アロイス・シュンペーターという方でございます。私はこのシュンペーターの経済発展の理論に即した形で経済対策をとるということが唯一これからの日本にまた静岡県に課せられた課題であると、こういう考えを持っておりまして、こうしたしっかりとした理論的背景を踏まえた上で次世代産業の創出等により産業構造の転換を推進するとともに、地域経済を支える中小企業、小規模企業の活力向上を支援し地域経済の成長による富の創出につなげ、県民の皆様が物心ともに豊かさを実感できる、世界に誇れる美しいふじのくにの実現を目指してまいります。
 次に、県内産業の成長を担う人材確保についてであります。
 議員御指摘のとおり、現在完全失業率や有効求人倍率など雇用情勢が改善する一方、多くの県内企業が深刻な人手不足に陥っております。中でも保安、建設、福祉などの特定分野において顕著です。このような人手不足の状況は今後も続くと残念ながら見込まれますことから中長期的な視点に立った社会総がかり、県民ぐるみの取り組みが必要ではありますが、まずは直面する人手不足を乗り越えることが肝要です。このため特に人手不足が深刻な建設、運輸、警備、福祉の四分野を対象とした人材確保に取り組んでいるハローワークと県のしずおかジョブステーションが連携いたしまして求職者へのきめ細かな情報提供を行い、求人・求職のマッチング支援を強化しているところであります。
 また、大学新卒者の確保につきましては、東京都内の静岡U・Iターン就職サポートセンターにおける県内企業の紹介をさらに進めてまいります。加えまして本県の出身者の多い十六の大学と締結をしております就職支援協定に基づき、学内企業説明会の開催や保護者の方々への情報提供を拡充してまいります。さらに既に社会人となっている人材の確保につきましては、東京の静岡県移住相談センターでワンストップによる移住・就職相談を行い県内企業への就職に結びつけております。また全国トップクラスの実績を上げているプロフェッショナル人材戦略拠点を活用し、首都圏等に居住する経験豊かで即戦力となるような高度人材と県内中小企業をつなぐ取り組みを進めてまいります。
 こうした取り組みに加え、深刻な人手不足にある現状に鑑み今月中に産業界、労働界、教育界など官民を挙げた産業人材確保・育成対策県民会議を設置いたします。この会議で商工業、建設業、福祉、観光などさまざまな産業の現場の実情と緊急に取り組むべき方策について御意見を伺ってまいります。それを踏まえまして実施できる施策につきましては直ちに着手するとともに、予算が必要な施策は九月の県議会への提案に向けて早急に検討を進めるなどして速やかに実施を図ってまいります。
 県としましては、深刻化する人手不足に的確に対応するため県内産業の成長を担う人材の確保と育成に働くことに関係する全ての人とともに総がかりで取り組み、本県経済の持続的な発展を図ってまいります。
 次に、観光振興についてのうち、持続可能な魅力のある観光地域の形成についてであります。
 かつては、主に観光事業者が観光施設、名所旧跡、宿泊施設などを中心に誘客を図る観光地づくりが進められてきました。これからは住民の皆様方との交流や地域のさまざまな魅力の体験を望む旅行者のニーズの変化に対応しなければなりません。地域ぐるみで地域全体の魅力を高めていく観光地域づくりへの転換を図る必要があると考えております。観光地づくりから観光地域づくり、いわば点から面への転換、観光政策の転換であります。そのためには県の強みでございます変化に富んだ県の自然環境、豊かな食文化、多彩な生活文化など世界に誇れるさまざまな地域資源を活用し地域の魅力を高め、またその魅力を楽しんでいただける受け入れ環境を整え、その情報を旅行者に効果的に発信していくことが重要です。
 こうしたことから、本年一月に静岡ツーリズムビューローを設置いたしました。これは通称TSJと言っております。外国名はツーリズム・シズオカ・ジャパンとしておりますので、その頭文字をとってTSJというふうにしているわけですが、このTSJが本県のインバウンド施策の司令塔でございます。これを司令塔といたしまして海外市場の分析により把握した旅行者ニーズに基づき地域の関係者と連携しながら地域資源を磨き上げ、ターゲットに向けた的確な情報発信を行うなど戦略的な観光政策を進めます。
 さらに県は、県内各地で設立予定の地域の稼ぐ力を高めるDMO――デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーションの設立を支援するとともに、県内各地のDMOの連携強化を図ることで観光業のみならず農林水産業、商工業、地域住民などの多様な関係者が連携した地域ぐるみ、社会総がかりの観光地域の形成を進めてまいります。
 また、ラグビーワールドカップ二〇一九や東京オリンピック・パラリンピックを絶好の機会として活用し静岡のブランド力を高めるとともに、サイクリストの聖地づくりなど地域のレガシーとなる取り組みを進めます。
 このような観光地域づくりを継続的に行うためには人材が鍵です。このため観光地域づくりの中核を担う専門人材を県立大学やTSJと連携を図りながら育成してまいります。県としましてはこうした取り組みを通じまして住民みずからが地域への誇りと愛着を抱き地域についてよく知るということ、いわばふるさと学、地域学というようなものにまで発展させることが重要であると存じます。イスラム圏の人がお越しになった、その観光客に対して金華豚であるとか日本酒の蔵元などというところに御案内してもこれは彼らは決して喜びません。ですから相手に即した形での地域の特性を発揮していくためには相手のことを知らねばならないと。いわばグローバルに考えながらローカルに行動する、そういう地域づくりをすることを通しまして地域の魅力を高めつつ、その魅力の体験に訪れる内外の旅行者の増大を図り、住んでよしの実感ができる魅力ある地域づくり、また訪れてよしの実感ができる魅力ある地域づくりと観光による経済の活性化を両立させる持続可能な観光地域づくり静岡県を進めてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長等から御答弁を申し上げます。

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