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平成26年2月静岡県議会定例会
多家 一彦(子どもの人権擁護特別委員会) 【 委員長報告 】 発言日: 03/05/2014 会派名: 自民改革会議 |
○議長(中谷多加二君) 異議なしと認め、そのように決定しました。
各特別委員会委員長から、委員会の調査経過及び結果の報告を求めます。
最初に、子どもの人権擁護特別委員会委員長 多家一彦君。
(五十八番 多家一彦君登壇 拍手)
○五十八番(多家一彦君) 子どもの人権擁護特別委員会が付託を受けた学校におけるいじめや家庭における虐待など子供の人権擁護に関する事項の調査結果について御報告いたします。
当委員会は、設置以降六回開催し県施策について執行部の説明を求めるとともに、参考人の意見を聴取し、さらに兵庫県、大阪府においていじめ、体罰及び虐待に係る施策の取り組みについて調査を行いました。
以上の調査を踏まえ、次の三点を提言するものであります。
一点目は、家庭・地域に係る取り組みであります。
まず、子供がいじめを行うことのないよう規範意識の醸成のため、また児童虐待の発生を予防するため、保護者の支援に本格的に取り組み家庭の教育力のさらなる向上を図る必要があります。また地域コミュニティーの力が衰え子育てに窮している家庭を地域が支える状況が失われてきていますので、いじめや虐待の対策の一つとしてコミュニティーを再構築していく仕組みづくりが必要であります。行政はコミュニティー再生への支援を積極的に行うべきであります。さらにいじめの問題の対策に当たっては、子供へのしつけが容易な幼少期から取り組むことが重要であります。特に幼稚園において、教員への実践的な研修を一層充実させるなどの方策をとるべきであります。
なお、スポーツにおける子供への体罰を根絶するためには、保護者及び地域におけるスポーツ指導者の意識を過度の勝利至上主義からスポーツを楽しむことなどに変える必要があります。そのため地域のスポーツ指導者の養成の場などにおいて、スポーツに関する体罰根絶の意識が広く浸透するよう施策を強化すべきであります。
二点目は、学校に係る取り組みであります。
まず、いじめ、体罰の問題は基本的人権の問題であるため、教員及び児童生徒は人権意識、人権感覚を身につけなければなりません。また道徳教育を表面的なもので終わらせるのではなく、児童生徒が自分で考え行動できるようにするための授業となるよう一層の改善を図る必要があります。
次に、教員の多忙化は児童生徒に目を行き届かせることを難しくさせているため、教員がより多くの時間をかけて児童生徒とかかわることができるよう教員の多忙状態の解消が大切であります。さらに健全な人と人との関係づくりのためには家庭、地域とともに、学校においても児童生徒のコミュニケーションの力を養うことが重要であるため、児童生徒間の横のつながりができるよう関係づくりを進める必要があります。加えて管理職と教員の間などの学校経営の中にもコミュニケーション不足が見られるので改善を図るべきであります。なお教科等の学習活動とともに学校教育活動の両輪である部活動においての体罰根絶に向け、そのあり方について問い直してみる必要があります。こうした検討には広く関係者にも参画してもらい、あわせて部活動に対する意識改革を図るべきであります。
三点目は、行政機関の充実・連携強化に係る取り組みであります。
まず、複雑・深刻化している児童虐待の相談に対応できるよう児童相談所のさらなる体制強化のため、地域の実情にも配慮して職員を増員配置すべきであります。またネットいじめの未然防止や早期解決のために市町教育委員会、警察本部、携帯電話会社、プロバイダーなどと連携して対応するネットワークの構築など関係機関との連携強化を図るべきであります。
結びに、当委員会は、以上の提言をもって付託された調査を終了することを全員一致をもって決定いたしました。これらの提言が今後の施策に反映されることを強く要望し、委員長報告を終わります。(拍手)
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