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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

河原崎 聖 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/30/2021

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 ウイズコロナを前提とした諸政策について
 次年度の予算編成に向けた準備
 新型コロナウイルス感染症への対策
  ア ワクチン接種の促進
  イ 自宅療養者への支援体制
2 大井川の諸課題の解決に向けた取組について
3 茶業研究センターの再整備について
4 局地的な災害における被災者支援について
5 国道四七三号金谷相良道路U期工区の整備推進について
6 障害者スポーツの振興について


○副議長 (竹内良訓君)  次に、 四十八番 河原崎 聖君。
        (四十八番 河原崎 聖君登壇 拍手)
○四十八番 (河原崎 聖君)  通告に従い県政の諸課題について知事、 副知事、 関係部局長に対し一括質問方式で質問させていただきます。
 最初に、 一としてウイズコロナを前提とした諸政策についてです。
 新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから一年半以上が経過しました。 コロナ禍が長引く中で我々はワクチン接種が進めば感染拡大は収束し元のマスクなしの生活に戻ることができると期待してきましたが、 現在主流のデルタ株の出現で事態は一変しました。 ワクチン二回接種後のブレークスルー感染が確認されるなどデルタ株の感染力は驚異的で、 八月から九月にかけての第五波においてこれまでで最も多い感染者数を記録し静岡県も二度目の緊急事態宣言に追い込まれました。 ワクチンがコロナ禍を克服する決定打ではないことに加えワクチンの効果を低下させるおそれがあるミュー株など新たな変異株も懸念される中では、 有効な特効薬が開発されない限り少なくとも来年はアフターコロナではなくウイズコロナとなることを覚悟しなければならないでしょう。
 しかし、 我々はいつまでもステイホームを続けているわけにはいきません。 医療崩壊に配慮しながらもどこかの時点で腹をくくって社会経済を回す方向にかじを切るべきと考えます。
 そこで、 まず一の (一) として次年度の予算編成に向けた準備について伺います。
 コロナ禍の長期化により国、 地方ともに財政は大変厳しくなり施策展開が難しくなっています。 本県においても昨年度後半には独自にコロナ対策を行う余力はなくなり、 国の補正予算が出されるたびにそれに合わせて対策を打つ形になっていますが、 これに関する県の持ち出し分も基金を取り崩すことで何とか捻出することが続いており県財政の自由度はますます低下しております。
 これに対し、 県は各種イベントの延期や中止、 大型プロジェクトの見直しや先送りといった対応をしてきましたがそれだけでは限界があります。
 その一方で、 国は九月九日に行動制限緩和の方針を打ち出しました。 つまり感染症対策を行いながら社会経済活動を再開する方向にかじを切ろうとしているわけです。 希望者へのワクチン二回接種が終わった段階というのが一つの目安なのに対し県内では接種が進んでいないところがあり、 いつ頃実施すべきかについては難しい点ではありますがいずれはその方向に進むと思います。 だとすればこれから一定の期間ウイズコロナを前提にして社会経済を回していく段階に入り、 それに合わせた行財政運営が必要になってくるものと考えます。
 このため、 これから始まる次年度の予算編成はウイズコロナを考慮に入れたものとすべきと思いますが、 これについての基本的な考え方を伺います。
 次の一の (二) 新型コロナウイルスの感染症への対策のうち、 アとしてワクチンの接種率の向上について伺います。
 ワクチンについては、 コロナ禍を克服する決定打ではないとはいえ現在取り得る数少ない有効な手だてであることに変わりはなくこれに関する様々なデータも報告されています。 したがって医学的な理由で打てない人以外全員がワクチンを接種するというのが安全な社会経済活動の再開のためには理想的であり、 目指すべき方向だと思います。 今はまだ希望者全員にワクチンが行きわたらない段階で県内の市町はもとより県も中部、 東部の二か所の大規模接種会場を設置するといった対応をしているため、 今のペースでいけば遠からず希望者へのワクチン接種は完了すると思います。 ただ問題はここからです。
 世の中には様々な理由からワクチン接種を希望しない、 もしくは拒絶する言わばアンチワクチン派とも言うべき人たちが存在します。 あくまでもワクチン接種は強制できませんので各人の意思は尊重されるべきです。 ただワクチンを拒む人たちの中には情報不足やデマによる誤解や漠然とした不安からそうした判断をされている方がいらっしゃるようです。
 このため、 ワクチン接種率を向上させるためにはこうした人たちに正確な情報を届け誤解や不安を取り除いていく必要があります。 そしてワクチン接種が自分のみならず周囲の人たちを守り医療崩壊のリスクを引き下げ、 社会経済活動を再開するために重要だという認識を広めていくべきでしょう。 そのためにはワクチンに対する県民意識をできるだけ正確に把握しそれに沿った対策を取る必要があります。
 こうした点を踏まえ、 ワクチン接種を希望しない人たちの接種率向上にどのように取り組むのか伺います。
 次に、 一の (二) のイとして自宅療養者への支援体制について伺います。
 一般的にウイルスは変異が進むにつれ感染力が強まる一方、 長期的には毒性が弱まると言われておりますが、 現在主流のデルタ株は感染力が強まっている上に従来株と比べ重症化する可能性が高いと見られ、 最近の第五波の感染拡大はまさしくこの状況であったと思われます。 このため第五波においては軽症者を中心に多くの自宅療養者を出すこととなり、 その対策は全国的な課題となりました。
 県内でも突然の急激な症状悪化によりお亡くなりになる方があり、 的確な対応が取られていたかについては十分な検証が必要です。 第五波の感染拡大局面で市町の一部は自宅療養者の生活支援等を目的に対象者名簿の提供を県に対して求めたようですが、 当初個人情報保護を理由にこれに応じませんでした。 しかし八月二十五日及び九月六日の二回にわたり厚生労働省と総務省から都道府県に対して市町村との情報共有を図るようにという通達が出されたことを踏まえ、 県は九月十日に市町担当課への説明会を開き市町の協力の内容に応じて個人情報の提供をすることにしたそうです。 ただ実際自宅療養者に死者が出ている局面でスピーディーな対応が必要であったことを考えると、 いささか消極的であったと言わざるを得ません。
 また、 自宅療養者に対する往診や電話診療などの事業については、 政令市と県の管轄区域で協力金の金額が異なる扱いや事業の実施時期がばらばらであったりととても連携よく進められたとは思えません。 確かに保健所設置市として政令市は独立したものかもしれませんが、 殊人命に関することについては県民が等しくサービスを受けられることが重要と思います。
 そこで、 県は第六波が第五波以上の規模となった場合に備えるため第五波の課題をどう捉え、 第六波に向けて備えていくのか伺います。
 次に、 二として大井川の諸課題解決に向けた取組について伺います。
 大井川は、 その昔越すに越されぬと言われたように南アルプスを後背地に持つことから流量が豊富な上に高低差があるため急流で東海道屈指の難所として知られてきました。 この川の持つ膨大なエネルギーは何万年もかけて上流部から河口、 海岸線に至る複雑な地形を造り上げ、 流域の豊かな自然を育み人々の生活を支えてきました。 私自身も小学生の頃までは祖父に連れられて鮎釣りやカジカ捕りに行っていましたし、 風呂も川原木と呼ばれる大井川の流木を拾ってきて燃料にするというように生活の中に大井川が溶け込んでおりました。 また台風の後の大水は自然への畏怖を感じる原体験でもあります。
 しかし、 今や越すに越されぬと言われた面影はありません。 最も基本となる水量については六月議会で我が会派の西原議員の代表質問で触れられたとおり毎年のように取水制限が繰り返される一方、 流量については水返せ運動を経た平成十七年の河川維持流量のままということで改善の兆しはありません。 水質については毎年の検査で特に問題なしとされます。
 そんな中、 川の在り方を象徴する存在である魚類の様子に変化が見られます。 国や県の調査では指標となる魚類の生息は確認されているそうですが、 私が子供の頃これでもかと捕れていたウグイやハヤといった魚を見かけなくなり、 鮎は放流しているためいることはいるものの本来縄張り意識が強い鮎が群れをなして泳いでいる姿が確認されるなど生態の在り方が変容しています。 こうした状況を目の当たりにするにつけ私たちが後世に残す大井川の姿はこんなものでいいのかと頭を抱えてしまいます。
 この百年ほどの間、 特に戦後の電力不足解消のため行われた開発により大井川は大きく姿を変えました。 大井川の水のかなりの部分はダムからダムへ導水管を使って送られるようになり、 さらにその水が水源の不足する地域に送られるようになったことから表流水は激減し水質等も含め多くの課題が指摘されております。 特に堆積土砂の問題については、 ダムにせき止められ、 また水量が減ったことで流されなくなった土砂が河川敷に堆積するというように現在の大井川を象徴する問題になっています。
 こうした課題については、 県ばかりでなく国や関係事業者、 流域自治体や地元住民が力を合わせて解決を図るべきではありますが、 県としてはどのように捉え対応しようと考えているのか伺います。
 次に、 三として茶業研究センターの再整備について伺います。
 言うまでもなく茶業情勢は厳しい状況が続いております。 本県の令和元年の茶産出額は二百五十一億円と平成十二年の七百三十五億円から三分の一にまで減少し、 ライバル鹿児島県に抜かれてしまいました。 茶価、 販売量ともに振るわない状況の中担い手の減少と高齢化が進み、 このままでは茶生産者の生活は立ち行かなくなると考えます。 県はChaOIプロジェクト等の施策を進め茶業振興に取り組んでおりますが、 依然として生産現場の窮状は続いております。
 このような中、 県は静岡県農林技術研究所茶業研究センターの再整備を進めております。 茶業研究センターは、 これまで百十年を超える歴史の中で茶の専門研究機関として栽培管理や荒茶加工の技術を中心に現場の課題解決に向けた新技術開発に取り組んできました。 その成果は生産技術の向上や茶業経営への改善に貢献し本県茶業の隆盛に大きく寄与してきました。
 しかし、 茶業を取り巻く環境が大きく変化する中で今後の茶業研究センターにも変革が必要であり、 令和二年三月に策定した整備基本計画には新たなセンターに先端技術の研究機能や共同研究のためのオープンな拠点機能を持たせるとしており、 センターを中心に茶業の疲弊感を打破する技術革新を起こしていくことが求められます。 また大きく変化する生産現場の課題をよく聞きながら研究の方向性を考えていくことも重要と思います。
 そこで、 本県茶業の再生に向けた茶業研究センターの再整備の内容について伺います。
 次に、 四として局地的な災害における被災者支援について伺います。
 本年五月一日に牧之原市、 菊川市、 沼津市において突風災害が発生し、 中でも牧之原台地で発生した竜巻では最大風速五十五メートルと言われる突風の威力はすさまじく竜巻の通り道となったところでは民家、 事業所、 農業施設などに大きな被害が出ました。 これに対し地元牧之原市はもとより国、 県ともに迅速な対応を行い復旧・復興に尽力されたものと承知しております。
 ただ、 こうした災害で民家に適応される被災者への支援制度は国、 地方ともに地震や大規模水害を基準に制度設計され一定の戸数や面積が被災している面的被害が条件となっており、 竜巻のような線的被害やピンポイントの災害である点的被害は対象になりにくい傾向があります。 また風水害については地震の場合と違い浸水が壁の中にまで達したとか竜巻で屋根が飛んだというように被災した面積が小さくても被災の程度が重くなる場合があり、 こうした点を考慮した評価制度の必要性が指摘されてきました。
 こうした中、 県は今回の竜巻被害に際し従来の被災者自立生活再建支援制度の運用に加えこの牧之原の災害に限ってという条件付きながらこれまで支援の対象を全壊、 大規模半壊、 中規模半壊に限っていたものを半壊及び準半壊を対象とした新たな支援制度を創設するという措置を取りました。 これについては私が所属する全国災害ボランティア議員連盟の研究会で報告させていただいたところ、 参加していた議員や研究者から住民に寄り添う先進事例として高い評価を頂きました。
 このたびの県の取組は、 実際の被災状況を把握し重大な被害への救済を目的に今回限りで行われたものと承知しております。 しかし今後も線的、 点的といった局地的な災害が発生する可能性が高い一方、 現状では国の支援の対象にならないことからその制度の隙間を埋める意味でこうした県の取組は非常に重要であり、 恒久的な制度につながることを期待しております。 これについての県の所見を伺います。
 次に、 五として国道四百七十三号金谷相良道路U期工区の整備状況について伺います。
 本県中西部の南北軸を形成する地域高規格道路  金谷御前崎連絡道路は東名、 新東名、 国道一号、 百五十号といった主要な東西軸及び富士山静岡空港や御前崎港を連結する延長約三十キロメートルの重要な幹線道路であり、 富士山静岡空港の利便性向上や地域の経済活動に大きく寄与しております。 現在未開通区間となっている国道一号菊川インターチェンジから富士山静岡空港に至る区間を国道四百七十三号金谷相良道路U期工区として事業が進められ高架橋の整備が進むなど道路の形が見えてきており、 早期開通に向けて地元の期待が高まっております。
 現在、 国道一号バイパスにおいては各所で四車線化に向けての事業が進められているほか国道四百七十三号大代インターから新東名島田金谷インターまでの拡幅も進められております。 また中部横断自動車道の開通で甲信越方面へのアクセスが容易になったことにより空港アクセス道路としてのこの工区の重要性はさらに高まったものと思われます。
 そこで、 現在進められているU期工区の整備状況と開通見通しについて伺います。
 最後に、 六として障害者スポーツの振興について伺います。
 新型コロナウイルスが感染拡大する中で開催された東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックは、 残念ながら多くの競技で無観客開催となり生の迫力を味わう機会は失われましたが、 その一方多くの人がステイホームを余儀なくされた結果地元開催ということもあり、 テレビやインターネットでの中継を通じこれまでにないほど多くの競技に触れる機会になったものと思います。 特にパラリンピックについては金メダル十三個のうち六個を本県出身者が獲得したことに象徴されるように、 県勢の大活躍もあって従来にない盛り上がりを見せました。 そしてパラリンピアンたちの活躍が共生社会実現に向けて大きな推進力になることを強く印象づけました。
 そうした中ふと思ったのは、 メダリストをはじめとする本県出身のパラリンピアンたちはどこで練習しているのかということです。 競技によっては既存の施設を利用できるかもしれませんができないものもあるかもしれません。 こうした点についてこの機会にメダリストの方たちや競技団体の関係者から御意見を伺うことも重要かと思います。
 共生社会の実現に向けた様々な取組の一つとして、 パラリンピックにより高まった障害者スポーツへの関心を一過性で終わらせないためには障害の有無にかかわらずスポーツに参加できる環境を整備し障害者スポーツの裾野を広げる取組が求められます。
 県として、 障害者スポーツの普及に向けどのような取組を展開していくのか伺います。 以上、 答弁を求めます。
○副議長 (竹内良訓君)  川勝知事。
○知事 (川勝平太君)  河原崎議員にお答えいたします。
 ウイズコロナを前提とした諸政策についてのうち、 次年度の予算編成に向けた準備についてであります。
 現在、 新型コロナウイルス感染症は足元では落ち着きつつあるものの、 依然として収束は見通せない状況であります。 議員御指摘のとおりウイズコロナの時代を覚悟しなければなりません。
 感染症対策本部会議と銘を打ちまして、 全国知事会が昨年来二十回以上ウェブ会議として開催されてきました。 私は昨年四月にそこに参加して以来繰り返し毎回、 十回以上ワクチンだけが出口戦略であると、 その開発を急ぐまたその接種を加速するということが極めて重要であることを訴え続けました。 しかしそれが国に届くことはありませんで私はほとんど諦めかけたぐらいでありますが、 今年になってようやくワクチンの開発について政府が明確に言うようになりました。 そして一旦気づいた後はその接種加速化いたしましたけれども、 長く先進国の中では接種における後塵を拝するという恥ずかしい事態でございました。 誠に出口戦略としてのワクチン接種はこれを加速する以外に方法はありません。
 その一方で、 感染症の防止対策や医療、 検査体制の一層の充実を図るとともに大きな打撃を受けている地域経済の再生も急がなければなりません。
 他方、 今後も感染の再拡大や新しい変異株の発生なども予想されます。 このため来年度の予算編成に当たりましても、 感染症の状況を慎重に見極めながら感染症防止対策と経済活動の両立を図っていく必要があります。 次期総合計画におきましても命を守る安全な地域づくりを推進する政策の柱に疫病から県民、 また国民を守る防疫体制の強化を新たに加えまして新興感染症等に対応する拠点の設置やワクチン、 治療薬の国内開発の促進などを盛り込んでいるところであります。
 コロナ危機の長期化により国、 地方ともに財政支出は増大いたしまして地方財政は極めて厳しい状況に置かれております。 本県におきましても臨時交付金などの国の財源を最大限に活用しつつも、 またこれまで蓄積した財政調整用基金を取り崩しながら感染拡大を防ぐための医療、 検査体制の強化や打撃を受けている事業者への支援等に全力で取り組んでまいりました。 直面する危機を乗り越えるための財政出動は不可欠であります。 今後も県民の皆様の命を守る安全・安心な地域づくりを最優先にウイズコロナを前提とした諸施策の推進に取り組んでまいります。
 厳しい財政状況の下、 これから来年度の当初予算編成作業が本格化いたします。 国庫財源等の確保にこれまで以上に注力するとともに、 歳入歳出の両面から徹底した改革、 見直しを進めまして、 健全な行財政運営の基盤を確保しながら次期総合計画の防疫体制の強化のほか医療、 福祉の充実や環境と経済が両立した社会の形成、 デジタル化の推進等々の喫緊の課題に的確に対応してまいる所存であります。
 その他の御質問につきましては、 副知事、 関係部局長から御答弁を差し上げます。
○副議長 (竹内良訓君)  難波副知事。
○副知事 (難波喬司君)  大井川の諸課題の解決に向けた取組についてお答えをいたします。
 大井川は流域の生活や経済活動にとって大変重要な河川ですが、 ユネスコエコパークの南アルプスに端を発し生物多様性など環境面においても重要性が高く貴重な財産と言えます。
 これまで、 県では河川流量や堆積土砂などの課題について関係市町や事業者などと構成する協議会で個別に対策の議論をしてまいりました。 例えば堆積土砂対策では国や発電事業者と連携して上流域から海岸域までの総合的な土砂管理について議論し取り組んでいるところです。 しかし大井川の生物多様性など自然環境の保全の問題や大井川と人の関わりという文化面について流域が一体となって話し合うような場はできませんでした。
 河原崎議員はウグイやハヤ、 鮎の話をされましたが、 そのような河川の生き物の変化については釣り人などを除いてほとんどの人が知らないというのが現状ではないでしょうか。 それはなぜかというと人が川の水に触れるというような人と川の触れ合いが薄れ川への関心が低くなっているからだと思います。 しかし地球環境問題や生物多様性、 SDGsが重要な社会課題となる現代において川と人の関わりを見詰め直すときだと思います。
 国土交通省は、 新しい水辺の活用の可能性を開くための官民一体の協働プロジェクトであるミズベリングを大井川では島田市の蓬莱橋付近を中心に進めています。 また今年の三月大井川鉄道の沿線である島田市と川根本町で無人駅の芸術祭が開催されましたが、 そこでは大井川と人の関わりを一つのテーマとして新たな魅力や文化を発信しようとする取組が行われました。 このように大井川と人の関わり方を見詰め直す取組も始まっています。 今後はこのような取組を大井川流域全体に広げ、 大井川の水循環や生態系と人の関わり方など言わば大井川文化というものを意識した取組が必要ではないかというふうに思います。
 例えば、 南アルプスの源流部から大井川河口部まで全体を森、 里、 川、 海の連続した空間として捉え大井川観光や交流を促進し人と川の関わり、 人々の交流を高める取組を行うことです。 その際には川だけを見るのではなく大井川鉄道や道路の利便性の向上や活用といった視点も重要になります。
 県といたしましては、 大井川の河川管理者である国や流域の市町と連携し地域の方々と共に大井川の諸課題や目指すべき姿、 文化について話し合い共有し行動する取組を進めてまいります。 以上であります。
○副議長 (竹内良訓君)  石田健康福祉部長。
○健康福祉部長 (石田 貴君)  ウイズコロナを前提とした諸政策についてのうち、 新型コロナウイルス感染症への対策についてお答えいたします。
 ワクチン接種の促進についてでありますが、 現時点での出口戦略はワクチン接種でありできる限り多くの方々に接種していただくことが重要であります。
 ワクチンに関する意識につきましては、 本年七月に東京都で実施したアンケート調査ではありますが全体の約二割の方が接種を希望しておらず、 その理由としてはワクチンの効果への疑問や副反応に対する心配などが多くありました。 このためワクチンにはデルタ株に対しても九割近い発症抑制効果があると推定されるなど科学的な根拠を示しながら、 ワクチンの効果や副反応への対応などについてSNSや動画サイトなどを活用しこれまで以上に丁寧に説明してまいります。
 あわせて、 多くの方に接種していただくため企業や団体に配慮を求めていくとともに、 来月から開始する県の接種会場であるもくせい会館においても平日夜間、 休日の接種を中心に行うこととし接種しやすい環境を整えてまいります。
 また、 国におきましてはワクチン接種または検査を基にした行動制限の緩和についての議論が進められておりますのでこれらの動きを注視しつつ、 県民の皆様に必要な情報を提供してまいります。
 県といたしましては、 現在の出口戦略の要であるワクチン接種が可能な県民の皆様に一人でも多く御協力を頂けるよう引き続き全力で取り組んでまいります。
 次に、 自宅療養者への支援体制についてであります。
 第五波の自宅療養者数は最大で四千二百九十二人に上りました。 このような急激な患者増に対して自宅療養者への迅速かつ確実な健康観察の実施や体調不良時の速やかな医療提供などが今後の課題であると考えております。
 まず、 自宅療養者の健康観察につきましては療養者の急増時にも電話相談員を速やかに増員できるよう県看護協会と調整し万全の体制を整えてまいります。 また体調不良時には身近な医療機関からの往診や遠隔診療等を受けられる体制を県医師会をはじめとする関係団体等と協議しながらさらに強化してまいります。
 次に、 市町との連携につきましては食料などの生活支援や緊急時の安否確認など市町からの協力の申し出に対しまして覚書を締結し、 必要な個人情報を提供して連携事業を進めてまいります。 政令市との関係につきましては、 今後新たな支援策を講じる場合には静岡市、 浜松市とも事業内容の打合せを密に行い県民の皆様に公平なサービスを提供できるよう努めてまいります。
 県といたしましては、 新型コロナウイルスに罹患した皆様に安心して自宅療養していただくための支援体制の整備に取り組んでまいります。
 次に、 局地的な災害における被災者支援についてであります。
 五月一日に発生した突風災害につきましては一部の住宅で甚大な被害を受けたものの、 局地的な災害であったため国の支援制度が適用されませんでした。 しかし実態を調査したところ、 突風災害の性質上半壊及び準半壊と判定された住宅被害につきましても飛散物により屋根や壁、 窓に被害が集中し補修費用が多く生じるという特殊事情があったことから県独自制度により支援することといたしました。 今後とも被害の実態を正確に把握した上で、 既存制度の枠組みにとらわれることなく発生した災害の特殊性などに応じて柔軟に対応してまいります。
 恒久的な制度につきましては、 本来公平性の観点から同一基準、 同一制度により全国一律に被災者支援は実施されるべきものでありますので、 引き続き国制度における支援対象の一層の拡大や局地的な災害における支援制度の適用を国に要望してまいります。
 県といたしましては、 被災された方が早期に生活再建できるよう被災者の皆様に寄り添った支援に努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (竹内良訓君)  細谷農林水産担当部長。
○農林水産担当部長 (細谷勝彦君)  茶業研究センターの再整備についてお答えいたします。
 本年の一番茶、 二番茶の価格は四年ぶりに上昇に転じたものの、 茶生産者の経営は依然厳しい状況が続いております。 こうした中、 本県茶業の再生には高品質な煎茶のブランド価値を維持するとともに生産者の所得向上に直結するドリンク向けの契約生産や海外で需要が拡大している抹茶等の有機栽培の促進などに加えまして省力・低コスト化に向けた茶園の大区画化などの基盤整備や急須で入れるリーフ茶に代わる新しい茶の需要創出などが重要と考えております。
 茶業研究センターは、 百十余年にわたり培われた茶の栽培、 加工に関する多くの知見や三千種類に及ぶ遺伝資源を有しております。 再整備に当たりましては世界市場を見据え茶業の再生の拠点となるよう蓄積した研究成果を活用するとともに、 企業や大学と連携した共同研究などのオープンイノベーションに取り組むこととしております。
 具体的には、 研究用茶園の大区画化による低コスト生産技術の開発や有機栽培に適した耐病性品種の育種、 GABA等の機能性成分を高める加工技術の開発などに取り組んでまいります。 また茶の成分分析ができるオープンラボのほか茶業相談室や交流スペース等を設けて生産者や茶商工業者が利用しやすい環境を整備してまいります。
 現在建築の基本設計に取り組んでおりますが、 茶業関係者の皆様から今後の茶業研究やセンターに対する要望など広く御意見を伺い茶業研究センターの再整備を進めてまいります。 以上であります。
○副議長 (竹内良訓君)  和田交通基盤部長。
○交通基盤部長 (和田直隆君)  国道四百七十三号金谷相良道路U期工区の整備推進についてお答えいたします。
 国道四百七十三号金谷相良道路は、 地域高規格道路  金谷御前崎連絡道路の一部を構成し平成二十三年度からはU期工区として国道一号菊川インターチェンジから富士山静岡空港の玄関口である倉沢インターチェンジまでの延長三・三キロメートルの整備を進めております。 事業着手以降地域の皆様には用地の提供や工事車両の通行などに多大な御協力を頂き、 現在全面的に工事を展開しております。 今月六日には延長約六百メートルの長大橋が完成するなど主要な構造物である本線橋梁七橋全てで工事が順調に進しており、 今年度末までに五橋が完成する予定です。
 開通の見通しにつきましては、 国が整備を進めております国道一号菊川インターチェンジのフルインター化や島田金谷バイパスの四車線化と一体となって早期に効果が発揮されるよう引き続き残る橋梁や交差道路の付け替え工事などを確実に進め、 島田金谷バイパスの四車線化に合わせ令和六年度内の開通を目指してまいります。
 県といたしましては、 引き続き必要な予算の確保に努め陸・海・空の交通ネットワーク形成に資する本道路の整備を推進し一日も早い開通を目指してまいります。 以上であります。
○副議長 (竹内良訓君)  植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長 (植田基靖君)  障害者スポーツの振興についてお答えいたします。
 県では、 スポーツ活動を通じて障害のある方の自立と社会参加を促進するため障害の程度や種別に応じて参加できるわかふじスポーツ大会の開催や障害者スポーツ応援隊による講演会の開催、 実技指導の実施など障害者スポーツの裾野拡大に取り組んでおります。
 今年度は、 新たな取組として県民誰もが参加できるニュースポーツふれあいフェスタにおいてボッチャやフライングディスク等の障害者スポーツ種目を実施することといたしました。 障害のある方もない方も一緒にスポーツに親しむことができるよう取り組んでまいります。
 また、 パラアスリートや用具開発者等と連携し競技用義足などの普及啓発に向けた体験会を開催するとともに、 用具の購入に対する支援制度の創設について国等の関係機関へ要望するなど障害のある方のスポーツへの参加を促進してまいります。
 練習会場の確保の課題につきましては、 県立スポーツ施設等において段差の解消や車椅子などに対応したトイレの設置等を進めておりますが、 今後も選手や競技団体など関係者から御意見を伺いながら誰もが利用しやすい施設の整備・運営を進めてまいります。
 県といたしましては、 今後ともスポーツを通じた共生社会の実現に向け県障害者スポーツ協会や関係団体等と連携し障害者スポーツの普及、 振興に向け全力で取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (竹内良訓君)  四十八番 河原崎 聖君。
        (四十八番 河原崎 聖君登壇)
○四十八番 (河原崎 聖君)  それぞれ御答弁を頂きありがとうございました。
 それでは、 一の (一) 次年度予算についてからですが数点要望をさせていただきたいと思います。
 次年度予算につきましては、 先ほど知事のお話にもございましたがウイズコロナを前提とした予算になるというような方向性だったと思います。 ある意味非常事態体制といいますか戦時体制といいますか、 そういうことでふだんの予算編成とは変わってくるという要素もあろうかと思います。 特に産業面でも民生面でもいろんな点に気をつけなきゃいけないと思いますけれども、 昨日来話題になっておりますこの感染防止対策、 この点は非常に重要かなというふうに思っております。
 飲食とか観光につきましては、 国から予算がついたということで十分であるかどうかは別にしても一定の進展はあると思うんですが、 その一方でうちのほうの近所の自動車工場でクラスターが発生したというように工場内のクラスターというのはあるということから言いますと、 そうした製造業の感染防止対策とか、 その他オフィスの感染防止対策とかいろんな面での感染防止対策が必要になってくるかと思います。 そうした点についてはやっぱりこれまで以上の配慮が必要になってくるのではないかというふうに思っております。
 また、 感染防止対策と併せて経営そのものが大変かなと思うのは公共交通  鉄道、 バス、 タクシー、 そしてまた富士山静岡空港でもそうだと思いますが、 そうしたところについて特段の配慮が必要だと思いますので御配慮頂きたいというふうに思います。 危機時の体制ですので、 ある意味予算配分等にも踏み込む必要もあろうかと思いますので思い切った対策を取っていただきたいと思います。
 ワクチンについてなんですが、 従来集団免疫をつくるには七〇%ぐらいの接種率が必要というようなことが言われておったわけですが、 デルタ株以後は八五%ほど必要というような説もございます。 いずれにしてもかなり高率の接種率にしないと安心して社会経済が回せないということになろうかと思います。 そういった意味ではかなり強くワクチン接種進めていく必要があろうかと思います。
 海外では企業が義務化するとか、 飲食店がお客さんが入れないとかいろんな強めなこともやっております。 そこまでできないにしてもやはり県のほうでワクチン接種を進めるんだという強いアピールは必要かと思いますのでその点の十分な御配慮を頂きたい。 そしてまた民間の飲食店等でもワクチンを打った方について優遇措置を取るようなお店も出ております。 そういったところへの支援といったことも考えていただければというふうに思います。
 それから自宅療養者に関してなんですが、 これにつきましては私も八月末から九月の頭にかけてお願いに上がったわけですが、 残念ながらプライバシーに対する配慮といったようなことでその時点では聞き入れていただけなかったわけでございます。 もしかしたらその当時やっておいていただければ対応能力のある市町で救える命があったんじゃないかなというふうに思いますと今でも胸が痛む思いがしております。
 ただ現場の職員はもう従来のコロナ対応でいっぱいいっぱいだと思います。 十分に一生懸命やっていただいていると思います。 こういうときこそトップの方々が、 俺が責任を取るから一刻も早くできるところから手をつけるようにしろというような指示を出すべきだったんじゃないかなというふうに、 私は思っております。 これはこの自宅療養のことだけではなく危機管理全般に言えることだと思っております。 この点が今回の一番の教訓だったのかもしれないなというふうに思います。 今後はこの点について十分な御配慮を願いたいと思います。
 続いて、 大井川についてです。
 大井川というのは、 これだけ水のかなりの部分をパイプから吸い取られているというような、 こんな川は恐らく全国に見てもほかにないだろうというふうに思います。 そのため流域住民の中には、 水害のリスクが大きく減ったことはありがたいんだけれども、 あまりにも多大な開発が行われて維持管理もおざなりにされてきたんじゃないかというふうに感じている人が多いと思います。 それがリニア問題への関心の高さにつながっていると私は思っています。
 しかし、 こうした点については流域外の人からはなかなか理解されにくいというふうに感じています。 今回の質問を作る際には水量はほかの川、 例えば安倍川なんかに比べれば多いんじゃないかというようなことを言われた方もいました。 またこの間の新聞報道では県内大手企業が割高だが環境に優しい水力発電由来の電力を購入するというような記事がありました。 確かにCO2対策という意味では分かるんですけれども、 じゃあ本当に環境に優しいって言えるのかということについては正直違和感があります。
 大井川に関する課題については上流から下流までを一体的に捉えて関係者が一堂に話し合う場が必要だと思いますが、 その前提として目指すべき大井川の姿、 これがないとなかなかテーブルにのってもらえないんじゃないかなというふうに思います。
 大井川の再生を図ることはダムがない昔の暴れ川に戻すことではありません。 今ある条件の中で最善の大井川をつくり出すということだと私は思います。 そのためには人々の英知を結集する必要がありまして、 この呼びかけ人として県にやっていただきたいというふうに私は思っております。
 一本の川にそこまでやる必要があるのかと思われるかもしれませんが、 水源や電源をはじめとして特別な役割を果たしている川です。 開発により生じました負の側面への対応は国、 県、 関係事業者の責務であり、 また今の時代を生きている我々の責務でもあるというふうに考えております。
 県には今後、 大井川に関わる人たちが力を合わせて解決の道を探る道筋をつけていただきたいと思います。 よろしくお願いをいたします。
 それから、 障害者スポーツについてなんですが、 パラリンピックのレガシーを残すということは国家的な課題と言っていいかと思います。 今後これに関する国の予算も増えてくるというようなことも聞いております。 何かしらの競技の国レベルの施設を誘致するような可能性があるとしたら、 ぜひともこれを生かして県もトライしていただきたいなというふうに思っております。
 茶業研究センターにつきましては、 九月の聞き取り調査の内容を踏まえまして我が会派の茶業振興議員連盟のほうで引き続き取り上げさせていただきますのでよろしくお願いをいたします。
 以上で私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○副議長 (竹内良訓君)  これで河原崎聖君の質問は終わりました。 (拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十月一日午後一時会議を開き、 質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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