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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

前林 孝一良 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/26/2017

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について                      
   若者の政治的関心の向上                     
2 次期総合計画について                       
3 SDGs達成への取り組みについて                 
4 空き家対策について                        
5 舞台芸術の振興について                      
6 オリンピック・パラリンピックに向けた機運の醸成について      
7 自殺防止策について                        
 (1) 若者の自殺対策                         
 (2) 大規模災害時における県立こころの医療センターの役割       
8 動物愛護について                         
9 農林大学校の専門職大学への移行について              
10 橋梁の維持管理の取り組みについて                 
11 寄附金を活用した学校施設整備について               
12 定時制高校のあり方について                    
13 高齢ドライバーの交通事故防止策について


○議長(杉山盛雄君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百一号から第百二十四号まで及び平成二十八年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、七十一番 前林孝一良君。
       (七十一番 前林孝一良君登壇 拍手)
○七十一番(前林孝一良君) 私は公明党静岡県議団を代表して、県政の直面する諸課題に対し知事、副知事、関係部局長、教育長、警察本部長に通告に従い一括質問方式で質問いたします。県民目線で伺いますので、県民にわかりやすい明確な答弁をお願いいたします。
 最初に、知事の政治姿勢のうち、若者の政治的関心の向上という観点から、知事の所見を伺います。
 八月二十一日、県民の日恒例のこども県議会を傍聴させていただきました。各市町から選ばれた六十人の子供議員たちは緊張した面持ちで議員席に着いておりました。それぞれの議員の自己紹介の後代表八人の議員が質問、こども県議会宣言を採択して閉会となりました。写真撮影の後議員たちは爽やかな表情で議場を後にしておりました。こども県議会もことしで十七回目を数えます。第一回目の平成十三年の子供議員は既に三十歳を超えているわけでありまして、子供議員の中から本当の議員が誕生しても不思議ではありません。こども県議会での経験が生涯の思い出となってほしいと念願いたします。
 さて、十八歳選挙権が導入されてから二年が経過いたしました。昨年の参院選では、十八歳の投票率が十九歳より一〇%以上高かったことが総務省より発表されました。高等学校での主権者教育の成果だという声もありますが、選挙権を郷里に残したままで進学してしまう若者の存在もクローズアップされ新たな課題ともなりました。十八歳選挙権が導入され参政権は拡大されましたが、二十歳代、三十歳代の投票率が六十歳代の半分以下という現実にはショックを覚えざるを得ません。
 私事で恐縮ですが、私は自分が初めて選挙に参加したときのことをはっきり覚えております。一九七四年――昭和四十九年七月の静岡県知事選挙、投票率が八〇%を超える県政史上でも特筆すべき激戦でありました。当時私は大学二年生。投票日前日は県中部が降水量五百九ミリの豪雨に見舞われ大きな被害が発生した、いわゆる七夕豪雨の当日でありました。新幹線は三島でストップ、在来線も新蒲原でとまりタクシー、電車と乗り継いで実家にたどり着きました。保守系同士の激戦で正直言ってどちらに投票したのかの記憶は不明確ですが、ノンポリだった私でしたが選挙に参加することの大切さは認識をしておりました。
 若者の政治への関心は年々低下しております。若者が政治にかかわることを避けるという現状は日本の民主主義の危機であると言っても過言ではありません。政治はわかりにくいということが関心を失わせる原因だということです。これは私たち政治家に大きな責任があります。本県では児童生徒に政治への関心を持ってもらうために小学生を対象にふれあい親子県議会教室、そして中学生を対象に先ほど触れましたこども県議会を開催しております。どちらも重要な事業だと思います。
 香川県では、一歩進んで県議会の取り組みとして県内全ての高等学校を巻き込んで高校生議会を開催しております。県内各高校を定数一の選挙区とし、まず現職の県議会議員が各高校に出向き趣旨を説明、立候補受け付け、立ち会い演説会を経て投票といった本番さながらの選挙を体験、その後当選者には県議会本会議場で議長みずからが当選証書を授与、昨年一月に初めて高校生議会が本会議場で開催され四十二人の高校生が地方創生をテーマに一人四分の持ち時間で意見発表したとのことです。このような取り組みがどのような成果を上げるかは未知数ですが、少なくとも議会と児童生徒の距離を縮めるという効果はあると思います。
 若年層の政治的関心が低い現状に鑑み、私たち大人としてどのように取り組むべきか、知事の所見をお伺いします。
 次に、次期総合計画について伺います。
 県は、現在の総合計画後期アクションプランが本年度末に最終年度を迎えることから、これまでの取り組みの総括的な評価を行いその総括を踏まえて次期総合計画の策定を行うとしています。現計画は平成二十三年二月に策定し、十年間の計画を前倒しして七年一カ月で達成する見込みであることは高く評価いたします。第一回の総合計画審議会において、知事は総合計画は県の中長期計画の中で最も重要でありこれをもとに県政を運営しているものであり、審議会での議論を踏まえ次の十年どのような静岡県にするべきか検討を進めてまいりたいと述べられました。
 総合計画は、民間企業で言えば長期経営計画に相当するもので将来の企業の目標や目指すべき方向性が示されます。中長期の県の将来像があらゆる面から示され、県民が十年後には静岡県はこのようになるのか明確なイメージを膨らませることのできるものでなくてはなりません。総合計画審議会の評価部会でも、総合計画は県が何を進めるのかを明確にしたシンプルなものとしスリム化を目指すべきであるとの意見がありました。また評価書の活用についても県民へのわかりやすい提示と県内部で事務改善、事業の見直し、予算編成に活用すべきとの指摘もありました。
 先日、次代を担う若者たちによる県民会議から人口減克服への十二のビジョンが知事に提言され成果発表会も開催されました。若者会議からの提言が総合計画に十分反映されるとのことですが、子供から高齢者まで全ての県民にわかりやすく伝わるような工夫が必要です。
 公明党では、国政選挙の際にこども・子育てマニフェストを策定し子供たちにも政治に関心を持っていただく努力を続けております。
 そこで、小中高等学校の児童生徒にも関心を持ち理解できる子供版静岡県総合計画を策定するなど県民が将来に希望を持てるわかりやすい計画にしていくべきと考えますが所見を伺います。
 また、総合計画によって県民にどのような具体的な利益がもたらされるのか、県民にわかりやすく明示されれば計画に対する関心度も増していくものと考えます。三重県では総合計画に県民しあわせプラン戦略計画と名づけています。本県のほか京都府、福井県、熊本県なども計画や戦略に県民幸福度を位置づけていますし、そのほかの府県においても県民、府民への具体的なメリットを明示し関心を高める努力を行っています。
 総合計画が県民の具体的な利益とどのような関連があるのかを明記すべきと考えますが、あわせて伺います。
 次に、SDGs達成への取り組みについて伺います。
 二〇一五年――平成二十七年九月、ニューヨークの国連本部で国連持続可能な開発サミットが開催され、我々の世界を変革する持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダが採択されました。アジェンダが人間、地球及び繁栄のための行動計画として掲げた目標が貧困、教育、環境など十七の目標と百六十九のターゲットからなるSDGs、いわゆる持続可能な開発目標であり、誰一人取り残さないと宣言し本格的な取り組みがことしからスタートしました。開発途上国だけでなく先進国も取り組むべき課題が含まれ、二〇三〇年までの十五年間で取り組むためには政府だけでなく地方自治体、国連関係機関や海外で活躍するNGO、さらに国内で福祉や地域おこし、環境保護などに携わるNPOや企業も巻き込んだ取り組みが必要であるとされています。
 公明党は、党内にSDGs推進委員会を設置し関係機関との意見交換を行い、さらに政府に推進のための司令塔設置を求めた結果、昨年五月安倍首相を本部長とするSDGs推進本部が発足し年末にSDGs実施指針を策定いたしました。党推進委員会座長である谷合正明参議院議員は、今政府が地方創生や一億総活躍社会、人づくり改革をうたっているがこれらは全てSDGsの基本理念と合致する、底流とすべきものと述べています。まずはSDGsの理念と推進の必要性を多くの人に理解していただき、それぞれの分野で協力しながら目標達成に向け進んでいく必要があり、また県の総合計画を初め今後策定する各分野の計画の根底にSDGsの理念を置いていくべきと考えます。
 ふじのくにの理想郷実現を目指す川勝知事には、知事を本部長とするSDGs推進本部の立ち上げや関係機関との意見交換、県民に対する意識啓発などを積極的に推進することによりSDGs先進県を目指していただきたいと考えます。
 そこで、県として今後SDGsに基づきどのような取り組みを進めようと考えておられるのか、知事の所見を伺います。
 次に、空き家対策について伺います。
 国の住宅・土地統計調査では、空き家は賃貸用、売却用、別荘等そしてその他の住宅に分類され、平成二十五年の調査結果によると静岡県には一般住宅の空き家であるその他の住宅は約八万三千三百戸あるということです。一般住宅の総数に占める空き家の割合は全国平均に比べ少ない状況にありますが、人口減少が全国より速いスピードで進行している本県においては今後全国よりも増加の傾向が拡大することは間違いないと考えます。
 国においては、平成二十七年五月に空家等対策の推進に関する特別措置法を全面施行し、所有者の責務、市町村の責務、都道府県による援助など空き家が発生しないために何をなすべきか、発生した場合にはどのように対応すべきか等空き家に関する施策を総合的かつ計画的に推進することになりました。特に倒壊等保安上著しく危険となるおそれのある状態、衛生上著しく有害となるおそれのある状態などの空き家を特定空家等に指定し、措置の実施のための立入検査を実施することができ所有者に対して助言、指導、勧告、命令が可能で最終的には行政代執行により強制執行が可能になりました。
 本県では、県は市町協議会に委員として参加し市町の取り組みを支援したり定期的に空き家に関するワンストップ相談会を開催しています。また庁内においては知事部局五部と警察本部とで連絡会議を設置し情報の共有を行い互いが連携して市町を支援しておりますが、市町が空き家に対する現場対応を確実に推進することを業務の柱にしているのと同時に、県は入り口である空き家の発生をいかに減少させるか、また発生しても資産として活用することに知恵を絞り市町をリードしていく責務があると考えます。
 先日、山形県の取り組みを学んできました。山形県では空家等対策計画のモデルを県が作成し、市町村の計画策定と対策実施を援助しています。また「空き家大辞典」という冊子を作成し、県民に配布しています。その内容は空き家の放置リスクを明確にしそうならないための相続の方法を明記したり、空き家の管理の方法、管理代行サービスの活用、また空き家の活用事例の紹介そして支援制度や相談窓口の紹介を二十三ページの冊子にまとめています。また中古住宅診断補助制度、リフォーム補助制度、中古住宅利子補給制度などを実施し相談窓口を常設しています。
 本県においても、県民に対する空き家を発生させないための、またそのような状況になりそうなときに参考になる冊子の制作、配布を行い常設のワンストップ相談窓口の設置を行う必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 舞台芸術の振興について伺います。
 公明党では早くから芸術文化の振興に取り組んでまいりました。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを三年後に控え、四月二十五日には我が党の文化プログラム推進委員会が菅官房長官に対し文化プログラムの推進、充実に向けた成功戦略に関する提言を提出、オリンピック・パラリンピックの開催を好機と捉え、子供たちに本物の文化芸術に触れてもらう機会の充実が重要とし必要な支援を求めました。スポーツの祭典であるのと同時に文化の祭典でもあるオリンピックに向けて日本の文化の魅力を国内外に発信し、さまざまな取り組みを通じて人材を育成したり愛好者の裾野を広げるなどして文化芸術立国の基盤を強化するチャンスと捉えるべきと考えるものであります。
 ところで、静岡県舞台芸術センターSPACは本年七月にフランス南部のアヴィニョンで開催された第七十一回アヴィニョン演劇祭に参加、メーン会場の法王庁中庭において開幕劇「アンティゴネ」を上演し延べ一万二千人の観客から喝采を浴びたということです。アジアの劇団として初めての栄誉ということで、宮城聰総監督も演劇人としてこれ以上が想像できない大役にこの半年余り気が気ではなかったと述懐しております。SPACの活躍に対し心からお祝いを申し上げます。
 さて、本県では子供が本物の文化に触れる機会の充実を重点施策の一つに掲げ、これまで第一線の芸術家によるこども芸術大学やSPAC、県文化財団及び美術館等と連携して中学生に舞台芸術、美術展覧会、音楽公演を鑑賞してもらう文化芸術鑑賞事業を実施してきました。宮城総監督は、子供たちにはさまざまな可能性があり多くの機会を与えることが必要であるとの考えのもと、劇場を広義の教育機関と捉え世界を見る窓としての質の高いさまざまな舞台作品を中学生などの若い世代に提供しております。そのかいあってSPACの人材育成事業に参加していた方が昨年俳優としてデビューするなど徐々に成果も出てきております。感受性の強い子供の時期に生の人間が演じる世界クラスの演劇を見ることで新たな発見をし、新たな視点で物事を考えるきっかけになるのではないかと思います。ただ文化活動の成果は短期ではかることは難しく長いスパンで継続して行うことで初めて成果が目に見えてくるとも考えます。
 子供たちの豊かな感性や創造性を育むため、また東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックやラグビーワールドカップ、デスティネーションキャンペーンの開催などを契機に今後国内外から本県を訪れるであろう多くの方々に対して、世界に誇るSPACの演劇を見る機会のさらなる充実を図るとともにオリンピック終了後も継続して支援し舞台芸術の振興を図ることが本県の魅力向上、ブランド力の向上につながると私は考えますが、県当局の所見を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピックに向けた機運の醸成について伺います。
 東京オリンピックが開催された一九六四年――昭和三十九年当時、私は小学校五年生でした。東海道新幹線の開通や高速道路の整備に象徴される大きな社会変革の中で開催されたオリンピックでしたが、日本にとっては歴史的な国家イベントだったとは思いますが正直言って小学校五年生の私には実感がなかったというのが正直な気持ちです。その後大阪万博、札幌冬季五輪など大きなイベントが開催される中でようやく原点となった東京オリンピックの意義が理解できるようになりました。
 そして、いよいよ三年後に再び東京の地でオリンピック・パラリンピックが開催され本県でも自転車競技が開催されることが決定しました。本県で開催される競技は現時点でトラック競技男女各六種目、マウンテンバイク男女各一種目、パラリンピックが全十七種目と聞いておりますがその競技を実際に見たことのある県民、競技内容を詳しく知っている県民はどれほどいるのか不安を覚えます。
 去る六月十七日、ラグビーワールドカップ二〇一九に向けたテストマッチ、県内初の国際試合アイルランド戦がエコパスタジアムで開催されました。世界ランキング十一位の日本は四位のアイルランドに二十二対五十で屈しましたが、後半の日本チームの追撃には場内が一体になって応援の声が上がり盛り上がりました。私はラグビーに関しては時々テレビ観戦するぐらいでファンとは言いがたい存在ですが、二万七千人余の観衆の中に飲み込まれました。
 このテストマッチと同じように、自転車競技も今後の機運の醸成が必要と考えます。ツール・ド・フランスと言えば誰でも知っている世界屈指の自転車レースですが、この主催機関アモリ・スポル・オルガニザシオンは一九九三年から一般の参加者がその一区間を走ることができるエタップ・デュ・ツールを実施しています。一昨年からはさらにエタップの名称を冠した自転車レースイベントを世界各国で開催、ことしは十四カ所で開催し今月十七日には台湾の台中市で開催されました。また十一月四日にはさいたま市で開催されることが決まっています。
 私は、このような世界クラスの大会の誘致やイベントの開催など競技を見る機会、知る機会、体験する機会の提供を行うための積極的な取り組みが必要と考えますが、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けた機運の醸成についてどのように取り組んでいくのか、当局の所見を伺います。
 次に、自殺防止策についてのうち、まず若者の自殺対策について伺います。
 人口動態統計調査によりますと、平成二十八年の全国の自殺者数は二万一千十七人、本県においては減少傾向ではあるものの現状は憂慮すべき問題だと考えております。我が国では十五歳から三十九歳の死因の第一位が自殺で、人口十万人当たりの自殺死亡率は先進国で最も高く非常事態と言えます。
 政府が七月に閣議決定した自殺総合対策大綱では、新たな重点施策に子供、若者の対策が掲げられています。本県の平成二十八年の自殺者数は六百二人と昨年から八十人減り自殺者数全体が減少傾向にある中、三十九歳以下の若年層は百六十四人から百五十四人と減り方が小さく、また二十歳代では六十三人から六十五人と逆に二人増となっております。また自殺者数全体に占める割合は平成二十八年では二五・六%で前年の二四%と比べて高くなっています。本県においても若者層に特化した啓発と取り組みを進め、若者の自殺予防を重点施策として取り組んでいくべきと考えます。
 長野県では、今月九月から若者の自殺・いじめ対策としてLINEを利用した自殺・いじめ相談を全国の都道府県で初めて試行しています。自殺を考えるリスク要因として職場の環境、生活苦、健康上の問題や教育の問題等さまざまなことが考えられます。またNPO法人自殺対策支援センターライフリンク代表の清水康之氏によりますと、自殺に至る前に何らかの方法で行政窓口等に相談に行っている場合が多いとのことでした。救える命があったのではないかと非常に残念に思えてなりません。
 一人の自殺によって、家族や周囲のかかわりのあった人たちにとっても深い悲しみや大変複雑な思いが残ります。自殺防止に力を入れると同時に遺族の支援も忘れてはならない視点であると考えます。自殺対策を特別な対策として推進するというだけでなく、困っている人に救いの手を差し伸べることができるようなコミュニティーのつながりを基盤とし自殺対策を地域づくりの切り口として捉え、関連するさまざまな施策と自殺対策との連動性を高めていくことが求められていると感じます。
 そこで、県は今若者の自殺対策にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、自殺防止策についてのうち、大規模災害時における県立こころの医療センターの役割について伺います。
 全国各地で大規模災害が発生しており、大規模災害における被災者の心のケアが課題となっております。新たな自殺総合対策大綱においても大規模災害における被災者の心のケア、生活再建等の推進を掲げております。また今回の大綱には、大規模災害の発災リスクが高まる中、被災地域において適切な災害保健医療活動が行われるよう平成二十八年熊本地震での課題を踏まえた災害派遣精神医療チーム――DPATの体制整備と人材育成の強化、災害拠点精神科病院の整備を早急に進めることとし、DPATの役割が新たに位置づけられております。
 昨年の熊本地震の際には、静岡県立こころの医療センターの精神科医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士のチームがいち早く現地に出向き医療・救護活動を行ったと聞いております。
 全国各地で大規模災害が発生しており、静岡DPATの出動体制整備と人材育成の強化を早急に進める必要があると考えますが、こころの医療センターの役割について伺います。
 次に、動物愛護について伺います。
 九月は動物愛護月間です。今や犬や猫などのペットは家族同様というより家族以上の存在となっております。一方残念なことに一昨年度飼育放棄などで保護された犬や猫は全国で十三万六千七百二十四頭、静岡県では二千五百十四頭に上り、このうち全国で八万二千九百二頭、静岡県では千九百三十九頭が殺処分されております。
 こうした状況を打開するため、県では動物の愛護及び管理に関する法律により静岡県動物愛護管理推進計画を策定し、殺処分頭数の半減の目標を初めボランティアの育成、被災動物の保護、救護体制の再検討が推進されています。殺処分頭数は既に前倒しで目標を達成できておりますが、私たちはゼロを目指すべきだと考えております。この点について昨年九月定例会の我が会派盛月議員の質問に対し、山口健康福祉部長は次期計画策定時に殺処分ゼロに近い数字を入れていきたいと答弁されました。ゼロに近い数字とゼロでは全く意味が違います。覚悟が違うと考えます。殺処分ゼロを達成するためには終生飼養など飼い主責任の徹底、地域ボランティアの充実が不可欠と言えます。
 神奈川県では、県として初めて平成二十五年度には犬の、平成二十六年度には猫の殺処分ゼロを達成しました。特に繁殖力が高い猫がゼロに達した事は画期的でした。先日会派の代表が神奈川県動物保護センターを訪問いたしました。センターのさまざまな取り組みについて御説明いただきましたが、所長の殺処分ゼロは挑戦し続けなければなりませんとの強い決意が印象的でした。ボランティアとの密な連携、ネットワークの構築、育成さらにはボランティア団体によるセンター見学会など実施されており県民に対する啓発活動も積極的に行われておりました。また県独自の避妊・去勢手術費助成制度も開始されたところであります。老朽化したセンターの建てかえ計画では動物愛護活動を推進している有名人をいのちを守る動物愛護推進応援団に任命し広く県民から寄附を募り、処分のための施設から生かすための施設として、またボランティア活動の拠点として建設に踏み切ったと伺いました。また兵庫県では、ふるさと納税の応援メニューに子犬、子猫の飼い主探し応援プロジェクトが掲げられ反響を呼んでおります。
 こうした取り組みを見ても、動物愛護を通じ県民のいのちを守る意識の醸成をさまざまな角度から推進していく必要があると実感します。静岡県では浜松市にある動物管理指導センターを拠点に保健所と連携し愛護教室、ボランティア意見交換会などが推進されていますが、さらなる取り組みが必要と考えます。また拠点となるセンターが静岡県の西の端に存在し特に東部地域からは訪問が困難であり、また老朽化は否めません。
 そこで、殺処分ゼロを目指し動物愛護に対する県の今後の取り組みについて伺います。また老朽化した静岡県動物管理指導センターの建てかえを含めた今後の施設整備をどのように考えるのか伺います。
 農林大学校の専門職大学への移行について伺います。
 本県の農林大学校は、一九〇〇年――明治三十三年五月に農事試験場で担い手養成を開始したことに端を発し母なる大地を耕すことで自己を知り、立派な人間性をつくり上げていくことができるとの考えを示した「耕土耕心」という校訓のもと一貫して本県農林業を支える担い手の養成に大きく貢献してまいりました。農林業は我々の生活に欠かせない食や住を支える重要な産業であります。
 近年、消費者は農林産物の安全性を求めるようになり国内産への需要はより高まっており、成長産業である農林業への期待はますます大きくなっていると思います。しかしながら農林業では従事者数の減少と高齢化が急速に進んでいることから、農林業の活力をさらに高めるためには農林業を支える次世代の担い手の育成が喫緊の課題であります。
 農林大学校では、実習や研修に重点を置いた現場主義の教育を行い多くの卒業生が経営者になっているほか農林業法人にも数多く就職しております。平成二十八年度の実績では就業した七十八人のうち七十七人が農林業関係に就業しており、就業率は九九%と非常に高いものになっております。まさに農林大学校は県内農林業人材の育成の場であり、その役割は今後も非常に重要であると考えます。
 一方、近年産業界ではAI等を活用した先端技術の開発や国際競争の激化という産業構造の急激な転換、生産年齢人口の減少への対策が迫られております。こうした状況を受け本年五月に学校教育法が改正され、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関として専門職大学、専門職短期大学が制度化されました。この新制度は既存の大学教育において産業界へのニーズに合った実践的な教育が行われていなかったことを踏まえ、即戦力となる人材の育成、特に農業や観光、情報サービスなどの成長分野における人材育成の推進を目指しております。
 本県においても、農林業が今後も継続的に発展していくためには次世代の農林業を切り開く人材を数多く養成していくことが不可欠であり、県がいち早く専門職大学への移行に向けた検討を進めていることには大きな期待を寄せているところであります。
 そこで、農林大学校の専門職大学への移行に向け現在どのような検討が行われているのか、その状況や今後の取り組みについて県の所見を伺います。
 次に、橋梁の維持管理の取り組みについて伺います。
 高度経済成長期に集中的に建設された道路インフラの老朽化が進み、今後の維持管理、更新は日本全体の大きな課題となっています。平成二十四年十二月、中央自動車道笹子トンネルで天井板の落下事故が発生し九人のとうとい命が犠牲となりました。これは老朽化時代が本格的に到来したことを告げる出来事でありました。
 このような中、平成二十五年六月の道路法の改正により道路施設の点検が法定化され、点検、診断、措置、記録というメンテナンスサイクルによる老朽化対策が全国的に始まっております。道路インフラの中でも特に橋梁は全国に約七十三万橋があり、その数が飛び抜けて多い重要な構造物であります。県内の橋梁数も三万橋を超えそのうちの半数以上が政令市以外の市町の管理であり、多くの市町ではこの膨大なストックを管理するための予算や人材、技術力などさまざまな課題を抱えております。
 先日、会派として山形県を訪問し橋梁の老朽化に関する取り組みについてお聞きしてまいりました。山形県では約九千に上る橋梁のうち建設後五十年が経過し更新が必要となる老朽化橋梁が二十年後には六割を超えるということから、傷んでから直す維持管理から傷みが小さいうちから計画的に補修する予防保全型の維持管理に転換し、長寿命化で県民生活の安全・安心を確保し将来的な財政負担を抑制するという対策を進めています。県管理橋梁に比べ市町村管理橋梁の対策が進んでいないことから、県が率先して産学官連携によるデータベースを開発、県及び市町村の管理する橋梁の諸元や点検結果等を一元管理する体制の構築を進めており市町村からは大変喜ばれているということでした。
 橋梁のメンテナンスを確実に実施するためには、本県においても山形県同様に県と市町が連携し取り組んでいくことが不可欠であると考えておりますが、本県における橋梁の維持管理の取り組みについて伺います。
 次に、寄附金を活用した学校施設整備について伺います。
 「ふるさとは返礼品で選ぶもの」、これはつい最近新聞に投稿された川柳で、余りのできばえに思わず笑ってしまいました。総務省によると昨年度のふるさと納税の寄附額は二千八百四十四億円超、一昨年度の一・七倍で千二百億円近くふえたとのことです。税収増を狙って自治体が競うように返礼品を充実させたほか、インターネットでの簡易な手続の定着が追い風になったと新聞紙上で分析されていました。
 ふるさと納税で寄附を受けた自治体の税収がふえる一方で、寄附した人の住む自治体は減収となる仕組みで市町村を含んだ実績で見ると黒字となるのは北海道がトップの二百三十一億円、次いで山形県の二百二十億円、宮崎県二百億円が上位を占め、逆に東京都は四百五十八億円、神奈川県は百三十八億円、愛知県は八十八億円の赤字ということです。ちなみに本県は百四十一億円の黒字であるとお聞きしました。
 兵庫県では、昨年度から県立学校がそれぞれ寄附を通して実現させたい事業や目標額などを示して直接寄附を募る仕組みを整備しました。昨年八月までに最高額となる三百万円を集めた兵庫高校は寄附金について同窓会の総会で出席者に知らせた後インターネット上に掲載、寄附金は平成三十年の創立百十周年記念事業に充てるとされています。また北須磨高校では寄せられた約九十六万円を使い自習室に空調設備を設置、今後は食堂や校舎外のトイレ整備に充てたいとのことです。
 一方、滋賀県では主として小学生の体験学習に使用されてきた船舶が老朽化したことを受けて、教育委員会がインターネットで寄附を募るクラウドファンドを手がける企業に委託して船舶の再建費用の募集を始めました。県教委が直接寄附を受け付ける方法とあわせて、ふるさと納税の対象となるということです。
 本県の学校施設は、老朽化が進み築四十年を超える校舎が半数を超え施設の長寿命化対策に早急に取り組む必要がありますが、財政状況の厳しい現状において予算確保が厳しいという状況です。また施設の修繕に係る費用は平成九年度が二十六億円弱であったのに対し平成二十九年度は十六億円と十億円も減少しており、トイレの洋式化や空調設備の設置など教育環境の向上を図る予算確保はさらに困難です。県内の県立高等学校におけるトイレの洋式化率は三二%、空調設備の設置率は四九%で半数にも満たないという現状に鑑み、学校施設整備のために広く県内外の卒業生に呼びかけ応援を募ってはどうかと私は考えます。
 寄附を活用してICT機器や空調設備の整備をすることについて、教育長の所見を伺います。
 次に、定時制高校のあり方について教育長に伺います。
 私は、本県の教育にかかわってきた経歴を踏まえ手厚いサポートを必要とする生徒、すなわち特別支援学校、定時制、通信制に学ぶ生徒たちへの支援の充実を教育委員会に求めてまいりました。平成十三年十二月定例会では不登校経験者や中途退学者などさまざまな学習歴を持つ生徒を受け入れる、新しいタイプの高等学校として注目を集めた静岡中央高校を取り上げ単位制定時制高校の増設を求めた結果、その後県西部には浜松大平台高校がまた県東部には三島長陵高校が誕生いたしました。また平成二十七年二月定例会では定時制、通信制高校の中途退学者が多人数に上ることを取り上げ、学習面、生活面の両面からの支援をさらに充実させるとの答弁を得ることができました。
 本年度の公立高等学校入学者選抜試験の結果を見ますと、全日制は募集定員二万一千四百七十一人に対して受検者二万三千十人、合格者二万一千二百八十八人で実質倍率は一・〇八倍、再募集をかけて五十五人が合格、結果として総合格者は定員に対しマイナス百二十八人でした。これに対し学年制による定時制は定員七百二十人に対し受検者は三百五十二人、合格者は三百二十四人、実質倍率は一・〇九倍、再募集合格者は三十八人で総合格者は三百六十二人、定員のほぼ半分にとどまりました。十八校ある定時制高校のうち最終合格者が定員の半分を切った学校が十校と定時制の厳しい実態が浮き彫りになりました。
 一方、単位制定時制三校は定員五百七十六人に対し五百五十一人が合格、マイナスは二十五人にとどまっており単位制定時制の人気のほどがうかがえます。全日制高校はそれぞれ魅力ある学校づくりに取り組まれると伺っておりますけれども、定時制高校も社会や生徒のニーズに応じて柔軟に対応する必要があります。入学希望者が激減している定時制高校ですが学び直しや再チャレンジの場としてのニーズは高いと考えます。また単位制定時制の入学希望者が多いのであればさらなる増設も検討する余地があるのではないでしょうか。
 定時制高校のあり方について、教育長の所見を伺います。
 最後に、高齢ドライバーの交通事故防止策について伺います。
 本年七月に公表された警察白書では、特集で交通安全対策の歩みと展望と題し交通問題を取り上げております。白書では超高齢社会が到来した我が国において死者数全体に占める高齢者の割合及び死亡事故件数全体に占める高齢運転者によるものの割合が増加していることから、高齢者の事故防止対策を喫緊の課題と位置づけております。県内においても高齢ドライバーによる認知機能の低下に起因すると思われる痛ましい交通事故が発生しております。
 高齢ドライバーの交通事故防止対策に関しては、ことし三月に改正道路交通法が施行され、免許更新や違反の際の検査で認知症の疑いがあると判定された七十五歳以上のドライバーに医師の診断を受けることを義務づけるなどその方の認知機能の状況に応じて適時適切な対応をとることが可能となりました。しかしながら高齢者の特性が関係する事故は必ずしも認知機能の低下に限られるものではなく、視野障害や反射神経の鈍化、筋力等の衰え等の身体機能の低下が指摘されており、白書ではそれぞれのリスクに応じたきめ細かな対応を今後の対策の柱に据えています。
 県警察では、改正道路交通法の円滑な施行を図るため高齢者講習の実施体制の拡充、医師の診断体制の確保に当たるとともに関係機関と連携した移動手段の確保や広報啓発に取り組んできたと承知しております。このような取り組みにより運転に不安を感じている高齢者がみずから運転免許証を返納される件数も増加しているとのことですが、一方で運転を継続する高齢者も多くこうした方々には高齢者講習などを通じて加齢に応じた望ましい運転のあり方、補償運転等を指導いただくこともより重要と考えます。
 また、全国の警察では従来から運転免許センター等に運転適性に係る相談窓口を設置し運転者本人や家族からの相談に応じていますが、一部には看護師等の医療系専門職員を相談窓口に配置しその専門知識を生かしたきめ細やかな対応が行われていると聞いております。こうした取り組みは相談をされる高齢者等にとっても大変有意義なものと考えます。
 そこで、改正道路交通法施行後における認知機能検査等の状況及び今後の高齢ドライバーの交通事故防止対策について警察本部長に伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 前林議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢、特に若者の政治的関心の向上についてであります。
 未来を築く若い世代が、これからの国、地方の形や方向性を決定していく政治に対し高い関心を寄せみずからの思いを示すことは大変重要です。しかしながら今回の県知事選挙の年代別投票率を見ますと、十八歳は四〇%に近いものの十九歳、二十歳代前半はともに二〇%台でありました。民主主義の基本原則は多数決、多数決の基本原則は過半数、過半数をとったものの決定に従うというのがルールであります。投票率で言えば五〇%でございますが、その五〇%を大きく下回り若者の政治離れに強い危機感を抱いております。
 前林議員は、選挙権を得られて最初の投票に行かれたときのことを鮮やかに御紹介いただきました。私も二十歳になりまして東京の学生として初めて投票するときの緊張感を今、思い出しております。誰に投票するべきか自分の意思を決定するというときの緊張感というのがありました。私もどなたに投票したかは忘れましたけれども、そのような投票行動をするという機会をぜひ若者に持たせなければなりません。
 県では、政治が人々の暮らしに大きな影響を与え若者の将来にとって重要であることを知ってもらうため選挙出前授業を行っております。昨年の参議院選挙後の県立高校生へのアンケート調査では「投票に行った」との回答が八割を超え、十分な働きかけを行った世代では高い効果があらわれております。毎年県の創立記念日前後にここでこども議会を開催しておりますが、こども議会は参加されるお子様は中学二年生であります。ですから中学二年生以上における社会科あるいは現代社会の授業におきまして学校の先生が政治にかかわることの重要性を、教育の中立性ということは言うまでもありませんけれどもそれとは別に政治が身近なものであるということを教えていく必要があると存じます。
 ちなみに昨日、選挙が十月二十二日に行われることが決定いたしました。ですからまだ選挙権を持たない中学生にしろ高校生にしろ、君はあなたはもし選挙権を持ったら誰に、またどういう党に投票するのかといったようなことを社会科なり現代社会における応用問題として授業でなさると確実にそのことは選挙に対する関心を高めるというふうに存じます。結果が出るわけでありますから、その結果と自分の考えたこととの懸隔というか差であるとかあるいは結果と自分の意見とのかかわりなどを考えるきっかけになるのではないかと存じます。ですから参議院選挙後のアンケートをすることにも増して学校の場でこうした機会を持たれるように中学校、高校の先生方にぜひお願いを申し上げたいと存じます。
 今回の県知事選挙では、大学生の企画による候補者討論会を初め県内各地で若者の参加を得た選挙啓発が展開され大変頼もしく感じました。実際二十代後半の投票率は前回の県知事選挙をわずかではございますけれども上回っており変化の芽生えを感じております。このような兆しを捉え政治を人ごとではなく我が事と捉えることが大事で、最近は我が事と捉えることを自分ごと化と言うそうでございます。若者の政治参加を進めていくためには政治を自分ごと化する取り組みを進めることが重要であります。
 ちなみに、本県における一番大切な政策は危機管理政策であります。東日本大震災にしろ熊本大地震にいたしましても、これを静岡県の県民は老若男女を問わず人ごととは思わず我が事と捉えていると存じます。それは親御さん、あるいは学校、社会の地域のさまざまなところでいつ東海地震や南海トラフ巨大地震が起こるかもしれないということを日々知らされているからでありましょう。これは私は一つの突破口になるのではないかと、すなわち地震対策は政治であります。同じようにこの政治も広く自分ごと化というふうに見ることができるようになれば、関心が高まるものと存じます。
 若者の政治的関心を向上させるために、学校教育においてぜひ政治をタブー視することなく教えていくことが必要です。そしてファシリテーション手法による住民対話の取り組みなど若者が政治や行政を議論する場、参画する場もあわせて用意していく必要があります。
 県では、次代を担う若者たちによる県民会議を設置いたしまして、若者と理想の未来や静岡県の姿を議論しています。先日開催したふじのくに士民協働事業レビューでは五十九名もの若者の参加を得ております。参加している若者からは子育て、教育や観光振興などについて自分の体験を踏まえた意見が出されました。まさに自分ごと化でございます。自分ごと化をしながら社会の担い手となる自覚を高めていくことが大切です。
 未来は若者たちのものであります。その力によって開いていくものであります。私たち大人は先人から引き継いだこの社会をよりよい形で彼らに引き継いでいく責任があります。若者と向き合って議論をし政治に関心を持つ若者を確実にふやし、そして若者にとどまらず家庭、社会全体が政治を自分ごと化して考え行動するように変えていかねばなりません。私自身も一層、若者の政治的関心を向上させる場をつくりかかわることで政治的関心を向上させてまいります。
 次に、次期総合計画についてであります。
 総合計画は県づくりの基本方針を示すものであります。県民の皆様と目指す姿を共有することが大切で、ともに地域づくりを進めていく基礎でございます。このため多くの県民の皆様に御関心を持っていただき御理解いただけるように、わかりやすい計画にしたいと考えております。
 御提案いただきました子供版静岡県総合計画は大変すばらしいアイデアであると考えます。人口減少や高齢化が進行する中、本県の将来を担う子供や若者たちに県の将来像や進める政策に関心を持ってもらうことは極めて重要です。
 次期総合計画の策定に当たりましては、ぜひとも子供、若者を初め多くの県民の皆様が手にとって理解していただけるよう、例えば基本理念や目指す将来像を具体的なイメージとして描くことや年齢層に応じた概要版を作成するなど工夫をしてまいります。また県の政策が県民の生活においていかに多くの場面でかかわっているか、重要な役割を担っているかを県民の皆様に明確にお示し申し上げ、県政を身近に感じ地域づくりに参画していただくことも大切です。
 次期総合計画では、目指す姿として県民幸福度の最大化を掲げております。これは平たく言えば「生まれてよし 老いてよし」、「産んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」、「住んでよし 訪れてよし」、これを理想郷としその姿を提示することとしております。そして命を守る安全な地域づくり、安心して暮らせる医療・福祉の充実、子供が健やかに学び育つ社会の形成など八つの政策を掲げまして県民の幸せ感、県民幸福度の最大化の実現に向けた具体的な取り組みを明らかにしてまいります。
 県民の皆様が将来に希望を持てる総合計画を策定し、オール静岡で人々が人生の夢を実現し幸せを日々実感できる美しい富士の国をつくり県民幸福度の最大化を目指してまいりますので県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、舞台芸術の振興についてであります。
 SPACは、静岡県を拠点として舞台芸術の創作及び公演活動を行い世界に通用する上質な作品の鑑賞機会を県民の皆様に提供するとともに、舞台芸術の創造を通じてさまざまな芸術文化活動に刺激を与え本県の芸術文化の発展を牽引している存在です。
 SPACの宮城聰芸術総監督は劇場を広義の教育の場と捉えておられます。平成二十一年度から現在まで、実際十三万人を超える県内の中高生を質の高い演劇鑑賞に無料御招待なさっておられます。参加した学校からは本物の芸術に触れることで生徒の感性を高め、豊かな心を育む非常によい機会であるという声を数多くいただいております。
 今月十一日に地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会を開催いたしました。そこで子供たちが文化、芸術、スポーツに触れる機会の創出に関する議論を行ったところ、委員の方からSPACをさらに活用すべきであるという意見が多数寄せられました。また演劇を学校教育の場に取り込むことについても御提案がございました。私はこの案に賛成でございます。次に開かれる総合教育会議におきまして、演劇を学校教育のカリキュラムの中に入れられる可能性について御提案を申し上げたく存じます。子供たちの感性やチームワークを醸成できるとの意見をいただきましたので、ぜひ教育委員会においてもお考えいただきたいと考えているところであります。
 SPACは、平成九年に本格的な活動を開始して以来県内で約二千四百回の公演を行い海外からも延べ四十カ国から招聘を受けるなど世界的に高い評価を受けております。議員御紹介のとおりことし七月にフランスで開催された世界最高峰の演劇祭アヴィニョン演劇祭におきましては、ギリシャ悲劇に日本の死生観を持ち込んだ「アンティゴネ」でオープニングを飾り満席の観客の絶賛を浴びたことは記憶に新しいところであります。前回は「マハーバーラタ」を上演されてスタンディングオベーションの栄誉に浴されたわけでありますが、これが歌舞伎界に飛び火いたしまして今度は「マハーバーラタ」を歌舞伎で上演されるという動きが今起こっておりまして、こうした形で演劇の都静岡の存在、プレゼンスが高まっているところであります。
 このようなSPACの創造活動によりまして、本県が演劇の都として国内外から注目を浴びることは静岡県のブランド力を高める上でも重要なことであります。特に多数の来訪者が見込まれる二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックでは県内におきましても全国において文化プログラムが実施されますが、本県はその言い出しっぺであり我々はその主導的なロールモデルを担いたいと思っておりますが、その中でもSPACを中心に演劇の都としてのイメージを発信する絶好の機会にもしたいと考えております。
 県といたしましては、本県の文化力の向上のためSPACが世界クラスの舞台芸術作品の創作活動と公演活動により国内外へ情報発信するとともに、今後さまざまな機会を通して舞台芸術に親しむ県民の裾野の拡大や人材育成に取り組んでいくことに対しまして引き続き必要な支援をしてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(杉山盛雄君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 農林大学校の専門職大学への移行についてお答えをいたします。
 農林大学校は、創設以来百十余年にわたり農林業生産の専門知識や技術の習得に向けた実践教育を通じて生産現場の第一線で即戦力として活躍する人材を数多く輩出しております。一方で農林業を取り巻く状況は海外への販路拡大、マーケットインに基づく販売戦略、六次産業化による高付加価値化、ICTやロボット技術を活用したスマート農業の進展など大きく変化をしております。そして高い経営能力と技術を持った人材が求められております。
 こうした中、国において高度な実践力と豊かな創造性を兼ね備えた人材の養成を目指す専門職大学、専門職短期大学が新たに制度化されたところであります。県といたしましては、本県農林業を取り巻くさまざまな課題に対応する最適な制度であると考え本年五月に外部有識者や農林業関係者で構成する専門職大学基本構想策定委員会を設置し、基本理念や養成する人材像、教育内容などを定める基本構想の策定に着手したところであります。
 策定委員会では多くの貴重な意見をいただきました。例えば経営能力と技術の習得に加え農山村地域の文化や景観、環境などの地域資源を継承する人材の養成を目指すことを理念に加えるべき、あるいは現場の即戦力として課題解決力を有し高度化する経営を牽引できる人材の養成が必要、また生産から消費までを網羅するフードシステム的思考や国際水準の農業生産工程管理であるGAPを教育内容に取り込むべきなどです。今後これらの御意見を踏まえ年内をめどに基本構想を取りまとめるほか、文部科学省との事前協議を開始しカリキュラム編成や教員組織、施設整備などの計画を来年十月までに策定をしてまいります。
 県といたしましては、現在の校訓である「耕土耕心」の精神を引き継ぎながら、本県農林業を担う人材育成の一層の充実を図るため農林業分野で全国初となる専門職大学の平成三十二年四月の開校を目指し全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 佐藤静岡県理事。
       (静岡県理事 佐藤典生君登壇)
○静岡県理事(佐藤典生君) SDGs達成への取り組みについてお答えいたします。
 SDGsは、国連が採択した国際社会全体で達成を目指す持続可能な開発目標であり、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ、あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し福祉を推進するなど十七の目標を掲げております。これらは本県が推進する施策と密接に関連する重要なテーマであり、SDGsの理念は本県が策定を進める次期総合計画の基本理念や目指す姿としての県民幸福度の最大化と方向性を同じくするものであります。
 現在、国においてまち、ひと、しごと基本方針二〇一七に地方公共団体における持続可能な開発目標の推進を位置づけ、自治体SDGs推進のための有識者検討会を設置して具体的な進め方を検討しております。まずはこうした動向を踏まえ、本県としてどう取り組むのか速やかに整理してまいります。
 あわせて、SDGsに関する本県の現状、施策への反映の可能性などについて調査研究を進め推進のための組織の設置や関係機関との連携を検討するとともに、SDGsの要素を次期総合計画へ反映していきたいと考えております。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 木利夫君登壇)
○くらし・環境部長(木利夫君) 空き家対策についてお答えいたします。
 少子高齢化や人口減少に伴い今後も空き家の増加が予想されますことから、県では昨年度策定しました新たな住生活基本計画で空き家の抑制を重点項目と位置づけ市町等と連携して空き家対策に取り組んでいるところであります。
 空き家の発生を抑制するためには、所有者などが相談しやすい環境整備が重要でありますことから、県内三十五市町及び県に相談窓口を設置するとともに多岐にわたる問題に対応するため行政や不動産団体を中心とした民間団体が連携した相談体制を構築しております。さらに宅地建物取引士や司法書士、税理士、建築士などの専門家が一堂に会するワンストップ相談会を県内各地で開催をしております。これまでの相談では相続に伴い所有権の移転や敷地境界の画定ができないなどの理由で空き家の管理のほか活用や解体ができないでいる所有者等が多くいることから、空き家になる前に相続や権利関係などを整理しておくことが重要であると認識しているところであります。
 県といたしましては、相続の仕組みを初め売買等に係る税制度、活用事例や支援制度などを取りまとめた冊子や広報誌、インターネットなどさまざまな方法で空き家対策を周知してまいります。あわせて市町と連携したワンストップ相談会の拡充や研修会などによります市町職員のスキルアップ、相談対応マニュアルの充実など相談体制の強化を図り官民一体となって空き家対策に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) オリンピック・パラリンピックに向けた機運の醸成についてお答えいたします。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技の本県開催を成功に導くためには、何よりも多くの県民の皆様が開催会場に足を運び大会を盛り上げていただくよう幅広い世代に対して自転車競技の魅力を伝え、大会の関心を高める機運醸成事業が不可欠であります。このため県ではこれまでアジア自転車競技選手権大会やジャパントラックカップなど伊豆ベロドロームで行われるトラック競技大会の観戦勧奨を行うとともに、ベロドロームの二百五十メートルバンクの試走、マウンテンバイクやパラサイクリングの体験試乗など小中学生を対象に自転車競技の楽しさに触れる機会を提供してまいりました。
 また、本年七月三十日に開催した三年前イベントでは日本トップクラスの選手によるトラック競技のデモンストレーションに加え、記念撮影会やサイン会など選手と触れ合う機会が来場者から大変好評を博しました。さらに今後はさまざまな自転車競技をエンターテイメントとして楽しむトラックパーティー二〇一七、全日本選手権自転車競技大会、ジャパンパラサイクリングカップなどこの秋にベロドロームで行われるイベントへの来場促進を図るとともに、フジ・ゾンコラン・ヒルクライムレースなど県内各地で開催されるロードレースやマウンテンバイクイベントの情報発信に積極的に取り組み、多くの県民の皆様に自転車競技の魅力を知っていただけるよう努めてまいります。
 県といたしましては、今後とも県内市町や静岡県自転車競技連盟を初めとする関係団体と連携し自転車競技の観戦や試乗体験、選手との交流の機会などをさらにふやして小中高生を初めとした多くの方々に自転車競技の面白さを伝え、本県で行われる東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技が大いににぎわい盛り上がるようさらなる機運醸成を図ってまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 自殺防止策についてのうち、若者の自殺対策についてお答えいたします。
 県では、若者の自殺予防対策として精神保健福祉センターに若者こころの悩み相談窓口を設け家庭や職場などの悩みを抱えた若者に対して専門家によるきめ細かな相談対応を行っております。またストレスへの対処法を学ぶこころのセルフケア講座を開催するなど不安や悩みを軽減し若者が希望を持って生きることができるように支援しております。
 地域におきましては、家族や友人など身近な人が悩みに気づき見守るゲートキーパーを現在四万一千五百六十六人養成しております。ゲートキーパーの活動を通じて若者を初め悩んでいる人を早期に発見し専門の相談機関につなげるなど自殺予防に努めているところであります。
 大切な御家族を失った御遺族に対しましても、精神保健福祉センターにおいて定期的に相談会や集う会を開催し、互いに寄り添い話を聞き思いを受けとめ支え合う自助グループの活動を支援するなど悲しみや悩みなどの心の負担の軽減に努めております。
 県といたしましては、今後も地域における自殺対策のさらなる強化に向けて県、市町、関係機関が一体となって自殺に対応できる地域のネットワークづくりを推進するなど若者の自殺対策に総合的に取り組み、若者が自殺に追い込まれることのない社会の実現に取り組んでまいります。
 次に、大規模災害時における県立こころの医療センターの役割についてであります。
 県では、大規模災害が発生した場合に被災地域における精神科医療の提供と精神保健活動の支援を行うため精神科医療救護体制の充実強化に努めております。本年三月に県立こころの医療センターを中心に県内十五病院の協力を得て静岡DPATを創設し、大規模災害時に備え出動を想定した実践的な訓練や隊員養成のための研修を行うなど人材育成の強化を積極的に取り組んでおります。
 県立こころの医療センターは、大規模災害時において発災直後県庁に設置されるDPAT調整本部を統括し精神科病院の被災状況の確認や派遣チームの割り当て、患者搬送方法等静岡DPAT全体の指揮命令をとることとなっております。また速やかに先遣隊を編成し発災当日から四十八時間以内に被災地に派遣し被災状況を把握し地域精神科医療機関の機能の補助や急性期の精神科医療への需要に対応するなど、本格的な静岡DPATチームの活動環境を整える役割を担っております。
 今後も、県と県立こころの医療センターが連携し静岡DPATの運営体制と活動内容の検証や活動マニュアルを策定するなど静岡DPATの体制を強化し、大規模災害時における迅速かつ円滑な受援・応援体制を確立するなど精神科医療救護体制の充実強化を図り、県民が安心できる精神科医療の提供に努めてまいります。
 次に、動物愛護についてであります。
 県では、人と動物とが共生する社会の実現を目指し動物愛護フェスティバルや愛護教室の開催などの動物愛護活動を推進しております。終生飼養や適正管理の指導と啓発に努め収容した犬猫の譲渡の推進などに取り組み、県内の犬猫の殺処分頭数を四年間で犬は十分の一に、猫は三分の一と着実に減少させるなど動物の愛護を通じ県民のいのちを守る意識の醸成を図っているところでございます。
 今後も、県や市町に加え静岡県動物保護協会等の関係団体やボランティアとの連携を強化し動物愛護思想の育成を図ってまいります。その中で犬につきましては子犬や成犬の譲渡活動を強化し飼い主のいない犬をなくしてまいります。猫への対策といたしましては飼い主への屋内飼育の啓発を行い適正な管理の徹底を促してまいります。飼い主のいない猫には新しい飼い主探しや地域住民との合意形成により適切な管理を行う地域猫活動を積極的に支援するなど、殺処分に至らない環境となるように努めてまいります。
 次に、動物管理指導センターの整備につきましては、これまでも飼い主への返還や保護動物の適切な管理のために必要となる設備改修に取り組み、本県の動物愛護の拠点として維持管理してまいりました。今後も適切な維持管理に努めてまいります。
 センターを活用した動物愛護活動への取り組みにつきましては、休日の譲渡会の開催の一層の推進や東部、富士及び中部保健所とも連携し犬や猫の譲渡や愛護教室等の活動の拡大を行うなど本県の動物愛護の拠点としての機能を充実してまいります。
 県といたしましては、今後も各地域のボランティアの御協力のもと積極的に取り組みを推進することにより県下全域で動物愛護の意識を一層高め動物の命を大切にする環境をつくり、動物の殺処分ゼロを目指してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 鈴木交通基盤部長。
       (交通基盤部長 鈴木克英君登壇)
○交通基盤部長(鈴木克英君) 橋梁の維持管理の取り組みについてお答えいたします。
 本県では、平成二十六年六月に国や中日本高速道路株式会社及び県内全ての市町とともに静岡県道路メンテナンス会議を設置し、道路施設の点検や修繕におけるさまざまな課題について相互に連携して対応しながら橋梁やトンネル等の適切な維持管理に取り組んでおります。このうち県管理橋梁につきましては、全国に先駆け今年度から計画的な補修によりコスト縮減と予算の平準化を図り長寿命化を目指す予防保全管理に移行したところであります。
 一方、人材や技術力の不足等の課題を抱える市町に対しては県管理橋梁と市町管理橋梁の点検を合わせて発注する地域一括発注を行い、これまでに下田市や森町など六市町、百五十二橋で点検を実施しております。また県内各地域において市町の担当職員を対象に橋梁点検の現場研修会を開催し、点検のノウハウなど技術力の向上を図る取り組みを行っております。
 加えて、市町が適切な維持管理を継続して行えるよう県が構築した橋梁点検調書作成システムを市町へ提供しております。これは橋梁の劣化状況を入力することにより健全性の評価から概算補修費の算出までを自動的に行い点検作業の効率化を図ることが可能なシステムであり、現在磐田市など十一市町において活用されております。
 県といたしましては、引き続き県管理橋梁の予防保全管理を確実に進めるとともにメンテナンス会議等を通じて市町への支援を積極的に行い、県内橋梁の安全・安心な維持管理に努めてまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 寄附金を活用した学校施設整備についてお答えいたします。
 平成二十八年度における県教育委員会の事業に対する企業などからの寄附金は約六千八百万円で、主なものはふじのくにグローバル人材育成事業に対する寄附であり学校の施設や設備に対する寄附の実績はありませんでした。教育環境をさらに向上させるためには、求められる教育課程や子供たちの生活環境に対応した施設や設備を整備することが必要不可欠であります。これまでもそれらを充実させるため県予算で計画的に進めてきたところであります。しかし相当額の費用が必要となることから、個人や企業などからの寄附金を活用することは早期実現に向けての有用な手段であります。
 議員御指摘のとおり、兵庫県では平成二十八年度の教育に係るふるさと納税による寄附金が八千万円あり空調の整備などが進んだとのことであります。一方で寄附金が集まりやすい伝統校や同窓会組織が確立している学校と新設校や小規模校との格差が生じているという事実もあると聞いております。
 子供たち一人一人の能力や適性に応じた資質をさらに伸ばしていくためには、学校における教育環境を整備、充実させることは極めて重要でありますので、県内外の自治体の事例を参考にしつつ施設や設備の充実のための寄附金の活用について検討してまいります。
 次に、定時制高校のあり方についてであります。
 県内の定時制高校には、かつての勤労青少年と言われる生徒は少なく不登校を経験した生徒や他校を中途退学した生徒、外国人生徒などさまざまな事情を抱えた多様な生徒が数多く在籍している状況にあります。このため県教育委員会では個々の生徒のニーズに対応できるよう平成五年度から順次、単位制による定時制高校の整備を進めてまいりました。また外部人材を活用した学習支援、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置、さらには人間関係等に問題を抱える生徒のためのコミュニケーションスキル講座の実施などハード・ソフト両面からの積極的な支援に取り組んでおります。
 一方、議員御指摘のとおり学年制の定時制高校は定員に対する充足率の低い状況が続いております。本年八月には学識経験者等で構成する県立高等学校第三次長期計画検討委員会から、充足状況等を踏まえつつ、より弾力的な運用が可能な単位制による定時制高校への再編成が望まれるとの提言をいただいたところであります。
 県教育委員会といたしましては、この提言等を踏まえ多様化する生徒のニーズに対応できる学習スタイルの提供、学び直しや再チャレンジの場としての柔軟な受け入れ体制の一層の整備など定時制高校に求められる役割を十分担えるよう充実を図ってまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 筋警察本部長。
       (警察本部長 筋 伊知朗君登壇)
○警察本部長(筋 伊知朗君) 高齢ドライバーの交通事故防止対策についてお答えいたします。
 初めに、改正道路交通法施行後における認知機能検査等の状況についてでありますが、改正法が施行された三月十二日から八月末までの間に七十五歳以上の方の運転免許の更新時に行う認知機能検査及び七十五歳以上の方が一定の違反行為をした場合に行う臨時認知機能検査等を延べ三万四千九百二十七人が受検し、このうち九百八十六人が認知症のおそれがある第一分類と判定されています。これらの方が運転免許の更新または継続を希望する場合は医師の診断書の提出が義務づけられています。第一分類と判定された九百八十六人の方のうち八月末までに四三%に当たる四百二十四人の方が運転免許証を自主返納されています。また八月末までに百四十四人の方が医師の診断書を提出されていますが、運転免許の取り消し、停止の行政処分に至った方はいませんでした。
 次に、高齢運転者の交通事故防止対策についてでありますが、平素から交通安全体験車を活用するなど関係機関・団体と連携した参加・体験・実践型の教育を行っているほか高齢者の更新時講習等各種講習の一層の充実に努めています。また認知機能検査等で第一分類と判定されたものの医師の診断の結果認知症ではないとされ運転を継続する方に対しては、御自宅を訪問するなどし本人及び御家族に身体機能や運転能力に応じた運転を行うようきめ細かな指導を行っています。
 本年三月からは、警察本部運転免許課内に相談専用ダイヤル、高齢運転者支援ホットラインを開設し運転に不安を感じる高齢者や御家族からの相談受理体制を強化しております。また本年二月から市町、企業等と連携してバス、タクシー料金の割引等の生活支援を紹介するサポート事業を、九月十五日からは自主返納者等に対し市町の地域包括支援センターと連携する制度を開始するなど運転免許証を自主返納しやすい環境の整備にも努めております。
 議員から御指摘がございました運転適性相談窓口への医療系専門職員の配置につきましては、一部の都府県警察に配置実績がありますことから、その状況を踏まえ将来的な配置に向け検討を進めてまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 前林孝一良君。
       (七十一番 前林孝一良君登壇)
○七十一番(前林孝一良君) それぞれに御答弁いただきましてありがとうございました。
 再質問を二点、そして要望を一点、お願いしたいと思います。
 最初に、知事からは若者の政治的関心の向上という観点から御所見をいただきました。それに関連して知事からも話がありましたように今回総選挙が近づいているわけですけれども、若者の関心を向上させるという観点から投票の際投票所でまだ十八歳に満たない高校生の皆さんにお手伝いをいただくということでこの関心を高めるようなことができないかと考えるものでありますけれども、この高校生に投票所での手伝いをお願いするという答弁に関しての御所見をお答えいただきたいと思います。
 二番目の質問は、教育長にお願いをします。
 定時制高校のあり方ということで、教育長からもさまざまなニーズがある、そしてセーフティーネットとしての定時制高校という話がありました。私は質問の中で全日制高校の魅力づくりということを触れさせてもらいましたが、定時制高校も魅力がある学校であれば生徒たちは集まってくるのではないかと思いますが、その魅力の一番大きな内容というのはやはり教師自身だと私は思っております。さまざまな生徒たちが入ってくるこの定時制高校にあって、あらゆるニーズに応えられるような教師というものは、これはやっぱりかなり高度な能力のある教師でなければならないと思っております。
 昨日の山ア真之輔議員の質問の中でも教師の養成ということがございましたが、やはりすぐれた教師をいかに養成するかということも大事かと思いますが、教育長の御所見を改めて伺います。
 それから、要望ですが、動物愛護について山口健康福祉部長から御答弁をいただきました。最後の最後の最後に殺処分ゼロに向けてという言葉がありましたので、本当は再質問しようと思ったんですがその言葉を信じてぜひ殺処分ゼロを目指して頑張っていただきたいということを要望させていただきます。二点、再質問をよろしくお願いします。
○議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
○経営管理部長(伊藤篤志君) 若者の政治的関心の向上に関する再質問にお答えいたします。
 今回の予定される総選挙におきまして、投票所に若者にお手伝いをいただいて選挙に対する、政治に対する関心を高めてはどうかという御提言でございます。
 大変すばらしい取り組みだと思います。とは言いながら総選挙が急に決まったことで十分な準備時間ができるかどうかということもございますので、県選挙管理委員会とともに市町の選挙管理委員会ともそういった対応ができるかどうか早急に検討したいと思います。しっかりと若者の政治的参加、高校生の政治的関心の向上に向けて取り組んでまいりたいと思います。以上でございます。
○議長(杉山盛雄君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 再質問にお答えいたします。
 ただいま先生のほうからお話ありましたように、定時制の魅力というものをもうちょっと出すべきじゃないかなと。これは先生方に対してももちろん、さらに学生に寄り添った形でやっていただくというのが当然のことだと思いますが、私たちも実は相当いろいろな学校といいますか小中高と移動教育委員会も行っているんですが、こういうような定時制のほうももっと積極的に伺ってそしてその実情を把握してそれから学校の雰囲気の醸成といいますかより生徒が来やすいような形でやっていくのがよろしいとは思いますので、今後至急検討させていただきます。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) これで前林孝一良君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。再開は十四時四十五分といたします。

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